JP2002359113A - 積層軟磁性部材、軟磁性シートおよび積層軟磁性部材の製造方法 - Google Patents

積層軟磁性部材、軟磁性シートおよび積層軟磁性部材の製造方法

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JP2002359113A
JP2002359113A JP2001276459A JP2001276459A JP2002359113A JP 2002359113 A JP2002359113 A JP 2002359113A JP 2001276459 A JP2001276459 A JP 2001276459A JP 2001276459 A JP2001276459 A JP 2001276459A JP 2002359113 A JP2002359113 A JP 2002359113A
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Gashiyo Kaya
雅詔 賀屋
Tsutomu Cho
勤 長
Katsuhiko Wakayama
勝彦 若山
Yasuo Hashimoto
康雄 橋本
Shinichi Yamashita
信一 山下
Hiroyasu Ishikawa
博康 石川
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0206Manufacturing of magnetic cores by mechanical means
    • H01F41/0213Manufacturing of magnetic circuits made from strip(s) or ribbon(s)

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 0.2mm以下に薄くしても800MHzを
超える高周波数帯域における透磁率が優れた積層軟磁性
部材を提供する。 【解決手段】 厚さ1μm以下の軟磁性金属層7と絶縁
層6とが交互に積層された積層体からなり、全体の厚さ
が0.2mm以下である積層軟磁性部材5は、800M
Hzを超える高周波数帯域における透磁率が優れるた
め、携帯電話機に貼り付けて用いるSAR対策部材とし
て好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話等の形態
可能な電子機器に取り付けて使用することのできる積層
軟磁性部材に関し、特に800MHz〜2GHzの周波
数帯域において優れた透磁率を有するとともに、携帯電
子機器の放射効率を向上することのできる積層軟磁性部
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータ、携帯電話機等
の電子機器の高速動作処理化、デジタル化の発展に従っ
て、電磁波障害(EMI:Electromagnetic Interferen
ce)が増加している。特に、デジタル機器はノイズによ
り誤動作を起こすこともあることから、デジタル機器か
ら発生するノイズの低減が重要である。現在も普及率が
伸び続けているパーソナルコンピュータについてみる
と、CPUのクロック周波数の高周波化により、発生す
るノイズの周波数も一段と高くなってきている。クロッ
ク周波数が1GHzを超えるCPUが実用化されてお
り、ノイズ対策の対象周波数は、5GHz程度の高周波
帯域まで広がってきた。従来、ノイズ対策の1つの手段
として磁性材料で構成したノイズフィルタによりノイズ
を吸収することが行なわれている。ノイズフィルタを構
成する代表的な磁性材料としてスピネル型の結晶構造を
もつフェライト材料がある。高周波帯域では電気抵抗の
大きい材料ほど渦電流損失が小さくなりノイズ吸収に有
利となるから高周波帯域に関してはフェライト材料の中
でも電気抵抗の大きいNi系フェライト材料が用いられ
てきた。しかし、ノイズがギガヘルツの帯域となると、
「Snoekeの限界」が問題となる。つまり、フェライト材
料のノイズ吸収帯域の上限は1GHzであり、近時の高
周波ノイズに対応することは難しい。しかもフェライト
材料は脆性材料であることから、落下、衝撃等で破壊さ
れることがあった。
【0003】1GHzを超える高周波領域でのノイズ吸
収特性の優れた材料として、軟磁性金属粉末を樹脂、ゴ
ム中に分散させた複合軟磁性部材が提案されている。例
えば、扁平状のFe−Si系軟磁性合金粉末をゴム、樹
脂中に配向・配列した複合磁性材料(特開平9−359
27号公報、「工業材料」1998年10月号第31〜
35頁、第36〜40頁等)が提案されている。この複
合磁性材料は、高周波、かつ広帯域において優れたノイ
ズ吸収特性を有している。しかも、ベースが可撓性のあ
るゴム、樹脂から構成されているため、フェライト材料
のような落下、衝撃による破損の心配はない。したがっ
て、この複合磁性材料は、極めて実用的なノイズ吸収体
であるといえる。
【0004】複合軟磁性部材は、軟磁性金属粉末をゴ
ム、プラスチック等の絶縁体マトリックスに混合分散さ
せ、プレス成形・押出し成形およびカレンダーロール成
形等により作成される。マトリックスおよび加工法を選
択することにより、0.25mm程度から数mm程度の
