JP2002362564A - ボビン取扱い装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバ等の線材が巻き付けられたボビン
の取扱い、特に保管及び運搬を容易に行うことができる
ボビン取扱い装置を提供すること。 【解決手段】 本発明によるボビン取扱い装置１０は、
ボビン１２が載置される棚部２４と、棚部に載置された
ボビンの上下動を防止すべく上方からボビンを押さえ付
ける押さえバー４０とを有するラック１４を備えてい
る。また、ボビン取扱い装置は、ラックを移動させるた
めのキャスタ６４，６６を備えている。この構成では、
ラックがキャスタにより移動自在であるので、ボビンを
保管したまま運搬を行うことができる。また、押さえバ
ーが設けられているので、運搬時にボビンがラックの棚
部から脱落するのを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ等の線
材が巻かれたボビンの運搬や保管等を行うためのボビン
取扱い装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、光ファイバの運搬や保管は、軸部
の両端に鍔部が設けられてなるボビンに巻いた状態にて
行われる。従来一般の運搬方法は、光ファイバが巻かれ
たボビン（以下、特に示さない限り、「ボビン」は光フ
ァイバが巻かれたものをいうものする）を肉厚の段ボー
ル箱内に上下二段積みで収容し運搬するというものであ
った。また、段ボール箱内に収納した状態のまま保管し
たのでは、品番が確認できず、下段から所望のボビンを
取り出す場合には上段のボビンも取り出さなければなら
ないため、専用の固定型ラックにてボビンを保管するこ
ととしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような環境では、或る保管場所から別の保管場所にボ
ビンを輸送するたびに、段ボール箱とラックとの間でボ
ビンを詰め替える作業を行わなければならず、煩わし
く、また、ボビンは重いため相当な労力を要するという
問題がある。例えば、床に置いた段ボール箱の下段から
ボビンを取り出す場合、作業者は前屈みの姿勢となるた
め、腰部に大きな負担がかかる。そして、段ボール箱か
ら取り出したボビンをラックの上段に配置する場合に
も、重量のあるボビンを胸よりも高く持ち上げなければ
ならず、力が必要であった。台車状のもので運搬すると
しても、ボビンの荷くずれを防止するための対策が必要
である。

【０００４】また、段ボール箱は耐久性が乏しく、運搬
を数回行うだけで破損し、新規な段ボール箱を用意して
おかなければならず、不経済であった。

【０００５】そこで、本発明の主目的は、ボビンの取扱
い、特に保管及び運搬を容易に行うことができるボビン
取扱い装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるボビン取扱い装置は、ボビンが載置さ
れる棚部と、棚部に載置されたボビンの上下動を防止す
るボビン上下動防止手段とを有するラック、及び、この
ラックを移動させるためのキャスタを備えることを特徴
としている。

【０００７】このような構成では、ラックがキャスタに
より移動自在であるので、ボビンを保管したまま運搬を
行うことができる。また、ボビン上下動防止手段が設け
られているので、運搬時にボビンがラックの棚部から脱
落するのを防止することができる。勿論、ラックは段ボ
ール箱に比して格段の耐久性も有している。

【０００８】ラックの棚部としては、同一高さにて水平
に互いに所定の間隔をおいて平行配置された２本のボビ
ン支持バーから構成されるものが考えられる。また、ボ
ビン上下動防止手段としては、上方からボビンを棚部に
押し付ける押さえバーからなるものが考えられる。

【０００９】ボビンに損傷を与えないよう、ボビン支持
バーにはクッション材が巻き付けられていることが好ま
しい。

【００１０】また、クッション材が設けられている場合
においては、クッション材のボビンの鍔部が接する位置
にバンドを巻き、凹状に変形しておくことが好適であ
る。このバンドを目印にボビンを適正箇所に配置するこ
とが可能となり、ボビンが直接接することによるクッシ
ョン材のへたり等を防止することができるからである。
更に、バンドにより形成されたクッション材の凹所にボ
ビンの鍔部を配することにより、ボビンの水平方向の位
置ずれを防止することもできる。ボビン位置ずれ防止手
段としては、ボビン支持バー自体に凹部を形成する等、
他にも種々考えられる。

