JP2002355980A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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JP2002355980A
JP2002355980A JP2001164951A JP2001164951A JP2002355980A JP 2002355980 A JP2002355980 A JP 2002355980A JP 2001164951 A JP2001164951 A JP 2001164951A JP 2001164951 A JP2001164951 A JP 2001164951A JP 2002355980 A JP2002355980 A JP 2002355980A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリッジに搭載する前からアクチュエータ
に対してインクを供給しても、アクチュエータ、及びそ
れと配線基板との接続部分に対してインクが付着するこ
とを完全に防止することが可能な手段を備えたインクジ
ェット記録ヘッドを提供する。 【解決手段】 インクジェット記録ヘッド11は、複数
のノズル孔からのインクの噴射をそれぞれ制御するアク
チュエータ16と、アクチュエータ16に対して駆動信
号を伝達する配線基板と、配線基板とアクチュエータ1
6との接続部分をカバーするノズルガイド20と、アク
チュエータ16に対してインクを供給するマニホールド
18とを備え、ノズルガイド20とマニホールド18と
の間から配線基板を導き出し、アクチュエータ16の外
周面の全周に亘るようにノズルガイド20とアクチュエ
ータ16との間、及びアクチュエータ16とマニホール
ド18との間にはシール剤19aが塗布されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタ等に搭載されるインクジェット記録ヘッドに関す
るものであり、詳細にはヘッド部分を保護するノズルガ
イドを有するインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙等の記録媒体に対して画像記録
を行う記録装置としては、例えばインクジェットプリン
タが知られているが、このインクジェットプリンタは、
インクジェット記録ヘッドを備えた記録ヘッドユニット
をキャリッジに搭載し、記録媒体を給紙するプラテンと
平行にキャリッジを往復移動させて、画像データに基づ
いてインクを噴射することにより、記録媒体上に画像記
録を行うように構成されていた。
【0003】また、この種のインクジェットプリンタに
搭載可能なインクジェット記録ヘッドとしては、インク
の噴射方式によって従来から数タイプのものが存在して
いるが、そのひとつにはピエゾ方式と呼ばれる、圧電素
子で形成されたインク室内にインクを溜めて、圧電素子
に電圧をかけてインク室を変形させることにより、その
容積を縮めてインクを外部に噴射するものがあった。こ
の圧電素子に用いられる材料としては、鉛を含有したチ
タン酸ジルコン酸鉛、いわゆるPZTが用いられてい
た。
【0004】そして、このピエゾ方式のインクジェット
記録ヘッドは、複数のノズル孔からのインクの噴射をそ
れぞれ制御するアクチュエータと、前記アクチュエータ
に接続され、該アクチュエータに対して駆動信号を伝達
する配線基板とを備えていた。
【0005】また、上記インクジェット記録ヘッドは、
各構成要素の接続部分の接続状態が弱く、更には噴射の
際に霧化したしたインクがアクチュエータ、或いは各構
成要素の接続部分にかかると、電気的特性が劣化した
り、短絡等の不具合が起こることから、それらを防ぐた
めにアクチュエータの外周面にはカバー部材としてノズ
ルガイドが組み付けられていた。そして、ノズルガイド
が組み付けられたインクジェット記録ヘッドは、キャリ
ッジ上に基準部材であるベースプレートを介して取り付
けられるとともに、ノズルガイドとベースプレートとの
間の隙間部分にはシリコン系の接着剤であるシール材が
塗布されており、隙間部分からインクが浸入してアクチ
ュエータ等につくことがないようになっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のインクジェット記録ヘッドでは、キャリ
ッジ上に固定し、ノズルガイドとベースプレートとの隙
間部分にシール剤を塗布するまでは、ノズルガイドとア
