JP2002356797A - 電着塗装方法 - Google Patents

電着塗装方法

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JP2002356797A
JP2002356797A JP2002133255A JP2002133255A JP2002356797A JP 2002356797 A JP2002356797 A JP 2002356797A JP 2002133255 A JP2002133255 A JP 2002133255A JP 2002133255 A JP2002133255 A JP 2002133255A JP 2002356797 A JP2002356797 A JP 2002356797A
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coating layer
electrodeposition coating
infrared radiation
electrodeposition
substrate
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JP2002133255A
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English (en)
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Matthias Kimpel
キンペル マーシャス
Martin Wulf
ウルフ マーティン
Oliver Reis
レイス オリバー
Gerhard Pech
ペック ゲルハルト
Christoph Moelzer
モールツァー クリストフ
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EIDP Inc
Original Assignee
EI Du Pont de Nemours and Co
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    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D13/00Electrophoretic coating characterised by the process
    • C25D13/22Servicing or operating apparatus or multistep processes

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電着された基材表面の機械的応力
に対する向上した耐久性、電着された基材表面およびエ
ッジの良好な腐食に対する保護を提供する電着塗装方法
を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、1)電気伝導性物質の表面上
に熱硬化可能な結合システムを含む電着塗装剤による塗
膜層の電着、および 2)近赤外線の照射による電着塗膜層の熱硬化より成る
電着塗装方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性電着塗装剤で
電気伝導性基材を塗装するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電着塗装剤は、金属基材上の腐食保護下
地の生成に特に用いられている。電着後、電着塗膜層は
一般に焼き付けられる。
【0003】電着下地は、これらの表面が外部からの機
械的作用にさらされるため、特に観察者に面した外側表
面上で、良好な機械的特性を示すべきである。電着下地
は、基材の表面だけでなく、基材のエッジも腐食から保
護することを意図されている。観察者に対し目に見える
エッジ上で、例えば使用中の塗装された基材上で進行す
る目に見える鉄錆のスポットや筋の形態をとるエッジの
腐食は、特に審美的に問題となる。
【0004】電着塗装された基材を生成する電着塗装方
法であって、良好な表面の腐食に対する保護に加えて、
a)良好なエッジの腐食に対する保護を示し、および/
または、b)その電着塗装が機械的な応力に対して改善
された耐性を有する方法の必要性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電着塗装さ
れた基材を生成する電着塗装方法であって、良好な表面
の腐食に対する保護に加えて、a)良好なエッジの腐食
に対する保護を示し、および/または、b)その電着塗
装が機械的な応力に対して改善された耐性を有する方法
を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の一般的な実施形
