JP2002357828A - 液晶パネル - Google Patents

液晶パネル

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JP2002357828A
JP2002357828A JP2001163695A JP2001163695A JP2002357828A JP 2002357828 A JP2002357828 A JP 2002357828A JP 2001163695 A JP2001163695 A JP 2001163695A JP 2001163695 A JP2001163695 A JP 2001163695A JP 2002357828 A JP2002357828 A JP 2002357828A
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liquid crystal
substrate
color filter
crystal panel
transparent electrode
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JP2001163695A
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English (en)
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Shirou Sumida
祉朗 炭田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のカラーフィルターオンアレイ構成の液
晶パネルでは、カラーフィルター重ね合わせ領域等の段
差により配向異常が発生しやすいという課題があった。 【解決手段】 カラーフィルター層重ね合わせ部25の
段差や、スイッチング素子3上の遮光層21による段差
等の各画素内の表面段差を1.9μm未満、段差の傾斜
部の基板表面となす角度(テーパー角)を10度以下と
することにより、液晶配向の異常を無くし、表示品質の
良好なツイストネマティック方式の液晶パネルを得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一基板上にスイ
ッチング素子とカラーフィルター層と透明電極膜を、対
向基板上に透明電極を、それぞれ具備する液晶パネルに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術について、図6を用いて説明
する。
【0003】図6に示す従来のカラーフィルター基板と
アレイ基板を貼り合わせる構成の液晶パネルの場合、ア
レイ基板上の配線パターン(ソース配線31等)による
段差や、配線パターンと画素電極41間の電界によって
生じる液晶材料5の配向異常を隠蔽するために、各画素
間に遮光層(ブラックマトリクス層)21を配置する必
要があった。更に貼り合わせ時の、両基板上形成されて
いるアレイパターンとカラーフィルターパターンの位置
合わせズレも考慮すると、ブラックマトリクス層21の
幅を一定以上に広く設計する必要があった。
【0004】このブラックマトリクス層21の必要線幅
は、パネルの解像度とは無関係に、貼り合わせ時のアラ
イメント精度によって決定されるので、液晶パネルの解
像度が向上して画素寸法が小さくなればなるほど、ブラ
ックマトリクス21の面積比率は大きくなり、パネル透
過率が小さくなってしまうという課題があった。
【0005】近年、スイッチング素子3等のアレイパタ
ーン上にカラーフィルター層2を形成し(COA基
板)、対向基板上には画素パターンのない透明電極4
(対向透明電極基板)のみを形成するというカラーフィ
ルターオンアレイ構成(COA構成)が提案されている
(図1、図2参照)。
【0006】このCOA構成の場合、アレイ基板上にカ
ラーフィルター層2を形成する事によって、アレイ配線
パターンの段差や画素電極41間の電界による液晶配向
への影響をほとんど除外する事が可能である。
【0007】また、図1のようにカラーフィルター層2
の上に更にオーバーコート層5を形成する事により、基
板上のカラーフィルター重ね合わせ部25や、スイッチ
ング素子3上の遮光層(ブラックマトリクス層)21に
よる段差を平坦化し、段差による液晶配向に及ぼす影響
を、最小限に留める事ができる。このオーバーコート層
5には、カラーフィルター層2から液晶層5に不純物が
溶出して発生する焼き付けや、フリッカー等の表示品質
の劣化を防止する効果もある。
【0008】更には対向基板の透明電極4には画素パタ
ーンが無いため、±数μm以下の精度が必要であった両
基板間の貼り合わせアライメント精度も、±400μm
