JP2002361116A - 微粉炭ミルにおける適応制御方法及び装置 - Google Patents

微粉炭ミルにおける適応制御方法及び装置

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JP2002361116A JP2001172299A JP2001172299A JP2002361116A JP 2002361116 A JP2002361116 A JP 2002361116A JP 2001172299 A JP2001172299 A JP 2001172299A JP 2001172299 A JP2001172299 A JP 2001172299A JP 2002361116 A JP2002361116 A JP 2002361116A
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徹夫 寺本
Toshiro Ito
俊郎 伊藤
Yoshinobu Mori
芳信 森
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昭二 村上
Norihiko Wasada
憲彦 和佐田
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徹也 梅木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭性状の影響を最も受ける微粉炭ミルのA
PCパラメータを、ボイラ運転状態に影響を与えること
なく、自律的に適応させ、石炭焚ボイラの安定運転、高
効率運転を維持する。 【解決手段】 複数台の微粉炭ミル18を有する石炭焚
ボイラにおいて、APCにて利用するAPCパラメータ
に対して補正処理を行う状態適応部を設け、この状態適
応部にAPCパラメータ補正関数を自律的に修正する機
能をもたせるとともに、新たな適応データ探索時に微粉
炭ミル18に与えられる擾乱操作によるボイラへの影響
を抑制するために、ミル運転台数に基づいて導出した擾
乱操作を各ミルに与えることにより、擾乱操作によるボ
イラ運転状態への影響を抑制しつつ、燃料性状変化など
の外乱要因に対して自律的にAPCパラメータを適応さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭焚ボイラの主
要機器の一つである微粉炭ミルにおいて、燃料性状変化
など種々の外乱要因によらず、運転状態を適切な状態に
維持するため、外乱要因に対して自律的、かつ安定的に
適応可能なプラント制御方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】事業用石炭焚ボイラでは広範な性状の燃
料を利用するため、燃料性状変化などの外乱要因によ
り、プラント各機器の動特性や運転状態が変化し、プラ
ントの安定運転や高効率運転を維持することが困難にな
る場合があった。一方、微粉炭ミルを有する石炭焚ボイ
ラの制御は、負荷要求(発電量)に対応した石炭供給量
操作及び先行信号付加に加え、その過不足分をPID制
御等にて修正するプラント自動制御装置(APC: A
utomatic PlantController)
にて構成されている。従来の微粉炭ミルを有する石炭焚
ボイラの制御では、例えば、図22に示すように、プラ
ント10の安定運転や高効率運転を実現するために、燃
料種類毎に(石炭で言えば炭種等)試験運転を実施し、
プラント自動制御装置(APC)12にて利用するAP
Cパラメータ等の調整を行う必要があった。したがっ
て、図22に示すように、燃料種類毎にあらかじめ用意
した複数のAPCパラメータ14を切り替える必要があ
った。
【0003】これに対して、燃料性状変化によるプラン
ト特性の低下を防止することを目的に、以下のような従
来技術が提案されている。特開2001−117606
号公報には、図23に示すように、火力プラント10を
構成する機器のプラント状態量から負荷要求に対応した
該機器の操作量を制御するプラント自動制御装置(AP
C)12を用いた制御において、火力プラントのAPC
パラメータ14に対して現状の運転状態に適した補正処
理を行う状態適応部16を備え、この状態適応部16に
ニューラルネットワークを利用し、さらに状態適応部1
6のニューラルネットワーク教示用のデータを探索する
ため、正弦波又はランダム波をAPCパラメータに与え
ることが記載されている。このように、状態適応部はA
PCパラメータ補正関数を自律的に修正する機能を有し
ており、これにより、燃料性状変化だけでなく種々の外
乱要因(経年変化、機器劣化等)に対して自律的にAP
Cパラメータを適応させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、図2
2に示すような従来の火力プラント制御では、プラント
の安定運転や高効率運転を実現するために、燃料種類毎
に(石炭で言えば炭種等)試験運転を実施し、APC1
2にて利用するAPCパラメータ等の調整を行う必要が
あり、燃料種類毎にあらかじめ用意した複数のAPCパ
ラメータテーブルを切り替える必要があった。また、図
23に示すような制御手法では、APCパラメータ補正
関数の修正時、並びにニューラルネットワーク教示用デ
ータの作成時に、各パラメータに対して擾乱操作を加え
る必要があり、適応データ探索時に擾乱操作を与えるこ
とにより、ボイラの運転状態の変動して発電量変動など
の動的な外乱要因となる恐れがあった。すなわち、AP
Cパラメータ探索のために与えられた正弦波又はランダ
ム波がボイラ運転状態への外乱となるため、修正/再学