【００１１】ラックは台車に載置し、台車と一体的に取
り扱うようにしてもよい。この場合、台車は鋼製とし、
ラックを樹脂製とすれば、ボビン取扱い装置に耐久性を
持たせると共に、軽量化を図ることが可能となる。

【００１２】また、本発明によるボビン取扱い装置は、
フォークリフト爪受けが設けられていることが有効であ
る。これにより、フォークリフトを用いてトラックへの
移載を容易に行うことができ、長距離輸送も可能とな
る。

【００１３】更に、トラック輸送等を行う場合、２台の
ボビン取扱い装置を互いに接触させた状態で配置するこ
とが多いが、その際、接触部が隣合うボビン取扱い装置
同士を安定して支持するよう構成されていることが好ま
しい。例えば、キャスタによる移動を操作するためのハ
ンドルを備えているボビン取扱い装置の場合、２台を隣
接配置する際の接触による衝撃を緩衝するようハンドル
よりも下方にバンパを配置されせることが好適である
が、かかる構成において、ハンドル同士とバンパ同士の
上下２カ所でボビン取扱い装置同士を接触させた場合、
その接触部により両者は互いに安定支持されることにな
る。

【００１４】また、本発明のボビン取扱い装置は、ラッ
ク内に収容されたボビンを塵埃や雨水から保護するた
め、ラックを覆う少なくとも一部分が半透明又は透明の
カバーを備えることが望ましい。ボビンに光ファイバが
巻き付けられている場合、光ファイバは紫外線により変
質するおそれがあるので、カバーは紫外線遮断効果を有
すると更に好ましい。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態について詳細に説明する。

【００１６】図１は、本発明によるボビン取扱い装置の
一実施形態を示している。図示するように、ボビン取扱
い装置１０は、光ファイバ用のボビン１２が置かれるラ
ック１４と、ラック１４の下部を支持する台車１６とを
備えている。

【００１７】ラック１４は、図２にも示すように、棒状
体、好ましくは軽量である合成樹脂製パイプを適当なジ
ョイントで接続してなる略直方体形状のフレーム構造物
であり、垂直方向に延びる４本の支柱１８と、隣合う支
柱１８の上端間をつなぐ上部水平部材２０と、隣合う支
柱１８の下端間をつなぐ下部水平部材２２とを備えてい
る。なお、本実施形態においては、明瞭化のために添字
を付して説明すると、支柱１８ａ，１８ｂと水平部材２
０ａ，２２ａとで囲まれる部分をラック１４の前面部分
と、その反対側であり、支柱１８ｖ，１８ｄと水平部材
２０ｃ，２２ｃとで囲まれる部分を後面部分と、残りの
部分を左又は右の側面部分と称することとし、前面部分
及び後面部分からボビン１２の出入れが行われるものと
する。

【００１８】本実施形態に係るラック１４は、ボビン１
２が載置される棚部２４を、上下方向に３段、前後方向
に２列の構成で備えている。各棚部２４は、長尺の水平
部材２０ａ，２０ｃ，２２ａ，２２ｃと平行に、左右の
側面部分間で水平に延びる２本のボビン支持バー２６か
ら構成されている。各棚部２４における２本のボビン支
持バー２６は、同一高さ位置にて前後に所定の間隔をお
いて配置されている。ボビン支持バー２６間の間隔は、
ボビン１２の鍔部２８の直径よりも小さく、図１、図３
及び図４に示す如くボビン支持バー２６間でボビン１２
の鍔部２８の下部を支持できるようになっている。

【００１９】各ボビン支持バー２６は、図３及び図４に
明示するように、左右の側面部分間で延びる上下１対の
合成樹脂製パイプ３０，３２からなり、上側のパイプ３
０にはクッション材３４が巻かれている。これらのパイ
プ３０，３２の端部は、ラック１４の側面部分にて上下
の水平部材２０ｂ，２２ｂ；２０ｄ，２２ｄ間で垂直方
向に延びる補助支柱３６により支持されている。この補
助支柱３６も合成樹脂製パイプからなっている。また、
ボビン支持バー２６を構成するパイプ３０，３２は、所
定の間隔で配置された複数本の結束バンド（インシュロ
ック）３８によって互いにきつく締結されている。結束
バンド３８の位置は、ボビン１２を所定の支持位置に配
置した時にその鍔部２８がボビン支持バー２６と接する
位置である。

