JP2002361532A - バイス並びに被加工物に対する機械加工方法 - Google Patents

バイス並びに被加工物に対する機械加工方法

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JP2002361532A
JP2002361532A JP2001169837A JP2001169837A JP2002361532A JP 2002361532 A JP2002361532 A JP 2002361532A JP 2001169837 A JP2001169837 A JP 2001169837A JP 2001169837 A JP2001169837 A JP 2001169837A JP 2002361532 A JP2002361532 A JP 2002361532A
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fixed
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jaw
movable jaw
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JP2001169837A
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English (en)
Inventor
Shoichi Sakai
正一 酒井
Yasutaka Ogawa
康尚 小川
Takeo Hayashi
武男 林
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Nabeya Iron and Tool Works Ltd
Original Assignee
Nabeya Iron and Tool Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 数の被加工面を有する被加工物に対する機械
加工を行なう際に好適に用いられるバイスと、かかる機
械加工を高精度に且つ能率的に実施し得る方法とを提供
する。 【解決手段】 長手のベース10における長手方向の一
端部に、該ベース10よりも幅の小さな固定ジョー12
を位置固定に設けると共に、該ベース10上に、該ベー
ス10よりも幅の小さな可動ジョー14を、該ベース1
0の長手方向に沿って、該固定ジョー12に対して接近
/離隔移動可能に配設して、バイスを構成した。そし
て、かかるバイスの可動ジョーと固定ジョーとの間に、
三つの被加工面を有する被加工物を、各被加工面の全面
が該可動ジョーと該固定ジョーの間から外方に突出して
位置するようにクランプした後、固定台に対して、ベー
スの底面又は幅方向の両側面の何れかが当接するように
固定せしめた状態の何れかにおいて、該被加工物の何れ
かの被加工面に対する機械加工を行なうようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、バイス並びに被加工物に対する
機械加工方法に係り、特に、複数の被加工面を有する被
加工物に対して機械加工を行なう際に好適に用いられる
バイスと、そのような機械加工を有利に実施し得る方法
に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、各種被加工物の加工等に際し
て、該被加工物を把持、固定するための装置として、バ
イス(万力装置)が用いられてきているが、そのような
バイスは、一般に、長手のベースと、かかるベースの長
手方向の一端部に位置固定に設けられた固定ジョーと、
該ベース上において、その長手方向に沿って、該固定ジ
ョーに対して接近/離隔移動せしめられ得るように配設
された可動ジョーとを含んで構成され、該可動ジョーの
該固定ジョーに対する接近移動によって、それら可動ジ
ョーと固定ジョーとの間で、被加工物がクランプされ
て、固定されるようになっている。
【0003】そして、かかるバイスに固定された被加工
物に対して、各種工作機械の加工工具を用いた研削加工
や切削加工、穴開け加工、溝切り加工等の、所謂機械加
工を行なう際には、通常、バイスを、その底面におい
て、所定の固定台に当接させて固定する一方、被加工物
を、その加工されるべき面(被加工面)が、可動ジョー
と固定ジョーの間から、機械加工を行なうための加工工
具の配置側に向かって突出して(はみ出して)位置する
ようにクランプし、その状態で、かかる被加工面に対し
て、目的とする機械加工が実施されているのである。
【0004】ところで、上述の如き構造とされた従来の
一般的なバイスにおいては、製作上の理由等から、可動
ジョーと固定ジョーのそれぞれの幅と、ベースの幅とが
略同一の大きさとされている。
【0005】それ故、従来では、例えば、ベースの幅よ
りも小さな幅を有すると共に、その幅方向の両側面と、
それら両側面に隣り合う底面の三つの面が被加工面とさ
れた被加工物に対して機械加工を実施する場合、一般
に、先ず、バイスを、その底面において、固定台の固定
面に当接させて固定した後、上述のように、三つの被加
工面のうちの一つたる底面が、バイスの可動ジョーと固
定ジョーの間から加工工具の配置側に向かって突出し、
且つ残りの被加工面たる両側面のうちの一方の面が、可
動ジョーと固定ジョーの間から側方に突出して位置する
ように、被加工物を可動ジョーと固定ジョーの間でクラ
ンプした状態で、底面に対する機械加工を実施する。次
いで、バイスを横転させて、可動ジョーと固定ジョーの
間から突出する一方の側面が加工工具の配置側に突出す
るように位置せしめた状態で、ベースの両側面のうち、
被加工物の一方の側面が突出する側とは反対側の側面に
おいて、固定台に固定面に当接させて固定した後、被加
工物の一方の側面に対する機械加工を行なう。そして、
それが終了したら、バイスを固定したままで、被加工物
のクランプ状態を、一旦、解除し、その後、他方の側面