程度まで緩和する事ができる。
【0009】以上のようにCOA構成の場合、画素間境
界部の遮蔽にはアレイ配線を用いれば十分であり、ブラ
ックマトリクス層21を特別に形成する必要はない。
(遮光層21は、スィッチング素子3の遮蔽と、シール
際額縁形成のためにのみ形成。)このために開口率(パ
ネル透過率)を向上させる事が可能であり、高解像度の
液晶パネルを実現する事ができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年の液晶パ
ネル製造コスト削減の要求の高まりに対応するために、
上記オーバーコート層5の省略が提案されている(図
2)。オーバーコート層5を省略した場合には、基板上
のカラーフィルター重ね合わせ部25や、スイッチング
素子3上の遮光層21による段差により液晶配向異常が
発生しやすくなるが、この配向異常領域を覆い隠すため
に、段差部分のソース配線31等の幅を広くする必要が
ある。このために液晶パネルの開口率(パネル透過率)
が低下してしまうという課題があった。
【0011】また、カラーフィルター層2からの不純物
の溶出対策としてオーバーコート層5を形成する場合で
あっても、パネル組み立て後の熱処理時や真空注入時
に、オーバーコート層5から水分が放出して表示欠陥と
なる場合がある。この水分の放出量を最小限に留めるた
めに、オーバーコート層5をできるだけ薄膜化する事が
試みられているが、この場合にも基板表面の平滑性が低
下し、段差による配向異常が発生しやすくなるという課
題があった。
【0012】本発明の目的は、カラーフィルターオンア
レイ構成の液晶パネルにおいて基板表面の段差による配
向異常の無い表示品質の安定した液晶パネルを提供する
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液晶パネ
ルは、スイッチング素子とカラーフィルター層と透明電
極膜とを具備する基板と、対向する透明電極を具備する
基板とによって液晶材料を挟持してなるツイストネマテ
ィック方式液晶パネルであって、基板の各画素内の表面
段差が1.9μm未満である事を特徴とする。
【0014】請求項2記載の液晶パネルは、スイッチン
グ素子とカラーフィルター層と透明電極膜とを具備する
基板と、対向する透明電極を具備する基板とによって液
晶材料を挟持してなるツイストネマティック方式液晶パ
ネルであって、基板の各画素内の表面段差の傾斜部の表
示領域表面となす角度が10度以下である事を特徴とす
る。
【0015】請求項3記載の液晶パネルは、スイッチン
グ素子とカラーフィルター層と透明電極膜とを具備する
基板と、対向する透明電極を具備する基板とによって液
晶材料を挟持してなるツイストネマティック方式液晶パ
ネルであって、カラーフィルター層の各色の重なりによ
って生じる段差が1.9μm未満であり、段差の傾斜部
の表示領域表面となす角度が10度以下である事を特徴
とする。
【0016】請求項4記載の液晶パネルは、スイッチン
グ素子とカラーフィルター層と透明電極膜とを具備する
基板と、対向する透明電極を具備する基板とによって液
晶材料を挟持してなるツイストネマティック方式液晶パ
ネルであって、スイッチング素子上遮蔽のための遮光層
によって生じる段差が1.9μm未満であり、段差の傾
斜部の表示領域表面となす角度が10度以下である事を
特徴とする。
【0017】請求項5記載の液晶パネルは、請求項2,
3または4記載の液晶パネルにおいて、表示画素内にあ
る段差の底部から傾斜にそって、段差の高さに対して1
0%の高さの点と、90%の高さの点を結ぶ直線の、表
示領域表面となす角度を10度以下とする事を特徴とす
る。
【0018】請求項6記載の液晶パネルは、スイッチン
グ素子とカラーフィルター層と透明電極膜とを具備する
基板と、対向する透明電極を具備する基板とによって液
晶材料を挟持してなるツイストネマティック方式液晶パ
ネルであって、カラーフィルター層上にオーバーコート
層が無く、基板の各画素内の表面段差が1.9μm未満
であり、段差の傾斜部の表示領域表面となす角度が10
度以下である事を特徴とする。
【0019】請求項7記載の液晶パネルは、スイッチン
グ素子とカラーフィルター層と透明電極膜とを具備する
基板と、対向する透明電極を具備する基板とによって液
晶材料を挟持してなるツイストネマティック方式液晶パ
ネルであって、基板の表示画素内の表面段差が1.9μ
m未満であり、段差の、液晶分子を配向させるためのラ
ビング処理時にラビング布によって擦られる向きの裏側
にある傾斜部の表示領域表面となす角度が10度以下、
表側にある傾斜部の基板表面となす角度が28度以下で
ある事を特徴とする。
【0020】請求項8記載の液晶パネルは、請求項7記
載の液晶パネルにおいて、表示画素内にある段差の底部
