JP2002357074A - 油井からの漏油処理方法 - Google Patents
油井からの漏油処理方法Info
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- JP2002357074A JP2002357074A JP2001162842A JP2001162842A JP2002357074A JP 2002357074 A JP2002357074 A JP 2002357074A JP 2001162842 A JP2001162842 A JP 2001162842A JP 2001162842 A JP2001162842 A JP 2001162842A JP 2002357074 A JP2002357074 A JP 2002357074A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 油井からの油性成分の漏出を確実に抑えて環
境汚染を防止できる油井からの漏油処理方法を提供す
る。 【解決手段】 油井S近傍の土壌Dに、吸液して膨張す
る性質を有する吸液性ポリマー1を充填する。こうする
ことにより、油井Sから油性成分をはじめとする液体成
分が漏出しても、この吸液性ポリマーが油性成分を吸収
したり土壌をゲル化させたりするので、地表を含む周囲
への油性成分の流出や拡散を防止することができる。
境汚染を防止できる油井からの漏油処理方法を提供す
る。 【解決手段】 油井S近傍の土壌Dに、吸液して膨張す
る性質を有する吸液性ポリマー1を充填する。こうする
ことにより、油井Sから油性成分をはじめとする液体成
分が漏出しても、この吸液性ポリマーが油性成分を吸収
したり土壌をゲル化させたりするので、地表を含む周囲
への油性成分の流出や拡散を防止することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原油を採掘する油井
からの漏油処理方法に関するものである。
からの漏油処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原油を採掘するための油井は、地盤を掘
削した後、この坑井にケーシングを挿入し、ケーシング
の周囲をコンクリート等の硬化性充填材で固めることに
よって形成される。これは、ケーシング周囲からの漏油
を防止するためである。そして、油井から原油を採掘し
尽くして廃坑となったら、この使用済み油井は油性成分
の漏出防止のために閉塞処理されることになる。つま
り、原油を採掘し尽くしたとはいえ、油井内には原油が
未だ存在しており、ケーシングを伝わって油性成分が油
井外部へ漏出し地表に浮き上がる場合があるため、閉塞
処理が行われる。
削した後、この坑井にケーシングを挿入し、ケーシング
の周囲をコンクリート等の硬化性充填材で固めることに
よって形成される。これは、ケーシング周囲からの漏油
を防止するためである。そして、油井から原油を採掘し
尽くして廃坑となったら、この使用済み油井は油性成分
の漏出防止のために閉塞処理されることになる。つま
り、原油を採掘し尽くしたとはいえ、油井内には原油が
未だ存在しており、ケーシングを伝わって油性成分が油
井外部へ漏出し地表に浮き上がる場合があるため、閉塞
処理が行われる。
【0003】従来において、使用済み油井は、土砂やコ
ンクリートやセメント系スラリー等の硬化性材料を内部
や周囲に充填されることによって閉塞処理されていた。
あるいは、ケーシングを残置したままであれば、鉄板等
の蓋で覆われることにより閉塞処理されていた。
ンクリートやセメント系スラリー等の硬化性材料を内部
や周囲に充填されることによって閉塞処理されていた。
あるいは、ケーシングを残置したままであれば、鉄板等
の蓋で覆われることにより閉塞処理されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の処理方法では、油性成分の漏出防止効果
が不十分であった。すなわち、油井の周囲にコンクリー
ト等の硬化性材料を充填する方法では、時間が経つにつ
れて硬化性材料にクラックが生じたり、充填状況が十分
でない場合はケーシング内外の隙間から、油井成分が周
囲環境に流出してしまうという問題が生じていた。ま
た、ケーシングを鉄板等で蓋をする方法においても、蓋
及びケーシングが腐食して地表に油性成分が浮き上がっ
てくる場合があった。流出した油性成分は周囲の環境を
汚染する恐れがあるため、使用済み油井からの油性成分
の漏出を確実に防止する必要がある。
たような従来の処理方法では、油性成分の漏出防止効果
が不十分であった。すなわち、油井の周囲にコンクリー
ト等の硬化性材料を充填する方法では、時間が経つにつ
れて硬化性材料にクラックが生じたり、充填状況が十分
でない場合はケーシング内外の隙間から、油井成分が周
囲環境に流出してしまうという問題が生じていた。ま
た、ケーシングを鉄板等で蓋をする方法においても、蓋
及びケーシングが腐食して地表に油性成分が浮き上がっ
てくる場合があった。流出した油性成分は周囲の環境を
汚染する恐れがあるため、使用済み油井からの油性成分
の漏出を確実に防止する必要がある。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、使用済みの油井を閉塞処理する際、あるいは使
用中の油井からの油性成分の漏出を確実に抑えて環境汚
染を防止できる油井からの漏油処理方法を提供すること
を目的とする。
もので、使用済みの油井を閉塞処理する際、あるいは使
用中の油井からの油性成分の漏出を確実に抑えて環境汚
染を防止できる油井からの漏油処理方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、油井からの漏油処理方法であって、前記
油井近傍の土壌に、吸液して膨張する性質を有する吸液
性ポリマーを充填することを特徴とする。
め、本発明は、油井からの漏油処理方法であって、前記
油井近傍の土壌に、吸液して膨張する性質を有する吸液
性ポリマーを充填することを特徴とする。
【0007】本発明によれば、油井近傍の土壌に吸液性
ポリマーを充填したことにより、油井から油性成分をは
じめとする液体成分が漏出しても、この吸液性ポリマー
が液体成分を吸収するので、地表を含む周囲への油性成
分などの液体成分の流出を防止できる。土壌に充填され
た吸液性ポリマーは液体成分を吸収することによってゲ
ル化し透液係数を低下させるため、液体成分を固定化で
きるとともに流出を防止することができる。
ポリマーを充填したことにより、油井から油性成分をは
じめとする液体成分が漏出しても、この吸液性ポリマー
が液体成分を吸収するので、地表を含む周囲への油性成
分などの液体成分の流出を防止できる。土壌に充填され
た吸液性ポリマーは液体成分を吸収することによってゲ
ル化し透液係数を低下させるため、液体成分を固定化で
きるとともに流出を防止することができる。
【0008】前記吸液性ポリマーは、吸油して膨張する
性質を有する吸油性ポリマー及び吸水して膨張する性質
を有する吸水性ポリマーの少なくともいずれか一方であ
るので、油井から油性成分が漏出しても、この吸油性ポ
リマーが油性成分を吸収するので、地表を含む周囲への
油性成分の流出を防止できる。土壌に充填された吸油性
ポリマーは油性成分を吸収することによってゲル化し透
液係数を低下させるため、油性成分を固定化できるとと
もに流出を防止することができる。また、油井近傍の土
壌に吸水性ポリマーを充填したことにより、油井内外に
ある隙間から上昇してくる水分又は既に存在する水分を
吸水することによってゲル化し、透液係数を低下させる
ため、油性成分の上昇及び地表を含む周囲への油性成分
の拡散を防止できる。
性質を有する吸油性ポリマー及び吸水して膨張する性質
を有する吸水性ポリマーの少なくともいずれか一方であ
るので、油井から油性成分が漏出しても、この吸油性ポ
リマーが油性成分を吸収するので、地表を含む周囲への
油性成分の流出を防止できる。土壌に充填された吸油性
ポリマーは油性成分を吸収することによってゲル化し透
液係数を低下させるため、油性成分を固定化できるとと
もに流出を防止することができる。また、油井近傍の土
壌に吸水性ポリマーを充填したことにより、油井内外に
ある隙間から上昇してくる水分又は既に存在する水分を
吸水することによってゲル化し、透液係数を低下させる
ため、油性成分の上昇及び地表を含む周囲への油性成分