が、バイスの可動ジョーと固定ジョーの間から加工工具
の配置側に向かって突出して位置するように、被加工物
を180°回転させて、可動ジョーと固定ジョーの間
で、再びクランプして、該他方の側面に対する機械加工
を実施し、以て、三つの被加工面の全てに対する機械加
工を完了するのである。
【0006】このように、ベースの幅よりも小さな幅を
有すると共に、一つの面(底面)と、該一つの面に隣り
合い、且つ互いに対向する二つの面(幅方向の両側面)
の三つの面が被加工面とされた被加工物に対する機械加
工を、従来の一般的なバイスを用いて行なう際には、か
かる被加工物に対する機械加工中において、被加工物を
クランプし直す面倒な作業を必ず行なわなければなら
ず、そのような作業を行なう分だけ、余分な時間がかか
り、それによって、被加工物に対する機械加工の作業能
率が著しく低下せしめられていたのであり、また、クラ
ンプし直した際に、被加工物の微妙な位置ずれ等が生じ
て、加工精度が低下する恐れさえもあったのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その第一の解決
課題とするところは、ベースの幅よりも小さな幅を有す
ると共に、一つの面と、該一つの面に隣り合い、且つ互
いに対向する二つの面の三つの面が被加工面とされた被
加工物に対する機械加工を行なう際に、加工の途中で被
加工物をクランプし直すことなく、1回のクランプ操作
で、被加工物の三つの被加工面に対する機械加工が実施
可能となるように、被加工物を固定し得るバイスの改良
された構造を提供することにある。また、本発明にあっ
ては、そのような三つの被加工面を有する被加工物に対
する機械加工を行なうに際して、加工の途中で被加工物
をクランプし直す作業を何等行なうことなく、クランプ
作業を1回行なうだけで、被加工物の複数の被加工面に
対する機械加工を有利に実施することが出来、以て、か
かる機械加工の加工精度と作業能率を効果的に高め得る
ようにした、被加工物に対する機械加工方法を提供する
ことを、その第二の解決課題とするものである。
【0008】
【解決手段】そして、本発明にあっては、上記第一の課
題を解決するために、長手のベースと、かかるベースの
長手方向の一端部に位置固定に設けられた固定ジョー
と、該ベース上において、その長手方向に沿って、該固
定ジョーに対して接近/離隔移動せしめられ得るように
配設された可動ジョーとを含み、該可動ジョーの該固定
ジョーに対する接近移動によって、それら可動ジョーと
固定ジョーとの間に被加工物をクランプして、固定する
ようにしたバイスにおいて、前記固定ジョーと前記可動
ジョーのそれぞれの幅が、前記ベースの幅よりも小さく
されていることを特徴とするバイスを、その要旨とする
ものである。
【0009】すなわち、この本発明に従うバイスにあっ
ては、固定ジョーと可動ジョーのそれぞれの幅が、ベー
スの幅よりも小さくされているところから、例えば、ベ
ースの幅よりも小さな幅を有すると共に、一つの面と、
該一つの面に隣り合い、且つ互いに対向する二つの面の
三つの面が被加工面とされた被加工物に対する機械加工
を行なう際に、ベースの幅よりも小さくされた可動ジョ
ーと固定ジョーの幅を、かかる被加工物の幅よりも更に
小さくなるように設計すれば、該被加工物の三つの被加
工面を、それぞれの全面において、固定ジョーと可動ジ
ョーの間から外方に突出する(はみ出す)ものの、ベー
スの幅方向の両端から側方に突出しない(はみ出さな
い)ように位置させた状態で、該被加工物を、それら固
定ジョーと可動ジョーの間でクランプすることが出来
る。そして、そうすることによって、被加工物をクラン
プしたままで、単に、固定台に当接して固定されるベー
スの固定台への当接面を変えるだけで、被加工物を固定
台に何等接触させることなく、固定ジョーと可動ジョー
の間から機械加工を行なうための加工工具の配置側に向
かって、全面が突出して位置せしめられる被加工面を、
前記三つの被加工面のうちから、任意に選択することが
可能となるのである。
【0010】従って、かくの如き本発明に従うバイスを
用いれば、上述の如き三つの被加工面を有する被加工物
に対する機械加工を行なう際に、加工の途中で被加工物
をクランプし直すことなく、1回のクランプ操作で、被
加工物の三つの被加工面の全てに対する機械加工が実施
可能となるように、被加工物を固定することが出来るの
である。そして、それによって、かかる被加工物に対す
る機械加工の実施時において、面倒な作業を強いられる
被加工物のクランプ操作の回数を可及的に少なくするこ
とが可能となって、作業時間を有利に短縮することが出
来ると共に、クランプし直された被加工物に位置ずれ等
が生ずるようなことを有利に解消することが出来、以
て、複数の被加工面を有する被加工物に対する機械加工
の加工精度と作業能率の向上を、共に効果的に図らしめ
得るのである。
【0011】なお、このような本発明に従うバイスの好
ましい態様の一つによれば、前記ベースが、全体として
長手の矩形体形状を呈し、その底面と幅方向の両側面と
が直角に位置するように構成されて、それら底面と両側
面とが、位置決めのための基準面として用いられること
となる。
【0012】かかる構成を有するバイスにあっては、固
定台に対して固定された状態下において、基準面として
用いられるベースの底面と両側面のうちの何れが固定台
に当接せしめられていても、かかるベース上に設けられ
た可動ジョーと固定ジョー、ひいてはそれらの間にクラ
ンプされる被加工物を、固定台に対して平行となるよう
に正確に位置決めすることが出来るのであり、それによ
って、例えば、一つの面と、該一つの面に隣り合い、且
つ互いに対向する二つの面の三つの面が被加工面とされ
た被加工物における該三つの被加工面の平行度や直角度
を高めるための研削加工を、より高精度に実施すること
が可能となるのである。
【0013】そして、本発明にあっては、前記第二の技
術的課題の解決のために、第一の面と、該第一の面に隣