から傾斜にそって、段差の高さに対して10%の高さの
点と、90%の高さの点を結ぶ直線の表示領域表面とな
す角度を、ラビング布によって擦られる向きの裏側にあ
る傾斜部で10度以下、表側にある傾斜部で28度以下
とする事を特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本実施の形態1
では、カラーフィルター層2の重ね合わせ具合によっ
て、さまざまな形状の段差を形成したカラーフィルター
基板を用いてツイステッドネマティック方式の液晶パネ
ルを作製し、その液晶配向安定性を調べる事によって、
段差形状と液晶配向安定性の関係を明確にした。
【0022】本実施の形態1は、図3,図4,図5を用
いて説明する。
【0023】320×400の大きさの素ガラス(アル
カリガラス)を3枚準備し、このうちの2枚に、以下の
要領でカラーフィルター層2を形成し、カラーフィルタ
ー基板を作製した(図3参照)。
【0024】第1層目のカラーフィルター層の形成 まず、2枚の基板(a,b)を洗浄後、スピンコーター
によって、アクリル系の青色カラーフィルターレジスト
を塗布し、クリーンオーブンを用いて80℃、10分の
プリベークを施した後、所定のマスクを用いてのプロキ
シミティ露光、炭酸ナトリウム水溶液による現像を実施
して、カラーフィルター層22のパターン形成を行っ
た。
【0025】パターン形成したカラーフィルター基板
を、220℃のクリーンオーブン内で1時間放置し、カ
ラーフィルター層の硬化を行った。
【0026】なお、カラーフィルターレジストの塗布工
程では、カラーフィルター層22のできあがりの膜厚
が、2.4μmとなるようにスピンコートの回転数によ
って調整した。
【0027】また、この時用いたマスクパターンは、1
5インチXGA液晶パネルのカラーフィルター用のもの
で、幅97μmのストライプが1024本平行に並んで
いる。
【0028】第2層目のカラーフィルター層の形成 第2層目のカラーフィルター層23の形成も、露光マス
クの位置合わせ以外は第1層目と同様に行った。
【0029】露光工程では、CF基板上に様々な段差を
つけるために、第1層目のパターンから故意に、時計回
りに0.01度程度回転マスクを回転させて露光した。
従って1層目と2層目の位置関係は重なっている領域、
ぴったり合わさる領域、離れている領域の3通りとな
る。
【0030】本実験はカラーフィルター基板の表面段差
と液晶配向の関係を調べるものであり、カラーフィルタ
ー層の色は関係ないので、簡単のために、第1層目と同
じ青色レジストを用い、また、カラーフィルター層23
の膜厚も、第1層目と同様に、それぞれ2.4μmとな
るようにした。
【0031】第3層目のカラーフィルター層の形成 第3層目のカラーフィルター層24の形成も、露光マス
クの位置合わせ以外は第1層目、2層目と同様に行っ
た。
【0032】第3層目の露光工程では、今度は、第1層
目のパターンから反時計回りに0.01度程度マスクを
回転させて露光した。
【0033】レジスト材料も、第1層め、第2層目と同
様に青色レジストを用い、またカラーフィルター層の膜
厚24も、第1層目、第2層目と同様に、2.4μmと
なるようにした。
【0034】以上のように3層の青色カラーフィルター
層22,23,24を作製したガラス基板の表面に、ス
パッタリング処理によってシート抵抗20〜30Ωの透
明電極(ITO)4を製膜して、図3に示すカラーフィ
ルター基板a,bを作製した。
【0035】残りの1枚の素ガラス(アルカリガラス)
にも、同様にスパッタリング処理によって、20〜30
Ωの透明電極(ITO)4を製膜し、対向の透明電極基
板を作製した。
【0036】次に、以上のようにして作製した2枚のカ
ラーフィルター基板a,bのうちの1枚aと1枚の透明
電極基板を貼り合わせてツイステッドネマティック方式
の液晶パネル(図4)を作製した。なお、残り1枚のカ
ラーフィルター基板bは表面段差を測定するためのサン
プルとした。
【0037】まず、カラーフィルター基板と透明電極基
板を洗浄後、配向膜印刷、配向膜硬化、所定の方向6へ
のラビング処理を行った。
【0038】この時の配向膜材料はポリイミド系のもの
を用い、配向膜硬化は、クリーンオーブンにて80℃、
15分で溶剤乾燥後、220℃、1時間で加熱重合を行
った。配向膜の膜厚は500〜800オングストローム
であった。(図4では簡単のため、配向膜を省略してい
る。) また、ラビング処理は、ラビング布としてレーヨンの布
を用いて、毛足の先が0.3mm〜0.4mmだけ基板
表面に接触するように設定して実施した。
【0039】次に、カラーフィルター基板にシール印刷
を、また対向透明電極基板にはスペーサー粒子散布を施
した。