クチュエータとの間に隙間が存在するためにインクが浸
入する場合があるため、それ以前にインクをマニホール
ドからアクチュエータに供給したり、供給されたインク
の噴射試験等を行うことができないという問題点があっ
た。
【0007】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、キャリッジに搭載する前からアクチュ
エータに対してインクを供給しても、アクチュエータ、
及びそれとの接続部分に対してインクが付着することを
完全に防止することが可能な手段を備えたインクジェッ
ト記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明のインクジェット記録ヘッド
は、複数のノズル孔からのインクの噴射をそれぞれ制御
するアクチュエータと、前記アクチュエータに接続さ
れ、該アクチュエータに対して駆動信号を伝達する配線
基板と、該配線基板と前記アクチュエータとの接続部分
をカバーするノズルガイドとを備えるとともに、前記配
線基板と前記アクチュエータとの接続部分を覆うよう
に、前記アクチュエータと前記ノズルガイドとの間、及
び前記配線基板と前記アクチュエータとの間にシール剤
が塗布されている。
【0009】この構成のインクジェット記録ヘッドで
は、キャリッジ上に搭載する前からアクチュエータにイ
ンクを供給しても、シール剤により配線基板とアクチュ
エータとの接続部分にインクが浸入することがない。加
えて、鉛等が含有された材料からなるアクチュエータが
外部に露出しないため、使用者にとってより安全であ
る。
【0010】また、請求項2に係る発明のインクジェッ
ト記録ヘッドでは、複数のノズル孔からのインクの噴射
をそれぞれ制御するアクチュエータと、前記アクチュエ
ータに接続され、該アクチュエータに対して駆動信号を
伝達する配線基板と、該配線基板と前記アクチュエータ
との接続部分をカバーするノズルガイドと、前記アクチ
ュエータに接続され、該アクチュエータに対してインク
を供給するマニホールドとを備えるとともに、前記ノズ
ルガイドと前記マニホールドとの間から前記配線基板を
導き出し、前記アクチュエータの外周面の全周に亘るよ
うに前記ノズルガイドと前記アクチュエータとの間、及
び前記アクチュエータと前記マニホールドとの間にシー
ル剤が塗布されている。
【0011】この構成のインクジェット記録ヘッドで
は、ノズルガイドとマニホールドとシール剤とにより、
アクチュエータ全体が包まれるため、アクチュエータに
対してインクがつくことがない。また、一つの独立した
ヘッドユニットとして構成されているため、キャリッジ
に搭載する前からインクをアクチュエータに供給して噴
射試験等を行うことが可能となる。
【0012】また、請求項3に係る発明のインクジェッ
ト記録ヘッドでは、請求項2に記載のインクジェット記
録ヘッドの構成に加えて、前記複数のノズル孔を有する
ノズルプレートを、前記アクチュエータに接合し、前記
ノズルプレートが前記ノズルガイドから露出するように
前記ノズルガイドと前記アクチュエータとの間にシール
剤が塗布されている。
【0013】この構成のインクジェット記録ヘッドで
は、請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドの作用
に加えて、ノズルプレートのみがノズルガイドから露出
する構成であるため、ノズル孔よりインクを噴射させて
も、インクがアクチュエータにかかることがない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの一実施の形態について、図面を参照しながら以下に
説明する。まず始めに、本発明のインクジェット記録ヘ
ッドが搭載される記録装置の一実施の形態であるインク
ジェットプリンタ1の内部構成について、図1に基づい
て説明する。尚、図1は、インクジェットプリンタ1の
内部構造を示す斜視図である。
【0015】図1に示すように、インクジェットプリン
タ1の筐体2の内部には、記録用紙Pを搬送するプラテ
ンローラ3が設けられている。そして、そのプラテンロ
ーラ3は図示外のLFモータの駆動により回転し、その
回転によって、記録用紙Pを図1に示す矢印A方向に搬
送するように構成されている。
【0016】また、プラテンローラ3と対向する位置に
は、プラテンローラ3と平行に設けられた丸棒形状のガ
イドロッド4及びガイド部材5によってプラテンローラ
