JP2002356320A - シリカ・酸化チタン複合ゾル組成物及びその製造方法 - Google Patents
シリカ・酸化チタン複合ゾル組成物及びその製造方法Info
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- JP2002356320A JP2002356320A JP2001167571A JP2001167571A JP2002356320A JP 2002356320 A JP2002356320 A JP 2002356320A JP 2001167571 A JP2001167571 A JP 2001167571A JP 2001167571 A JP2001167571 A JP 2001167571A JP 2002356320 A JP2002356320 A JP 2002356320A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 親水性有機溶媒系ポリマーとの相溶性と液安
定性に優れ、薄膜を作製する際に膜の厚膜化が容易で、
各種材料への機能向上に有用なシリカ・酸化チタン複合
ゾル組成物を提供する。 【解決手段】 4−ブチロラクトン/酸化チタン(Ti
O2)(モル比)=1.5以上、オキシカルボン酸/酸化チ
タン(TiO2)(モル比)=0.03〜3.0であって、シ
リカ(SiO2)/酸化チタン(TiO2)(質量%)=3.0〜3
0.0%である4−ブチロラクトンとオキシカルボン酸
に分散したシリカ・酸化チタン複合ゾル組成物である。
この複合ゾル組成物は、オキシカルボン酸で安定化され
た酸化チタンゾルの存在下でシリコン化合物を加水分解
させたのち、4−ブチロラクトンで溶媒置換することに
より製造する。
定性に優れ、薄膜を作製する際に膜の厚膜化が容易で、
各種材料への機能向上に有用なシリカ・酸化チタン複合
ゾル組成物を提供する。 【解決手段】 4−ブチロラクトン/酸化チタン(Ti
O2)(モル比)=1.5以上、オキシカルボン酸/酸化チ
タン(TiO2)(モル比)=0.03〜3.0であって、シ
リカ(SiO2)/酸化チタン(TiO2)(質量%)=3.0〜3
0.0%である4−ブチロラクトンとオキシカルボン酸
に分散したシリカ・酸化チタン複合ゾル組成物である。
この複合ゾル組成物は、オキシカルボン酸で安定化され
た酸化チタンゾルの存在下でシリコン化合物を加水分解
させたのち、4−ブチロラクトンで溶媒置換することに
より製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリカ・酸化チタン
複合ゾル組成物及びその製造方法に関し、殊に親水性有
機溶媒あるいは親水性有機溶媒系ポリマーとの相溶性と
液安定性に優れ、薄膜を作製する際に膜の厚膜化が容易
で、各種材料への機能向上に有用なシリカ・酸化チタン
複合ゾル組成物を提供するものである。
複合ゾル組成物及びその製造方法に関し、殊に親水性有
機溶媒あるいは親水性有機溶媒系ポリマーとの相溶性と
液安定性に優れ、薄膜を作製する際に膜の厚膜化が容易
で、各種材料への機能向上に有用なシリカ・酸化チタン
複合ゾル組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】白色顔料として知られている酸化チタン
は、屈折率及び誘電率が大きく、紫外線で励起しやすい
特性を有しており、その性質を利用して、紫外線吸収
剤、光学材料、電気・電子材料、光触媒、装飾材料、映
像表示材料、吸着材料、化粧材料、グレッチェル型色素
増感太陽電池あるいは画像記憶材料等にも利用されてい
る。この様な用途に用いる酸化チタンの形態は、膜であ
ることが多く、そのような膜はチタンアルコキシドや有
機チタン化合物などの酸化チタン前駆体を基材に焼き付
ける方法、酸化チタンゾルをバインダー成分と混合して
塗布する方法などによってつくられる。前者は、ゾルゲ
ル法、アルコキシド法とも呼ばれ、酸化チタンのみから
なる薄膜を形成できるが、焼き付け時の応力により膜が
崩壊しやすく、一般に数マイクロメートル以上の膜の形
成は困難である。一方、後者はバインダーを選ぶことに
より厚膜化も可能である上、前駆体ではなく酸化チタン
微粒子を用いるために、より低温の処理で所望の膜が得
られる。また、酸化チタンゾルは酸化チタン前駆体より
も安定で、工業的利用に適している。
は、屈折率及び誘電率が大きく、紫外線で励起しやすい
特性を有しており、その性質を利用して、紫外線吸収
剤、光学材料、電気・電子材料、光触媒、装飾材料、映
像表示材料、吸着材料、化粧材料、グレッチェル型色素
増感太陽電池あるいは画像記憶材料等にも利用されてい
る。この様な用途に用いる酸化チタンの形態は、膜であ
ることが多く、そのような膜はチタンアルコキシドや有
機チタン化合物などの酸化チタン前駆体を基材に焼き付
ける方法、酸化チタンゾルをバインダー成分と混合して
塗布する方法などによってつくられる。前者は、ゾルゲ
ル法、アルコキシド法とも呼ばれ、酸化チタンのみから
なる薄膜を形成できるが、焼き付け時の応力により膜が
崩壊しやすく、一般に数マイクロメートル以上の膜の形
成は困難である。一方、後者はバインダーを選ぶことに
より厚膜化も可能である上、前駆体ではなく酸化チタン
微粒子を用いるために、より低温の処理で所望の膜が得
られる。また、酸化チタンゾルは酸化チタン前駆体より
も安定で、工業的利用に適している。
【0003】高温で焼結させた場合を除き、一般に酸化
チタンは粒子表面に水酸基を有しており親水性であるた
め、水分散型のゾルとして使用されることが一般的であ
る。また、エタノールのような親水性溶媒とは、ある一
定の範囲内で混和することが可能であるが、混和する有
機溶媒量が多くなるとゾルの形態が壊れ、ゲル化した
り、沈殿が発生したりする。更に、バインダー等の成分
の含有量が増加すると相分離を起こしたりする事があ
り、有機溶媒型の安定な酸化チタンゾルが望まれてい
る。
チタンは粒子表面に水酸基を有しており親水性であるた
め、水分散型のゾルとして使用されることが一般的であ
る。また、エタノールのような親水性溶媒とは、ある一
定の範囲内で混和することが可能であるが、混和する有
機溶媒量が多くなるとゾルの形態が壊れ、ゲル化した
り、沈殿が発生したりする。更に、バインダー等の成分
の含有量が増加すると相分離を起こしたりする事があ
り、有機溶媒型の安定な酸化チタンゾルが望まれてい
