JP2002359070A - 有機発光素子およびそれを用いた表示パネル - Google Patents

有機発光素子およびそれを用いた表示パネル

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JP2002359070A
JP2002359070A JP2001163832A JP2001163832A JP2002359070A JP 2002359070 A JP2002359070 A JP 2002359070A JP 2001163832 A JP2001163832 A JP 2001163832A JP 2001163832 A JP2001163832 A JP 2001163832A JP 2002359070 A JP2002359070 A JP 2002359070A
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JP2001163832A
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Naomi Kaneko
尚美 金子
Hisahide Wakita
尚英 脇田
Yuji Satani
裕司 佐谷
Hisanori Sugiura
久則 杉浦
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K2102/00Constructional details relating to the organic devices covered by this subclass
    • H10K2102/301Details of OLEDs
    • H10K2102/302Details of OLEDs of OLED structures
    • H10K2102/3023Direction of light emission
    • H10K2102/3026Top emission

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸湿や酸化による有機発光素子とそれを用い
た表示装置及び照明装置の劣化を防止する。 【解決手段】 基板上に少なくとも第一電極、有機材料
を含む発光領域、第二電極が順次形成された有機発光素
子において、第二電極上に、ガスバリア性を有する保護
層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機発光素子に関
するものであって、より詳しくはその信頼性、耐久性等
を向上させるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネル、プラズマ表示パネル
等、フラットディスプレイパネルの開発が盛んななか
で、エレクトロルミネッセンス素子(以下、発光素子と
する)を用いたエレクトロルミネッセンス表示パネル
は、液晶表示パネル等と比べて薄くすることができるこ
とから、注目を集めている。
【0003】有機発光素子の一例を図8示す。図8の有
機発光素子は、ガラス基板10上に陽極としてインジウ
ム錫酸化物(ITO)、SnO2、InO3、ZnO等の
透明導電材料からなる透明電極5が形成され、この透明
電極5上に正孔輸送層3a、発光層3bおよび電子輸送
層3cからなる発光領域3が、発光領域3上に陰極とし
てMgAg、Ca、Al、MgInなどからなる反射電
極4が形成されている。そして、両極間に電圧を印加す
ると、透明電極5から発光層3bに注入された正孔と、
反射電極4から発光層3bに注入された電子とが、発光
層3bで再結合することにより発光する。図8に示すよ
うに、発光層3bが発した光は、透明電極5を通過し、
ガラス基板10を通じて外部に射出される。また、不透
明な反射電極4側へ進んだ光は、反射電極4で反射され
たのちガラス基板10を通って外部へ射出される。しか
し、このような発光素子内で発生した光がガラス基板1
0を通して外部へ射出される場合、その射出割合は約2
0%程度であり、残りの80%近くは、発光層3bやガ
ラス基板10を導波して金属面で吸収されたり基板の端
から放出されてしまう。
【0004】素子内で発生した光を効率良く素子外部に
取り出して発光効率を改善するために提案された発光素
子の構成が図9に示すものである。図9に示すように、
ガラス基板10上にMgAg、Ca、Al、MgIn等
の金属材料からなる電極4が形成され、この電極4上に
有機材料を含んだ発光領域3が、発光領域3上に透明電
極5が形成されている。この透明電極5には、ITO、
SnO2、InO3、ZnO、またはこれらの酸化物の複
合体からなる透明導電膜材料が用いられている。発光領
域3よりも上層に透明電極5を配することにより、図9
