JP2002356485A - Hsp誘導剤 - Google Patents

Hsp誘導剤

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JP2002356485A
JP2002356485A JP2002087657A JP2002087657A JP2002356485A JP 2002356485 A JP2002356485 A JP 2002356485A JP 2002087657 A JP2002087657 A JP 2002087657A JP 2002087657 A JP2002087657 A JP 2002087657A JP 2002356485 A JP2002356485 A JP 2002356485A
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hsp
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JP2002087657A
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English (en)
Inventor
Zenichi Terashita
善一 寺下
Kenichi Naruo
憲一 成尾
Osamu Uchikawa
治 内川
Atsushi Nakanishi
淳 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れたHSP誘導剤を提供する。 【解決手段】式(I): 【化1】 [式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基などを、R2は無置換、水素原子または置換基
を有していてもよい炭化水素基を、R3は置換基を有し
ていてもよい複素環基を、X、YおよびZは、各々、水
素、ハロゲン、ニトリル、置換基を有していてもよい炭
化水素基など、あるいはXとYとが一緒になってA環
を、またはYとZとが一緒になってB環を形成してもよ
い、実線と破線とで示す結合部分は単結合または二重結
合のいずれか、破線で示す結合部分は単結合または無置
換のいずれか、A環は置換基を有していてもよい5ない
し7員の同素または複素環を、B環は置換基を有してい
てもよい5ないし7員の同素または複素環を、nは0ま
たは1の整数を示す]で表わされる化合物またはその塩
を含有するHSP誘導剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、HSP誘導剤;H
SP誘導作用を有する化合物と組織障害を惹起しうる作
用を有する化合物とを組み合わせてなる医薬組成物;H
SP誘導作用を有する化合物とCOX阻害作用を有する
化合物とを組み合わせてなる医薬組成物;HSP誘導作
用と組織障害を惹起しうる作用とを有する化合物を含有
する、組織障害が抑制された医薬組成物;炎症性疾患、
関節炎、リウマチ、慢性関節リウマチ、変形関節症等の
予防・治療の際に有用な、COX阻害作用を有する化合
物に由来する組織障害の抑制された医薬組成物;などに
関する。
【0002】
【従来の技術】昨今の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID
s: Non-Steroidal Anti-InflammatoryDrugs)に関連す
る各種研究によって、その作用点や作用メカニズムとそ
の副作用(例えば消化管・腎臓などの組織障害)との関
係が解明されつつある。例えば、アスピリンの薬理作用
の解明がVaneおよびその共同研究者らによって1971年に
報告され(Nature (New Biol.), 231, 232 (1971))、
アスピリンおよびその他の非ステロイド性抗炎症薬の解
熱、鎮痛、抗炎症作用が、プロスタグランジン産生の抑
制であることが明らかとなった。一方、プロスタグラン
ジン(PG)は1930年代に発見され、1960年代に化学構造
が報告された。プロスタグランジンが、アラキドン酸か
らヒツジ精嚢腺ホモジネートに含まれる酵素(シクロオ
キシゲナーゼなどの酸素添加酵素)とのインキュベーシ
ョンによって産生されることが報告されたのは1972年で
あった(Adv. Prostagl. and Thromb. Res., vol.4, p
p.1-25 (1978))。その後、シクロオキシゲナーゼ(CO
X)の酵素としての性質の解明に多くの研究がなされ、1
991年にアイソザイムのCOX-2が見い出された(J. Biol.
Chem., 266, 12866-12872 (1991))。いわゆる非ステ
ロイド性抗炎症薬の作用が、プロスタグランジン産生抑
制で、おおよそ説明されるようになったが、これらの薬
物には胃腸管の消化性潰瘍や腎障害などの強い副作用が
あることが問題であった。現在は、この副作用が、恒常
的な生理機能に働くCOX-1を抑制してしまうためであろ
うと考えられているが、そのメカニズムは未だ明らかに
なっていない。以上の考えに基づいて、COX-2選択性が
高いcelecoxib、rofecoxibなどが開発され、胃腸障害が
少ない医薬品として上市されている。しかしながら、腎
ではCOX-1とともにCOX-2が構成的に発現されており、一
般に、COX-1は主として生理機能を維持するためのプロ
スタグランジン類の産生に働き、COX-2は炎症や細胞増
殖など生体防御のために働いていると考えられている。
一方で、COX-2欠損マウスでの実験からCOX-2阻害薬の投
与により腎障害などが生じる危険性も指摘され、さらに
は、COX-2阻害薬を用いて、胃腸障害がむしろ悪化した
例があることも報告されている(Cell, 83, 345-348,
(1995))。一方、COX-2によって産生されるプロスタグ
ランジンが組織修復、血管新生に働くことも見い出され
ている(Trend Pharmacol. Sci., 20, 4-6 (1999))。
また、COX-2は緻密斑や腎髄質の間質細胞に発現が認め
られ、ナトリウム制限や腎血流低下により発現が誘導さ
れることから、ナトリウムやレニン分泌の調整に重要な
役割を果たしていると考えられている(J. Clin. Inves
t., 94, 2504-2510 (1994))。この様に、COX-2選択的
阻害薬も慎重に投与すべきであると考えられている。ま
た、COX阻害薬としては、これまでに、例えば、 (1)クラシカルNSAIDs(Classical NSAIDs) Diclofenac, Indomethacin, Aspirin, Ibuprofen, Keto
prophen, Piroxicam, 等; (2)COX-2選択的阻害薬(COX-2 selective inhibitor
s) Celecoxib, Rofecoxib, MK-663, Valdecoxib, SC-5766
6, JTE-522, S-2474, SC-57666, 等; (3)デュアル・インヒビター(dual inhibitors) ML-3000, p54 (COX inhibitor & 5-lipoxygenase inhib
itor), 等; (4)NO(Nitric oxide)遊離型NSAIDsなどが報告され
ている。
【0003】一方、熱ショック蛋白質(HSP:Hea
t Shock Protein)は細胞が熱刺激などの
ストレスに曝されたときに、細胞が誘導するタンパク質
で、高温下での細胞の生存を可能にするための物質と考
えられている。HSPは熱刺激以外にもさまざまな非特
異的なストレス(アルコール、酸化的ストレスなど)に
よっても誘導され、このHSP誘導によって細胞はさま
ざまなストレスに対し、非特異的に抵抗性を獲得すると
考えられている(炎症、VOL.20,NO.3,18
9−201,(2000))。また、様々なストレスに
曝される胃粘膜細胞を用いて、すべての胃粘膜ストレス
(アルコール、酸、活性酸素、抗炎症薬など)がアポト
ーシスを誘導すること、及びそのアポトーシスがHSP
誘導によって抑制されることが報告されている(炎症、
VOL.20,NO.3,189−201,(200
0))。この結果は、HSP誘導剤が、全てのストレス
から胃粘膜を保護する胃粘膜保護薬として理想的である
ことを示唆している。さらには、HSPの一種であるH
SP27が細胞死を抑制することが報告されている(N
ature Cell Biology ,645−6
52(2000), Molecular and Ce
llular Biology,20,7602−76
12(2000))。この様に、HSPはストレス蛋白
質の一種であって、細胞がストレス環境下で生き残るた
めに誘導する蛋白質であり、これまでに、HSPにはH
SP100,HSP90,HSP70,HSP60,H
SP56,HSP47,HSP27など様々な分子が知
られている(Handbook of Experime
ntal Pharmacology,136,pp.
1−7(1998))。
【0004】このようなHSPを誘導する剤としては、
胃粘膜保護薬であるゲラニルゲラニルアセトン(GG
A)(商品名セルベックス)が知られている。このGG
Aは、HSP遺伝子の転写因子を活性化することによ
り、in vitroおよびin vivoで胃粘膜細胞にHSPを誘
導することが報告されている(Gastroenter
ology,111,345−357 (199
6))。また、in vitro胃粘膜細胞を予めゲラニルゲラ
ニルアセトンで処理しておくことにより、インドメタシ
ンによる細胞障害が抑制されることが報告されている
(Digestive Diseases & Scie
nce,45,1674−1679 (2000))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炎症性疾
患、関節炎、リウマチ、慢性関節リウマチ、変形関節症
やその他の疾患などの予防・治療において、予防・治療
に有効なCOX阻害作用を有する化合物などの組織障害
を惹起しうる作用を有する化合物の投与を行っても、患
者の消化管・腎臓など組織障害が発現しないような薬剤
の開発を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、COX阻
害作用物質の投与中に、組織障害を発現し得ないだけの
HSP誘導作用物質を作用させることによって、炎症性
疾患、関節炎、リウマチ、慢性関節リウマチ、変形関節
症患者の消化管・腎臓など組織障害が抑制されることを
初めて見出し、これらの知見に基づいて更に研究を進
め、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、 (1)式(I):
【化3】 [式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基
を有していてもよい硫黄原子またはエステル化もしくは
アミド化されていてもよいカルボキシル基、R2は無置
換、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素
基、R3は置換基を有していてもよい複素環基、X、Y
およびZは、各々、水素、ハロゲン、ニトリル、置換基
を有していてもよい炭化水素基、エステル化もしくはア
ミド化されていてもよいカルボキシル基、置換基を有し
ていてもよいアシル基、−NR45、酸素原子、−OR
4、硫黄原子または−SR4(R4およびR5は、各々、水
素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基
を有していてもよい複素環基または両方が一緒になって
それらが結合する窒素原子と共に環状アミノ基を形成し
てもよい)あるいはXとYとが一緒になってA環を、ま
たはYとZとが一緒になってB環を形成してもよい、実
線と破線とで示す結合部分は単結合または二重結合のい
ずれか、破線で示す結合部分は単結合または無置換のい
ずれか、A環は置換基を有していてもよい5ないし7員
の同素または複素環、B環は置換基を有していてもよい
5ないし7員の同素または複素環、nは0または1の整
数を示す]で表わされる化合物またはその塩を含有する
HSP誘導剤; (2)3−メチル−1−(2−ピリジニル)−6−トリ
フルオロメチル−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ
[3,4−b]キノリン−4−オンまたはその塩を含有
するHSP誘導剤; (3)6,7−ジフルオロ−3−メチル−1−(2−ピ
リジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,
4−b]キノリン−4−オンまたはその塩を含有するH
SP誘導剤; (4)6−クロロ−7−フルオロ−3−メチル−1−
(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾ
ロ[3,4−b]キノリン−4−オンまたはその塩を含
有するHSP誘導剤; (5)6−クロロ−1−(2−ピリジニル)−1,9−
ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4
−オンまたはその塩を含有するHSP誘導剤;(6)組
織障害の改善剤または進展抑制剤である前記(1)ない
し(5)のいずれかに記載の剤; (7)組織障害が消化管障害または腎障害である前記
(6)記載の剤; (8)前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の化合
物またはその塩の有効量を哺乳動物に投与することを特
徴とする、HSPの誘導方法; (9)HSP誘導剤の製造のための、前記(1)ないし
(5)のいずれかに記載の化合物またはその塩の使用; (10)HSP誘導作用と組織障害を惹起しうる作用と
を有する化合物を含有する、該組織障害が抑制された医
薬組成物; (11)組織障害を惹起しうる作用がCOX阻害作用で
ある前記(10)記載の組成物; (12)COX阻害用である前記(11)記載の組成
物; (13)組織障害の改善剤または進展抑制剤である前記
(10)ないし(12)のいずれかに記載の組成物; (14)組織障害が消化管障害または腎障害である前記
(13)記載の組成物; (15)HSP誘導作用と消化管障害または腎障害を惹
起しうる作用とを有する化合物を含有する、消化管障害
または腎障害の改善剤または進展抑制剤; (16)炎症性疾患、関節炎、リウマチ、慢性関節リウ
マチまたは変形関節症の予防・治療剤である前記(1
1)または(12)記載の組成物; (17)HSP誘導作用とCOX阻害作用とを有する化
合物を含有する、消化管障害または腎障害が抑制された
炎症性疾患、関節炎、リウマチ、慢性関節リウマチまた
は変形関節症の予防・治療剤; (18)組織障害を惹起しうる作用に由来する組織障害
を約60%以上抑制する前記(10)記載の組成物; (19)COX阻害作用に由来する組織障害を約60%
以上抑制する前記(11)記載の組成物; (20)化合物が式(I):
【化4】 [式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基
を有していてもよい硫黄原子またはエステル化もしくは
アミド化されていてもよいカルボキシル基、R2は無置
換、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素
基、R3は置換基を有していてもよい複素環基、X、Y
およびZは、各々、水素、ハロゲン、ニトリル、置換基
を有していてもよい炭化水素基、エステル化もしくはア
ミド化されていてもよいカルボキシル基、置換基を有し
ていてもよいアシル基、−NR45、酸素原子、−OR
4、硫黄原子または−SR4(R4およびR5は、各々、水
素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基
を有していてもよい複素環基または両方が一緒になって
それらが結合する窒素原子と共に環状アミノ基を形成し
てもよい)あるいはXとYとが一緒になってA環を、ま
たはYとZとが一緒になってB環を形成してもよい、実
線と破線とで示す結合部分は単結合または二重結合のい
ずれか、破線で示す結合部分は単結合または無置換のい
ずれか、A環は置換基を有していてもよい5ないし7員
の同素または複素環、B環は置換基を有していてもよい
5ないし7員の同素または複素環、nは0または1の整
数を示す]で表わされる化合物またはその塩である前記
(10)記載の組成物; (21)化合物が3−メチル−1−(2−ピリジニル)
−6−トリフルオロメチル−1,9−ジヒドロ−4H−
ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オンまたはその
塩である前記(20)記載の組成物; (22)化合物が6,7−ジフルオロ−3−メチル−1
−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラ
ゾロ[3,4−b]キノリン−4−オンまたはその塩で
ある前記(20)記載の組成物; (23)化合物が6−クロロ−7−フルオロ−3−メチ
ル−1−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H
−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オンまたはそ
の塩である前記(20)記載の組成物; (24)化合物が6−クロロ−1−(2−ピリジニル)