3と平行に往復移動可能に案内されるキャリッジ10が
設けられている。そして、そのキャリッジ10は、筐体
2内の図1に於ける左端部に設けられたキャリッジ駆動
モータ6の軸部に固定されたプーリ7と、筐体2内の図
1に於ける右端部に設けられたプーリ8との間に張架さ
れたベルト9に固着されて、キャリッジ駆動モータ6の
駆動によりプラテンローラ3と平行に往復移動されるよ
うに構成されている。
【0017】そして、そのキャリッジ10の上面には、
本発明のインクジェット記録ヘッド11が搭載されてお
り、このインクジェット記録ヘッド11は、画像データ
に基づいて図示外の回路基板より発生される駆動信号を
受け取って、その駆動信号に応じて記録用紙Pに対して
インクを噴射することにより、紙面上に画像を形成し得
るよう構成されている。
【0018】次に、本発明のインクジェット記録ヘッド
の構成について、図2乃至図6を参照しながら、以下に
説明する。尚、図2乃至図6はインクジェット記録ヘッ
ド11の4面図及び断面図であり、図2はインクジェッ
ト記録ヘッド11の正面図、図3は上面図、図4は下面
図、図5は側面図、図6は図3のA−A線矢視方向断面
図である。
【0019】インクジェット記録ヘッド11は、センタ
ープレート12と、一対のアクチュエータ基板13a,
13bと、ノズルプレート15と、一対の配線基板17
a,17bと、マニホールド18と、ノズルガイド20
とにより構成されている。
【0020】詳細には、センタープレート12は四角形
の平板により形成されており、その両面には一対のアク
チュエータ基板13a,13bの各々が接着剤により接
合されている。したがってセンタープレート12はアク
チュエータ基板13a,13bの間に挟持されるような
構成となっている。また、これら一対のアクチュエータ
基板13a,13bは、チタン酸ジルコン酸鉛、いわゆ
るPZTからなる圧電材料によりセンタープレート12
の下方部分をほぼ覆う大きさの四角形に形成されたもの
であり、公知のものと同様に、噴射するためのインクを
収容する複数のインク流路(図示外)を有し、後述する
配線基板17a,17bから受け取った駆動信号に応じ
て、各インク流路に対応する部分の圧電材料を変形させ
ることにより、そのインク流路内のインクに噴射圧力を
付与するように構成されている。
【0021】接合されたセンタープレート12と両アク
チュエータ基板13a,13bの図6における下端部に
は、図4に示すように複数のノズル孔14a,14b
が、長手方向に2列に並んで形成された四角形のノズル
プレート15が接着剤により接合されている。このノズ
ルプレート15に形成された2列のノズル孔14a,1
4bのそれぞれは、各アクチュエータ基板13a,13
bに形成された2列のインク流路の群の出口と隙間なく
密着しており、それによりインク流路内のインクは、ノ
ズル孔14a,14bを通って外部に噴射することがで
きるように構成されている。そして、これらセンタープ
レート12と一対のアクチュエータ基板13a,13b
とノズルプレート15の部材により、一つのアクチュエ
ータ16が構成されている。
【0022】また、各アクチュエータ基板13a,13
bにおけるセンタープレート12との接合面とは反対側
の各面の略中央には、ノズルプレート15と平行に配線
基板17a,17bの各一端が半田付けにより接続され
ている。これらの配線基板17a,17bは、フレキシ
ブルな樹脂、例えばポリイミドからなる長尺状の薄板に
対してプリント配線が施されることにより構成されたも
のであり、アクチュエータ16に対して、それを駆動す
るための駆動信号を伝達するために、他端が駆動信号を
発生する図示外の回路基板に接続されている。
【0023】また、アクチュエータ基板13a,13b
のノズルプレート15が接合されている面とは反対側の
端面には、アクチュエータ16内に形成されたインク流
路に対してインクを供給する一対のマニホールド18が
接着剤により接合されている。このマニホールド18に
は2つのインク供給管18a,18bが設けられてお
り、外部インク供給源からインク供給管18aを経て供
給されるインクはアクチュエータ基板13aのインク流
路群に入り込み、一方インク供給管18bから供給され
るインクはアクチュエータ基板13bのインク流路群に
入り込むように、各インク供給管18a,18bとイン
ク流路群がつながった構造となっている。
【0024】更には、アクチュエータ16には、ノズル
プレート15及びマニホールド18が接合させている端