習処理のオンライン化及び自動化の障害となる。
【0005】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、複数台の微粉炭ミルを有する石炭
焚ボイラにおいて、APCにて利用するAPCパラメー
タに対して補正処理を行う状態適応部を設け、この状態
適応部にAPCパラメータ補正関数を自律的に修正する
機能をもたせるとともに、新たな適応データ探索時に微
粉炭ミルに与えられる擾乱操作によるボイラへの影響を
抑制するために、ミル運転台数に基づいて導出した擾乱
操作を各ミルに与えることにより、擾乱操作によるボイ
ラ運転状態への影響を抑制しつつ、燃料性状変化などの
種々の外乱要因(経年変化、機器劣化等)に対して自律
的にAPCパラメータを適応させ、石炭焚ボイラの安定
運転、高効率運転を維持することができる適応制御方法
及び装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の微粉炭ミルにおける適応制御方法は、複
数台の微粉炭ミルを主要構成機器として備えた石炭焚ボ
イラを、ミルの状態量からボイラの負荷要求(発電量)
に対応したミルの操作量を制御するプラント自動制御装
置(APC)を用い、APCにて利用するAPCパラメ
ータを状態適応部でミル状態量に応じて補正し、種々の
外乱要因に対して自律的にAPCパラメータを適応させ
るミル適応制御装置により制御する方法において、状態
適応部が、適応操作部と状態認識部と適応データ管理部
と適応データ記憶部とから構成されており、状態適応部
での処理として、適応操作部にてミル状態量からAPC
パラメータ補正量を算出し、状態認識部にてミル状態量
から状態評価値を算出してAPCパラメータ補正の成否
を定量化し、適応データ記憶部にてミル状態量、APC
パラメータ補正量及び状態評価値からなる複数の適応デ
ータを記憶し、適応データ管理部にて状態評価値を指標
として新たなAPCパラメータ探索実行の要否を判断す
るとともに適応データ記憶部の更新を行い、適応データ
管理部で適応データの探索を行う場合は、適応操作部か
ら出力されたAPCパラメータ補正量に、適応データ管
理部から出力される適応データ探索用出力を付加した補
正量を用いて算出した適応APCパラメータをAPCに
反映させ、各ミルの適応データ探索用出力をミル運転台
数に基づいて導出した擾乱操作となるように設定して、
複数台のミルに与える擾乱操作によるボイラ全体の運転
状態への影響を抑制し、適応データの探索が不要な場合
は、適応操作部から出力されたAPCパラメータ補正量
を用いて算出した適応APCパラメータをAPCに反映
させるように構成されている。
【0007】上記の方法においては、適応操作部でミル
状態量からAPCパラメータ補正量を算出するに際し、
ニューラルネットワークを利用することが好ましい。こ
の場合、一例として、ミル状態量偏差からAPCパラメ
ータ補正量を算出することができる。また、ニューラル
ネットワークを適応データ記憶部の適応データにより更
新して、優れた適応データとして適応データ記憶部に反
映された入出力関係を適応操作部に反映させることが好
ましい。
【0008】また、上記の方法においては、適応データ
管理部でのAPCパラメータ探索に正弦波を用い、運転
中の各ミルより求めた振幅設定値の最大値をすべてのミ
ルの適応データ探索用出力に与える正弦波の振幅とし、
運転中の各ミルの適応データ探索用出力に与える正弦波
の位相を運転台数に応じた位相差に設定することが好ま
しい。各ミルの出炭特性が同じであれば、上記の制御手
法により、ボイラ全体の運転状態への擾乱操作による影
響を抑制することができる。各ミルの出炭特性が異なる
場合等は、ミルモデルを用いて推定した出炭特性によ
り、各ミルの適応データ探索用出力に与える正弦波の振
幅及び/又は位相を補正する。また、上記の補正に際し
ては、ミルモデルにより推定した各ミルの出炭量をX−
Y軸とした軌道を観測することにより出炭特性を判定す
ることができる。
【0009】本発明の微粉炭ミルにおける適応制御装置
は、複数台の微粉炭ミルを主要構成機器として備えた石
炭焚ボイラを、ミルの状態量からボイラの負荷要求(発
電量)に対応したミルの操作量を制御するプラント自動
制御装置(APC)と、APCにて利用するAPCパラ
メータに対して補正処理を行うためのAPCパラメータ
補正関数を自律的に修正する機能を有する状態適応部と
を備えたミル適応制御装置により制御する装置におい
て、状態適応部が、ミル状態量からAPCパラメータ補
正量を算出する適応操作部と、ミル状態量から適応状態
評価を行ってミル状態量から状態評価値を算出する状態
認識部と、ミル状態量、APCパラメータ補正量及び状
態評価値からなる複数の適応データを記憶する適応デー
タ記憶部と、状態評価値に基づいて新たな適応データの
探索と適応データ記憶部の更新を行う適応データ管理部
とから構成され、適応操作部から出力されたAPCパラ
メータ補正量、又は適応データ探索時には適応データ管
理部から出力された適応データ探索用出力を付加した補
正量を用いて算出した適応APCパラメータが、APC
に反映されるようにし、適応データ探索時にミルに与え
られる擾乱操作によるボイラ全体の運転状態への影響を
抑制するために、各ミルの適応データ探索用出力がミル
運転台数に基づいて導出した擾乱操作となるように設定
されたことを特徴としている。
【0010】上記の装置においては、適応操作部が、ミ
ル状態量からAPCパラメータ補正量を算出するニュー
ラルネットワークであり、ニューラルネットワークが適
応データ記憶部の適応データにより更新されるように構
成することが好ましい。また、適応データ管理部におい