【００２０】また、各棚部２４には、２本のボビン支持
バー２６により支持されたボビン１２を上から押圧して
ボビン１２の上下動を防止するための押さえバー４０が
設けられている。押さえバー４０にはクッション材４２
が巻き付けられている。押さえバー４０の端部は、図３
に明示するように、左右の各側面部分における垂直の補
助支柱４４に摺動可能に遊嵌されたＴ字管４６により支
持されている。Ｔ字管４６は、補助支柱４４の所定位置
に固定されたストッパ４８によって下方への移動が規制
されている。ストッパ４８の固定位置は、ボビン支持バ
ー２６上にボビン１２を載せた状態におけるボビン鍔部
２８の最上点よりもやや低い位置である。また、補助支
柱４４には、ストッパ４８よりも上方の位置にて、圧縮
ばね５０の上端が固定されており、この圧縮ばね５０の
下端はＴ字管４６に接続されている。圧縮ばね５０は、
押さえバー４０を持ち上げてＴ字管４６をストッパ４８
から上昇させると、圧縮されるようになっている。

【００２１】更に、ラック１４は、補強のために、隣合
う支柱１８の中間部分間に中間水平部材５２，５４が横
架されている。中間水平部材５２，５４の本数及び取付
け位置は適宜定められるものであるが、本実施形態にお
いては棚部２４が３段あるため、ラック１４の前面部分
及び後面部分における中間水平部材５２はそれぞれ２本
とされ、上２つの棚部２４のボビン支持バー２６と同等
の高さに配置されている。なお、左右の側面部分におい
ては、中間水平部材５４は１本とされている。

【００２２】本実施形態に係るボビン取扱い装置１０
は、前述したように、ラック１４を載せてその下部を一
体物として支持する台車１６を更に備えている。台車１
６は、図５に示すように、剛性を確保するために鋼材に
より構成されており、４本のアングル鋼５６を矩形に接
合してなる底部５８と、底部５８の各コーナに立設され
たアングル鋼からなる支柱６０とを備えている。

【００２３】台車１６の底部５８は、アングル鋼５６の
内向き水平部分上にラック１４の下部水平部材２２が載
置されるよう、ラック１４の水平断面の輪郭と 実質的
に同形に形成されている。底部５８の各コーナの下面に
は略正方形の平鋼板６２が接合され、それぞれにキャス
タ（車輪）６４，６６が取り付けられている。台車１６
の手押しによる移動操作を良好にするために、これらの
キャスタ６４，６６のうち少なくとも１対（キャスタ６
６）は旋回可能なタイプとされている。また、台車を一
定の個所に固定することができるよう、少なくとも１個
のキャスタはロック可能となっていることが好ましい。
更に、長辺側のアングル鋼５６ａ，５６ｃ間の下面に
は、１対の角筒状のフォークリフト爪受け６８が前後方
向（すなわち、短辺側のアングル鋼５６ｂ，５６ｄと平
行）に接合されている。なお、符号７０は、補強のため
に短辺側のアングル鋼５６ｂ，５６ｄ間に接合された、
長尺の平鋼板である。

【００２４】台車１６の前面部分で隣合う支柱６０ａ，
６０ｂ間及び支柱６０ｃ，６０ｄ間の上部部分には、主
として補強を目的として長尺の平鋼板７２が水平に取り
付けられている。台車１６の底部５８から平鋼板７２ま
での高さはラック１４の下部水平部材２２から下側の中
間水平部材５２までの高さとほぼ一致している。また、
側面部分において隣合う支柱６０ｂ，６０ｃ間及び支柱
６０ａ，６０ｄの上部部分には、当板７４を介して丸棒
７６が横架されている。この丸棒７６は、台車１６の補
強としての役割を有すると共に、台車１６の移動操作の
ためのハンドルとして機能するものである。なお、丸
棒、すなわちハンドル７６の端部に隣接する部分には、
後述するが、ボビン取扱い装置１０をトラックに積載し
た際に固定用ワイヤを掛けるためのフック７８が設けら
れている。

