JP2002356752A - 鉄損および磁束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
鉄損および磁束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
の付与を行うことなく、基本成分の最適化と製造工程の
改善とにより、鉄損、磁束密度が極めて優れた無方向性
電磁鋼板を製造する。 【解決手段】 質量%で、C:0.0050%以下、S
i:0.05〜3.5%、Mn:3.0%以下、Al:
2.0%以下、S:0.012%以下、P:0.15%
以下、N:0.0050%以下を含み、残部Feおよび
不可避的不純物からなる鋼板の内、最終製品での硫化物
(主としてMnS)と窒化物(主としてAlN)の直径
が0.005μm以上2.0μm以下のものについてサ
イズと数密度を特定範囲内に限定する。そのためのスラ
ブ加熱条件として700℃〜1100℃の温度範囲に3
0分以上保定し、好ましくはその後1100℃以上の温
度で30以下保定した後ことなく熱延を開始する。
Description
ス用の鉄芯材料として用いられる、鉄損および磁束密度
ともに極めて優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方
法に関するものである。
など各種モーター、変圧器、安定器等の鉄芯材料として
広く用いられている。商業的には鉄損でグレード分けさ
れ、モーターやトランスの設計特性に合せて使い分けが
なされている。近年、エネルギー節減の観点から一層の
低鉄損化が、また、電気機器の小型化の観点から一層の
高磁束密度化が要求されており、鉄損、磁束密度ともに
さらに優れた鋼板の開発が強く要望されている。
密度の改善を目的とした多くの技術が開示され、成分の
最適化、特殊元素の添加、熱延板焼鈍の付与、仕上焼鈍
の高温化などが実用化されている。これらの技術が制御
しようとしている因子の一つは析出物の形態であり、材
質特性に強く影響を及ぼすため重要な因子と考えられて
いる。
と、焼鈍時の粒成長が阻害され鉄損が劣化する。特に、
微細なMnS、AlNは粒成長を阻害し鉄損を大幅に劣
化させることが知られており、鋼板の粒成長性を向上さ
せるには、析出物量を低減するか粗大化するかし無害化
する必要がある。析出物量の低減には、S、N等の析出
物形成元素の低減が直接的あるが、2次精練工程での脱
硫、脱窒の強化、長時間の脱ガス処理が必要となり、製
鋼コストの上昇が避けられない。
形態を制御する技術や製造工程の追加となる熱延板焼鈍
を実施する技術または最終仕上げ焼鈍温度の高温化など
もコスト上昇は避けられず、これらの技術により安価で
特性の優れた鋼板を製造することは困難であった。この
他の方法として、熱延加熱温度の低温化に関する技術が
提案されている。例えば、特開平6−279859号公
報には、スラブをSi量と関連する約1000℃〜13
00℃に加熱することによりAlNの析出を制御する技
術が、また特開平11−61257号公報には、熱間圧
延途中の粗バーを950〜1150℃に加熱することで
熱間圧延中のMnSの微細析出を防止する技術が、それ
ぞれ開示されている。
低温化するだけでは特性向上は十分でなく良好な特性を
得るためには析出物の状態を特定の範囲内に限定する必
要がある。また、熱延加熱温度の低温化は熱延温度域も
低温化することになるため圧延荷重が大きくなったり、
熱延後の再結晶や粒成長が不十分になり逆に磁気特性が
劣化する場合もある。
況に鑑みなされたもので、コスト高を招く特殊元素の添
加や新しい工程の付与を行うことなく基本成分の最適化
と製造工程の改善とにより鉄損および磁束密度ともに極
めて優れた無方向性電磁鋼板とその製造方法を提供する
ものである。
するためになされたものであり、その要旨は以下の通り
である。 (1)質量%で、C:0.0050%以下、Si:0.
