JP2002360114A - 細菌担体を用いた貯水循環式養殖場 - Google Patents
細菌担体を用いた貯水循環式養殖場Info
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- JP2002360114A JP2002360114A JP2001167818A JP2001167818A JP2002360114A JP 2002360114 A JP2002360114 A JP 2002360114A JP 2001167818 A JP2001167818 A JP 2001167818A JP 2001167818 A JP2001167818 A JP 2001167818A JP 2002360114 A JP2002360114 A JP 2002360114A
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
Landscapes
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】硝化細菌及び脱窒細菌を高密度に吸着した繊維
シートを用いて魚介類の飼育槽を直接水質浄化するこ
と。 【解決手段】魚介類の貯水循環式養殖場において、硝化
細菌、脱窒細菌を高密度に吸着した細菌担体7,8の少
なくとも片方を飼育水槽2内の所定の位置に移動可能に
張設し、飼育魚介類の排泄する窒素化合物と前記の細菌
を接触せしめ、前記窒素化合物を分解除去する。細菌担
体7,8に吸着される硝化細菌及び脱窒細菌の密度は、
107〜109cells/ml以上の高密度に培養さ
れた培養液槽に浸漬させて同等の密度を維持しながら飼
育水槽に搬入し再び高密度培養液槽9,10に循環させ
る。また、細菌高密度吸着繊維シートを飼育水槽内で揺
動もしくは波動させて周囲の飼育水を撹拌し細菌と窒素
化合物の接触を促進させる。
シートを用いて魚介類の飼育槽を直接水質浄化するこ
と。 【解決手段】魚介類の貯水循環式養殖場において、硝化
細菌、脱窒細菌を高密度に吸着した細菌担体7,8の少
なくとも片方を飼育水槽2内の所定の位置に移動可能に
張設し、飼育魚介類の排泄する窒素化合物と前記の細菌
を接触せしめ、前記窒素化合物を分解除去する。細菌担
体7,8に吸着される硝化細菌及び脱窒細菌の密度は、
107〜109cells/ml以上の高密度に培養さ
れた培養液槽に浸漬させて同等の密度を維持しながら飼
育水槽に搬入し再び高密度培養液槽9,10に循環させ
る。また、細菌高密度吸着繊維シートを飼育水槽内で揺
動もしくは波動させて周囲の飼育水を撹拌し細菌と窒素
化合物の接触を促進させる。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、陸上における魚介
類の養殖に関する。
類の養殖に関する。
【0002】
【従来の技術】陸上における魚介類の養殖を可能にする
先行技術としては特開昭63−181938号、特公平
7−55116号が挙げられる。いずれも魚介類の飼育
槽を含む水の循環経路を形成し、該経路内にアンモニア
処理槽と脱窒槽及びPH調整槽を配置して、循環水中の
窒素イオンを良好に除去するようになっていて、魚介類
の高密度養殖が可能にされている。また後者の公報に
は、高密度に培養された硝化細菌や脱窒細菌を濾材に接
種してこれらをアンモニア処理槽や脱窒槽に挿置し循環
水の脱窒能を調整することが記載されている。濾材の材
料としてポリビニールアルコール、ポリエチレングリコ
ールなどの合成高分子あるいは極細繊維状濾材が用いら
れる。このほか、特開平7−60266号には硝化細菌
や脱窒細菌を定着させやすいポリビニルアルコール系含
水ゲルを種々の形状にして通水性ケース内に入れ、閉鎖
性海域及び養殖用海域などに設置し潮の干満により水質
を浄化することが記載されている。上述したように従来
の水質浄化の手法は、硝化及び脱窒を行う処理槽が水の
循環経路内に固定的に設置されているものであり、処理
される水が流動することが基本になっている。
先行技術としては特開昭63−181938号、特公平
7−55116号が挙げられる。いずれも魚介類の飼育
槽を含む水の循環経路を形成し、該経路内にアンモニア
処理槽と脱窒槽及びPH調整槽を配置して、循環水中の
窒素イオンを良好に除去するようになっていて、魚介類
の高密度養殖が可能にされている。また後者の公報に
は、高密度に培養された硝化細菌や脱窒細菌を濾材に接
種してこれらをアンモニア処理槽や脱窒槽に挿置し循環
水の脱窒能を調整することが記載されている。濾材の材
料としてポリビニールアルコール、ポリエチレングリコ
ールなどの合成高分子あるいは極細繊維状濾材が用いら
れる。このほか、特開平7−60266号には硝化細菌
や脱窒細菌を定着させやすいポリビニルアルコール系含
水ゲルを種々の形状にして通水性ケース内に入れ、閉鎖
性海域及び養殖用海域などに設置し潮の干満により水質
を浄化することが記載されている。上述したように従来
の水質浄化の手法は、硝化及び脱窒を行う処理槽が水の
循環経路内に固定的に設置されているものであり、処理
される水が流動することが基本になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、硝化細菌及び脱窒細菌の高密度の細菌担体
を用いて魚介類飼育水槽の水質を浄化することである。
する課題は、硝化細菌及び脱窒細菌の高密度の細菌担体
を用いて魚介類飼育水槽の水質を浄化することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】硝化細菌、脱窒細菌を高
密度に各々別個に吸着した細菌担体の少なくとも片方の
細菌担体を、魚介類飼育水槽とその水循環系から独立し