り合い、且つ互いに対向して位置する第二及び第三の面
を有する被加工物の該第一、第二、及び第三の面のそれ
ぞれに対して、目的とする機械加工を行なう方法であっ
て、(a)全体として長手の矩形体形状を呈し、その底
面と幅方向の両側面とが直角に位置するように構成され
ると共に、それら底面と両側面のそれぞれが位置決めの
ための基準面とされたベースを備え、その長手方向の一
端部に、該ベースの幅よりも小さな幅を有する固定ジョ
ーが位置固定に設けられると共に、該ベース上に、該ベ
ースの幅よりも小さな幅を有する可動ジョーが、該ベー
スの長手方向に沿って、該固定ジョーに対して接近/離
隔移動可能に配設されてなるバイスを準備する工程と、
(b)かかるバイスを、前記固定台に対して、前記ベー
スの底面又は幅方向の両側面の何れかが当接せしめられ
た状態で固定する工程と、(c)前記固定台に固定され
た前記バイスの前記可動ジョーを前記固定ジョーに対し
て接近移動させて、それら可動ジョーと固定ジョーとの
間に、前記被加工物を、前記第一、第二、及び第三の面
の全面が該可動ジョーと該固定ジョーの間から外方に突
出して位置せしめられるようにクランプする工程と、
(d)前記被加工物が固定された前記バイスを、前記固
定台に対して、前記ベースの底面において当接させて固
定せしめた状態、又は該ベースの幅方向の両側面の何れ
かにおいて当接させて固定せしめた状態の何れかにおい
て、該被加工物の前記第一、第二、及び第三の面の何れ
かの面に対する機械加工を行なう工程とを含むことを特
徴とする被加工物に対する機械加工方法をも、また、そ
の要旨とするものである。
【0014】要するに、本発明に従う、被加工物に対す
る機械加工方法にあっては、第一の面と、それに隣り合
い、且つ互いに対向位置する第二及び第三の面の三つの
被加工面を有する被加工物に対する機械加工を行なう際
に、固定ジョーと可動ジョーのそれぞれの幅が、ベース
の幅よりも小さくされたバイスを用い、このバイスに対
して、被加工物を、前記三つの被加工面の全面が、固定
ジョーと可動ジョーとの間から外方に突出して(はみ出
して)位置せしめられるように、それら固定ジョーと可
動ジョーとの間でクランプして、固定する一方で、かか
るバイスを、固定台に対して、位置決めのための基準面
とされた、ベースの底面又は幅方向の両側面の何れかが
当接せしめられるように固定した状態で、被加工物の前
記三つの被加工面の何れかに対する機械加工を実施する
ようにしたものなのである。
【0015】それ故、この本発明手法においては、被加
工物をクランプしたままで、単に、ベースの固定台に対
する固定下での該固定台への当接面を、ベースの基準面
たる底面と幅方向の両側面の中から適宜に選択するだけ
で、それに応じて、被加工物を固定台に何等接触させる
ことなく、固定ジョーと可動ジョーの間から機械加工を
行なうための加工工具の配置側に向かって、全面が突出
して位置せしめられる被加工面を、前記三つの被加工面
のうちから、任意に選択することが出来るのである。
【0016】従って、このような本発明に従う、被加工
物に対する機械加工方法によれば、第一の面と、それに
隣り合い、且つ互いに対向位置する第二及び第三の面の
三つの被加工面を有する被加工物に対する機械加工を行
なう際に、従来とは異なって、加工の途中で被加工物を
クランプし直す作業を何等行なうことなく、クランプ作
業を1回行なうだけで、前記第一、第二、及び第三の三
つの被加工面に対する機械加工が実施可能となる被加工
物の固定状態を有利に確保することが出来るのである。
そして、それによって、それらの三つの被加工面に対す
る機械加工の実施時において、面倒な被加工物のクラン
プ作業の実施回数を可及的に少なくすることが可能とな
って、その分だけ、作業時間の短縮が有利に図られ得、
また、クランプし直された際に生ずる被加工物の位置ず
れ等が有利に解消され得るのであり、その結果として、
前記第一、第二、及び第三の三つの被加工面を有する被
加工物に対する機械加工の加工精度と作業能率が、何れ
も極めて効果的に高められ得ることとなるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に明ら
かにするために、本発明に係るバイス並びに被加工物に
対する機械加工方法の構成について、図面を参照しつ
つ、詳細に説明することとする。
【0018】先ず、図1及び図2には、本発明に従う構
造を有するバイスの一実施形態としての横型バイスが、
その上面形態と、縦断面形態とにおいて、それぞれ概略
的に示されている。それらの図からも明らかなように、
本実施形態のバイスは、水平方向に長手状を成すベース
10と、該ベース10上において、その長手方向に互い
に対向位置せしめられた固定ジョー12と可動ジョー1
4とを有して、構成されている。
【0019】より詳細には、ベース10は、図1乃至図
3に示される如く、全体として、長手の略矩形体形状を
呈しており、その上面の中心部には、一つの案内レール
16が、該上面から所定高突出し、且つ該ベース10の
略全長に亘って、長手方向に連続して延びるように、一
体形成されている。また、このベース10に設けられた
案内レール16は、その上面が、所定面積をもって水平
方向に広がる平坦なスライド面18とされていると共
に、幅方向の両側部に、上方に向かって、幅方向の外方
に傾斜する傾斜面20,20が、それぞれ設けられて、
構成されている。
【0020】そして、特に、かかるベース10にあって
は、その下部底面22が、案内レール16のスライド面
18よりも大きな面積をもって、該スライド面18と平
行に位置しつつ、水平方向に広がる平坦面形状を有して
構成とされている一方、幅方向の両側面24a,24b
が、水平方向に広がる下部底面20に対して、直角に位
置せしめられつつ、鉛直方向に広がる平坦面形状をもっ
て構成されている。
【0021】これによって、ここでは、ベース10を、
所定の固定台(26)の固定面(28)に対して、下部
底面22において当接させて、固定せしめた際に、該下