る。
【0004】無機酸化物ゾルの内、シリカゾルは表面を
エステル化させ易いことから、アルコール分散型のシリ
カゾルを容易に製造することができ、このようなシリカ
ゾルは各種用途に利用されている。また、酸化スズゾル
は特公平5−87445号公報あるいは特公平6−19
074号公報には、親水性溶媒(エタノール、エチレン
グリコールなどのアルコール類、メチルセロソルブなど
のエーテル類、メタノールアミンなどのアミン類及びジ
メチルホルムアミドなどのアミド類)に分散させること
が可能であると記載されている。
エステル化させ易いことから、アルコール分散型のシリ
カゾルを容易に製造することができ、このようなシリカ
ゾルは各種用途に利用されている。また、酸化スズゾル
は特公平5−87445号公報あるいは特公平6−19
074号公報には、親水性溶媒(エタノール、エチレン
グリコールなどのアルコール類、メチルセロソルブなど
のエーテル類、メタノールアミンなどのアミン類及びジ
メチルホルムアミドなどのアミド類)に分散させること
が可能であると記載されている。
【0005】ところで、酸化チタンゾルに関しても各種
の技術が開示されている。特開昭63−215520号
公報には、オキシカルボン酸を含む中性チタニアゾルが
開示されているが、この様なゾルは厚膜化には適さず使
用できない。特開平3−257758号公報には、プロ
ピレングリコール型金属酸化物ゾルが開示されている
が、このゾルは塗膜の濡れ性を改善するために、水溶性
ゾルに水溶性のプロピレングルコールを混合したに過ぎ
ない。特公平6−74204号公報には、水溶性多価ア
ルコールを安定化剤として使用するメタチタン酸の微粒
子からなる日焼け止め化粧料に使用する水性ゾルが記載
されている。特開平10−167727号公報には、相
関移動活性を有する化合物として、クラウンエーテル
類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコ
ール類等の化合物で処理した変性酸化チタンゾルが記載
されている。また、特開平9−248467号公報や特
開平9−100124号公報には、安定化剤或いは原料
としてチタンアルコキシドを使用してゾルを製造する方
法が記載されている。特公平7−100611号公報に
は、水溶性酸化チタンゾルの水をイソプロピルアルコー
ルで置換したアルコール分散型チタンゾルが記載されて
いる。しかし、イソプロピルアルコールのような低級ア
ルコールは、その溶媒の蒸気圧が高く薄膜の作成には問
題ないが、厚膜を作成しようとした場合には、乾燥性が
高すぎるため厚膜に出来ないという問題がある。
の技術が開示されている。特開昭63−215520号
公報には、オキシカルボン酸を含む中性チタニアゾルが
開示されているが、この様なゾルは厚膜化には適さず使
用できない。特開平3−257758号公報には、プロ
ピレングリコール型金属酸化物ゾルが開示されている
が、このゾルは塗膜の濡れ性を改善するために、水溶性
ゾルに水溶性のプロピレングルコールを混合したに過ぎ
ない。特公平6−74204号公報には、水溶性多価ア
ルコールを安定化剤として使用するメタチタン酸の微粒
子からなる日焼け止め化粧料に使用する水性ゾルが記載
されている。特開平10−167727号公報には、相
関移動活性を有する化合物として、クラウンエーテル
類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコ
ール類等の化合物で処理した変性酸化チタンゾルが記載
されている。また、特開平9−248467号公報や特
開平9−100124号公報には、安定化剤或いは原料
としてチタンアルコキシドを使用してゾルを製造する方
法が記載されている。特公平7−100611号公報に
は、水溶性酸化チタンゾルの水をイソプロピルアルコー
ルで置換したアルコール分散型チタンゾルが記載されて
いる。しかし、イソプロピルアルコールのような低級ア
ルコールは、その溶媒の蒸気圧が高く薄膜の作成には問
題ないが、厚膜を作成しようとした場合には、乾燥性が
高すぎるため厚膜に出来ないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
酸化チタンの厚膜を容易に得ることができる、蒸気圧の
低い有機溶媒に対して安定なシリカ・酸化チタン複合ゾ
ル組成物について鋭意検討を重ねた結果、以下に詳記す
る本発明を完成したものである。
酸化チタンの厚膜を容易に得ることができる、蒸気圧の
低い有機溶媒に対して安定なシリカ・酸化チタン複合ゾ
ル組成物について鋭意検討を重ねた結果、以下に詳記す
る本発明を完成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は4−ブチ
ロラクトン/酸化チタン(TiO2)(モル比)=1.5以
上、オキシカルボン酸/酸化チタン(TiO2)(モル比)=
0.03〜3.0であって、シリカ(SiO2)/酸化チタ
ン(TiO2)(質量%)=3.0〜30.0%である4−ブ
チロラクトンとオキシカルボン酸に分散したシリカ・酸
化チタン複合ゾル組成物に関する。更に、本発明はオキ
シカルボン酸で安定化された酸化チタンゾルの存在下で
シリコン化合物を加水分解させたのち、4−ブチロラク
トンで溶媒置換してなる4−ブチロラクトン/酸化チタ
ン(TiO2)(モル比)=1.5以上、オキシカルボン酸/
酸化チタン(TiO2)(モル比)=0.03〜3.0であっ
て、シリカ(SiO2)/酸化チタン(TiO2)(質量%)=3.
0〜30.0%である4−ブチロラクトンとオキシカル
ボン酸に分散したシリカ・酸化チタン複合ゾル組成物の
製造方法に関する。
ロラクトン/酸化チタン(TiO2)(モル比)=1.5以
上、オキシカルボン酸/酸化チタン(TiO2)(モル比)=
0.03〜3.0であって、シリカ(SiO2)/酸化チタ
ン(TiO2)(質量%)=3.0〜30.0%である4−ブ
チロラクトンとオキシカルボン酸に分散したシリカ・酸
化チタン複合ゾル組成物に関する。更に、本発明はオキ
シカルボン酸で安定化された酸化チタンゾルの存在下で
シリコン化合物を加水分解させたのち、4−ブチロラク
トンで溶媒置換してなる4−ブチロラクトン/酸化チタ
ン(TiO2)(モル比)=1.5以上、オキシカルボン酸/
酸化チタン(TiO2)(モル比)=0.03〜3.0であっ
て、シリカ(SiO2)/酸化チタン(TiO2)(質量%)=3.