態の1つは、 1)電気伝導性基材の表面上での熱硬化可能な結合剤シ
ステムを含む電着塗装剤からなる塗膜層の電着、および 2)近赤外線を使った照射による電着された塗膜層の熱
硬化 の連続的な工程よりなる電着塗装方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】電着塗膜層は、もしもそれらが従
来の焼き付けの代わりに近赤外線(NIR線)を使った
照射で硬化されているならば、驚くほど向上された機械
的特性を示すことが今回見出されている。驚くべきこと
に、向上されたエッジ腐食の保護も、この方法で硬化さ
れた電着塗装を用いて達成することができる。もしも基
材の表面上およびエッジ上の電着塗膜層がNIR照射に
よって硬化されるならば、両方の効果はエッジを含む基
材上で同時に達成されうる。
【0008】詳細な説明および特許請求の範囲において
用いられる「硬化」という用語は、熱により硬化可能な
電着塗装結合剤システムの構成成分間で共有結合の形成
によって電着塗膜層が化学的な架橋をするという意味で
の硬化を意味する。
【0009】近赤外線がアクセスできる領域およびアク
セスし難い領域の両方を有する基材の場合には、電着塗
装およびNIR照射の完了後、熱硬化工程が、電着塗膜
層の全く硬化されない部分または不完全に硬化されてい
る部分を硬化するため従来の熱供給の方法によって行わ
れる。このような基材の場合には、本発明の別の実施形
態は以下の連続した工程より成る電着塗装方法で構成さ
れる。 1)近赤外照射がアクセスできる領域およびアクセスし
難い領域を含む電気伝導性基材の表面上への熱硬化可能
な結合剤システムを含有する電着塗装剤の塗膜層の電
着、 2)近赤外線を使った照射がアクセスできる電着された
塗膜層の領域の近赤外照射による熱硬化、および 3)NIR照射を用いない熱供給による電着塗膜層のこ
れまで未硬化であった部分の熱硬化。
【0010】基材がエッジを含み、かつ、エッジの向上
された腐食に対する保護を達成することのみが望まれる
場合には、電着塗装後、電着塗膜層は、熱硬化工程が従
来の熱供給方法によって引き続いて行われる前に、エッ
ジ上または相当するエッジを含むエッジの領域に限りN
IR照射によって硬化されるというような方法で進める
ことも可能である。エッジは、すべてのエッジ、または
選択されたエッジのみ、またはエッジの一部を含んでい
てもよい。本発明のこのさらなる実施形態は、以下の連
続した工程より成る電着塗装方法を含む。 1)エッジを含む電気伝導性基材の表面上への熱硬化可
能な結合剤システムを含有する電着塗装剤の塗膜層の電
着、 2)近赤外照射によるエッジ上または相当するエッジを
含むエッジの領域に電着された塗膜層の熱硬化、および 3)NIR照射を用いない熱供給による電着塗膜層のこ
れまで未硬化であった部分の熱硬化。
【0011】本発明の別の実施形態は、以下の連続した
工程より成る電着塗装方法を含む。 1)近赤外照射がアクセスできる領域およびアクセスし
難い領域を有するエッジを含む電気伝導性基材の表面上
への熱硬化可能な結合剤システムを含有する電着塗装剤
の塗膜層の電着、 2)エッジ、または相当するエッジを含むエッジの領域
上の電着された塗膜層、および近赤外線を使った照射が
アクセスできる電着された塗膜層の領域の近赤外照射に
よる熱硬化、および3)NIR照射を用いない熱供給に
よる電着塗膜層のこれまで未硬化であった部分の熱硬
化。
【0012】それ自体公知の電着塗装剤が、本発明によ
る方法に用いられる。これらは、例えば10wt.%か
ら30wt.%の固体含有量を有する水性塗装剤であ
る。固体内容物は、樹脂固体と共に、任意に、充填剤、
顔料、および従来の不揮発性塗料添加剤より構成され
る。樹脂固体の内容物は,熱硬化可能な結合剤システム
の固体構成成分の合計を含む。電着塗装剤に含有される
結合剤システムは、オレフィン性不飽和二重結合のフリ
ーラジカル重合によって、および/または縮合反応およ
び/または付加反応によって熱により硬化可能な電着塗
装で慣用されている結合剤システムを含む。縮合反応お
よび/または付加反応によって硬化可能な結合剤システ
ムが好ましい。結合剤システムは、自己架橋性結合剤ま
たは外部と架橋する結合剤と架橋剤の組み合わせを含む
ことができる。顔料を分散させるのに役立つ非イオン性
添加樹脂およびペースト樹脂が、任意に存在してもよ
く、これはミクロゲルであってもよい。例えば電着塗装
結合剤システムの組成物は、重量による割合で合計10
0wt.%となるように、電着塗装結合剤50wt.%
から100wt.%、架橋剤0wt.%から50wt.
%、非イオン添加樹脂0wt.%から30wt.%、お
よびペースト樹脂0wt.%から20wt.%の固体内
容物を含む。架橋剤、非イオン性添加樹脂、およびペー
スト樹脂の重量による固体含有量の総和は、電着塗装結
合剤システムの樹脂固体の含有量の多くても50wt.
