JP2002361140A - グラビア塗布方法及び装置 - Google Patents

グラビア塗布方法及び装置

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JP2002361140A
JP2002361140A JP2001174500A JP2001174500A JP2002361140A JP 2002361140 A JP2002361140 A JP 2002361140A JP 2001174500 A JP2001174500 A JP 2001174500A JP 2001174500 A JP2001174500 A JP 2001174500A JP 2002361140 A JP2002361140 A JP 2002361140A
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Japan
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coating
gravure
doctor blade
roll
coating liquid
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JP2001174500A
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English (en)
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Shuichi Endo
修一 遠藤
Kazuhiko Noujiyou
和彦 能條
Tomonari Ogawa
朋成 小川
Koji Kodo
厚司 小堂
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗布量の経時変化、色ヌケ故障、塗布スジ故障
を防止すると共に、転写塗布までに溶剤の揮発を抑制で
き、長時間にわたり安定で良好なグラビラ塗布を行うこ
とができ、しかも異なる塗布量で塗布する場合にもグラ
ビアロールを交換する必要がない。 【解決手段】連続走行するウエブ18に塗布液12を塗
布する塗布方法であって、グラビアロール16のロール
面16Aに過剰に付着させた塗布液12をドクターブレ
ード22で掻き落とす際に、ドクターブレード22をロ
ール面16Aに対して非接触状態で塗布液12をかき落
とす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラビア塗布方法
及び装置に係り、特に、連続走行する可撓性支持体(以
下「ウエブ」という)に、メチルエチルケトン、アセト
ン等の揮発性有機溶剤を溶媒とした塗布液を塗布するグ
ラビア塗布方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続走行するウエブに塗布液を塗布する
塗布方法の1つにグラビア塗布方法がある。この塗布方
法は、図5に示すように、凸凹の彫刻加工が施されたグ
ラビアロール1のロール面に過剰の塗布液を付着させた
後、ロール面に先端部を押圧状態で接触させたドクター
ブレード2で、ロール面の凸部に付着した塗布液を掻き
落とす。これにより、ロール面の凹部で塗布量を計量し
た後、ウエブに転写塗布させる。従って、異なる塗布量
で塗布する場合には、版の深さ、メッシュの異なるグラ
ビアロール1に交換する。
【0003】このグラビア塗布方法は、塗布液をウエブ
に幅広に塗布する場合でも、塗布膜の厚みを均一に且つ
薄膜に塗布することができるという長所がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
グラビア塗布方法は、ドクターブレード2の先端部がグ
ラビアロール1に接触磨耗することにより、ドクターブ
レード2の先端部の接触面が広くなり、単位面積当たり
の押付け圧力が低下する。これにより、塗布液の掻き落
とし効果が悪くなるので、ウエブに塗布される塗布量が
経時的に変化してしまうという欠点がある。