−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−b]キ
ノリン−4−オンまたはその塩である前記(20)記載
の組成物; (25)HSP誘導作用と組織障害を惹起しうる作用と
を有する化合物の有効量を哺乳動物に投与することを特
徴とする、該組織障害の抑制方法; (26)組織障害が抑制された医薬組成物の製造のため
の、HSP誘導作用と該組織障害を惹起しうる作用とを
有する化合物の使用; (27)HSP誘導作用とCOX阻害作用とを有する化
合物の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、
COX阻害作用に起因する組織障害の抑制方法; (28)COX阻害作用に起因する組織障害を惹起しう
る作用が抑制されている医薬組成物の製造のための、H
SP誘導作用とCOX阻害作用とを有する化合物の使
用; (29)HSP誘導作用を有する化合物(好ましくは、
GGAを除く)と組織障害を惹起しうる作用を有する化
合物(好ましくは、インドメタシンを除く)とを組み合
わせてなる医薬組成物; (30)HSP誘導作用を有する化合物とCOX阻害作
用を有する化合物とを組み合わせてなる医薬組成物。 (31)組織障害の改善剤または進展抑制剤である前記
(29)または(30)記載の組成物; (32)組織障害が消化管障害または腎障害である前記
(31)記載の組成物; (33)HSP誘導作用を有する化合物の有効量と組織
障害を惹起しうる作用を有する化合物の有効量とを哺乳
動物に投与することを特徴とする、該組織障害の抑制方
法; (34)組織障害が抑制された医薬組成物の製造のため
の、HSP誘導作用を有する化合物と該組織障害を惹起
しうる作用を有する化合物との使用; (35)HSP誘導作用を有する化合物の有効量とCO
X阻害作用を有する化合物の有効量とを哺乳動物に投与
することを特徴とする、COX阻害作用に起因する組織
障害の抑制方法; (36)COX阻害作用に起因する組織障害を惹起しう
る作用が抑制されている医薬組成物の製造のための、H
SP誘導作用を有する化合物とCOX阻害作用を有する
化合物との使用;などに関する。
【0007】本発明に用いられる「HSP誘導作用を有
する化合物」は、HSPを誘導する作用を有する化合物
であれば如何なる化合物であってもよい。ここで、HS
P誘導作用とは、例えばイン・ビボ(in vivo)で100m
g/kg以下の用量で明確なHSP誘導作用(好ましくは、
HSP27誘導作用)を示すことを意味し、具体的に
は、後述の試験例4において、用量が100mg/kg以下でH
SP27誘導作用を示すことが好ましい。すなわち、対
照群に対し、1.5倍以上のHSP27誘導作用を示す
ことが好ましい。さらには、対照群に対し、2.0倍以
上のHSP27誘導作用を示すことがより好ましい。ま
た、HSP誘導作用(好ましくは、HSP27誘導作
用)を発現する結果として、組織障害を惹起しうる作用
を有する化合物(例、COX阻害作用を有する化合物な
ど)に由来する消化管障害、腎障害などの組織障害を約
60%以上抑制する活性を有していることが望ましい。
【0008】本発明に用いられる「組織障害を惹起しう
る作用を有する化合物」は、副作用としての組織障害を
惹起しうる作用を有する化合物であれば如何なる化合物
であってもよい。「組織障害を惹起しうる作用を有する
化合物」としては、例えば、抗炎症薬(例、COX−1
阻害薬、COX−2阻害薬など);ステロイド抗炎症
薬;抗リウマチ作用薬(例、エンブレル、レミケイド、
メトトレキセート、タクロリムス、p38MAPキナー
ゼ阻害薬、細胞分化誘導促進剤など);抗不安薬;抗鬱
薬;精神分裂治療薬;コリンエステラーゼ阻害薬(例、
アリセプトなど);アルツハイマー治療薬(例、β−ア
ミロイド蛋白産生・分泌阻害薬など);各種サイトカイ
ン製剤;抗パーキンソン病治療薬;全身または局所麻酔
薬;各種点眼薬;抗アレルギー薬;各種抗喘息薬(例、
トロンボキサン拮抗・合成阻害剤、ロイコトリエン拮抗
・合成阻害剤など);COPD治療薬(例、PDEIV阻害薬な
ど);鎮咳薬;強心薬;抗不整脈薬;降圧薬(例、ACE
阻害薬、AII拮抗薬、Ca拮抗薬、β遮断薬、Kチャネル開
口薬、α遮断薬など);エンドセリン拮抗薬;血管拡張
薬;脳血管障害治療薬;急性期脳梗塞治療薬;抗血栓薬
(例、血栓溶解薬、抗血小板薬など);高脂血症治療薬
(例、スタチン系薬剤(アトロバスタチンなど)、フィ
ブレート系薬剤(フェノフィブラートなど)など;各種
接着蛋白阻害薬;呼吸促進薬;抗潰瘍薬(例、PPI阻害
薬(ランソプラゾール、オメプラゾールなど)、H2拮
抗薬など);制吐薬;消化管機能改善薬;過敏性腸症候
群治療薬;各種ホルモン製剤;前立腺肥大治療薬;抗菌
薬;人工血液;抗凝固薬(例、低分子ヘパリン、アルガ
トロバン、ヒルジンなど);抗血小板薬(例、クロピド
グレル、チクロピジン、アスピリン、シロスタゾール、
オザグレル、GPIIb/IIIa拮抗薬、vWF拮抗薬など);血
栓溶解薬(例、tPA、tPAムテイン、プロウロキナーゼ、
ウロキナーゼなど);造血剤(例、エリスロポエチンと
そのムテインなど);臓器再生促進物質(例、肝再生促
進薬(HGFなど)など);肝臓疾患治療薬(例、インタ
ーフェロンファミリー、肝炎ワクチンなど);痛風治療
薬(例、キサンチンオキシダーゼ阻害薬など);糖尿病
治療薬(例、核内受容体活性化薬(アクトスなど)、糖
吸収阻害薬(ボグリボースなど)、インスリン製剤な
ど);糖尿病性合併症治療薬(例、Y-128、カプトプリ
ル、アルドース還元酵素阻害薬など);抗肥満薬(例、
シブトラミンなど);膵炎治療薬;免疫抑制薬(例、タ
クロリムスなど);骨粗鬆症治療薬(例、リセドロネー
ト、PTH、カルシトニン、エストロージェン製剤な
ど);抗腫瘍剤(例、5FU、アドリアマイシン、タキソ
ール、アルキル化剤、白金錯体、代謝拮抗剤、トポイソ
メラーゼ類、微小管蛋白作用薬、抗ホルモン、抗生物
質、分子標的抗癌薬(ZD1839)、サイトカイン、モノク
ローナル抗体(ハーセプチン)など);放射性医薬品;
抗生物質;抗エイズ薬;ワクチン類;麻薬(例、モルヒ
ネなど)などが挙げられ、消化管障害、腎障害、肝臓障
害、膵臓障害、肺臓障害、精巣障害、血球系障害、心筋
障害、横紋筋障害、神経障害、網膜障害、皮膚障害、感
覚器障害(目・耳などの障害)、脳血管障害(好ましく
は、消化管、腎障害など)などの組織障害を惹起しうる
化合物が挙げられるが、なかでも、アルツハイマー治療
作用を有する化合物(例、β−アミロイド蛋白産生・分
泌阻害作用を有する化合物など);COPD治療作用を有す
る化合物(例、PDEIV阻害作用を有する化合物など);
強心作用を有する化合物;降圧作用を有する化合物
(例、ACE阻害作用を有する化合物、AII拮抗作用を有す
る化合物、Ca拮抗作用を有する化合物、β遮断作用を有
する化合物、Kチャネル開口作用を有する化合物、α遮
断作用を有する化合物など);急性期脳梗塞治療作用を
有する化合物;抗潰瘍作用を有する化合物(例、PPI阻
害作用を有する化合物、H2拮抗作用を有する化合物な
ど);血栓溶解作用を有する化合物;糖尿病性合併症治
療作用を有する化合物(例、アルドース還元酵素阻害作
用を有する化合物など);免疫抑制作用を有する化合
物;抗腫瘍作用を有する化合物;放射性医薬品;などが
好ましく用いられ、とりわけ、急性期脳梗塞治療作用を
有する化合物;血栓溶解作用を有する化合物;抗腫瘍作
用を有する化合物;放射性医薬品;などが好ましく用い
られる。ここで、例えばCOX阻害作用とは、COX活
性を抑制する作用を意味し、例えば、COX活性を阻害
する作用でも、COXの発現を抑制する作用であっても
よい。ここで、COX阻害作用とは、例えばイン・ビト
ロ(in vitro)で10μM以下の濃度で明確なCOX阻
害作用を示すことを意味し、具体的には、後述の試験例
1において、IC50値が10μM以下でCOX阻害作用
を示すことが好ましい。
【0009】本発明において、「HSP誘導作用を有す
る化合物」は「組織障害を惹起しうる作用を有する化合
物(例えば、COX阻害作用を有する化合物など)」に
由来する組織障害を抑制するのに有用である。ここで、
「HSP誘導作用を有する化合物」と「組織障害を惹起
しうる作用を有する化合物」とは同一の化合物(両作用
を併有する化合物)であっても、互いに異なる化合物
(2つの化合物の併用)であっても良いが、投与される
患者の負担や調剤等の手間を考えれば、同一の化合物で
あることが好ましい。また、「HSP誘導作用を有する
化合物」に由来するHSP誘導作用に基づいて、「組織
障害を惹起しうる作用を有する化合物」に由来する組織
障害などの副作用の軽減のみならず、薬効の明確化によ
り、「組織障害を惹起しうる作用を有する化合物」の主
作用(例、COX阻害作用など)の増強も期待できる。
本発明において、「HSP誘導作用と組織障害を惹起し
うる作用とを有する化合物」は「組織障害を惹起しうる
作用を有する化合物」に由来する組織障害を抑制するの
に有用である。ここで、「HSP誘導作用と組織障害を
惹起しうる作用とを有する化合物」と「組織障害を惹起
しうる作用を有する化合物」とは同一の化合物であって
も、異なる化合物であっても良いが、同一の化合物であ
ることが好ましい。また、本発明において、「HSP誘
導作用とCOX阻害作用とを有する化合物」は「COX
阻害作用を有する化合物」に由来する組織障害を抑制す
るのに有用である。ここで、「HSP誘導作用とCOX
阻害作用とを有する化合物」と「COX阻害作用を有す
る化合物」とは同一の化合物であっても、異なる化合物
であっても良いが、同一の化合物であることが好まし
い。「HSP誘導作用とCOX阻害作用とを有する化合
物」と「COX阻害作用を有する化合物」とが異なる化
合物である場合、「COX阻害作用を有する化合物」と
して用いられる化合物の好適な例としては、Diclofena
c, Indomethacin, Aspirin, Ibuprofen, Ketoprophen,
Piroxicam, Celecoxib, Rofecoxib, MK-663,Valdecoxi
b, SC-57666, JTE-522, S-2474, SC-57666, ML-3000な
どのNSAIDsが挙げられる。また、「HSP誘導作
用と組織障害を惹起しうる作用とを有する化合物」と
「組織障害を惹起しうる作用を有する化合物」とが異な
る場合、特に、「組織障害を惹起しうる作用を有する化
合物」により組織障害が生じた後に、「HSP誘導作用
と組織障害を惹起しうる作用とを有する化合物」の投与
に切り替えた場合、「組織障害を惹起しうる作用を有す
る化合物」により生じた組織障害が進展し、病状が悪化
するのを抑制することにも有用である。
【0010】前記した「HSP誘導作用とCOX阻害作
用とを有する化合物」としては、例えば、WO01/7
2749号公報に記載の式(I):
【化5】 [式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基
を有していてもよい硫黄原子〔−SR4(R4は、水素原
子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基
を有していてもよい複素環基を示す)など〕またはエス
テル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル
基、R2は無置換、水素原子または置換基を有していて
もよい炭化水素基、R3は置換基を有していてもよい複
素環基、X、YおよびZは、各々、水素、ハロゲン、ニ
トリル、置換基を有していてもよい炭化水素基、エステ
ル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル
基、置換基を有していてもよいアシル基、−NR45
酸素原子、−OR4、硫黄原子または−SR4(R4およ
びR5は、各々、水素原子、置換基を有していてもよい
炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基または
両方が一緒になってそれらが結合する窒素原子と共に環
状アミノ基を形成してもよい)あるいはXとYとが一緒
になってA環を、またはYとZとが一緒になってB環を
形成してもよい、実線と破線とで示す結合部分は単結合
または二重結合のいずれか、破線で示す結合部分は単結
合または無置換のいずれか、A環は置換基を有していて
もよい5ないし7員の同素または複素環、B環は置換基
を有していてもよい5ないし7員の同素または複素環、
nは0または1の整数を示す]で表わされる化合物また
はその塩などが挙げられるが、式(Ia):
【化6】 [式中、R1aは水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基またはエステル化もしくはアミド化されていて
もよいカルボキシル基、R2aは無置換、水素原子または
置換基を有していてもよい炭化水素基、R3aは置換基を
有していてもよい複素環基、Xaは水素、ハロゲン、ニ
トリル、置換基を有していてもよい炭化水素基、エステ
ル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル
基、置換基を有していてもよいアシル基、−NR
4a5a、酸素原子、−OR4a、硫黄原子または−SR4a
(R4aおよびR5aは、各々、水素原子、置換基を有して
いてもよい炭化水素基または両方が一緒になってそれら
が結合する窒素原子と共に環状アミノ基を形成してもよ
い)、実線と破線とで示す結合部分は単結合または二重
結合のいずれか、破線で示す結合部分は単結合または無
置換のいずれか、Ba環は置換基を有していてもよい5
ないし7員の同素または複素環、mは0または1の整数
を示す]で表わされる化合物またはその塩などが好まし
く、なかでも、式(Ia’):
【化7】 [式中、R1aは水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基またはエステル化もしくはアミド化されていて
もよいカルボキシル基、R2aは無置換、水素原子または
置換基を有していてもよい炭化水素基、R3abは置換基
を有していてもよい、ヘテロ原子として2個以下の窒素
原子を含む不飽和複素環基またはヘテロ原子として1個
の窒素原子と1個の硫黄原子とを含む不飽和単環式複素
環基、Xaは水素、ハロゲン、ニトリル、置換基を有し
ていてもよい炭化水素基、エステル化もしくはアミド化
されていてもよいカルボキシル基、置換基を有していて
もよいアシル基、−NR4a5a、酸素原子、−OR4a
硫黄原子または−SR4a(R 4aおよびR5aは、各々、水
素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または両
方が一緒になってそれらが結合する窒素原子と共に環状
アミノ基を形成してもよい)、実線と破線とで示す結合
部分は単結合または二重結合のいずれか、破線で示す結
合部分は単結合または無置換のいずれか、Ba環は置換
基を有していてもよい5ないし7員の同素または複素
環、mは0または1の整数を示す]で表わされる化合物
またはその塩などが好ましく、とりわけ、3−メチル−
1−(2−ピリジニル)−6−トリフルオロメチル−
1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−b]キノ
リン−4−オン〔以下、化合物Aと称することがあ
る〕、6,7−ジフルオロ−3−メチル−1−(2−ピ
リジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,
4−b]キノリン−4−オン〔以下、化合物Bと称する
ことがある〕、6−クロロ−7−フルオロ−3−メチル
−1−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−
ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オン〔以下、化
合物Cと称することがある〕、6−クロロ−1−(2−
ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ
[3,4−b]キノリン−4−オン〔以下、化合物Dと
称することがある〕またはそれらの塩などが好ましく用
いられる。これらの化合物は、それぞれHSP誘導剤と
して用いることもできる。
【0011】以下に、一般式(I)について詳述する。
本明細書中で用いられる用語「置換基を有していてもよ
い炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、脂
肪族炭化水素基、単環式飽和炭化水素基および芳香族炭
化水素基などがあげられ、炭素数1ないし16個のもの
が好ましい。具体的には、例えば、アルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基
などが用いられる。「アルキル基」は、例えば、低級ア
ルキル基などが好ましく、例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのC1-6
アルキル基などが汎用される。「アルケニル基」は、例
えば、低級アルケニル基などが好ましく、例えば、ビニ
ル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニ
ル、イソブテニルなどのC2-6アルケニル基などが汎用
される。「アルキニル基」は、例えば、低級アルキニル