に示す矢印の方向から発光領域3で発生した光を取り出
すことが可能となる。また、電極4側へ進んだ光は電極
4で反射され、透明電極5を通って外部へ射出される。
【0005】また、図10に示すように、電極12が透
明導電膜材料からなる場合には、例えばガラス基板10
と電極12の間に反射層11を積層して配することによ
り、発光層3bで発光し電極12側へ進んだ光は反射層
11で反射され、透明電極5側へ進んで透明電極5を通
って外部へ射出されることになる。
【0006】このような有機発光素子内で発生した光
は、ガラス基板10を通して外部へ射出されないため、
図8の構成に比べて、外部への射出割合は増えるのであ
る。
【0007】ここで、図9および図10にいう発光素子
を用いた表示パネルを図11に示す。複数の発光素子1
が配された面に対向して配された基板21は、素子1を
外力から保護するためのものであって、例えばガラスか
らなる。さらに、基板21の表面を覆うように反射防止
層21が配される。
【0008】しかし、図9および図10に示すような発
光素子は、発光領域に耐熱温度が低い有機材料を含むた
め、一般的に電極としての透明導電膜は150度以下の
低温で形成される。そのような低温で形成された透明導
電膜は、金属膜や高温(200度以上)で形成された透
明導電膜と比較して、酸素や水分による劣化が顕著であ
る。すなわち、低温でスパッタリング、エレクトロンビ
ーム蒸着法等によって形成された透明導電膜は、微細柱
状で空隙のある微細構造を有する疎な膜であるため、高
温で形成された透明導電膜や金属膜と比較して、水蒸気
などが広い面積で付着し腐食しやすい。また膜中には、
ダングリングボンドが多く、酸化により膜質が変質し、
抵抗値の増加を引き起こしやすい。そのため発光領域3
上に形成された透明導電膜からなる透明電極5の酸化や
水分による腐食により信頼性が悪化するといった問題点
があった。
【0009】さらに、低温で形成された透明導電膜は、
空隙があるため、高温で形成された透明導電膜や金属膜
とは異なり、酸素や水蒸気を透過しやすいといった特徴
がある。これより、透明電極5の下層に配された有機材
料からなる発光領域3が吸湿や酸化によって発光素子の
発光効率が低下するなど、信頼性に問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためのものであり、雰囲気による電極等の性
能劣化を抑制することができ、耐久性、信頼性等に優れ
た有機発光素子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、発光素子の
最上層に配された電極の表面に、電極と外気の接触を遮
断するための保護層を設ける。保護層は、無機材料また
は有機材料の単層や、それらを積層してなる複層が含ま
れる。ここで、各層は、多孔性であってもよい。好まし
くは、保護層は、下層に配された電極および発光領域の
側面を覆うように配される。また、保護層は、基板の表
面に複数の発光素子を覆って外面を平坦化するように配
される。本発明は、最上層に光を射出するための透明電
極または半透明電極を備えた発光素子に特に有用であ
る。もちろん、最下層に透明または半透明な電極を備え
た発光素子にも有用である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0013】(実施の形態1)本実施の形態の発光素子
を図1に示す。基板10上には、陰極としての反射電極
4と陽極としての透明電極5が、両者の間に発光領域3
を挟んで積層して配されている。そして、透明電極5の
上に保護層2が形成されている。発光領域3において発
せられた光は、図中矢印で示すように、保護層2が設け
られた側の面より系外に射出される。
【0014】発光素子1を担持する基板10は、例えば
ガラスからなる。また、ポリカーボネート、ポリメチル
メタクリレート、ポリエチレンテレフタレートなどの樹
脂フィルム、またはシリコン基板等を用いることもでき
る。
【0015】反射電極4は、反射率が高く、発光層を効
率良く発光させる機能を有するAlあるいはAl化合
物、銀あるいは銀化合物等からなる膜を用いることが好
ましい。たとえば、銀化合物としては、パラジウムおよ
び銅を含む合金あるいは金および銅を含む合金を用いる
のが好ましい。特に、有機発光素子の場合には、通常反
射電極は陰極である。陰極には、電子の注入効率に優れ
た材料、すなわち仕事関数の低い材料を用いることが好
ましい。例えばAl−Li合金、Mg−Ag合金等の仕
事関数が低いが反応性の高い金属(Li、Mg等)と反
応性が低く安定な金属(Al、Ag等)との合金を用い
ればよい。あるいは、Li/Al、LiF/Al等、仕
事関数の低い金属あるいはその化合物と仕事関数の高い
金属との積層電極や、ITO/Al/ITOといった金