面を除く外周面を覆うように、四角形の枠状をしたノズ
ルガイド20がシリコン系の接着剤であるシール剤19
aと光硬化性の接着剤19bにて接合されている。この
ノズルガイド20はノズル孔14a,14bから噴射し
た際に霧化したインクがアクチュエータ16にかかるこ
とを防ぐとともに、各アクチュエータ基板13a,13
bと配線基板17a,17bとの接続部分が何らかの引
っ張り力等により外れたりしないように保護するための
ものである。ノズルガイド20の詳細な構成については
後述する。
【0025】そして、ノズルガイド20とノズルプレー
ト15との隙間のアクチュエータ部分、ノズルガイド2
0とマニホールド18との隙間のアクチュエータ部分、
アクチュエータ基板13a,13bと配線基板17a,
17bとの接続部分、及びその近傍の配線基板17a,
17bの両面部分には、絶縁性と防水性、更には接着性
を有するシリコン系の接着剤であるシール剤19a、或
いはノズルガイド20とアクチュエータ16との仮固定
のための光硬化性の接着剤19bが塗布されている。こ
れらシール剤19a、接着剤19bが塗布されているこ
とにより、アクチュエータ16及び配線基板17a,1
7bには霧化したインクがかかることがない。したがっ
て、インクが直接かかることによるアクチュエータ16
及び配線基板17a,17bの電気的特性の劣化や、短
絡等の不具合が発生することがない。但し、接着剤19
b自体には防水性はないため、接着剤19b付近にはイ
ンクが浸透しないようにシール材19aが塗布されてい
る。
【0026】ここで次に、図7乃至図12を用いてノズ
ルガイド20の詳細な構成を説明する。図7乃至図12
はノズルガイド20の構成を示す図であり、図7はノズ
ルガイド20の正面図、図8は上面図、図9は下面図、
図10は図8のC−C線矢視方向断面図、図11は側面
図、図12は図7のB−B線矢視方向断面図である。
【0027】ノズルガイド20は樹脂製の材料により形
成された長方形の枠状の部材であり、アクチュエータ1
6に組み付けることにより、その外周面を覆うような形
状となっている。詳細には、ノズルガイド20は、長方
形状の枠状をした枠部22と、その枠部22の対向する
2つの長辺部22a,22bに各々形成された壁部20
a,20bと、2つの長辺部22a,22bの間に挟ま
れた対向する2つの短辺部22c,22dと、枠部22
によって囲まれた内側部分である開口部26と、壁部2
0a,20b及び短辺部22c,22dの各中央上部に
形成されるV字溝21a,21b,21c,21dと、
枠部22の四隅に形成される凸部25a,25b,25
c,25dと、壁部20a,20bと凸部25a,25
b,25c,25dとの間に形成される切り欠き部24
a,24b,24c,24dとにより構成されており、
それらは樹脂材料により一体的に形成されている。
【0028】更に詳細に説明すると、前記壁部20a,
20bは、図9におけるノズルガイド20の枠部22の
長辺部22a,22bから、それらと同等の厚みで、そ
れぞれ上方に向かって垂設された薄い平板状に形成され
た部分であり、長辺部22a上には図7に示すように壁
部20aが形成され、長辺部22b上には図10に示す
ように壁部20bが形成されている。したがって、壁部
20a,20bの上端部は図10及び図12に示すよう
に、前記枠部22の短辺部22c,22dの上端部より
も高さが高くなっている。
【0029】また、アクチュエータ16に組み付けた際
に近接する前記ノズル孔14a,14b側の前端部とは
反対側の後端部、すなわち壁部20a,20bと、枠部
22の短辺部22c,22dの各上端部の中央には、各
々後述する4個の固定部材30,40,50,60のう
ちのひとつと係合して、ノズルガイド20を図示外の作
業台上の所定の位置に位置決めする位置決め部材として
のV字溝21a,21b,21c,21dが形成されて
おり、詳細には、壁部20aにはV字溝21aが、壁部
20bにはV字溝21cが、短辺部22cにはV字溝2
1bが、短辺部22dにはV字溝21dが形成されてい
る。また、これらのV字溝21a,21b,21c,2
1dは文字どおりV字形に形成された溝であるため、各
々2つの傾斜部分とそれらに挟まれた最下部を有してお
り、前記傾斜部分は後述する固定部材30,40,5
0,60の係合部31,41,51,61の何れかひと
つを最下部に導く案内部としての機能を有している。
【0030】また、枠部22の四隅には凸部25a,2