基などが好ましく、例えば、エチニル、プロパルギル、
1−プロピニルなどのC2-6アルキニル基などが汎用さ
れる。「シクロアルキル基」は、例えば、低級シクロア
ルキル基などが好ましく、例えば、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC
3-6シクロアルキル基などが汎用される。「アリール
基」は、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチ
ル、ビフェニリル、2−インデニル、2−アンスリルな
どのC6-14アリール基などが好ましく、例えば、フェニ
ル基などが汎用される。
【0012】「置換基を有していてもよい炭化水素基」
の「炭化水素基」が有していてもよい置換基としては、
例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素など)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、
ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基(例えば、
メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロ
メチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチ
ル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエ
チル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロ
ペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル
などのハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル
基)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、
ブトキシ、イソブトキシ、シクロブトキシ、ペンチルオ
キシ、シクロペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロ
ヘキシルオキシなどのC1-6アルコキシ基など)、アミ
ノ基、モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルア
ミノ、エチルアミノなどのモノ−C1-6アルキルアミノ
基など)、ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノなどのジ−C1-6アルキルア
ミノ基など)、カルボキシル基、低級アルキルカルボニ
ル基(例えば、アセチル、プロピオニルなどのC1-6
ルキルカルボニル基など)、低級アルコキシカルボニル
基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルなどの
1-6アルコキシカルボニル基など)、カルバモイル
基、モノ−低級アルキルカルバモイル基(例えば、メチ
ルカルバモイル、エチルカルバモイルなどのモノ−C
1-6アルキルカルバモイル基など)、ジ−低級アルキル
カルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル、ジエ
チルカルバモイルなどのジ−C 1-6アルキルカルバモイ
ル基など)、アリールカルバモイル基(例えば、フェニ
ルカルバモイル、ナフチルカルバモイルなどのC6-10
リールカルバモイル基)、アリール基(例えば、フェニ
ル、ナフチルなどのC6-10アリール基)、アリールオキ
シ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシなどの
6-10アリールオキシ基)、ハロゲン化されていてもよ
い低級アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチル
アミノ、トリフルオロアセチルアミノなどのハロゲン化
されていてもよいC1-6アルキル−カルボニルアミノ基
など)などが用いられる。該「置換基を有していてもよ
い炭化水素基」の「炭化水素基」は、前記の置換基を、
炭化水素基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましく
は1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上
の場合は、各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0013】本明細書中で用いる用語「置換基を有して
いてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例え
ば、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子
から選ばれた1種または2種1ないし4個(好ましくは
1ないし3個)のヘテロ原子を含む5ないし14員(好
ましくは5ないし10員)の(単環式ないし3環式、好
ましくは単環式または2環式)複素環基などがあげられ
る。例えば、2−または3−チエニル、3−フリル、1
−、2−または3−ピロリル、1−、2−または3−ピ
ロリジニル、2−、4−または5−オキサゾリル、3
−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−また
は5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリ
ル、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、3−また
は4−ピラゾリジニル、2−、4−または5−イミダゾ
リル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリ
ル、1H−または2H−テトラゾリルなどの炭素原子以
外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれたヘ
テロ原子を1ないし4個含む5員環基、例えば、2−、
3−または4−ピリジニル、N−オキシド−2−、3−
または4−ピリジニル、2−、4−または5−ピリミジ
ニル、N−オキシド−2−、4−または5−ピリミジニ
ル、チオモルホリニル、モルホリニル、ピペリジノ、2
−、3−または4−ピペリジル、チオピラニル、1,4
−オキサジニル、1,4−チアジニル、1,3−チアジニ
ル、ピペラジニル、トリアジニル、3−または4−ピリ
ダジニル、ピラジニル、N−オキシド−3−または4−
ピリダジニルなどの炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子
および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個
含む6員環基、例えば、インドリル、ベンゾフリル、ベ
ンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、
イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキ
サリニル、インドリジニル、キノリジニル、1,8−ナ
フチリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アク
リジニル、フェナントリジニル、クロマニル、フェノチ
アジニル、フェノキサジニルなどの炭素原子以外に酸素
原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれたヘテロ原子
を1ないし4個含む2環性または3環性縮合環基(好ま
しくは、前記の5または6員環が炭素原子以外に酸素原
子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を
1ないし4個含んでいてもよい5または6員環基1また
は2個と縮合して形成される基)などが用いられる。な
かでも、炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素
原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含む5ない
し7員(好ましくは5または6員)の複素環基が好まし
い。
【0014】該「置換基を有していてもよい複素環基」
の「複素環基」が有していてもよい置換基としては、例
えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素など)、低級アルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの
1-6アルキル基など)、シクロアルキル基(例えば、
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基など)、低級ア
ルキニル基(例えば、エチニル、1-プロピニル、プロパ
ルギル等のC2-6アルキニル基など)、低級アルケニル
基(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニ
ル、イソブテニルなどのC2-6アルケニル基など)、ア
ラルキル基(例えば、ベンジル、α-メチルベンジル、
フェネチル等のC7-11アラルキル基など)、アリール基
(例えば、フェニル、ナフチルなどのC6-10アリール基
など、好ましくはフェニル基)、低級アルコキシ基(例
えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブ
トキシ等のC1-6アルコキシ基など)、アリールオキシ
基(例えば、フェノキシ等のC6-10アリールオキシ基な
ど)、低級アルカノイル基(例えば、ホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等のC1-6
アルカノイル基など)、アリールカルボニル(例えば、
ベンゾイル、ナフトイル等のC6-10アリールカルボニル
基など)、低級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミ
ルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチ
リルオキシ、イソブチリルオキシ等のC1-6アルカノイ
ルオキシ基など)、アリールカルボニルオキシ基(例え
ば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のC6-10
リールカルボニルオキシ基など)、カルボキシル基、低
級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソ
プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブト
キシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなどのC1-6
アルコキシ−カルボニル基など)、アラルキルオキシカ
ルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC
7-11アラルキルオキシカルボニル基など)、カルバモイ
ル基、モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲノ−低級アルキ
ル基(例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフ
ルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどのモ
ノ−、ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1-4アルキル基な
ど)、オキソ基、アミジノ基、イミノ基、アミノ基、モ
ノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エ
チルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブ
チルアミノ等のモノ−C1-4アルキルアミノ基など)、
ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、
ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルア
ミノ、ジブチルアミノ等のジ−C1-4アルキルアミノ基
など)、炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫
黄原子および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ない
し3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミノ基
(例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニ
ル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、イミダゾリジニル、ピペリジル、モルホリニル、ジ
ヒドロピリジニル、ピリジニル、N-メチルピペラジニ
ル、N-エチルピペラジニルなどの3ないし6員の環状
アミノ基など)、アルキレンジオキシ基(例えば、メチ
レンジオキシ、エチレンジオキシなどのC1-3アルキレ
ンジオキシ基など)、ヒドロキシル基、ニトロ基、シア
ノ基、メルカプト基、スルホ基、スルフィノ基、ホスホ
ノ基、スルファモイル基、モノアルキルスルファモイル
基(例えば、N-メチルスルファモイル、N-エチルスル
ファモイル、N-プロピルスルファモイル、N-イソプロ
ピルスルファモイル、N-ブチルスルファモイル等のモ
ノ−C1-6アルキルスルファモイル基など)、ジアルキ
ルスルファモイル基(例えば、N,N -ジメチルスルフ
ァモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N,N-ジプ
ロピルスルファモイル、N,N-ジブチルスルファモイル
等のジ−C1-6アルキルスルファモイル基など)、アル
キルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピ
ルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチ
オ、tert-ブチルチオなどのC1-6アルキルチオ基な
ど)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチ
ルチオ等のC6-10アリールチオ基など)、低級アルキル
スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチル
スルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルス
ルフィニル、ブチルスルフィニル等のC1-6アルキルス
ルフィニル基など)、アリールスルフィニル基(例え
ば、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル等の
6-10アリールスルフィニル基など)、低級アルキルス
ルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホ
ニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、
ブチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基な
ど)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホ
ニル、ナフチルスルホニルなどのC6-10アリールスルホ
ニル基など)などが用いられる。該「置換基を有してい
てもよい複素環基」の「複素環基」は、前記の置換基
を、複素環基の置換可能な位置に1ないし5個、好まし
くは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以
上の場合は、各置換基は同一または異なっていてもよ
い。
【0015】本明細書中で用いる用語「置換基を有して
いてもよいアミノ基」は、置換基として、例えば、前記
「置換基を有していてもよい炭化水素基」などを1また
は2個有していてもよいアミノ基などがあげられる。こ
の「アミノ基」が有していてもよい置換基の好ましいも
のとしては、例えば、置換基を有していてもよいC1- 6
アルキル基、置換基を有していてもよいC6-10アリール
基などである。該「C1 -6アルキル基」、「C6-10アリ
ール基」が有していてもよい置換基としては、前記「炭
化水素基」が有していてもよい置換基と同様のものが用
いられる。本明細書中で用いる用語「置換基を有してい
てもよい低級アルコキシ基」の「低級アルコキシ基」
は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシお
よびtert−ブトキシなどのC1 -6アルコキシ基などを示
し、置換基として、例えば、前記「炭化水素基」が有し
ていてもよい置換基などを1ないし3個有していてもよ
い。本明細書中で用いる用語「置換基を有していてもよ
いベンゼン環」としては、例えば、ハロゲン原子(例え