【0005】また、ドクターブレード2の接触磨耗屑や
塗布液の固形分がロール面の凹に入り込んで目詰まりす
ると、色ヌケ故障が発生するという欠点がある。
【0006】更には、塗布液中の異物やグラビアロール
1に付着した異物がドクターブレード2に引っ掛かる
と、スジ故障が発生するという欠点がある。
【0007】上記の欠点のうち、ドクターブレード2の
先端部の接触面が変化しないように、図6のようにドク
ターブレード2の先端部のみを細長く改良したものもあ
る。しかし、これにより塗布量の経時変化を防止できて
も、色ヌケ故障やスジ故障は解決できない。
【0008】また、ドクターブレード2でグラビアロー
ル1に付着した塗布液を掻き落とした後、ウエブに転写
塗布されるまでに塗布液中の溶媒が揮発すると、うまく
転写塗布できなくなる。従って、転写塗布までに溶剤が
揮発しにくいグラビア塗布方法も要望されていた。更に
は、従来のグラビア塗布は、異なる塗布量で塗布する場
合には、版の深さ、メッシュの異なるグラビアロールに
交換しなくてはならないので、煩わしいという問題もあ
る。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、塗布量の経時変化、色ヌケ故障、スジ故障を防
止すると共に、転写塗布までの溶剤の揮発を抑制でき、
長時間にわたり安定で良好なグラビラ塗布を行うことが
できると共に、異なる塗布量で塗布する場合にもグラビ
アロールを交換する必要がないグラビア塗布方法及び装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決する為の手段】本発明の請求項1は、前記
目的を達成する為に、連続走行する可撓性支持体に塗布
液を塗布する塗布方法であって、グラビアロールのロー
ル面に過剰に付着させた塗布液をドクターブレードで掻
き落とすグラビア塗布方法において、前記ドクターブレ
ードは、前記ロール面に対して非接触状態で前記塗布液
を掻き落とすことを特徴とする。
【0011】本発明の請求項1は、ドクターブレードで
グラビアロールに付着させた塗布液を掻き落とす際に、
ドクターブレードをグラビアロールに押圧接触させると
いう従来の既成概念を発想転換し、ドクターブレードを
グラビアロールに対して非接触状態で塗布液を掻き落と
すことで従来の欠点を解決したものである。
【0012】本発明の請求項2では、本発明は塗布液を
掻き落とし可能な間隙寸法であれば適用できるが、安定
で精度のよい掻き落としが可能な間隙寸法を規定したも
のである。即ち、非接触状態を形成するためのドクター
ブレードとグラビアロールとの間隙寸法を0.01〜2
mmの範囲内で掻き落りを行うよにしたもので、間隙寸
法が0.01mm未満でも2mmを超えても安定且つ精
度の良い掻き落りを行うことができなくなる。これは、
ドクターブレード先端の真直度(直線精度)は、良好な
もので0.005mm前後であることから、ドクターブ
レードを用いて非接触に保てる下限界は0.01mmと
なる。また、ドクターブレードの先端はグラビアロール
に対して非接触であるが、グラビアロール表面の塗布液
に接触できなくては本来の目的を達しない。また、グラ
ビアロール表面に付着して膜形成させられる限界厚み
は、液種、粘度等に影響されるが、一般的に使用される
塗布液の範囲では2mm以上になることは極めて稀であ
る。従って、間隙寸法の上限を2mmにする必要があ
る。
【0013】本発明の請求項3は、請求項1又は2にお
いて、間隙寸法を調整することにより、可撓性支持体に
塗布する塗布液の塗布量を調節するようにしたものであ
る。これは、本発明のドクターブレードをグラビアロー
ルに対して非接触状態で塗布液を掻き落とすという発想
を更に発展させたもので、間隙寸法を可変することによ
り掻き落とす量を変えることができる。この場合、0.
01〜2mmの範囲内で間隙寸法を可変することにより
塗布量の調節を精度良く行うことが可能となる。
【0014】本発明の請求項4は、請求項1〜3の何れ
か1において、本発明のグラビア塗布方法を、揮発性有
機溶剤を溶媒とする塗布液を可撓性支持体に塗布速度3
0m/分以下の低速で且つウエト塗布量3cc/m2