0〜30.0%である4−ブチロラクトンとオキシカル
ボン酸に分散したシリカ・酸化チタン複合ゾル組成物の
製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用する酸化チタンゾル
は、無定形酸化チタンゾル或いは結晶質酸化チタンゾル
のいずれでもよい。しかしながら、酸化チタンの厚膜を
得るためには、本発明の酸化チタンゾル濃度を高濃度に
出来ること、また無定形酸化チタンに比べて乾燥時の収
縮が少ないこと等の理由から、アナターゼ型の結晶質酸
化チタンゾルの使用が望ましい。
は、無定形酸化チタンゾル或いは結晶質酸化チタンゾル
のいずれでもよい。しかしながら、酸化チタンの厚膜を
得るためには、本発明の酸化チタンゾル濃度を高濃度に
出来ること、また無定形酸化チタンに比べて乾燥時の収
縮が少ないこと等の理由から、アナターゼ型の結晶質酸
化チタンゾルの使用が望ましい。
【0009】アナターゼ型結晶質酸化チタンゾルは、市
販品、例えば商品名「タイノック」(多木化学(株)製)
を利用することもできるし、塩化チタン、硫酸チタンの
ような水溶性チタンのチタン水溶液にアルカリ金属の水
酸化物、アンモニウム化合物などのアルカリ性化合物を
加え、チタンのゲルを生成させ、これにオキシカルボン
酸を加え、これを100℃以上で水熱処理し、アナター
ゼ型結晶質酸化チタンゾルを製造することもできる。ま
た、アナターゼ型酸化チタンの粉末やスラリーにオキシ
カルボン酸を添加して湿式粉砕することによっても製造
することができる。
販品、例えば商品名「タイノック」(多木化学(株)製)
を利用することもできるし、塩化チタン、硫酸チタンの
ような水溶性チタンのチタン水溶液にアルカリ金属の水
酸化物、アンモニウム化合物などのアルカリ性化合物を
加え、チタンのゲルを生成させ、これにオキシカルボン
酸を加え、これを100℃以上で水熱処理し、アナター
ゼ型結晶質酸化チタンゾルを製造することもできる。ま
た、アナターゼ型酸化チタンの粉末やスラリーにオキシ
カルボン酸を添加して湿式粉砕することによっても製造
することができる。
【0010】これらの水分散媒酸化チタンゾルを4−ブ
チロラクトンに分散させることについて云えば、水を分
散媒とした酸化チタンゾルに、4−ブチロラクトンをあ
る程度まで混合することは可能であり、また、酸化チタ
ンゾルの濃度が低い程、分散媒としての4−ブチロラク
トンの量を多く含有させることはできる。しかしなが
ら、このようなゾル液を成膜すると、沸点の高い4−ブ
チロラクトンよりも水が先に蒸発してしまうことから、
ゾル成分が凝集して、膜が白濁したり平滑な膜が得られ
なかったりする。当然の事ながら、酸化チタンゾルの濃
度が低い場合は、仮にうまく成膜したとしても、所望の
膜厚が得られないため、繰り返し成膜する必要があり実
用的ではない。このため、実質的に4−ブチロラクトン
に分散できる高濃度の酸化チタンゾルが必要であった。
当初、各種の有機溶媒に分散されて市販されているシリ
カゾルに着目し、シリカゾルを酸化チタンゾルに混合し
て4−ブチロラクトンへの分散を試みたが、単に両者を
混合するだけでは分散性は向上しなかった。
チロラクトンに分散させることについて云えば、水を分
散媒とした酸化チタンゾルに、4−ブチロラクトンをあ
る程度まで混合することは可能であり、また、酸化チタ
ンゾルの濃度が低い程、分散媒としての4−ブチロラク
トンの量を多く含有させることはできる。しかしなが
ら、このようなゾル液を成膜すると、沸点の高い4−ブ
チロラクトンよりも水が先に蒸発してしまうことから、
ゾル成分が凝集して、膜が白濁したり平滑な膜が得られ
なかったりする。当然の事ながら、酸化チタンゾルの濃
度が低い場合は、仮にうまく成膜したとしても、所望の
膜厚が得られないため、繰り返し成膜する必要があり実
用的ではない。このため、実質的に4−ブチロラクトン
に分散できる高濃度の酸化チタンゾルが必要であった。
当初、各種の有機溶媒に分散されて市販されているシリ
カゾルに着目し、シリカゾルを酸化チタンゾルに混合し
て4−ブチロラクトンへの分散を試みたが、単に両者を
混合するだけでは分散性は向上しなかった。
【0011】そこで、酸化チタンゾルの4−ブチロラク
トンへの分散性向上について鋭意検討を行った結果、シ
リカを複合化させることにより実質的に4−ブチロラク
トンに分散化可能なことを見出した。ここで云う複合化
とは、酸化チタンゾル粒子の表面でシリカ成分が酸化チ
タンと軽い結合状態にあることを云い、シリカとは必ず
しもSiO2で表されるものに限らず、Siに有機基が結合
している化合物も含まれる。即ち、本発明に於けるシリ
カ・酸化チタン複合ゾルにおけるシリカ成分は、シリコ
ン元素に対して少なくとも1つ以上のアルコキシ基を有
する一種以上のシリコン化合物に由来するものであり、
シリカ・酸化チタン複合ゾルは、後述する如くオキシカ
ルボン酸で安定化された酸化チタンゾルの存在下で上記
シリコン化合物を加水分解することによって製造され
る。
トンへの分散性向上について鋭意検討を行った結果、シ
リカを複合化させることにより実質的に4−ブチロラク
トンに分散化可能なことを見出した。ここで云う複合化
とは、酸化チタンゾル粒子の表面でシリカ成分が酸化チ
タンと軽い結合状態にあることを云い、シリカとは必ず
しもSiO2で表されるものに限らず、Siに有機基が結合
している化合物も含まれる。即ち、本発明に於けるシリ
カ・酸化チタン複合ゾルにおけるシリカ成分は、シリコ
ン元素に対して少なくとも1つ以上のアルコキシ基を有
する一種以上のシリコン化合物に由来するものであり、
シリカ・酸化チタン複合ゾルは、後述する如くオキシカ
ルボン酸で安定化された酸化チタンゾルの存在下で上記
シリコン化合物を加水分解することによって製造され
る。
【0012】複合化させるシリカ源即ち、シリコン化合
物としては、アルコキシシリル基を有するシリコン化合
物が良く、アルコキシシラン、シランカップリング剤と
呼ばれる化合物を使用できる。アルコキシシリル基を有
するシリコン化合物としては4官能、3官能、2官能、
1官能に分けられ、いずれの化合物も単独または混合し
て使用することができるが、分散性、経済性等を考慮す
ると、4官能、3官能のシリコン化合物から選ばれる1
種類以上の化合物を使用するのが好ましい。4官能シリ
コン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、テトラブトキシシランなどのアルコキシ
シランモノマー、及びメチルシリケート51(MS51)、メ
チルシリケート56(MS56)、エチルシリケート40(ES4
0)、エチルシリケート48(ES48)等のオリゴマーが例示
できる。3官能シリコン化合物としては、市販されてい
る各種のシランカップリング剤が利用でき、一般式R1
Si(R2)3(式中、R1は有機基、R2はアルコキシ
基を表す)で表わされるものを挙げることができる。例
えば、R1としては、メチル基、エチル基、ビニル基、
γーグリシドキシプロピル基、メタクリロキシ基等を挙
げることが出来る。R2としては、メトキシ基、エトキ
シ基、βーメトキシエトキシ基、βーエトキシエトキシ
基等、炭素数が1〜5のアルコキシ基を挙げることが出
来る。これらの化合物の内、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、メチルシリケート51、エチルシ
リケート40、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシランを使用すると、経済的で、分散性の良い
