JP2002356403A - 徐放性性フェロモン製剤の製造方法 - Google Patents
徐放性性フェロモン製剤の製造方法Info
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Abstract
体及び性フェロモン剤を含浸させて得られる性フェロモ
ン製剤。 【効果】 性フェロモン剤が成形体の内部にまで均一に
含浸し、長期にわたって均一な放出速度制御が可能であ
り、農作業で取扱い易い形状の性フェロモン製剤を得る
ことができる。
Description
物質を大気中に徐放して漂わせ、虫の交尾活動を阻害す
る交信撹乱用の徐放性性フェロモン製剤に関する。
合成した害虫の性フェロモンを大気中に漂わせて雄雌の
交尾を妨げる方法が普及している。この方法は、薬剤を
直接散布して殺虫する方法に比べ、対象とする害虫が限
定されることや、他の動植物への悪影響がほとんどない
ことから、環境に優しい殺虫方法として注目されてい
る。性フェロモン剤は、交尾を妨げるという目的から、
長期間にわたり一定の濃度で大気中に漂わせる必要があ
り、そのため、徐々にフェロモンが拡散する徐放性のも
のが主に実用化されている。
ンプル等にフェロモンを充填、封入し、膜や壁面を通じ
てフェロモンを放出するもの(特開平9-132507号、特開
昭56-142202号、特開昭57-9705号、特開昭57-72904号
等);フェロモンを含浸させた多孔質体を樹脂製制御膜
で被覆したもの(米国特許第4445641号、特開昭59-1370
1号、特開昭59-59734号等);微細な樹脂にフェロモン
を含有させたもの(特開平6-192024号);高分子材料に
性フェロモン剤を混合して成形したもの(特開平5-1538
91号)などが知られている。
のは、徐放速度が温度に強く依存し、特に春から夏にか
けての徐放速度制御が難しく、製品の性能を安定化させ
ることが困難であるとともに、その形状も限られること
から、取扱い、特に植物の枝葉に取付けて使用する場
合、取付けや除去作業が煩雑で多大な労力を要するとい
う問題がある。また、フェロモンを樹脂等に含浸させた
ものは、樹脂中に均一に含浸させるのが困難であり、含
浸し易くするために多孔質体や樹脂を微粒子にすると、
薬剤の保持量が少なくなるとともに、表面積が大きくな
り、効果が長続きしないという問題がある。さらに、高
分子材料に性フェロモン剤を混合して成形した場合に
も、性フェロモンを成形体の内部まで均一に含浸させる
のは困難であった。
は、成形体内部に性フェロモン剤を均一に含浸させるこ
とができ、長期にわたって当該性フェロモン剤を均一に
放出することができ、しかも取扱いが容易な形状の性フ
ェロモン製剤を提供することにある。
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、性フェロモン剤を超
臨界流体と混合して、樹脂成形体又は溶融樹脂中に含浸
させれば、成形体の内部まで性フェロモン剤が均一に含
浸され、長期にわたって当該性フェロモン剤が均一に放
出され、しかも取付けや除去が容易な形状の性フェロモ
ン製剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
樹脂中に、超臨界流体及び性フェロモン剤を含浸させて
得られる性フェロモン製剤を提供するものである。
入れ、性フェロモン剤を混合した超臨界流体を加えた
後、高圧容器内の温度及び圧力を臨界状態に保ち、性フ
ェロモン剤を成形体内に含浸させることを特徴とする性
フェロモン剤の製造方法を提供するものである。
て溶融状態にし、性フェロモン剤を混合した超臨界流体
を加え、樹脂材料に性フェロモン剤を含浸させた後、成
形することを特徴とする性フェロモン製剤の製造方法を
提供するものである。
臨界流体にする超臨界流体発生装置と、性フェロモン剤
を供給する薬剤タンクと、性フェロモン剤を加圧して超
臨界流体に添加する加圧手段と、成形体に性フェロモン
剤を混合した超臨界流体を含浸させる高圧容器とを含む
性フェロモン製剤の製造装置を提供するものである。
臨界流体にする超臨界流体発生装置と、性フェロモン剤
を供給する薬剤タンクと、性フェロモン剤を加圧して超
臨界流体に添加する加圧手段と、超臨界流体及び性フェ
ロモン剤の注入量を調整する調整弁と、樹脂材料を溶融
して超臨界流体及び性フェロモン剤を含浸させ、当該樹