下の薄膜に塗布する塗布条件で適用するようにしたもの
である。これは、塗布液の溶剤にメチルエチルケトン、
アセトン等のように揮発性有機溶剤の溶剤を使用し低速
で塗布すると、溶剤が揮発し易く、可撓性支持体に精度
良く転写塗布できなくなり色ヌケやスジ故障が生じやす
い。また、薄膜な塗布ほど色ヌケやスジ故障が生じやす
い。本発明は、このような塗布故障の発生し易い塗布条
件でより効果を発揮することができ、本発明を適用する
ことにより、上記塗布条件でも塗布液を可撓性支持耐に
安定且つ良好に転写塗布することができる。
【0015】本発明の請求項5は、前記目的を達成する
ために、連続走行する可撓性支持体に塗布液を塗布する
塗布装置であって、グラビアロールのロール面に過剰に
付着させた塗布液をドクターブレードで掻き落とすグラ
ビア塗布装置において、前記ドクターブレードを前記グ
ラビアロールに対して進退させて、前記ドクターブレー
ドと前記グラビアロールとの間隙寸法を調整する間隙量
調整手段を設け、前記ドクターブレードが前記ロール面
に対して非接触状態で前記塗布液を掻き落とすようにし
たことを特徴とする。
【0016】本発明の請求項5は、ドクターブレードが
ロール面に対して非接触状態で塗布液を掻き落とすとい
う本発明の具体的装置構成として、ドクターブレードを
グラビアロールに対して進退させて、ドクターブレード
と前記グラビアロールとの間隙寸法を調整する間隙量調
整手段を設けたものである。
【0017】本発明の請求項6は、請求項5において、
間隙量調整手段で調整する間隙寸法を0.01〜2mm
の範囲内で調整することにより掻き落とし精度を向上さ
せるようにしたものである。
【0018】本発明の請求項7は、請求項5又は6にお
いて、本発明のグラビア塗布装置に使用するドクターブ
レードの先端部の好適な形状を規定したもので、先端部
の下側コーナの角度(K)が15〜90°範囲で且つ先
端部下面の曲率(R)が3〜200mmの湾曲凹状な形
状とした。これにより、ドクターブレードとグラビアロ
ールとの間隙入口において、可撓性支持体に転写塗布さ
れる転写塗布液と、ドクターブレードで掻き落とされて
リターンするリターン塗布液とを、先端部の下側コーナ
でスムーズに分流できる。また、先端部の厚み(L)を
1mm以上で20mm以下にすることにより、グラビア
ロールのロール面における塗布液量の分布を均一にで
き、且つうら漏れを防止できる。また、先端部の上側コ
ーナの面取り寸法(C)を0.5〜3mmの範囲とする
ことにより、間隙出口に安定したビードを形成して塗布
液中の溶剤の揮発を抑制する。これらドクターブレード
の先端部の形状によってもたらされる作用により、より
安定し精度のよい転写塗布を行うことができる。
【0019】本発明の請求項8は請求項7において、先
端部下面の湾曲凹状に連続して縦方向にガイド板を設け
たもので、このガイド板により分流された前記リターン
塗布液はガイド板に導かれて流れるので、逆流すること
がない。これにより、間隙入口に上がってくる過剰塗布
液と分流されたリターン塗布液との衝突を防止すること
ができるので、間隙入口での転写塗布液とリターン塗布
液との分流を一層精度良く行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るグラビア塗布方法及び装置の好ましい実施の形態につ
いて詳説する。
【0021】図1は本発明に係るグラビア塗布装置の全
体構成の一実施の形態を説明する概念図である。
【0022】図1に示すように、グラビア塗布装置10
は、主として、塗布液12が溜まった液槽14にロール
下部が浸ったグラビアロール16と、グラビアロール1
6の上側に隣接配置されて、走行するウエブ18をグラ
ビアロール16との間で挟持するバックアップロール2
0と、ドクターブレード22のグラビアロール16に対
する位置決めを行うドクターブレード装置24とで構成
される。
【0023】グラビアロール16は、そのロール面に、
液槽14内の塗布液12を付着保持する凸凹の彫刻加工
が施されており、グラビアロール16が回転することに
より液槽14内の塗布液12をグラビアロール16を介