属と透明導電膜との積層電極などを用いることができ
る。反射電極4は例えば、スパッタ、エレクトロンビー
ム蒸着、抵抗加熱蒸着等により形成すればよい。なお、
反射電極4にかえて、陰極を透明導電膜材料により形成
する場合、図10に示すように基板との間に反射層を挟
んで形成すればよい。好ましくは、反射層の上に平坦化
層を設ける。
【0016】発光領域3としては、例えば、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)等の有機発
光材料を用いる。好ましくは、発光領域3を多層構造す
なわちN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メ
チルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジ
アミン(TPD)等からなる正孔輸送層とAlq3等か
らなる電子輸送性発光層との2層構造、あるいはTPD
等からなる正孔輸送層とペリレン等からなる発光層とオ
キサジアゾール等からなる電子輸送層との3層構造、あ
るいはそれ以上の多層構造とすればよい。この場合、I
TO等の陽極側に正孔輸送層を、Al−Li合金、Mg
−Ag合金等の陰極側に電子輸送層をそれぞれ配する。
有機発光素子の場合、発光領域の形成は主に抵抗加熱蒸
着法を用いるが、エレクトロンビーム蒸着法、スパッタ
法等を用いてもよい。
【0017】透明電極5としては、ITO、酸化錫等の
透明導電性酸化物を用いればよい。透明電極の形成に
は、スパッタ法、抵抗加熱蒸着法、エレクトロンビーム
蒸着法、イオンプレーティング法等を用いる。有機発光
層が形成された基板を高温に加熱すると、有機層が劣化
してしまうため、透明電極5は低温で成形する必要があ
る。この結果、透明電極5と下地膜の密着性は低く、透
明電極5の剥がれが発生しやすい。よって例えば、スパ
ッタ法により透明電極5を形成する場合、透明電極5と
下地膜との密着性を向上するために、透明電極5の形成
に先立って、それを形成しようとする下地膜の表面にス
パッタエッチング加工を施すことが好ましい。また、透
明電極5としてITO等をスパッタ法、エレクトロンビ
ーム蒸着法等により有機発光層上に形成する場合、有機
発光層へのダメージを軽減するため、有機発光層上にバ
ッファ層を形成してから透明電極5を形成するのが好ま
しい。バッファ層としては、銅フタロシアニン等の熱的
に安定な有機化合物等を用いればよい。
【0018】透明電極5の表面には、無機材料からなる
保護層2が形成されている。保護層2は、たとえば珪
素、錫、亜鉛、タンタル、チタン、クロム、アルミニウ
ム等の酸化物が挙げられる。無機材料からなる保護層2
は、たとえば室温でスパッタ法により形成される。その
他の無機材料としては、珪素、錫、亜鉛、タンタル、チ
タン、クロム、アルミニウム等の窒化物であることが好
ましい。ガスバリア性に優れるからである。
【0019】また、図2に示すように、保護層2は、下
層に配された反射電極4、発光領域3および透明電極5
の側面を覆うように配されることが好ましい。電極等へ
の水蒸気等の侵入を、側面においても防ぐことで、より
耐久性・信頼性の高い発光素子とすることができる。
【0020】さらに、図3に示すように、基板10の表
面を平坦化するように、保護層2を形成することによ
り、図11に示す基板21は不用になる。
【0021】(実施の形態2)本実施の形態の発光素子
を図4に示す。上記実施の形態1と同様に、基板10の
上に、陰極としての反射電極4、発光領域3および陽極
としての透明電極5が形成されている。
【0022】透明電極5の表面には、有機材料からなる
保護層2が形成されている。上記したような無機材料か
らなる保護層は、水蒸気、酸素等のバリア性に優れる。
しかしながらその一方で、その形成には高い処理温度が
求められることから、下層に配された発光領域等にダメ
ージを与えやすい。そこで、保護層形成時の発光領域等
への熱負荷をより小さくするには、有機材料からなる保
護層を用いるとよい。有機材料からなる保護層は、無機
材料からなる保護層と比べてより低い温度で形成するこ
とができる。保護層2は、たとえばエポキシ系樹脂から
なる。有機材料からなる保護層2は、たとえばディップ
法により形成することができる。すなわち、表面に発光
層および電極が形成された基板を、光硬化性樹脂のプレ
ポリマーを含むワニスに浸漬した後、基板表面に付着し
たプレポリマーを紫外線を照射して硬化させる。この方
法によると、電極表面のみならず、発光領域3をも被覆
する保護層を形成することができる。保護層2として、
アクリル系樹脂を用いてもよい。
【0023】(実施の形態3)本実施の形態の発光素子
を図5に示す。上記実施の形態1と同様に、基板10の
上に、陰極としての反射電極4、発光領域3および陽極