複合ゾルが得られやすいので、好適である。
物としては、アルコキシシリル基を有するシリコン化合
物が良く、アルコキシシラン、シランカップリング剤と
呼ばれる化合物を使用できる。アルコキシシリル基を有
するシリコン化合物としては4官能、3官能、2官能、
1官能に分けられ、いずれの化合物も単独または混合し
て使用することができるが、分散性、経済性等を考慮す
ると、4官能、3官能のシリコン化合物から選ばれる1
種類以上の化合物を使用するのが好ましい。4官能シリ
コン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、テトラブトキシシランなどのアルコキシ
シランモノマー、及びメチルシリケート51(MS51)、メ
チルシリケート56(MS56)、エチルシリケート40(ES4
0)、エチルシリケート48(ES48)等のオリゴマーが例示
できる。3官能シリコン化合物としては、市販されてい
る各種のシランカップリング剤が利用でき、一般式R1
Si(R2)3(式中、R1は有機基、R2はアルコキシ
基を表す)で表わされるものを挙げることができる。例
えば、R1としては、メチル基、エチル基、ビニル基、
γーグリシドキシプロピル基、メタクリロキシ基等を挙
げることが出来る。R2としては、メトキシ基、エトキ
シ基、βーメトキシエトキシ基、βーエトキシエトキシ
基等、炭素数が1〜5のアルコキシ基を挙げることが出
来る。これらの化合物の内、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、メチルシリケート51、エチルシ
リケート40、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシランを使用すると、経済的で、分散性の良い
複合ゾルが得られやすいので、好適である。
【0013】シリコン化合物の使用量に関して云えば、
シリコン成分をシリカ(SiO2)/酸化チタン(TiO2)(質
量%)=3.0〜30.0%の範囲となるように使用す
る。3.0質量%を下廻ると、分散媒中の水分量が少な
くなるにつれて、増粘し、分散媒中の水分量を17質量
%以下にすることができない。かかる酸化チタンゾルを
使用して成膜すると、クラックの発生した不均一な膜質
となる。また、30.0質量%を上廻りシリカが多くな
ると、この水溶性複合ゾル溶液自身の粘度が高くなり、
厚膜生成に必要な高濃度品が得られず利用しにくい。
シリコン成分をシリカ(SiO2)/酸化チタン(TiO2)(質
量%)=3.0〜30.0%の範囲となるように使用す
る。3.0質量%を下廻ると、分散媒中の水分量が少な
くなるにつれて、増粘し、分散媒中の水分量を17質量
%以下にすることができない。かかる酸化チタンゾルを
使用して成膜すると、クラックの発生した不均一な膜質
となる。また、30.0質量%を上廻りシリカが多くな
ると、この水溶性複合ゾル溶液自身の粘度が高くなり、
厚膜生成に必要な高濃度品が得られず利用しにくい。
【0014】シリカと酸化チタンゾルの複合化に関して
は、オキシカルボン酸で安定化された酸化チタンゾルの
存在下で、前記シリコン化合物を加水分解させた後、加
熱熟成させる。熟成が不十分な場合には、分散媒中の水
分量が十分に低下しない。加熱温度については特に限定
されないが、温度が低い場合には熟成時間が長くなり、
温度が高くなるにつれて熟成処理時間が短くできる。経
済的に再現性よく複合化させるためには50℃〜150
℃で数時間〜数日熟成させることが好ましい。
は、オキシカルボン酸で安定化された酸化チタンゾルの
存在下で、前記シリコン化合物を加水分解させた後、加
熱熟成させる。熟成が不十分な場合には、分散媒中の水
分量が十分に低下しない。加熱温度については特に限定
されないが、温度が低い場合には熟成時間が長くなり、
温度が高くなるにつれて熟成処理時間が短くできる。経
済的に再現性よく複合化させるためには50℃〜150
℃で数時間〜数日熟成させることが好ましい。
【0015】本発明で使用するオキシカルボン酸の種類
としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、
酒石酸、グリセリン酸、α-オキシ酪酸、マンデル酸、
トロパ酸等が挙げられるが、これらの内、リンゴ酸、酒
石酸、クエン酸の使用が最も望ましい。即ち、後述する
4−ブチロラクトンとの関係で、ゾル組成物の液安定性
とその組成物を使用した場合に於ける厚膜化の点から当
該オキシカルボン酸の使用が望ましい。また、オキシカ
ルボン酸の使用量に関して云えば、オキシカルボン酸/
酸化チタン(TiO2)(モル比)が0.03〜3.0の範囲
となるように使用する。このモル比が0.03を下廻る
と、酸化チタンゾルの液安定性が悪くなり、経時と共に
沈降物が生成し、これを使用して膜を作成すると不均一
な膜質となる。また、モル比が3.0を上廻りオキシカ
ルボン酸量が多くなると、このゾル溶液を使用して作成
した膜の膜質は著しく悪くなる。なお、オキシカルボン
酸に替えて、塩酸、硝酸などの鉱酸を使用することによ
っても同様の、酸化チタンゾルを得ることが出来るが、
複合ゾルの粘度が高くなりすぎて、高濃度のシリカ・酸
化チタン複合ゾルを得ることができず、本発明の用途に
適さなかった。
としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、
酒石酸、グリセリン酸、α-オキシ酪酸、マンデル酸、
トロパ酸等が挙げられるが、これらの内、リンゴ酸、酒
石酸、クエン酸の使用が最も望ましい。即ち、後述する
4−ブチロラクトンとの関係で、ゾル組成物の液安定性
とその組成物を使用した場合に於ける厚膜化の点から当
該オキシカルボン酸の使用が望ましい。また、オキシカ
ルボン酸の使用量に関して云えば、オキシカルボン酸/
酸化チタン(TiO2)(モル比)が0.03〜3.0の範囲
となるように使用する。このモル比が0.03を下廻る
と、酸化チタンゾルの液安定性が悪くなり、経時と共に
沈降物が生成し、これを使用して膜を作成すると不均一
な膜質となる。また、モル比が3.0を上廻りオキシカ
ルボン酸量が多くなると、このゾル溶液を使用して作成
した膜の膜質は著しく悪くなる。なお、オキシカルボン
酸に替えて、塩酸、硝酸などの鉱酸を使用することによ
っても同様の、酸化チタンゾルを得ることが出来るが、
複合ゾルの粘度が高くなりすぎて、高濃度のシリカ・酸
化チタン複合ゾルを得ることができず、本発明の用途に
適さなかった。
【0016】さて、例えば上記の如くして製造したオキ
シカルボン酸を含有した水分散性の酸化チタンゾルに、
上記に記載した方法によりシリカを複合化させることに
より、水分散性のシリカ・酸化チタン複合ゾルを得る。
これに4−ブチロラクトンを添加し、溶液を加熱濃縮す
ることによって脱水し、本発明のシリカ・酸化チタン複
合ゾルを得る。
シカルボン酸を含有した水分散性の酸化チタンゾルに、
上記に記載した方法によりシリカを複合化させることに
より、水分散性のシリカ・酸化チタン複合ゾルを得る。
これに4−ブチロラクトンを添加し、溶液を加熱濃縮す
ることによって脱水し、本発明のシリカ・酸化チタン複
合ゾルを得る。
【0017】4−ブチロラクトンの使用割合は、4−ブ
チロラクトン/酸化チタン(TiO2)(モル比)は、1.
5以上であり、より好ましくは2〜10の範囲である。
この場合に於いて、このモル比が1.5を下廻ると、本
発明の第1目的である親水性有機溶媒系ポリマーとの相
溶性は改善されず、液安定性が悪く、また厚膜化を期待
することもできない。
チロラクトン/酸化チタン(TiO2)(モル比)は、1.