【0040】この時、シール材料として熱硬化型のエポ
キシ樹脂を用い、樹脂中には繊維径4.5μmのガラス
ファイバーを2.0%混入した。また、スペーサー粒子
には粒径4.5μmのジビニルベンゼン系のものを用い
て、散布数は1平方mm当たり、100〜150個であ
った。
【0041】これらのカラーフィルター基板と透明電極
基板を貼り合せた後に、シール硬化後、ガラス割断、液
晶の真空注入、注入口封止の所定の工程を実施して、液
晶パネルを作製した。
【0042】シール硬化はクリーンオーブンを用いて1
50℃、1時間の加熱によって行った。
【0043】これらの液晶パネルに1kHzの矩形電圧
を印加して点灯表示し、液晶の配向安定性を顕微鏡観察
した。この液晶パネルの両側の基板ともITOのパター
ン形成を実施していないため、点灯表示は全面ベタパタ
ーンにて行った。
【0044】また、液晶パネル組み立てに用いなかった
カラーフィルター基板bの表面段差の形状(高さ、テー
パー角)を、触針式段差計を用いて測定した。
【0045】この作製した液晶パネルを用いると、表示
面内でカラーフィルター基板の表面段差形状(段差の高
さ、テーパー角)が連続的に変化しているため、液晶配
向の安定領域や不安定領域と表面段差形状の関係を容易
に観察する事ができる。
【0046】なお、表示画素内にある段差の底部から傾
斜にそって、段差高さに対して10%の高さ点と90%
の高さの点を結ぶ直線の表示領域表面となす角度をテー
パー角と定義した(図5)。
【0047】以上のようにして調べた表面段差形状と、
配向安定性の関係を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1より、以下の事が判明した。なお配向
異常は電圧印加時にドメインとして発生した。 1.配向異常の発生はラビング方向6と相関があり、段
差の裏側(陰領域・領域ア、ウ)の方が段差の表側(領
域イ、エ)よりも発生しやすい。 2.段差の高さが1.9μm未満では、配向異常が発生
しない。 3.ラビング方向6に対して段差の裏側では、傾斜のテ
ーパー角10度以下の場合には配向異常の発生はない。 4.ラビング方向6に対して段差の表側では、傾斜のテ
ーパー角28度以下の場合には配向異常の発生はない。
【0050】以上の実験から、段差と配向異常の関係を
明らかにする事ができた。なお、本実験は青色カラーフ
ィルター層の重ね合わせ部の段差を用いて行ったが、そ
の他の基板の表面段差に関しても適用する事ができる。
また、段差形状が同じであれば、カラーフィルターの形
成方法や色、オーバーコートの有無等にも関係なく適用
できる。
【0051】(実施の形態2)実施の形態1の結果に沿
って、実際に15インチXGATFTツイステッドネマ
ティック液晶パネルを作製して、配向異常の無い良好な
表示品位が得られる事を確認した。実施の形態2に関し
ては、図2を用いて説明する。
【0052】まずカラーフィルターオンアレイ(CO
A)基板を作製する。
【0053】320×400×0.7tのTFTアレイ
基板(コーニング社製1737)を2枚準備し、洗浄
後、スピンコーターによって、アクリル系の赤色カラー
フィルターレジストを塗布した。クリーンオーブンを用
いて80℃、10分のプリベークを施した後、所定のマ
スクを用いてのプロキシミティ露光、炭酸ナトリウム水
溶液による現像を実施して、赤色カラーフィルター層2
のパターン形成を行った。
【0054】パターン形成したカラーフィルター基板を
クリーンオーブン内で、150℃で1時間放置した後、
更に220℃で1時間放置し、カラーフィルター層2の
硬化を行った。
【0055】なお、カラーフィルターレジストの塗布工
程では、カラーフィルター層2のできあがりの膜厚が、
2.0μmとなるようにスピンコートの回転数によって
調整した。
【0056】また、この時用いたマスクパターンは、1
5インチXGA液晶パネルのカラーフィルター用のもの
で、幅99μmストライプ上に、20μmφの穴が空い
たパターンが1024本平行に並んでいる。この穴は、
アレイのソースドレインパターンと画素電極の導通用の
コンタクトホール32となる。
【0057】続いて、緑色カラーフィルター層2のパタ
ーンと、青色カラーフィルター層2のパターンを同様の
手順で順次作製した。
【0058】なお、この時のカラーフィルター層の仕上
がり膜厚が、緑色層1.9μm、赤色層1.8μmとな
るように、スピンコートの回転数によって調整した。
【0059】更に、3色のカラーフィルター層と同様の
手順で遮光層用のマスクを用いて、TFTスイッチング
素子3の遮蔽とシール際額縁形成のための樹脂遮光層
(ブラックマトリクス層)21を形成した。
【0060】この時の樹脂遮光層21の仕上がり膜厚
が、1.0μmとなるように、スピンコートの回転数に