た前記細菌高密度培養液槽の間に搬送手段を設けて移動
させ、前記細菌担体を飼育水槽に浸漬したときの細菌吸
着密度を可及的高密度に維持しながら、飼育水槽内に排
泄される窒素化合物と前記細菌の接触を図り、前記窒素
化合物を分解除去することを特徴としており、細菌担体
の基材としては繊維または樹脂シート、もしくはこれら
を組み合わせたシートのほか、ゲル状の塊状体等が用い
られる。またシートにおいては無端のものや所定の長さ
に裁断して1層もしくは複数層に構成したものなどが用
いられ、魚介類飼育水槽と細菌高密度培養液槽の間を連
続的あるいはバッチ式などの間欠的な搬送手段により、
飼育水槽内に高密度の硝化細菌や脱窒細菌を持ち込むよ
うにする。細菌担体がシートの場合は、シートを積層し
てバッチ形式で飼育水槽に搬入する場合と、シートを飼
育水槽内の所定の位置に移動可能に水中に張設し、飼育
魚介類の排泄する窒素化合物と前記細菌を接触せしめ、
前記窒素化合物を分解除去する場合がある。含窒素化合
物は魚介類の排泄物であるアンモニアを出発点として、
水中では主にNO2 −、NO3 −として存在するが、こ
れらを最終的には酸素と窒素ガスに分解して生物連鎖が
維持されるのが好ましい。従って水の循環経路ではアン
モニア態窒素を硝化脱窒するためにアンモニア処理槽に
硝化細菌を、脱窒槽に脱窒細菌を接種してこれらの細菌
の培養環境を整え硝化脱窒反応を促進させるようにして
いる。しかし近年において、硝化細菌及び脱窒細菌を1
07〜109cells/ml以上の高密度に培養する
技術が完成され、これをシートに吸着させてアンモニア
処理槽や脱窒処理槽に設置して循環水と接触させるよう
にしている。勿論上記各槽に設置されたシートにおける
硝化細菌及び脱窒細菌の密度が減少しないように無機炭
素源として炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが
供給され同時にPHの調整を行い、脱窒細菌では細胞合
成の炭素源としてメタノールなどが供給される。
密度に各々別個に吸着した細菌担体の少なくとも片方の
細菌担体を、魚介類飼育水槽とその水循環系から独立し
た前記細菌高密度培養液槽の間に搬送手段を設けて移動
させ、前記細菌担体を飼育水槽に浸漬したときの細菌吸
着密度を可及的高密度に維持しながら、飼育水槽内に排
泄される窒素化合物と前記細菌の接触を図り、前記窒素
化合物を分解除去することを特徴としており、細菌担体
の基材としては繊維または樹脂シート、もしくはこれら
を組み合わせたシートのほか、ゲル状の塊状体等が用い
られる。またシートにおいては無端のものや所定の長さ
に裁断して1層もしくは複数層に構成したものなどが用
いられ、魚介類飼育水槽と細菌高密度培養液槽の間を連
続的あるいはバッチ式などの間欠的な搬送手段により、
飼育水槽内に高密度の硝化細菌や脱窒細菌を持ち込むよ
うにする。細菌担体がシートの場合は、シートを積層し
てバッチ形式で飼育水槽に搬入する場合と、シートを飼
育水槽内の所定の位置に移動可能に水中に張設し、飼育
魚介類の排泄する窒素化合物と前記細菌を接触せしめ、
前記窒素化合物を分解除去する場合がある。含窒素化合
物は魚介類の排泄物であるアンモニアを出発点として、
水中では主にNO2 −、NO3 −として存在するが、こ
れらを最終的には酸素と窒素ガスに分解して生物連鎖が
維持されるのが好ましい。従って水の循環経路ではアン
モニア態窒素を硝化脱窒するためにアンモニア処理槽に
硝化細菌を、脱窒槽に脱窒細菌を接種してこれらの細菌
の培養環境を整え硝化脱窒反応を促進させるようにして
いる。しかし近年において、硝化細菌及び脱窒細菌を1
07〜109cells/ml以上の高密度に培養する
技術が完成され、これをシートに吸着させてアンモニア
処理槽や脱窒処理槽に設置して循環水と接触させるよう
にしている。勿論上記各槽に設置されたシートにおける
硝化細菌及び脱窒細菌の密度が減少しないように無機炭
素源として炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが
供給され同時にPHの調整を行い、脱窒細菌では細胞合
成の炭素源としてメタノールなどが供給される。
【0005】本発明ではこの飼育水の循環経路における
好気性と嫌気性の異なる性質を有する細菌の活動を維持
管理する反応槽が一連の飼育水循環系に組み込まれてい
る点に着目し、細菌担体に細菌を接種し維持管理を行う
工程と硝化脱窒を行う工程を前出の一連の水循環系から
分離して独立させ、細菌担体を直接飼育水槽の中で移動
循環に都合の良い側から投入し、他の側からシートを回
収して細菌の密度を細菌高密度培養液槽に搬入して調整
し、再び飼育槽に搬入するようにして水質の浄化を行う
ようにしている。また、飼育水循環経路の一部から飼育
水を分岐して飼育水槽とは別の貯留槽を設けてこの貯留
槽と細菌の高密度培養液槽の間に細菌担体の経路を設け
たとしても飼育水中に含まれる窒素化合物に、高密度培
養液槽から搬入される細菌担体が作用するのであるから
この貯水槽は飼育水槽の変形とみなされ本発明に含まれ
るものである。
好気性と嫌気性の異なる性質を有する細菌の活動を維持
管理する反応槽が一連の飼育水循環系に組み込まれてい
る点に着目し、細菌担体に細菌を接種し維持管理を行う
工程と硝化脱窒を行う工程を前出の一連の水循環系から
分離して独立させ、細菌担体を直接飼育水槽の中で移動
循環に都合の良い側から投入し、他の側からシートを回
収して細菌の密度を細菌高密度培養液槽に搬入して調整
し、再び飼育槽に搬入するようにして水質の浄化を行う
ようにしている。また、飼育水循環経路の一部から飼育
水を分岐して飼育水槽とは別の貯留槽を設けてこの貯留
槽と細菌の高密度培養液槽の間に細菌担体の経路を設け