シート状あるいはブロック状等種々の形態の部材を作成
することができる。また、マトリックスを選択し、かつ
厚さを制御することにより、可撓性を付与したり、逆に
剛性を高めたりすることもできる。また、マトリックス
を選択することにより、250℃程度の高温での使用も
可能である。
【0005】軟磁性金属粉末としては、Fe−Si系、
Fe−Si−Al系、ステンレス系の材質が実用化され
ている。電磁気特性を決定づける要素として、磁性材料
自身の特性、磁性粉末の形状・大きさ、マトリックスに
対する粉末の混合比率、配向・配列等が挙げられる。広
帯域・高磁気損失特性を得るための主要なポイントの一
つは、粉末の形状・大きさと配向度にある。具体的に
は、扁平状(鱗片状)のアスペクト比(縦と横の寸法
比)が大きいほど大きな磁気損失が得られるため、広帯
域化への対応が可能となる。ただし、偏平状の粉末を得
ることができない磁性材料もあり、また、マトリックス
と複合化する場合に粉末に付与される圧縮や引張り応力
によって磁歪定数の関係から特性が劣化することもあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、携帯電話機
から照射される電波は、本来通信目的で空間へ放射され
るが、その一部は人体、特に頭部に吸収される。携帯電
話機使用時は、携帯電話機が頭部近傍に位置することか
ら、電波が微弱であっても頭部における電力局所吸収量
が増加し、人体への影響が懸念されている。したがっ
て、日本を含め各国で局所吸収指針が定められている。
各国が局所吸収指針において定める局所吸収の評価量と
して、以下の式で定義されるSAR(Specific Absorpt
ion Rate:局所吸収量)が用いられている。 SAR=σE2/2ρ (E:人体に侵入した電界,σ:組織の誘電率、ρ:組
織の密度)
【0007】携帯電話機におけるSAR対策部材とし
て、前述した複合軟磁性部材を携帯電話機の筐体内部ま
たは外部に貼り付けることができる。一方で、携帯電話
機の小型、軽量化に対応するため、積層軟磁性部材も薄
型化する必要がある。具体的には、0.2mm以下の厚
さにすることが望ましい。ところが、前述した複合軟磁
性部材は、例えば、800MHz〜2GHzといった高
周波数帯域における透磁率が低いため、厚さを0.2m
m以下にしたのでは、所望の特性を得ることが困難であ
る。そこで本発明は、0.2mm以下に薄くしても80
0MHzを超える高周波数帯域における透磁率の優れた
積層軟磁性部材の提供を課題とする。また、本発明は、
そのような積層軟磁性部材を好適に得ることのできる製
造方法を提供する。さらに、本発明は、そのような積層
軟磁性部材に用いることが好適な軟磁性シートを提供す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】従来の複合軟磁性部材
は、前述のように、軟磁性金属粉末をゴム、プラスチッ
ク等の絶縁体マトリックスに混合分散させた構造を有し
ている。ここで、マトリックス中に分散された軟磁性金
属粉末間には反磁界が生じることになる。また、軟磁性
金属粉末は、主に水アトマイズ法によって製造されるた
め、その後に熱処理を施しても、応力が残留してしま
う。そのために、複合軟磁性部材は、800MHzを超
える高周波数帯域における透磁率が劣る。そこで本発明
者は、従来の複合軟磁性部材のように軟磁性金属粉末を
分散させるのではなく、軟磁性金属からなる複数の層を
絶縁層が介在した形態で積層することを検討した。そし
て、樹脂製のフィルム上にめっき等の手段により軟磁性
金属膜を形成したシートを作成し、そのシートを積層す
ることにより、厚さが0.2mm以下の積層軟磁性部材
を得ることができ、この積層軟磁性部材は800MHz
を超える高周波数帯域において従来の複合軟磁性部材に
比べて優れた透磁率を示すことを確認するに到った。
【0009】したがって本発明は、絶縁層と厚さ1μm
以下の軟磁性金属層とが交互に積層された積層体からな
り、全体の厚さが0.2mm以下であることを特徴とす
る積層軟磁性部材である。本発明の積層軟磁性部材にお
いて、前記軟磁性金属層の厚さを0.5μm以下とする
ことが望ましい。また本発明の積層軟磁性部材におい
て、軟磁性金属層としては、鉄、コバルト、ニッケルの
いずれかを主成分とする軟磁性合金から構成することが
望ましい。さらに本発明の積層軟磁性部材において、前
記絶縁層は、厚さ8μm以下の樹脂層から構成すること
が望ましい。さらに望ましくは、5μm以下である。こ
こで、前記樹脂層としては、ポリイミド樹脂および/ま
たはポリアミド樹脂から構成することができる。また、
本発明の積層軟磁性部材において、前記絶縁層を熱融着
層から構成することもできる。この場合の厚さも、樹脂
層と同様に8μm以下とすることができる。特に、熱融
着層は、塗布、スプレー等の手法によって1.0μm以
下と膜厚を薄くすることができる点で有利である。
【0010】本発明は、以上説明した積層軟磁性部材に
好適な軟磁性シートを提供する。すなわち本発明の軟磁
性シートは、厚さ5μm以下の絶縁樹脂フィルムと、前
記絶縁樹脂フィルム上にめっきにより形成された厚さ1
μm以下の軟磁性金属層と、を備えたことを特徴とす
る。この軟磁性シートを積層することにより、本発明の
積層軟磁性部材を得ることができる。本発明の軟磁性シ