の拡散を防止できる。
【0009】前記土壌と前記吸液性ポリマーとを攪拌す
ることにより、油井近傍の土壌に対して吸液性ポリマー
を均一に充填することができる。したがって、油性成分
の流出防止効果を向上することができる。更に、吸液性
ポリマーが均一に充填されるので、油井内外にある隙間
から上昇してくる水分又は既に存在する水分を吸水して
均一にゲル化し、油性成分の上昇防止効果及び周囲への
拡散防止効果を向上できる。
ることにより、油井近傍の土壌に対して吸液性ポリマー
を均一に充填することができる。したがって、油性成分
の流出防止効果を向上することができる。更に、吸液性
ポリマーが均一に充填されるので、油井内外にある隙間
から上昇してくる水分又は既に存在する水分を吸水して
均一にゲル化し、油性成分の上昇防止効果及び周囲への
拡散防止効果を向上できる。
【0010】前記吸液性ポリマーとともに、セメント物
質を含む硬化性材料を充填することにより、ゲル化した
ポリマーを含む土壌を硬化して油性成分の流出防止効果
を長期間維持することができる。
質を含む硬化性材料を充填することにより、ゲル化した
ポリマーを含む土壌を硬化して油性成分の流出防止効果
を長期間維持することができる。
【0011】前記吸液性ポリマーが充填された土壌に対
応する地表に光を遮蔽する遮蔽部材を設けることによ
り、例えばポリマーが太陽光に含まれる紫外線によって
変性するものであっても、このポリマーの変性を抑え、
油性成分の流出防止効果を長期間維持することができ
る。
応する地表に光を遮蔽する遮蔽部材を設けることによ
り、例えばポリマーが太陽光に含まれる紫外線によって
変性するものであっても、このポリマーの変性を抑え、
油性成分の流出防止効果を長期間維持することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の油井からの漏油処
理方法について図面を参照しながら説明する。図1は油
井Sを示す図であって、図1(a)は側方断面図、図1
(b)は図1(a)のA−A矢視図である。
理方法について図面を参照しながら説明する。図1は油
井Sを示す図であって、図1(a)は側方断面図、図1
(b)は図1(a)のA−A矢視図である。
【0013】図1において、油井Sは、地盤Bを掘削
し、掘削することによって形成された坑井にケーシング
Kを挿入したものであって、原油が採掘され、やがて採
掘し尽くされた廃坑状態のものである。すなわち、図1
に示す油井Sは使用済み油井で、ケーシングを残置して
いる例である。
し、掘削することによって形成された坑井にケーシング
Kを挿入したものであって、原油が採掘され、やがて採
掘し尽くされた廃坑状態のものである。すなわち、図1
に示す油井Sは使用済み油井で、ケーシングを残置して
いる例である。
【0014】油井S近傍の土壌Dには吸油性ポリマー
(吸液性ポリマー)1が充填されている。この吸油性ポ
リマー1は、油性成分を吸収することによって膨張する
性質を有するものである。
(吸液性ポリマー)1が充填されている。この吸油性ポ
リマー1は、油性成分を吸収することによって膨張する
性質を有するものである。
【0015】本発明で用いられる吸油性ポリマー1とし
ては、例えば、溶解度パラメーター(SP値)が18.
4以下の単量体Mを主成分としてなる分子中に1個の重
合性基を有する単量体Mを重合して得られる吸油性重合
体(A)が挙げられる。溶解度パラメーター(SP値)
が18.4を越える単量体を単量体Mの主成分に用いる
と、油吸収力の高い重合体が得られず、必要添加量が増
加したりするため好ましくない。なお、溶解度パラメー
ター(SP値)は、化合物の極性を表す尺度として一般
に用いられており、本発明ではSmallの計算式にH
oyの凝集エネルギー定数を代入して導いた値を適用す
るものとし、単位は(J/cm3)1/2で表される。
ては、例えば、溶解度パラメーター(SP値)が18.
4以下の単量体Mを主成分としてなる分子中に1個の重
合性基を有する単量体Mを重合して得られる吸油性重合
体(A)が挙げられる。溶解度パラメーター(SP値)
が18.4を越える単量体を単量体Mの主成分に用いる
と、油吸収力の高い重合体が得られず、必要添加量が増
加したりするため好ましくない。なお、溶解度パラメー
ター(SP値)は、化合物の極性を表す尺度として一般
に用いられており、本発明ではSmallの計算式にH
oyの凝集エネルギー定数を代入して導いた値を適用す
るものとし、単位は(J/cm3)1/2で表される。
【0016】本発明で用いられる単量体Mの主成分を構
成する単量体は、溶解度パラメーター(SP値)が1
8.4以下で分子中に1個の重合性不飽和基を有する単
量体であることが好ましく例えば、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチ
ル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、オクチルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフ
ェニル(メタ)アクリレート、ジノニルフェニル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、メンチル(メタ)アクリレート、ジブチルマレエー
ト、ジドデシルマレエート、ドデシルクロトネート、ジ
ドデシルイタコネートなどの不飽和カルボン酸エステ
ル;(ジ)ブチル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ドデ
シル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ステアリル(メ
タ)アクリルアミド、(ジ)ブチルフェニル(メタ)ア
クリルアミド、(ジ)オクチルフェニル(メタ)アクリ
ルアミドなどの炭化水素基を有する(メタ)アクリルア
ミド;エチレン、プロピレン、イソブテン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、イソオクテン、1−
ノネン、1−デセン、1−ドデセンなどのα−オレフィ
ン;ビニルシクロヘキサンなどの脂環式ビニル化合物;
ドデシルアリルエーテルなどの炭化水素基を有するアリ
ルエーテル;カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パ
ルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどの炭化水素
基を有する脂肪酸ビニルエステル;ブチルビニルエーテ
ル、ドデシルビニルエーテルなどの炭化水素基を有する
ビニルエーテル;スチレン、t−ブチルスチレン、オク
チルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;ジシクロペン
タジエン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロ
ドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、ヘキサシ
クロヘプタデセン、メチルヘキサシクロヘプタデセン、
トリシクロペンタジエン、ノルボルネン、メチルノルボ
ルネン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネ
ン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル
−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、
5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノ
ルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−ド
デシル−2−ノルボルネンなどのノルボルネン化合物な
どをあげることができ、これらの単量体を1種または2
種以上用いることができる。
成する単量体は、溶解度パラメーター(SP値)が1
8.4以下で分子中に1個の重合性不飽和基を有する単
量体であることが好ましく例えば、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチ
ル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、オクチルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフ
ェニル(メタ)アクリレート、ジノニルフェニル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、メンチル(メタ)アクリレート、ジブチルマレエー
ト、ジドデシルマレエート、ドデシルクロトネート、ジ
ドデシルイタコネートなどの不飽和カルボン酸エステ
ル;(ジ)ブチル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ドデ
シル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ステアリル(メ
タ)アクリルアミド、(ジ)ブチルフェニル(メタ)ア
クリルアミド、(ジ)オクチルフェニル(メタ)アクリ
ルアミドなどの炭化水素基を有する(メタ)アクリルア
ミド;エチレン、プロピレン、イソブテン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、イソオクテン、1−
ノネン、1−デセン、1−ドデセンなどのα−オレフィ
ン;ビニルシクロヘキサンなどの脂環式ビニル化合物;
ドデシルアリルエーテルなどの炭化水素基を有するアリ
ルエーテル;カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パ
ルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどの炭化水素
基を有する脂肪酸ビニルエステル;ブチルビニルエーテ
ル、ドデシルビニルエーテルなどの炭化水素基を有する
ビニルエーテル;スチレン、t−ブチルスチレン、オク
チルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;ジシクロペン
タジエン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロ
ドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、ヘキサシ
クロヘプタデセン、メチルヘキサシクロヘプタデセン、
トリシクロペンタジエン、ノルボルネン、メチルノルボ
ルネン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネ
ン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル
−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、
5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノ
ルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−ド
デシル−2−ノルボルネンなどのノルボルネン化合物な
どをあげることができ、これらの単量体を1種または2
種以上用いることができる。
【0017】これらの中でも、前記した性能に一層優れ
た油吸収性能を与える単量体Mとしては、少なくとも1
個の炭素数3〜30の脂肪族炭化水素基を有し且つアル
キル(メタ)アクリレート、アルキルアリール(メタ)
アクリレート、アルキル(メタ)アクリルアミド、アル
キルアリール(メタ)アクリルアミド、アルキルスチレ
ンおよびα−オレフィンからなる群より選ばれる少なく
とも1種の不飽和化合物(a)を主成分としてなるもの
が油分の吸油性能が高く好ましい。
た油吸収性能を与える単量体Mとしては、少なくとも1
個の炭素数3〜30の脂肪族炭化水素基を有し且つアル
キル(メタ)アクリレート、アルキルアリール(メタ)
アクリレート、アルキル(メタ)アクリルアミド、アル
キルアリール(メタ)アクリルアミド、アルキルスチレ
ンおよびα−オレフィンからなる群より選ばれる少なく
とも1種の不飽和化合物(a)を主成分としてなるもの
が油分の吸油性能が高く好ましい。
【0018】このような溶解度パラメーター(SP値)
が18.4以下の単量体の単量体M中における使用量
は、単量体Mの全体量に対して50重量%以上、より好
ましくは70重量%以上となる割合である。溶解度パラ
メーター(SP値)が18.4以下の単量体の単量体M
中の使用量が50重量%未満では、油吸収力の高い重合
体が得られず、必要添加量が増加したりするため好まし
くない。
が18.4以下の単量体の単量体M中における使用量
は、単量体Mの全体量に対して50重量%以上、より好
ましくは70重量%以上となる割合である。溶解度パラ
メーター(SP値)が18.4以下の単量体の単量体M
中の使用量が50重量%未満では、油吸収力の高い重合
体が得られず、必要添加量が増加したりするため好まし
くない。
【0019】したがって、本発明では単量体M中に溶解
度パラメーター(SP値)が18.4以下の単量体が5
0重量%以上含有される必要があるが、単量体M中に5
0重量%以下の割合で溶解度パラメーター(SP値)が
18.4を越える単量体が含有されてもよい。このよう
な単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、アクリ
ロニトリル、無水マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレートなどをあげることができる。
度パラメーター(SP値)が18.4以下の単量体が5
0重量%以上含有される必要があるが、単量体M中に5
0重量%以下の割合で溶解度パラメーター(SP値)が
18.4を越える単量体が含有されてもよい。このよう
な単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、アクリ
ロニトリル、無水マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレートなどをあげることができる。
【0020】本発明で用いられる吸油性重合体(A)
は、架橋重合体であることがより好ましい。これは油分
への溶解を防止するためと未架橋体はゲル強度が低下し
て取り扱いにくいためである。
は、架橋重合体であることがより好ましい。これは油分
への溶解を防止するためと未架橋体はゲル強度が低下し
て取り扱いにくいためである。
【0021】本発明で用いられる架橋性単量体として
は、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコール−ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリル
アミド、N,N´−プロピレンビス(メタ)アクリルア
ミド、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、多価アルコ
ール(例えばグリセリン、トリメチロールプロパンある
いはテトラメチロールメタン)のアルキレンオキシド付
加物と(メタ)アクリル酸とのエステル化によって得ら
れる多官能(メタ)アクリレートや、ジビニルベンゼン
などをあげることができ、これらの架橋性単量体を1種
または2種以上用いることができる。
は、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコール−ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリル
アミド、N,N´−プロピレンビス(メタ)アクリルア
ミド、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、多価アルコ
ール(例えばグリセリン、トリメチロールプロパンある
いはテトラメチロールメタン)のアルキレンオキシド付
加物と(メタ)アクリル酸とのエステル化によって得ら
れる多官能(メタ)アクリレートや、ジビニルベンゼン
などをあげることができ、これらの架橋性単量体を1種
または2種以上用いることができる。
【0022】吸油性重合体(A)を製造する際に用いら
れるより好ましい単量体成分中の単量体Mおよび架橋性
単量体の比率は、単量体M及び架橋性単量体の合計に対
して、単量体Mが96〜99.999重量%の範囲、架
橋性単量体が0.001〜4重量%の範囲である。
れるより好ましい単量体成分中の単量体Mおよび架橋性
単量体の比率は、単量体M及び架橋性単量体の合計に対
