JP2002355895A - 空気入りタイヤの製造方法および装置 - Google Patents
空気入りタイヤの製造方法および装置Info
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Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
- Tyre Moulding (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 加硫時におけるゴムはみ出し、エア入り
を防止しながら、設計形状に極めて近い高精度の空気入
りタイヤを製造する。 【解決手段】 タイヤ中間体32を装着した剛体コア27と
加硫モールド38とを連結することで、加硫空間31に該タ
イヤ中間体32を収納するが、このとき、加硫空間31の一
部に空隙40を形成する。その後、空隙40に未加硫の液状
ゴムを注入しながら加硫を行うようにしたので、空隙40
がどのような形状であっても液状ゴムにより完全に充満
され、加硫空間31の容積と未加硫タイヤの体積は高精度
で一致する。また、このとき、液状ゴムであるため、流
動による抵抗は殆ど生じない。
を防止しながら、設計形状に極めて近い高精度の空気入
りタイヤを製造する。 【解決手段】 タイヤ中間体32を装着した剛体コア27と
加硫モールド38とを連結することで、加硫空間31に該タ
イヤ中間体32を収納するが、このとき、加硫空間31の一
部に空隙40を形成する。その後、空隙40に未加硫の液状
ゴムを注入しながら加硫を行うようにしたので、空隙40
がどのような形状であっても液状ゴムにより完全に充満
され、加硫空間31の容積と未加硫タイヤの体積は高精度
で一致する。また、このとき、液状ゴムであるため、流
動による抵抗は殆ど生じない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、剛体コアを用い
て空気入りタイヤを製造するようにした空気入りタイヤ
の製造方法および装置に関する。
て空気入りタイヤを製造するようにした空気入りタイヤ
の製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気入りタイヤの製造方法・装置
として、本出願人は、例えば特開平11−115420
号公報に記載されているようなものを提案した。このも
のは、外表面が空気入りタイヤの内表面と同一形状であ
る剛体コアの外側に未加硫のゴムリボンを渦巻き状、螺
旋状に多数回巻き付けてインナーライナーを成形した
後、ビード部におけるインナーライナーの外側にビード
ワイヤを渦巻き状に複数回巻き付けてビードコアを成形
し、次に、前記インナーライナーの外側にカーカスコー
ドを両ビード部で折返しながら子午線方向に巻き付ける
とともに、このような巻付けを周方向にずらしながら多
数回行ってカーカス層を成形する。
として、本出願人は、例えば特開平11−115420
号公報に記載されているようなものを提案した。このも
のは、外表面が空気入りタイヤの内表面と同一形状であ
る剛体コアの外側に未加硫のゴムリボンを渦巻き状、螺
旋状に多数回巻き付けてインナーライナーを成形した
後、ビード部におけるインナーライナーの外側にビード
ワイヤを渦巻き状に複数回巻き付けてビードコアを成形
し、次に、前記インナーライナーの外側にカーカスコー
ドを両ビード部で折返しながら子午線方向に巻き付ける
とともに、このような巻付けを周方向にずらしながら多
数回行ってカーカス層を成形する。
【0003】その後、前記カーカス層の半径方向外側に
複数本のベルトコードからなるリボン状体を螺旋状に多
数回巻き付け、あるいは、赤道面に対し傾斜させながら
周方向にずらして多数回貼付けることによりベルト層を
成形し、その後、カーカス層、ベルト層の外側に未加硫
のゴムリボンを渦巻き状、螺旋状に多数回巻き付けてサ
イドトレッド、トップトレッドを成形し、未加硫タイヤ
を製造していた。次に、このような未加硫タイヤが外側
に装着されている剛体コアを加硫モールド内に搬入した
後、加硫を行い、空気入りタイヤとしていた。
複数本のベルトコードからなるリボン状体を螺旋状に多
数回巻き付け、あるいは、赤道面に対し傾斜させながら
周方向にずらして多数回貼付けることによりベルト層を
成形し、その後、カーカス層、ベルト層の外側に未加硫
のゴムリボンを渦巻き状、螺旋状に多数回巻き付けてサ
イドトレッド、トップトレッドを成形し、未加硫タイヤ
を製造していた。次に、このような未加硫タイヤが外側
に装着されている剛体コアを加硫モールド内に搬入した
後、加硫を行い、空気入りタイヤとしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の空気入りタイヤの製造方法・装置にあって