ば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、置換基を有し
ていてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいア
ミノ基、アミド基(例えば、アセトアミドなどのC1-6
アシルアミノ基、好ましくはC1-6アルカノイルアミノ
基など)、置換基を有していてもよい低級アルコキシ
基、低級アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオ
キシ、エチレンジオキシなどのC1-6アルキレンジオキ
シ基など)、および前記の「置換基を有していてもよい
複素環基」の「複素環基」が有していてもよい置換基と
同様な基などから選ばれる同一または異なった1ないし
3個(好ましくは1または2個)の置換基を置換可能な
位置に有していてもよいベンゼン環を示す。これらの
「置換基を有していてもよい炭化水素基」、「置換基を
有していてもよいアミノ基」および「置換基を有してい
てもよい低級アルコキシ基」としては、例えば、前記で
詳細に説明したものと同様のものが用いられる。これら
の「炭化水素基」、「アミノ基」および「低級アルコキ
シ基」が有する置換基の数が2個以上の場合、各置換基
は同一または異なっていてもよい。該「置換基を有して
いてもよいベンゼン環」は、例えば、ハロゲン原子(例
えば、フッ素、塩素など)、C1-6アルキル基(例え
ば、メチル、エチルなど)、およびモノ−C1-6アルキ
ルアミノ基から選ばれた1ないし3個の置換基で置換さ
れていてもよいベンゼン環などが好ましい。
【0016】本発明で用いる用語「置換基を有していて
もよい硫黄原子」は、−SR4で表される基を示す。こ
こで、R4は水素原子、置換基を有していてもよい炭化
水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示
す。本明細書中で用いる用語「エステル化されていても
よいカルボキシル基」は−COOR6で表わされる基を
示す。ここで、R6は水素原子または置換基を有してい
てもよい炭化水素基を示す。また、本明細書中で用いる
用語「アミド化されていてもよいカルボキシル基」は−
CONR78で表わされる基を示す。ここで、R7およ
びR8は、各々、水素原子、置換基を有していてもよい
炭化水素基または両方が一緒になって、それらが結合す
る窒素原子と共に環状アミノ基を形成してもよい。本明
細書中で用いる用語「置換基を有していてもよいアシル
基」は−COR9、−SOR9および−SO29で表わさ
れる基を示す。ここで、R9は、前記した「置換基を有
していてもよい炭化水素基」、「置換基を有していても
よい複素環基」を示す。本明細書中で、−NR45にお
いて、「R4とR5の両方が一緒になってそれらが結合す
る窒素原子と共に形成する環状アミノ基」および−CO
NR78において、「R7とR8の両方が一緒になってそ
れらが結合する窒素原子と共に形成する環状アミノ基」
としては、例えば、炭素原子と1個の窒素原子以外に酸
素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれたヘテロ原
子を1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状
アミノ基(例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロ
リジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラ
ゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジル、モルホリニ
ル、ジヒドロピリジニル、ピリジニル、N-メチルピペ
ラジニル、N-エチルピペラジニルなどの3ないし6員
の環状アミノ基など)などを示す。好ましくは、R3
複素環基は含窒素芳香複素環基、特に、6員の含窒素芳
香複素環基、例えば、ピリジン環である。その置換基と
しては、前記の「置換基を有していてもよい複素環基」
についての置換基でよく、また、R3として、その含窒
素複素環基とベンゼン環とが縮合してキノリン環を形成
してもよい。また、Xは水素原子、酸素原子、−OR4
(R4は水素原子または置換基を有していてもよい炭化
水素基)または置換基を有していてもよい炭化水素基が
好ましい。Yは水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基、−COR9または−COOR6が好ましく、−
COR9または−COOR6がより好ましい。Zは水素原
子、酸素原子、−OR4または置換基を有していてもよ
い炭化水素基(ここで、R4は水素原子または置換基を
有していてもよい炭化水素基)が好ましい。A環または
B環で表される「置換基を有していてもよい5ないし7
員の同素または複素環」の同素環としては、例えば、シ
クロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シク
ロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シ
クロヘキサジエン、ベンゼン、シクロヘプテン、シクロ
ヘプタンジエン等があげられ、なかでもベンゼン、シク
ロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンが好まし
く、とりわけベンゼンが好ましい。A環またはB環で表
される「置換基を有していてもよい5ないし7員の同素
または複素環」の複素環としては、例えば、フラン、チ
オフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾー
ル、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラ
ゾール、オキサジアゾール、フラザン、チアジアゾー
ル、トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジ
ン、ピラジン、トリアジン等の芳香族複素環、アゼチジ
ン、オキセタン、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒド
ロピラン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン等
の非芳香族複素環、あるいは芳香族複素環の一部または
全部の二重結合が飽和した非芳香族複素環等があげられ
る。A環またはB環で表される「置換基を有していても
よい5ないし7員の同素または複素環」の置換基として
は、前記の「置換基を有していてもよい複素環基」の置
換基と同様の数、同様のものがあげられる。nは0が好
ましい。
【0017】好ましくは、R3aの複素環基はヘテロ原子
として2個以下の窒素原子を含む不飽和複素環基または
ヘテロ原子として1個の窒素原子と1個の硫黄原子とを
含む不飽和単環式複素環基、さらに好ましくは含窒素芳
香複素環基、特に、6員の含窒素芳香複素環基、例え
ば、ピリジン環である。その置換基としては、前記の
「置換基を有していてもよい複素環基」についての置換
基でよく、また、R3aとして、その含窒素複素環基とベ
ンゼン環とが縮合してキノリン環を形成してもよい。R
3abのヘテロ原子として2個以下の窒素原子を含む不飽
和複素環基またはヘテロ原子として1個の窒素原子と1
個の硫黄原子とを含む不飽和単環式複素環基として、好
ましくは含窒素芳香複素環基、特に、6員の含窒素芳香
複素環基、例えば、ピリジン環が挙げられる。その置換
基としては、前記の「置換基を有していてもよい複素環
基」についての置換基でよく、また、R3abとして、そ
の含窒素複素環基とベンゼン環とが縮合してキノリン環
を形成してもよい。また、Xaは酸素原子または−OR
4a(R4aは水素原子または置換基を有していてもよい炭
化水素基)が好ましく、B環およびBa環としては置換
基を有していてもよいベンゼン環が好ましく、特に、R
3aまたはR3abが置換基を有していてもよい含窒素芳香
複素環基でBa環が置換基を有していてもよいベンゼン
環の化合物(Ia)または(Ia')が好ましい。mは
0が好ましい。
【0018】化合物(I)、(Ia)または(Ia')
の好ましい実施態様を以下に示す。 ・R2が無置換または水素原子で、XとYとが一緒にな
ってA環を形成していてもよい化合物(I) ・R3が置換基を有していてもよい、ヘテロ原子として
1個の窒素原子のみを含む不飽和複素環基で、nが0で
ある化合物(I) ・YおよびZがB環を形成し、B環が置換基を有してい
てもよい5ないし7員の同素または複素環である化合物
(I) ・R1およびR2の炭化水素基が、各々、脂肪族炭化水素
基、単環式飽和炭化水素基または芳香族炭化水素基であ
る化合物(I) ・R1およびR2の炭化水素基が、各々、炭素数1ないし
16の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シ
クロアルキル基またはアリール基である化合物(I) ・A環またはB環の同素または複素環基が、単環式飽和
炭化水素、ベンゼン環、ピリジン環またはチオフェン環
である化合物(I) ・Xが水素原子、酸素原子、−OR4(R4は前記と同意
義を示す。)または置換基を有していてもよい炭化水素
基である化合物(I) ・Yが−COR9または−COOR6(R6およびR9は前
記と同意義を示す。)である化合物(I) ・Zが水素原子、酸素原子、−OR4(R4は前記と同意
義を示す。)または置換されていてもよい炭化水素基で
ある化合物(I) ・R1aおよびR2aの炭化水素基が、各々、脂肪族炭化水
素基、単環式飽和炭化水素基または芳香族炭化水素基で
ある化合物(Ia) ・R1aおよびR2aの炭化水素基が、各々、炭素数1ない
し16の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
シクロアルキル基またはアリール基である化合物(I
a) ・Ba環の同素または複素環基が、単環式飽和炭化水
素、ベンゼン環、ピリジン環またはチオフェン環である
化合物(Ia) ・Xaが水素原子、酸素原子、−OR4a(R4aは前記と
同意義を示す。)または置換基を有していてもよい炭化
水素基である化合物(Ia) ・R1aおよびR2aが、各々、炭素数1ないし16の、ア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキ
ル基またはアリール基である化合物(Ia') ・R3abが(1)ハロゲン原子、(2)低級アルキル
基、(3)シクロアルキル基、(4)低級アルキニル
基、(5)低級アルケニル基、(6)アラルキル基、
(7)アリール基、(8)低級アルコキシ基、(9)ア
リールオキシ基、(10)低級アルカノイル基、(1
1)アリールカルボニル基、(12)低級アルカノイル
オキシ基、(13)アリールカルボニルオキシ基、(1
4)カルボキシル基、(15)低級アルコキシカルボニ
ル基、(16)アラルキルオキシカルボニル基、(1
7)カルバモイル基、(18)モノ−、ジ−またはトリ
−ハロゲノ−低級アルキル基、(19)アミジノ基、
(20)アミノ基、(21)モノ−低級アルキルアミノ
基、(22)ジ−低級アルキルアミノ基、(23)炭素
原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子および
窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含んで
いてもよい3ないし6員の環状アミノ基、(24)アル
キレンジオキシ基、(25)ヒドロキシル基、(26)
ニトロ基、(27)シアノ基、(28)メルカプト基、
(29)スルホ基、(30)スルフィノ基、(31)ホ
スホノ基、(32)スルファモイル基、(33)モノア
ルキルスルファモイル基、(34)ジアルキルスルファ
モイル基、(35)アルキルチオ基、(36)アリール
チオ基、(37)低級アルキルスルフィニル基、(3
8)アリールスルフィニル基、(39)低級アルキルス
ルホニル基または(40)アリールスルホニル基で置換
されていてもよいピリジニルである化合物(Ia') ・Xaが酸素原子または−OR4a(R4aは水素原子また
は(1)ハロゲン原子、(2)ニトロ基、(3)シアノ
基、(4)ヒドロキシル基、(5)ハロゲン化されてい
てもよい低級アルキル基、(6)低級アルコキシ基、
(7)アミノ基、(8)モノ−低級アルキルアミノ基、
(9)ジ−低級アルキルアミノ基、(10)カルボキシ
ル基、(11)低級アルキル−カルボニル基、(12)
低級アルコキシ−カルボニル基、(13)カルバモイル
基、(14)モノ−低級アルキルカルバモイル基、(1
5)ジ−低級アルキルカルバモイル基、(16)アリー
ルカルバモイル基、(17)アリール基、(18)アリ
ールオキシ基または(19)ハロゲン化されていてもよ
い低級アルキルカルボニルアミノ基で置換されていても
よい炭化水素基)である化合物(Ia') ・R3abが含窒素芳香複素環基で、Ba環が(1)ハロゲ
ン原子、(2)置換基を有していてもよい炭化水素基、
(3)置換基を有していてもよいアミノ基、(4)置換
基を有していてもよい低級アルコキシ基、(5)低級ア
ルキレンジオキシ基(6)アリールオキシ基、(7)低
級アルカノイル基、(8)アリールカルボニル基、
(9)低級アルカノイルオキシ基、(10)アリールカ
ルボニルオキシ基、(11)カルボキシル基、(12)
低級アルコキシカルボニル基、(13)アラルキルオキ
シカルボニル、(14)カルバモイル基、(15)モノ
−、ジ−またはトリ−ハロゲノ−低級アルキル基、(1
6)アミジノ基、(17)アミノ基、(18)モノ−低
級アルキルアミノ基、(19)ジ−低級アルキルアミノ
基、(20)炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原
子、硫黄原子および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を
1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミ
ノ基、(21)アルキレンジオキシ基、(22)ヒドロ
キシル基、(23)ニトロ基、(24)シアノ基、(2
5)メルカプト基、(26)スルホ基、(27)スルフ
ィノ基、(28)ホスホノ基、(29)スルファモイル
基、(30)モノアルキルスルファモイル基、(31)
ジアルキルスルファモイル基、(32)アルキルスルフ
ァニル基、(33)アリールスルファニル基、(34)
低級アルキルスルフィニル基、(35)アリールスルフ
ィニル基、(36)低級アルキルスルホニル基または
(37)アリールスルホニル基で置換されていてもよい
ベンゼン環である化合物(Ia') 特に好ましい化合物(Ia)または(Ia')として
は、例えば、6,7−ジフルオロ−3−メチル−1−
(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾ
ロ[3,4−b]キノリン−4−オン、3−メチル−1
−(2−ピリジニル)−6−トリフルオロメチル−1,
9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン
−4−オン、6−フルオロ−3−メチル−1−(2−ピ
リジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,
4−b]キノリン−4−オン、7−フルオロ−3−メチ
ル−1−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H
−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オン、3−エ
チル−6,7−ジフルオロ−1−(2−ピリジニル)−
1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−b]キノ
リン−4−オン、6,7−ジフルオロ−3−メチル−1
−(3−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラ
ゾロ[3,4−b]キノリン−4−オン、6,7−ジフ
ルオロ−3−メチル−1−(6−メチル−2−ピリジニ
ル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−
b]キノリン−4−オン、6,7−ジフルオロ−3−メ
チル−1−(6−フェニル−2−ピリジニル)−1,9
−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−
4−オン、5−フルオロ−3−メチル−1−(2−ピリ
ジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4
−b]キノリン−4−オン、1−(2−ピリジニル)−
1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−b]キノ
リン−4−オン、6−クロロ−7−フルオロ−3−メチ
ル−1−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H
−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オンおよび6
−クロロ−1−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ
−4H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オンな
どが挙げられる。
【0019】本発明の化合物(I)、(Ia)および
(Ia')の塩としては、例えば、薬理学的に許容され
る塩などが用いられる。例えば、無機塩基との塩、有機
塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性また
は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との
塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウ
ム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウ
ム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミニウム
塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩
の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジ
ン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシ
ルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどと
の塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、
例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などと
の塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、
例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマ
ル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハ
ク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、ア
ルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アス
パラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。と
りわけ、薬学的に許容可能な塩が好ましく、その例とし
ては、化合物(I)、(Ia)および(Ia')内に塩
基性官能基を有する場合には、例えば、塩酸、臭化水素
酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸との塩、例えば酢
酸、フタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン
酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸などの有機酸との塩が挙げられ、酸性官能基を有す
る場合には、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などの
アルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの
アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられ
る。また、本発明の化合物(I)、(Ia)および(I
a')は水和物であってもよく、非水和物であってもよ
い。該水和物としては、例えば1水和物、1.5水和物
および2水和物などが挙げられる。本発明で用いられる
「HSP誘導作用を有する化合物」、「組織障害を惹起
しうる作用を有する化合物」、「HSP誘導作用と組織
障害を惹起しうる作用とを有する化合物」、「COX阻
害作用を有する化合物」および「HSP誘導作用とCO
X阻害作用とを有する化合物」は、塩を形成していても
良く、かかる塩としては、前記した化合物(I)、(I
a)および(Ia')の塩と同様なものなどが挙げられ
る。
【0020】化合物(I)、(Ia)および(Ia')
は、例えばWO01/72749号公報に記載の方法に
従って製造することができる。
【0021】本発明において、「COX阻害作用を有す
る化合物」および「HSP誘導作用とCOX阻害作用と
を有する化合物」は、上記の例示に限られるものではな
く、このような作用を有する限り、いかなる化合物も用
いることができる。また、COX阻害作用は更にCOX
-2選択的阻害作用であってもよい。
【0022】本発明の医薬組成物の投与量は、「HSP
誘導作用を有する化合物」、「組織障害を惹起しうる作
用を有する化合物」、「HSP誘導作用と組織障害を惹
起しうる作用とを有する化合物」、「COX阻害作用を
有する化合物」および「HSP誘導作用とCOX阻害作
用とを有する化合物」の有効量の範囲内であればよい。
本発明の医薬組成物を、例えば成人の慢性関節リウマチ
または変形関節症患者(体重60kg)に経口投与する
場合の投与量は、例えば「HSP誘導作用を有する化合
物」、「組織障害を惹起しうる作用を有する化合物」、
「HSP誘導作用と組織障害を惹起しうる作用とを有す
る化合物」、「COX阻害作用を有する化合物」または
「HSP誘導作用とCOX阻害作用とを有する化合物」
(好ましくは、「HSP誘導作用とCOX阻害作用とを
有する化合物」)として、約0.1〜約600mg/日程
度、好ましくは約1〜約300mg/日程度である。これ
らの量は、一日1回投与されてもよいし、2または3回
に分割して投与されてもよい。本発明の医薬組成物は、
毒性が低く、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウ
サギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対し
て、後述する各種疾患の予防・治療剤として用いること
ができる。
【0023】本発明の医薬組成物は、薬理学的に許容さ
れる担体を含有していてもよい。このような担体として
は、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物
質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合
剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁
化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合され
る。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘
味剤などの製剤添加物を用いることもできる。また、
「HSP誘導作用を有する化合物」および「組織障害を
惹起しうる作用を有する化合物(例、COX阻害作用を
有する化合物など)」が別物質である場合、本発明の医
薬組成物は、両化合物を含有する単一の製剤(合剤)で
あってもよいし、いずれか一方の化合物のみを含有する
2種の異なる製剤であってもよい。その場合、製剤の剤
形が同一である必要性はない。これらの製剤としては通
常医療において用いられる剤形が有効成分毎に適宜選択
される。賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白
糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、
α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換
度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、アラビアゴム、デキストリン、プ
ルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メ
タケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。滑
沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリ
カなどが挙げられる。結合剤の好適な例としては、例え
ばα化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白
糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、
プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなど
が挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、例えば乳
糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロ
ースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウ
ム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセル
ロースなどが挙げられる。
【0024】溶剤の好適な例としては、例えば注射用
水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウ
モロコシ油、オリーブ油、綿実油などが挙げられる。溶
解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、D−マンニトール、ト
レハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスア
ミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、
炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナト
リウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の
好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールア
ミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピ
オン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼ
トニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性
剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの
親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油などが挙げられる。等張化剤の好適な例と
しては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マン
ニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖などが挙げられ
る。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸
塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられ
る。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアル
コールなどが挙げられる。
【0025】防腐剤の好適な例としては、例えばパラオ
キシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジル
アルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソ
ルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤の好適な例として
は、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられ
る。着色剤の好適な例としては、例えば水溶性食用ター
ル色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号お
よび5号、食用青色1号および2号などの食用色素、水
不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のア
ルミニウム塩など)、天然色素(例、β−カロチン、ク
ロロフィル、ベンガラなど)などが挙げられる。甘味剤
の好適な例としては、例えばサッカリンナトリウム、グ
リチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビアな
どが挙げられる。
【0026】本発明の医薬組成物の剤形としては、例え
ば錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセ
ルを含む)、顆粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤
などの経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内
注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤など)、外用剤
(例、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤
(例、直腸坐剤、膣坐剤など)、ペレット、点滴剤、徐
放性製剤等の非経口剤が挙げられ、これらはそれぞれ経
口的あるいは非経口的に安全に投与できる。本発明の剤
は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局
方に記載の方法等により製造することができる。以下
に、製剤の具体的な製造法について詳述する。
【0027】例えば、経口剤は、有効成分に、例えば賦
形剤(例、乳糖,白糖,デンプン,D−マンニトールな
ど)、崩壊剤(例、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウムなど)、結合剤(例、α化デンプン,アラビアゴ
ム,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロピル
セルロース,ポリビニルピロリドンなど)または滑沢剤
(例、タルク,ステアリン酸マグネシウム,ポリエチレ
ングリコール6000など)などを添加して圧縮成形
し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるい
は持続性を目的として、コーティング基剤を用いて自体
公知の方法でコーティングすることにより製造される。
該コーティング基剤としては、例えば糖衣基剤、水溶性
フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティン
グ基剤、徐放性フィルムコーティング基剤などが挙げら
れる。糖衣基剤としては、白糖が用いられ、さらに、タ
ルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、
プルラン、カルナバロウなどから選ばれる1種または2
種以上を併用してもよい。水溶性フィルムコーティング
基剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなど
のセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチル
アミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコ
ポリマーE〔オイドラギットE(商品名)、ロームファ
ルマ社〕、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プ
ルランなどの多糖類などが挙げられる。
【0028】腸溶性フィルムコーティング基剤として
は、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース フタ
レート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテ
ートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロー
ス、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分
子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL
(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポ
リマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品
名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマー
S〔オイドラギットS(商品名)、ロームファルマ社〕
などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物など
が挙げられる。徐放性フィルムコーティング基剤として