て、適応データ探索用出力が正弦波として与えられ、運
転中の各ミルより求めた振幅設定値の最大値がすべての
ミルの適応データ探索用出力に与える正弦波の振幅とさ
れ、運転中の各ミルの適応データ探索用出力に与える正
弦波の位相は運転台数に応じた位相差に設定されるよう
に構成することが好ましい。各ミルの出炭特性が同じで
あれば、上記の制御手段により、ボイラ全体の運転状態
への擾乱操作による影響を抑制することができる。各ミ
ルの出炭特性が異なる場合等には、ミルモデルを用いて
推定した出炭特性を判定し、各ミルの適応データ探索用
出力に与える正弦波の振幅及び/又は位相の補正量を設
定する機能を有する振幅・位相補正部を設けて制御する
ことが好ましい。振幅・位相補正部での出炭特性の判定
は、ミルモデルにより推定した各ミルの出炭量をX−Y
軸とした軌道の観測により行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することができる
ものである。図1は、微粉炭ミルの適応制御装置の概略
構成を示しており、図1に示すように、石炭焚ボイラの
主要機器の一つである微粉炭ミル18の制御装置は、負
荷要求(発電量)に対応した燃料供給操作及び先行信号
付加に加え、その過不足分をPID制御等にて修正する
プラント自動制御装置(APC)20と、APC20に
て利用するAPCパラメータ22に対して補正処理を行
う状態適応部24とから構成されている。この状態適応
部24はAPCパラメータの補正関数を自律的に修正す
る機能を有しており、これにより、燃料性状変化だけで
なく種々の外乱要因(プラント機器の経年変化、機器劣
化等)に対して自律的にAPCパラメータを適応させる
ことができる。
【0012】本発明では、図2に示すような複数台の微
粉炭ミルを有する石炭焚ボイラにおいて、石炭性状の影
響を最も受ける微粉炭ミルのAPCパラメータを、ボイ
ラ運転状態に影響を与えることなく、自律的に適応させ
ることが可能な制御方法及び装置を提供する。図2で
は、一例として、A〜Eの5台の微粉炭ミル18を有し
ており、これらのミル18が上記の状態適応部を備えた
ミル適応制御装置26で制御される。A〜Eのホッパー
(石炭貯槽)28からそれぞれのミル18に石炭が供給
され、粉砕・分級により得られた微粉炭が、燃焼・搬送
用空気とともにボイラ火炉30のバーナ(図示略)に供
給される。これらの詳細は後述する。ボイラ火炉30で
発生した蒸気によりタービン32が駆動され、発電機3
4によって発電が行われる。
【0013】図3は、本実施の形態にて用いる竪型微粉
炭ミルの構成を示している。微粉炭ミル18は、燃料で
ある石炭(原炭)を粉砕・分級し、燃焼・搬送用空気と
ともにボイラ火炉へ供給する装置であり、石炭をミル内
へ供給する石炭供給機36、回転している粉砕皿38上
の石炭を加圧・粉砕するローラ40、ミル下部より燃焼
・搬送用空気を供給する空気供給手段42(送風機等の
図示略)、粉砕後の微粉炭を粒度により選別し粒径の大
きな微粉炭を再びミル内に戻す分級機44などから構成
されている。
【0014】図3に示すように、石炭貯槽28内の石炭
は、石炭供給機36によりミルケーシング46内に投入
され、回転している粉砕皿38上に供給された石炭が遠
心力により外周方向に飛ばされて、粉砕皿38の上面と
ローラ40との間で粉砕され、空気供給手段42により
空気供給ノズル48から供給される燃焼・搬送用空気に
よりミルケーシング46内の外側を粉砕された微粉炭が
吹き上げられる。なお、ローラ40は、バネ等の加圧手
段50により粉砕皿38上面に圧接するようになってい
る。ミルケーシング46内を吹き上げられた微粉炭は、
多数の羽状部材を有する回転式の分級機44により分級
が行われ、分級機44の羽状部材の間を通過した粒径の
小さい微粉炭は、燃焼・搬送用空気とともに燃料・空気
搬送ノズル52を介してボイラ火炉(図示略)に供給さ
れる。一方、粒径の大きい微粉炭は再びミルケーシング
46内に戻される。54は駆動源であるモータ、56は
燃焼・搬送用空気の流量を調節するダンパである。な
お、APC58では、発電量(負荷要求)に対応して、
分級機44の回転数、ローラ40の加圧力、石炭の供給
量、燃焼・搬送用空気の流量等を出力している。
【0015】通常、竪型微粉炭ミルでは、ミルに供給さ
れた石炭は所望の粒度の微粉炭として排出されるまで、
ミル内を複数回循環するため、粉砕途上の種々の粒度の
微粉炭が粉砕皿上を中心に滞留する構造となっている。
ゆえに、負荷設定変更などにより石炭供給機を操作して
も、実際にボイラ火炉へ供給される微粉炭量が変化する
には、数秒〜数十秒の遅れを伴うような動特性を有して
いる。この動特性によるボイラ制御への影響を補償すべ
く、分級機回転数、ローラ加圧力などのAPCパラメー
タが設定されている。例えば、ミル動特性は負荷の影響
を受けるため、APCパラメータは負荷に対して、図4
に示すような設定テーブルにて設定されている(図4
は、一例として、APCパラメータが分級機回転数の場
合)。しかし、オンラインで計測できない石炭性状変化
(硬さ、含水率等)によるミル動特性の変化を補償する
ためには、事前の試験運転にて調整した炭種別のAPC
パラメータを現在使用中の炭種に合わせて切り替える必
要があり、同一炭種内での性状のばらつきや石炭性状以
外の外乱要因に対するAPCパラメータの調整は困難で
あった。
【0016】ここで、微粉炭ミルのAPCパラメータに
対して補正処理を行う状態適応部の構成を図5に示す。
一例として、状態適応部は、ミル状態量偏差からAPC
パラメータ補正量を算出するニューラルネットワークか
らなる適応操作部60、ミル状態量から適応状態評価を