%である。
【0013】電着塗装剤は、例えば従来の陽極で電着可
能な(AED)塗装剤を含む。AED塗装剤は、例えば
300から10,000の重量平均分子量(Mw)、お
よび35mgKOH/gから300mgKOH/gの酸
価を有するポリエステル、エポキシ樹脂エステル、(メ
タ)アクリルコポリマー樹脂、マレイネートオイル(m
aleinate oil)、またはポリブタジエン油
をベースとした結合剤を含む。この結合剤は、−COO
H、−SOH、および/または−PO基を有
し、酸性基の少なくとも一部を塩基、特にアミンで中和
した後に、水層中に移される。この結合剤は自己架橋性
であってもよく、または外部と架橋してもよい。それゆ
え、AED塗装剤はまた、たとえばトリアジン樹脂、エ
ステル交換反応可能な基を含む架橋剤、またはブロック
ポリイソシアネートなどの従来の架橋剤も含んでいても
よい。
【0014】CED結合剤をベースとした従来の陰極で
電着可能な(CED)塗装剤も本発明による方法におい
て電着塗装剤として用いることができる。CED結合剤
は、1または2以上の陽イオンまたは塩基性基、たとえ
ば第一級、第二級および/または第三級アミノ、および/
またはアンモニウム、例えば第四級アンモニウム、ホス
ホニウムおよび/またはスルホニウム基を含む。CED
結合剤は、例えば20mgKOH/gから250mgK
OH/gのアミン価および好ましくは300から10,
000の重量平均分子量(Mw)を有する。CED結合
剤に用いられる中和剤は、ギ酸、酢酸、乳酸、メタンス
ルホン酸などのCED塗装剤のための従来の酸である。
CED結合剤の例は、アミノエポキシ樹脂、末端二重結
合を有するアミノエポキシ樹脂、第一級水酸基を有する
アミノエポキシ樹脂、アミノポリウレタン樹脂、アミノ
基を含有するポリブタジエン樹脂または修飾されたエポ
キシ樹脂/二酸化炭素/アミン反応生成物、およびアミノ
(メタ)アクリレート樹脂を含む。CED結合剤は、自
己架橋するか、または、これらをよく知られる架橋剤と
混合して用いてもよい。このような架橋剤の例は、アミ
ノプラスチック樹脂、ブロックポリイソシアネート、末
端二重結合を有する架橋剤、ポリエポキシ化合物、また
はエステル交換反応可能な基を含む架橋剤である。
【0015】電着塗装剤は、樹脂固体含有量に対する顔
料と充填剤を足したものの重量による比が例えば0:1
から0.8:1で、色を付与するかおよび/または特異
な効果を付与する顔料および/または充填剤を含むこと
ができる。顔料および充填剤の例には、二酸化チタン、
酸化鉄顔料、カーボンブラック、フタロシアニン顔料、
キナクリドン顔料、例えばアルミニウムの金属顔料、二
酸化チタンでコーティングされたアルミニウムなどのイ
ンターフェアレンス顔料、コーティングされた雲母、フ
レーク状の酸化鉄、フレーク状の銅フタロシアニン顔
料、カオリン、タルク、またはシリカのような従来の無
機および/または有機着色顔料および/または特別な効
果のある顔料が含まれる。
【0016】電着塗装剤は、例えば樹脂固体を基礎とし
て0.1wt.%から5wt.%の量比で添加剤を含ん
でよい。添加剤の例は、有機溶媒、湿潤剤、中和剤、平
滑化剤、触媒、腐食防止剤、消泡剤、光安定剤、酸化防
止剤、着色剤、殺生物剤、および一般的な抗へこみ(a
nticratering)添加剤である。
【0017】基材上に堆積された電着塗装の層は、硬化
されるためにはNIR線を吸収することができなければ
ならないので、電着塗装の構成成分のいくつかは、NI
R線を吸収するのに特に適応するものを選択することが
できる。
【0018】本発明による方法において電着塗装される
基材は、電気伝導性基材である。この例は、電気伝導性
ポリマー基材、電気伝導性ポリマー基材と金属からの複
合体の土台上に構築された基材、および特に金属基材で
ある。基材は、表面とエッジの両方が観察者に対し完全
に目に見えるか、またはNIR線を使った照射が完全に
アクセスできる平坦な基材を含む。しかしながらそれら
はまた、NIR線がアクセスできるおよびアクセスし難