して、単量体Mが96〜99.999重量%の範囲、架
橋性単量体が0.001〜4重量%の範囲である。
【0023】単量体Mが96重量%未満であったり架橋
性単量体が4重量%を越えると、得られる架橋重合体の
架橋密度が高くなりすぎて油吸収力の高い重合体が得ら
れず、必要添加量が増加したりするため好ましくない。
また、単量体Mが99.999重量%を越えると、得ら
れる吸油性重合体(A)の油吸収力は増大するが、油へ
の微溶解が生じたり、ゲル強度が低下して取り扱い性が
悪くなるため好ましくない。
性単量体が4重量%を越えると、得られる架橋重合体の
架橋密度が高くなりすぎて油吸収力の高い重合体が得ら
れず、必要添加量が増加したりするため好ましくない。
また、単量体Mが99.999重量%を越えると、得ら
れる吸油性重合体(A)の油吸収力は増大するが、油へ
の微溶解が生じたり、ゲル強度が低下して取り扱い性が
悪くなるため好ましくない。
【0024】吸油性重合体(A)を製造するには、重合
開始剤を用いて前記単量体成分を重合すればよい。ま
た、紫外線等の光や放射線、熱等により重縮合すること
もできる。重合は、懸濁重合や塊状重合、乳化重合など
の公知の方法により行うことができる。
開始剤を用いて前記単量体成分を重合すればよい。ま
た、紫外線等の光や放射線、熱等により重縮合すること
もできる。重合は、懸濁重合や塊状重合、乳化重合など
の公知の方法により行うことができる。
【0025】懸濁重合は、例えば、高HLB値を有する
乳化剤や、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ゼラチンなどの保護コロイド剤を使用し、単
量体成分を水中に懸濁させ、油溶性重合開始剤の存在下
で重合すればよい。重合開始剤としては、例えば、ベン
ゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメン
ハイドロパーオキシドなどの有機過酸化物、2,2'−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビスジメチル
バレロニトリルなどのアゾ化合物などを用いることがで
き、重合温度は0〜150℃の範囲が好ましい。得られ
た10〜1000μ程度の微粒状樹脂の水性懸濁液を濾
過乾燥して、目的の吸油性ポリマー1が得られる。
乳化剤や、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ゼラチンなどの保護コロイド剤を使用し、単
量体成分を水中に懸濁させ、油溶性重合開始剤の存在下
で重合すればよい。重合開始剤としては、例えば、ベン
ゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメン
ハイドロパーオキシドなどの有機過酸化物、2,2'−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビスジメチル
バレロニトリルなどのアゾ化合物などを用いることがで
き、重合温度は0〜150℃の範囲が好ましい。得られ
た10〜1000μ程度の微粒状樹脂の水性懸濁液を濾
過乾燥して、目的の吸油性ポリマー1が得られる。
【0026】塊状重合は、例えば、単量体成分を上記重
合開始剤の存在下、型に流し込み、50〜150℃の条
件下に重合を行なえばよい。塊状重合で重合した後、粉
砕などの操作を加えて吸油性重合体(A)を得ることが
できる。また粒度調整を行なうことができる。
合開始剤の存在下、型に流し込み、50〜150℃の条
件下に重合を行なえばよい。塊状重合で重合した後、粉
砕などの操作を加えて吸油性重合体(A)を得ることが
できる。また粒度調整を行なうことができる。
【0027】乳化重合は、例えばアニオン系やノニオン
系もしくはそれらの複合系乳化剤を用いて単量体成分を
水中に懸濁させ、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム
などの過硫酸塩や水溶性アゾ化合物を重合開始剤に用
い、必要に応じて還元剤、pH調節剤、酸化防止剤、帯
電防止剤などを併用しながら重合することが可能であ
り、0〜150℃の条件下にて重合を行うことにより目
的の吸油性重合体(A)が得られる。
系もしくはそれらの複合系乳化剤を用いて単量体成分を
水中に懸濁させ、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム
などの過硫酸塩や水溶性アゾ化合物を重合開始剤に用
い、必要に応じて還元剤、pH調節剤、酸化防止剤、帯
電防止剤などを併用しながら重合することが可能であ
り、0〜150℃の条件下にて重合を行うことにより目
的の吸油性重合体(A)が得られる。
【0028】本発明において吸油性重合体(A)は、懸
濁重合時にホモミキサーなどによるプレ懸濁工程の導入
や重合時の攪拌動力を調節することにより、平均粒径
0.5〜500μmの範囲の粒状物とすることが好まし
い。吸油性重合体(A)の粒状物の平均粒径が0.5μ
m未満では、粒状物同士の凝集に基づくママコ現象のた
めに表面積が低下し、吸油速度の向上した吸油剤を得る
ことが困難となる。また、吸油性重合体(A)の粒状物
の平均粒径が500μmを越えると、吸油性重合体の表
面積の低下に伴って吸油速度も低下するため好ましくな
い。
濁重合時にホモミキサーなどによるプレ懸濁工程の導入
や重合時の攪拌動力を調節することにより、平均粒径
0.5〜500μmの範囲の粒状物とすることが好まし
い。吸油性重合体(A)の粒状物の平均粒径が0.5μ
m未満では、粒状物同士の凝集に基づくママコ現象のた
めに表面積が低下し、吸油速度の向上した吸油剤を得る
ことが困難となる。また、吸油性重合体(A)の粒状物
の平均粒径が500μmを越えると、吸油性重合体の表
面積の低下に伴って吸油速度も低下するため好ましくな
い。
【0029】さらに、本発明で用いられる吸油性ポリマ
ー1としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、(メタ)アクリ
ル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド、
アセチルセルロース、ポリノルボルネン、熱可塑性エラ
ストマー、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、
メラニン樹脂、ポリエステル樹脂、アリル樹脂、シリコ
ン樹脂、エポキシ樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、合成ゴ
ム、天然ゴムなどの単独重合体、共重合体、縮合物また
はそれらの樹脂の混合物を挙げることができる。
ー1としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、(メタ)アクリ
ル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド、
アセチルセルロース、ポリノルボルネン、熱可塑性エラ
ストマー、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、
メラニン樹脂、ポリエステル樹脂、アリル樹脂、シリコ
ン樹脂、エポキシ樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、合成ゴ
ム、天然ゴムなどの単独重合体、共重合体、縮合物また
はそれらの樹脂の混合物を挙げることができる。
【0030】この中で、吸油性ポリマー1として、好ま
しくは、ポリノルボルネン系のもの(商品名:ノーソレ
ックス 日本ゼオン社製)、スチレン系熱可塑性エラス
トマー(ブロックポリマーSBS、SEBS、SIS
等)および上述した吸油性重合体(A)である。
しくは、ポリノルボルネン系のもの(商品名:ノーソレ
ックス 日本ゼオン社製)、スチレン系熱可塑性エラス
トマー(ブロックポリマーSBS、SEBS、SIS
等)および上述した吸油性重合体(A)である。
【0031】図1に示すように、吸油性ポリマー1は油
井SのケーシングKの内部及び外部の土壌D1,D2に
充填されている。更に、吸油性ポリマー1はケーシング
Kの上部、すなわち地表近傍に存在する土壌D3にも充
填されている。充填の範囲、深さはその場所の含水量、
土質等から実験等を行うことにより適宜決められる。こ