ートは、前記絶縁樹脂フィルムと前記軟磁性金属層との
間に、前記軟磁性金属層のめっき付着を可能にするため
の金属下地層を介在させることができる。また本発明の
軟磁性シートにおいて、前記軟磁性金属層を前記絶縁樹
脂フィルムの表裏両面に形成することもできる。
【0011】本発明は、積層軟磁性部材を得るのに好適
な以下の製造方法を提供する。すなわち本発明の積層軟
磁性部材の製造方法は、厚さ5μm以下の絶縁樹脂フィ
ルム上に厚さ1μm以下の軟磁性金属層を形成したシー
ト体を作成する工程(a)と、前記シート体を、前記絶
縁樹脂フィルムと前記軟磁性金属層とが交互に配置され
るように積層する工程(b)と、を備えることを特徴と
する。この積層軟磁性部材の製造方法において、工程
(a)において複数のシート体を作成し、工程(b)に
おいて複数のシート体を絶縁樹脂フィルムと軟磁性金属
層とが交互に配置されるように積層することができる。
また、工程(a)において帯状のシート体を作成し、工
程(b)において帯状のシート体を捲き回すことにより
絶縁樹脂フィルムと軟磁性金属層とが交互に配置される
ように積層することもできる。本発明の積層軟磁性部材
の製造方法において、得られた積層体に応力緩和熱処理
を施すことができる。
【0012】また本発明は、積層軟磁性部材を得るのに
好適な以下の製造方法を提供する。すなわち本発明は、
フィルム上に厚さ1μm以下の軟磁性金属層を形成する
工程(c)と、前記軟磁性金属層の前記フィルムが形成
されていない面に熱融着層を形成する工程(d)と、前
記フィルムを剥離することにより、前記軟磁性金属層と
前記熱融着層とが積層されたシート体を取得する工程
(e)と、前記シート体を、前記軟磁性金属層と前記熱
融着層とが交互に配置されるように積層する工程(f)
と、を備えることを特徴とする積層軟磁性部材の製造方
法である。この積層軟磁性部材の製造方法において、工
程(e)において複数のシート体を作成し、工程(f)
において複数のシート体を熱融着層と軟磁性金属層とが
交互に配置されるように積層することができる。また、
工程(e)において帯状のシート体を作成し、工程
(f)において帯状のシート体を捲き回すことにより熱
融着層と軟磁性金属層とが交互に配置されるように積層
することもできる。さらに本発明は、積層軟磁性部材を
得るのに好適な以下の製造方法を提供する。すなわち本
発明の積層軟磁性部材の製造方法は、厚さ5μm以下の
第1絶縁樹脂フィルムの表裏両面に厚さ1μm以下の軟
磁性金属層を形成した複数のシート体を作成する工程
(g)と、第2絶縁樹脂フィルムを介して前記複数の前
記シート体を積層する工程(h)と、を備えることを特
徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。 <軟磁性シート>図1および図2は、本発明の積層軟磁
性部材に用いられる軟磁性シートの例を示している。図
1に示す軟磁性シート1は、樹脂フィルム2と、樹脂フ
ィルム2上に形成された下地金属層3と、下地金属層3
上に形成された軟磁性金属層4とから構成される。樹脂
フィルム2は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ
素樹脂等の耐熱性を有する樹脂材料を用いることができ
る。耐熱性を要求するのは、後述するように、積層軟磁
性部材の製造過程で熱処理を施す場合があるためであ
る。軟磁性金属層4は、軟磁性を示す遷移金属元素のい
ずれか、あるいは遷移金属元素と他の金属元素とからな
る合金により構成することができる。具体的な例として
は、Fe、CoおよびNiの一種以上を主成分とする合
金であり、Fe−Ni系合金、Fe−Co系合金、Co
−Ni系合金が該当する。これらのなかで、飽和磁束密
度が1.0T以上の合金が望ましい。またこの中で、N
iを40〜85at%含有するFe−Ni系合金が本発
明にとって望ましい。また、Coを20〜60at%含
有するFe−Co系合金であって、飽和磁束密度が2.
0T以上の合金を用いるのが望ましい。これら合金にお
いて、15at%以下のNb,Mo,Ta,W,Zr,
Mn,Ti,Cr,Cu,Coの一種以上を含有するこ
とができる。また、軟磁性金属層4をめっきで形成する
場合にはCおよびS等の元素を不可避的に含むが、本発
明の軟磁性金属層4は、そのような元素の含有を許容す
る。これら合金のうち、磁歪が0近傍、より具体的には
−10×10-6〜10×10-6の値を示すものが本発明
では特に望ましい。磁歪が0近傍の値を示す合金として
は、6%Fe−94%Co合金、81%Ni−19%F
e合金、46%Co−54%Ni合金が知られている。
軟磁性金属層4は、結晶質合金および非晶質合金のいず
れの態様であっても構わない。非晶質合金としては、C
o系およびFe系の非晶質合金を用いることができる。
また、Fe系の微結晶合金を用いることも本発明は許容
する。微結晶合金は、一般的に、結晶粒径が10nm以
下の微細な結晶が主体をなす合金として知られている。
【0014】軟磁性金属層4は、めっき(電解または無
電解)、真空蒸着法、スパッタリング法等の各種の膜形
成プロセスによって作成することができる。これらの膜
形成プロセスは、単独で行なうことができる。したがっ
て、めっきのみで軟磁性金属層4を形成することもでき