い(観察者に対し目に見えるおよび目に見えない)両方
の領域(エッジおよび/または表面領域)を含む三次元
の基材を含んでいてもよい。ここで“アクセスできる”
または“目に見える”は、特にすぐアクセスできること
またはすぐ目に見えること、すなわち特別な技術または
光学的な補助なしに外側からアクセスできるという意味
である。NIR線による照射がアクセスできる領域とア
クセスし難い領域を有する基材の例は、トラックの車
台、農業用機械、家庭用電気器具のハウジング、並び
に、目に見える表面領域および任意選択で目に見えない
表面領域を有する小さなバルク製品、特に空孔、へこ
み、および他の構造的に決定されたアンダーカットを含
む自動車ボディー、および自動車ボディーの部品であ
る。自動車ボディーの目に見える表面の例には、特に、
すぐ目に見える外皮が含まれ、そして目に見える内側表
面、例えばドアをあけたときに目に見える下枠のような
表面も含まれる。目に見えないかまたはすぐには目に見
えない表面領域には、例えば中空領域の内側表面が含ま
れ、直接アクセスできない他の表面も含まれる。自動車
ボディーの目に見えないかまたはすぐには目に見えない
表面の例には、自動車ボディーの内部の表面、例えばエ
ンジンスペース、乗客スペースまたはトランク、中空領
域の内側表面が含まれる。観察者に直接アクセスできる
自動車ボディーのエッジの例は、個々の自動車ボディー
部品の外側から見ることのできる切断エッジ、ホールエ
ッジ、例えばクリップホールまたは、窓、ヘッドライ
ト、ドア−ロックまたはドア−ハンドルような取り付け
られる部品用に設けられた開口部のエッジ、および溝の
エッジである。
【0019】電着塗膜層は、電着塗装剤から通常の方法
で基材の全表面に、例えば5μmから40μmの乾燥フ
ィルム厚で塗布され、接着している電着塗装浴の物質を
通常の方法で取り除く。次いで電着塗膜層は、特に本発
明による方法の実施形態に依存して、もっぱらNIR照
射または全電着塗膜層のNIR線を使った照射にアクセ
スできる領域の少なくとも一部をNIR照射することに
より熱硬化される。後者の場合には、NIR照射後さら
に、NIR照射されていない電着塗膜層の領域の熱硬化
は、NIR照射を用いない熱供給の従来の手段によって
行われる。本発明による方法の実施形態は、ここで基材
の性質と意図された技術上の目的との関係で選択され
る。例えば、いったん自動車ボディーが電着塗装される
と、外部からアクセスできるエッジを含むボディーの外
皮上に位置した電着塗膜層のその部分は、NIR照射に
よって熱硬化され、次いで、ベーキングによって、その
ボディー表面の他の領域に位置する電着塗膜層のいずれ
かの未硬化部分または不完全に硬化した部分が熱硬化さ
れる。
【0020】本発明による方法において用いられるNI
R線は、より長波長の赤外線と混同してはならず、むし
ろ約750nmから約1500nmの、好ましくは75
0nmから1200nmの波長範囲における短波長の赤
外線である。NIR線のための放射光源は、例えばフラ
ット、線状またはポイント線源として放射光を発するこ
とができる従来のNIR線エミッターが含まれる。この
種類のNIR線エミッターは商業的に入手可能である
(例えば、Adphos社製)。これらは例えば、一般
的に10kW/mを越え、例えば10MW/mまで、
好ましくは100kW/mから800kW/mの強度
(単位面積当たりの出力)を有する高性能のハロゲン放
射光エミッターである。該放射光エミッターは、例え
ば、2000゜Kを越える、好ましくは2800゜Kを越
える、特に2900゜Kを越える、放射光エミッター表
面温度(コイルフィラメント温度)、例えば2000゜
Kから3500゜Kの温度に到達する。好適な放射光エ
ミッターは、例えば750nmと1200nmの間に最
大値を有する放出スペクトルを有する。
【0021】NIR照射は、例えば1以上のNIR線エ
ミッターまたは照射される三次元物体前面に置かれた1
以上のNIR線エミッターを備えたベルト装置において
実行するか、または照射される物体および/またはNI
R線エミッターが、照射の間お互いに相関して動かされ