行って設計基準からのミル状態量偏差から状態評価値を
算出する状態認識部62、ニューラルネットワークの学
習に利用するミル状態量、APCパラメータ補正量、状
態評価値からなる複数の適応データを記憶する適応デー
タ記憶部64、及び状態評価値に基づいて新たな適応デ
ータの探索と適応データ記憶部64の更新を行う適応デ
ータ管理部66から構成されている。68はAPCパラ
メータテーブル、70は基準状態量テーブルである。適
応操作部60から出力されたAPCパラメータ補正量
は、適応データ探索時には適応データ管理部66から出
力される適応データ探索用出力を付加した後、適応AP
Cパラメータの導出に用いられる。
【0017】適応操作部60は、適応データ記憶部64
に保存した適応データ群をもとに、ミル状態量からAP
Cパラメータ補正量を導出する非線形関数を構築してい
る。非線形関数の構築方法としては、回帰演算など演算
の都度非線形関数を導出する手段もあるが、本実施の形
態では、より容易に、かつ連続的に所望の非線形関数を
導出可能なニューラルネットワークを利用する。ニュー
ラルネットワークは、学習と呼ばれる手続きを行うこと
により、適応データ記憶部64に保存した適応データ群
の入出力特性を再現する非線形関数を構築することがで
きる。
【0018】適応データ管理部66は、適応データ探索
用出力をAPCパラメータ補正量に付加することによ
り、より優れた適応データを探索する。すなわち、適応
データ探索用出力の付加によりAPCパラメータ補正量
が変化し、その結果、ミル状態量が変化して、状態認識
部62にて算出する状態評価値が向上した場合、適応操
作部60への入力と、適応データ探索用出力を付加した
後のAPCパラメータ補正量を優れた適応データとして
適応データ記憶部64に反映する。適応データ記憶部6
4にて反映された入出力関係は、先のニューラルネット
ワーク学習手段により連続的に適応操作部60に反映さ
れる。これを繰り返すことにより、炭種変化など種々の
外乱要因に対して、状態評価値の良好な運転条件を維持
するようAPCパラメータを適応させることができる。
【0019】さらに、図6に示すフローチャートにした
がって処理内容を説明する。まず、プラント状態量Yと
してミル動特性に影響を与える微粉炭滞留量に相関のあ
るノズル差圧とミル電力を検出し、負荷(給炭量)Lに
対する基準状態量y(L)との偏差を下式の通り算出す
る。なお、ノズル差圧は、ミル内に燃焼・搬送用空気を
供給する空気供給ノズルの前後(入口側と出口側)の圧
力差である。 dYj(t)=Yj(t)/yj(L) t:時間, j:各状態変数(=1,2) なお、上式右辺は、これに限定されるものではなく、
(Yj(t)−yj(L))/yj(L)、Yj(t)
−yj(L)等でもよい。また、基準状態量はミル設計
データより作成した各負荷に対する基準状態量テーブル
70から求めることができる。図7に基準状態量テーブ
ルの一例を示す。なお、図7は、状態量がノズル差圧の
場合を示している。
【0020】次に、状態量偏差を用いてAPCパラメー
タ補正量を求める処理と適応操作部60を更新する処理
を並行して行う。APCパラメータ補正量を求める処理
では、先に求めたノズル差圧偏差とミル電力偏差を適応
操作部60の非線形関数であるニューラルネットワーク
に入力する。そして、ニューラルネットワーク出力とし
てAPCパラメータ補正量、ここでは分級機回転数補正
量とローラ加圧力補正量を得る。適応操作部60にて用
いるニューラルネットワークは、教師ありの階層型ニュ
ーラルネットワークである。このニューラルネットワー
クの全体は、図8に示すように、入力層72と隠れ層7
4と出力層76との合計3層からなり、各層はユニット
78と呼ばれる非線形連続関数で構成されている。ま
た、ユニット78は各層間でリンク80と呼ばれる情報
伝達器で接続されている。ネットワークに入った入力は
入力層のユニットに伝えられ、さらに隠れ層及び出力層
へと伝播し、最終的に出力層のユニットから出力され
る。隠れ層以外のユニット数はニューラルネットワーク
入力数及び出力数により決定されるため、ここでは、入
力層、出力層ともに2ユニットである。隠れ層のユニッ
ト数は特に限定されないが、ここでは3ユニットの場合
を示している。
【0021】次に、状態認識部62にてノズル差圧偏差
dY1(t)とミル電力偏差dY2(t)から状態評価
値E(t)を下記の数1で示す式の通り算出する。
【0022】
【数1】
【0023】t:時間, j:各状態変数(=1,2) なお、上式はこれに限定されるものではなく、下記の数
2で示す式等でもよく、また、これらの式は右辺をその
逆数としたものでもよい。上式により算出した状態評価
値E(t)が小さいほどミル設計基準の運転特性に近い
ことから、適応目標は状態評価値E(t)を小さくする
APCパラメータ補正量を導出することとする。
【0024】
【数2】
【0025】次に、適応データ管理部66にて状態評価
値E(t)が基準評価値を満たしているかどうかの判断
を行い、基準を満たしていない場合、例えば、石炭性状
変化などの外乱要因により状態評価値E(t)が大きく
なった場合、適応操作部60にて算出したAPCパラメ
ータ補正量dX(t)に対して適応データ探索用出力S
(t)を付加する。 dXi(t)=dXi(t)*Si(t) t:時間, i:各APCパラメータ(=1,2) なお、適応データ探索用出力S(t)には正弦波を用
い、上式右辺はこれに限定されるものではなく、dXi
(t)+Si(t)等でもよい。適応データ探索用出力
Si(t)付加の後、図4に示されるようなAPCパラ
メータテーブル68にて設定した負荷Lに対するAPC