05〜3.5%、Mn:3.0%以下、Al:2.0%
以下、S:0.008%以下、P:0.15%以下、
N:0.0050%以下を含み、残部Feおよび不可避
的不純物からなる鋼板の内、鋼板中の直径0.005μ
m以上2.0μm以下の析出物について、平均直径が
0.04〜1.50μm、直径が0.03μm以下であ
るものの個数の割合が50%以下、析出物の数密度が
1.4個/μm3以下であることを特徴とする鉄損およ
び磁束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼板。
下、Si:0.05〜3.5%、Mn:3.0%以下、
Al:2.0%以下、S:0.008%以下、P:0.
15%以下、N:0.0050%以下を含み、残部Fe
および不可避的不純物からなる鋼板の内、鋼板中の直径
0.005μm以上2.0μm以下の硫化物について、
平均直径が0.10〜2.00μm、直径が0.05μ
m以下であるものの個数の割合が50%以下、硫化物の
数密度が0.6個/μm3以下であることを特徴とする
鉄損および磁束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼板。
下、Si:0.05〜3.5%、Mn:3.0%以下、
Al:2.0%以下、S:0.008%以下、P:0.
15%以下、N:0.0050%以下を含み、残部Fe
および不可避的不純物からなる鋼板の内、鋼板中の直径
0.005μm以上2.0μm以下の窒化物について、
平均直径が0.04〜0.50μm、直径が0.02μ
m以下であるものの個数の割合が50%以下、窒化物の
数密度が1.0個/μm3以下であることを特徴とする
鉄損および磁束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼板。
下、Si:0.05〜3.5%、Mn:3.0%以下、
Al:2.0%以下、S:0.008%以下、P:0.
15%以下、N:0.0050%以下を含み、残部Fe
および不可避的不純物からなる鋼板の内、鋼板中の直径
0.005μm以上2.0μm以下の硫化物および窒化
物について、硫化物の平均直径が0.10〜2.00μ
m、硫化物の直径が0.05μm以下であるものの個数
の割合が50%以下、硫化物の数密度が0.6個/μm
3以下、窒化物の平均直径が0.04〜0.50μm、
窒化物の直径が0.02μm以下であるものの個数の割
合が50%以下、窒化物の数密度が1.0個/μm3以
下であることを特徴とする鉄損および磁束密度が極めて
優れた無方向性電磁鋼板。
下、Si:0.05〜3.5%、Mn:3.0%以下、
Al:2.0%以下、S:0.008%以下、P:0.
15%以下、N:0.0050%以下を含み、残部Fe
および不可避的不純物からなる鋼スラブを加熱する際、
700〜1100℃の温度域で30分以上保持した後熱
間圧延し、酸洗し、1回もしくは中間焼鈍を挟む2回以
上でトータル圧下率65〜90%の冷間圧延をした後、
700〜1100℃で30秒〜5分の再結晶焼鈍するこ
とを特徴とする鉄損および磁束密度が極めて優れた無方
向性電磁鋼板の製造方法。
〜1100℃の温度域で30分以上保持し、引き続き1
100℃以上の温度域で30分以下保定した後、熱延す
ることを特徴とする(5)の鉄損および磁束密度が極め
て優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。 (7)前記熱延での巻取り温度が750℃以上であるこ
とを特徴とする(5)または(6)記載の鉄損および磁
束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
00℃以上1200℃以下で5秒〜10分の熱処理を行
うことを特徴とする(5)〜(7)のいずれかの項に記
載の鉄損および磁束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼
板の製造方法。
させず析出物形態を制御し、特殊元素の添加や熱延板焼
鈍の実施の場合と同程度の磁気特性が得られる無方向性
電磁鋼板の製造方法を見出すべく最適製造条件、特に熱