部底面22が、案内レール16のスライド面18と固定
台(26)の固定面(28)とを平行に位置させるよう
に、ベース10を位置決めする底部側基準面として、用
いられるようになっており(図6及び図7参照)、ま
た、ベース10を、所定の固定台(26)の固定面(2
8)に対して、幅方向の両側面24a,24bのうちの
何れかにおいて当接させて、固定せしめた際に、該固定
面28に当接する両側面24a,24bのうちの何れか
が、案内レール16のスライド面18と固定台(26)
の固定面(28)とを直角に位置させるように、ベース
10を位置決めする側部側基準面として、用いられるよ
うになっているのである(図8参照)。
【0022】一方、図1乃至図3に示されるように、固
定ジョー12は、全体として、矩形のブロック形態を有
し、上述の如き構造とされたベース10の長手方向の一
端部において、案内レール16から上方に向かって、一
体的に突出せしめられた状態で、位置固定に設けられて
いる。そして、ここでは、特に、かかる固定ジョー12
の幅(図3において、w1 にて示す寸法)が、ベース1
0の幅(図3において、w2 にて示す寸法)よりも十分
に小さく、且つ案内レール16の幅(図3において、w
3 にて示す寸法)よりも所定の寸法だけ大きくされてい
るのである。
【0023】また、図1、図2、及び図4に示される如
く、可動ジョー14も、全体として、略矩形のブロック
形態を有しており、その幅(図4において、w4 にて示
す寸法)が、前記固定ジョー12の幅(図3において、
1 にて示す寸法)と略同一の寸法で、ベース10の幅
(図4において、w2 にて示す寸法)よりも十分に小さ
く、且つ案内レール16の幅(図4において、w3 にて
示す寸法)よりも所定の寸法だけ大きくされている。そ
して、ここでは、この可動ジョー14の下面30が、水
平方向に広がる平坦面とされており、また、かかる下面
30の幅方向両端部には、下方に所定寸法突出し、且つ
長手方向に連続して延びる一対の脚部32,32が、互
いに対向する状態で、一体的に形成されている。更に、
それら一対の脚部32,32の互いの対向面には、案内
レール16の幅方向両側面にそれぞれ設けられた前記傾
斜面20,20に対応して傾斜する係合面34,34を
備えた係合突部36,36が、それぞれ、設けられてい
る。
【0024】そして、このような構造とされた可動ジョ
ー14が、一対の脚部32,32を、案内レール16の
側方において下方に延出せしめ、且つ該一対の脚部3
2,32における各係合面34,34を、案内レール1
6の各傾斜面20,20のそれぞれ対応するものに対し
て、接触乃至は対向せしめた状態で、水平方向に広がる
平坦な下面30において、案内レール16のスライド面
18に接触して載置されているのである。これによっ
て、可動ジョー14が、ベース10の案内レール16に
対して蟻継状に嵌合して、ベース10からの上下方向へ
の離脱が阻止された状態で、前記固定ジョー12に対向
配置せしめられており、また、そのような配置下におい
て、案内レール16のスライド面18と各傾斜面20,
20に対する前記下面30と一対の脚部32,32にお
ける各係合面34,34のそれぞれの摺動により、案内
レール16に案内されつつ、ベース10の長手方向に沿
って、固定ジョー12に対して接近/離隔移動せしめら
れ得るようになっているのである。
【0025】なお、本実施形態では、上述の如き可動ジ
ョー14の固定ジョー12に対する接近/離隔移動が、
ベース10の固定ジョー12の配置側とは反対側に、公
知の構造をもって配設されたハンドル38の回転操作に
より、実現されるようになっている。
【0026】すなわち、図2及び図5に示されるよう
に、ここでは、ベース10における固定ジョー12の配
設側とは反対側の端面に対して、厚肉のエンドプレート
40が、二つの止めねじ42,42にて、固定されてい
る。そして、このエンドプレート40にあっては、その
上部部位に、可動ジョー14の固定ジョー12側とは反
対側の端面に対応した端面形状を有する突出部44が、
可動ジョー14の固定ジョー12からの離隔移動時に、
該可動ジョー14に当接せしめられ得るように、ベース
10に対する固定部位から上方に向かって一体的に突設
されており、それによって、可動ジョー14の固定ジョ
ー12からの離隔移動量を規制し得るようになってい
る。
【0027】また、そのようなエンドプレート40の突
出部44には、円形の挿通孔46が、水平方向に延出し
つつ、該突出部44を厚さ方向に貫通して、形成されて
おり、更に、この挿通孔46には、円筒金具48が、そ
の軸方向の一端部を、エンドプレート40のベース10
に対する固定側とは反対の側に向かって、挿通孔48か
ら所定寸法突出させた状態で、軸心回りに回転可能に挿
通せしめられている。そして、かかる円筒金具48の挿
通孔46からの突出部位に対して、略厚肉の円筒形状を
呈する前記ハンドル38が、その内孔の軸方向一端部に
設けられた取付穴50において、同軸的に外挿されて、
止めねじ52により相対回転不能に連結されている。こ
れによって、ハンドル38が、円筒金具48と共に、軸
心回りに一体回転可能な状態で、エンドプレート40の
ベース10に対する固定側とは反対側の端面から、水平
方向に延びるように配置せしめられ、また、その配置状
態下で、該円筒金具48を介して、エンドプレート40
の突出部44に支持されているのである。
【0028】なお、ここでは、円筒金具48のハンドル
38との連結側とは反対側の端部に、外向きフランジ部
54が一体的に周設されており、それら円筒金具48と
ハンドル38の上述の如き連結下において、外向きフラ
ンジ部54が、エンドプレート40のベース10に対す
る固定側の端面に当接して係合せしめられると共に、ハ
ンドル38の円筒金具48との連結側の端面が、エンド
プレート40のベース10に対する固定側とは反対側の
端面に当接して係合せしめられることによって、円筒金