【００２５】更に、この台車１６の底部５８には、短辺
側アングル鋼５６ｂ，５６ｄの外面にゴム等の弾性材料
からなるパンパ８０が設けられている。このバンパ８０
の突出量はハンドル７６の突出量よりも若干大きくされ
ている。

【００２６】このような台車１６に図１に示す如くラッ
ク１４を配置することで、ボビン取扱い装置１０として
機能する。かかるボビン取扱い装置１０は、ラック１４
と台車１６とからなるため、ボビン１２の保管と運搬が
１台で可能となっている。

【００２７】ボビン１２を保管する場合、まず、棚部２
４の手前側のボビン支持バー２６にボビン１２の鍔部２
８を当てる。この際、ボビン支持バー２６の結束バンド
３８上に鍔部２８を配置する。結束バンド３８は、ボビ
ン１２を配置する目印として機能し、ボビン１２との接
触によるクッション材３４の摩耗や損傷を防止すること
ができる。この後、ボビン１２をラック１４の内側に押
し込むと、鍔部２８の上部が押さえバー４０に当接し、
これを圧縮ばね５０のばね力に抗して押し上げる。そし
て、鍔部２８が２本のボビン支持バー２６に接すると、
圧縮ばね５０の復元力で押さえバー４０が鍔部２８を下
方に押し付けるために、ボビン１２はボビン支持バー２
６上にて確実に保持される。また、結束バンド３８は、
図１及び図４に示すように、クッション材３４を凹状に
変形しており、そこに鍔部２８が落とし込まれるため、
ボビン１２はボビン支持バー２６に沿って水平方向に位
置ずれを起こすこともない。ボビン１２を取り出す場合
には、圧縮ばね５０のばね力に抗してボビン１２を引き
出せばよい。

【００２８】このようにしてボビン１２をラック１４に
収納した状態にて、ハンドル７６を押して台車１６を移
動させることで、ボビン取扱い装置１０の位置、すなわ
ちボビン保管位置を容易に変更することができる。

【００２９】また、台車１６にフォークリフト爪受け６
８が設けられているため、図示しないが、フォークリフ
トのフォーク（爪）をフォークリフト爪受け６８に挿入
し、フォークリフトでの運搬も可能となっている。フォ
ークリフト爪受け６８は、フォークの位置ずれを防止で
き且つ台車１６に対しての強度が確保されているものな
らばどのような形態でも良いが、図示実施形態では角筒
状となっているため、フォークの角度によってはその先
端が台車１６の底部５８からラック１４内に貫く等の不
具合が防止されている。

【００３０】本実施形態のボビン取扱い装置１０はフォ
ークリフトによって運搬可能であることにより、図６に
示すように、トラック８２に載せて運搬することも可能
となっている。トラック８２にて運搬する場合、トラッ
ク８２の荷台８４に対して側方からボビン取扱い装置１
０を積み込むと、フォークリフト爪受け６８がボビン取
扱い装置１０の前後方向に延びているため、ボビン取扱
い装置１０の左右の側面部分がトラック８２の進行方向
に向くことになる。この状態は、トラック輸送中におけ
るボビン１２のボビン支持バー２６からの脱落を防止す
るものである。すなわち、仮にボビン支持バー２６によ
り支持されたボビン１２の中心軸線がトラック８２の進
行方向に対して直角となっている場合（ラック１４の前
面部分がトラック８２の進行方向に向いている場合）、
トラック８２の急発進や急停車の際にボビン１２にはボ
ビン支持バー２６からの取り出すための力が作用してボ
ビン支持バー２６と押さえバー４０との間から外れる可
能性があるが、図示の状態ではボビン支持バー２６上を
横方向にずれることはあっても、そこから脱落すること
はなない。