る方法で実行することができる。例えば、照射される物
体を、1以上のNIR線照射エミッターを備えた照射ト
ンネル間を通して動かすことができ、および/または1
以上のNIR線エミッターを備えたロボットが、たとえ
ばNIR線エミッターのシルエット様の案内をする(s
ilhouette−like guiding)方法
で照射される表面上にNIR線エミッターを誘導するこ
とができる。
【0022】NIR線エミッターの配列は、基材、例え
ば自動車ボディー、または照射されるべき基材エッジの
特有の性質に適応させることができる。したがってエッ
ジまたはエッジを含む基材の領域のみをNIR照射する
ことが可能である。
【0023】原則として、NIR線エミッターの照射時
間、物体からの距離、放射光出力および/または放射光
エミッター表面温度を、NIR照射の間に変化させるこ
とができる。物体とNIR線エミッターの間の距離は、
例えば2cmから60cmにすることができる。NIR
照射は、連続的にまたは不連的に(周期的に繰り返し
て)行うことができる。照射時間は、例えば1秒から1
00秒、好ましくは60秒以下にすることができる。照
射時間は、連続的な照射の継続時間または異なる照射サ
イクルの周期の総和のいずれかを言う。制御された方法
においてさまざまなパラメーターを選択することによっ
て、電着塗膜層の異なる表面温度、例えば100℃から
300℃の表面温度を得ることができる。問題のコーテ
ィング作業の要件に従って、ベルトのスピードまたは照
射時間、物体からの距離,使用されるNIR線エミッタ
ーの放射光出力のようなさまざまな照射パラメーター
は、当業者によって適合させることができる。
【0024】本発明による方法の一般的な実施形態で
は、電着塗膜層全体がNIR照射によって硬化される
が、上述の他の3つの実施形態では、基材表面全体を覆
う電着塗膜層のこれまで未硬化であった部分が、引き続
いて、NIR照射を用いない熱供給方法により熱硬化さ
れる。該電着塗膜層のこれまで未硬化であった部分は、
意図的にまたは状況によって、例えば基材の形状および
/または用いられるNIR照射システムのデザインによ
って、NIR照射されなかった電着塗膜層の部分を特に
含む。
【0025】本発明による方法の3つのさらなる実施形
態において、いったんNIR照射が完了しても、基材上
の電着下地の硬化は電着塗装された表面全体で達成され
ない。むしろ実施形態に依存して、電着塗装された基材
が得られ、その電着塗膜層は、エッジおよび/または物
体の上面の一区域の、全て、選択された部分または一部
で硬化されるが、電着塗膜層全体の残った部分は、硬化
されないかまたは不完全に硬化される。NIR照射中の
物体の形状および状況に依存して、硬化されないかまた
は不完全に硬化された部分は、より大きいサイズでもよ
り小さいサイズでもよく、例えば自動車ボディーの場合
には、電着塗膜層の全面積の10面積パーセントから1
00面積パーセント未満である。
【0026】NIR照射の完了後に行われる電着塗膜層
のこのようなこれまで未硬化であった部分の熱硬化は、
熱供給の従来の方法によって、すなわちNIR照射を用
いずに進む。熱供給のための従来の方法の例は、特に、
例えば130℃から180℃の物体温度での対流および
/またはIR照射によるベーキングである。
【0027】一度電着塗膜層が硬化されると、少なくと
も1つのさらなる塗膜層を塗布することができる。目に
見える表面領域および目に見えないかまたはすぐに目で
見ることのできない表面領域を有する基材の場合では、
少なくとも1つのさらなる塗膜層は、観察者に対し目に
見える表面領域上にのみ、または実質的にそこにのみ塗
布されることが好ましい。たとえば電着塗装剤から塗布
された塗膜層は、色合いを決定し、そしてクリアコート
層でオーバーコートされる塗膜層としてふるまうことが
できるか、または、トップコート層、またはベースコー
ト層/クリアコートの2層塗膜、または下地表面層およ
びトップコート層、または下地表面層およびベースコー
ト層/クリアコート層の2層塗膜で、オーバーコートさ