具48とハンドル38との前記軸心方向への移動が阻止
されるようになっている。
【0029】また、かくして、円筒金具48と共に、エ
ンドプレート40の突出部44に支持されるハンドル3
8においては、内孔の軸方向中間部が、内周面に雌ねじ
が形成された雌ねじ部56とされている一方、該内孔の
前記取付穴50とは反対側の端部が、所定の六角レンチ
等が挿入可能な六角穴58とされている。更に、このよ
うなハンドル38の外周面には、滑り止めのためのロー
レット加工が施されており(図1参照)、また、六角穴
58の形成側の端部には、ハンドル38の回転操作を容
易に行なうための棒材(図示せず)が挿通される棒材挿
通用穴60が設けられている。
【0030】そして、かくの如き構造とされたハンドル
38の内孔内には、軸方向の一方側が大径化された段付
円柱形態を呈する長手のスピンドル62が、該軸方向の
一方側の大径部64において、該大径部64の外周面に
形成された雄ねじを、ハンドル38の内孔における雌ね
じ部56に螺合せしめた状態で、水平方向に延びるよう
に挿通されている。また、かかるスピンドル62は、軸
方向の他方側が、外周面に、雄ねじが何等設けられてい
ない代わりに、一つのV溝66が周設されてなる小径部
68とされており、この小径部68において、可動ジョ
ー14のエンドプレート40との対向面に設けられた挿
入穴70内に挿入されている。そして、かかる挿入穴7
0内に挿入された小径部68のV溝66内に、可動ジョ
ー14の上面からねじ込まれた止めねじ72の尖り先部
分が突入せしめられることにより、該スピンドル62
が、可動ジョー14に対して、軸心回りの回転が許容さ
れつつ、相対移動不能に連結されているのである。
【0031】かくして、本実施形態のバイスにあって
は、ハンドル38を、直接に把持して軸心回りに回転さ
せることにより、或いは六角穴58に挿入された六角レ
ンチや棒材挿通用穴60に挿通された棒材等を介して回
転せしめることにより、スピンドル62が、その回転方
向に応じて軸方向(水平方向に)に移動せしめられ、そ
れに伴って、可動ジョー14が、案内レール16上を摺
動しつつ、固定ジョー12に対して接近/離隔移動せし
められ得るようになっている。そして、このような可動
ジョー14の固定ジョー12に対する接近移動によっ
て、それら可動ジョー14と固定ジョー12との間に、
所定の被加工物がクランプされて、固定されるようにな
っているのである(図6参照)。
【0032】このように、本実施形態のバイスにあって
は、ベース10よりも幅の小さい可動ジョー14と固定
ジョー12との間で、被加工物がクランプされて、固定
されるようになっているところから、例えば、可動ジョ
ー14や固定ジョー12の幅よりも大きく、且つベース
10の幅よりも小さな幅を有すると共に、幅方向の両側
面と、それら両側面に隣り合う底面の合計三つの面が被
加工面とされた被加工物に対する機械加工を行なう際
に、かかる被加工物の三つの被加工面を、それぞれの全
面において、固定ジョー12と可動ジョー14の間から
外方に突出する(はみ出す)ものの、ベース10の幅方
向の両端から側方に突出しない(はみ出さない)ように
位置させた状態で、該被加工物を、それら固定ジョー1
2と可動ジョー14の間でクランプすることが出来るの
である。
【0033】そして、そうすることによって、被加工物
をクランプしたままで、単に、ベース10の固定台26
への固定に際して、該固定台26の固定面28に対する
当接面を、該ベース10の下部底面22と二つの側面2
4a,24bの三つの面のうちから適宜に選択し、その
選択された面において、固定台26の固定面28に当接
させるだけで、被加工物を固定台26に何等接触させる
ことなく、固定ジョー12と可動ジョー14の間から機
械加工を行なうための加工工具の配置側に向かって、全
面が突出して位置せしめられる被加工面を、前記三つの
被加工面のうちから、任意に選択することが可能となる
のである。
【0034】従って、本実施形態のバイスにあっては、
前記三つの被加工面を有する被加工物を固定して、機械
加工を行なう際に、加工の途中で、被加工物をクランプ
し直すような面倒な操作を何等行なうことなく、1回の
クランプ操作で、被加工物の三つの被加工面に対する機
械加工が実施可能となるように、被加工物を固定するこ
とが出来るのである。
【0035】かくの如く、本実施形態のバイスは、第一
の面(底面)と、該第一の面に隣り合い、且つ互いに対
向位置せしめられた第二及び第三の面(幅方向の両側
面)の合計三つの面が被加工面とされると共に、幅寸法
が、可動ジョー14や固定ジョー12よりも大きく、且
つベース10の幅よりも小さくされた被加工物に対し
て、所定の機械加工を行なう際に、好適に用いられるの
であるが、このような本実施形態のバイスを用いて、例
えば、全体として矩形のブロック形状を呈し、その上部
底面が第一の被加工面とされると共に、幅方向の左右両
側面が第二及び第三の被加工面とされた被加工物の該三
つの被加工面に対して、それらの面の平行度と直角度を
高度に仕上げるための研削加工等を行なう際には、有利
には、以下の如くして、その作業が進められることとな
る。
【0036】すなわち、先ず、図6に示されるように、
固定台26の、水平に広がって位置する固定面28上
に、ベース10を、その下部底面22において当接させ
て載置し、その状態下で、固定台26に装備されたマグ
ネットチャック機構を励磁して、該ベース10を、固定
台26の固定面28上に固定する。つまり、ベース10
の下部底面22を基準面として、バイスを固定台26に
固定するのである。
【0037】次いで、可動ジョー14を固定ジョー12
から離間して位置せしめて、それら可動ジョー14と固
定ジョー12との対向面間に位置する案内レール16の
スライド面18上に、上部底面が第一の被加工面74と
されると共に、幅方向の左右両側面が第二及び第三の被
加工面76,78とされた被加工物80を、該第一の被
加工面74と対向する下部底面において接触させて、載