パラメータx(L)とAPCパラメータ補正量dX
(t)から適応APCパラメータX(t)を下式の通り
算出する。 Xi(t)=xi(L)*dXi(t) t:時間, i:各APCパラメータ(=1,2) なお、上式右辺は、これに限定されるものではなく、x
i(L)+xi(L)*dXi(t)、xi(L)+d
Xi(t)等でもよい。そして、この適応APCパラメ
ータを用いたAPC58にて微粉炭ミル18を運転す
る。
【0026】適応操作部60を更新する処理では、先に
算出した状態評価値E(t)を用いて適応データ記憶部
64の更新候補データを作成する。適応データ記憶部6
4の適応操作データ群は、図9に示すように、状態量偏
差dYと状態量偏差dYを用いて導出したAPCパラメ
ータ補正量dXとその結果得られた状態評価値eからな
る複数組の適応データにて構成されている。同様に、先
に算出した状態評価値E(t)はT時点前の前後数時点
に補正したAPCパラメータの影響を受けているため、
T時点前の前後数時点よりm個(≧1)の更新候補デー
タを作成する。ただし、T時点前の状態量偏差dY(t
−T)とAPCパラメータ補正量dX(t−T)には状
態評価値E′=E(t)をそのまま組み合わせ、その前
後の状態量偏差dY(t−T±dT)とAPCパラメー
タ補正量dX(t−T±dT)には減衰係数ζ(≧1)
により下式の通り減衰させた状態評価値E′を組み合わ
せる。なお、dTはサンプリング周期(≧1)である。 E′=E(t)*ζ*dT なお、上式右辺はこれに限定されるものではなく、E
(t)*ζ*(dT)2等でもよい。
【0027】このようにして作成したm組の更新候補デ
ータの状態評価値E′1、E′2、…、E′mと適応デ
ータ記憶部64に保存されているk組の適応データの状
態評価値e1、e2、…、ekをそれぞれ1対1で比較
し、更新候補データの状態評価値E′が適応データ記憶
部64のデータの状態評価値eより優れている場合、す
なわち、状態評価値E′がeより小さい場合、適応デー
タの入れ替えを行う。
【0028】適応データ管理部66により適応データ群
が更新された場合、更新結果を適応操作部60に反映す
るため、更新後の適応データ群を用いてニューラルネッ
トワークの学習を行う。ニューラルネットワークの学習
では、適応データ記憶部64に保存しているk個の適応
データから、教師入力として状態量偏差dY1、dY
2、…、dYkを、教師出力としてAPCパラメータ補
正量dX1、dX2、…、dXkを作成し、入力層の各
ユニットに教師入力を入力した時、出力層の各ユニット
から教師出力に近い出力がでるよう、リンクの伝達効
率、ユニットの出力関数のパラメータ等のネットワーク
内部パラメータを更新する。この操作をk組の教師入出
力データに対して繰り返し行うことによって、所望の非
線形関数を獲得することができる。なお、ニューラルネ
ットワークは今回更新手続きを行われなかった適応デー
タによりすでに学習が進んでいるため、新たに更新され
た適応データに関する入出力関係を学習するためには数
回又は数十回程度の繰り返し計算を行えばよい。このた
め、ニューラルネットワークの学習、すなわち、適応操
作部60を更新する処理は、APCパラメータ補正量を
求める処理と同様、高速に実行することができる。
【0029】以上のような手法により、炭種変化など種
々の外乱要因に対して、状態評価値の良好な運転条件を
維持するようAPCパラメータを適応させることができ
る。しかし、APCパラメータ補正の過程でAPCパラ
メータ補正量dX(t)に付加した適応データ探索用出
力S(t)は、分級機回転数とローラ加圧力を周期的に
変化させるため、その結果としてミルからボイラに供給
される微粉炭の出炭量が周期的に変動し、これがボイラ
の燃焼特性、収熱特性の動的外乱となる可能性がある。
【0030】図10は上記制御手法を竪型微粉炭ミルの
動特性モデルを用いて計算機シミュレーションした例で
あるが、石炭性状指標の一つであるHGI(ハードグル
ーブ指数:硬さ)と含水率の変化に対して、APCパラ
メータである分級機回転数とローラ加圧力を補正し、ノ
ズル差圧とミル電力を基準値に保持、すなわち、微粉炭
滞留量を基準値に保持して、ミル動特性を該当負荷に対
応した特性に維持できることがわかる。その反面、ミル
からボイラに供給される微粉炭出炭量が周期的に10〜
20%程度変動し、無視できないレベルの外乱となって
いる。
【0031】本発明では、このような微粉炭出炭量の変
動によるボイラ運転特性への影響を抑制するために、図
11に示すように複数台で構成されるミル制御システム
(この例ではA〜Eの5台)において、適応データ探索
用出力として与える正弦波の振幅を運転中のミルの状態
評価値の最大値によって算出し、運転中のミルの適応デ
ータ探索用出力に同振幅の正弦波を与える。さらに、各
ミルの適応データ探索用出力に与える正弦波の位相を、
表1に示す設定テーブルに基づいて互いにずらす。例え
ば、A、Bミルのみ運転中の場合、Aミルに与える正弦
波に対してBミルに与える正弦波は半波長(π)遅れた
正弦波とする。これにより、各ミルに与えられる分級機
回転数設定とローラ加圧力設定の周期変化の位相がずれ
ることになり、結果として各ミルからボイラに供給され
る微粉炭の出炭量の周期変動がずれ、最終的にボイラに
供給される微粉炭量の変動を抑制することができる。
【0032】
【表1】
【0033】図12は上記制御手法を採用したA、Bミ
ル2台運転中において、図10と同じ石炭性状変化が発
生した場合を計算機シミュレーションした例である。図
10と同様に、石炭性状指標の一つであるHGIと含水