5以上であり、より好ましくは2〜10の範囲である。
この場合に於いて、このモル比が1.5を下廻ると、本
発明の第1目的である親水性有機溶媒系ポリマーとの相
溶性は改善されず、液安定性が悪く、また厚膜化を期待
することもできない。
【0018】本発明のシリカ・酸化チタン複合ゾル組成
物の分散媒中の水分量に関しては、17質量%以下とす
ることが望ましい。尚、本発明で云う分散媒とは、本発
明シリカ・酸化チタン複合ゾル組成物中のシリカ及び酸
化チタン成分を除く残りの成分を云う。また、分散媒中
の水分量の測定値は、60℃での減圧蒸留による留出分
から求める水分の測定値である。60℃以上で減圧蒸留
すると4−ブチロラクトンの蒸気圧が高くなり、留出分
に4−ブチロラクトンが少し混入する。なお、常法とし
てのカールフィッシャー測定装置を用いることもできる
が、無定形シリカ・酸化チタン複合ゾルの場合はチタン
に結合している水酸化物由来の水分も測定される。
物の分散媒中の水分量に関しては、17質量%以下とす
ることが望ましい。尚、本発明で云う分散媒とは、本発
明シリカ・酸化チタン複合ゾル組成物中のシリカ及び酸
化チタン成分を除く残りの成分を云う。また、分散媒中
の水分量の測定値は、60℃での減圧蒸留による留出分
から求める水分の測定値である。60℃以上で減圧蒸留
すると4−ブチロラクトンの蒸気圧が高くなり、留出分
に4−ブチロラクトンが少し混入する。なお、常法とし
てのカールフィッシャー測定装置を用いることもできる
が、無定形シリカ・酸化チタン複合ゾルの場合はチタン
に結合している水酸化物由来の水分も測定される。
【0019】酸化チタンゾルの濃度が低いと、酸化チタ
ン膜の厚膜化が困難となる。また、従来のゾルでは、高
濃度の酸化チタン濃度、例えばTiO2として15質量%
以上になると、液が増粘、ゲル化するため分散媒中の水
分量を17質量%以下にすることが出来なかった。しか
し、本発明のシリカ・酸化チタン複合ゾルは、分散媒中
の水分量を17質量%以下とすることが可能である。こ
のようなことは、例えば以下のような方法によって可能
となる。即ち、一例としてオキシカルボン酸で安定化さ
れた水分散酸化チタンゾルにメチルトリメトキシシラン
を添加して、メチルトリメトキシシランの加水分解が充
分起こった後、4−ブチロラクトンを添加し、このゾル
溶液を加熱することによって脱水を行う。加熱時に、シ
リカ・酸化チタン複合ゾル溶液の液温が100℃まで
は、水が優先的に蒸発するが、液温での4−ブチロラク
トンの蒸気圧に相当する量の4−ブチロラクトンも蒸発
する。そして実質的に水の蒸発が終了すれば、外部加熱
温度に近い温度まで液温は上昇する。従って、例えば、
140℃で外部加熱を行った場合、液温が120℃にな
れば加熱を終了する。液温が120℃にもなれば、脱水
は完了している。120℃以上で長時間加熱を行って
も、4−ブチロラクトンの蒸発量が多くなるだけで経済
的でない。このようなことから、加熱時間については特
段制約はない。尚、この加熱脱水による方法に於いて、
常圧蒸留に代えて減圧蒸留によるときは80℃以下で行
うことが好ましい。
ン膜の厚膜化が困難となる。また、従来のゾルでは、高
濃度の酸化チタン濃度、例えばTiO2として15質量%
以上になると、液が増粘、ゲル化するため分散媒中の水
分量を17質量%以下にすることが出来なかった。しか
し、本発明のシリカ・酸化チタン複合ゾルは、分散媒中
の水分量を17質量%以下とすることが可能である。こ
のようなことは、例えば以下のような方法によって可能
となる。即ち、一例としてオキシカルボン酸で安定化さ
れた水分散酸化チタンゾルにメチルトリメトキシシラン
を添加して、メチルトリメトキシシランの加水分解が充
分起こった後、4−ブチロラクトンを添加し、このゾル
溶液を加熱することによって脱水を行う。加熱時に、シ
リカ・酸化チタン複合ゾル溶液の液温が100℃まで
は、水が優先的に蒸発するが、液温での4−ブチロラク
トンの蒸気圧に相当する量の4−ブチロラクトンも蒸発
する。そして実質的に水の蒸発が終了すれば、外部加熱
温度に近い温度まで液温は上昇する。従って、例えば、
140℃で外部加熱を行った場合、液温が120℃にな
れば加熱を終了する。液温が120℃にもなれば、脱水
は完了している。120℃以上で長時間加熱を行って
も、4−ブチロラクトンの蒸発量が多くなるだけで経済
的でない。このようなことから、加熱時間については特
段制約はない。尚、この加熱脱水による方法に於いて、
常圧蒸留に代えて減圧蒸留によるときは80℃以下で行
うことが好ましい。
【0020】また、本発明では別の方法として、オキシ
カルボン酸を含有した上記の水分散性のシリカ・酸化チ
タン複合ゾル中の水を、限外ろ過膜を使用して4−ブチ
ロラクトンに置換させることにより本発明の酸化チタン
ゾルを得ることもできる。次に、本発明のゾル組成物の
チタン(TiO2)濃度について云えば、5〜40質量%、
更に好ましくは10〜30質量%の範囲である。5質量
%以下では、先にも記載したように、比較的容易に有機
溶媒分散チタンゾルを得ることができるので、本発明の
ような作業を行う必要はない。一方、40質量%以上に
なると、組成を工夫しても粘度が高くなりすぎてゾルの
安定性が悪くなる。
カルボン酸を含有した上記の水分散性のシリカ・酸化チ
タン複合ゾル中の水を、限外ろ過膜を使用して4−ブチ
ロラクトンに置換させることにより本発明の酸化チタン
ゾルを得ることもできる。次に、本発明のゾル組成物の
チタン(TiO2)濃度について云えば、5〜40質量%、
更に好ましくは10〜30質量%の範囲である。5質量
%以下では、先にも記載したように、比較的容易に有機
溶媒分散チタンゾルを得ることができるので、本発明の
ような作業を行う必要はない。一方、40質量%以上に
なると、組成を工夫しても粘度が高くなりすぎてゾルの
安定性が悪くなる。
【0021】この様にして得られる本発明のシリカ・酸
化チタン複合ゾル組成物は、親水性有機溶媒あるいは親
水性有機溶媒系ポリマーとの相溶性と安定性に優れ、と
りわけ厚膜化を始め、水を好まない各種用途に好適な材
料である。ところで、本発明のシリカ・酸化チタン複合
ゾル組成物に、必要に応じて4−ブチロラクトンと混合
可能な無機バインダー、有機バインダーあるいは有機無
機複合バインダーを添加混合することもできる。このよ
うなバインダーとしては、光硬化性樹脂またはそれらを
含む複合バインダーがある。
化チタン複合ゾル組成物は、親水性有機溶媒あるいは親
水性有機溶媒系ポリマーとの相溶性と安定性に優れ、と
りわけ厚膜化を始め、水を好まない各種用途に好適な材
料である。ところで、本発明のシリカ・酸化チタン複合
ゾル組成物に、必要に応じて4−ブチロラクトンと混合
可能な無機バインダー、有機バインダーあるいは有機無
機複合バインダーを添加混合することもできる。このよ
うなバインダーとしては、光硬化性樹脂またはそれらを
含む複合バインダーがある。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて更に説明を行
う。尚、%は特に断らない限り全て質量%を示す。
う。尚、%は特に断らない限り全て質量%を示す。
【0023】[実施例1]オキシ塩化チタン水溶液(TiO
2=2%)2000gに、アンモニア水(NH3=2%)2212g(NH3/C
l当量比=1.3)を常温攪拌下で徐々に添加し、水酸化チタ
ンゲルを生成させた。これをろ液中の塩素イオンがチタ
ンゲル(TiO2)に対して100ppm以下になるまでろ過水洗
し、TiO2=10%、NH3=0.3%のゲルを得た。このゲル40