脂を成形する成形機を含む性フェロモン製剤の製造装置
を提供するものである。
脂成形体又は溶融樹脂材料中に、超臨界流体及び性フェ
ロモン剤を含浸させて得られる。ここで用いる樹脂材料
としては、性フェロモン剤を含浸し得るものであれば特
に制限されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の汎用樹脂;ポリ
アセタール、ナイロン6、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート等の汎用エンプラ;ABS樹脂、A
S樹脂、ポリメチルメタアクリレート等の準エンプラ;
ナイロン610、ナイロン12、ポリ四フッ化エチレ
ン、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリサルホン、ポ
リフェニレンサルファイト等の特殊エンプラ;ポリ乳
酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレ
ート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネー
ト、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)
等の生分解性プラスチックなどが挙げられる。
性に応じて、適宜選択して用いることができる。例え
ば、安価な汎用樹脂は、種類も多く、製造コストを下げ
ることができ;生分解性の樹脂を用いれば、使用後に圃
場に放置しても環境に悪影響を与えることがなく、回収
・廃棄の手間を省くことができ;性フェロモン剤の徐放
期間中は形状を保持し、その後は崩壊する、崩壊性のあ
る樹脂を用いれば、使用期間に合わせて崩壊速度を制御
することができ、製剤の回収・廃棄の手間を省くことが
できる。
いにより、超臨界流体の含浸速度が変化し、それに伴っ
て性フェロモン剤の含浸能力も変化するため、相溶性の
異なる樹脂を用いることにより、含浸速度を最適化する
ことができる。一方、性フェロモン剤との相溶性の善し
悪しは、フェロモン剤の含浸速度や放出速度に影響を与
えるため、相溶性の異なる樹脂を組み合わせることによ
り、特に放出速度を最適化することができる。さらに、
植物体等に取りつける際の物性を考慮して、例えば弾力
性のある樹脂を用いれば、取り付けの際に破損したり、
植物体を傷つける可能性がなく、取扱いが容易である。
また、温度や紫外線の影響を受けにくい樹脂がより好ま
しい。
法、例えば押出、インジェクション、ブロー、シート、
フィルム、紡糸等により、成形することができる。
冷紗、ロープ、シート、フィルム、テープ等の通常の農
作業で使用する物資と同じ形状で、取扱いや設置が容易
な形状又は通常の農作業において別の目的で使用してい
る形状;クリップ、ピンチ、ナスカン、ひも、粘土、ゲ
ル等の取り付け、取り外しが容易な形状;飛行機等から
直接散布する場合には、例えば起き上がりこぼしのよう
な機構を用い、常に性フェロモン剤が含浸している樹脂
が地面に直接接しないような形状などが挙げられる。
しては、通常の性フェロモン製剤に用いられるものであ
れば特に制限されず、例えばZ−ドデセニルアセテート
等の不飽和二重結合を有する高級脂肪族性フェロモン化
合物;フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル等のエ
ステル化合物;リシン目害虫の性フェロモンとして知ら
れている、炭素数12〜20の不飽和脂肪族の炭化水
素、アセテート、アルデヒド、アルコール又はケトン化
合物などが挙げられる。これらの性フェロモン剤は、1
種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
窒素、その他メタノールや水等の有機又は無機物が挙げ
られ、特に二酸化炭素、窒素又はこれらの混合物が好ま
しい。
浸させる際には、樹脂や超臨界流体の相溶性を良くする
ために、アルコール、ヘキサン、ヘプタン、エーテル等
の有機溶剤を加えても良く、また、含浸速度を上げるた
めに、アセトン等の有機溶剤を加えて樹脂を膨潤させて
も良い。さらに、安定化剤や、紫外線吸収剤等を添加す
ることもできる。
ば次に示す事項を変化させることにより制御することが
できるため、目的に応じて適宜条件を選択することがで