たとしても飼育水中に含まれる窒素化合物に、高密度培
養液槽から搬入される細菌担体が作用するのであるから
この貯水槽は飼育水槽の変形とみなされ本発明に含まれ
るものである。
【0006】またシートを所定の長さに裁断したものを
複数枚用意しその裁断面を紐やネット状のもので連結し
て実質的に無端状とし飼育水槽と細菌高密度培養液槽の
間を回動させることも本発明に含まれる。なお本発明で
は細菌担体がシートに限定されるものではなく、細菌の
吸着機能を有する樹脂フィルムやゲル塊状体など高い吸
着性のあるもの、あるいは細菌担体に細菌の徐放性を有
する固定材を用いたものなども利用できる。要は高密度
に細菌を吸着した細菌担体を飼育水槽又はその分岐した
貯留槽に搬入し、広範囲の飼育水域にて細菌が魚介類の
排泄する窒素化合物と接触し、硝化脱窒反応を行わしめ
ることを特徴としている。
複数枚用意しその裁断面を紐やネット状のもので連結し
て実質的に無端状とし飼育水槽と細菌高密度培養液槽の
間を回動させることも本発明に含まれる。なお本発明で
は細菌担体がシートに限定されるものではなく、細菌の
吸着機能を有する樹脂フィルムやゲル塊状体など高い吸
着性のあるもの、あるいは細菌担体に細菌の徐放性を有
する固定材を用いたものなども利用できる。要は高密度
に細菌を吸着した細菌担体を飼育水槽又はその分岐した
貯留槽に搬入し、広範囲の飼育水域にて細菌が魚介類の
排泄する窒素化合物と接触し、硝化脱窒反応を行わしめ
ることを特徴としている。
【0007】請求項2の発明は、前記細菌担体がゲル塊
状体やシートを積層した形態のものはバッチとして飼育
水槽に搬入しこれを移動させればよいが、シートのよう
に長尺の形態を保ちうる資材では、前記細菌担体を魚介
類飼育水中で移動させる駆動装置を配設して、細菌高密
度培養液槽と飼育水槽の間を連続的に循環させることが
できる。シートを構成するものとしては、不織布、編生
地、パイル生地など繊維を用いたシートが用いられ、樹
脂シートとしてはポリビニールアルコール樹脂シートが
好ましく用いられる。ゲル塊状態としてはポリビニール
アルコール樹脂等の高分子含水ゲルなどが利用できる。
ポリビニールアルコール樹脂は水に微量ながら溶解する
性質を有しているのでこれを細菌担体のシート自体ある
いは他の繊維シートに定着させれば細菌を徐放すること
もできる。これらシートを搬送するためには染色工程に
使用される生地の搬送装置が利用され、ロール、ピンテ
ンターなどシートを直接駆動する形式のものと、シート
の側端にロープや帯を配置してロープを駆動するローラ
などが用いられる。シートの駆動形態は貯水に対して水
平、垂直、傾斜など適宜組み合わされるが、硝化細菌の
シート状細菌担体と脱窒細菌のシート状細菌担体を個別
に搬送するか近接位置に並行して搬送する場合がある。
上記シートは搬送手段により適宜の形態をとることがで
きる。例えばロールによる搬送であれば無端の形態が好
ましく、ロープや帯が配置される場合はシートを所定の
長さに裁断して用いてシートの破断に対処することがで
きる。
状体やシートを積層した形態のものはバッチとして飼育
水槽に搬入しこれを移動させればよいが、シートのよう
に長尺の形態を保ちうる資材では、前記細菌担体を魚介
類飼育水中で移動させる駆動装置を配設して、細菌高密
度培養液槽と飼育水槽の間を連続的に循環させることが
できる。シートを構成するものとしては、不織布、編生
地、パイル生地など繊維を用いたシートが用いられ、樹
脂シートとしてはポリビニールアルコール樹脂シートが
好ましく用いられる。ゲル塊状態としてはポリビニール
アルコール樹脂等の高分子含水ゲルなどが利用できる。
ポリビニールアルコール樹脂は水に微量ながら溶解する
性質を有しているのでこれを細菌担体のシート自体ある
いは他の繊維シートに定着させれば細菌を徐放すること
もできる。これらシートを搬送するためには染色工程に
使用される生地の搬送装置が利用され、ロール、ピンテ
ンターなどシートを直接駆動する形式のものと、シート
の側端にロープや帯を配置してロープを駆動するローラ
などが用いられる。シートの駆動形態は貯水に対して水
平、垂直、傾斜など適宜組み合わされるが、硝化細菌の
シート状細菌担体と脱窒細菌のシート状細菌担体を個別
に搬送するか近接位置に並行して搬送する場合がある。
上記シートは搬送手段により適宜の形態をとることがで
きる。例えばロールによる搬送であれば無端の形態が好
ましく、ロープや帯が配置される場合はシートを所定の
長さに裁断して用いてシートの破断に対処することがで
きる。
【0008】請求項3の発明は、前記細菌担体に波動、
揺動、衝撃などの動きを与えることを特徴としており、
細菌担体を水中で同一面内を静かに移動させてもよい
が、細菌と水との接触をより闊達に行うためにはシート
を振動させると効果的である。特に厚めの繊維シートは
内部に浸透した水は移動し難く浄化速度が遅くなる。波
動、揺動、衝撃などの動きをシートに与えると水の撹拌
が行われ、広範囲に浄化作用が及ぼされる。
揺動、衝撃などの動きを与えることを特徴としており、
細菌担体を水中で同一面内を静かに移動させてもよい
が、細菌と水との接触をより闊達に行うためにはシート
を振動させると効果的である。特に厚めの繊維シートは
内部に浸透した水は移動し難く浄化速度が遅くなる。波
動、揺動、衝撃などの動きをシートに与えると水の撹拌
が行われ、広範囲に浄化作用が及ぼされる。
【0009】請求項4の発明は、前記細菌担体が魚介類
飼育水槽内と細菌高密度培養液槽内を繰り返し移動する
ように構成したことを特徴としており、上記細菌担体が
繊維シートを用いた場合は細菌の吸着を促進させるため
の処理が行われたものを使用するが飼育水槽内を移動中
に脱落や死滅するものがあり、飼料の残査や魚介類の成