延条件について検討を行い、析出物のサイズと密度が特
定の範囲内にある場合に磁気特性が良好となることを知
見し、そのためには特にスラブ加熱条件(温度、時間、
履歴)の制御が重要であることを明確にして本発明を完
成したものである。
MnS)と窒化物(主としてAlN)のサイズと数密度
を特定範囲内に限定し、そのための製造方法としてスラ
ブ加熱条件を有効に活用するため、700℃〜1100
℃の温度範囲に30分以上保定し、好ましくはその後1
100℃以上の温度で30分以下保定した後熱延を開始
することに特徴がある。
に説明する。含有量はすべて質量%である。Cは磁気時
効によって磁気特性を著しく劣化させるため、上限を
0.0050%とする。また、鉄損低下の観点からはC
の上限は0.0020%が好しい。Siは鋼板の比抵抗
を高め、鉄損を低減させるが、多量に添加すると磁束密
度が低下し、また加工性が低下するので、0.05〜
3.50%に限定した。
本発明では重要な元素である。通常Mnが中途半端に少
ない場合には熱間圧延中に微細なMnSが析出し鉄損お
よび磁束密度を著しく劣化させる場合がある。しかし本
発明においては熱延加熱条件を本発明範囲に制御するこ
とで、この悪影響を回避できるため、Mnの下限は特に
設けない。一方、Mn量が多くなると熱間圧延段階で再
溶解・再析出するMnSの量が減少するので、MnSに
よる悪影響は減少する。1.0%を超えるとこの効果は
飽和するが、固溶Mnの存在そのものが磁束密度にとっ
て不利な{111}方位の生成を抑制し磁束密度を向上
させるので、多量に含有させても特に問題はない。コス
ト面からMnの上限を3.0%とする。
量が多いと熱延加熱条件を本発明範囲に制御したとして
も析出量が多くなり粒成長性を阻害するため、上限は
0.008%とする。なお、鋼板の磁気特性をより高め
るためには、0.003%以下とすることが好しい。P
は鋼板の硬度を高め打ち抜き性を向上させる作用がある
ので、所望の打ち抜き硬度により添加量が決められる。
但し、過剰に含有すると磁束密度が劣化するので上限を
0.15%とする。
記のMnと同様に本発明では重要な元素である。Mnと
Sの場合と同様にAlN形成の観点から下限は特に設け
る必要はなく、Al量が多い場合も1.0%を超えると
析出物形態制御の効果は飽和するが、固溶Alが電気抵
抗を高めることで鉄損を低下させるので、多量に含有さ
せることが特性上有利である。ただし高Alを含有する
溶鋼は鋳造時の操業性が悪化するため上限を2.0%と
する。
と熱延加熱条件を本発明範囲に制御したとしても析出量
が多くなりすぎ粒成長性を阻害するため上限を0.00
50%とする。なお、鋼板の磁気特性をより高めるため
には、0.0025%以下とすることが好しい。次に本
発明の重要な制限要因である析出物の大きさと数密度に
ついて説明する。
窒化物である。一般に硫化物,窒化物の種類および形態
はS,N,Mn,Ti,Mg,Alなどの硫窒化物形成
元素量や熱延などの製造条件のみならず複合析出する場
合にはO,Cおよび酸化物、炭化物形成元素の含有量に
よっても変化する.本発明では硫化物は主としてMnS
であるが、微量元素の含有によってはTiS,CaS,
MgS,CuSやその他の硫化物およびそれらの複合硫
化物を含む。窒化物は主としてAlNであるが、微量元
素の含有によってはTiN,VNやその他の窒化物およ
びそれらの複合窒化物を含む。また、硫化物または窒化
物の単独の析出物でなく酸化物や炭化物などと複合析出
した場合も対象とする。このような複合析出物について
は,個々の析出物の種類および各化合物のサイズを特定
することは困難であるため、明らかに分別できる場合を
除いて一つの硫化物または窒化物として判定するものと
する。
得られた抽出レプリカをEDX付電子顕微鏡にて観察す
る。硫化物、窒化物の判定はEDXにより分析を行い主
として観察される非金属元素がSの場合を硫化物、Nの
場合を窒化物とする。析出物の直径および数は偏りがな
い程度の視野について計測する。視野を写真撮影し、画
像解析等を行うことでもサイズ分布を求めることができ
る。
0μm以下の析出物を対象とする。一般には結晶組織の