してウエブ18に転写塗布される。尚、図1では、グラ
ビアロール16とバックアップロール20とが逆方向に
回転する場合で示したが、同方向に回転してもよく、或
いはグラビアロール16とバックアップロール20との
間に図示しないオフセットロールを介在させてもよい。
【0024】ドクターブレード装置24は、図2及び図
3に示すように、昇降装置26の上に旋回装置28が搭
載され、旋回装置28の上に間隙量調整装置30が搭載
され、この間隙量調整装置30にホルダー32を介して
ドクターブレード22が支持されて構成される。
【0025】ドクターブレード22は、ホルダー32の
横板32Aに、先端部をグラビアロール16側に向けて
ボルト34で締結されると共に、横板32Aの下面に直
交して設けられた縦板32Bが間隙量調整装置30の差
動筒ブロック36上面に形成されたスライド溝38にス
ライド自在に嵌め込まれる。このスライド溝38にガイ
ドされてホルダー32がスライドすることにより、ホル
ダー32に支持されたドクターブレード22がグラビア
ロール16に対して進退する。
【0026】間隙量調整装置30は、図3にように、差
動ネジ機構で構成される。即ち、上記した差動筒ブロッ
ク36は、旋回装置28の旋回台40上に載置固定され
る。この差動筒ブロック36の内壁面に刻設された雌ネ
ジに第1の差動ネジ42が螺合されると共に、第1の差
動ネジ42の基端側が旋回台40に支持されたナット部
材44に螺合され、基端部に微調整ダイヤル46が取り
付けられる。第1の差動ネジ42は円筒状に形成されて
おり、円筒状の内側面に刻設された雌ネジに第2の差動
ネジ48に形成された雄ネジが螺合すると共に、第1の
差動ネジ42と第2の差動ネジ48とは逆ネジが切られ
ている。また、差動筒ブロック36から外部に突出され
た第2の差動ネジ48の先端部(グラビアロール側)
と、前記ホルダー32の下側に設けられた連結板50と
が連結されると共に、連結板50と差動筒ブロック36
との間にスプリング52が介在される。
【0027】このように構成された間隙量調整装置30
は、微調整ダイヤル46を1回転すると、第1の差動ネ
ジ42がグラビアロール16に接近する方向に1.5m
m前進すると共に、第2の差動ネジ48がグラビアロー
ル16から離れる方向に1.4mm後退する。結局、微
調整ダイヤル46を1回転することにより、ドクターブ
レード22は、第1及び第2の差動ネジ42、48、連
結板50、ホルダー32を介して0.1mmだけグラビ
アロール16に対して進退する。微調整ダイヤル46の
面には、360°を100等分に分割した目盛りが刻ま
れており、微調整ダイヤル46を1目盛り回転すると、
ドクターブレード22はグラビアロール16に対して1
μm進退する。このドクターブレード22の進退移動に
おいて、連結板50と差動筒ブロック36との間に設け
られたスプリング52の付勢力により、第1及び第2の
差動ネジ42、48のバックラッシュが防止される。こ
れにより、ドクターブレード22をグラビアロール16
に対して極めて微量単位の移動量で且つ精度の良い進退
移動を行うことができる。この間隙量調整装置30によ
りドクターブレード22のグラビアロール16に対する
間隙寸法の位置決めがなされる。
【0028】旋回装置28は、図2のように、ドクター
ブレード22の先端部を縦方向に旋回させるもので、旋
回台40の下面両側に設けられた対向する一対のブラケ
ット53、53に、旋回シャフト54の両端が固着され
ると共に、ブラケット53、53同士の間に配置された
昇降装置26の昇降台56の軸孔に、旋回シャフト54
が軸支される。また、旋回シャフト54の一方端には、
旋回量を目盛った目盛りと、旋回シャフト54の旋回ス
トッパー機能とを備えた旋回ダイヤル58が取り付けら
れる。この旋回装置28により、ドクターブレード22
の縦方向の傾きの位置決めがなされる。また、旋回装置
28を設けることにより、ドクターブレード22交換の
作業性を向上させることができると共に、交換後のドク
ターブレード22の位置再現精度も良くなる。
【0029】昇降装置26は、送りネジ機構で構成さ