こでは充填の外周部分を中心部分よりも深くすること
で、上昇してくる油の拡散を防ぐようにしている。
井SのケーシングKの内部及び外部の土壌D1,D2に
充填されている。更に、吸油性ポリマー1はケーシング
Kの上部、すなわち地表近傍に存在する土壌D3にも充
填されている。充填の範囲、深さはその場所の含水量、
土質等から実験等を行うことにより適宜決められる。こ
こでは充填の外周部分を中心部分よりも深くすること
で、上昇してくる油の拡散を防ぐようにしている。
【0032】吸油性ポリマー1が充填された土壌D(D
1〜D3)に対応する地表側には、光を遮蔽可能な遮蔽
部材2が配置されている。この遮蔽部材2はコンクリー
ト板や金属板(鉄板等)によって構成されており、吸油
性ポリマー1が充填された土壌Dに対する太陽光、特に
太陽光に含まれる紫外線の照射を遮蔽する。
1〜D3)に対応する地表側には、光を遮蔽可能な遮蔽
部材2が配置されている。この遮蔽部材2はコンクリー
ト板や金属板(鉄板等)によって構成されており、吸油
性ポリマー1が充填された土壌Dに対する太陽光、特に
太陽光に含まれる紫外線の照射を遮蔽する。
【0033】次に、土壌Dに吸油性ポリマー1を充填す
る方法について図2を参照しながら説明する。図2は吸
油性ポリマー1を土壌Dに充填する充填装置Jの一例で
ある。図2に示す充填装置Jは、攪拌翼5と攪拌軸6と
駆動装置7とを備えており、攪拌翼5を回転させること
によって土壌(地盤)Dを掘削可能となっているととも
に、攪拌翼5に設けられたポリマー噴射口5aから土壌
Dに吸油性ポリマー1を供給(充填)可能となってい
る。ここで、充填装置Jは、吸油性ポリマー1を粉体の
状態で土壌Dに充填する。
る方法について図2を参照しながら説明する。図2は吸
油性ポリマー1を土壌Dに充填する充填装置Jの一例で
ある。図2に示す充填装置Jは、攪拌翼5と攪拌軸6と
駆動装置7とを備えており、攪拌翼5を回転させること
によって土壌(地盤)Dを掘削可能となっているととも
に、攪拌翼5に設けられたポリマー噴射口5aから土壌
Dに吸油性ポリマー1を供給(充填)可能となってい
る。ここで、充填装置Jは、吸油性ポリマー1を粉体の
状態で土壌Dに充填する。
【0034】まず、図2(a)に示すように、充填装置
Jを油井(図2では不図示)近傍の所定の位置に配置
し、位置決めする。位置決めしたら、図2(b)に示す
ように、充填装置Jは攪拌翼5を回転させながら土壌
(地盤)Dに挿入する。そして、図2(c)に示すよう
に、充填装置Jは攪拌翼5を回転させながら土壌Dを所
定の深度まで掘削する。充填装置Jは攪拌翼5を用いて
土壌Dを所定の深度まで掘削したら攪拌翼5に設けられ
た噴射口5aから吸油性ポリマー1を土壌Dに向かって
噴射する。充填装置Jは、図2(d)に示すように、吸
油性ポリマー1を噴射しながら攪拌翼5を回転しつつ引
き抜く。すると、土壌Dと吸油性ポリマー1とは攪拌翼
5によって攪拌混合される。こうして、充填装置Jの攪
拌翼5によって、図2(e)に示すような、土壌Dと吸
油性ポリマー1とが攪拌混合された円柱状の改質体が形
成される。この攪拌混合動作を油井近傍の複数箇所にお
いて行うことにより、図1に示すように、吸油性ポリマ
ー1を含む円柱状の土壌Dからなる改質体が複数形成さ
れる。このようにして、油井Sの内部及び外部を含む土
壌Dに吸油性ポリマー1が充填される。充填処理の後、
土壌Dの地表側に遮蔽部材2が設置される場合がある。
Jを油井(図2では不図示)近傍の所定の位置に配置
し、位置決めする。位置決めしたら、図2(b)に示す
ように、充填装置Jは攪拌翼5を回転させながら土壌
(地盤)Dに挿入する。そして、図2(c)に示すよう
に、充填装置Jは攪拌翼5を回転させながら土壌Dを所
定の深度まで掘削する。充填装置Jは攪拌翼5を用いて
土壌Dを所定の深度まで掘削したら攪拌翼5に設けられ
た噴射口5aから吸油性ポリマー1を土壌Dに向かって
噴射する。充填装置Jは、図2(d)に示すように、吸
油性ポリマー1を噴射しながら攪拌翼5を回転しつつ引
き抜く。すると、土壌Dと吸油性ポリマー1とは攪拌翼
5によって攪拌混合される。こうして、充填装置Jの攪
拌翼5によって、図2(e)に示すような、土壌Dと吸
油性ポリマー1とが攪拌混合された円柱状の改質体が形
成される。この攪拌混合動作を油井近傍の複数箇所にお
いて行うことにより、図1に示すように、吸油性ポリマ
ー1を含む円柱状の土壌Dからなる改質体が複数形成さ
れる。このようにして、油井Sの内部及び外部を含む土
壌Dに吸油性ポリマー1が充填される。充填処理の後、
土壌Dの地表側に遮蔽部材2が設置される場合がある。
【0035】以上、吸油性ポリマー1を粉体の状態で土
壌Dに充填する場合について説明した。一方、吸油性ポ
リマー1を水などの液体と混合してスラリー化し、この
スラリー状態で土壌Dに充填することもできる。
壌Dに充填する場合について説明した。一方、吸油性ポ
リマー1を水などの液体と混合してスラリー化し、この
スラリー状態で土壌Dに充填することもできる。
【0036】図3は吸油性ポリマー1を土壌Dに充填す
る充填装置の他の例である。図3に示す充填装置J2
は、吸油性ポリマー1を含むスラリーを収容するタンク
11と、土壌に挿入される圧送管12と、圧送管12に
対してタンク11内のスラリーを圧送する圧送機13と
を備えている。
る充填装置の他の例である。図3に示す充填装置J2
は、吸油性ポリマー1を含むスラリーを収容するタンク
11と、土壌に挿入される圧送管12と、圧送管12に
対してタンク11内のスラリーを圧送する圧送機13と
を備えている。
【0037】充填装置J2を用いて吸油性ポリマー1の
充填を行う際には、まず、図3(a)に示すように、充
填装置J2を油井(図3では不図示)近傍の所定の位置
に配置して位置決めし、圧送管12を土壌(地盤)Dの
所定の深度まで挿入する。そして、図2(b)に示すよ
うに、充填装置J2は圧送機13を用いて、圧送管12
の先端から土壌D中に吸油性ポリマー1を噴射する。ス
ラリー状の吸油性ポリマー1は所定の圧力で噴射される
ことにより、土壌Dに対して攪拌混合される。
充填を行う際には、まず、図3(a)に示すように、充
填装置J2を油井(図3では不図示)近傍の所定の位置
に配置して位置決めし、圧送管12を土壌(地盤)Dの
所定の深度まで挿入する。そして、図2(b)に示すよ
うに、充填装置J2は圧送機13を用いて、圧送管12
の先端から土壌D中に吸油性ポリマー1を噴射する。ス
ラリー状の吸油性ポリマー1は所定の圧力で噴射される
ことにより、土壌Dに対して攪拌混合される。
【0038】そして、図3(c)に示すように、充填装
置J2は吸油性ポリマー1を噴射しつつ圧送管12を回
転させながら引き抜く。こうして、図3(c)に示すよ
うな、土壌Dと吸油性ポリマー1とが攪拌混合された円
柱状の改質体が形成される。この動作を油井近傍の複数
箇所において行うことにより、図1に示すように、吸油
性ポリマー1を含む円柱状の土壌Dからなる改質体が複
数形成される。このようにして、油井Sの内部及び外部
を含む土壌Dに吸油性ポリマー1が充填される。なお、
充填装置J2の圧送管12の先端に図2に示したような
攪拌翼を設け、スラリー状の吸油性ポリマー1と土壌D
とを機械的に攪拌するようにしてもよい。
置J2は吸油性ポリマー1を噴射しつつ圧送管12を回
転させながら引き抜く。こうして、図3(c)に示すよ
うな、土壌Dと吸油性ポリマー1とが攪拌混合された円
柱状の改質体が形成される。この動作を油井近傍の複数
箇所において行うことにより、図1に示すように、吸油
性ポリマー1を含む円柱状の土壌Dからなる改質体が複
数形成される。このようにして、油井Sの内部及び外部
を含む土壌Dに吸油性ポリマー1が充填される。なお、
充填装置J2の圧送管12の先端に図2に示したような
攪拌翼を設け、スラリー状の吸油性ポリマー1と土壌D
とを機械的に攪拌するようにしてもよい。
【0039】以上説明したように、油井S近傍の土壌D
に吸油性ポリマー1を充填したことにより、油井Sから
油性成分が漏出したとしても、土壌Dに充填された吸油
性ポリマー1が油性成分を吸収する。そして、土壌Dに
充填され、油性成分を吸収した吸油性ポリマー1はゲル
化し、土壌Dの透液係数を低下させる。したがって、油
井Sが漏出した油性成分は固定化され、周囲環境に流出
することがない。また、吸油性ポリマー1を含む土壌D
はゲル化することによって油性成分を閉じ込めるもので