長に伴う排泄物の他に塵などが浮遊するするから、細菌
担体を一定の品質に維持する必要がある。そこで回収し
た細菌担体を洗浄し細菌の高密度培養液に浸漬して再び
飼育槽に投入するが、繰り返し使用されるとき細菌は全
数流出しないから再生されるときは高密度の不足分が供
給されのみで他は再利用される。これらの工程を繰り返
すことにより硝化脱窒の効果が維持される。細菌の高密
度培養液の貯留槽は当該細菌の増殖培養槽と連設すると
管理がし易い。
飼育水槽内と細菌高密度培養液槽内を繰り返し移動する
ように構成したことを特徴としており、上記細菌担体が
繊維シートを用いた場合は細菌の吸着を促進させるため
の処理が行われたものを使用するが飼育水槽内を移動中
に脱落や死滅するものがあり、飼料の残査や魚介類の成
長に伴う排泄物の他に塵などが浮遊するするから、細菌
担体を一定の品質に維持する必要がある。そこで回収し
た細菌担体を洗浄し細菌の高密度培養液に浸漬して再び
飼育槽に投入するが、繰り返し使用されるとき細菌は全
数流出しないから再生されるときは高密度の不足分が供
給されのみで他は再利用される。これらの工程を繰り返
すことにより硝化脱窒の効果が維持される。細菌の高密
度培養液の貯留槽は当該細菌の増殖培養槽と連設すると
管理がし易い。
【0010】請求項5の発明は、前記細菌担体の脱水装
置を配設したことを特徴としており、細菌高密度培養液
槽から搬出される位置と飼育水槽から搬出される位置に
設けて余剰の水分を除去し、飼育水の吸水効率の向上と
細菌高密度培養液の希釈が進行しないように配慮する。
置を配設したことを特徴としており、細菌高密度培養液
槽から搬出される位置と飼育水槽から搬出される位置に
設けて余剰の水分を除去し、飼育水の吸水効率の向上と
細菌高密度培養液の希釈が進行しないように配慮する。
【0011】請求項6の発明は、前記細菌担体の全部又
は一部に凹凸を設けたことを特徴としており、シート状
の細菌担体に長手方向及び/又は幅方向に凹凸状のリブ
を設けて形態の安定化と表面積の拡大を図る。リブのほ
かにエンボスによる凹凸も含まれる。
は一部に凹凸を設けたことを特徴としており、シート状
の細菌担体に長手方向及び/又は幅方向に凹凸状のリブ
を設けて形態の安定化と表面積の拡大を図る。リブのほ
かにエンボスによる凹凸も含まれる。
【0012】更に前記細菌担体の全体もしくは一部に濾
過機能を付与する。細菌担体の基材に繊維シートを使用
している場合は繊維の密度にもよるが一般的に水を濾す
機能があるから繊維シートを水面から持ち上げるときに
水平もしくは斜めに保てば水分が水槽に落ち不純物が残
り全体が濾過機能を有している。従って、繊維シートを
飼育水をすくうような形状にするために搬送ローラの位
置を適宜位置に配置するか、補助部材を配置する。更
に、濾過機能を充実させるためにシート状細菌担体を所
定の長さに裁断したものを複数枚用意しその裁断面をネ
ット状濾材で連結して実質的に無端状もしくは有端のシ
ートし、これを飼育水中に張設しすくい上げるように移
動させると濾過効果が向上する。また飼育槽に浮遊する
残飼、排泄物、塵を集めるようにシートを動かすことも
必要である。このようなシートの動作は硝化及び脱窒の
効率を高める効果も有している。
過機能を付与する。細菌担体の基材に繊維シートを使用
している場合は繊維の密度にもよるが一般的に水を濾す
機能があるから繊維シートを水面から持ち上げるときに
水平もしくは斜めに保てば水分が水槽に落ち不純物が残
り全体が濾過機能を有している。従って、繊維シートを
飼育水をすくうような形状にするために搬送ローラの位
置を適宜位置に配置するか、補助部材を配置する。更
に、濾過機能を充実させるためにシート状細菌担体を所
定の長さに裁断したものを複数枚用意しその裁断面をネ
ット状濾材で連結して実質的に無端状もしくは有端のシ
ートし、これを飼育水中に張設しすくい上げるように移
動させると濾過効果が向上する。また飼育槽に浮遊する
残飼、排泄物、塵を集めるようにシートを動かすことも
必要である。このようなシートの動作は硝化及び脱窒の
効率を高める効果も有している。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を用いて
説明する。図1(a)は本発明の貯水循環式養殖場1の
飼育水の循環経路と水質の調整部を一点鎖線で囲んで示
している。この経路とは別に硝化菌と脱窒菌の高密度培
養液槽が設けられ飼育水槽にシート状細菌担体を搬入す
るようになっている。同(b)図は飼育槽の別の態様を
示す。図2は細菌担体の搬送例を示す側面図である。
説明する。図1(a)は本発明の貯水循環式養殖場1の
飼育水の循環経路と水質の調整部を一点鎖線で囲んで示
している。この経路とは別に硝化菌と脱窒菌の高密度培
養液槽が設けられ飼育水槽にシート状細菌担体を搬入す
るようになっている。同(b)図は飼育槽の別の態様を
示す。図2は細菌担体の搬送例を示す側面図である。
【0014】
【実施例1】図1(a)において、飼育水槽2には飼育
される魚介類が放流されており、飼育水は沈殿槽3、フ
ィルター4を経てPHコントロール槽5に送られ、水酸
化ナトリウム又は水酸化カルシウムを添加してPH値を
6〜9の範囲に調整する。その後溶存酸素調整槽6に送
られ、該調整槽には酸素とオゾンが別途供給され飼育水
の殺菌と溶存酸素濃度が調整され飼育水槽2に環流す
る。これらの工程は魚介類養殖における水質の一般的な
調整工程であり一点鎖線で囲んで図示している。飼育水
槽2に放流された魚介類は成長に伴いアンモニアを排泄
するが水中ではNH4 +として存在し魚介類にとっては
有害である。この窒素イオンは硝化細菌により分解さ
れ、NO2 −、NO3 −として水中に存在するが、更に