【００３１】更に、図６に示すように、本実施形態のボ
ビン取り扱い装置１０をトラック８２の進行方向に沿っ
て並べた場合、バンパ８０同士がまず接して接触時の衝
撃を緩和した後、ハンドル７６同士が接することにな
る。この状態では、前後のボビン取扱い装置１０が上下
２カ所で互いに支持し合い、安定した状態となる。な
お、接触部の面積を大きくし、或いは、接触部の数を多
くしても、ボビン取扱い装置１０同士を互いに安定に支
持させることができる。

【００３２】この状態で最後尾のボビン取扱い装置１０
のフック７８に固定用ワイヤ８６を掛け回し、その端部
をトラック８２の荷台８４に設けられているフック（図
示しない）に掛け、ジャッキにより締め付けると、複数
台のボビン取扱い装置１０はトラック荷台８４の前立板
８８に押し付けられる。これにより、前述したように隣
合うボビン取扱い装置１０のハンドル７６同士及びバン
パ８０同士の接触部により安定支持状態となっているこ
とも相俟って、ボビン取扱い装置１０はトラック８２の
荷台６４上でしっかりと固定され、トラック輸送中の荷
崩れが防止される。

【００３３】なお、トラック８２への移載時や建屋間の
手押し移送時等、雨水や塵埃からラックに収容されたボ
ビンを保護するために、図７に示すようなカバー９０を
ラック１４に被せることが有効である。

【００３４】図示のカバー９０は、ラック１４と実質的
に同形の樹脂シートから構成されている。このカバー９
０は、ボビン出入れ口となるラック１４の前面部分と後
面部分を覆う部分９２は開放可能となっており、他の部
分９４とは面ファスナ（マジックテープ：株式会社クラ
レの登録商標）９６で剥離可能に接合されている。これ
は、運搬時以外の保管時にも防塵等の目的でカバー９０
をラック１４に装着したままとし、ボビン１２の出し入
れの際にのみラック１４の前面部分又は後面部分を開放
するためである。

【００３５】また、保管時にカバー９０を通してラック
１４の内部が見得るよう、少なくとも一部分、好ましく
は全体が透明又は半透明であることが、管理上の観点か
らも好ましい。

【００３６】更に、カバー９０は、紫外線遮断効果を有
する樹脂から構成されることが好適である。ボビン１２
に巻かれている光ファイバは紫外線硬化樹脂を使用して
いるため、紫外線により変質する場合があるからであ
る。特に、ボビン取扱い装置１０をトラック輸送する際
や建屋外に持ち出した際、強い紫外線を受ける可能性が
あるため、カバー９０により紫外線を遮断できるように
することは重要である。

【００３７】なお、図７において符号９８はポケットで
あり、ボビン管理表等を入れるためのものである。ま
た、符号１００はカバー９０をラック１４の下部水平部
材２２に縛り付けるための紐である。

【００３８】以上、本発明の好適な実施形態について詳
細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない
ことはいうまでもない。

【００３９】例えば、上記実施形態では、耐久性を確保
しつつ軽量化を図ることを目的の一つとしてラックを台
車にて支持する構成を採っているが、台車を廃し、ラッ
クを鋼製の堅牢な構造として、その下面にキャスタを設
けてもよい。また、ラックは、側壁、天板及び底板によ
り囲まれた形態としてもよい。

【００４０】更に、ボビンの上下動防止手段は１本の押
さえバーに限られず、位置ずれ防止手段もクッション材
と結束バンドによるものでなくてもよい。例えば、ボビ
ンをクランプする機構を棚部に設ければ、上下動も水平
方向の位置ずれも防止することができる。

【００４１】更にまた、ボビンは光ファイバ用に限定さ
れるものではない。

【００４２】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ボ
ビンの保管、運搬、荷役等の取扱いを１台のボビン取扱
い装置により一貫して行うことができる。従って、保管
は専用の固定型ラックにて行い運搬は段ボール箱のよう
な通い箱にて行うこととしていた従来方式に比して、作
業時間や労力が大幅に軽減される。