置する。
【0038】そして、その状態から、ハンドル38を軸
心回りの一方向(ここでは右回り方向)に回転させて、
可動ジョー14を固定ジョー12に対して接近移動さ
せ、それによって、図6及び図7に示される如く、第一
の被加工面74が、その全面において、可動ジョー14
と固定ジョー12の間から、公知の研削盤に設けられた
砥石82の配置側に向かって突出して(はみ出して)位
置し、且つ第二及び第三の被加工面76,78が、それ
ぞの全面において、可動ジョー14と固定ジョー12の
間から側方に向かって突出して(はみ出して)位置させ
つつ、被加工物80を、可動ジョー14と固定ジョー1
2との間にクランプして、固定する。
【0039】このとき、バイスが、ベース10の水平面
からなる下部底面22を基準面として、固定台26の水
平な固定面28上に固定されると共に、被加工物80
が、台一の被加工面74と対向する下面において、ベー
ス10の、水平な平坦面からなる案内レール16のスラ
イド面18上に載置されているため、第一の被加工面7
4が、水平に広がるように位置決めされることとなる。
また、被加工物80を、その中心軸において、可動ジョ
ー14と固定ジョー12との中心軸に一致させた状態
で、換言すれば、被加工物80の第二及び第三の被加工
面76,78の可動ジョー14と固定ジョー12との間
からの側方への突出量(はみ出し量)が同一寸法となる
状態で、クランプすることにより、被加工物第二及び第
三の被加工面76,78が、ベース10の幅方向の両側
面24a,24bの延長面から側方にはみ出すことな
く、可動ジョー14と固定ジョー12の間から側方に向
かって突出するように位置せしめられる。
【0040】そして、その後、砥石82を回転させなが
ら、クランプされた被加工物80における第一の被加工
面74に向かって、所定の量だけ下降せしめて、該砥石
82にて、被加工物80の第一の被加工面74を研削す
るのである。
【0041】次ぎに、第一の被加工面74の研削が完了
したら、固定台26のマグネットチャック機構を消磁し
て、該ベース10を固定台26の固定面28に対するベ
ース10の固定を解除した後、図8に示されるように、
被加工物80のクランプ状態を何等解除することなく、
そのクランプ状態を維持したままで、ベース10を横転
させて、ベース10の幅方向の両側面24a,24bの
うちの左側の側面24aを基準面として固定台26の固
定面28に当接せしめつつ、該ベース10を固定台26
上に載置する。そして、その状態下で、固定台26のマ
グネットチャック機構を再び励磁して、ベース10を固
定台26の固定面28上に固定する。
【0042】これによって、可動ジョー14と固定ジョ
ー12との間から、全面が側方に突出した、被加工物8
0の第二の被加工面76を、第一の被加工面74に代え
て、砥石82の配置側に向かって突出するように位置さ
せるのである。このとき、前述せるように、ベース10
の下部底面22と幅方向の両側面24a,24bとが直
角に位置せしめられているため、第二の被加工面76
は、水平に広がるように配置決めされることとなる。ま
た、第三の被加工面78は、ベース10の幅方向の側面
24bの延長面から側方にはみ出さないように位置せし
められているため、固定台26の固定面28に接触せし
められることがない。
【0043】その後、砥石82を回転させながら、被加
工物80における第二の被加工面76に向かって、所定
の量だけ下降せしめて、該砥石82にて、かかる第二の
被加工面76を研削するのである。このとき、前述せる
ように、被加工物80が、可動ジョー14と固定ジョー
12とに対して、同一軸線上に位置するようにクランプ
されているため、例えば、ベース10の幅寸法が100
mmであって、研削加工終了後の被加工物80の幅寸法
が70mmとなるように仕上げる場合には、図8におい
てMにて示される寸法が15mmとなるまで、第二の被
加工面76が研削されることとなる。
【0044】次いで、第二の被加工面76の研削が完了
したら、図に明示されてはいないものの、該第二の被加
工面76を研削する際と同様に、被加工物80をクラン
プしたままで、固定台26に対するベース10の固定状
態を解除した後、該ベース10の右側面24bを基準面
として固定台26の固定面28に当接させて、ベース1
0を固定台26に固定し、それによって、被加工物80
における第三の被加工面78を水平に位置決めしつつ、
砥石82の配置側に向かって突出するように位置させ
る。そして、その後、砥石82を回転ながら、クランプ
された被加工物80の第三の被加工面78に向かって下
降せしめて、該砥石82にて、かかる第三の被加工面7
8を研削し、以て、被加工物80における三つの被加工
面74,76,78に対する研削加工を、全て終了する
のである。
【0045】なお、この第三の被加工面78に対する研
削加工を行なう際にも、研削加工終了後の被加工物80
の幅寸法が70mmとなるように仕上げる場合、上述し
た第二の被加工面76に対する研削加工と同様に、図8
においてMにて示される寸法に対応する寸法が15mm
となるように、第三の被加工面78が研削されることと
なる。
【0046】このように、本実施形態では、ベース10
の幅よりも小さな幅を有する可動ジョー14と固定ジョ
ー12の間で被加工物80をクランプするバイスが用い
られて、切削加工されるべき被加工物80が固定される
ようになっているところから、第一の被加工面74と、
それに隣り合い、且つ互いに対向する第二及び第三の被
加工面76,78を有する被加工物80に対する研削加
工の実施時において、加工途中で、被加工物80をクラ
ンプし直すような面倒な操作を何等行なうことなく、被
加工物80をクランプさせたままで、単に、固定台26
の固定面28に対するベース10の当接面を、ベース1
0の下部底面22と幅方向の両側面24a,24bの中
から適宜に選択するだけで、それに応じて、固定ジョー
と可動ジョーの間から砥石82の配置側に向かって、全