きる。 (1)樹脂、超臨界流体及び性フェロモン剤の相溶性:相
溶性が悪い場合には、速く放出される。 (2)樹脂の厚み:薄いと早く放出される。 (3)樹脂の密度:密度が高いと放出速度が遅くなる。 (4)多層構造:各種の樹脂を組合わせて多層化又は複合
化して徐放速度を制御する。例えば、表層に放出速度の
高い樹脂を用いて温度が低い春先の放出速度を高く維持
し、内層に放出速度の遅い樹脂を用いて夏場の高温時の
放出速度を制御するなど、目的に応じた放出速度に制御
することができる。
樹脂成形体を高圧容器に入れ、性フェロモン剤を混合し
た超臨界流体を加えた後、高圧容器内の温度及び圧力を
臨界状態に保ち、性フェロモン剤を成形体内に含浸させ
る方法、(ii)樹脂材料を成形機に入れて溶融状態にし、
性フェロモン剤を混合した超臨界流体を加え、樹脂材料
に性フェロモン剤を含浸させた後、成形する方法などに
より製造することができる。
示す。この装置は、ガスを加圧・加熱して超臨界流体に
する超臨界流体発生装置(4)と、性フェロモン剤を供
給する薬剤タンク(5)と、性フェロモン剤を加圧して
超臨界流体に添加する加圧手段(6)と、成形体(2)
に性フェロモン剤を混合した超臨界流体を含浸させる高
圧容器(3)とを含むものである。
高圧容器に入れて密閉し、真空ポンプを用いて容器内の
空気を不活性ガスに置換する。次に、容器内が臨界温度
以上になるように調整し、なるべく臨界温度が保持でき
るように少しづつ性フェロモン剤を混合した超臨界流体
を供給し、容器内の圧力を臨界圧力以上に保つ。例え
ば、二酸化炭素の場合、超臨界温度は304.1K、超
臨界圧力は7.38MPaであり、窒素の場合、臨界温
度は126K、臨界圧力が3.4MPaであることか
ら、これ以上の温度・圧力で超臨界の状態を保つ必要が
ある。また、性フェロモン剤の熱劣化防止と、樹脂への
含浸量を増やすため、処理する温度はできるだけ低く、
圧力は高い方が好ましい。また、性フェロモン剤を混合
した超臨界流体を圧力容器内に急速に供給すると、容器
内にドライアイスが形成されるだけでなく、容器内部の
成形体が風圧でダメージを受ける危険性があるため、で
きるだけ穏やかに供給するのが好ましい。
には、バッファータンクを設けてその中で両者を混合し
ても良いし、高圧容器内に直接両者を注入しても良い
が、特に性フェロモン剤を均一に含浸させるためには、
予め混合しておくのが好ましい。高圧容器は、超臨界状
態が保てる圧力に耐え、温度制御が可能な容器であれば
特に制限されず、サイズは容器内の温度ムラが製品の品
質に影響を与えない範囲であれば良い。また、作業効率
の点から、複数の高圧容器を用いて含浸させ、空白の時
間を少なくするのがより好ましい。性フェロモン剤を混
合した超臨界流体を、一定時間所定の温度・圧力で含浸
させた後、容器内のガスを大気開放し、性フェロモン製
剤を取り出す。含浸させる時間は、温度や圧力、成形体
の形状や大きさ、樹脂の種類や性フェロモン剤、超臨界
流体の種類、添加剤の有無等により異なるが、例えば厚
さ1.6mmのシートで添加剤を加えない場合には、5〜
20時間、特に10〜15時間が好ましい。また、容器
内のガスの大気開放の際には、急激に圧力を開放する
と、成形体が凍り付く場合があるため、圧力は徐々に開
放するのが好ましい。
を含浸させることができ、また、成形体の形状を選ば
ず、しかも一度使用した成形体に再度性フェロモン剤を
含浸させることも可能であり、性フェロモン製剤のリサ
イクルにも好適である。性フェロモン製剤をリサイクル
するには、一定期間使用して効果がなくなったものにつ
いて、洗浄、乾燥した後、強度の大幅な低下や大きな破
損がないことを確認し、前記と同様にして、成形体に性
フェロモン剤を再び含浸させれば良い。それにより、廃
棄物の量及び使用する成形体の量を減らすことが可能と
なる。
に用いる装置を示す。これらの装置は、ガス又は液体を
加圧・加熱して超臨界流体にする超臨界流体発生装置
(4)と、性フェロモン剤を供給する薬剤タンク(5)
と、性フェロモン剤を加圧して超臨界流体に添加する加
圧手段(6)と、超臨界流体及び性フェロモン剤の注入
量を調整する調整弁(11)と、樹脂材料を溶融して超
臨界流体及び性フェロモン剤を含浸させ、当該樹脂を成
形する成形機を含むものである。
出機を用い、シートを成形するものである。原料(1)
を定量的に供給する重量フィーダ(8)と、原料を溶融