5b,25c,25dが壁部20a,20bと同じ側に
突設されている。詳細には、壁部20aと短辺部22d
との間には凸部25aが、壁部20aと短辺部22cと
の間には凸部25bが、壁部20bと短辺部22cとの
間には凸部25cが、壁部20bと短辺部22dとの間
には凸部25dが突設されている。そして、これらの凸
部25a,25b,25c,25dは、前記壁部20
a,20bと同じ高さになるように形成されている。
【0031】また、枠部22の長辺部22a,22bに
おいて、各凸部25a,25b,25c,25dと壁部
20a,20bとの間、すなわち壁部20a,20bの
各長手方向両端部には、上部が開いたコの字型の隙間で
ある切り欠き部24a,24b,24c,24dが形成
されている。詳細には、壁部20aと凸部25aとの間
には切り欠き部24aが、壁部20aと凸部25bとの
間には切り欠き部24bが、壁部20bと凸部25cと
の間には切り欠き部24cが、壁部20bと凸部25d
との間には切り欠き部24dが形成されている。そし
て、配線基板17a,17bの幅は、長辺方向に隣接す
る切り欠き24aと24b、24cと24dの内側端縁
間の距離よりも大きく、外側端縁間の距離よりも小さ
い。つまり、これらの切り欠き部24a,24b,24
c,24dは、ノズルガイド20をアクチュエータ16
に組み付けた際に、アクチュエータ基板13a,13b
と配線基板17a,17bとの接続部分の両端部と対向
する位置となっている。さらに、壁部20a,20b
は、その対向する内面を、上方へ広がるテーパ面とし、
それに伴い切り欠き24a,24b,24c,24dの
内面もテーパを持った形状となっている。それによりノ
ズルガイド20の組み付け時において、両端部がノズル
ガイド20と接触しないため、剥離することがない。
【0032】次に、上記構成を有するインクジェット記
録ヘッド11におけるノズルガイド20の組み付け方法
について、図13乃至図20を用いながら以下に説明す
る。図13乃至図17はノズルガイド20を作業台に位
置決めする方法を示した図であり、図13はノズルガイ
ド20の正面図、図14は上面図、図15は図14のE
−E線矢視方向断面図、図16は側面図、図17は図1
3のD−D線矢視方向断面図である。また、図18は、
ノズルガイド20に対してアクチュエータ16を組み付
ける前後の状態を示した正面図であり、図19は側面
図、図20は、図18のF−F線矢視方向断面図であ
る。
【0033】図13乃至図17に示すように、ノズルガ
イド20とアクチュエータ16を組み付ける際には、ま
ず始めにノズルガイド20を所定の位置に位置決めする
必要がある。このため、本願では、図示外の作業台に固
定部材30,40,50,60を設け、これらによりノ
ズルガイド20を固定することで、作業台上の所定の位
置に位置決めするよう構成した。
【0034】すなわち、図示外の作業台上の平面部に
は、4個の固定部材30,40,50,60が設けられ
ており、これら4個の固定部材30,40,50,60
は、位置決め固定されるノズルガイド20の枠部22の
外周より少し外側に余裕を持たせて、各々がノズルガイ
ド20の各辺の中心に位置する4個のV字溝21a,2
1b,21c,21dの外側に対向するように配設され
ている。そして、これら4個の固定部材30,40,5
0,60はそれぞれ金属製の丸棒からなる係合部31,
41,51,61と、それらの係合部31,41,5
1,61の一端を支持し、係合部31,41,51,6
1を上下方向に回動させる回動軸32,42,52,6
2と図示外の軸受けとから構成されており、詳細には、
固定部材30は係合部31と回動軸32とからなり、固
定部材40は係合部41と回動軸42とからなり、固定
部材50は係合部51と回動軸52とからなり、固定部
材60は係合部61と回動軸62とからなっている。
【0035】上記構成により、これら固定部材30,4
0,50,60の間にノズルガイド20を壁部20a,
20bが上になる状態で配置し、係合部31,41,5
1,61を上方から下方、すなわちノズルガイド20の
V字溝21a,21b,21c,21dに向かって回動
させることにより、両者を係合させることができる。こ
こにおいて、係合部31,41,51,61は、それら
の先端部分がV字溝21a,21b,21c,21dを
越えて、開口部26にまで到達しない長さとなってい
る。そして、係合部31,41,51,61がV字溝2