れ、送りネジの上端に昇降台56が支持される。この昇
降装置26によりドクターブレード22の高さの位置決
めがなされる。
【0030】そして、グラビア塗布を行う際には、図4
に示すように、ドクターブレード装置24により、ドク
ターブレード22の先端と、グラビアロール16のロー
ル面16Aとの間に所定の間隙寸法を形成し、ドクター
ブレード22をロール面16Aに対して非接触状態でロ
ール面16Aに過剰に付着した塗布液を掻き落とす。具
体的には、間隙寸法(T)が、0.01〜2mmの範囲
内になるように、好ましくは0.1〜0.5mmの範囲
内になるように調整される。
【0031】図4に示すように、ドクターブレード22
の先端部は鉤鼻形状に形成され、先端部の下側コーナ2
2Aが鋭角状に形成されると共に、先端部下面22Bが
湾曲凹状に形成される。具体的には、下側コーナ22A
の角度(K)が15°以上で90°未満、好ましくは3
0°以上で60°未満に形成されると共に、先端部下面
22Bの曲率(R)が3〜200mm、好ましくは5〜
30mmに形成される。また、先端部下面22Bには、
湾曲凹状に連続して縦方向にガイド板60が吊設され
る。そして、グラビアロール16のロール面16Aに付
着される厚膜な過剰塗布液12aは、ドクターブレード
22の先端とグラビアロール16のロール面16Aとで
形成される間隙62の入口62Aにおいて、鋭角状な下
側コーナ22Aの作用により、ウエブ18に転写塗布さ
れる転写塗布液12bと、湾曲凹状な先端部下面22B
に沿って流れるリターン塗布液12cとにスムーズに分
流される。転写塗布液12bは、間隙62中を流れるこ
とにより所望の薄膜な塗布液となってウエブ18に転写
塗布される。一方、リターン塗布液12cはガイド板6
0をつたって図2の液受けパン64に流れ落ちる。これ
により、グラビアロール16のロール面16Aに過剰に
付着された塗布液の過剰分を、ドクターブレード22に
よって安定且つ精度良く掻き落とすることができる。こ
れにより、所望の塗布量の転写塗布液12bをウエブ1
8に塗布することができる。
【0032】また、ウエブ18への塗布量を変えたい場
合には、ドクターブレード装置24を駆動して、ドクタ
ーブレード22とグラビアロール16のロール面16A
との間隙寸法(T)を、0.01〜2mmの範囲内で調
整する。これにより、掻き落とす量を可変することがで
きるので、ウエブ18に塗布する塗布液の塗布量を調節
することができる。従って、従来のグラビア塗布装置の
ように、塗布量を変えるたびにそれに見合ったグラビア
ロール16に交換する必要がない。
【0033】また、ガイド板60を設けたことにより、
リターン塗布液12cをスムーズに液受けパン64(図
2参照)に導くことができるので、先端部下面22Bの
作用と相まって、リターン塗布液12cが間隙入口62
Aに滞留することがない。これにより、ドクターブレー
ド22で掻き落とされたリターン塗布液12cと、液槽
14から間隙入口62Aに上がってくる過剰塗布液12
aとが衝突しないようにできる。従って、2つの液の衝
突による泡の発生を防止することができるので、転写塗
布液中に気泡が残存することによる泡故障を防止するこ
とができる。
【0034】また、間隙62を流れる転写塗布液12b
のロール面16Aに対する液量分布が均一になるよう
に、且つ、うら漏れを防止するために、ドクターブレー
ド22の先端部の厚み(L)が1mm以上で20mm未
満、好ましくは3mm以上で10mm未満になるように
形成される。
【0035】更に、ドクターブレード22の先端部の上
側コーナ22Cは、面取り寸法(C)が0.5〜3mm
になるように面取り加工がなされている。先端部の上側
コーナ22Cを面取りすることにより、間隙出口62B
において、ドクターブレード22の先端とロール面16
Aとの間に安定なビード(液溜まり)を形成することが
できる。このビードは、間隙出口62Bでの塗布液の飛
散を抑えると共に、塗布液12中の溶媒が揮発するのを
抑えるので、塗布液の乾燥を防止することができる。従
って、塗布液12が乾燥することに起因する塗布スジ故
障を効果的に防止することができる。