れうる。
【0028】本発明による方法は、自動車ボディーまた
は自動車製造部品上への電着下地塗装のための自動車部
門において特に好適である。良好な表面の腐食に対する
保護のほか、電着下地塗装は、その製造のために選択さ
れた本発明による方法の実施形態に依存して、向上した
エッジの腐食に対する保護および/または機械的応力に
対する高い抵抗性を提供する。
【0029】以下の実施例は、焼き付けによって硬化さ
れたCED塗装と比較して、NIR照射によって硬化さ
れたCED塗装のエッジの腐食に対する保護および機械
的応力についての利点を示す。
【0030】
【実施例】実施例1 CED塗装浴(Herberts AQUA EC50
00,R39606、DuPont Performa
nce Coatings GmbH&Co.KG,W
uppertalによる)から、CED塗膜層を、穴が
あけられ(穴の直径10mm)、脱脂され、非リン酸化
された自動車ボディーパネル上に、20μmの乾燥フィ
ルム厚で陰極に析出させ、脱イオン水で洗浄した。室温
において30分間のフラッシュ・オフ時間後、該試験パ
ネルを、NIR線エミッター(adphos社製による
High−Burn radiation emitt
er、400kW/M、出力100%、960nmに
極大波長分布をもつ)により片側(前面)から10秒間
照射した。放射光エミッターとCED塗膜層表面間の距
離は10cmであった。
【0031】陰極性電着塗膜層は、スチールパネルの両
面で硬化された。
【0032】実施例2 CEDで塗装されたスチールパネルを、NIR照射にさ
らすかわりに、25分間、175℃(物体温度)で焼き
付けたことを除いて、実施例1を繰り返した。
【0033】実施例1および2由来の硬化されたCED
塗膜層を付与された試験パネルを、DIN50 021
−SSによる240時間塩噴霧試験にかけた。穴のあい
たエッジを、エッジ上の錆により評価した(0から5の
評価;0、錆なしのエッジ;1、エッジ上ところどころ
に錆の点;2、エッジの1/3未満に錆の点;3、エッ
ジの1/3から1/2が錆で覆われている;4、エッジの
1/2よりも多くが錆で覆われている;5、エッジが完
全に錆ている)。実施例1からのパネルは、2の評価
(NIR線によって照射された前面の評価)が与えら
れ、実施例2のパネルは、4〜5の評価が与えられた。
【0034】実施例3 ホイルが貼られた片面を有しリン酸化され穴のあいてな
い試験パネルを、非リン酸化され穴のあいた貼り付けさ
れていない試験パネルの代わりに用い、かつ貼られたホ
イルをNIR照射前に背面から取り外したという点を違
えて実施例1を繰り返した。
【0035】実施例4 ホイルが貼られた片面を有しリン酸化され穴のあいてな
い試験パネルを、非リン酸化され穴のあいた貼り付けさ
れてない試験パネルの代わりに用い、かつ貼られたホイ
ルをベーキングの前に背面から取り外したという点を違
えて実施例2を繰り返した。
【0036】実施例3および実施例4由来の硬化された
CED塗膜層を付与された試験パネルを、室温で背面衝
撃試験にかけた(ASTM D2794参照、5/8”
半球状のヘッドを有する圧子を使用、未硬化の背面の膨
れ上がり。)。
【0037】膨らんだ前面上のCED塗膜層の評価は、
実施例3の試験パネルに対して150インチ−ポンドの
値、および、実施例4の試験パネルに対して90インチ
−ポンドの値となった。
【0038】
【発明の効果】本発明の電着塗装方法によれば、電着塗
装された基材に対し良好な表面の腐食に対する保護を提
供できることに加えて、良好なエッジの腐食に対する保
護性を示し、および/または機械的応力に対する向上し