1a,21b,21c,21dの傾斜部分と係合した後
にも、更に下方に回動させることにより、V字溝21
a,21b,21c,21dの最下部と係合部31,4
1,51,61が係合するようにノズルガイド20は移
動、すなわち自らの位置を修正し、作業台の平面部に押
しつけられるような状態で位置決めされて固定される。
【0036】そして、そのようにノズルガイド20を作
業台の平面部に押しつけて所定の位置に位置決め固定し
た状態で、図18乃至図20に示すように、アクチュエ
ータ16を上側、すなわちノズルガイド20のV字溝2
1a,21b,21c,21dが形成されている側から
開口部26に挿入することにより、両者が組み付けられ
る。ここにおいて、アクチュエータ16は、図示外の上
下移動可能な部材に固定され、所定位置、すなわちノズ
ルガイド20と係合する位置まで正確に導かれるように
なっている。そして、この組み付けの際には、ノズルガ
イド20の凸部25a,25b,25c,25dとマニ
ホールド18との間の隙間のアクチュエータ部分及びそ
の近傍には、ノズルガイド20とアクチュエータ16と
を仮固定するために接着剤19bが塗布されるととも
に、アクチュエータ基板13a,13bと配線基板17
a,17bとの間、及びその近傍の配線基板とノズルガ
イド20との間及びノズルガイドの短辺部分とアクチュ
エータ16との間にはシール剤が塗布される。
【0037】更には、ノズルガイド20とアクチュエー
タ16とが組み付けられて、接着剤19bにより仮固定
された状態において、係合部31,41,51,61を
V字溝21a,21b,21c,21dから外す。そし
て、インクジェット記録ヘッド11を作業台から取り外
して、図2及び図4乃至図6に示すように、ノズルガイ
ド20とノズルプレート15との隙間、及びノズルガイ
ド20の壁部20a,20bとマニホールド18との隙
間のアクチュエータ部分に対して、シール剤19aを塗
布する。それによりアクチュエータ16の上下部分を除
く外周面はシール剤19aがぐるりとつながって塗布さ
れた状態となるため、インクがアクチュエータ16にか
かることがない。そして、それにより、マニホールド1
8と、ノズルガイド20と、シール剤19aと接着剤1
9bとでアクチュエータ16を覆い、ひとつのヘッドユ
ニットが形成される。
【0038】そして、このようにして完成されたヘッド
ユニットは、従来のようにベースプレート等を介してキ
ャリッジに固定する以前に、アクチュエータ16がノズ
ルプレート部分を除いて完全に密閉状態となるため、キ
ャリッジに固定する前にインクを入れて噴射させること
により、ノズルの詰まり等を検査することができる。ま
た、ノズルガイド20が配線基板17a,17bとアク
チュエータ16との接続部分のうちの両端部と対向する
部分が、両端部に接触しない形状になっていることによ
り、アクチュエータ16に対してノズルガイド20を組
み付ける際に、配線基板17a,17bの両側部がノズ
ルガイド20に引っ掛かって剥離することがない。
【0039】また、このインクジェット記録ヘッド11
は、ノズルガイド20を枠状とし、ノズルガイド20の
端部のうち、ノズル孔14a,14b側の前端部とは反
対側の後端部に位置決め部を形成し、該位置決め部に固
定部材を当接して、ノズルガイド20の前端部を作業台
の平面部に押し付けて、さらに位置決め部と固定部材の
一方に設けた傾斜部分によって、ノズルガイド20を所
定位置に導き、ノズルガイド20にアクチュエータ16
を挿入するようにして製造されるので、ノズルガイド2
0の正確な位置決めが可能であるとともに、そのノズル
ガイド20に対して容易にアクチュエータ16を組み付
けることができる。
【0040】尚、本発明は上述したような実施の形態に
限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で
種々の変更が可能である。例えば、本実施の形態では、
アクチュエータ基板13a,13bと配線基板17a,
17bとの接続部分の両端部がノズルガイド20と接触
しないようにするために、その両端部と対向するノズル
ガイド20の部分に切り欠き部24a,24b,24
c,24dを形成したが、接触しないような形状であれ
ば、どんな形状でも構わない。例えば、両端部との間に
隙間ができるような膨らみを持たせた形状であっても構
わないし、孔があいているものであっても良い。このよ
うな構成にすれば、切り欠き部に比べて、ノズルガイド
自体の剛性を保つことができる。