0gに、リンゴ酸/TiO2(モル比)=0.8となるようにリンゴ
酸54gを添加し、これをオートクレーブに入れ、120℃で
6時間の水熱処理を行い、結晶性酸化チタンゾル(TiO2=
8.8%)を得た。X線回折法によりこのゾルを分析した結
果、アナターゼ型の酸化チタンのピークが見られ、その
第1ピークを用いて、デバイ・シェーラーの式から求め
た結晶子サイズは6nmであった。得られたゾルを限外ろ
過装置を用いて洗浄し、過剰のリンゴ酸を充分除去して
得られた酸化チタンゾルは、リンゴ酸/TiO2(モル比)=
0.3であった。次に、この酸化チタンゾル(TiO2=15%、
リンゴ酸=7.5%、pH=2.5)100gにイオン交換水400g、メ
チルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリ
コーン社製SZ6070)1.7gを加えて、90℃で5時間保持
し、メチルトリメトキシシランを加水分解させた。この
水分散のシリカ・酸化チタン複合ゾルに4−ブチロラク
トン72gを加えて、エバポレーターを用いて、液温60℃
で減圧蒸留を行い脱水を行った。留出がなくなるまで蒸
留を行うことにより本発明のシリカ・酸化チタン複合ゾ
ルを得た。このゾルを分析に供した結果、TiO2=15%、
SiO2=0.75%、リンゴ酸=7.5%、(シリカ/TiO2=5%、
リンゴ酸/TiO2(モル比)=0.3、4−ブチロラクトン/TiO
2(モル比)=4.38)であり、分散媒中の水分量は6.0質量
%であった。
2=2%)2000gに、アンモニア水(NH3=2%)2212g(NH3/C
l当量比=1.3)を常温攪拌下で徐々に添加し、水酸化チタ
ンゲルを生成させた。これをろ液中の塩素イオンがチタ
ンゲル(TiO2)に対して100ppm以下になるまでろ過水洗
し、TiO2=10%、NH3=0.3%のゲルを得た。このゲル40
0gに、リンゴ酸/TiO2(モル比)=0.8となるようにリンゴ
酸54gを添加し、これをオートクレーブに入れ、120℃で
6時間の水熱処理を行い、結晶性酸化チタンゾル(TiO2=
8.8%)を得た。X線回折法によりこのゾルを分析した結
果、アナターゼ型の酸化チタンのピークが見られ、その
第1ピークを用いて、デバイ・シェーラーの式から求め
た結晶子サイズは6nmであった。得られたゾルを限外ろ
過装置を用いて洗浄し、過剰のリンゴ酸を充分除去して
得られた酸化チタンゾルは、リンゴ酸/TiO2(モル比)=
0.3であった。次に、この酸化チタンゾル(TiO2=15%、
リンゴ酸=7.5%、pH=2.5)100gにイオン交換水400g、メ
チルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリ
コーン社製SZ6070)1.7gを加えて、90℃で5時間保持
し、メチルトリメトキシシランを加水分解させた。この
水分散のシリカ・酸化チタン複合ゾルに4−ブチロラク
トン72gを加えて、エバポレーターを用いて、液温60℃
で減圧蒸留を行い脱水を行った。留出がなくなるまで蒸
留を行うことにより本発明のシリカ・酸化チタン複合ゾ
ルを得た。このゾルを分析に供した結果、TiO2=15%、
SiO2=0.75%、リンゴ酸=7.5%、(シリカ/TiO2=5%、
リンゴ酸/TiO2(モル比)=0.3、4−ブチロラクトン/TiO
2(モル比)=4.38)であり、分散媒中の水分量は6.0質量
%であった。
【0024】この得られた本発明のシリカ・酸化チタン
複合ゾルを用いて樹脂塗膜形成試験を行った。本発明の
ゾル35gを、4−ブチロラクトンに溶解させた感光性ポ
リマー(40%メタクリル酸、30%メチルメタクリレー
ト、30%スチレンからなる共重合体、濃度35%,質量平
均分子量43000、酸価95)溶液10gに添加し、更にこれに
光重合開始剤(チバガイギー社製IC-369)3gを添加し、
粘度10万mPa・sに液を調製した。これを用い、ガラス板
上にスクリーン印刷で膜厚150μmのパターンを作製した
のち、これを高圧水銀灯で露光させてパターンを硬化成
形した。その後、成形体を550℃で焼成して酸化チタン
厚膜を得た。焼成により、収縮して初期膜厚の70%にな
ったが、クラックも見られず良好なパターンが得られ
た。
複合ゾルを用いて樹脂塗膜形成試験を行った。本発明の
ゾル35gを、4−ブチロラクトンに溶解させた感光性ポ
リマー(40%メタクリル酸、30%メチルメタクリレー
ト、30%スチレンからなる共重合体、濃度35%,質量平
均分子量43000、酸価95)溶液10gに添加し、更にこれに
光重合開始剤(チバガイギー社製IC-369)3gを添加し、
粘度10万mPa・sに液を調製した。これを用い、ガラス板
上にスクリーン印刷で膜厚150μmのパターンを作製した
のち、これを高圧水銀灯で露光させてパターンを硬化成
形した。その後、成形体を550℃で焼成して酸化チタン
厚膜を得た。焼成により、収縮して初期膜厚の70%にな
ったが、クラックも見られず良好なパターンが得られ
た。
【0025】比較のために、上記の本発明のシリカ・酸
化チタン複合ゾル(TiO2濃度15%、分散媒中水分6質量
%)に水を添加して水分50%のシリカ・酸化チタン複合
ゾルを調製した。このゾル35gを、上記と同一の感光性
ポリマー溶液10gに添加し、更にこれに光重合開始剤3g
を添加した結果、シリカ・酸化チタン複合ゾルと感光性
ポリマーが凝集し、きれいなパターン印刷が出来ず、焼
成後の酸化チタン膜に多数のクラックが見られ、膜強度
がほとんどなく、ガラス板から脱落した。
化チタン複合ゾル(TiO2濃度15%、分散媒中水分6質量
%)に水を添加して水分50%のシリカ・酸化チタン複合
ゾルを調製した。このゾル35gを、上記と同一の感光性
ポリマー溶液10gに添加し、更にこれに光重合開始剤3g
を添加した結果、シリカ・酸化チタン複合ゾルと感光性
ポリマーが凝集し、きれいなパターン印刷が出来ず、焼
成後の酸化チタン膜に多数のクラックが見られ、膜強度
がほとんどなく、ガラス板から脱落した。
【0026】[実施例2]オキシ塩化チタン水溶液(TiO
2=2%)2000gに、アンモニア水(NH3=2%)1700g(NH3/C
l当量比=1.0)を常温攪拌下で徐々に添加し、水酸化チタ
ンゲルを生成させた。これをろ過水洗し、TiO2=5%、N
H3=0.1%、Cl=0.1%のゲルを得た。このゲル400gに、
クエン酸/TiO2(モル比)=0.3となるようにクエン酸・1水
和物15.8gを添加し、60℃の恒温槽にいれて、24時間保
持し、酸化チタンゾルを得た。得られたゾルを限外ろ過
装置を用いて洗浄し、過剰のクエン酸を充分除去した。
X線回折法によりこのゾルを分析した結果、アナターゼ
型の酸化チタンの明確なピークは見られず、このゾルは
無定形酸化チタンゾル(TiO2=4.8%、クエン酸=1.1%、
pH=3)であった。次に、この酸化チタンゾル200gにメチ
ルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製A-162)2.85gを
加え、120℃のオートクレーブ中で3時間保持して、
メチルトリエトキシシランを加水分解させた。これに4
−ブチロラクトン34gを加えて、エバポレーターを用い
て、液温60℃で減圧蒸留を行い脱水を行った。留出がな
くなるまで蒸留を行うことにより本発明のシリカ・酸化
チタン複合ゾル(TiO2=20%)を得た。このゾルを分析に
供した結果、TiO2=20%、クエン酸=4.6%、SiO2=2
%、(シリカ/TiO2=10%、クエン酸/TiO2(モル比)=0.