粒成長挙動にはより微細な析出物の影響が大きいと考え
られるが、微細な析出物の定量および定性は最新の測定
技術をもってしても完全とは言えず、大きな誤差を生じ
易い。そのため本発明では計測誤差がより小さくなるこ
とが期待できる程度の大きさを持った析出物のサイズ分
布との関連で本発明の範囲を特定する。一方あまりに大
きな析出物は本発明で改善を試みている粒成長性への寄
与が小さいことと、数が少ないため測定視野の中に偶然
入った場合と入らなかった場合で測定結果に大きな差を
もたらすこととなるため、対象からは除外する。また,
特に硫化物(MnS)では形状が延伸したものが見られ
る場合があるが,形状が等方的でないものについては長
径と短径の平均をその析出物の直径とする。
る電解工程において試料表面を通電した全電荷が,Fe
の2価イオン(Fe2+)として鋼板が電解されるのに消
費され,電解時に残滓として残る析出物がすべてレプリ
カ上に補足されるとして計算した.本発明者らの通常の
レプリカ作成においては試料表面積において50C(ク
ーロン)/cm2の電気量で電解を行うので,試料表面
から約20μmの厚さ内にある析出物がレプリカ上で観
察される.以上のようにして測定された硫化物、窒化物
がそれぞれまたはこれら両者を含む析出物について、
(1)析出物の平均直径が0.04〜1.50μm、好
ましくは0.10〜1.50μm、析出物について直径
が0.03μm以下であるものの個数の割合が50%以
下、好ましくは30%以下、析出物の数密度が1.4個
/μm3以下、好ましくは0.7個/μm3以下、(2)
硫化物の平均直径が0.10〜2.00μm、好ましく
は0.20〜2.00μm、硫化物について直径が0.
05μm以下であるものの個数の割合が50%以下、好
ましくは30%以下、硫化物の数密度が0.6個/μm
3以下、好ましくは0.2個/μm3以下、(3)窒化物
の平均直径が0.04〜0.50μm、好ましくは0.
08〜0.50μm、窒化物について直径が0.02μ
m以下であるものの個数の割合が50%以下、好ましく
は30%以下、窒化物の数密度が1.0個/μm3以下
好ましくは0.5個/μm3以下、のようにすること
で、良好な磁気特性を得ることができる。
直径が前記規定したより小さいと、粒成長性が著しく阻
害され、良好な特性を得ることができなくなり、一方こ
れより大きく制御するには、例えばスラブの加熱時間を
長時間化することが必要となり、実用化が困難である。
また直径が特定サイズ以下であるものの個数の割合が5
0%以上、または数密度が特定数値以上になると、粒成
長性が著しく阻害され、良好な特性を得ることができな
くなる。
ラブの加熱条件が本発明での重要な要件であって、これ
を発明範囲内に制御することで本発明の効果を確実に得
ることができる。熱間での圧延前に700〜1100℃
と、従来のスラブ加熱温度より低い温度範囲で30分以
上保定することで発明の効果が得られる。好ましくは8
50〜1100℃で60分以上、さらに好ましくは90
0℃〜1050℃で120分以上とすることで効果が顕
著になる。この条件を外れると上記の析出物分布が本発
明の最適範囲を外れるため特性が劣化する。
が、基本的に高温での加熱は加熱中の析出物の溶解量が
多くなり、その後の熱延工程での温度降下過程で析出す
る際に微細な析出物を増加させるためと考えられる。一
方、加熱温度を低くすると熱延の仕上げ温度も低くな
り、その後の巻取り温度も低くなるため、巻取り中の析
出物成長も期待できなくなる。また仕上げ温度が低くな
ると再結晶、粒成長も起きにくくなり、熱延板で加工組
織が残留し最終特性を阻害する場合もある。このために
は低温保定の後、短時間だけ高温で保定し圧延を開始す
ることが有効である。この場合には特に表層が高温にな
り板全体の圧延中の温度降下を抑制することで熱延組織
の再結晶、粒成長が促進され、最終製品での特性も向上
する。この短時間の高温加熱は1100℃以下では再結
晶、粒成長を促進する効果が得られない。一方、30分
を超えると低温保定による析出物形態の制御の効果が消
えてしまう。
仕上げ圧延後の熱処理も特定の範囲とすることが好まし