して超臨界流体を均一に分散させる二軸スクリュ押出機
(9)と、シリンダ内の圧力を保持するためのギアポン
プ(13)と、シートを成形するシートダイス(14)
及び巻き取り装置(15)と、ガス又は液体を加圧・加
熱して超臨界流体にする超臨界流体発生装置(4)と、
性フェロモン剤を供給する薬剤タンク(5)と、性フェ
ロモン剤を加圧して超臨界流体に添加する加圧手段
(6)からなる。
は、二軸スクリュ押出機のシリンダ(10)内で溶融状
態となる。シリンダ内はギアポンプの流動抵抗により臨
界圧力以上に保たれており、性フェロモン剤を混合した
超臨界流体は、流量調整弁(11)により溶融樹脂との
混合比率が一定になるように超臨界流体注入口(12)
から供給される。この際、シリンダ内の圧力が臨界圧力
以下でも良いが、超臨界流体が供給された際には臨界圧
力となり得る圧力であるのが好ましい。また、押出機は
単軸でも二軸でも良いが、超臨界流体及び性フェロモン
剤の分散が良い二軸スクリュ押出機が好ましい。また、
複数の押出機を組み合わせたタンデム型の押出機を使用
することもできる。
剤を含浸させた溶融樹脂は、ダイスから押出されて冷却
され、シート状に成形されるが、この際、圧力の低下に
伴って、超臨界流体が気体となって発泡する場合があ
り、ダイスを出る樹脂の温度が高い場合にはセルサイズ
の大きい発泡シートとなり、徐放速度が速くなり、逆に
ダイスを出る樹脂の温度が低く、ダイスを出た樹脂を直
ちに冷却した場合にはセルサイズの小さな発泡シートと
なって徐放速度が遅くなる。また、さらにシート巻き取
り装置により圧延した場合には、さらに密度が高いシー
トが得られ、徐放速度もさらに遅くなる。セルサイズは
特に制限されないが、セルサイズが大きいほど密度が小
さくなって徐放速度が速くなり、セルサイズが小さいほ
ど徐放速度が遅くなる。また、巻き取り装置でセルをつ
ぶして除去することにより、さらに徐放速度を遅くでき
る。セルサイズが異なる、すなわち密度の異なるシート
を多層にして、徐放速度をより細かく制御することもで
きる。
形機を用いるものである。射出成形機(20)と、ガス
を加圧・加熱して超臨界流体とする超臨界流体発生装置
(4)と、性フェロモン剤を供給する薬剤タンク(5)
と、ON−OFF弁(21)で構成されている。射出成
型機には、原料(1)を投入するホッパー(22)と、
原料を過疎化して超臨界流体を均一に分散させるシリン
ダ(23)と、成形体を成形する金型(24)が設置さ
れている。
程にて過疎化され、シリンダ内で加圧される。そして、
加圧された又は加圧途中の樹脂に、ON−OFFバルブ
を通じて性フェロモン剤を混合した超臨界流体を供給
し、シリンダ内で溶融樹脂に分散・含浸させる。次に、
スクリュを前進させて性フェロモン剤及び超臨界流体が
含浸した溶融樹脂を金型内に供給し、冷却して取り出
す。この際、樹脂温度や金型圧力、冷却速度等の条件を
調整することにより、密度の異なる性フェロモン製剤を
得ることができる。また、本発明により射出成型した製
剤は、成形体の表層に密度の高いスキン層が、成形体内
部に密度の低い層が形成されるため、長期間にわたり徐
放性能を維持することが可能となる。さらに、複数のシ
リンダを組み合わせて複数種の性フェロモン剤及び超臨
界流体含浸樹脂を多材質成形することにより、徐放性を
より精度良く制御することができる。
フェロモン製剤は、図4に示すように、さらに恒温槽等
の加熱手段に入れて加熱することにより成形体を発泡体
とし、起泡内に性フェロモン剤を保持させることもでき
る。加熱温度は、製剤に用いた樹脂の融点若しくは軟化
点付近、又はそれ以上とするのが好ましい。例えば、軟
化点120℃のポリスチレンをベースポリマーとした厚
さ1.3mmのシート状製剤の場合、110〜150℃
で、2〜30秒加熱するのが好ましい。
モン製剤は、図5に示すように、性フェロモン剤が樹脂
内部にも均一に含浸されており、この性フェロモン剤
は、徐々に大気中に放出され、大気中の性フェロモン剤
濃度が一定に保たれる。長期にわたって均一な放出速度
制御が可能である。
状に応じて、通常農作業の現場で使用される資材、植物
体に取り付けて使用する資材等として、通常の方法によ
り使用することができる。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
リエチレン(比重0.95)、ポリスチレン(比重0.