1、4−ブチロラクトン/TiO2(モル比)=3.1)であり、
分散媒中の水分量は4.2質量%であった。また、このゾ
ルはエタノールで任意に希釈することが出来た。比較例
として、この酸化チタンゾル200gにシリカゾル(SiO2=2
0%)4.8gを室温で混合し、4−ブチロラクトン34gを加
えて、エバポレーターを用いて、液温60℃で減圧蒸留を
行い、粘くなり流動性が無くなったところで終了した。
その液中には水分が35%含まれていた。なお、このシ
リカゾルと4−ブチロラクトンを混合し、液温60℃で減
圧蒸留を行った結果、SiO2=20%、水分2%以下の4−
ブチロラクトンに分散したシリカゾルを得ることが出来
た。
2=2%)2000gに、アンモニア水(NH3=2%)1700g(NH3/C
l当量比=1.0)を常温攪拌下で徐々に添加し、水酸化チタ
ンゲルを生成させた。これをろ過水洗し、TiO2=5%、N
H3=0.1%、Cl=0.1%のゲルを得た。このゲル400gに、
クエン酸/TiO2(モル比)=0.3となるようにクエン酸・1水
和物15.8gを添加し、60℃の恒温槽にいれて、24時間保
持し、酸化チタンゾルを得た。得られたゾルを限外ろ過
装置を用いて洗浄し、過剰のクエン酸を充分除去した。
X線回折法によりこのゾルを分析した結果、アナターゼ
型の酸化チタンの明確なピークは見られず、このゾルは
無定形酸化チタンゾル(TiO2=4.8%、クエン酸=1.1%、
pH=3)であった。次に、この酸化チタンゾル200gにメチ
ルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製A-162)2.85gを
加え、120℃のオートクレーブ中で3時間保持して、
メチルトリエトキシシランを加水分解させた。これに4
−ブチロラクトン34gを加えて、エバポレーターを用い
て、液温60℃で減圧蒸留を行い脱水を行った。留出がな
くなるまで蒸留を行うことにより本発明のシリカ・酸化
チタン複合ゾル(TiO2=20%)を得た。このゾルを分析に
供した結果、TiO2=20%、クエン酸=4.6%、SiO2=2
%、(シリカ/TiO2=10%、クエン酸/TiO2(モル比)=0.
1、4−ブチロラクトン/TiO2(モル比)=3.1)であり、
分散媒中の水分量は4.2質量%であった。また、このゾ
ルはエタノールで任意に希釈することが出来た。比較例
として、この酸化チタンゾル200gにシリカゾル(SiO2=2
0%)4.8gを室温で混合し、4−ブチロラクトン34gを加
えて、エバポレーターを用いて、液温60℃で減圧蒸留を
行い、粘くなり流動性が無くなったところで終了した。
その液中には水分が35%含まれていた。なお、このシ
リカゾルと4−ブチロラクトンを混合し、液温60℃で減
圧蒸留を行った結果、SiO2=20%、水分2%以下の4−
ブチロラクトンに分散したシリカゾルを得ることが出来
た。
【0027】[実施例3]硫酸酸性の硫酸チタン水溶液
(TiO2=2%、SO4=8%)5000gに、水酸化ナトリウム水溶
液(Na2O=4%)6500g(Na2O/SO4(モル比)=1.0)を攪拌下
で添加し、チタンゲルを生成させた。これをろ過水洗
し、ろ液の電気伝導度(mS/cm2)が反応母液の1/500以下
になるまで良く洗浄し、TiO2=8%のゲルを得た。この
ゲルを乾燥させ、300℃で1時間熱処理し、アナターゼ型
酸化チタン粉末110g(TiO2=90%)を得た。この酸化チタ
ン粉末60gに酒石酸 10g、イオン交換水230gを添加し、
湿式粉砕したのち、4000Gの遠心力で遠心分離機で処理
し、上澄み液を分取した。この上澄み液は、TiO2=15
%、酒石酸=3.6%、平均粒子径0.2μmの酸化チタンゾル
であった。この水分散ゾル200gにビニルトリ(メトキシ
エトキシ)シラン(日本ユニカー社製A-172)28gを加え
て、50℃で24時間加水分解させた後、4−ブチロラク
トン58gを加えて、エバポレーターを用いて、液温60℃
で減圧蒸留を行い脱水を行って本発明のゾル(TiO2=30
%、SiO2=6%)を得た。このゾルを分析に供した結果、
シリカ/TiO2 20%、酒石酸/TiO2(モル比)=0.13、ブチ
ロラクトン/TiO2(モル比)=1.6、分散媒中の水分3.1%
であった。
(TiO2=2%、SO4=8%)5000gに、水酸化ナトリウム水溶
液(Na2O=4%)6500g(Na2O/SO4(モル比)=1.0)を攪拌下
で添加し、チタンゲルを生成させた。これをろ過水洗
し、ろ液の電気伝導度(mS/cm2)が反応母液の1/500以下
になるまで良く洗浄し、TiO2=8%のゲルを得た。この
ゲルを乾燥させ、300℃で1時間熱処理し、アナターゼ型
酸化チタン粉末110g(TiO2=90%)を得た。この酸化チタ
ン粉末60gに酒石酸 10g、イオン交換水230gを添加し、
湿式粉砕したのち、4000Gの遠心力で遠心分離機で処理
し、上澄み液を分取した。この上澄み液は、TiO2=15
%、酒石酸=3.6%、平均粒子径0.2μmの酸化チタンゾル
であった。この水分散ゾル200gにビニルトリ(メトキシ
エトキシ)シラン(日本ユニカー社製A-172)28gを加え
て、50℃で24時間加水分解させた後、4−ブチロラク
トン58gを加えて、エバポレーターを用いて、液温60℃
で減圧蒸留を行い脱水を行って本発明のゾル(TiO2=30
%、SiO2=6%)を得た。このゾルを分析に供した結果、
シリカ/TiO2 20%、酒石酸/TiO2(モル比)=0.13、ブチ
ロラクトン/TiO2(モル比)=1.6、分散媒中の水分3.1%
であった。
【0028】[実施例4]実施例1と同様の方法で得た
酸化チタンゲル(TiO2=10%、NH3=0.3%)400gに、グ
リコール酸/TiO2(モル比)=0.5となるように70%グリ
コール酸(和光純薬工業社製)27.2gを添加し、これをオ
ートクレーブに入れ、120℃で6時間の水熱処理を行い、
結晶性酸化チタンゾル(TiO2=9.4%)を得た。次に、こ
のゾル100gにイオン交換水400g、メチルトリメトキシシ
ラン(信越化学工業社製LS-530)2.1gを加えて、90℃で
5時間保持し、メチルトリメトキシシランを加水分解さ
せた。この水分散のシリカ・酸化チタン複合ゾルに4−
ブチロラクトン45gを加えて、エバポレーターを用い
て、液温60℃で減圧蒸留を行い脱水を行った。留出がな
くなるまで蒸留を行うことにより本発明のシリカ・酸化
チタン複合ゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、
TiO2=15%、SiO2=1.5%、グリコール酸=7.1%、(シ
リカ/TiO2=10%、グリコール酸/TiO2(モル比)=0.5、
4−ブチロラクトン/TiO2(モル比)=4.10)であり、分
散媒中の水分量は10%であった。比較例として、上記の
酸化チタンゲル(TiO2=10%、NH3=0.3%)400gに、硝
酸/TiO2(モル比)=0.3となるように60%硝酸15.7gとイ
オン交換水38.1gを添加し、40℃の恒温器に3日間入
れて、無定型酸化チタンゾル(TiO2=8.8%)を得た。次
に、このゾル107gにイオン交換水400g、メチルトリメト
キシシラン2.1gを加えて、90℃で5時間保持し、メチ
ルトリメトキシシランを加水分解させた。この水分散の
シリカ・酸化チタン複合ゾルは、50mPa・Sの高粘性であ
った。4−ブチロラクトン45gを加えて、エバポレータ
ーを用いて、液温60℃で減圧蒸留を行った。脱水途中で
流動性がほとんどないぐらいに高粘性になり、中断し
た。そのゾル中には水分約40%あり、水分17%以下
にすることが出来なかった。
酸化チタンゲル(TiO2=10%、NH3=0.3%)400gに、グ
リコール酸/TiO2(モル比)=0.5となるように70%グリ
コール酸(和光純薬工業社製)27.2gを添加し、これをオ
ートクレーブに入れ、120℃で6時間の水熱処理を行い、
結晶性酸化チタンゾル(TiO2=9.4%)を得た。次に、こ
のゾル100gにイオン交換水400g、メチルトリメトキシシ
ラン(信越化学工業社製LS-530)2.1gを加えて、90℃で
5時間保持し、メチルトリメトキシシランを加水分解さ
せた。この水分散のシリカ・酸化チタン複合ゾルに4−
ブチロラクトン45gを加えて、エバポレーターを用い
て、液温60℃で減圧蒸留を行い脱水を行った。留出がな