あって、コンクリート等のようにクラックを生じる恐れ
が低減されている。したがって、周囲環境への油性成分
の流出防止効果を長期間維持することができる。
に吸油性ポリマー1を充填したことにより、油井Sから
油性成分が漏出したとしても、土壌Dに充填された吸油
性ポリマー1が油性成分を吸収する。そして、土壌Dに
充填され、油性成分を吸収した吸油性ポリマー1はゲル
化し、土壌Dの透液係数を低下させる。したがって、油
井Sが漏出した油性成分は固定化され、周囲環境に流出
することがない。また、吸油性ポリマー1を含む土壌D
はゲル化することによって油性成分を閉じ込めるもので
あって、コンクリート等のようにクラックを生じる恐れ
が低減されている。したがって、周囲環境への油性成分
の流出防止効果を長期間維持することができる。
【0040】土壌Dと吸油性ポリマー1とを攪拌するこ
とにより、油井S近傍の土壌Dに対して吸油性ポリマー
1を均一に設けることができる。したがって、油性成分
の流出防止効果を向上することができる。
とにより、油井S近傍の土壌Dに対して吸油性ポリマー
1を均一に設けることができる。したがって、油性成分
の流出防止効果を向上することができる。
【0041】吸油性ポリマー1を油井S(ケーシング
K)内部及び外部の土壌D(D1,D2)に充填するこ
とにより、油井SのケーシングKの内外を伝わって漏出
する油井成分の周囲環境への流出を確実に防止すること
ができる。
K)内部及び外部の土壌D(D1,D2)に充填するこ
とにより、油井SのケーシングKの内外を伝わって漏出
する油井成分の周囲環境への流出を確実に防止すること
ができる。
【0042】また、吸油性ポリマー1を地表近傍の土壌
D3にも充填することにより、油井Sから地表を含む周
辺地盤への油性成分の流出を効果的に抑えることができ
る。
D3にも充填することにより、油井Sから地表を含む周
辺地盤への油性成分の流出を効果的に抑えることができ
る。
【0043】吸油性ポリマー1が充填された土壌Dに対
応する地表に光を遮蔽する遮蔽部材2を設けたことによ
り、ポリマーが太陽光に含まれる紫外線によって変性す
るものであっても、このポリマーの変性を抑え、油性成
分の流出防止効果を長期間維持することができる。
応する地表に光を遮蔽する遮蔽部材2を設けたことによ
り、ポリマーが太陽光に含まれる紫外線によって変性す
るものであっても、このポリマーの変性を抑え、油性成
分の流出防止効果を長期間維持することができる。
【0044】ところで、上記実施形態においては、土壌
Dに対して吸油性ポリマー1のみを充填しているが、他
の物質とともに吸油性ポリマー組成物として充填するこ
とができる。例えば、土壌Dに対して、吸油性ポリマー
1とともに、吸水して膨張する性質を有する吸水性ポリ
マー(吸液性ポリマー)を含む組成物を充填することも
できる。または、吸水性ポリマーのみを充填することで
もよい。本発明における吸水性ポリマーを含む組成物と
は、吸水性ポリマー単独もしくは水溶性のポリマー、水
硬性物質、無機粒子、イオン交換性物質、繊維、キレー
ト剤、pH調整剤からなる群より選ばれる1種または2
種以上との混合物もしくは複合体からなるものである。
本発明における吸水性ポリマーとは、水と接触して吸水
膨潤するものを指し、吸水性ポリマーであればその種
類、形状、架橋の程度等は特に限定されるものではな
い。具体的には、例えば、アクリル酸−アクリル酸ナト
リウム共重合架橋体、アクリル酸ナトリウム架橋体、等
のポリ(メタ)アクリル酸(塩)架橋体;ポリオキシア
ルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架
橋体;ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体;アクリル酸
ナトリウム−アクリルアミド共重合架橋体、等の(メ
タ)アクリル酸(塩)と(メタ)アクリルアミドとの共
重合架橋体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと
(メタ)アクリル酸(塩)との共重合架橋体;ポリジオ
キソラン架橋体;架橋ポリエチレンオキシド;架橋ポリ
ビニルピロリドン;ポリビニルピロリドン−(メタ)ア
クリル酸(塩)架橋重合体;スルホン酸(塩)基を有す
るポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、スルホン化
ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルアルコールスルホ
ン酸塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸(塩)架橋(共)重合体、スルホアルキル(メ
タ)アクリル酸(塩)架橋(共)重合体、ビニルスルホ
ン酸(塩)架橋(共)重合体等のスルホン酸基を有する
吸水性ポリマー;ポリビニルホスホン酸(塩)架橋体、
モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフ
ェート架橋(共)重合体、モノ(2−メタクリロイルオ
キシエチル)アシッドホスフェート架橋(共)重合体、
等のリン酸基を有する吸水性ポリマー;架橋ポリビニル
ピリジン;架橋ポリビニルイミダゾール;デンプン−ポ
リ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化
物;デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト
共重合架橋体;ポリビニルアルコールと無水マレイン酸
(塩)との反応生成物;ポリビニルアルコール−アクリ
ル酸グラフト共重合体;ポリイソブチレン−マレイン酸
(塩)架橋共重合体;N−ビニルアセトアミド架橋
(共)重合体;ベタインモノマー架橋(共)重合体;ア
ニオン性モノマーとカチオン性モノマーとの架橋共重合
体;等が挙げられる。中でも、カルボン酸(塩)含有の
(メタ)アクリル酸(塩)系、マレイン酸(塩)系のも
のが、経済性の観点から好ましい。また、これらのアル
カリ金属(部分)塩のものは、pH調節性の観点からも
最も好ましい。本発明にかかるこれらの吸水性ポリマー
は、一種類のみを使用してもよく、また、二種類以上の
ものを使用してもよい。
Dに対して吸油性ポリマー1のみを充填しているが、他
の物質とともに吸油性ポリマー組成物として充填するこ
とができる。例えば、土壌Dに対して、吸油性ポリマー
1とともに、吸水して膨張する性質を有する吸水性ポリ
マー(吸液性ポリマー)を含む組成物を充填することも
できる。または、吸水性ポリマーのみを充填することで
もよい。本発明における吸水性ポリマーを含む組成物と
は、吸水性ポリマー単独もしくは水溶性のポリマー、水
硬性物質、無機粒子、イオン交換性物質、繊維、キレー
ト剤、pH調整剤からなる群より選ばれる1種または2
種以上との混合物もしくは複合体からなるものである。
本発明における吸水性ポリマーとは、水と接触して吸水
膨潤するものを指し、吸水性ポリマーであればその種
類、形状、架橋の程度等は特に限定されるものではな
い。具体的には、例えば、アクリル酸−アクリル酸ナト
リウム共重合架橋体、アクリル酸ナトリウム架橋体、等
のポリ(メタ)アクリル酸(塩)架橋体;ポリオキシア
ルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架
橋体;ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体;アクリル酸
ナトリウム−アクリルアミド共重合架橋体、等の(メ
タ)アクリル酸(塩)と(メタ)アクリルアミドとの共
重合架橋体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと
(メタ)アクリル酸(塩)との共重合架橋体;ポリジオ
キソラン架橋体;架橋ポリエチレンオキシド;架橋ポリ
ビニルピロリドン;ポリビニルピロリドン−(メタ)ア
クリル酸(塩)架橋重合体;スルホン酸(塩)基を有す
るポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、スルホン化
ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルアルコールスルホ
ン酸塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸(塩)架橋(共)重合体、スルホアルキル(メ