95)を原料としてシートを成形し、それらを切断して
90mm×25mm×2mmの試験片を作成した。この試験片
を圧力容器(耐圧工業社製、容量1L)に入れ、容器内
の温度を333Kに調整した。容器内の空気を真空ポン
プで排出した後、炭酸ガスで常圧に戻す操作を3回繰り
返して容器内の空気を炭酸ガスに置換し、予めテトラデ
カノール(東京化成社製)で飽和させた超臨界炭酸ガス
を少しづつ圧力容器に供給した。容器内の圧力が18M
Paとなった時点で圧力を一定に保ち、24時間この状
態を保持した後、バルブを開いて徐々に圧力を下げ、常
圧に戻した。圧力容器内から成形体を取り出し、直ちに
ガラスアンプル瓶に密閉した。成形体の重量変化からテ
トラデカノールの含浸量を算出した結果、ポリプロピレ
ンは約0.4%、高密度ポリエチレンは約0.3%、ポ
リスチレンは約2.0%であった。この成形体をアンプ
ル瓶から取り出し、22℃の恒温室に入れ、無風状態で
養生した。一定期間毎にガスクロマトグラフ(ヘッドス
ペース法)にて成形体内のテトラデカノール残存量を算
出した。結果を表1及び図6に示す。
デカノールの残存率は一次間数的に低下しており、長期
にわたって均一な放出速度制御が可能である。
高圧仕様)に、市販のポリプロピレン樹脂(比重0.9
0)を10kg/hの割合で投入した。押出機のシリンダ
内は、先端に設置されているギアポンプが抵抗体となっ
て二酸化炭素の臨界圧以上に保たれており、ギアポンプ
下流側にはシートダイス(W50mm×L50mm×t1m
m)が設置されている。超臨界流体発生装置で超臨界状
態とした二酸化炭素に、プランジャー方式の液添ポンプ
により加圧したテトラデカノール(東京化成社製)を1
00g/hで添加し、押出機の過疎化部より下流側のシ
リンダから液添ノズルを通じて溶融樹脂に注入した。そ
して、60〜80rpmで回転するニーディングディス
クにより、テトラデカノールを含む超臨界二酸化炭素を
溶融樹脂中に分散・拡散させた。ダイから出た樹脂は、
ダイ近傍に設置された冷却ロールにより、厚さ0.5〜
1mmのシートに成形された。得られたシート中のテトラ
デカノールの含浸量を測定したところ、約0.5%であ
ることが確認された。また、22℃の恒温槽内で150
日間の放出速度を調べたところ、ほぼ一定の速度で放出
されていることが確認された。
体の内部にまで均一に含浸し、長期にわたって均一な放
出速度制御が可能であり、農作業で取扱い易い形状の性
フェロモン製剤を得ることができる。
造装置を示す概略図である。
製造装置を示す概略図である。
製造装置を示す概略図である。
フェロモン製剤製造装置を示す概略図である。
モン剤が大気中に放出される模式図である。
の経時変化を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 樹脂成形体又は溶融樹脂中に、超臨界流
体及び性フェロモン剤を含浸させて得られる性フェロモ
ン製剤。 - 【請求項2】 樹脂成形体を高圧容器に入れ、性フェロ
モン剤を混合した超臨界流体を加えた後、高圧容器内の
温度及び圧力を臨界状態に保ち、性フェロモン剤を成形
体内に含浸させることを特徴とする性フェロモン剤の製
造方法。 - 【請求項3】 樹脂材料を成形機に入れて溶融状態に
し、性フェロモン剤を混合した超臨界流体を加え、樹脂
材料に性フェロモン剤を含浸させた後、成形することを
特徴とする性フェロモン製剤の製造方法。 - 【請求項4】 さらに、成形体を加熱手段で加熱して発
泡体にする請求項2又は3記載の製造方法。 - 【請求項5】 ガスを加圧・加熱して超臨界流体にする
超臨界流体発生装置と、性フェロモン剤を供給する薬剤
タンクと、性フェロモン剤を加圧して超臨界流体に添加
する加圧手段と、成形体に性フェロモン剤を混合した超
臨界流体を含浸させる高圧容器とを含む性フェロモン製
剤の製造装置。 - 【請求項6】 ガスを加圧・加熱して超臨界流体にする
超臨界流体発生装置と、性フェロモン剤を供給する薬剤
タンクと、性フェロモン剤を加圧して超臨界流体に添加
する加圧手段と、超臨界流体及び性フェロモン剤の注入
量を調整する調整弁と、樹脂材料を溶融して超臨界流体
及び性フェロモン剤を含浸させ、当該樹脂を成形する成
形機を含む性フェロモン製剤の製造装置。 - 【請求項7】 成形機が、押出機又は射出成形機である
請求項6記載の製造装置。
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JP3993756B2 (ja) | 2007-10-17 |
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