率の変化に対して、APCパラメータである分級機回転
数とローラ加圧力を補正し、ノズル差圧とミル電力を基
準値に保持、すなわち、微粉炭滞留量を基準値に保持し
て、ミル動特性を該当負荷に対応した特性に維持するこ
とができる。さらに、ミルからボイラに供給される微粉
炭出炭量の周期変動が大幅に抑制されており、ボイラ運
転特性への影響を抑制できる。これにより、従来の手法
では困難であった修正/再学習処理のオンライン化及び
自動化をボイラに対する外乱をほとんど与えずに実現す
ることができる。
【0034】さらに別の例を示す。図13は図11のミ
ル制御システムを採用し、A、Bミル2台にて図12の
場合と比較してAミルへの給炭量が30%増、Bミルへ
の給炭量が30%減で運転している状態で、図10及び
図12と同じ石炭性状変化が発生した場合を計算機シミ
ュレーションした例である。AミルとBミルへの給炭量
が異なることにより、図12の場合と比較して、ミルか
らボイラに供給される微粉炭出炭量の周期変動が増加し
ている。このように、図11のミル制御システムでは各
ミルへの給炭量が異なる場合、あるいは石炭性状などに
より各ミルの出炭特性(応答時定数、無駄時間など)が
ずれている場合には、出炭量変動抑制の効果が低下する
恐れがある。
【0035】図14は、図11のミル制御システムに出
炭特性判定・補正量設定機能を有する振幅・位相補正部
82を加えた制御システムである。本制御システムで
は、現在のミル運転状況より算出した各ミルへのAPC
パラメータ補正量探索用信号の位相及び/又は振幅を、
振幅・位相補正部82により補正する。振幅・位相補正
部は、図15に示すように、ミル適応制御装置モデル8
4及びミルモデル86を用いて、現在設定しているAP
Cパラメータ補正量により運転した際の各ミルからの出
炭量を算出する。さらに、出炭特性判定・補正量設定部
88により探索用信号の位相及び振幅の良否を判断し、
その結果に基づいて補正した位相及び振幅により、良好
な判定結果が得られるまで繰り返し補正を行う。
【0036】出炭特性判定・補正量設定部での出炭特性
判定には、図16に示す目標軌道テーブルを使用する。
例えば、A、B、Cミル3台にて運転している場合、A
ミルとBミルの出炭量をそれぞれ横軸と縦軸にとると、
出炭量変動が相殺されるためには図のように長軸が右斜
め下45度の楕円軌道をとる必要がある。他の場合につ
いても、複数台のミルを運転する際に出炭量変動が相殺
されるためには、それぞれ図16のような軌道をとる必
要がある。
【0037】これに対して、APCパラメータ補正量探
索用信号の位相及び/又は振幅の設定が不適当である
と、例えば、図17に示すように、目標軌道とミルモデ
ルにより推定した計算軌道がずれるため、楕円軌道など
の軌道の形状のずれに対しては位相を、軌道の傾きのず
れに対しては振幅を補正することにより、計算軌道を目
標軌道に近づけ、その結果として出炭量の周期変動を抑
制することができる。なお、ここで使用するミルモデル
86は、図18に示すように、実機(微粉炭ミル)18
の運転データ(例えば、ノズル差圧、ミル電力、入口空
気温度など)により修正回路90にて石炭性状の主要指
標であるHGIと含水率を修正し、ミルモデルのシミュ
レーション精度を保持する。
【0038】図19は、図14〜図18に示すミル制御
システムを採用したA、Bミル2台運転中において、図
13の場合と同じ状況が発生した場合を計算機シミュレ
ーションした例である。このように、各ミルへの給炭量
が異なる場合に本制御システムが動作した際の出炭量の
周期変動を抑制することができる。なお、図20は図1
3における出炭量及び出炭特性判定結果で、図21は図
19における出炭量及び出炭特性判定結果であり、振幅
・位相補正部でのAPCパラメータ補正量探索用信号の
位相及び振幅の補正が有効に機能していることがわか
る。
【0039】なお、本実施形態では、適応操作部の入力
としてノズル差圧とミル電力を、出力として分級機回転
数とローラ加圧力を用い、状態評価値としてノズル差圧
とミル電力の偏差の和を用いているが、これらの状態変
数及びAPCパラメータはこれらに限定されるものでは
ない。また、本発明のAPCパラメータの適応制御は、
新しい種類の石炭に対して適応したAPCパラメータを
保存することにより、従来人手による試行錯誤にて調整
していた炭種毎のAPCパラメータの設定の自動化に利
用することも可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 状態適応部、すなわち、APCパラメータ補正
を行う補正関数を自律的に修正する機能を有する適応制
御手法を採用した複数台の微粉炭ミルで構成される石炭
焚ボイラにおいて、石炭性状の影響を最も受ける微粉炭
ミルのAPCパラメータを、ボイラ運転状態に影響を与
えることなく、自律的に適応させ、石炭焚ボイラの安定
運転、高効率運転を維持することができる。 (2) 新たな適応データ探索時に微粉炭ミルに与えら
れる擾乱操作によるボイラへの影響を抑制するために、
ミル運転台数に基づいて導出した協調擾乱操作を各ミル
に与えることにより、擾乱操作によるボイラ運転状態へ
の影響を抑制しつつ、燃料性状変化など種々の外乱要因
に対してボイラを適応させることができ、これにより、
従来の手法では困難であった修正/再学習処理のオンラ
イン化及び自動化をボイラに対する外乱をほとんど与え
ずに実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微粉炭ミルにおける適応制御装置を示す概略構
成説明図である。
【図2】複数台の微粉炭ミルとミル適応制御装置とを備
えた石炭焚ボイラを示す概略構成説明図である。