よって調整した。
【0061】この2枚のカラーフィルター付きアレイ基
板上にスパッタリングによってITOを製膜した後、フ
ォトリソ法によってITOパターン形成を施して、画素
電極41を形成し、COA基板を完成した。
【0062】また、対向基板として320×400×
0.7tのガラス基板(コーニング社製1737基板)
を準備し、所定パターンのマスクを介したスパッタリン
グによってITOパターン4を形成、対向透明電極基板
を作製した。
【0063】次に、以上のようにした作製した2枚のC
OA基板のうち1枚と透明電極基板を貼り合わせてツイ
ステッドネマティック方式のTFT液晶パネルを作製し
た。
【0064】なお、残り1枚のCOA基板は表面段差を
測定するためのサンプルとした。
【0065】まず、COA基板と透明電極基板を洗浄
後、配向膜印刷、配向膜硬化、所定の方向へのラビング
処理を行った。
【0066】この時の配向膜材料はポリイミド系のもの
を用い、配向膜硬化は、クリーンオーブンにて80℃、
15分で溶剤乾燥後、220℃、1時間で加熱重合を行
った。配向膜の膜厚は500〜800オングストローム
であった。
【0067】また、ラビング処理は、ラビング布として
レーヨンの布を用いて、毛足の先が0.3mm〜0.4
mmだけ基板表面に接触するように設定して実施した。
【0068】次に、カラーフィルター基板にシール印刷
を、また対向透明電極基板には導電ペイント塗布とスペ
ーサー粒子散布を施した。
【0069】この時、シール材料として熱硬化型のエポ
キシ樹脂を用い、樹脂中には繊維径5.5μmのガラス
ファイバーを2.0%混入した。また、スペーサー粒子
には粒径4.5μmのジビニルルベンゼン系のものを用
いて、散布数は1平方mm当たり、100〜150個で
あった。
【0070】これらのカラーフィルター基板と透明電極
基板を貼り合せた後に、シール硬化後、ガラス割断、液
晶の真空注入、注入口封止の所定の工程を実施して、液
晶パネルを作製した。
【0071】シール硬化はクリーンオーブンを用いて1
50℃、1時間の加熱によって行った。
【0072】この液晶パネルに周辺回路を実装し、バッ
クライト等の光学部品を組み込んで、ツイステッドネマ
ティック方式のTFT液晶モジュールを作製した。
【0073】この液晶モジュールを駆動、点灯して、配
向異常の発生の無い良好な表示品質が得られる事を確認
した。
【0074】また、パネル組み立てに用いなかったCO
A基板を、触針式段差計で測定して、基板の表面段差を
測定した。結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】このCOA基板のカラーフィルターパター
ンは各色がソース配線31上で重ならないように設計さ
れているが、実際には、露光機のパターンニング精度の
限界があるため、最大3μmの重なりがあった。
【0077】表2にあるように、このCOA基板表面の
段差高さの最大は、青色カラーフィルター層と赤色カラ
ーフィルター層の重なり部分で1.7μm、テーパー角
の最大は、スイッチング素子上の遮光層による傾斜部分
で9.4度であった。これらはいずれも、実施の形態1
で調べた液晶配向が安定して得られる形状である事が確
認できた。
【0078】以上のように、図1や図2に示すカラーフ
ィルターオンアレイ構成の液晶パネルにおいて、液晶の
配向を安定させるために、本発明の液晶パネルでは、カ
ラーフィルター層重ね合わせ部25の段差や、スイッチ
ング素子3上の遮光層21による段差等の各画素内の表
面段差を1.9μm未満、段差の傾斜部の基板表面とな
す角度(テーパー角)を10度以下とする事が効果的で
ある。
【0079】更に、上記の液晶配向を安定させるための
段差傾斜部の角度は、液晶配向処理であるラビング処理
のラビング方向6(ラビング布によって擦られる向き)
によっても異なる(図3)。段差の裏側となってラビン
グ布よる処理が困難な側の傾斜部(陰領域・領域ア、
ウ)のテーパー角は10°以下とする事が必要である
が、段差の表側のラビング布にさらされる側の傾斜部
(領域イ、エ)のテーパー角は28°以下であれば、十
分に液晶の配向安定性を得る事ができる。
【0080】また、段差形状(高さ、テーパー角)は、
例えばカラーフィルター層2の膜厚、カラーフィルター
層形成時の露光、現像条件、パターン形成後の熱処理
(ポストベーク)条件等によって制御する事が効果的で
ある。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液晶配向
の安定した表示品質の良好なカラーフィルターオンアレ
イ構成の、ツイステッドネマティック液晶パネルを得る