た耐久性を有する基材が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーティン ウルフ ドイツ 42107 ブッペルタール プラッ ツ デル リパブリック 38 (72)発明者 オリバー レイス ドイツ 58456 ビッテン ティエシュト ラーセ 3 (72)発明者 ゲルハルト ペック オーストリア エー−1230 ウィーン ア ントン−クリエガー−ガセ 2−16/1 /30 (72)発明者 クリストフ モールツァー オーストリア エー−2514 トライスキル シェン グランドウィーセンシュトラーセ 15 Fターム(参考) 4D075 AE15 BB26Y BB33Y BB37Y BB89Y BB94Y CA33 DA23 DA35 DB01 DC12 DC13 DC15 DC18 EB12 EB22 EB32 EB33 EB35 EB38

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1)電気伝導性基材の表面上への、熱硬
    化可能な結合剤システムを含む電着塗装剤からなる塗膜
    層の電着、および、 2)近赤外線を使った照射による電着された塗膜層の熱
    硬化の工程より成る電着塗装方法。
  2. 【請求項2】 前記基材は、近赤外照射がアクセスでき
    る領域とアクセスし難い領域を有し、工程2)におい
    て、近赤外照射がアクセスできる領域は、近赤外線を使
    って照射され、および追加の続く工程3)において、前
    記電着塗膜層のこれまで未硬化であった部分の熱硬化
    は、近赤外照射の使用なしに加熱をすることによって進
    めることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記基材はエッジを含み、方法工程2)
    において、前記電着された塗膜層は、エッジ上にまたは
    相当するエッジを含むエッジの領域において近赤外線を
    使って照射され、および追加の続く工程3)において、
    前記電着塗膜層のこれまで未硬化であった部分の熱硬化
    は、近赤外照射の使用なしに加熱をすることによって進
    めることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記基材は、近赤外照射がアクセスでき
    る領域とアクセスし難い領域を含み、および工程2)に
    おいて、エッジに加えて、またはエッジの領域におい
    て、さらに近赤外照射がアクセスできる領域は、近赤外
    線で照射されることを特徴とする請求項3に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 加熱は、工程3)において高温で焼き付
    けることによって進めることを特徴とする請求項2、
    3、または4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 電着塗装剤は、陽極で電着可能な塗装剤
    および陰極で電着可能な塗装剤よりなる群から選択され
    ることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 前記近赤外線は、750nmから150
    0nmの範囲の波長における赤外線であることを特徴と
    する請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記近赤外線は、10kW/mを越
    え、10MW/mまでの強度を有する近赤外線エミッ
    ターによって提供されることを特徴とする請求項1から
    7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記電着塗膜層が硬化された後、少なく
    とも1つ追加の塗膜層が塗布されることを特徴とする請
    求項1から8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記基材は、自動車ボディー、自動車
    ボディーの部品、トラックの車台、農業用機械、家庭用
    電気器具のハウジング、および小さなバルク製品からな
    る群より選択されることを特徴とする請求項1から9の
    いずれか1つに記載の方法。
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