くなるまで蒸留を行うことにより本発明のシリカ・酸化
チタン複合ゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、
TiO2=15%、SiO2=1.5%、グリコール酸=7.1%、(シ
リカ/TiO2=10%、グリコール酸/TiO2(モル比)=0.5、
4−ブチロラクトン/TiO2(モル比)=4.10)であり、分
散媒中の水分量は10%であった。比較例として、上記の
酸化チタンゲル(TiO2=10%、NH3=0.3%)400gに、硝
酸/TiO2(モル比)=0.3となるように60%硝酸15.7gとイ
オン交換水38.1gを添加し、40℃の恒温器に3日間入
れて、無定型酸化チタンゾル(TiO2=8.8%)を得た。次
に、このゾル107gにイオン交換水400g、メチルトリメト
キシシラン2.1gを加えて、90℃で5時間保持し、メチ
ルトリメトキシシランを加水分解させた。この水分散の
シリカ・酸化チタン複合ゾルは、50mPa・Sの高粘性であ
った。4−ブチロラクトン45gを加えて、エバポレータ
ーを用いて、液温60℃で減圧蒸留を行った。脱水途中で
流動性がほとんどないぐらいに高粘性になり、中断し
た。そのゾル中には水分約40%あり、水分17%以下
にすることが出来なかった。
【0029】
【発明の効果】本発明のシリカ・酸化チタン複合ゾル組
成物は、親水性有機溶媒あるいは親水性有機溶媒系ポリ
マーとの相溶性と液安定性に優れ、とりわけ厚膜化を始
め、水を好まない各種用途に好適な材料である。例え
ば、誘電体、光電変換材料、紫外線カット材、高屈折率
材、触媒、ハードコート材等に、優れた機能付与が可能
であり工業的に有益である。
成物は、親水性有機溶媒あるいは親水性有機溶媒系ポリ
マーとの相溶性と液安定性に優れ、とりわけ厚膜化を始
め、水を好まない各種用途に好適な材料である。例え
ば、誘電体、光電変換材料、紫外線カット材、高屈折率
材、触媒、ハードコート材等に、優れた機能付与が可能
であり工業的に有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09D 11/02 C09D 11/02 (72)発明者 井筒 裕之 兵庫県高砂市米田町米田1174−120 Fターム(参考) 4G047 CA01 CB05 CC01 CD01 4G072 AA37 CC01 GG02 GG03 HH14 JJ26 LL15 PP01 RR05 UU09 4J037 AA18 AA22 CB09 CB10 EE08 EE43 FF15 4J039 AE11 BA13 BA20 BC19 BC20 BC57 CA06
Claims (8)
- 【請求項1】 4−ブチロラクトン/酸化チタン(Ti
O2)(モル比)=1.5以上、オキシカルボン酸/酸化チ
タン(TiO2)(モル比)=0.03〜3.0であって、シ
リカ(SiO2)/酸化チタン(TiO2)(質量%)=3.0〜3
0.0%である4−ブチロラクトンとオキシカルボン酸
に分散したシリカ・酸化チタン複合ゾル組成物。 - 【請求項2】 分散媒中の水分量が17質量%以下であ
る請求項1記載のシリカ・酸化チタン複合ゾル組成物。 - 【請求項3】 オキシカルボン酸がリンゴ酸、酒石酸ま
たはクエン酸である請求項1または2記載のシリカ・酸
化チタン複合ゾル組成物。 - 【請求項4】 シリカ・酸化チタン複合ゾル中のシリカ
成分が、シリコン元素に対して少なくとも1つ以上のア
ルコキシ基を有する一種以上のシリコン化合物に由来す
るものである請求項1または2記載のシリカ・酸化チタ
ン複合ゾル組成物。 - 【請求項5】 オキシカルボン酸で安定化された酸化チ
タンゾルの存在下でシリコン化合物を加水分解させたの
ち、4−ブチロラクトンで溶媒置換してなる請求項1記
載のシリカ・酸化チタン複合ゾル組成物の製造方法。 - 【請求項6】 オキシカルボン酸で安定化された酸化チ
タンゾルのオキシカルボン酸/酸化チタン(TiO2)(モル
比)=0.03〜3.0である請求項5記載のシリカ・
酸化チタン複合ゾル組成物の製造方法。 - 【請求項7】 シリコン化合物の量が、シリカ(SiO2)
/酸化チタン(TiO2)(質量%)=3.0〜30.0%で
ある請求項5または6記載のシリカ・酸化チタン複合ゾ
ル組成物の製造方法。 - 【請求項8】 溶媒置換される4−ブチロラクトンの量
が4−ブチロラクトン/酸化チタン(TiO2)(モル比)=
1.5以上であり、かつ溶媒置換後の分散媒中の水分量
が17質量%以下である請求項5、6または7記載のシ
リカ・酸化チタン複合ゾル組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001167571A JP2002356320A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | シリカ・酸化チタン複合ゾル組成物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2001167571A JP2002356320A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | シリカ・酸化チタン複合ゾル組成物及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002356320A true JP2002356320A (ja) | 2002-12-13 |
Family
ID=19009939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001167571A Pending JP2002356320A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | シリカ・酸化チタン複合ゾル組成物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002356320A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2539303C1 (ru) * | 2013-12-11 | 2015-01-20 | Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Институт химии и технологии редких элементов и минерального сырья им. И.В. Тананаева Кольского научного центра Российской академии наук (ИХТРЭМС КНЦ РАН) | Способ получения титанокремниевой натрийсодержащей композиции |
CN110947373A (zh) * | 2019-11-14 | 2020-04-03 | 同济大学 | 一种孔径控制选择性去除邻苯二甲酸酯类污染物的光电催化材料和处理方法 |
WO2023137071A1 (en) * | 2022-01-13 | 2023-07-20 | Meta Platforms Technologies, Llc | Stabilization of titanium oxide films for highly transparent coatings |
CN116515331A (zh) * | 2023-05-27 | 2023-08-01 | 烟台凯多海洋生物研究院有限公司 | 一种苹果免套袋膜剂的制备及其使用方法 |
-
2001
- 2001-06-04 JP JP2001167571A patent/JP2002356320A/ja active Pending
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WO2023137071A1 (en) * | 2022-01-13 | 2023-07-20 | Meta Platforms Technologies, Llc | Stabilization of titanium oxide films for highly transparent coatings |
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