としての透明電極5が形成されている。
【0024】透明電極5の表面には、無機粉体が分散し
た有機材料からなる保護層2が形成されている。上記の
ように、無機材料からなる保護層は、水蒸気、酸素等の
バリア性に優れる一方で、その形成には高い処理温度が
求められる。また、有機材料からなる保護層は、低温で
の形成が可能な一方で、水蒸気、酸素等のバリア性は無
機材料からなるそれに比べて大きく劣る。そこで、有機
材料からなる保護層と同様に低温で形成することが出来
かつそれよりもより高いガスバリア性を有するには、無
機粉体が分散した有機材料からなる保護層を用いるとよ
い。保護層2は、たとえば珪素、アルミニウムなどの粒
子を含む光硬化性エポキシ樹脂からなる。保護層2は、
たとえば以下のようにして形成される。光硬化性樹脂の
プレポリマーに珪素粉末を混合し、スラリーを調製す
る。複数の発光素子が配された基板の表面に得られたス
ラリーを塗布または基板をスラリーに浸漬したのち、基
板上に塗布されたスラリーに紫外線を照射してプレポリ
マーを硬化させる。
【0025】(実施の形態4)本実施の形態の発光素子
を図6に示す。上記実施の形態1と同様に、基板10の
上に、陰極としての反射電極4、発光領域3および陽極
としての透明電極5が形成されている。
【0026】透明電極5の表面には、電極に接して配さ
れた有機材料からなる層2aと、その上層に積層して配
された無機材料からなる層2bとを含む多層構造の保護
層2が形成されている。一般的に、無機層は、ガスバリ
ア性に優れる一方で、温度履歴によってクラックが発生
しやすい。そこで、無機材料層2bの形成において、膨
張・収縮に起因した内部応力に対する緩衝層としての役
割を有する有機材料層2aを下層に配するとよい。有機
材料層2aは、ガスバリア層として機能し、また、下地
として用いることで、無機材料層2b形成時の電極、発
光領域等の熱負荷が緩和されるため、電極、発光領域等
へのダメージを低減することもできる。このように、無
機材料層のクラック率の低下及び電極等の熱劣化の防止
により、歩留まりを向上できるとともに耐久性、信頼性
等に優れた発光素子を作ることができる。保護層2は、
例えば実施の形態2と同様にディップ法により有機材料
層2aを形成し、その上にSiOxなどからなる無機材
料層2bをスパッタ法により積層することにより得られ
る。
【0027】(実施の形態5)本実施の形態の発光素子
を図7に示す。上記実施の形態1と同様に、基板10の
上に、陰極としての反射電極4、発光領域3および陽極
としての透明電極5が形成されている。
【0028】透明電極5の表面には、多孔質からなる保
護層2が形成されている。上記実施の形態のように、電
極を雰囲気より遮蔽するほか、能動的に雰囲気中のガス
を吸着することによってもこれらガスによる電極及び発
光領域の劣化を抑制することができる。本実施の形態の
発光素子の電極5の表面に配された保護層2は、多孔質
材料からなる。保護層2は、たとえば酸化珪素からな
り、平均径が10nmの多数の孔を有する。保護層2
は、電極等への水蒸気等の侵入を抑制するのみならず、
孔内に侵入した水蒸気等をその経路において捕捉する。
保護層2は、たとえば以下のようにして形成される。室
温においてゾルゲル法で形成された層に、波長が140
〜150nmの光を照射することにより多孔質状態を有
する酸化珪素層を形成することが出来る。なお、ゼオラ
イト等、化学的に雰囲気ガスを吸着する吸着材を用いる
と、より効果的である。多孔質層は、単層で保護層とし
て用いるほか、上記実施の形態のような無機材料層また
は有機材料層の上に形成してもよく、また、多孔質層上
にこれらの層を設けてもよい。また、多孔質層は、その
表面の反射率が低いことから、ガスバリア層以外にも反
射防止層としても機能するため、図3のように形成する
ことで、図11に示す基板21及び反射防止層20を用
いなくても界面反射による表示品位の低下を防止でき
る。
【0029】
【実施例】
【0030】(実施例1)本実施例の素子は次の通り作
製した。基板として、厚さ0.7mmのガラス基板を用
い、この上に反射電極として、Al−Li合金を抵抗加
熱蒸着法により成膜した。Al−Li合金の膜厚は、1
00nmとした。反射電極上にAlq3からなる電子輸
送性発光層、TPDからなる正孔輸送層およびITOか
らなる透明電極をそれぞれ抵抗加熱蒸着法により成膜し
た。各層の膜厚は、電子輸送性発光層が50nm、正孔
輸送層が50nm、透明電極が100nmとした。その
上に、SiNxからなる厚さ15nmの保護層をスパッ
タ法により形成した。保護層の透水量は、0.1g/m2
・day(JIS-Z-0208)以下であった。
【0031】(実施例2)実施例1と同様の構成で、保
護層として、光硬化性エポキシ樹脂からなる有機層をス