【0041】また、ノズルガイド20は枠状をした単一
部材ではなく、複数の部材で構成されるものであっても
構わない。このように構成すれば組み付け自体は困難に
なるが、アクチュエータ16を挿入するような組み付け
作業はなくなり、アクチュエータ16の各外周面上に装
着する作業となることにより、ノズルガイド20の中を
両端部が移動する工程がないため、よりノズルガイド2
0が損傷する可能性を低くすることができる。
【0042】また、ノズルガイド20に設けた位置決め
部はV字溝21a等でなくても良い。例えば、U字型や
コの字型の溝であっても構わないし、係合部31等と係
合できる形状であれば何でも良い。更にはノズルガイド
20に凸設する部材であっても構わないし、それが取り
外し可能な部材であっても差し支えない。また、位置決
め部の位置もノズルガイド20の端部ではなく、外周面
上のどの位置にあっても構わない。
【0043】また、固定部材30等についても種々の構
成が考えられる。たとえば、位置決め部を挟み込むよう
な構成であっても良いし、ノズルガイド20の外周と同
形の凹部であっても構わない。更には、係合部31等も
丸棒以外の、例えば角状のものや、それ以外の構成であ
っても構わない。
【0044】固定部材30等に対してノズルガイド20
を所定位置に導く案内部についても、V字溝21a等の
傾斜部分以外にも種々の構成が可能である。
【0045】すなわち、位置決め部、係合部、及び案内
部は、互いに係合し得る組み合わせであれば、どのよう
な構成も可能であるし、その数もいくつであっても構わ
ない。
【0046】
【発明の効果】以上、詳述したことから明らかなよう
に、請求項1に係る発明のインクジェット記録ヘッドで
は、複数のノズル孔からのインクの噴射をそれぞれ制御
するアクチュエータと、アクチュエータに接続され、ア
クチュエータに対して駆動信号を伝達する配線基板と、
配線基板とアクチュエータとの接続部分をカバーするノ
ズルガイドとを備えるとともに、配線基板とアクチュエ
ータとの接続部分を覆うように、アクチュエータとノズ
ルガイドとの間、及び配線基板とアクチュエータとの間
にシール剤が塗布されていることにより、この構成のイ
ンクジェット記録ヘッドでは、キャリッジ上に搭載する
前からアクチュエータにインクを供給しても、シール剤
により配線基板とアクチュエータとの接続部分にインク
が浸入することがない。加えて、アクチュエータが鉛等
を含有する材料からなるものであっても、アクチュエー
タが外部に露出しないため、使用者にとってより安全で
ある。
【0047】また、請求項2に係る発明のインクジェッ
ト記録ヘッドでは、複数のノズル孔からのインクの噴射
をそれぞれ制御するアクチュエータと、アクチュエータ
に接続され、アクチュエータに対して駆動信号を伝達す
る配線基板と、配線基板とアクチュエータとの接続部分
をカバーするノズルガイドと、アクチュエータに接続さ
れ、アクチュエータに対してインクを供給するマニホー
ルドとを備えるとともに、ノズルガイドとマニホールド
との間から配線基板を導き出し、アクチュエータの外周
面の全周に亘るように前記ノズルガイドとアクチュエー
タとの間、及びアクチュエータとマニホールドとの間に
シール剤が塗布されていることにより、この構成のイン
クジェット記録ヘッドでは、ノズルガイドとマニホール
ドとシール剤とにより、アクチュエータ全体が包まれる
ため、アクチュエータに対してインクが付着することが
ない。また、一つの独立したヘッドユニットとして構成
されているため、キャリッジに搭載する前からインクを
アクチュエータに供給して噴射試験等を行うことが可能
となる。
【0048】また、請求項3に係る発明のインクジェッ
ト記録ヘッドでは、請求項2に記載のインクジェット記
録ヘッドの効果に加えて、複数のノズル孔を有するノズ
ルプレートを、アクチュエータに接合し、ノズルプレー
トがノズルガイドから露出するようにノズルガイドとア
クチュエータとの間にシール剤が塗布されていることに
より、この構成のインクジェット記録ヘッドでは、ノズ
ルプレートのみがノズルガイドから露出する構成である
ため、インクがアクチュエータにかかることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録ヘッド11が搭
載されるインクジェットプリンタ1の斜視図である。
【図2】 本発明のインクジェット記録ヘッド11の正
面図である。
【図3】 図2に示すインクジェット記録ヘッド11の