タ)アクリル酸(塩)架橋(共)重合体、ビニルスルホ
ン酸(塩)架橋(共)重合体等のスルホン酸基を有する
吸水性ポリマー;ポリビニルホスホン酸(塩)架橋体、
モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフ
ェート架橋(共)重合体、モノ(2−メタクリロイルオ
キシエチル)アシッドホスフェート架橋(共)重合体、
等のリン酸基を有する吸水性ポリマー;架橋ポリビニル
ピリジン;架橋ポリビニルイミダゾール;デンプン−ポ
リ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化
物;デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト
共重合架橋体;ポリビニルアルコールと無水マレイン酸
(塩)との反応生成物;ポリビニルアルコール−アクリ
ル酸グラフト共重合体;ポリイソブチレン−マレイン酸
(塩)架橋共重合体;N−ビニルアセトアミド架橋
(共)重合体;ベタインモノマー架橋(共)重合体;ア
ニオン性モノマーとカチオン性モノマーとの架橋共重合
体;等が挙げられる。中でも、カルボン酸(塩)含有の
(メタ)アクリル酸(塩)系、マレイン酸(塩)系のも
のが、経済性の観点から好ましい。また、これらのアル
カリ金属(部分)塩のものは、pH調節性の観点からも
最も好ましい。本発明にかかるこれらの吸水性ポリマー
は、一種類のみを使用してもよく、また、二種類以上の
ものを使用してもよい。
【0045】吸油性ポリマー1とともに吸水性ポリマー
を充填することにより、油井S内や土壌Dに含まれてい
る水分によって吸水性ポリマーがゲル化して土壌Dの透
液係数を低下させるため、水分を含む油性成分を固定化
して流出を更に確実に防止することができる。また、水
分を多く含む土壌の場合は、吸水性ポリマーだけでも油
性成分流出防止効果がある。これは、形成された水膨潤
ゲル層が油性成分をはじくために透液が防止されるため
である。
を充填することにより、油井S内や土壌Dに含まれてい
る水分によって吸水性ポリマーがゲル化して土壌Dの透
液係数を低下させるため、水分を含む油性成分を固定化
して流出を更に確実に防止することができる。また、水
分を多く含む土壌の場合は、吸水性ポリマーだけでも油
性成分流出防止効果がある。これは、形成された水膨潤
ゲル層が油性成分をはじくために透液が防止されるため
である。
【0046】更に、吸油性ポリマー1及び吸水性ポリマ
ーの少なくともいずれか一方とともに、セメント系物質
などの硬化性材料を充填することもできる。硬化性材料
としては、例えば、ボルトランドセメント、高炉セメン
ト、スラグセメント、アルミナセメント等のセメント
や、石膏、水ガラスなどが挙げられる。吸油性ポリマー
1及び吸水性ポリマーの少なくともいずれか一方ととも
に、硬化性材料を充填することにより、ゲル化したポリ
マーを含む土壌Dを硬化して油性成分の流出防止効果を
長期間維持することができる。
ーの少なくともいずれか一方とともに、セメント系物質
などの硬化性材料を充填することもできる。硬化性材料
としては、例えば、ボルトランドセメント、高炉セメン
ト、スラグセメント、アルミナセメント等のセメント
や、石膏、水ガラスなどが挙げられる。吸油性ポリマー
1及び吸水性ポリマーの少なくともいずれか一方ととも
に、硬化性材料を充填することにより、ゲル化したポリ
マーを含む土壌Dを硬化して油性成分の流出防止効果を
長期間維持することができる。
【0047】以上をまとめると、土壌Dに充填すること
によって油性成分の流出防止効果を得ることができる充
填材は、吸油性ポリマー(粉体)、吸油性ポリマーと吸
水性ポリマーとの組成物(粉体)、吸水性ポリマー(粉
体)、吸油性ポリマーとセメント系物質との組成物(粉
体)、吸水性ポリマーとセメント系物質との組成物(粉
体)、吸油性ポリマーと吸水性ポリマーとセメント系物
質との組成物(粉体)、吸油性ポリマー(スラリー)、
吸油性ポリマーと吸水性ポリマーとの組成物(スラリ
ー)、吸水性ポリマー(スラリー)、吸油性ポリマーと
セメント系物質との組成物(スラリー)、吸水性ポリマ
ーとセメント系物質との組成物(スラリー)、吸油性ポ
リマーと吸水性ポリマーとセメント系物質との組成物
(スラリー)である。
によって油性成分の流出防止効果を得ることができる充
填材は、吸油性ポリマー(粉体)、吸油性ポリマーと吸
水性ポリマーとの組成物(粉体)、吸水性ポリマー(粉
体)、吸油性ポリマーとセメント系物質との組成物(粉
体)、吸水性ポリマーとセメント系物質との組成物(粉
体)、吸油性ポリマーと吸水性ポリマーとセメント系物
質との組成物(粉体)、吸油性ポリマー(スラリー)、
吸油性ポリマーと吸水性ポリマーとの組成物(スラリ
ー)、吸水性ポリマー(スラリー)、吸油性ポリマーと
セメント系物質との組成物(スラリー)、吸水性ポリマ
ーとセメント系物質との組成物(スラリー)、吸油性ポ
リマーと吸水性ポリマーとセメント系物質との組成物
(スラリー)である。
【0048】上記実施形態において、土壌Dと吸油性ポ
リマー1及び吸水性ポリマーの少なくともいずれか一
方、及びこれを含む組成物とは攪拌翼によって攪拌混合
されてもよいし、吸油性ポリマー(あるいは組成物)1
及び吸水性ポリマーの少なくともいずれか一方を土壌D
に対して高圧噴射することによって土壌Dと吸油性ポリ
マー(あるいは組成物)1及び吸水性ポリマーの少なく
ともいずれか一方とを攪拌混合するようにしてもよい。
リマー1及び吸水性ポリマーの少なくともいずれか一
方、及びこれを含む組成物とは攪拌翼によって攪拌混合
されてもよいし、吸油性ポリマー(あるいは組成物)1
及び吸水性ポリマーの少なくともいずれか一方を土壌D
に対して高圧噴射することによって土壌Dと吸油性ポリ
マー(あるいは組成物)1及び吸水性ポリマーの少なく
ともいずれか一方とを攪拌混合するようにしてもよい。
【0049】吸油性ポリマー(あるいは組成物)1及び
吸水性ポリマーの少なくともいずれか一方を大深度まで
充填しない場合には、地上において土と吸油性ポリマー
(あるいは組成物)1及び吸水性ポリマーの少なくとも
いずれか一方とを混合し、この混合物を所定位置に埋設
・充填するようにしてもよい。
吸水性ポリマーの少なくともいずれか一方を大深度まで
充填しない場合には、地上において土と吸油性ポリマー
(あるいは組成物)1及び吸水性ポリマーの少なくとも
いずれか一方とを混合し、この混合物を所定位置に埋設
・充填するようにしてもよい。
【0050】図2、図3を用いて説明したように、吸油
性ポリマー1及び吸水性ポリマーの少なくともいずれか
一方とこれを含む組成物は、粉体状態、あるいは液体と
混合されたスラリー状態によって土壌Dに充填される。
粉体状態で充填するかスラリー状態で充填するかは、土
壌(地盤)Dの含水量や土質に応じて適宜選択される。
また、充填の範囲、深さも、土壌(地盤)Dの含水量や
土質、漏油の圧力や油成分に応じて適宜選択される。ま
た、スラリーを形成するための溶媒としては、吸水性ポ
リマーを含まない場合には水、吸水性ポリマーを含む場
合及び吸水性ポリマー単独の場合には、プロピレングリ
コールやポリエチレングリコールなどの有機溶媒を用い
ることができる。
性ポリマー1及び吸水性ポリマーの少なくともいずれか
一方とこれを含む組成物は、粉体状態、あるいは液体と
混合されたスラリー状態によって土壌Dに充填される。
粉体状態で充填するかスラリー状態で充填するかは、土
壌(地盤)Dの含水量や土質に応じて適宜選択される。
また、充填の範囲、深さも、土壌(地盤)Dの含水量や
土質、漏油の圧力や油成分に応じて適宜選択される。ま
た、スラリーを形成するための溶媒としては、吸水性ポ
リマーを含まない場合には水、吸水性ポリマーを含む場
合及び吸水性ポリマー単独の場合には、プロピレングリ
コールやポリエチレングリコールなどの有機溶媒を用い
ることができる。
【0051】上記実施形態において、吸油性ポリマー1
及び吸水性ポリマーの少なくともいずれか一方を廃坑と
なった使用済み油井S近傍の土壌Dに対して充填される
ように説明したが、使用中(実際に原油を採掘中)の油
井Sの近傍の土壌に吸油性ポリマー1及び吸水性ポリマ
ーの少なくともいずれか一方を前記と同様な方法で充填
することも可能である。
及び吸水性ポリマーの少なくともいずれか一方を廃坑と