るし、蒸着のみで軟磁性金属層4を形成することもでき
る。もちろん、複数の膜形成プロセスを組み合わせるこ
ともできる。めっきは、真空蒸着法、スパッタリング法
に比べて低温で膜を形成することができる点で本発明に
とって好適である。本発明において、軟磁性金属層4は
樹脂フィルム2上に形成するため、樹脂フィルム2に熱
的な影響を与えないことが望ましいからである。また、
めっきは、真空蒸着法、スパッタリング法に比べて、短
時間で所定の厚さの膜を得ることができるメリットがあ
る。なお、めっきにより軟磁性金属層4を得る場合、め
っき浴中に含まれているS等の元素が軟磁性金属層4に
混入することから、他のプロセスによる軟磁性金属層4
との区別ができる。
【0015】下地金属層3は、軟磁性金属層4を電解め
っきによって樹脂フィルム2上に形成する場合に必要と
なる導電層としての役割を果たす。下地金属層3は、例
えば、真空蒸着法によって形成することができる。ま
た、無電解めっきにより下地金属層3を形成した後に、
電解めっきにより軟磁性金属層4を形成することもでき
る。電解めっき以外の方法で軟磁性金属層4を形成する
場合には、下地金属層3を形成する必要はない。つま
り、下地金属層3は本発明において選択的な要素であ
る。もっとも、下地金属層3に軟磁性金属を用いる場合
には、下地金属層3が軟磁性金属層4の一部を構成する
ことになる。
【0016】次に、軟磁性シート1において、樹脂フィ
ルム2の厚さは、8μm以下とする。樹脂フィルム2
は、本発明の積層軟磁性部材において、軟磁性金属層4
同士を絶縁する機能を果たす。しかし、この絶縁層が厚
くなると軟磁性金属層4同士の磁気的な結合を弱め、ひ
いては積層軟磁性部材としての透磁率が低下するためで
ある。望ましい樹脂フィルム2の厚さは5μm以下であ
る。もっとも、極端に薄い樹脂フィルム2は製造が困難
であるとともに、軟磁性金属層4を形成するための所定
の強度を持つことができなくなる。したがって、0.5
μmあるいは、2μm以上の厚さとすることが推奨され
る。軟磁性金属層4は、1μm以下の厚さとすることが
望ましい。これを超える厚さでは、本発明が対象とする
800MHzを超える高周波数帯域での渦電流損失が大
きくなり、磁性体としての機能が減じてしまうからであ
る。したがって、本発明において、軟磁性金属層4の厚
さは、0.5μm以下とすることが望ましい。軟磁性金
属層4は、緻密に形成されている必要性が高く、したが
って、各種プロセスによって緻密な膜を形成することが
できる程度の最低限の膜厚を有していることが必要であ
る。下地金属層3は、電解めっき時の導電層として機能
するものであり、数10nm程度の厚さを有していれば
足りる。
【0017】図2に示す軟磁性シート11は、図1に示
した軟磁性シート1の軟磁性金属層4が樹脂フィルム2
の片面に形成されているのに対して、両面に形成されて
いる点で相違する。つまり、軟磁性シート11は、樹脂
フィルム(第1樹脂フィルム)12と、樹脂フィルム1
2の表裏両面に形成された下地金属層13a,13b
と、下地金属層13a,13b上に形成された軟磁性金
属層14a,14bとから構成される。樹脂フィルム1
2、下地金属層13a,13bおよび軟磁性金属層14
a,14bの材質、寸法および作成プロセスは、軟磁性
シート1と同様にすればよい。以上では、絶縁層として
樹脂フィルム2を用いた例を示したが、樹脂フィルム2
の代わりに熱融着層を用いることができる。この熱融着
層としては、例えば、ポリアミドを用いることができ
る。また、熱融着層は、静電塗装、塗布、スプレー、フ
ィルムの貼り付け等種々の方法によって形成することが
できる。塗布、スプレーによって形成される熱融着層
は、1.0μm以下、さらには0.5μmの極めて薄い
膜とすることができる。ただし、あまり薄すぎると、熱
融着層が形成されない部分が生じるおそれがあるため、
0.1μm以上の厚さとすることが望ましい。また、本
発明の軟磁性シート11において、軟磁性金属層4の上
に樹脂層を形成することもできる。この樹脂層として、
樹脂フィルム2を適用することもできるし、熱融着層を
適用することもできる。
【0018】<積層軟磁性部材>図3は本実施の形態に
よる積層軟磁性部材5の一例を示す断面図である。図3
に示すように、積層軟磁性部材5は、絶縁層6と軟磁性
金属層7とが交互に積層された断面構造を有している。
ここで、積層軟磁性部材5全体としての厚さは、0.2
mm以下とすることが重要である。前述のように、携帯
電話機に積層軟磁性部材5を貼り付ける場合には、携帯
電話機の小型化に対応する必要があるからである。より
望ましい厚さは、0.15mm、さらには0.1mm以
下である。図1および図2で示した軟磁性シート1,1
1を積層することにより積層軟磁性部材5を得ることが
できる。したがって、軟磁性シート1,11の樹脂フィ
ルム2,12が絶縁層6を構成することになる。そのた
め、絶縁層6の厚さは8μm以下となる。もっとも、軟
磁性シート1,11を積層する場合に接着材を層間に介
在させると、絶縁層6が樹脂フィルム2,12の厚さよ
り厚くなる場合がある。したがって、接着材を用いる場
合には、絶縁層6の厚さが8μm以下となるように樹脂
フィルム2,12の厚さを定める必要がある。このと