【0036】このように、本発明のグラビア塗布方法及
び装置は、ドクターブレード22をグラビアロール16
に対して非接触状態で塗布液を掻き落とすので、従来の
ようにドクターブレード22が磨耗することがないと共
に、磨耗屑がグラビアロール16の凹部に目詰まりする
ことや異物がドクターブレードに引っ掛かることもな
い。これにより、塗布量の経時変化、色ヌケ故障、スジ
故障を防止することができる。また、本発明は、転写塗
布までの溶剤の揮発を抑制でき、長時間にわたり安定で
良好なグラビラ塗布を行うことができると共に、異なる
塗布量で塗布する場合にもグラビアロールを交換する必
要がない。
【0037】特に、本発明のグラビア塗布方法及び装置
は、メチルエチルケトン、アセトン等のように揮発性有
機溶剤を溶媒とする塗布液を可撓性支持体に塗布速度3
0m/分以下の低速で且つウエット塗布量3cc/m2
以下の薄膜に塗布する塗布条件で使用する場合に特に有
効である。
【0038】
【実施例】ウエブとして厚み0.1mm、幅1000m
mのPET(ポリエチレンテレフタレート)を用い、表
1の塗布条件にて本発明のグラビア塗布装置と図5で示
した従来のグラビア塗布装置との塗布性能を比較した。
【0039】比較試験は、ウエブに塗布する1回の塗布
長を100mとし、塗布末尾の10mをサンプリングし
て色ヌケ及びスジ故障の数をカウントした。また、繰り
返し試験をN1〜N10まで10回行った。
【0040】色ヌケ故障及びスジ故障の評価レベルを4
段階評価とし、製品として合格の許容範囲は1と2段階
であり、3、4段階は製品として不合格とした。そし
て、表2の比較結果では、故障の数と評価レベルの総数
で表した。例えば、塗布末尾の10mの塗布膜面の色ヌ
ケの数が10個あり、全て評価レベルが1の場合には、
表2の色抜けの評価は、10×1=10となる。
【0041】
【表1】 比較結果を表2に示す。
【0042】
【表2】 表2から分かるように、従来のグラビア塗布装置で塗布
した場合には、色ヌケ故障が経時的に増加し、特に繰り
返し試験の後半部分であるN7以降では、色ヌケ故障が
二次曲線的に増加した。これはドクターブレードの磨耗
が進んだためと考えられる。また、N7以降では、スジ
故障の数の増加も大きいことから、ドクターブレードの
磨耗がスジ故障の増加にも大きく影響していることが推
察される。
【0043】これに対し、本発明のグラビア塗布装置で
塗布した場合には、繰り返し10回目のN10でも色ヌ
ケ故障が40、スジ故障が2であり、長時間にわたり安
定で良好なグラビラ塗布を行うことができた。特に、1
0回の繰り返し試験におけるスジ故障は、0〜6の範囲
内であり、極めて良い結果であった。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のグラビア
塗布方法及び装置によれば、塗布量の経時変化、色ヌケ
故障、スジ故障を防止することできると共に、塗布まで
に塗布液中の溶媒が揮発されるのを抑制ができる。これ
により、長時間安定且つ良好なグラビア塗布を行うこと
ができる。
【0045】しかも、本発明のグラビア塗布方法及び装
置は、異なる塗布量で塗布する場合にも、その塗布量に
見合った版の深さ、メッシュのグラビアロールに交換す
る必要がなく、ロール交換等に要する時間が要らないの
で、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のグラビア塗布装置の一実施の
形態を説明する概念図
【図2】図2は、ドクターブレード装置の全体構成図
【図3】図3は、ドクターブレード装置の間隙量調整装
置を説明する部分断面図
【図4】図4は、本発明のグラビア塗布装置のドクター
ブレードの先端部形状と本発明の作用を説明する説明図
【図5】図5は、従来のグラビア塗布装置を説明する説
明図
【図6】図6は、従来の別のグラビア塗布装置を説明す
る説明図
【符号の説明】
10…グラビア塗布装置、12…塗布液、12a…過剰
塗布液、12b…転写塗布液、12c…リターン塗布
液、14…液槽、16…グラビアロール、18…ウエ
ブ、20…バックアップロール、22…ドクターブレー