脱窒細菌の働きにより、N2ガスと水に分解しアンモニ
アを無害化している。近年、硝化細菌と脱窒細菌の高密
度培養技術が完成され、107〜109cells/m
l以上の高密度培養液が得られるようになっている。こ
のような高密度培養液に細菌担体を浸漬し高密度に細菌
を吸着した細菌担体7及び8を作成し、これを飼育槽2
に循環させ、細菌の吸着密度を管理しながら飼育槽に存
在するNH4 +を分解する装置を提供する。細菌担体の
シート基材として不織布を使用した例を述べる。即ち、
細菌担体7及び8はそれぞれ細菌高密度培養液槽9及び
10と飼育水槽2の間をロールで循環搬送される。細菌
高密度培養液槽9には硝化細菌、細菌高密度培養液槽1
0には脱窒細菌が培養されている。硝化細菌は好気性で
あるが、脱窒菌は嫌気性であり、酸素が豊富に存在する
環境では、NO3 −の分解が進みにくいが、高密度に脱
窒細菌が存在する環境では酸素が不足するので分解が進
む。図1(b)は飼育水槽が一部仕切板やネット11で
仕切られた場合、飼育水槽に間接的に細菌担体が搬入さ
れるがこのような場合も本発明は含むものである。図1
(c)に飼育水槽の変形を示す。ネットの代わりに仕切
板で仕切ると一つの貯留槽とみることができ、各々に細
菌担体が搬入される。前出の細菌高密度培養液槽9及び
10はそれぞれ硝化細菌、脱窒細菌の培養槽12及び1
3に連設しており高密度の培養液を細菌高密度培養液槽
にポンプ14で循環しながら送り込むようになってい
る。
される魚介類が放流されており、飼育水は沈殿槽3、フ
ィルター4を経てPHコントロール槽5に送られ、水酸
化ナトリウム又は水酸化カルシウムを添加してPH値を
6〜9の範囲に調整する。その後溶存酸素調整槽6に送
られ、該調整槽には酸素とオゾンが別途供給され飼育水
の殺菌と溶存酸素濃度が調整され飼育水槽2に環流す
る。これらの工程は魚介類養殖における水質の一般的な
調整工程であり一点鎖線で囲んで図示している。飼育水
槽2に放流された魚介類は成長に伴いアンモニアを排泄
するが水中ではNH4 +として存在し魚介類にとっては
有害である。この窒素イオンは硝化細菌により分解さ
れ、NO2 −、NO3 −として水中に存在するが、更に
脱窒細菌の働きにより、N2ガスと水に分解しアンモニ
アを無害化している。近年、硝化細菌と脱窒細菌の高密
度培養技術が完成され、107〜109cells/m
l以上の高密度培養液が得られるようになっている。こ
のような高密度培養液に細菌担体を浸漬し高密度に細菌
を吸着した細菌担体7及び8を作成し、これを飼育槽2
に循環させ、細菌の吸着密度を管理しながら飼育槽に存
在するNH4 +を分解する装置を提供する。細菌担体の
シート基材として不織布を使用した例を述べる。即ち、
細菌担体7及び8はそれぞれ細菌高密度培養液槽9及び
10と飼育水槽2の間をロールで循環搬送される。細菌
高密度培養液槽9には硝化細菌、細菌高密度培養液槽1
0には脱窒細菌が培養されている。硝化細菌は好気性で
あるが、脱窒菌は嫌気性であり、酸素が豊富に存在する
環境では、NO3 −の分解が進みにくいが、高密度に脱
窒細菌が存在する環境では酸素が不足するので分解が進
む。図1(b)は飼育水槽が一部仕切板やネット11で
仕切られた場合、飼育水槽に間接的に細菌担体が搬入さ
れるがこのような場合も本発明は含むものである。図1
(c)に飼育水槽の変形を示す。ネットの代わりに仕切
板で仕切ると一つの貯留槽とみることができ、各々に細
菌担体が搬入される。前出の細菌高密度培養液槽9及び
10はそれぞれ硝化細菌、脱窒細菌の培養槽12及び1
3に連設しており高密度の培養液を細菌高密度培養液槽
にポンプ14で循環しながら送り込むようになってい
る。
【0015】図2はシート状の細菌担体7及び8の搬送
要領を示す模式側面図である。硝化細菌と脱窒細菌の細
菌担体の搬送要領は同じなので硝化細菌について述べ
る。図2(a)において、硝化細菌の細菌担体7は複数
のロール15により支持駆動され、図では無端のシート
が形成されている。無端にしない場合は片側から搬入し
他の側に引き上げ、再度逆向きに搬入することも可能で
ある。飼育水槽が円径の場合は地形的に都合の良い箇所
から搬入して円に沿って搬送し、1周未満のところで搬
出する。硝化細菌の細菌担体7は先ず硝化細菌の高密度
培養液槽9の中を蛇行しながら進みこの間に硝化菌を1
07〜109cells/ml以上の高密度に吸着す
る。細菌を吸着する細菌担体としては、4−ビニルピリ
ジンとモノビニルモノマーとを共重合した後、ハロゲン
化物を作用させたビニル系共重合体を不織布でなる繊維
シートに含浸処理したものである。このような繊維シー
トは日本バイリーン(株)から商品名バイオフレックス
として提供されている。不織布の繊維はポリエステル繊
維が好ましい。高密度培養液自体の硝化細菌密度が10
9cells/ml以上に濃密であっても吸着する速度
は緩慢で浸積時間は0.5〜1.0日程度は必要であ
る。高密度培養液槽において細菌担体7が支持されるロ
ールの間隔は調整可能に軸支されており、列数は特に制
限されないが最大で飼育水槽を往復する長さが収納でき
るようにすると、細菌の吸着時間と飼育水中に暴露する
時間を適宜調整することができる。細菌高密度培養液槽
とその培養槽が密接して図示されているが、これらを導
管などの経路を設けて離れた位置に設置される場合もあ
る。
要領を示す模式側面図である。硝化細菌と脱窒細菌の細
菌担体の搬送要領は同じなので硝化細菌について述べ
る。図2(a)において、硝化細菌の細菌担体7は複数
のロール15により支持駆動され、図では無端のシート
が形成されている。無端にしない場合は片側から搬入し
他の側に引き上げ、再度逆向きに搬入することも可能で
ある。飼育水槽が円径の場合は地形的に都合の良い箇所