き、接着剤が樹脂で形成されていると、接着剤層も絶縁
層6を構成することになる。また、軟磁性金属層7は、
軟磁性シート1,11における軟磁性金属層4,14
a,14bが該当することになる。なお、図3は、軟磁
性シート1,11に形成していた下地金属層3,13
a,13bの記載を省略している。ここで、前述したよ
うに、樹脂フィルム2,12の代わりに熱融着層を用い
ることができる。
【0019】<積層軟磁性部材の製造方法>以下、図4
〜図7に基づいて、積層軟磁性部材5を得るのに好適な
製造方法を説明する。なお、図4および図5は図1に示
した軟磁性シート1を用いて積層軟磁性部材5を得る製
造方法を、図6は図2に示した軟磁性シート11を用い
て積層軟磁性部材5を得る製造方法を、また図7は絶縁
層6として熱融着層9を用いて積層軟磁性部材5を得る
製造方法を示している。図4において、はじめに樹脂フ
ィルム2に、例えば、真空蒸着法により下地金属層3を
形成する(図4(a))。下地金属層3を形成した後、
めっきその他のプロセスにより軟磁性金属層4を下地金
属層3上に形成することによって、図1に示した軟磁性
シート1を得ることができる(図4(b))。軟磁性シ
ート1を所定の枚数作成し、各軟磁性シート1の樹脂フ
ィルム2と軟磁性金属層4とを対向させた状態で積層す
る(図4(c))ことにより、図3に示した積層軟磁性
部材5を得ることができる。軟磁性シート1同士の接合
は、軟磁性シート1間に接着材を配置して行なうことも
できるが、軟磁性シート1を構成する樹脂フィルム2の
静電気により、接着材を用いることなく積層状態を維持
することもできる。もちろん、接合強度を向上するため
に、軟磁性シート1を積層後に、接着材に浸漬して外周
部のみを接着することもできる。積層軟磁性部材5を得
た後に、応力緩和熱処理を行なうことにより、磁気特性
の向上を図ることもできる。応力緩和熱処理は、例えば
軟磁性シート1同士の接合に接着材を用いた場合には、
接着材の乾燥のための加熱を兼ねて行なうこともでき
る。応力緩和熱処理を行なう場合には、樹脂フィルム2
に耐熱性に優れたポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂を用
いることが望ましい。また、積層軟磁性部材5は、温間
プレス加工によって、所望する形状に加工することもで
きる。また、切断を行なって、所望する寸法に加工する
こともできる。
【0020】次に、図5について説明する。前述のよう
に図5は、図1に示した軟磁性シート1を用いて積層軟
磁性部材5を得る製造方法を示している。しかし、図4
の製造方法とは異なり、帯状の軟磁性シート1をトロイ
ダル状に捲き回すことにより軟磁性シート1を積層す
る。捲き回し体の部分断面図を図5に示しているが、図
3で示した積層軟磁性部材5と同様の積層構造を有して
いる。そして、この捲き回し体をそのまま積層軟磁性部
材5として用いることもできるし、切断等適宜加工を施
すことにより、扁平状の積層軟磁性部材5を得ることも
できる。また、図5では、円形に捲き回した例を示して
いるが、軟磁性シート1は可撓性を有しているため、楕
円形、矩形等任意の断面形状の捲き回し体を容易に得る
ことができる。以上のように、本発明において、軟磁性
シート1を積層するとは、独立した軟磁性シート1を複
数枚積層する場合に加えて、帯状の軟磁性シート1を捲
き回すことによって積層要素を得る場合をも包含してい
る。
【0021】次に、図6に示す製造方法について説明す
る。図6は、図2に示した軟磁性シート11により積層
軟磁性部材5を得るための方法を示している。はじめ
に、樹脂フィルム12の表裏両面に下地金属層13a,
13bを形成する(図6(a))。下地金属層13a,
13bは、図4に示した製造方法と同様に、真空蒸着法
を用いることができる。表裏両面に下地金属層13a,
13bを形成した後、例えば電解めっきにより、下地金
属層13a,13b上に軟磁性金属層14a,14bを
形成する(図6(b))。これで軟磁性シート11が得
られる。この軟磁性シート11を複数枚積層することに
より、積層軟磁性部材5を得ることができる。ただし、
軟磁性シート11は、表裏両面に軟磁性金属層14a,
14bが露出した構造をなしているので、そのままで積
層することはできない。そこで、樹脂フィルム8(第2
樹脂フィルム)を別途用意し、この樹脂フィルム8を介
在させて軟磁性シート11を積層する(図6(c))こ
とにより、積層軟磁性部材5を得る。
【0022】次に熱融着層9を用いて積層軟磁性部材5
を得る製造方法を図7に基づいて説明する。図7におい
て、はじめに樹脂フィルム2に、例えば、真空蒸着法に
より下地金属層3を形成する(図7(a))。下地金属
層3を形成した後、めっきその他のプロセスにより軟磁
性金属層4を下地金属層3上に形成する(図7
(b))。ここまでの工程は、図4に示した製造方法と
同様である。次に、軟磁性金属層4上に熱融着層9を形
成する(図7(c))。熱融着層9の形成は、塗布、ス
プレー等の種々の手法で行なうことができる。熱融着層
9を形成した後に、樹脂フィルム2を剥離、除去するこ
とにより、下地金属層3、軟磁性金属層4および熱融着
層9とが積層された軟磁性シート21を取得する(図7
(d))。下地金属層3に対する樹脂フィルム2の密着