は、例えばエチルセルロースなどのセルロース系高分
子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS
〔オイドラギットRS(商品名)、ロームファルマ
社〕、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合
体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)、ロームファ
ルマ社〕などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。
上記したコーティング基剤は、その2種以上を適宜の割
合で混合して用いてもよい。また、コーティングの際
に、例えば酸化チタン、三二酸化鉄等のような遮光剤を
用いてもよい。
【0029】注射剤は、有効成分を分散剤(例、ポリソ
ルベート80,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60な
ど),ポリエチレングリコール,カルボキシメチルセル
ロース,アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メ
チルパラベン,プロピルパラベン,ベンジルアルコー
ル,クロロブタノール,フェノールなど)、等張化剤
(例、塩化ナトリウム,グリセリン,D−マンニトー
ル,D−ソルビトール,ブドウ糖など)などと共に水性
溶剤(例、蒸留水,生理的食塩水,リンゲル液等)ある
いは油性溶剤(例、オリーブ油,ゴマ油,綿実油,トウ
モロコシ油などの植物油、プロピレングリコール等)な
どに溶解、懸濁あるいは乳化することにより製造され
る。この際、所望により溶解補助剤(例、サリチル酸ナ
トリウム,酢酸ナトリウム等)、安定剤(例、ヒト血清
アルブミン等)、無痛化剤(例、ベンジルアルコール
等)等の添加物を用いてもよい。前記した各種剤形のな
かでも、特に錠剤やカプセル剤などの経口剤が服用の便
宜の点から好ましい。
【0030】本発明の医薬組成物は、COX阻害作用を
有する化合物(例、鎮痛・抗炎症剤など)などの組織障
害を惹起しうる作用を有する化合物を服用中の各種疾患
(例、慢性関節リウマチ、変形関節症など)の患者にお
いて観察される消化管・腎臓など組織障害の抑制に有効
である。本発明の医薬組成物は、COX阻害作用を有す
る化合物などの組織障害を惹起しうる作用を有する化合
物を服用中の患者(例、慢性関節リウマチ、変形関節症
など)において観察されるCOX阻害作用を有する化合
物などに由来する消化管・腎臓など臓器障害を、例えば
約60%以上、好ましくは約70%以上、より好ましく
は約80%以上、とりわけ好ましくは約90%以上抑制
することができる。
【0031】本発明の医薬組成物、とりわけ、HSP誘
導作用とCOX阻害作用とを有する化合物を含有する医
薬組成物は、例えば、以下の例示する疾患などの予防・
治療などに適応できる。関節炎(例、慢性関節リウマ
チ、変形性関節炎、リウマチ様脊髄炎、痛風性関節炎、
滑膜炎)、喘息、アレルギー疾患、動脈硬化症、炎症性
腸疾患など消化器疾患(例、クローン病、潰瘍(特に潰
瘍性大腸炎))、糖尿病性合併症(糖尿病性神経障害、
糖尿病性血管障害)、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺
疾患、全身性エリスマトーデス、内臓炎症性疾患(腎
炎、肝炎)、自己免疫性溶血性貧血、乾癬、神経変性疾
患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性
側索硬化症、エイズ脳症)、中枢神経障害(例、脳出血
及び脳梗塞等の脳血管障害、頭部外傷、脊髄損傷、脳浮
腫、多発性硬化症など)、髄膜炎、狭心症、心筋梗塞、
うっ血性心不全、炎症性眼疾患、炎症性肺疾患(例、慢
性肺炎、珪肺、肺サルコイドーシス、肺結核)、子宮内
膜症、毒血症(例、敗血症、敗血症性ショック、内毒素
性ショック、グラム陰性敗血症、トキシックショック症
候群)、悪液質(例、感染による悪液質、癌性悪液質、
後天性免疫不全症候群による悪液質)、癌、癌性疼痛、
アジソン病、クロイツフェルト−ヤコブ病、ウイルス感
染(例、サイトメガロウイルス、インフルエンザウイル
ス、ヘルペスウイルス等のウイルス感染)、移植、汎発
性血管内凝固症候群、炎症による急性痛、慢性炎症に伴
う痛み、術後痛(切開創の痛み、深部痛、内臓痛、術後
慢性痛など)、筋肉痛(慢性痛疾患に伴う筋肉痛、肩こ
りなど)、関節痛、歯痛、顎関節痛、頭痛(偏頭痛、緊
張型頭痛、発熱に伴う頭痛、高血圧に伴う頭痛)、内臓
痛(心臓痛、狭心痛、腹痛、腎臓の痛み、尿管の痛み、
膀胱の痛み、産婦人科領域の痛み(中間痛、月経困難、
陣痛))、神経痛(椎間板ヘルニア、神経根痛、帯状疱
疹後神経痛、三叉神経痛)、反射性交感神経性萎縮症、
複雑局所痛症候群など。
【0032】更に、本発明の医薬組成物は、糖尿病治療
剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、利
尿剤、化学療法剤、免疫療法剤などの薬剤(以下、併用
薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。
また、本発明の剤自体がこれら併用薬剤を含有すること
もできる。本明細書においては、特に断りがない限り、
単に「併用」と表現する場合には、別々の薬剤で投与す
る形態および一つの薬剤として合剤にする形態のいずれ
であってもよい。別々の薬剤として組み合わて使用する
際、本発明の剤および併用薬剤の投与時期は限定され
ず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよい
し、時間差をおいて投与してもよい。さらに、併用薬剤
は、2種以上を適宜の割合で組み合わせて用いてもよ
い。併用薬剤の投与量は、各薬剤の臨床上用いられてい
る用量を基準として適宜選択することができる。また、
本発明の剤と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルー
ト、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択す
ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、製造例、実験例、試験例、
および実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する
が、これらは単なる例であって、本発明を限定するもの
ではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化さ
せてもよい。以下の製造例中の「室温」は、通常、約1
0℃から35℃を示す。%は特記しない限り重量パーセ
ントを示す。シリカゲルは特記しない限りKiesel
gel60、0.063〜0.200mm(Merc
k)を示し、塩基性シリカゲルと記載されている場合は
Chromatorex NH−DM1020、0.1
00〜0.200mm、(富士シリシア化学)を示す。
その他の本文中で用いられている略号は下記の意味を示
す。 s : シングレット(singlet) d : ダブレット(doublet) t : トリプレット(triplet) q : クァルテット(quartet) m : マルチプレット(multiplet) br : ブロード(broad) J : カップリング定数(coupling constant) Hz : ヘルツ(Hertz) CDCl3 : 重クロロホルム DMSO−d6 : 重ジメチルスルホキシド NMR : プロトン核磁気共鳴
【0034】
【実施例】製造例1 2−ヒドラジノピリジン ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J. M
ed. Chem.)、28巻、1394頁(1985年)に記
載の方法に準じて製造した。2−クロロピリジン(20
0mL、2.1mol)およびヒドラジン一水和物(4
00mL、8.2mol)を20時間加熱還流した。反
応液を室温まで冷却後、過剰の抱水ヒドラジンを減圧下
で濃縮留去して、残渣を水に注いだ。水酸化ナトリウム
溶液を加えて塩基性にした後、有機物をクロロホルムで
抽出した。抽出液を飽和食塩水および水で洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し
て、表題化合物(収量157g、収率68%)を得た。
本品はこれ以上精製することなく次の工程に用いた。
【0035】製造例2 3−メチル−1−(2−ピリジ
ニル)−1H−ピラゾール−5−イルアミン アミノクロトニトリル(82g、1.0mol )、2
−ヒドラジノピリジン(120g、1.1mol )の
エタノール(300mL)氷冷溶液に、酢酸(132
g、2.2mol )を加えて3.5時間加熱還流し
た。反応液を室温まで冷却後、反応溶媒を減圧下で濃縮
留去し、残渣に水を加えた。さらに水酸化ナトリウム水
溶液を加えて塩基性にした後、有機物を酢酸エチルで抽
出した。抽出液を飽和食塩水および水で洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物
(収量156.3g、収率90%)を得た。 融点103−104℃(酢酸エチルから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ:2.25(3H,s),5.37(1H,
s),5.92(2H,br s),7.07(1H,m),7.76(1H,m),
7.94(1H,d,J=7.0Hz),8.32(1H,d,J=6.0Hz)。
【0036】製造例3 2−クロロ−5−(トリフルオ
ロメチル)安息香酸 テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、3
7巻、2767頁(1996年)に記載の方法に準じて
製造した。アルゴン雰囲気下、1−クロロ−4−(トリ
フルオロメチル)ベンゼン(25.8g、143mmo
l)およびテトラメチルエチレンジアミン(16.6
g、143mmol)のテトラヒドロフラン(250m
L)溶液を−78℃まで冷却し、そこに1.6モルブチ
ルリチウムヘキサン(89.4mL、143mmol)
溶液を滴下し、同温で30分間攪拌した。反応液を砕い
たドライアイスに注意深く注ぎ、室温まで昇温した。溶
媒を減圧下で濃縮した後、残渣を水に注いだ。これをジ
エチルエーテルで洗浄した後、濃塩酸を加えて酸性に
し、有機物をジクロロメタンで抽出した。抽出液を飽和
食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下で溶媒を濃縮留去した。得られた残渣をヘキサン
から結晶化して、表題化合物(収率20.6g、64
%)を得た。 NMR(CDCl3)δ:7.65(1H,d,J=8.4Hz),7.75
(1H,dd,J=2.2Hz,8.4Hz),8.31(1H,d,J=2.2Hz),hid
den(1H)。
【0037】製造例4 2−〔[3−メチル−1−(2
−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−イル]アミ
ノ〕−5−(トリフルオロメチル)安息香酸 アルゴン雰囲気下、3−メチル−1−(2−ピリジニ
ル)−1H−ピラゾール−5−イルアミン(8.71
g、50.0mmol)、2−クロロ−5−(トリフル
オロメチル)安息香酸(12.4g、55.0mmo
l)、酢酸銅(II)(1.00g、5.50mmo
l)および炭酸カリウム(7.60g、55.0mmo
l)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液
を1.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却後、
反応混合物を水に注いだ。酢酸溶液で弱酸性にした後、
析出した粗結晶を濾取した。これを水で洗浄後風乾し
て、表題化合物(収量17.7g、収率89%)を得
た。 融点228−229℃(酢酸エチルから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ:2.37(3H,s),6.19(1H,
s),7.13(1H,ddd,J=1.0Hz,4.8Hz,7.4Hz),7.70-7.85
(3H,m),7.93(1H,d,J=8.4Hz),8.39(1H,d,J=1.8H
z),8.45(1H,ddd,J=0.8Hz,1.8Hz,4.8Hz),12.46(1
H,br s),hidden(1H)。 元素分析値:C1713342として 計算値:C,56.36;H,3.62;N,15.46。 実測値:C,56.56;H,3.52;N,15.63。
【0038】製造例5 4−クロロ−3−メチル−1−
(2−ピリジニル)−6−(トリフルオロメチル)−1
H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン 2−〔[3−メチル−1−(2−ピリジニル)−1H−
ピラゾール−5−イル]アミノ〕−5−(トリフルオロ
メチル)安息香酸(14.0g、38.6mmol)の
オキシ塩化リン(27.4mL、294mmol)溶液
を1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却後、反応
溶媒を減圧下で濃縮留去して、残渣を氷水に注いだ。水
酸化ナトリウム溶液を加えて中和した後、有機物をクロ
ロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水および水で洗
浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶
媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン:クロロホルム=1:1〜クロ
ロホルム)で精製して、表題化合物(収量7.07g、
収率50%)を得た。 融点206℃(酢酸エチル/メタノールから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ:3.01(3H,s),7.28(1H,ddd,
J=1.0Hz,4.8Hz,7.4Hz) ,7.91-7.99(2H,m),8.27(1H,d,J=9.2Hz),8.68-8.
77(3H,m)。 元素分析値:C1710ClF34として 計算値:C,56.29;H,2.78;N,15.45;Cl,9.7
7;F,15.71。 実測値:C,56.23;H,3.00;N,15.23;Cl,9.6
2;F,15.70。
【0039】製造例6 3−メチル−1−(2−ピリジ
ニル)−6−(トリフルオロメチル)−1,9−ジヒド
ロ−4H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オン
(化合物A) 4−クロロ−3−メチル−1−(2−ピリジニル)−6
−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−
b]キノリン(6.50g、17.9mmol)のエタ
ノール(300mL)溶液に、6規定塩酸(10mL、
60mmol)を加えて5時間加熱還流した。反応液を
室温まで冷却後、析出した結晶を濾取した。これをエタ
ノールで洗浄後風乾し、得られた結晶をエタノールから
再結晶して、表題化合物(収量4.69g、収率76
%)を得た。 融点250−251℃(エタノールから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ:2.74(3H,s),7.26(1H,ddd,
J=1.2Hz,5.0Hz,7.2Hz) ,7.53(1H,d,J=8.8Hz),7.84(1H,dd,J=2.0Hz,8.8H
z),7.92(1H,ddd,J=1.8Hz,7.2Hz,8.4Hz),8.03(1H,
ddd,J=1.0Hz,1.2Hz,8.4Hz),8.49(1H,ddd,J=1.0Hz,1.
8Hz,5.0Hz),8.75(1H,d,J=2.0Hz),11.65(1H,br
s)。 元素分析値:C171134Oとして 計算値:C,59.31;H,3.22;N,16.27;F,16.5
5。 実測値:C,59.23;H,3.40;N,16.00;F,16.5
9。
【0040】製造例7 4,5−ジフルオロ−2−
〔[3−メチル−1−(2−ピリジニル)−1H−ピラ
ゾール−5−イル]アミノ〕安息香酸 アルゴン雰囲気下、3−メチル−1−(2−ピリジニ
ル)−1H−ピラゾール−5−イルアミン(6.01
g、34.5mmol)、2−クロロ−4,5−ジフル
オロ安息香酸(6.64g、34.5mmol)、酢酸
銅(II)(0.718g、3.95mmol)および
炭酸カリウム(4.77g、34.5mmol)のN,
N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液を2時間加
熱還流した。反応液を室温まで冷却後、反応混合物を水
に注いだ。酢酸溶液で弱酸性にした後、析出した粗結晶
を濾取した。これを水で洗浄後風乾して、表題化合物
(収量9.21g、収率81%)を得た。 融点247−248℃(メタノールから再結晶)。 NMR(DMSO−d6)δ:2.25(3H,s),6.33(1H,
s),7.28-7.34(1H,m),7.46-7.56(1H,m),7.80-8.