から搬入して円に沿って搬送し、1周未満のところで搬
出する。硝化細菌の細菌担体7は先ず硝化細菌の高密度
培養液槽9の中を蛇行しながら進みこの間に硝化菌を1
07〜109cells/ml以上の高密度に吸着す
る。細菌を吸着する細菌担体としては、4−ビニルピリ
ジンとモノビニルモノマーとを共重合した後、ハロゲン
化物を作用させたビニル系共重合体を不織布でなる繊維
シートに含浸処理したものである。このような繊維シー
トは日本バイリーン(株)から商品名バイオフレックス
として提供されている。不織布の繊維はポリエステル繊
維が好ましい。高密度培養液自体の硝化細菌密度が10
9cells/ml以上に濃密であっても吸着する速度
は緩慢で浸積時間は0.5〜1.0日程度は必要であ
る。高密度培養液槽において細菌担体7が支持されるロ
ールの間隔は調整可能に軸支されており、列数は特に制
限されないが最大で飼育水槽を往復する長さが収納でき
るようにすると、細菌の吸着時間と飼育水中に暴露する
時間を適宜調整することができる。細菌高密度培養液槽
とその培養槽が密接して図示されているが、これらを導
管などの経路を設けて離れた位置に設置される場合もあ
る。
【0016】硝化細菌と脱窒細菌培養槽12及び13に
おける各細菌の培養技術については、これら細菌の高密
度培養が可能になったことを受けて、本願発明が飼育水
槽の浄化を行うための細菌の用い方を提案するものであ
るから、培養技術の詳細は省くがその概略を説明する。
硝化細菌の培養は海水希釈された汚泥を原料としてこれ
に含まれる微量の硝化細菌を馴養し、酸性に傾く培地の
PHを炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを併用して
調整し、細菌増殖時の炭酸同化のための炭素源としても
利用される。脱窒細菌の培養は同様の活性汚泥を嫌気環
境で行うことが必要でNO3−N含有液により脱窒馴養
する。酸素の代わりにNO3 −中の酸素を用いて有機エ
ネルギー源を酸化する反応である。有機エネルギー源と
してはメタノール、エタノールが利用できる。いずれの
細菌も培養期間は1〜3ヶ月を要して109cells
/ml以上の高密度に培養される。上述したように硝化
細菌、脱窒細菌は貴重なものであり、管理が十分に行え
る活用の仕方が要求される。
おける各細菌の培養技術については、これら細菌の高密
度培養が可能になったことを受けて、本願発明が飼育水
槽の浄化を行うための細菌の用い方を提案するものであ
るから、培養技術の詳細は省くがその概略を説明する。
硝化細菌の培養は海水希釈された汚泥を原料としてこれ
に含まれる微量の硝化細菌を馴養し、酸性に傾く培地の
PHを炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを併用して
調整し、細菌増殖時の炭酸同化のための炭素源としても
利用される。脱窒細菌の培養は同様の活性汚泥を嫌気環
境で行うことが必要でNO3−N含有液により脱窒馴養
する。酸素の代わりにNO3 −中の酸素を用いて有機エ
ネルギー源を酸化する反応である。有機エネルギー源と
してはメタノール、エタノールが利用できる。いずれの
細菌も培養期間は1〜3ヶ月を要して109cells
/ml以上の高密度に培養される。上述したように硝化
細菌、脱窒細菌は貴重なものであり、管理が十分に行え
る活用の仕方が要求される。
【0017】図2(a)において、硝化細菌高密度培養
液槽9から引き上げられる細菌担体7は脱水ロール16
にてしぼられ、含水率50〜60%程度に脱水されるが
細菌は吸着されたままであり脱落や死滅するものもある
が、それでも107cells/ml以上の高密度に保
たれている。細菌担体7は更に進んで飼育水槽2に浸漬
され搬送ロール17、18、19を経て再び高密度培養
液槽に戻る。飼育水槽から引き上げられるとき、しぼり
ロール20で脱水され高密度培養液が飼育水で希釈され
るのを防止するとともに新たに高密度の細菌を吸着しや
すくする。細菌担体が一巡するのは飼育する魚介類の種
類と密度にもよるが約1日が目安である。脱窒細菌にお
いても硝化細菌と同様の搬送経路で行われる。図2
(b)は細菌担体7、8の別の搬送経路を示すもので、
ロール19と15の間で細菌担体が斜めに引き上げられ
る。この傾斜面により飼育水に含まれる残飼や排泄物の
ほか塵芥も細菌担体によりすくい上げられる。濾過機能
を付与した細菌担体を図3に示す。7aは細菌担体を所
定の長さに裁断したもので裁断面にメッシュ28を接合
して細菌担体を連結し側端を帯29で補強したものであ
り、一体として細菌担体として使用し、メッシュ部は飼
育水槽内の排泄物の塊や塵などを濾過することができ
る。このようにして集められた濾過物は、搬送ロール2
1と22を設けて洗浄槽23を通過させ残飼や排泄物の
ほか塵芥を除去している。同図(c)は細菌高密度培養
液槽の位置を飼育水槽2に対して直交する側に設置し、
ロール17により細菌担体を反転させ飼育水槽内を直立
した形態にて搬送する。これに準じてロール18も直立
させ反転ロール19を経て細菌高密度培養液槽に戻るよ
うにしている。この搬送例は魚介類の成長に有益な光線
に当たる面積を向上させる利点がある。また、細菌担体
の基材がシート状のものにおいて、シートに凹凸状のリ
ブを長手方向あるいは幅方向に形成しておくとシートが
飼育水中で形態が安定し、細菌担体の表面積を向上させ
ることもできる。リブに限らずエンボス加工によりシー
ト面に多数の凹凸を設けて表面積を拡大してもよい。
液槽9から引き上げられる細菌担体7は脱水ロール16
にてしぼられ、含水率50〜60%程度に脱水されるが
細菌は吸着されたままであり脱落や死滅するものもある
が、それでも107cells/ml以上の高密度に保