強度よりも軟磁性金属層4に対する熱融着層9の密着強
度のほうが高いため、樹脂フィルム2の剥離は比較的に
容易に行なうことができる。軟磁性シート21を所定の
枚数作成し、各軟磁性シート21の熱融着層9と軟磁性
金属層4とを対向させた状態で積層する(図7(e))
ことにより、積層軟磁性部材5を得ることができる。こ
こで、軟磁性シート21同士の接合は、熱融着層9を用
いて行なうことができる。つまり、各軟磁性シート21
の熱融着層9と軟磁性金属層4とを対向させた状態で積
層した後に、所定の加熱処理を施すことにより、隣接す
る軟磁性シート21同士の接合強度を確保することがで
きる。また、図7では複数の軟磁性シート21を作成し
た後にそれらを積層する例を示したが、樹脂フィルム2
の剥離および熱融着層9の形成を連続的に行い、かつシ
ート体を捲き回して巻き回し体を得ることももちろんで
きる。
【0023】
【実施例】以下本発明を具体的実施例に基づいて説明す
る。 (実施例1)膜厚4μmのポリアミド樹脂フィルムを用
意し、このポリアミド樹脂フィルム上(片面)に、真空
蒸着によりNi膜を形成した。Ni膜の厚さは50nm
である。このNi膜は、軟磁性金属層を電解めっき法に
より形成するための導電性下地層として機能するととも
に、自身が軟磁性金属層としても機能する。Niを蒸着
した後に、以下に示すめっき液を用いてNi膜上に軟磁
性合金である81wt%Ni−19wt%Fe合金(パ
ーマロイ)膜を形成した。めっき液の条件は、浴温が3
5〜55℃、PHが2.0〜3.0である。そして、めっ
き膜厚が1μmになるまで、2A/dm2の電流密度で
電解した。なお、めっき膜の欠陥防止およびめっき液の
表面張力低減のために、界面活性剤を適宜添加した。
【0024】 薬 品 名 称 化 学 式 液組成(g/l) 硫酸ニッケル6水和物 NiSO4・6H2O 150〜450 塩化ニッケル6水和物 NiCl2・6H2O 15〜45 硼酸 H3BO3 10〜40 硫酸第一鉄7水和物 FeSO4・7H2O 1〜20 光沢剤 − 0.1〜2
【0025】以上により、厚さ4μmのポリアミド樹脂
フィルムからなる絶縁層と、ポリアミド樹脂フィルム上
に形成されたNiからなる下地層と、下地層上に形成さ
れた81wt%Ni−19wt%Fe合金層とからなる
軟磁性シートを得た。この軟磁性シートを打ち抜き加工
することによりトロイダル形状の軟磁性シートを得、ポ
リアミド樹脂フィルムと81wt%Ni−19wt%F
e合金層とが対向するようにして積層した。積層枚数は
20枚であるから、厚さは約0.1mmの軟磁性部材が
得られた。この軟磁性部材の複素透磁率を、横河ヒュー
レットパッカード株式会社製のインピーダンスマテリア
ルアナライザー4291ARFで測定した。その結果を
図8に示す。なお、図8中、μ'は複素透磁率の実数部
分、μ"は複素透磁率の虚数部分を示している。
【0026】比較例として軟磁性合金粉末を樹脂中に分
散した従来の複合軟磁性部材を作成して、同様に透磁率
を測定した。なお、軟磁性合金粉末は、70wt%Fe
−20wt%Si−10wt%Cr系合金の組成を有
し、粒径5〜50μm、粉末の厚さ0.2〜0.3μ
m、長さ数10μmの扁平状粉末である。また、樹脂と
しては塩素化ポリエチレンを用い、扁平状粉末の添加量
が73wt%の厚さ0.25mmの複合軟磁性部材であ
る。測定結果を図9に示す。
【0027】図8および図9を比較すればわかるよう
に、本発明による積層軟磁性部材は、従来の複合軟磁性
部材に比べて、測定した全周波数帯域で透磁率μ'が高
く、特に108Hz(100MHz)においても、5倍
以上の透磁率μ'が得られることがわかる。このこと
は、本発明の積層軟磁性部材が高周波特性に優れたノイ
ズ対策部材、特に携帯電話機のSAR対策に好適である
ことが判る。
【0028】(実施例2)次に、本発明による積層軟磁
性部材を携帯電話機に貼り付け、放射電磁界を測定し
た。軟磁性合金層としての81wt%Ni−19wt%
Fe合金(パーマロイ)膜の厚さを0.5μmとし、ま
た樹脂フィルムの厚さを9μmとした以外は実施例1と
同様のプロセスによって得た軟磁性シートを30mm×
50mmに切断し、この軟磁性シートを5枚積層するこ
とによって本発明による積層軟磁性部材(本発明材)を
得た。また、比較のために、実施例1で用いたポリアミ
ド樹脂フィルム上に厚さ4μmのCuめっき膜を形成し
た部材(比較材1)および厚さ50μmの珪素鋼板(比
較材2)を用意した。
【0029】測定条件概略は以下の通りである。すなわ
ち、電波案室内において、本発明材、比較材1および2
をそれぞれその表示面側に貼り付けた携帯電話機から送
信される電波を、携帯電話機から3mの位置に配置され
た受信アンテナで受信し、垂直偏波の受信レベルを測定
した。なお、携帯電話機の表示面側にはファントムを配
置するとともに、携帯電話機およびファントムを360
度回転し、5度ごとに1.8GHzの放射電磁界のレベ
ル(受信レベル)を測定した。なお、本発明材、比較材
1および2を貼り付けない場合についても同様にして測
定した(これを「基準」とする。)。結果を図10に示
す。図10は、各位置(角度)における受信レベルを示
す円グラフであり、携帯電話機およびファントムは円グ
ラフの中心に配置されていることになる。また、図10