02(3H,m),8.30-8.44(1H,m),12.30(1H,brs),hi
dden(1H)。 元素分析値:C1612242として 計算値:C,58.18;H,3.66;N,16.96。 実測値:C,58.09;H,3.48;N,16.88。
【0041】製造例8 4−クロロ−6,7−ジフルオ
ロ−3−メチル−1−(2−ピリジニル)−1H−ピラ
ゾロ[3,4−b]キノリン 4,5−ジフルオロ−2−〔[3−メチル−1−(2−
ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−イル]アミノ〕
安息香酸(8.14g、24.6mmol)のオキシ塩
化リン(13mL、138mmol)溶液を1.5時間
加熱還流した。反応液を室温まで冷却後、反応溶媒を減
圧下で濃縮留去して、残渣を氷水に注いだ。水酸化ナト
リウム溶液を加えて中和した後、有機物をクロロホルム
で抽出した。抽出液を飽和食塩水および水で洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留
去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム)で精製して、表題化合物(収量
4.42g、収率54%)を得た。 融点175−176℃(酢酸エチルから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ:2.98(3H,s),7.23-7.30(1
H,m),7.87-7.98(2H,m),8.13(1H,dd,J=8.6Hz,10.8
Hz),8.67-8.72(2H,m)。 元素分析値:C169ClF24として 計算値:C,58.11;H,2.74;N,16.94;Cl,10.7
2;F,11.49。 実測値:C,57.71;H,2.77;N,16.90;Cl,10.5
0;F,11.17。
【0042】製造例9 6,7−ジフルオロ−3−メチ
ル−1−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H
−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オン(化合物
B) 4−クロロ−6,7−ジフルオロ−3−メチル−1−
(2−ピリジニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]キ
ノリン(2.21g、6.68mmol)のエタノール
(120mL)溶液に、6規定塩酸(6mL、36.0
mmol)を加えて3時間加熱還流した。反応液を室温
まで冷却後、析出した結晶を濾取した。これをエタノー
ルで洗浄後風乾して、表題化合物(収量2.08g、収
率99%)を得た。 融点274−277℃(エタノールから再結晶)。 NMR(DMSO−d6)δ:2.57(3H,s),7.40(1H,
ddd,J=1.0Hz,5.2Hz,7.4Hz),7.84-8.11(3H,m),8.17
(1H,dd,J=7.0Hz,12.4Hz),8.57-8.60(1H,m),12.04
(1H,s)。 元素分析値:C161024Oとして 計算値:C,61.54;H,3.23;N,17.94;F,12.1
7。 実測値:C,61.45;H,3.00;N,17.77;F,12.2
0。
【0043】製造例10 5−クロロ−4−フルオロ−
2−〔[3−メチル−1−(2−ピリジニル)−1H−
ピラゾール−5−イル]アミノ〕安息香酸 製造例7と同様の方法により、2,5−ジクロロ−4−
フルオロ安息香酸および3−メチル−1−(2−ピリジ
ニル)−1H−ピラゾール−5−イルアミンから表題化
合物(収率95%)を得た。 融点250−252℃(エタノールから再結晶)。 NMR(DMSO−d6)δ:2.26(3H,s),6.38(1H,
s),7.32(1H,ddd,J=1.2Hz,4.8Hz,7.4Hz),7.49(1H,
d,J=12.4Hz),7.83(1H,ddd,J=0.8Hz,1.2Hz,8.4Hz),
7.99(1H,ddd,J=1.8Hz,7.4Hz,8.4Hz),8.03(1H,d,J=
8.8Hz),8.42(1H,ddd,J=0.8Hz,1.8Hz,4.8Hz),12.41
(1H,br s),hidden(1H)。 元素分析値:C1612ClFN42として 計算値:C,55.42;H,3.49;N,16.16。 実測値:C,55.37;H,3.44;N,16.20。
【0044】製造例11 4,6−ジクロロ−7−フル
オロ−3−メチル−1−(2−ピリジニル)−1H−ピ
ラゾロ[3,4−b]キノリン 製造例8と同様の方法により、5−クロロ−4−フルオ
ロ−2−〔[3−メチル−1−(2−ピリジニル)−1
H−ピラゾール−5−イル]アミノ〕安息香酸から表題
化合物を得た(収率58%)。 融点211℃(酢酸エチルから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ:2.98(3H,s),7.23-7.30(1
H,m),7.88(1H,d,J=10.2Hz),7.94(1H,ddd,J=1.8H
z,7.4Hz,8.4Hz),8.46(1H,d,J=7.6Hz), 8.67-8.72
(2H,m)。 元素分析値:C169Cl2FN4として 計算値:C,55.35;H,2.61;N,16.14;Cl,20.4
2;F,5.47。 実測値:C,55.33;H,2.35;N,16.15;Cl,20.3
1;F,5.35。
【0045】製造例12 6−クロロ−7−フルオロ−
3−メチル−1−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒド
ロ−4H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オン
(化合物C) 製造例9と同様の方法により、4,6−ジクロロ−7−
フルオロ−3−メチル−1−(2−ピリジニル)−1H
−ピラゾロ[3,4−b]キノリンから表題化合物を得
た(収率79%)。 融点284℃(エタノールから再結晶)。 NMR(DMSO−d6)δ:2.54(3H,s),7.40(1H,
ddd,J=1.0Hz,4.8Hz,7.4Hz),7.84(1H,d,J=8.4Hz),
8.05(1H,ddd,J=1.8Hz,7.4Hz,8.4Hz),8.09(1H,d,J=
9.0Hz),8.14(1H,d,6.6Hz),8.56(1H,ddd,J=0.8Hz,
1.8Hz,4.8Hz),12.02(1H,br s)。 元素分析値:C1610ClFN4Oとして 計算値:C,58.46;H,3.07;N,17.04;Cl,10.7
8;F,5.78。 実測値:C,58.38;H,2.97;N,17.14;Cl,10.7
6;F,5.76。
【0046】製造例13 エチル 5−アミノ−1−
(2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキ
シレート 2−(エトキシメチレン)−2−シアノ酢酸 エチル
(33.8g、200mmol)および2−ヒドラジノ
ピリジン(21.8g、200mmol)のエタノール
(100mL)溶液を20分間加熱還流した。反応液を
室温まで冷却後、析出した結晶を濾取した。これをエタ
ノールで洗浄後風乾して、表題化合物(収量33.8
g、収率73%)を得た。 融点103−104℃(酢酸エチルから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ:1.37(3H,t,J=7.0Hz),4.31
(2H,q,J=7.0Hz),7.12-7.18(1H,m),7.48(2H,br
s),7.76(1H,s),7.77-7.87(1H,m),7.95(1H,d,J
=8.4Hz),8.35-8.38(1H,m)。
【0047】製造例14 1−(2−ピリジニル)−1
H−ピラゾール−5−イルアミン エチル 5−アミノ−1−(2−ピリジニル)−1H−
ピラゾール−4−カルボキシレート(27.9g、12
0mmol)を4規定水酸化ナトリウム水(300m
L)溶液に懸濁させ、1時間加熱還流した。反応液を室
温まで冷却後、濃塩酸で中和し、さらに酢酸で酸性にし
た。ここで析出した結晶を濾取し、エタノールで洗浄後
風乾した。得られた結晶を200℃で加熱することによ
り得られた結晶をジエチルエーテルで洗浄して、表題化
合物(収量6.02g、収率31%)を得た。 NMR(CDCl3)δ:5.51(1H,d,J=1.8Hz),5.95
(2H,br s),7.07-7.13(1H,m),7.42(1H,d,J=1.8H
z),7.75-7.84(1H,m),7.98(1H,d,J=8.4Hz),8.33
(1H,dd,J=1.6Hz,4.6Hz)。
【0048】製造例15 5−クロロ−2−〔[1−
(2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−イル]ア
ミノ〕安息香酸 製造例7と同様の方法により、5−クロロ−2−ヨード
安息香酸および1−(2−ピリジニル)−1H−ピラゾ
ール−5−イルアミンから表題化合物を得た(収率88
%)。 融点233−234℃(エタノールから再結晶)。 NMR(DMSO−d6)δ:6.42(1H,d,J=2.0Hz),
7.38(1H,ddd,J=1.2Hz,4.8Hz,7.4Hz),7.54(1H,dd,J=
2.6Hz,8.8Hz),7.63(1H,d,J=8.8Hz),7.71(1H,d,J=
2.0Hz),7.88-7.92(2H,m),7.99-8.08(1H,m),8.4
7(1H,dd,J=0.8Hz,1.8Hz,4.8Hz),12.24(1H,br s),
hidden(1H)。 元素分析値:C1511ClN42として 計算値:C,57.24;H,3.52;N,17.80。 実測値:C,57.13;H,3.46;N,17.72。
【0049】製造例16 4,6−ジクロロ−1−(2
−ピリジニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリ
ン 製造例8と同様の方法により、5−クロロ−2−〔[1
−(2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−イル]
アミノ〕安息香酸から表題化合物を得た(収率25
%)。 融点175−176℃(酢酸エチルから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ:7.28-7.34(1H,m),7.77(1
H,dd,J=2.4Hz,9.0Hz),7.93-8.01(1H,m),8.18(1H,
d,J=9.0Hz),8.37(1H,d,J=2.4Hz),8.59(1H,s),
8.66-8.71(2H,m)。 元素分析値:C158Cl24・0.5H2Oとして 計算値:C,55.58;H,2.80;N,17.28;Cl,21.8
7。 実測値:C,55.42;H,2.74;N,17.25;Cl,21.8
0。
【0050】製造例17 6−クロロ−1−(2−ピリ
ジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4
−b]キノリン−4−オン(化合物D) 製造例9と同様の方法により、4,6−ジクロロ−1−
(2−ピリジニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]キ
ノリンから表題化合物を得た(収率76%)。融点29
7−298℃(エタノールから再結晶)。 NMR(DMSO−d6)δ:7.46(1H,ddd,J=1.0Hz,5.
0Hz,7.4Hz),7.79(1H,dd,J=2.6Hz,8.8Hz),7.97(1
H,d,J=8.0Hz),8.07-8.20(3H,m),8.40(1H,s),8.
63-8.66(1H,m),11.89(1H,br s)。 元素分析値:C159ClN4Oとして 計算値:C,60.72;H,3.06;N,18.88;Cl,11.9
5。 実測値:C,60.52;H,3.04;N,18.79;Cl,11.8
9。
【0051】実験例 以下の実験例に記載の遺伝子操作法は、マニアティス
(Maniatis)ら、モレキュラー・クローニング(Cold S
pring Harbor Laboratory、1989年)に記載されている
方法もしくは試薬の添付プロトコールに記載されている
方法に従った。 ミクロソーム画分の調製 ヒトCOX−1 cDNA組換えバキュロウイルスの調
製 PCR法で取得したヒトCOX−1 cDNA(FASEB
J., 5 (9), 2304-2312(1991))を含む1.8kbのDN
A断片をプラスミドpFASTBAC1 (CIBCO
BRL)に挿入し、プラスミドpFBCOX1を作製し
た。プラスミドpFBCOX1とBAC−TO−BAC
BaculovirusExpression Sys
tem (GIBCOBRL)を用いて組換えバキュロ
ウイルスのウイルスストックBAC−COX1を調製し
た。
【0052】COX−1発現昆虫細胞からのミクロソー
ム画分の調製 Sf−21細胞を1×106cells/mLとなるよ
うに125mL Sf−900 IISFM培地(GIB
COBRL)に播種した後、27℃で24時間培養し
た。組換えバキュロウイルスのウイルスストックBAC
−COX1を0.75mL添加した後、さらに72時間
培養した。培養液から遠心分離(3000rpm、10
分間)により、細胞を分離した後、PBSで細胞を2回
洗浄した。細胞を10mL Lysis buffer
(0.1M Tris−HCl (pH 7.4)、 5m
M EDTA)に懸濁した後、ホモジナイザー(POL
YTRON)で20000rpm、20秒間処理を3回
行うことで細胞を破砕した。遠心分離(2000rp
m、10分間)して得られた上清を遠心分離(4000
0rpm、45分間)して得た沈殿をLysis bu
ffer(0.1M Tris−HCl (pH 7.
4)、 5mM EDTA)に再懸濁して、−80℃で保
存した。
【0053】ヒトCOX−2 cDNA組換えバキュロ
ウイルスの調製 PCR法で取得したヒトCOX−2 cDNA(Proc. N
atl. Acad. Sci. U. S. A.,89(16),7384−7
388(1992))を含む1.8kbのDNA断片を
プラスミドpFASTBAC1(CIBCOBRAL)
に挿入し、プラスミドpFBCOX2を作製した。プラ
スミドpFBCOX2とBAC−TO−BAC Bac
ulovirusExpression System
(GIBCOBRAL)を用いて組換えバキュロウイル
スのウイルスストックBAC−COX2を調製した。
【0054】COX−2発現昆虫細胞からのミクロソー
ム画分の調製 Sf−21細胞を1×106cells/mLとなるよ
うに125mLSf−900 II SFM培地(GIB
COBRL)に播種した後、27℃で24時間培養し
た。組換えバキュロウイルスのウイルスストックBAC
−COX2を0.75mL添加した後、さらに72時間
培養した。培養液から遠心分離(3000rpm、10
分間)により、細胞を分離した後、PBSで細胞を2回
洗浄した。細胞を10mL Lysis buffer
(0.1M Tris−HCl (pH 7.4)、5m
M EDTA)に懸濁した後、ホモジナイザー(POL
YTRON)で20000rpm、20秒間処理を3回
行うことで細胞を破砕した。遠心分離(2000rp
m、10分間)して得られた上清を遠心分離(4000
0rpm、45分間)して得た沈殿をLysis bu
ffer(0.1 M Tris−HCl (pH 7.
4)、5mM EDTA )に再懸濁して、−80℃で保
存した。
【0055】試験例1 COX阻害活性 10倍濃度の反応バッファー(1M Tris−HCl
(pH 8.0)、50mM EDTA、1.0% T
ween20、50mM ルミノール、100mM h
ematin)20mLとミクロソーム画分(COX−
1:40mg,COX−2:20mg)20mLと 蒸
留水55mLを混合後、DMFに溶解した供試化合物を
5mL添加し、37℃で 25分間 静置した。アラキド
ン酸(20mM)を100mL添加することにより反応
を開始させ、アラキドン酸添加直後から10秒間の化学
発光量をルミスター(Lumistar(BMG La
btechnologies GmbH))を用いて計
測した。阻害率はDMF5mL添加時の酵素活性を10
0%、flurbiprofen(4mM)5mL添加
時の酵素活性を0%として計算した。その結果を表1に
示す。
【表1】 表1の結果から、化合物A、B、CおよびDは、優れた
COX阻害活性を有することがわかる。
【0056】試験例2 酢酸ライジング法 ICR系雄性マウス(5週齢、日本クレア)を1群10
匹とし、検体を経口投与(0.2mL/10g、b.
w.)した。その30分後、0.6%酢酸溶液を腹腔内
注射(0.1mL/10g、b.w.)し、直ちに透明
アクリル樹脂製観察ケージに個別に入れ、その後20分
間に誘発されるライジングならびにストレッチングの回
数を計測し、対照群と検体投与群の平均回数から抑制率
(%)を算出し、ID50値を求めた。その結果を表2に
示す。
【表2】 表2の結果から、化合物Aは、優れた鎮痛活性を有する
ことがわかる。
【0057】試験例3 カラゲニン浮腫法 SD系雄性ラット(6週令、日本クレア)を1群6匹と
して用いた。カラゲニン浮腫法はWinter et.