ピンコート法により形成し、さらにその上にSiOx
らなる無機層を液層析出法(LPD法)により形成して
素子を得た。各層の厚さは、有機層が1.5μm、無機
層が100nmとした。それ以外の構成および製造条件
は全て実施例1と同様にした。保護層の透水量は、1g
/m2・day(JIS-Z-0208)以下であった。
【0032】(実施例3)実施例1と同様の構成で、保
護層として、試料Si(OEt)4のEtOH溶液に希
塩酸を加え撹拌したものを加水分解し、さらに波長が1
40〜150nmの光を照射することにより多孔質酸化
珪素層を形成して素子を得た。多孔質層の厚さは、2μ
mとした。それ以外の構成および製造条件は全て実施例
1と同様にした。保護層の透水量は、10g/m2・da
y(JIS-Z-0208)以下であった。
【0033】(実施例4)実施例1と同様の構成で、保
護層として、SiOxからなる無機層をスパッタ法によ
り形成し、さらにその上にチタニアゾル(富士ゼロック
ス株式会社製:多孔質酸化チタン超微粒子膜用チタニア
ゾル)をスクリーン印刷法により塗布し、加水分解して
多孔質酸化チタン層を形成して素子を得た。各層の厚さ
は、無機層が15nm、多孔質層が2μmとした。それ
以外の構成および製造条件は全て実施例1と同様にし
た。保護層の透水量は、0.1g/m2・day(JIS
-Z-0208)以下であった。
【0034】(実施例5)実施例1と同様の構成で、保
護層として、光硬化性エポキシ樹脂のプレポリマーを透
明電極の表面に塗布し、加熱及びUV照射により硬化し
て有機層を形成し、さらにその上にチタニアゾル(富士
ゼロックス株式会社製:多孔質酸化チタン超微粒子膜用
チタニアゾル)をスクリーン印刷法により塗布し、加水
分解して多孔質酸化チタン層を形成して素子を得た。各
層の厚さは、有機層が1.5μm、多孔質層が2μmと
した。それ以外の構成および製造条件は全て実施例1と
同様にした。保護層の透水量は、5g/m2・day(J
IS-Z-0208)以下であった。
【0035】(実施例6)実施例1と同様の構成で、保
護層として、光硬化性樹脂のプレポリマーに珪素粉末を
混合したものを透明電極の表面に塗布し、紫外線を照射
して有機層を形成し、その上にSiOxからなる無機層
をスパッタ法により形成し、さらにその上にチタニアゾ
ル(富士ゼロックス株式会社製:多孔質酸化チタン超微
粒子膜用チタニアゾル)をスクリーン印刷法により塗布
し、加水分解して多孔質酸化チタン層を形成して素子を
得た。各層の厚さは、有機層が1μm、無機層が20n
m、多孔質層が2μmとした。それ以外の構成および製
造条件は全て実施例1と同様にした。保護層の透水量
は、0.1g/m2・day(JIS-Z-0208)以下
であった。
【0036】(比較例1)保護層を有さない点を除き、
実施例1と同様の構成とした。また、材料や製造条件も
実施例1と同様とした。
【0037】こうして作製した発光素子の、陽極として
の透明電極と陰極としての反射電極との間に、温度60
℃の雰囲気下において、電圧10Vを連続的に印加して
発光素子の耐久性試験を行った。この時の500時間経
過時および1000時間経過時における発光素子の相対
輝度(%)を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】このように、本発明は、保護層を付加する
ことにより、従来技術と比べ、すべての発光素子の信頼
性が向上したことがわかる。有機層の上に無機層を形成
した実施例2の素子については、実施例1(無機層の
み)の素子の場合より相対輝度が低い。これは、透水量
のデータにあるように無機層の形成方法の相違が影響し
たものであるが、他方において、実施例2では無機層の
クラック率の減少により歩留まりが向上する等の利点が
ある。また、実施例3〜6において、多孔質層表面にお
ける波長550nmの光の反射率は0.5%以下であ
り、ガラス表面に比べ(約8%)、極めて低い値である
ため、反射防止層としての機能も有することがわかる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電極上に保護層を設けることにより、電極の腐食、酸
化、および有機発光層の吸湿、劣化を防止することが可
能になり、高寿命、かつ信頼性の高い発光素子を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の発光素子を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例の発光素子を示す断面図で
ある。
【図3】本発明のさらに他の実施例の発光素子を示す断
面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施例の発光素子を示す断