たれている。細菌担体7は更に進んで飼育水槽2に浸漬
され搬送ロール17、18、19を経て再び高密度培養
液槽に戻る。飼育水槽から引き上げられるとき、しぼり
ロール20で脱水され高密度培養液が飼育水で希釈され
るのを防止するとともに新たに高密度の細菌を吸着しや
すくする。細菌担体が一巡するのは飼育する魚介類の種
類と密度にもよるが約1日が目安である。脱窒細菌にお
いても硝化細菌と同様の搬送経路で行われる。図2
(b)は細菌担体7、8の別の搬送経路を示すもので、
ロール19と15の間で細菌担体が斜めに引き上げられ
る。この傾斜面により飼育水に含まれる残飼や排泄物の
ほか塵芥も細菌担体によりすくい上げられる。濾過機能
を付与した細菌担体を図3に示す。7aは細菌担体を所
定の長さに裁断したもので裁断面にメッシュ28を接合
して細菌担体を連結し側端を帯29で補強したものであ
り、一体として細菌担体として使用し、メッシュ部は飼
育水槽内の排泄物の塊や塵などを濾過することができ
る。このようにして集められた濾過物は、搬送ロール2
1と22を設けて洗浄槽23を通過させ残飼や排泄物の
ほか塵芥を除去している。同図(c)は細菌高密度培養
液槽の位置を飼育水槽2に対して直交する側に設置し、
ロール17により細菌担体を反転させ飼育水槽内を直立
した形態にて搬送する。これに準じてロール18も直立
させ反転ロール19を経て細菌高密度培養液槽に戻るよ
うにしている。この搬送例は魚介類の成長に有益な光線
に当たる面積を向上させる利点がある。また、細菌担体
の基材がシート状のものにおいて、シートに凹凸状のリ
ブを長手方向あるいは幅方向に形成しておくとシートが
飼育水中で形態が安定し、細菌担体の表面積を向上させ
ることもできる。リブに限らずエンボス加工によりシー
ト面に多数の凹凸を設けて表面積を拡大してもよい。
【0018】飼育水槽内で細菌担体に吸着されている細
菌と飼育水の接触を促進する手段として、例えば図2
(d)に示すようにロール18の回動可能に構成された
支持部24をカムレバー25aとレバー25bで支持
し、モータ駆動されるカム26及びカムローラ27によ
り支持部24を揺動させ、細菌担体7、8を波動または
揺動させる。また別のローラを細菌担体に接触するよう
に配置しこれを衝撃的に押しつけて振動させることも効
果的である。これにより細菌担体の表面の水は撹拌され
細菌と水の接触面が絶えず新鮮なものとなり、飼育水中
のNO2 −、NO3 −の捕獲が促進される。
菌と飼育水の接触を促進する手段として、例えば図2
(d)に示すようにロール18の回動可能に構成された
支持部24をカムレバー25aとレバー25bで支持
し、モータ駆動されるカム26及びカムローラ27によ
り支持部24を揺動させ、細菌担体7、8を波動または
揺動させる。また別のローラを細菌担体に接触するよう
に配置しこれを衝撃的に押しつけて振動させることも効
果的である。これにより細菌担体の表面の水は撹拌され
細菌と水の接触面が絶えず新鮮なものとなり、飼育水中
のNO2 −、NO3 −の捕獲が促進される。
【0019】魚介類の種類や密度により飼育水の溶存酸
素の濃度が高く設定され脱窒菌の窒素化合物の分解が進
みにくい場合は、飼育水の流出側に貯留槽を設け、独立
した脱窒菌高密度培養液と培養槽を併設し、この間に細
菌担体の搬送経路を設けて貯留槽の溶存酸素濃度を低減
し脱窒反応を促進してもよい。この場合も飼育水循環系
に脱窒細菌の濃度を維持するためのメタノールの投入は
不要となり、循環系の簡素化が図られる。
素の濃度が高く設定され脱窒菌の窒素化合物の分解が進
みにくい場合は、飼育水の流出側に貯留槽を設け、独立
した脱窒菌高密度培養液と培養槽を併設し、この間に細
菌担体の搬送経路を設けて貯留槽の溶存酸素濃度を低減
し脱窒反応を促進してもよい。この場合も飼育水循環系
に脱窒細菌の濃度を維持するためのメタノールの投入は
不要となり、循環系の簡素化が図られる。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法によれ
ば、魚介類の飼育水の循環経路と硝化細菌及び脱窒細菌
の培養と細菌密度などを管理する経路を別にしたので、
好気性の硝化細菌と嫌気性の脱窒細菌の高密度生存維持
手段を同じ循環経路で取り扱う必要が無くなり細菌担体
を搬入するだけであるから、飼育水の循環経路が簡素に
なる。またこれらの細菌を高密度に細菌担体に吸着させ
飼育水槽内の広範囲に細菌を配置できるので、魚介類に
有害な窒素イオンを除去する効果が向上する。なお硝化
細菌と脱窒細菌の細菌担体の双方を同時に用いることに
限定するものではなく、いずれかを飼育水槽内に搬入し
てもよい。
ば、魚介類の飼育水の循環経路と硝化細菌及び脱窒細菌
の培養と細菌密度などを管理する経路を別にしたので、
好気性の硝化細菌と嫌気性の脱窒細菌の高密度生存維持
手段を同じ循環経路で取り扱う必要が無くなり細菌担体
を搬入するだけであるから、飼育水の循環経路が簡素に
なる。またこれらの細菌を高密度に細菌担体に吸着させ
飼育水槽内の広範囲に細菌を配置できるので、魚介類に
有害な窒素イオンを除去する効果が向上する。なお硝化
細菌と脱窒細菌の細菌担体の双方を同時に用いることに
限定するものではなく、いずれかを飼育水槽内に搬入し
てもよい。
【図1】(a)図は本発明の魚介類の養殖場の飼育水と
細菌の循環経路を示す説明図であり、(b)図は飼育水
槽の別の形式を示す説明図である。
細菌の循環経路を示す説明図であり、(b)図は飼育水
槽の別の形式を示す説明図である。
【図2】(a)図は本発明の魚介類の養殖場の飼育水槽
と細菌培養槽及び細菌担体の搬送経路を示す模式側面図
であり、(b)及び(c)図は細菌担体の別の搬送方法
を示す模式側面図であり、(d)図は細菌担体の揺動機