al.(Proc. Soc. Exp. Biol. Med., 111, 544-547,
1962)の方法に準じて行った。右後肢足蹠部の容積を測
定した後、検体を経口投与(1.0mL/体重100
g)し、その直後に水を5mL/ratになるように経
口投与した。なお、対照群には、溶媒のみを経口投与し
た。1時間後に1%カラゲニン生理食塩水溶液0.05
mLを右後肢足蹠部に皮下注射して浮腫を惹起した。こ
れより2時間後および3時間後に右後肢足蹠部の容積を
測定した。検体の効果は、カラゲニン注射前と注射2時
間後および3時間後の足容積の差を求め、それにより対
照群に対する抑制率(%)を算出し、ID30値を求め
た。その結果を表3に示す。
【表3】 表3の結果から、化合物Aは、優れた抗炎症活性を有す
ることがわかる。
【0058】試験例4 HSP27誘導活性 ラットに化合物A(30mg/ml)およびvehic
leを経口投与し、2時間後に胃を摘出し、切開後、氷
冷した生理食塩水で洗浄した。滅菌カバーガラスを用い
て胃粘膜を採取し、直ちにISOGEN(和光純薬製)
に懸濁し、説明書に従ってトータルRNAを調製し、さ
らに、RNAeasy Midiキット(QIAGEN
社製)により精製した。次に、TaqMan Gold
RT−PCRキット(Applied Biosys
tems社製)を用いてトータルRNAよりcDNAを
合成し、ABI7700(Applied Biosy
stems社製)によりTaqMan PCRを行いH
SP27遺伝子の発現量を測定した。Forwardプ
ライマーとして5'-taagaccaaggaaggcgtggt-3'(配列番
号:1)を、Reverseプライマーとして5'-ccgag
agatgtagccatgttca-3' (配列番号:2)を、TaqM
anプローブとしてFAM(6−carboxyflu
orescein)標識した5'-tcactggcaagcacgaagaaa
ggcag-3' (配列番号:3)を用いた。また、TaqM
an Rodent GAPDH Control R
eagents VICプローブ(Applied B
iosystems社製)とG3PDH cDNA C
ontrolプローブ(CLONTECH社製)を用い
てGAPDH遺伝子の発現量を測定し内部標準とした。
HSP27遺伝子の発現量は内部標準であるGAPDH
遺伝子の発現量で補正した数値で表した(表4)。化合
物A投与群においてvehicle投与群に比較してH
SP27遺伝子の発現上昇が認められた。
【表4】
【0059】試験例5 胃粘膜障害試験 SD系雄性ラット(6匹、7週齢、日本クレア)を用い
た。絶食24時間後または非絶食下に検体を経口投与
(5mL/kg、b.w.)した。23.5時間後に無
麻酔下でEvan’s Blue(0.5%Evan’
s Blue/saline)を静脈内注射(1mL/
匹)した。その30分後に開腹して胃を摘出し、食道を
クリップで止め1%ホルマリン液を8mL注入し、十二
指腸をクリップで止めた。胃を1%ホルマリン液に10
分以上浸漬し、十二指腸から胃の大湾に沿って切開し
た。胃を洗浄後、実体顕微鏡下にEvan’s Blu
eが着色した部位(出血部位:粘膜剥離〜潰瘍)の長さ
の合計(mm2)をカウンターで計測し記録した。その
結果を表5に示す。
【表5】
【0060】実施例1 (1)化合物A 10.0g (2)乳糖 60.0g (3)コーンスターチ 35.0g (4)ゼラチン 3.0g (5)ステアリン酸マグネシウム 2.0g 化合物A 10.0gと乳糖60.0gおよびコーンスター
チ35.0gの混合物を10重量%ゼラチン水溶液30ml
(ゼラチンとして3.0g)を用い、1mmメッシュの篩を
通して顆粒化し、40℃で乾燥し、再び篩過する。得ら
れる顆粒をステアリン酸マグネシウム2.0gと混合し、
圧縮する。得られうる中心錠を、蔗糖、二酸化チタン、
タルクおよびアラビアゴムの水懸濁液による糖衣でコー
ティングする。コーティングが施された錠剤をミツロウ
で艶出して1000錠のコート錠を得る。
【0061】実施例2 (1)化合物A 10.0g (2)乳糖 70.0g (3)コーンスターチ 50.0g (4)可溶性デンプン 7.0g (5)ステアリン酸マグネシウム 3.0g 化合物A 10.0gとステアリン酸マグネシウム3.0g
を可溶性デンプンの水溶液70ml(可溶性デンプンとし
て7.0g)で顆粒化し、乾燥し、乳糖70.0gおよびコ
ーンスターチ50.0gと混合する。混合物を圧縮して1
000錠の錠剤を得る。
【0062】
【発明の効果】慢性関節リウマチ、変形関節症やその他
の疾患の治療において、治療に有効なCOX阻害作用を
有する化合物等の投与を行うと、対象疾患の治癒は進む
が患者の消化管や腎臓などが障害を受ける傾向にあった
が、本発明の医薬組成物は、このような患者の消化管や
腎臓などの臓器障害を抑制することができる。また、H
SP誘導作用およびCOX阻害作用の両者を併せ持つ薬
剤は、慢性関節リウマチや変形関節症の治療を進めなが
らも、患者の消化管や腎臓などの臓器障害を有意に抑制
することができる。同様に、「HSP誘導作用を有する
化合物」と「組織障害を惹起しうる作用を有する化合
物」とを併用する場合、各種疾患の治療において、治療
に有効な組織障害を惹起しうる作用を有する化合物の投
与を行うと、対象疾患の治癒は進むが患者の消化管や腎
臓などの組織が障害を受ける傾向にあったが、本発明の
医薬組成物は、このような患者の消化管や腎臓などの臓
器障害を抑制することができる。さらに、「HSP誘導
作用と組織障害を惹起しうる作用とを有する化合物」と
を投与する場合においても、各種疾患の治療を進めなが
らも、患者の消化管(例、胃、十二指腸、小腸など)や
腎臓などの臓器障害を有意に抑制することができる。
【0063】
【配列表フリーテキスト】配列番号1:HSP27遺伝
子を増幅するためのPCRプライマー配列番号2:HS
P27遺伝子を増幅するためのPCRプライマー配列番
号3:TaqManプローブ
【0064】
【配列表】[Sequence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> HSP inducing agent <130> A5401 <150> JP 2001-92704 <151> 2001-03-28 <160> 3 <210> 1 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer for amplifying HSP27 gene <400> 1 taagaccaag gaaggcgtgg t 21 <210> 2 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer for amplifying HSP27 gene <400> 2 ccgagagatg tagccatgtt ca 22 <210> 3 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> TaqMan probe <400> 3 tcactggcaa gcacgaagaa aggcag 26
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/10 A61P 3/10 7/00 7/00 7/02 7/02 7/06 7/06 9/00 9/00 9/04 9/04 9/10 9/10 101 101 11/00 11/00 11/06 11/06 13/12 13/12 15/00 15/00 17/00 17/00 19/02 19/02 19/06 19/06 25/00 25/00 25/02 25/02 103 103 25/04 25/04 25/06 25/06 25/16 25/16 25/28 25/28 27/02 27/02 29/00 101 29/00 101 29/02 29/02 31/04 31/04 31/12 31/12 35/00 35/00 37/02 37/02 37/04 37/04 37/08 37/08 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 成尾 憲一 兵庫県三田市南が丘1丁目1番2号 (72)発明者 内川 治 兵庫県神戸市垂水区小束山2丁目15番地の 16 (72)発明者 中西 淳 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ1002号 Fターム(参考) 4C065 AA04 AA18 BB05 CC09 DD03 EE02 HH01 JJ04 KK09 LL01 LL02 PP12 QQ05 4C086 AA01 AA02 AA03 CB05 GA07 GA08 MA01 MA04 MA13 MA17 MA22 MA23 MA28 MA31 MA35 MA36 MA37 MA38 MA41 MA43 MA52 MA56 MA59 MA60 MA63 MA66 NA06 NA14 ZA02 ZA08 ZA15 ZA16 ZA20 ZA22 ZA33 ZA36 ZA40 ZA45 ZA51 ZA54 ZA55 ZA59 ZA66 ZA68 ZA75 ZA81 ZA89 ZA96 ZB07 ZB09 ZB11 ZB13 ZB15 ZB26 ZB33 ZB35 ZC35 ZC41

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
    化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基
    を有していてもよい硫黄原子またはエステル化もしくは
    アミド化されていてもよいカルボキシル基、R2は無置
    換、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素
    基、R3は置換基を有していてもよい複素環基、X、Y
    およびZは、各々、水素、ハロゲン、ニトリル、置換基
    を有していてもよい炭化水素基、エステル化もしくはア
    ミド化されていてもよいカルボキシル基、置換基を有し
    ていてもよいアシル基、−NR45、酸素原子、−OR
    4、硫黄原子または−SR4(R4およびR5は、各々、水
    素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基
    を有していてもよい複素環基または両方が一緒になって
    それらが結合する窒素原子と共に環状アミノ基を形成し
    てもよい)あるいはXとYとが一緒になってA環を、ま
    たはYとZとが一緒になってB環を形成してもよい、実
    線と破線とで示す結合部分は単結合または二重結合のい
    ずれか、破線で示す結合部分は単結合または無置換のい
    ずれか、A環は置換基を有していてもよい5ないし7員
    の同素または複素環、B環は置換基を有していてもよい
    5ないし7員の同素または複素環、nは0または1の整
    数を示す]で表わされる化合物またはその塩を含有する
    HSP誘導剤。
  2. 【請求項2】 3−メチル−1−(2−ピリジニル)−
    6−トリフルオロメチル−1,9−ジヒドロ−4H−ピ
    ラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オンまたはその塩
    を含有するHSP誘導剤。
  3. 【請求項3】 6,7−ジフルオロ−3−メチル−1−
    (2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾ
    ロ[3,4−b]キノリン−4−オンまたはその塩を含
    有するHSP誘導剤。
  4. 【請求項4】 6−クロロ−7−フルオロ−3−メチル
    −1−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−
    ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オンまたはその
    塩を含有するHSP誘導剤。
  5. 【請求項5】 6−クロロ−1−(2−ピリジニル)−
    1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−b]キノ
    リン−4−オンまたはその塩を含有するHSP誘導剤。
  6. 【請求項6】 組織障害の改善剤または進展抑制剤であ
    る請求項1ないし5のいずれかに記載の剤。
  7. 【請求項7】 組織障害が消化管障害または腎障害であ
    る請求項6記載の剤。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5のいずれかに記載の化
    合物またはその塩の有効量を哺乳動物に投与することを
    特徴とする、HSPの誘導方法。
  9. 【請求項9】 HSP誘導剤の製造のための、請求項1
    ないし5のいずれかに記載の化合物またはその塩の使
    用。
  10. 【請求項10】 HSP誘導作用と組織障害を惹起しう
    る作用とを有する化合物を含有する、該組織障害が抑制
    された医薬組成物。
  11. 【請求項11】 組織障害を惹起しうる作用がCOX阻
    害作用である請求項10記載の組成物。
  12. 【請求項12】 COX阻害用である請求項11記載の
    組成物。
  13. 【請求項13】 組織障害の改善剤または進展抑制剤で
    ある請求項10ないし12のいずれかに記載の組成物。
  14. 【請求項14】 組織障害が消化管障害または腎障害で
    ある請求項13記載の組成物。
  15. 【請求項15】 HSP誘導作用と消化管障害または腎
    障害を惹起しうる作用とを有する化合物を含有する、消
    化管障害または腎障害の改善剤または進展抑制剤。
  16. 【請求項16】 炎症性疾患、関節炎、リウマチ、慢性
    関節リウマチまたは変形関節症の予防・治療剤である請
    求項11または12記載の組成物。
  17. 【請求項17】 HSP誘導作用とCOX阻害作用とを
    有する化合物を含有する、消化管障害または腎障害が抑
    制された炎症性疾患、関節炎、リウマチ、慢性関節リウ
    マチまたは変形関節症の予防・治療剤。
  18. 【請求項18】 組織障害を惹起しうる作用に由来する
    組織障害を約60%以上抑制する請求項10記載の組成
    物。
  19. 【請求項19】 COX阻害作用に由来する組織障害を
    約60%以上抑制する請求項11記載の組成物。
  20. 【請求項20】 化合物が式(I): 【化2】 [式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
    化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基
    を有していてもよい硫黄原子またはエステル化もしくは
    アミド化されていてもよいカルボキシル基、R2は無置
    換、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素
    基、R3は置換基を有していてもよい複素環基、X、Y
    およびZは、各々、水素、ハロゲン、ニトリル、置換基
    を有していてもよい炭化水素基、エステル化もしくはア
    ミド化されていてもよいカルボキシル基、置換基を有し
    ていてもよいアシル基、−NR45、酸素原子、−OR
    4、硫黄原子または−SR4(R4およびR5は、各々、水
    素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基
    を有していてもよい複素環基または両方が一緒になって
    それらが結合する窒素原子と共に環状アミノ基を形成し
    てもよい)あるいはXとYとが一緒になってA環を、ま
    たはYとZとが一緒になってB環を形成してもよい、実
    線と破線とで示す結合部分は単結合または二重結合のい
    ずれか、破線で示す結合部分は単結合または無置換のい
    ずれか、A環は置換基を有していてもよい5ないし7員
    の同素または複素環、B環は置換基を有していてもよい
    5ないし7員の同素または複素環、nは0または1の整
    数を示す]で表わされる化合物またはその塩である請求
    項10記載の組成物。
  21. 【請求項21】 化合物が3−メチル−1−(2−ピリ
    ジニル)−6−トリフルオロメチル−1,9−ジヒドロ
    −4H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オンま
    たはその塩である請求項20記載の組成物。
  22. 【請求項22】 化合物が6,7−ジフルオロ−3−メ
    チル−1−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−4
    H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オンまたは
    その塩である請求項20記載の組成物。
  23. 【請求項23】 化合物が6−クロロ−7−フルオロ−
    3−メチル−1−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒド
    ロ−4H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−オン
    またはその塩である請求項20記載の組成物。
  24. 【請求項24】 化合物が6−クロロ−1−(2−ピリ
    ジニル)−1,9−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4
    −b]キノリン−4−オンまたはその塩である請求項2
    0記載の組成物。
  25. 【請求項25】 HSP誘導作用と組織障害を惹起しう
    る作用とを有する化合物の有効量を哺乳動物に投与する
    ことを特徴とする、該組織障害の抑制方法。
  26. 【請求項26】 組織障害が抑制された医薬組成物の製
    造のための、HSP誘導作用と該組織障害を惹起しうる
    作用とを有する化合物の使用。
  27. 【請求項27】 HSP誘導作用とCOX阻害作用とを
    有する化合物の有効量を哺乳動物に投与することを特徴
    とする、COX阻害作用に起因する組織障害の抑制方
    法。
  28. 【請求項28】 COX阻害作用に起因する組織障害を
    惹起しうる作用が抑制されている医薬組成物の製造のた
    めの、HSP誘導作用とCOX阻害作用とを有する化合
    物の使用。
  29. 【請求項29】 HSP誘導作用を有する化合物と組織
    障害を惹起しうる作用を有する化合物とを組み合わせて
    なる医薬組成物。
  30. 【請求項30】 HSP誘導作用を有する化合物とCO
    X阻害作用を有する化合物とを組み合わせてなる医薬組
    成物。
  31. 【請求項31】 組織障害の改善剤または進展抑制剤で
    ある請求項29または30記載の組成物。
  32. 【請求項32】 組織障害が消化管障害または腎障害で
    ある請求項31記載の組成物。
  33. 【請求項33】 HSP誘導作用を有する化合物の有効
    量と組織障害を惹起しうる作用を有する化合物の有効量
    とを哺乳動物に投与することを特徴とする、該組織障害
    の抑制方法。
  34. 【請求項34】 組織障害が抑制された医薬組成物の製
    造のための、HSP誘導作用を有する化合物と該組織障
    害を惹起しうる作用を有する化合物との使用。
  35. 【請求項35】 HSP誘導作用を有する化合物の有効
    量とCOX阻害作用を有する化合物の有効量とを哺乳動
    物に投与することを特徴とする、COX阻害作用に起因
    する組織障害の抑制方法。
  36. 【請求項36】 COX阻害作用に起因する組織障害を
    惹起しうる作用が抑制されている医薬組成物の製造のた
    めの、HSP誘導作用を有する化合物とCOX阻害作用
    を有する化合物との使用。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005002558A1 (ja) * 2003-07-07 2005-01-13 Eisai Co., Ltd. 炎症性腸疾患の予防および/または治療剤
JP2011190200A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Saishunkan Seiyakusho:Kk 熱ショックタンパク質の発現誘導剤

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