面が突出して位置せしめられる被加工面を、三つの被加
工面74,76,78のうちから、任意に選択すること
が出来るのである。
【0047】従って、かくの如き本実施形態によれば、
前記第一、第二、及び第三の被加工面74,76,78
を有する被加工物80に対する研削加工を行なう際に、
面倒な被加工物80のクランプ作業の実施回数を可及的
に少なくすることが可能となって、加工時間を短縮する
ことが出来ると共に、被加工物80をクランプし直した
際に、被加工物80の位置ずれ等が生ずることを有利に
回避することが出来、それによって、かかる研削加工の
加工精度と作業能率を、極めて効果的に向上させること
が可能となるのである。
【0048】また、本実施形態では、互いに直角に位置
せしめられたベース10の下部底面22と幅方向の両側
面24a,24bが基準面とされ、それらの基準面を固
定台26の固定面28に当接させつつ、バイスを固定台
に固定させることにより、第一、第二、及び第三の被加
工面74,76,78が、その研削加工時において、水
平に位置するように位置決めされるようになっていると
ころから、それら第一、第二、及び第三の被加工面7
4,76,78に対する平行度や直角度を高める研削加
工が、より高精度に実施され得るのである。
【0049】さらに、本実施形態では、上述の如く、被
加工物80に対する研削加工の途中で、被加工物80が
クランプし直されるようなことがないため、被加工物8
0をクランプするときに、可動ジョー14と固定ジョー
12とに対して、その同一軸線上に位置するように、つ
まり、被加工物80の第二及び第三の被加工面76,7
8の可動ジョー14と固定ジョー12との間からの側方
への突出量(はみ出し量)が同一寸法となるように、ク
ランプすれば、第二及び第三の被加工面76,78に対
する研削加工途中で、被加工物80の幅寸法を何等測定
することなく、単に、ベース10の幅方向の両側面24
a,24bのそれぞれの延長面と第二及び第三の被加工
面76,78との間の距離(図8においてMにて示され
る寸法、及びそれに対応する寸法)を測定するだけで、
研削加工終了後において、被加工物80が所望の幅寸法
を有するように、正確な研削を行なうことが可能となる
のである。
【0050】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであ
って、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも
受けるものではない。
【0051】例えば、前記実施形態では、可動ジョー1
4と固定ジョー12が、互いに同一の幅を有して構成さ
れていたが、それら可動ジョー14と固定ジョー12の
幅は、ベース10の幅よりも小さくされておれば、それ
らが互いに異なる大きさとされていても、何等差し支え
ないのである。
【0052】また、可動ジョー14と固定ジョー12の
幅とベース10の幅との差は、前記実施形態に示される
ものに、特に限定されるものではなく、被加工物80の
大きさや、該被加工物80に対して実施される機械加工
の種類等に応じて、適宜に変更され得るものである。
【0053】さらに、可動ジョー14の固定ジョー12
に対する接近/離隔移動構造は、そのような移動によっ
て、被加工物80を可動ジョー14と固定ジョー12の
間でクランプすることが出来、或いはかかるクランプ状
態を解除せしめ得るものであれば、従来のバイスに採用
される公知の構造が、適宜に採用され得ることは、言う
までもないところである。
【0054】また、前記実施形態では、バイスを固定台
26に固定した後に、被加工物80が、可動ジョー14
と固定ジョー12の間にクランプされて、固定されるよ
うになっていたが、それらバイスの固定台26への固定
工程と被加工物80のクランプ工程の実施順序が逆とな
っていても、勿論良いのである。
【0055】また、前記実施形態では、水平面からなる
固定面28を有する固定台26に対して、バイスが固定
されて、三つの被加工面74,76,78が、それぞれ
水平方向に広がって位置するように位置決めされた状態
下で、それら三つの被加工面74,76,78に対する
研削加工が行なわれるようになっていたが、例えば、鉛
直方向に広がる固定面28を有する固定台26に対して
バイスを固定して、三つの被加工面74,76,78
が、それぞれ鉛直方向に広がって位置するように位置決
めした状態下で、それら三つの被加工面74,76,7
8に対する研削加工を行なうようにしても良く、また、
その際に、ベース10の下部底面22を基準面として、
ベース10を固定台に固定することにより、第二及び第
三の被加工面76,78を鉛直方向に広がるように位置
決めする一方、ベース10の幅方向の両側面24a,2
4bの何れか一方の面を基準面として、ベース10を固
定台に固定することにより、第一の被加工面74を鉛直
方向に広がるように位置決めすることも、可能なのであ
る。
【0056】加えて、前記実施形態では、可動ジョー
が、固定ジョーに対して水平方向に接近/離隔移動せし
められるように構成された横型バイスと、それを用いた
被加工物に対する研削加工方法に対して、本発明を適用
したものの具体例が示されていたが、本発明は、その
他、可動ジョーが、固定ジョーに対して上下方向に接近
/離隔移動せしめられるように構成された縦型バイスに
対しても、有利に適用され得るばかりでなく、そのよう
な横型バイスや縦型バイスを用いた被加工物に対する研
削加工以外の機械加工方法の何れに対しても、有利に適
用され得るものであることは、勿論である。
【0057】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従うバイスを用いれば、被加工物のクランプ操作の
回数を可及的に減少させつつ、複数の被加工面を有する
被加工物に対する機械加工を実施出来、以てかかる機械
加工の加工精度と作業能率の向上を、何れも効果的に図
らしめ得るのである。
【0058】また、本発明に従う被加工物に対する機械