なった使用済み油井S近傍の土壌Dに対して充填される
ように説明したが、使用中(実際に原油を採掘中)の油
井Sの近傍の土壌に吸油性ポリマー1及び吸水性ポリマ
ーの少なくともいずれか一方を前記と同様な方法で充填
することも可能である。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、油井近傍の土壌に吸液
性ポリマーを充填したことで、油井から油性成分が漏出
しても、この吸液性ポリマーが油性成分を吸収したり土
壌をゲル化させたりするので、地表を含む周囲への油性
成分の流出を防止できる。したがって、周囲の環境汚染
を防止することができる。
性ポリマーを充填したことで、油井から油性成分が漏出
しても、この吸液性ポリマーが油性成分を吸収したり土
壌をゲル化させたりするので、地表を含む周囲への油性
成分の流出を防止できる。したがって、周囲の環境汚染
を防止することができる。
【図1】本発明の油井からの漏油処理方法によって処理
された油井を示す図であって、(a)は側方断面図、
(b)は(a)のA−A矢視図である。
された油井を示す図であって、(a)は側方断面図、
(b)は(a)のA−A矢視図である。
【図2】本発明の油井からの漏油処理方法の一実施形態
を示す図である。
を示す図である。
【図3】本発明の油井からの漏油処理方法の他の実施形
態を示す図である。
態を示す図である。
1 吸油性ポリマー(吸液性ポリマー) 2 遮蔽部材 5 攪拌翼 D 土壌 S 油井
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 重行 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 小田中 博 東京都千代田区内幸町一丁目2番2号 株 式会社日本触媒内 (72)発明者 長村 洋 兵庫県姫路市網千区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 増田 善彦 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内
Claims (5)
- 【請求項1】 油井からの漏油処理方法であって、 前記油井近傍の土壌に、吸液して膨張する性質を有する
吸液性ポリマーを充填することを特徴とする油井からの
漏油処理方法。 - 【請求項2】 前記吸液性ポリマーは、吸油して膨張す
る性質を有する吸油性ポリマー及び吸水して膨張する性
質を有する吸水性ポリマーの少なくともいずれか一方で
あることを特徴とする請求項1に記載の油井からの漏油
処理方法。 - 【請求項3】 前記土壌と前記吸液性ポリマーとを攪拌
することを特徴とする請求項1又は2に記載の油井から
の漏油処理方法。 - 【請求項4】 前記吸液性ポリマーとともに、セメント
物質を含む硬化性材料を充填することを特徴とする請求
項1〜3の何れかに記載の油井からの漏油処理方法。 - 【請求項5】 前記吸液性ポリマーが充填された土壌に
対応する地表に光を遮蔽する遮蔽部材を設けることを特
徴とする請求項1〜4の何れかに記載の油井からの漏油
処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001162842A JP2002357074A (ja) | 2001-05-30 | 2001-05-30 | 油井からの漏油処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001162842A JP2002357074A (ja) | 2001-05-30 | 2001-05-30 | 油井からの漏油処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002357074A true JP2002357074A (ja) | 2002-12-13 |
Family
ID=19005903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001162842A Withdrawn JP2002357074A (ja) | 2001-05-30 | 2001-05-30 | 油井からの漏油処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002357074A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010509521A (ja) * | 2006-11-07 | 2010-03-25 | シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド | 坑井孔の環状空間内の圧力及び静電気蓄積制御 |
JP4789051B1 (ja) * | 2010-09-02 | 2011-10-05 | 良三 太田 | 海中油井鋼管等の破損による石油等の湧出を閉鎖する方法 |
JP4789050B1 (ja) * | 2010-07-06 | 2011-10-05 | 太田 良三 | 海中油井鋼管等の破損による石油等の湧出を閉鎖する方法 |
GB2496460A (en) * | 2011-08-23 | 2013-05-15 | Ryozo Ohta | Method for sealing off discharge of oil etc. caused by breakage of steel pipe etc. of undersea oil well |
-
2001
- 2001-05-30 JP JP2001162842A patent/JP2002357074A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010509521A (ja) * | 2006-11-07 | 2010-03-25 | シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド | 坑井孔の環状空間内の圧力及び静電気蓄積制御 |
JP4886856B2 (ja) * | 2006-11-07 | 2012-02-29 | シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド | 坑井孔の環状空間内の圧力及び静電気蓄積制御 |
JP4789050B1 (ja) * | 2010-07-06 | 2011-10-05 | 太田 良三 | 海中油井鋼管等の破損による石油等の湧出を閉鎖する方法 |
WO2012005167A1 (ja) * | 2010-07-06 | 2012-01-12 | Ohta Ryozo | 海中油井鋼管等の破損による石油等の湧出を閉鎖する方法 |
GB2494725A (en) * | 2010-07-06 | 2013-03-20 | Ryozo Ohta | Method for sealing the flow of petroleum caused by damage of underwater oil well steel tube |
GB2494725B (en) * | 2010-07-06 | 2014-03-12 | Ryozo Ohta | Method for blocking outflow of petroleum or the like due to damage to subsea petroleum well steel pipe or the like |
JP4789051B1 (ja) * | 2010-09-02 | 2011-10-05 | 良三 太田 | 海中油井鋼管等の破損による石油等の湧出を閉鎖する方法 |
WO2012029588A1 (ja) * | 2010-09-02 | 2012-03-08 | Ohta Ryozo | 海中油井鋼管等の破損による石油等の湧出を閉鎖する方法 |
GB2496460A (en) * | 2011-08-23 | 2013-05-15 | Ryozo Ohta | Method for sealing off discharge of oil etc. caused by breakage of steel pipe etc. of undersea oil well |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080805 |