の円グラフは、角度が0度の位置がファントムの正面を
示している。したがって、図10において、0〜180
度の範囲がファントムの存在する側(ファントム側)の
測定結果を示し、180〜360度の範囲がファントム
の存在しない側(空間側)の測定結果を示すことにな
る。ここで、180〜360度の範囲における受信レベ
ル、つまり利得が高いことが、携帯電話機の放射効率向
上にとって望ましいことになる。
【0030】図10に示すように、本発明材、比較材1
および2を貼り付けると、基準に対して、空間側におけ
る受信レベルが向上していることがわかる。図11は、
理解を容易にするために図10を展開したグラフを示し
ている。270〜300度の範囲において、本発明材を
貼り付けることにより基準よりも受信レベルが2dBm
程度向上していることがわかる。比較材1および2を貼
り付けることによっても受信レベルは基準よりも向上す
るが、本発明材を貼り付けることによって比較材1およ
び2よりさらに1dBm程度の受信レベル向上が図られ
ている。
【0031】以上のように、本発明材を携帯電話機に貼
り付けることによって放射電磁界の利得が改善されるこ
とがわかった。次に、本発明材における軟磁性シートの
積層枚数による利得改善の影響を調査した。つまり、本
実施例で用いた軟磁性シートを1枚だけ携帯電話機に装
着した場合、3枚積層した軟磁性部材を携帯電話機に装
着した場合および5枚積層した軟磁性部材を携帯電話機
に装着した場合について、先と同様に受信レベルを測定
した。結果を図12および図13に示す。図12および
図13から、積層枚数が増えることにより放射電磁界の
利得の改善程度が増加することがわかる。
【0032】(実施例3)表1に示す試料No.1〜6
の軟磁性部材を作成し、実施例2と同様に放射電磁界を
測定した。なお、表1において、試料No.1〜3は下
記の製造方法Aに従って作成された軟磁性部材であり、
また試料No.4〜6は下記の製造方法Bにしたがって
作成された軟磁性部材である。
【0033】
【表1】
【0034】<製造方法A>絶縁層を構成する樹脂フィ
ルムに、真空蒸着法により軟磁性金属層を構成する合金
膜を形成することにより軟磁性シートを得る。軟磁性合
金層の膜厚は表1に記載の通りである。この軟磁性シー
トを表1に記載されている積層枚数だけ積層することに
より軟磁性部材を得る。得られた軟磁性部材の厚さは表
1の通りである。
【0035】<製造方法B>膜厚9μmのポリアミド樹
脂フィルム上に、下地層を無電解めっきにより50nm
形成する。各試料におけるめっきの材質は表1に示す通
りである。下地層を形成した後に、下地層上に電解めっ
きにより表1に示す軟磁性合金層を電解めっきにより形
成する。そしてその後、軟磁性合金層上に熱融着層とし
てナイロン系樹脂を表1に示す厚さだけ塗布する。続い
て、ポリイミド樹脂フィルムを剥離することにより、軟
磁性金属層と絶縁層としての熱融着層とが積層された軟
磁性シートを得る。この軟磁性シートを表1に記載され
ている積層枚数だけ積層することにより軟磁性部材を得
る。さらにその後、この軟磁性部材を170℃で30分
保持することにより、熱融着層を硬化させた。
【0036】放射電磁界を測定し、270〜300度
(実施例2参照)の範囲における利得改善結果を表1に
示す。なお、この利得改善結果は、軟磁性部材を装着し
ない携帯電話機を基準としている(実施例2の基準)。
表1に示すように、本発明による軟磁性部材を携帯電話
機に装着することにより、空間側の放射電磁界の利得が
著しく改善されることが確認された。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
0.1mm以下の厚さでありながら高周波帯域で高い透
磁率を有する積層軟磁性部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態による軟磁性シートの一例を示
す断面図である。
【図2】 本実施の形態による軟磁性シートの一例を示
す断面図である。
【図3】 本実施の形態による積層軟磁性部材の一例を
示す断面図である。
【図4】 本実施の形態による積層軟磁性部材の製造方
法の一例を示す図である。
【図5】 本実施の形態による積層軟磁性部材の製造方
法の一例を示す図である。
【図6】 本実施の形態による積層軟磁性部材の製造方
法の一例を示す図である。
【図7】 本実施の形態による積層軟磁性部材の製造方
法の一例を示す図である。
【図8】 実施例1で得られた積層軟磁性部材の複素透
磁率の周波数特性を示すグラフである。
【図9】 従来例で得られた積層軟磁性部材の複素透磁
率の周波数特性を示すグラフである。
【図10】 実施例2における放射電磁界の測定結果を
示すグラフである。
【図11】 実施例2における放射電磁界の測定結果を
示すグラフである。
【図12】 実施例2における放射電磁界の測定結果を
示すグラフである。
【図13】 実施例2における放射電磁界の測定結果を
示すグラフである。
【符号の説明】
1,11,21…軟磁性シート、2,8,12…樹脂フ
ィルム、3,13a,13b…下地金属層、4,7,1
4a,14b…軟磁性金属層、5…積層軟磁性部材、6