加工方法によれば、第一の面と、それに隣り合い、且つ
互いに対向して位置する第二及び第三の面の三つの被加
工面を有する被加工物の該三つの被加工面に対する機械
加工の実施時において、面倒な被加工物のクランプ作業
の実施回数を可及的に少なくすることが可能となり、そ
の結果として、第一、第二、及び第三の三つの被加工面
を有する被加工物に対する機械加工の加工精度と作業能
率が、極めて効果的に高められ得ることとなるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うバイスの一例を示す上面説明図で
ある。
【図2】図1におけるII−II断面説明図である。
【図3】図1に示されたバイスの左側面説明図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面説明図である。
【図5】図1に示されたバイスの右側面説明図である。
【図6】本発明手法に従って、被加工物に対する研削加
工を、図1に示されたバイスを用いて行なう際の一工程
例を示す説明図であって、バイスを固定台に固定すると
共に、被加工物を可動ジョーと固定ジョーとの間にクラ
ンプした状態を示している。
【図7】本発明手法に従って、被加工物に対する研削加
工を、図1に示されたバイスを用いて行なう際の別の工
程例を示す説明図であって、バイスに固定された被加工
物における第一の被加工面を、可動ジョーと固定ジョー
との間から、砥石の配置側に向かってを突出して、位置
させた状態を示している。
【図8】本発明手法に従って、被加工物に対する研削加
工を、図1に示されたバイスを用いて行なう際の更に別
の工程例を示す説明図であって、バイスの固定台への固
定位置を変えた状態下で、バイスに固定された被加工物
における第二の被加工面を、可動ジョーと固定ジョーと
の間から、砥石の配置側に向かってを突出して、位置さ
せた状態を示している。
【符号の説明】
10 ベース 12 固定ジョ
ー 14 可動ジョー 22 下部底面 24 側面 26 固定台 38 ハンドル 62 スピンド
ル 74 第一の被加工面 76 第二の被
加工面 78 第三の被加工面 80 被加工物 82 砥石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 康尚 岐阜県本巣郡穂積町只越1211−2 (72)発明者 林 武男 岐阜県岐阜市長良102番地の1 Fターム(参考) 3C016 CB03 CC01 3C020 AA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手のベースと、かかるベースの長手方
    向の一端部に位置固定に設けられた固定ジョーと、該ベ
    ース上において、その長手方向に沿って、該固定ジョー
    に対して接近/離隔移動せしめられ得るように配設され
    た可動ジョーとを含み、該可動ジョーの該固定ジョーに
    対する接近移動によって、それら可動ジョーと固定ジョ
    ーとの間に被加工物をクランプして、固定するようにし
    たバイスにおいて、 前記固定ジョーと前記可動ジョーのそれぞれの幅が、前
    記ベースの幅よりも小さくされていることを特徴とする
    バイス。
  2. 【請求項2】 前記ベースが、全体として長手の矩形体
    形状を呈し、その底面と幅方向の両側面とが直角に位置
    するように構成されて、それら底面と両側面とが、位置
    決めのための基準面として用いられるようにした請求項
    1に記載のバイス。
  3. 【請求項3】 第一の面と、該第一の面に隣り合い、且
    つ互いに対向して位置する第二及び第三の面を有する被
    加工物の該第一、第二、及び第三の面のそれぞれに対し
    て、目的とする機械加工を行なう方法であって、 全体として長手の矩形体形状を呈し、その底面と幅方向
    の両側面とが直角に位置するように構成されると共に、
    それら底面と両側面のそれぞれが位置決めのための基準
    面とされたベースを備え、その長手方向の一端部に、該
    ベースの幅よりも小さな幅を有する固定ジョーが位置固
    定に設けられると共に、該ベース上に、該ベースの幅よ
    りも小さな幅を有する可動ジョーが、該ベースの長手方
    向に沿って、該固定ジョーに対して接近/離隔移動可能
    に配設されてなるバイスを準備する工程と、 かかるバイスを、前記固定台に対して、前記ベースの底
    面又は幅方向の両側面の何れかが当接せしめられた状態
    で固定する工程と、 前記固定台に固定された前記バイスの前記可動ジョーを
    前記固定ジョーに対して接近移動させて、それら可動ジ
    ョーと固定ジョーとの間に、前記被加工物を、前記第
    一、第二、及び第三の面の全面が該可動ジョーと該固定
    ジョーの間から外方に突出して位置せしめられるように
    クランプする工程と、 前記被加工物が固定された前記バイスを、前記固定台に
    対して、前記ベースの底面において当接させて固定せし
    めた状態、又は該ベースの幅方向の両側面の何れかにお
    いて当接させて固定せしめた状態の何れかにおいて、該
    被加工物の前記第一、第二、及び第三の面の何れかの面
    に対する機械加工を行なう工程と、を含むことを特徴と
    する被加工物に対する機械加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5973100B1 (ja) * 2016-02-29 2016-08-23 株式会社ブヒンコ バイス

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JP5973100B1 (ja) * 2016-02-29 2016-08-23 株式会社ブヒンコ バイス

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