事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶パネル(オーバーコート付き)を
示す概略断面図
【図2】本発明の液晶パネル(オーバーコート無し)を
示す概略断面図
【図3】本発明の実施の形態1に用いたカラーフィルタ
ー基板を示す概略平面図および断面図
【図4】本発明の実施の形態1に用いた液晶パネルを示
す概略断面図
【図5】段差の傾斜テーパー角の定義を示す概略図
【図6】従来の液晶パネルを示す概略断面図
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 カラーフィルター層 21 遮光層(ブラックマトリクス層) 22 カラーフィルター層(第1層目) 23 カラーフィルター層(第2層目) 24 カラーフィルター層(第3層目) 25 カラーフィルター層の重ね合わせ部 3 スイッチング素子 31 ソース配線 32 コンタクトホール 4 透明電極 41 画素透明電極 5 オーバーコート 6 ラビング方向 7 表示領域表面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング素子とカラーフィルター層
    と透明電極膜とを具備する基板と、対向する透明電極を
    具備する基板とによって液晶材料を挟持してなるツイス
    トネマティック方式液晶パネルであって、 前記基板の各画素内の表面段差が1.9μm未満である
    事を特徴とする液晶パネル。
  2. 【請求項2】 スイッチング素子とカラーフィルター層
    と透明電極膜とを具備する基板と、対向する透明電極を
    具備する基板とによって液晶材料を挟持してなるツイス
    トネマティック方式液晶パネルであって、 前記基板の各画素内の表面段差の傾斜部の表示領域表面
    となす角度が10度以下である事を特徴とする液晶パネ
    ル。
  3. 【請求項3】 スイッチング素子とカラーフィルター層
    と透明電極膜とを具備する基板と、対向する透明電極を
    具備する基板とによって液晶材料を挟持してなるツイス
    トネマティック方式液晶パネルであって、 前記カラーフィルター層の各色の重なりによって生じる
    段差が1.9μm未満であり、前記段差の傾斜部の表示
    領域表面となす角度が10度以下である事を特徴とする
    液晶パネル。
  4. 【請求項4】 スイッチング素子とカラーフィルター層
    と透明電極膜とを具備する基板と、対向する透明電極を
    具備する基板とによって液晶材料を挟持してなるツイス
    トネマティック方式液晶パネルであって、 前記スイッチング素子上遮蔽のための遮光層によって生
    じる段差が1.9μm未満であり、前記段差の傾斜部の
    表示領域表面となす角度が10度以下である事を特徴と
    する液晶パネル。
  5. 【請求項5】 表示画素内にある段差の底部から傾斜に
    そって、段差の高さに対して10%の高さの点と、90
    %の高さの点を結ぶ直線の、表示領域表面となす角度を
    10度以下とする事を特徴とする請求項2,3または4
    記載の液晶パネル。
  6. 【請求項6】 スイッチング素子とカラーフィルター層
    と透明電極膜とを具備する基板と、対向する透明電極を
    具備する基板とによって液晶材料を挟持してなるツイス
    トネマティック方式液晶パネルであって、 前記カラーフィルター層上にオーバーコート層が無く、
    基板の各画素内の表面段差が1.9μm未満であり、段
    差の傾斜部の表示領域表面となす角度が10度以下であ
    る事を特徴とする液晶パネル。
  7. 【請求項7】 スイッチング素子とカラーフィルター層
    と透明電極膜とを具備する基板と、対向する透明電極を
    具備する基板とによって液晶材料を挟持してなるツイス
    トネマティック方式液晶パネルであって、 前記基板の表示画素内の表面段差が1.9μm未満であ
    り、前記段差の、液晶分子を配向させるためのラビング
    処理時にラビング布によって擦られる向きの裏側にある
    傾斜部の表示領域表面となす角度が10度以下、表側に
    ある傾斜部の基板表面となす角度が28度以下である事
    を特徴とする液晶パネル。
  8. 【請求項8】 表示画素内にある段差の底部から傾斜に
    そって、段差の高さに対して10%の高さの点と、90
    %の高さの点を結ぶ直線の表示領域表面となす角度を、
    ラビング布によって擦られる向きの裏側にある傾斜部で
    10度以下、表側にある傾斜部で28度以下とする事を
    特徴とする請求項7記載の液晶パネル。
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