面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例の発光素子を示す断
面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例の発光素子を示す断
面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例の発光素子を示す断
面図である。
【図8】従来の発光素子の断面図である。
【図9】従来の他の発光素子の断面図である。
【図10】従来のさらに他の発光素子の断面図である。
【図11】図9又は図10の発光素子を用いた表示パネ
ルを示す断面図である。
【符号の説明】
1 発光素子 2 保護層 2a 有機材料層 2b 無機材料層 3 発光領域 3a 正孔輸送層 3b 発光層 3c 電子輸送層 4 反射電極 5、12 透明電極 10、21 基板 11 反射層 20 反射防止層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐谷 裕司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 杉浦 久則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB03 AB13 AB18 BB01 BB02 BB05 CA00 CA01 CA05 CA06 CB01 CC01 DA00 DB03 EB00 EC00 FA01 FA02 FA03

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも第一電極、有機材料
    を含む発光層および第二電極が積層され、前記第二電極
    上にガスバリア性を有する保護層を具備する有機発光素
    子。
  2. 【請求項2】 前記保護層が、無機粉体が分散した有機
    材料からなる請求項1記載の有機発光素子。
  3. 【請求項3】 前記無機粉体が、珪素またはアルミニウ
    ムを含む請求項2記載の有機発光素子。
  4. 【請求項4】 前記保護層が、多孔質である請求項1記
    載の有機発光素子。
  5. 【請求項5】 前記保護層が、酸化珪素または酸化チタ
    ンを含む請求項4記載の有機発光素子。
  6. 【請求項6】 前記保護層が、複数の層を有する請求項
    1記載の有機発光素子。
  7. 【請求項7】 前記複数の層のうち、少なくとも一層が
    無機材料からなる請求項6記載の有機発光素子。
  8. 【請求項8】 前記無機材料が、珪素、錫、亜鉛、タン
    タル、チタン、クロムおよびアルミニウムからなる群よ
    り選択される一種の酸化物を含む請求項7記載の有機発
    光素子。
  9. 【請求項9】 前記無機材料が、珪素、錫、亜鉛、タン
    タル、チタン、クロムおよびアルミニウムからなる群よ
    り選択される一種の窒化物を含む請求項7記載の有機発
    光素子。
  10. 【請求項10】 前記複数の層のうち、少なくとも一層
    が有機材料を含む請求項6記載の有機発光素子。
  11. 【請求項11】 前記有機材料が、エポキシ系樹脂から
    なる請求項10記載の有機発光素子。
  12. 【請求項12】 前記有機材料が、アクリル系樹脂から
    なる請求項10記載の有機発光素子。
  13. 【請求項13】 前記複数の層のうち、少なくとも一層
    が無機粉体が分散した有機材料からなる請求項6記載の
    有機発光素子。
  14. 【請求項14】 前記無機粉体が、珪素またはアルミニ
    ウムを含む請求項13記載の有機発光素子。
  15. 【請求項15】 前記保護層が、前記第二電極に密着し
    て配された有機材料層と、前記有機材料層上に形成され
    た無機材料層を含む請求項6記載の有機発光素子。
  16. 【請求項16】 前記複数の層のうち、少なくとも一層
    が多孔質である請求項6記載の有機発光素子。
  17. 【請求項17】 前記保護層が、酸化珪素または酸化チ
    タンを含む請求項16記載の有機発光素子。
  18. 【請求項18】 多孔質の層が最上層に配された請求項
    16記載の有機発光素子。
  19. 【請求項19】 前記保護層が、前記電極および発光層
    の側壁面を覆う請求項1記載の有機発光素子。
  20. 【請求項20】 基板と、前記基板上に少なくとも第一
    電極、有機材料を含む発光層および第二電極が積層され
    た複数の有機発光素子と、前記基板の表面に複数の前記
    発光素子を覆って配された外面が平坦である保護層と、
    を具備する表示パネル。
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