い。巻取り温度を750℃以上とすると析出物形態がよ
り好ましく制御できる。また熱延板を700℃以上12
00℃以下で5秒〜10分の熱処理を行うことでも同様
の効果を得ることができる。熱間圧延後もしくは熱処理
後の鋼板は酸洗後、1回もしくは中間焼鈍を挟む2回以
上の冷間圧延を行うが、このときのトータル圧下率は6
5〜90%とする。冷間圧延の圧下率を適正化しない
と、仮に析出物の制御が最適であっても、仕上焼鈍後に
磁気特性にとって最適な集合組織を得ることが困難にな
り磁束密度が劣化する。すなわち、他の製造条件が適正
であっても圧下率が90%を超えると仕上焼鈍後の集合
組織が板面に〈111〉軸を多く含んだものとなり高磁
束密度が得られず、一方、圧下率が65%未満では仕上
焼鈍後の結晶組織が混粒となり優れた鉄損値および磁束
密度を得ることができない。
〜5分の条件で行う。焼鈍時間が5分を超えると磁気特
性にとって望ましくない〔111〕集合組織が優先的に
発達するため優れた磁束密度を得ることができない。一
方、焼鈍時間が30秒未満では、本発明鋼といえども仕
上焼鈍後の粒径が十分に粗大化しないために優れた鉄損
値が得られない。
経て得られた無方向性電磁鋼板は、その後に歪取焼鈍を
行ってもその優れた鉄損値および磁束密度を保持する。
また鋼板の使用方法によっては鋼板から部材を切り出
し、加工、組み立て後に鋼板中の歪を開放し特性を向上
させる目的で焼鈍を行う場合があるが、この工程におい
ても本発明の効果が磁気特性の向上に有利に作用し、特
性は本発明を適用しない場合よりさらに良好となる。 〔実施例1〕表1に示す成分の鋼を溶製し、これを連続
鋳造でスラブとなし、表2に示す熱延条件でそれぞれ熱
間圧延し、板厚2mmの熱延板を得た。
0.50mmに冷延し、次いで表2中の条件で連続焼鈍
を実施し製品とした。得られた各鋼板の析出物の状態と
磁気特性を表3および表4に示す。この結果から、本発
明範囲内にある鋼板は鉄損値および磁束密度が極めて優
れていることが判る。これに対して析出状態が本発明範
囲を外れたものは特性が不良である。一方、製造条件も
本発明条件を満足したものでは特性が極めて優れている
ことがわかる。
し、これを連続鋳造でスラブとなし、表6に示す熱延条
件でそれぞれ熱間圧延し、板厚2mmの熱延板を得た。
この熱延板を酸洗した後、圧下率75%で0.50mm
に冷延し、次いで表6中の条件で連続焼鈍を実施し製品
とした。得られた各鋼板の析出物の状態と磁気特性を表
7および表8に示す。この結果から、本発明範囲内にあ
る鋼板は鉄損値および磁束密度が極めて優れていること
が判る。これに対して析出状態が本発明範囲を外れたも
のは特性が不良である。一方、製造条件も本発明条件を
満足したものでは特性が極めて優れていることがわか
る。
し、これを連続鋳造でスラブとなし、表10に示す熱延
条件でそれぞれ熱間圧延し、板厚2mmの熱延板を得
た。この熱延板を酸洗した後、圧下率75%で0.50
mmに冷延し、次いで表10中の条件で連続焼鈍を実施
し製品とした。得られた各鋼板の析出物の状態と、歪み
取り焼鈍として100%H2雰囲気中で750℃×12
0分焼鈍した後の磁気特性を表11および表12に示
す。この結果から、本発明範囲内にある鋼板は鉄損値お
よび磁束密度が極めて優れていることが判る。これに対
して析出状態が本発明範囲を外れたものは特性が不良で
ある。一方、製造条件も本発明条件を満足したものでは
特性が極めて優れていることがわかる。
でしかも鉄損値および磁束密度がともに極めて優れた無
方向性電磁鋼板が製造できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 質量%で、C:0.0050%以下、S
i:0.05〜3.5%、Mn:3.0%以下、Al:
2.0%以下、S:0.008%以下、P:0.15%
以下、N:0.0050%以下を含み、残部Feおよび
不可避的不純物からなる鋼板の内、鋼板中の直径0.0
05μm以上2.0μm以下の析出物について、平均直
径が0.04〜1.50μm、直径が0.03μm以下
であるものの個数の割合が50%以下、析出物の数密度