【図3】竪型微粉炭ミル及びAPCによる制御の構成を
示す概略説明図である。
【図4】APCパラメータの設定テーブルの一例を示す
グラフである。
【図5】微粉炭ミルにおける適応制御方法を実施する装
置の一例を示す系統的概略構成説明図である。
【図6】微粉炭ミルの適応制御手法における処理手順を
示すフローチャートである。
【図7】ミル設計データより作成した各負荷に対する基
準状態量テーブルの一例を示すグラフである。
【図8】ニューラルネットワークの全体構成を示す概略
説明図である。
【図9】適応データ記憶部における適応操作データ群を
示す概略説明図である。
【図10】竪型微粉炭ミルの動特性モデルを用いた計算
機シミュレーションの結果を示すグラフである。
【図11】本発明の実施の第1形態による複数台の微粉
炭ミルにおける制御システムの一例を示す系統的概略説
明図である。
【図12】本発明の実施の第1形態において、竪型微粉
炭ミルの動特性モデルを用いた計算機シミュレーション
の結果を示すグラフである。
【図13】本発明の実施の第1形態において、ミルへの
給炭量が異なる場合の計算機シミュレーションの結果を
示すグラフである。
【図14】本発明の実施の第2形態による複数台の微粉
炭ミルにおける振幅・位相補正部を加えた制御システム
の一例を示す系統的概略説明図である。
【図15】振幅・位相補正部の詳細を示す概略構成説明
図である。
【図16】出炭特性判定・補正量設定部での出炭特性判
定に用いる目標軌道テーブルの一例を示すグラフであ
る。
【図17】目標軌道と計算軌道とが形状及び/又は傾き
でずれている場合とそれぞれの補正方法を示すグラフで
ある。
【図18】本発明の実施形態で使用するミルモデルの一
例を示す概略構成説明図である。
【図19】本発明の実施の第2形態において、竪型微粉
炭ミルの動特性モデルを用いた計算機シミュレーション
の結果を示すグラフである。
【図20】図13における出炭量及び出炭特性判定結果
を示すグラフである。
【図21】図19における出炭量及び出炭特性判定結果
を示すグラフである。
【図22】従来の火力プラントの制御方法を実施する装
置の一例を示す概略構成説明図である。
【図23】従来の火力プラントの制御方法を実施する装
置の他の例を示す概略構成説明図である。
【符号の説明】
10 火力プラント 12、20、58 プラント自動制御装置(APC) 14、22 APCパラメータ 16、24 状態適応部 18 微粉炭ミル 26 ミル適応制御装置 28 ホッパー(石炭貯槽) 30 ボイラ火炉 32 タービン 34 発電機 36 石炭供給機 38 粉砕皿 40 ローラ 42 空気供給手段 44 分級機 46 ミルケーシング 48 空気供給ノズル 50 加圧手段 52 燃料・空気搬送ノズル 54 モータ 56 ダンパ 60 適応操作部 62 状態認識部 64 適応データ記憶部 66 適応データ管理部 68 APCパラメータテーブル 70 基準状態量テーブル 72 入力層 74 隠れ層 76 出力層 78 ユニット 80 リンク 82 振幅・位相補正部 84 ミル適応制御装置モデル 86 ミルモデル 88 出炭特性判定・補正量設定部 90 修正回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B02C 15/04 B02C 15/04 (72)発明者 伊藤 俊郎 東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎重 工業株式会社東京設計事務所内 (72)発明者 森 芳信 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 村上 昭二 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 和佐田 憲彦 東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎重 工業株式会社東京設計事務所内 (72)発明者 梅木 徹也 東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎重 工業株式会社東京設計事務所内 (72)発明者 真鍋 賢 東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎重 工業株式会社東京設計事務所内 Fターム(参考) 3K065 TA19 TC01 TD07 4D063 EE03 EE12 GA08 GD01 GD11 4D067 FF01 FF11 GA04 GB02 5H004 GA07 GA21 GB01 HA02 HB01 HB03 HB14 KA72 KC50 KD32 LA15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数台の微粉炭ミルを主要構成機器とし
    て備えた石炭焚ボイラを、ミルの状態量からボイラの負
    荷要求に対応したミルの操作量を制御するプラント自動
    制御装置を用い、プラント自動制御装置にて利用するA
    PCパラメータを状態適応部でミル状態量に応じて補正
    し、種々の外乱要因に対して自律的にAPCパラメータ
    を適応させるミル適応制御装置により制御する方法にお
    いて、 状態適応部が、適応操作部と状態認識部と適応データ管
    理部と適応データ記憶部とから構成されており、状態適
    応部での処理として、適応操作部にてミル状態量からA
    PCパラメータ補正量を算出し、状態認識部にてミル状
    態量から状態評価値を算出してAPCパラメータ補正の