は、剛体コアと加硫モールドとの間に形成される加硫空
間の容積が未加硫タイヤの体積に高精度で一致していな
ければならないが、前記ゴムリボンは保管時、巻き付け
時に容易に変形、収縮、伸長等をするため、前述のよう
に高精度で一致させることは困難である。
うな従来の空気入りタイヤの製造方法・装置にあって
は、剛体コアと加硫モールドとの間に形成される加硫空
間の容積が未加硫タイヤの体積に高精度で一致していな
ければならないが、前記ゴムリボンは保管時、巻き付け
時に容易に変形、収縮、伸長等をするため、前述のよう
に高精度で一致させることは困難である。
【0005】例えば、加硫空間の容積より未加硫タイヤ
の体積が大きい場合には、加硫時にトレッドのゴムがモ
ールドセグメント間に侵入して加硫済み空気入りタイヤ
の表面に薄いひれ状をしたゴムはみ出しが発生し、一
方、加硫空間の容積より未加硫タイヤの体積が小さい場
合には、加硫空間にエアの残留、結果として加硫済み空
気入りタイヤの表面部にエア入り(凹み、空洞)が発生
してしまうのである。
の体積が大きい場合には、加硫時にトレッドのゴムがモ
ールドセグメント間に侵入して加硫済み空気入りタイヤ
の表面に薄いひれ状をしたゴムはみ出しが発生し、一
方、加硫空間の容積より未加硫タイヤの体積が小さい場
合には、加硫空間にエアの残留、結果として加硫済み空
気入りタイヤの表面部にエア入り(凹み、空洞)が発生
してしまうのである。
【0006】また、前述のようにトップトレッドをゴム
リボンを螺旋状に多数回巻き付けることで成形すると、
未加硫タイヤのトップトレッド外表面には、加硫済み空
気入りタイヤの広幅溝(周溝、横溝等)に相当する溝を
設けることができない。このため、このような広幅溝は
加硫時に該トップトレッドに加硫モールドの突出部(主
骨)を押し込むことで形成することになるが、このよう
な広幅溝の形成の際、大量のゴムが押しのけられて流動
するため、周囲のベルトコード、カーカスコード等に影
響を及ぼし、コード乱れ等が生じるおそれがあった。
リボンを螺旋状に多数回巻き付けることで成形すると、
未加硫タイヤのトップトレッド外表面には、加硫済み空
気入りタイヤの広幅溝(周溝、横溝等)に相当する溝を
設けることができない。このため、このような広幅溝は
加硫時に該トップトレッドに加硫モールドの突出部(主
骨)を押し込むことで形成することになるが、このよう
な広幅溝の形成の際、大量のゴムが押しのけられて流動
するため、周囲のベルトコード、カーカスコード等に影
響を及ぼし、コード乱れ等が生じるおそれがあった。
【0007】この発明は、ゴムはみ出し、エア入りを防
止しながら、設計形状に極めて近い高精度の空気入りタ
イヤを製造することができる空気入りタイヤの製造方法
および装置を提供することを目的とする。
止しながら、設計形状に極めて近い高精度の空気入りタ
イヤを製造することができる空気入りタイヤの製造方法
および装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、第1
に、外表面が空気入りタイヤの内表面と同一形状である
剛体コアの外側に未加硫のタイヤ構成部材を貼付けてタ
イヤ中間体を成形する工程と、該剛体コアを周囲から囲
む加硫モールドを剛体コアに連結することにより、剛体
コアと加硫モールドとの間の加硫空間に前記タイヤ中間
体を収納するとともに、該加硫空間のうち少なくとも空
気入りタイヤのトップトレッド外表面部に該当する部位
に空隙を形成する工程と、前記空隙に未加硫の液状ゴム
を充満するまで注入するとともに、前記タイヤ中間体お
よび該液状ゴムを加硫して空気入りタイヤを製造する工
程とを備えた空気入りタイヤの製造方法により、
に、外表面が空気入りタイヤの内表面と同一形状である
剛体コアの外側に未加硫のタイヤ構成部材を貼付けてタ
イヤ中間体を成形する工程と、該剛体コアを周囲から囲
む加硫モールドを剛体コアに連結することにより、剛体
コアと加硫モールドとの間の加硫空間に前記タイヤ中間
体を収納するとともに、該加硫空間のうち少なくとも空
気入りタイヤのトップトレッド外表面部に該当する部位
に空隙を形成する工程と、前記空隙に未加硫の液状ゴム
を充満するまで注入するとともに、前記タイヤ中間体お
よび該液状ゴムを加硫して空気入りタイヤを製造する工
程とを備えた空気入りタイヤの製造方法により、
【0009】第2に、外表面が空気入りタイヤの内表面
と同一形状で、外側に未加硫のタイヤ構成部材を貼付け
ることによりタイヤ中間体を成形する剛体コアと、該剛
体コアを周囲から囲むようにして該剛体コアに連結さ
れ、剛体コアとの間の加硫空間に前記タイヤ中間体を収
納するとともに、該加硫空間のうち少なくとも空気入り
タイヤのトップトレッド外表面部に該当する部位に空隙
を形成する加硫モールドと、前記空隙に未加硫の液状ゴ
ムを充満するまで注入する液状ゴム注入管とを備え、前