構を示す側面図である。
と細菌培養槽及び細菌担体の搬送経路を示す模式側面図
であり、(b)及び(c)図は細菌担体の別の搬送方法
を示す模式側面図であり、(d)図は細菌担体の揺動機
構を示す側面図である。
【図3】細菌担体の別の形態を示す平面図である。
1 貯水循環式養殖場 2 飼育水槽 7,8 細菌高密度吸着繊維シート 9 硝化細菌高密度培養液槽 10 脱窒細菌高密度培養液槽 12 硝化細菌培養槽 13 脱窒細菌培養槽 15 ロール 16 しぼりロール 20 しぼりロール 26 カム 28 メッシュ 29 帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 3/34 101 C02F 3/34 101D C12N 1/20 C12N 1/20 F
Claims (7)
- 【請求項1】 硝化細菌、脱窒細菌を高密度に各々別個
に吸着した細菌担体の少なくとも片方の細菌担体を、魚
介類飼育水槽とその水循環系から独立した前記細菌の高
密度培養液槽の間に搬送手段を設けて移動させ、前記細
菌担体を飼育水槽に浸漬したときの細菌吸着密度を可及
的高密度に維持しながら、飼育水槽内に排泄される窒素
化合物と前記細菌の接触を図り、前記窒素化合物を分解
除去することを特徴とする魚介類の貯水循環式養殖場。 - 【請求項2】 前記細菌担体を魚介類飼育水中で移動さ
せる駆動装置を配設した請求項1に記載の魚介類の貯水
循環式養殖場。 - 【請求項3】 前記細菌担体に波動、揺動、衝撃などの
動きを与えることを特徴とする請求項1又は2に記載の
魚介類の貯水循環式養殖場。 - 【請求項4】 前記細菌担体が魚介類飼育水槽内と細菌
高密度培養液槽内を繰り返し移動するように構成した請
求項1〜3のいずれか1項に記載の魚介類の貯水循環式
養殖場。 - 【請求項5】 前記細菌担体の脱水装置を配設した請求
項1〜4のいずれか1項に記載の魚介類の貯水循環式養
殖場。 - 【請求項6】 前記細菌担体の全部又は一部に凹凸を設
けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
載の魚介類の貯水循環式養殖場。 - 【請求項7】 前記細菌担体に濾過機能を付与した請求
項1〜6のいずれか1項に記載の魚介類の貯水循環式養
殖場。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001167818A JP2002360114A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 細菌担体を用いた貯水循環式養殖場 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001167818A JP2002360114A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 細菌担体を用いた貯水循環式養殖場 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002360114A true JP2002360114A (ja) | 2002-12-17 |
Family
ID=19010148
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001167818A Pending JP2002360114A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 細菌担体を用いた貯水循環式養殖場 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002360114A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013121509A1 (ja) * | 2012-02-13 | 2013-08-22 | 公立大学法人高知工科大学 | ボツリオコッカス・ブラウニーの単細胞単離方法及び単細胞培養方法 |
JP2014161236A (ja) * | 2013-02-21 | 2014-09-08 | Nichimo Co Ltd | 魚類の養殖方法およびこれに用いるpH調整材 |
CN109006632A (zh) * | 2018-07-04 | 2018-12-18 | 金寨县真自然农场 | 带有大棚结构的淡水养殖池 |
-
2001
- 2001-06-04 JP JP2001167818A patent/JP2002360114A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013121509A1 (ja) * | 2012-02-13 | 2013-08-22 | 公立大学法人高知工科大学 | ボツリオコッカス・ブラウニーの単細胞単離方法及び単細胞培養方法 |
JP2014161236A (ja) * | 2013-02-21 | 2014-09-08 | Nichimo Co Ltd | 魚類の養殖方法およびこれに用いるpH調整材 |
CN109006632A (zh) * | 2018-07-04 | 2018-12-18 | 金寨县真自然农场 | 带有大棚结构的淡水养殖池 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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|
A072 | Dismissal of procedure |
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