【００４３】また、ラックの棚部に支持されたボビンの
上下動を防止する手段があるため、運搬中の振動等によ
るボビンへの影響も抑制ないしは回避できる。

【００４４】更に、構造上、耐久性があるため、多数回
の使用にも耐え、耐久性のない段ボール箱を使用する場
合に比して経済的に有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるボビン取扱い装置の一実施形態を
示す正面図である。

【図２】図１のボビン取扱い装置におけるラックを示す
斜視図である。

【図３】ラックにおける棚部を拡大して示す斜視図であ
る。

【図４】ラックにおける棚部を拡大して示す正面図であ
る。

【図５】図１のボビン取扱い装置における台車を示す斜
視図である。

【図６】図１のボビン取扱い装置をトラックの荷台に載
せた状態を示す側面図である。

【図７】図１のボビン取扱い装置におけるラックに被せ
て使用するカバーの斜視図である。

【符号の説明】

１０…ボビン取扱い装置、１２…ボビン、１４…ラッ
ク、１６…台車、２４…棚部、２６…ボビン支持バー、
２８…ボビンの鍔部、３４…クッション材、３８…結束
バンド（ボビン位置ずれ防止手段）、４０…押さえバー
（ボビン上下動防止手段）、５０…圧縮ばね、６４，６
６…キャスタ、６８…フォークリフト爪受け、７６…ハ
ンドル（接触部）、７８…フック、８０…バンパ（接触
部）、８２…トラック、８４…荷台、８６…固定用ワイ
ヤ、９０…カバー、９６…面ファスナ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E063 AA13 AA21 AA31 BA02 BB04 CA05 CA09 CB04 CC04 DA01 EE01 FF11 GG10 3F068 AA13 DA08 DB07 EA08 EB04 HA03

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボビンが載置される棚部と、前記棚部に
   載置されたボビンの上下動を防止するボビン上下動防止
   手段とを有するラックと、 前記ラックを移動させるためのキャスタとを備えること
   を特徴とするボビン取扱い装置。
2. 【請求項２】 前記棚部は、同一高さにて水平に互いに
   所定の間隔をおいて平行配置された２本のボビン支持バ
   ーを備え、 前記ボビン上下動防止手段は、上方からボビンを前記棚
   部に押し付ける押さえバーを備えることを特徴とする請
   求項１に記載のボビン取扱い装置。
3. 【請求項３】 前記ボビン支持バーがクッション材によ
   り巻かれていることを特徴とする請求項２に記載のボビ
   ン取扱い装置。
4. 【請求項４】 前記クッション材のボビンの鍔部が接す
   る位置にバンドが巻かれ、凹状に変形されていることを
   特徴とする請求項３に記載のボビン取扱い装置。
5. 【請求項５】 前記棚部に載置されたボビンの水平方向
   の位置ずれを防止するボビン位置ずれ防止手段を備える
   ことを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の
   ボビン取扱い装置。
6. 【請求項６】 前記ラックが載置され一体的に取り扱わ
   れる台車を備え、前記キャスタが前記台車のキャスタで
   あることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記
   載のボビン取扱い装置。
7. 【請求項７】 フォークリフト爪受けを備えることを特
   徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載のボビン取
   扱い装置。
8. 【請求項８】 ２台を互いに接触させた状態で隣接配置
   した場合に、接触部が互いを安定して支持するよう構成
   されていることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１
   項に記載のボビン取扱い装置。
9. 【請求項９】 前記ラックの前記キャスタによる移動を
   操作するためのハンドルと、２台を隣接配置する際の接
   触による衝撃を緩衝するよう前記ハンドルよりも下方に
   配置されたバンパとを備え、 前記接触部が、前記ハンドル同士の接触部と、前記バン
   パ同士の接触部を含んでいることを特徴とする請求項８
   に記載のボビン取扱い装置。
10. 【請求項１０】 前記ラックを覆うカバーであって、少
    なくとも一部分が半透明又は透明であるものを備えるこ
    とを特徴とする請求項１〜９のいずれか１項に記載のボ
    ビン取扱い装置。
11. 【請求項１１】 前記カバーは紫外線遮断効果を有する
    ことを特徴とする請求項１０に記載のボビン取扱い装
    置。