    成否を定量化し、適応データ記憶部にてミル状態量、A
    PCパラメータ補正量及び状態評価値からなる複数の適
    応データを記憶し、適応データ管理部にて状態評価値を
    指標として新たなAPCパラメータ探索実行の要否を判
    断するとともに適応データ記憶部の更新を行い、適応デ
    ータ管理部で適応データの探索を行う場合は、適応操作
    部から出力されたAPCパラメータ補正量に、適応デー
    タ管理部から出力される適応データ探索用出力を付加し
    た補正量を用いて算出した適応APCパラメータをプラ
    ント自動制御装置に反映させ、各ミルの適応データ探索
    用出力をミル運転台数に基づいて導出した擾乱操作とな
    るように設定して、複数台のミルに与える擾乱操作によ
    るボイラ全体の運転状態への影響を抑制し、適応データ
    の探索が不要な場合は、適応操作部から出力されたAP
    Cパラメータ補正量を用いて算出した適応APCパラメ
    ータをプラント自動制御装置に反映させることを特徴と
    する微粉炭ミルにおける適応制御方法。
  2. 【請求項2】 適応操作部でミル状態量からAPCパラ
    メータ補正量を算出するに際してニューラルネットワー
    クを利用し、ニューラルネットワークを適応データ記憶
    部の適応データにより更新して、優れた適応データとし
    て適応データ記憶部に反映された入出力関係を適応操作
    部に反映させる請求項1記載の微粉炭ミルにおける適応
    制御方法。
  3. 【請求項3】 適応データ管理部でのAPCパラメータ
    探索に正弦波を用い、運転中の各ミルより求めた振幅設
    定値の最大値をすべてのミルの適応データ探索用出力に
    与える正弦波の振幅とし、運転中の各ミルの適応データ
    探索用出力に与える正弦波の位相を運転台数に応じた位
    相差に設定する請求項1又は2記載の微粉炭ミルにおけ
    る適応制御方法。
  4. 【請求項4】 ミルモデルを用いて推定した出炭特性に
    より、各ミルの適応データ探索用出力に与える正弦波の
    振幅及び/又は位相を補正する請求項3記載の微粉炭ミ
    ルにおける適応制御方法。
  5. 【請求項5】 各ミルの適応データ探索用出力に与える
    正弦波の振幅及び/又は位相を補正するに際して、ミル
    モデルにより推定した各ミルの出炭量をX−Y軸とした
    軌道を観測することにより出炭特性を判定する請求項4
    記載の微粉炭ミルにおける適応制御方法。
  6. 【請求項6】 複数台の微粉炭ミルを主要構成機器とし
    て備えた石炭焚ボイラを、ミルの状態量からボイラの負
    荷要求に対応したミルの操作量を制御するプラント自動
    制御装置と、プラント自動制御装置にて利用するAPC
    パラメータに対して補正処理を行うためのAPCパラメ
    ータ補正関数を自律的に修正する機能を有する状態適応
    部とを備えたミル適応制御装置により制御する装置にお
    いて、 状態適応部が、ミル状態量からAPCパラメータ補正量
    を算出する適応操作部と、ミル状態量から適応状態評価
    を行ってミル状態量から状態評価値を算出する状態認識
    部と、ミル状態量、APCパラメータ補正量及び状態評
    価値からなる複数の適応データを記憶する適応データ記
    憶部と、状態評価値に基づいて新たな適応データの探索
    と適応データ記憶部の更新を行う適応データ管理部とか
    ら構成され、適応操作部から出力されたAPCパラメー
    タ補正量、又は適応データ探索時には適応データ管理部
    から出力された適応データ探索用出力を付加した補正量
    を用いて算出した適応APCパラメータが、プラント自
    動制御装置に反映されるようにし、適応データ探索時に
    ミルに与えられる擾乱操作によるボイラ全体の運転状態
    への影響を抑制するために、各ミルの適応データ探索用
    出力がミル運転台数に基づいて導出した擾乱操作となる
    ように設定されたことを特徴とする微粉炭ミルにおける
    適応制御装置。
  7. 【請求項7】 適応操作部が、ミル状態量からAPCパ
    ラメータ補正量を算出するニューラルネットワークであ
    り、ニューラルネットワークが適応データ記憶部の適応
    データにより更新されるようにした請求項6記載の微粉
    炭ミルにおける適応制御装置。
  8. 【請求項8】 適応データ管理部において、適応データ
    探索用出力が正弦波として与えられ、運転中の各ミルよ
    り求めた振幅設定値の最大値がすべてのミルの適応デー
    タ探索用出力に与える正弦波の振幅とされ、運転中の各
    ミルの適応データ探索用出力に与える正弦波の位相は運
    転台数に応じた位相差に設定されるようにした請求項6
    又は7記載の微粉炭ミルにおける適応制御装置。
  9. 【請求項9】 ミルモデルを用いて推定した出炭特性を
    判定し、各ミルの適応データ探索用出力に与える正弦波
    の振幅及び/又は位相の補正量を設定する機能を有する
    振幅・位相補正部を設けた請求項8記載の微粉炭ミルに
    おける適応制御装置。
  10. 【請求項10】 振幅・位相補正部での出炭特性の判定
    が、ミルモデルにより推定した各ミルの出炭量をX−Y
    軸とした軌道の観測により行われる請求項9記載の微粉
    炭ミルにおける適応制御装置。
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