上面図である。
【図4】 図2に示すインクジェット記録ヘッド11の
下面図である。
【図5】 図2に示すインクジェット記録ヘッド11の
側面図である。
【図6】 図3に示すインクジェット記録ヘッド11の
A−A線矢視方向断面図である。
【図7】 本発明のインクジェット記録ヘッド11に用
いられるノズルガイド20の正面図である。
【図8】 図7に示すノズルガイド20の上面図であ
る。
【図9】 図7に示すノズルガイド20の下面図であ
る。
【図10】 図8に示すノズルガイド20のC−C線矢
視方向断面図である。
【図11】 図7に示すノズルガイド20の側面図であ
る。。
【図12】 図7に示すノズルガイド20のB−B線矢
視方向断面図である。
【図13】 ノズルガイド20の位置決めの状態を表し
た正面図である。
【図14】 ノズルガイド20の位置決めの状態を表し
た図13の上面図である。
【図15】 ノズルガイド20の位置決めの状態を表し
た図14のE−E線矢視方向断面図である。
【図16】 ノズルガイド20の位置決めの状態を表し
た図13の側面図である。
【図17】 ノズルガイド20の位置決めの状態を表し
た図13のD−D線矢視方向断面図である。
【図18】 ノズルガイド20にアクチュエータ16を
組み付ける前後の状態を説明する正面図である。
【図19】 ノズルガイド20にアクチュエータ16を
組み付ける前後の状態を説明する図18の側面図であ
る。
【図20】 ノズルガイド20にアクチュエータ16を
組み付ける前後の状態を説明する図18のF−F線矢視
方向断面図である。
【符号の説明】
11 インクジェット記録ヘッド 13a アクチュエータ基板 13b アクチュエータ基板 14a ノズル孔 14b ノズル孔 16 アクチュエータ 17a 配線基板 17b 配線基板 18 マニホールド 20 ノズルガイド 21a V字溝 21b V字溝 21c V字溝 21d V字溝 22 枠部 24a 切り欠き部 24b 切り欠き部 24c 切り欠き部 24d 切り欠き部 30 固定部 40 固定部 50 固定部 60 固定部 31 係合部 41 係合部 51 係合部 61 係合部 32 回動軸 42 回動軸 52 回動軸 62 回動軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズル孔からのインクの噴射をそ
    れぞれ制御するアクチュエータと、 前記アクチュエータに接続され、該アクチュエータに対
    して駆動信号を伝達する配線基板と、 該配線基板と前記アクチュエータとの接続部分をカバー
    するノズルガイドとを備えるインクジェット記録ヘッド
    において、 前記配線基板と前記アクチュエータとの接続部分を覆う
    ように、前記アクチュエータと前記ノズルガイドとの
    間、及び配線基板と前記アクチュエータとの間にシール
    剤を塗布したことを特徴とするインクジェット記録ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 複数のノズル孔からのインクの噴射をそ
    れぞれ制御するアクチュエータと、 前記アクチュエータに接続され、該アクチュエータに対
    して駆動信号を伝達する配線基板と、 該配線基板と前記アクチュエータとの接続部分をカバー
    するノズルガイドと、前記アクチュエータに接続され、
    該アクチュエータに対してインクを供給するマニホール
    ドとを備えるインクジェット記録ヘッドにおいて、 前記ノズルガイドと前記マニホールドとの間から前記配
    線基板を導き出し、前記アクチュエータの外周面の全周
    に亘るように前記ノズルガイドと前記アクチュエータと
    の間、及び前記アクチュエータと前記マニホールドとの
    間にシール剤を塗布したことを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記複数のノズル孔を有するノズルプレ
    ートを、前記アクチュエータに接合し、前記ノズルプレ
    ートが前記ノズルガイドから露出するように前記ノズル
    ガイドと前記アクチュエータとの間にシール剤を塗布し
    たことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記
    録ヘッド。
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