が1.4個/μm3以下であることを特徴とする鉄損お
よび磁束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼板。 - 【請求項2】 質量%で、C:0.0050%以下、S
i:0.05〜3.5%、Mn:3.0%以下、Al:
2.0%以下、S:0.008%以下、P:0.15%
以下、N:0.0050%以下を含み、残部Feおよび
不可避的不純物からなる鋼板の内、鋼板中の直径0.0
05μm以上2.0μm以下の硫化物について、平均直
径が0.10〜2.00μm、直径が0.05μm以下
であるものの個数の割合が50%以下、硫化物の数密度
が0.6個/μm3以下であることを特徴とする鉄損お
よび磁束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼板。 - 【請求項3】 質量%で、C:0.0050%以下、S
i:0.05〜3.5%、Mn:3.0%以下、Al:
2.0%以下、S:0.008%以下、P:0.15%
以下、N:0.0050%以下を含み、残部Feおよび
不可避的不純物からなる鋼板の内、鋼板中の直径0.0
05μm以上2.0μm以下の窒化物について、平均直
径が0.04〜0.50μm、直径が0.02μm以下
であるものの個数の割合が50%以下、窒化物の数密度
が1.0個/μm3以下であることを特徴とする鉄損お
よび磁束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼板。 - 【請求項4】 質量%で、C:0.0050%以下、S
i:0.05〜3.5%、Mn:3.0%以下、Al:
2.0%以下、S:0.008%以下、P:0.15%
以下、N:0.0050%以下を含み、残部Feおよび
不可避的不純物からなる鋼板の内、鋼板中の直径0.0
05μm以上2.0μm以下の硫化物および窒化物につ
いて、硫化物の平均直径が0.10〜2.00μm、硫
化物の直径が0.05μm以下であるものの個数の割合
が50%以下、硫化物の数密度が0.6個/μm3以
下、窒化物の平均直径が0.04〜0.50μm、窒化
物の直径が0.02μm以下であるものの個数の割合が
50%以下、窒化物の数密度が1.0個/μm3以下で
あることを特徴とする鉄損および磁束密度が極めて優れ
た無方向性電磁鋼板。 - 【請求項5】 質量%で、C:0.0050%以下、S
i:0.05〜3.5%、Mn:3.0%以下、Al:
2.0%以下、S:0.008%以下、P:0.15%
以下、N:0.0050%以下を含み、残部Feおよび
不可避的不純物からなる鋼スラブを加熱する際、700
〜1100℃の温度域で30分以上保持した後、熱間圧
延し、酸洗し、1回もしくは中間焼鈍を挟む2回以上で
トータル圧下率65〜90%の冷間圧延をした後、70
0〜1100℃で30秒〜5分の再結晶焼鈍することを
特徴とする鉄損および磁束密度が極めて優れた無方向性
電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項6】 前記鋼スラブを加熱する際、700〜1
100℃の温度域で30分以上保持し、引き続き110
0℃以上の温度域で30分以下保定した後、熱延するこ
とを特徴とする請求項5記載の鉄損および磁束密度が極
めて優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項7】 前記熱延での巻取り温度が750℃以上
であることを特徴とする請求項5または6記載の鉄損お
よび磁束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼板の製造方
法。 - 【請求項8】 前記熱延での巻取り後、冷延前に700
℃以上1200℃以下で5秒〜10分の熱処理を行うこ
とを特徴とする請求項5〜7のいずれかの項に記載の鉄
損および磁束密度が極めて優れた無方向性電磁鋼板の製
造方法。
Priority Applications (1)
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