ド、24…ドクターブレード装置、26…昇降装置、2
8…旋回装置、30…間隙量調整装置、32…ホルダ
ー、36…差動筒ブロック、38…スライド溝、40…
旋回台、42…第1の差動ネジ、44…ナット部材、4
6…微調整ダイヤル、48…第2の差動ネジ、50…連
結板、52…スプリング、54…旋回シャフト、56…
昇降台、58…旋回ダイヤル、60…ガイド板、62…
間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 朋成 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 小堂 厚司 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AC25 AC34 AC53 AC93 DA04 DB48 EA05 EC07 EC30 4F040 AA22 AB20 AC01 BA12 BA26 BA35 CB33 CB34 DA02 DA12 DA14 4F042 AA22 BA01 BA04 BA08 BA10 BA11 CB05 CB11 CC02 CC07 DD03 DD04 DD07 DD19 DD20 ED05 ED12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続走行する可撓性支持体に塗布液を塗布
    する塗布方法であって、グラビアロールのロール面に過
    剰に付着させた塗布液をドクターブレードで掻き落とす
    グラビア塗布方法において、 前記ドクターブレードは、前記ロール面に対して非接触
    状態で前記塗布液を掻き落とすことを特徴とするグラビ
    ア塗布方法。
  2. 【請求項2】前記非接触状態を形成するための前記ドク
    ターブレードと前記グラビアロールとの間隙寸法は0.
    01〜2mmの範囲内であることを特徴とする請求項1
    に記載のグラビア塗布方法。
  3. 【請求項3】前記間隙寸法を調整することにより、前記
    可撓性支持体に塗布する塗布液の塗布量を調節すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のグラビア塗布方
    法。
  4. 【請求項4】前記グラビア塗布方法を、揮発性有機溶剤
    を溶媒とする塗布液を前記可撓性支持体に塗布速度30
    m/分以下の低速で且つウエット塗布量3cc/m2
    下の薄膜に塗布する塗布条件で適用することを特徴とす
    る請求項1〜3の何れか1に記載のグラビア塗布方法。
  5. 【請求項5】連続走行する可撓性支持体に塗布液を塗布
    する塗布装置であって、グラビアロールのロール面に過
    剰に付着させた塗布液をドクターブレードで掻き落とす
    グラビア塗布装置において、 前記ドクターブレードを前記グラビアロールに対して進
    退させて、前記ドクターブレードと前記グラビアロール
    との間隙寸法を調整する間隙量調整手段を設け、前記ド
    クターブレードが前記ロール面に対して非接触状態で前
    記塗布液を掻き落とすようにしたことを特徴とするグラ
    ビア塗布装置。
  6. 【請求項6】前記間隙寸法を0.01〜2mmの範囲内
    で調整することを特徴とする請求項5に記載のグラビア
    塗布装置。
  7. 【請求項7】前記ドクターブレードの先端部は、 前記先端部の下側コーナの角度(K)が15〜90°範
    囲で且つ先端部下面の曲率(R)が3〜200mmの湾
    曲凹状な形状であり、 前記先端部の厚み(L)が1mm以上で20mm以下で
    あり、 前記先端部の上側コーナの面取り寸法(C)が0.5〜
    3mmである、 ことを特徴とする請求項5又は6に記載のグラビア塗布
    装置。
  8. 【請求項8】前記先端部下面の湾曲凹状に連続して縦方
    向にガイド板を設けたことを特徴とする請求項7に記載
    のグラビア塗布装置。
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