…絶縁層、9…熱融着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若山 勝彦 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 橋本 康雄 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 山下 信一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 石川 博康 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AB01B AB01C AB02 AB16 AB31B AK01A AK46 AR00A BA03 BA04 BA05 BA08 BA10A BA10B EC03A EC032 EG002 EH012 EH662 EH712 EJ912 GB48 JD08 JG04A JG06B YY00A YY00B 5E041 BC05 CA01 NN01 NN05 5E049 AA07 AC05 BA11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層と厚さ1μm以下の軟磁性金属層
    とが交互に積層された積層体からなり、全体の厚さが
    0.2mm以下であることを特徴とする積層軟磁性部
    材。
  2. 【請求項2】 前記軟磁性金属層の厚さが0.5μm以
    下であることを特徴とする請求項1に記載の積層軟磁性
    部材。
  3. 【請求項3】 前記軟磁性金属層が、遷移金属元素のい
    ずれかを主成分とする軟磁性合金から構成されることを
    特徴とする請求項1または2に記載の積層軟磁性部材。
  4. 【請求項4】 前記絶縁層が、厚さ8μm以下の樹脂層
    から構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の積層軟磁性部材。
  5. 【請求項5】 前記絶縁層が、熱融着層から構成される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層
    軟磁性部材。
  6. 【請求項6】 厚さ8μm以下の絶縁樹脂フィルムと、 前記絶縁樹脂フィルム上にめっきにより形成された厚さ
    1μm以下の軟磁性金属層と、を備えたことを特徴とす
    る軟磁性シート。
  7. 【請求項7】 前記絶縁樹脂フィルムと前記軟磁性金属
    層との間に、前記軟磁性金属層のめっき付着を可能にす
    るための金属下地層が介在することを特徴とする請求項
    6に記載の軟磁性シート。
  8. 【請求項8】 前記軟磁性金属層は前記絶縁樹脂フィル
    ムの表裏両面に形成されたことを特徴とする請求項6ま
    たは7に記載の軟磁性シート。
  9. 【請求項9】 前記軟磁性金属層上に樹脂層を形成した
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の軟磁性シー
    ト。
  10. 【請求項10】 厚さ8μm以下の絶縁樹脂フィルム上
    に厚さ1μm以下の軟磁性金属層を形成したシート体を
    作成する工程(a)と、 前記シート体を、前記絶縁樹脂フィルムと前記軟磁性金
    属層とが交互に配置されるように積層する工程(b)
    と、 を備えることを特徴とする積層軟磁性部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記工程(a)において複数の前記シ
    ート体を作成し、 前記工程(b)において複数の前記シート体を前記絶縁
    樹脂フィルムと前記軟磁性金属層とが交互に配置される
    ように積層する、ことを特徴とする請求項10に記載の
    積層軟磁性部材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記工程(a)において帯状の前記シ
    ート体を作成し、 前記工程(b)において前記シート体を捲き回すことに
    より前記絶縁樹脂フィルムと前記軟磁性金属層とが交互
    に配置されるように積層することを特徴とする請求項1
    0に記載の積層軟磁性部材の製造方法。
  13. 【請求項13】 フィルム上に厚さ1μm以下の軟磁性
    金属層を形成する工程(c)と、 前記軟磁性金属層の前記フィルムが形成されていない面
    に熱融着層を形成する工程(d)と、 前記フィルムを剥離することにより、前記軟磁性金属層
    と前記熱融着層とが積層されたシート体を取得する工程
    (e)と、 前記シート体を、前記軟磁性金属層と前記熱融着層とが
    交互に配置されるように積層する工程(f)と、を備え
    ることを特徴とする積層軟磁性部材の製造方法。
  14. 【請求項14】 厚さ5μm以下の第1絶縁樹脂フィル
    ムの表裏両面に厚さ1μm以下の軟磁性金属層を形成し
    た複数のシート体を作成する工程(g)と、 第2絶縁樹脂フィルムを介して前記複数の前記シート体
    を積層する工程(h)と、を備えることを特徴とする積
    層軟磁性部材の製造方法。
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