記タイヤ中間体および液状ゴムを加硫することにより空
気入りタイヤを製造するようにした空気入りタイヤの製
造装置により達成することができる。
と同一形状で、外側に未加硫のタイヤ構成部材を貼付け
ることによりタイヤ中間体を成形する剛体コアと、該剛
体コアを周囲から囲むようにして該剛体コアに連結さ
れ、剛体コアとの間の加硫空間に前記タイヤ中間体を収
納するとともに、該加硫空間のうち少なくとも空気入り
タイヤのトップトレッド外表面部に該当する部位に空隙
を形成する加硫モールドと、前記空隙に未加硫の液状ゴ
ムを充満するまで注入する液状ゴム注入管とを備え、前
記タイヤ中間体および液状ゴムを加硫することにより空
気入りタイヤを製造するようにした空気入りタイヤの製
造装置により達成することができる。
【0010】まず、剛体コアの外側に未加硫のゴムリボ
ン、ビードワイヤ、カーカスコード、ベルトコード等の
タイヤ構成部材を次々と貼付けてタイヤ中間体を成形す
る。次に、該剛体コアを周囲から囲む加硫モールドを剛
体コアに連結することにより、剛体コアと加硫モールド
との間の加硫空間に前記タイヤ中間体を収納するととも
に、該加硫空間のうち少なくとも空気入りタイヤのトッ
プトレッド外表面部に該当する部位に空隙を形成する。
その後、前記空隙に液状ゴム注入管を通じて未加硫の液
状ゴムを充満するまで注入するとともに、前記タイヤ中
間体および液状ゴムを加硫して空気入りタイヤを製造す
る。
ン、ビードワイヤ、カーカスコード、ベルトコード等の
タイヤ構成部材を次々と貼付けてタイヤ中間体を成形す
る。次に、該剛体コアを周囲から囲む加硫モールドを剛
体コアに連結することにより、剛体コアと加硫モールド
との間の加硫空間に前記タイヤ中間体を収納するととも
に、該加硫空間のうち少なくとも空気入りタイヤのトッ
プトレッド外表面部に該当する部位に空隙を形成する。
その後、前記空隙に液状ゴム注入管を通じて未加硫の液
状ゴムを充満するまで注入するとともに、前記タイヤ中
間体および液状ゴムを加硫して空気入りタイヤを製造す
る。
【0011】このように予め空隙を形成するとともに、
この空隙に液状ゴムを充満するまで注入するようにして
いるので、空隙がどのような形状であっても液状ゴムに
より完全に充満され、これにより、加硫空間の容積と未
加硫タイヤ(タイヤ中間体と液状ゴムとを組み合わせた
もの)の体積は高精度で一致し、ゴムはみ出し、エア入
りが効果的に防止される。
この空隙に液状ゴムを充満するまで注入するようにして
いるので、空隙がどのような形状であっても液状ゴムに
より完全に充満され、これにより、加硫空間の容積と未
加硫タイヤ(タイヤ中間体と液状ゴムとを組み合わせた
もの)の体積は高精度で一致し、ゴムはみ出し、エア入
りが効果的に防止される。
【0012】また、液状ゴムが充満される空隙は、加硫
空間のうち少なくとも空気入りタイヤのトップトレッド
外表面部に該当する部位に形成されているため、加硫モ
ールドの突出部(主骨)は液状ゴムに押し込まれること
となるが、このとき、液状ゴムは突出部に沿って殆ど抵
抗無く流動してその形状を変える。この結果、タイヤ中
間体は液状ゴムの流動による影響を殆ど受けることはな
く、コード乱れ等が効果的に防止される。
空間のうち少なくとも空気入りタイヤのトップトレッド
外表面部に該当する部位に形成されているため、加硫モ
ールドの突出部(主骨)は液状ゴムに押し込まれること
となるが、このとき、液状ゴムは突出部に沿って殆ど抵
抗無く流動してその形状を変える。この結果、タイヤ中
間体は液状ゴムの流動による影響を殆ど受けることはな
く、コード乱れ等が効果的に防止される。
【0013】また、請求項2に記載のように構成すれ
ば、液状ゴムの注入作業と加硫作業とを並行して行うこ
とができ、これにより、作業能率を向上させることがで
きる。さらに、請求項3に記載のように構成すれば、ゴ
ムの摩耗に伴って低下する性能を、成分調整されたゴム
を次々と露出させることにより補完し、タイヤ性能を摩
耗に拘わらずほぼ一定とすることができる。
ば、液状ゴムの注入作業と加硫作業とを並行して行うこ
とができ、これにより、作業能率を向上させることがで
きる。さらに、請求項3に記載のように構成すれば、ゴ
ムの摩耗に伴って低下する性能を、成分調整されたゴム
を次々と露出させることにより補完し、タイヤ性能を摩
耗に拘わらずほぼ一定とすることができる。
【0014】また、請求項4に記載のように構成すれ
ば、空気入りタイヤのゴム部分の性能を厚さ方向に連続
的あるいは断続的に容易に制御することができる。さら
に、請求項5に記載のように構成すれば、空隙への液状
ゴムの注入作業が容易、確実となる。
ば、空気入りタイヤのゴム部分の性能を厚さ方向に連続
的あるいは断続的に容易に制御することができる。さら
に、請求項5に記載のように構成すれば、空隙への液状
ゴムの注入作業が容易、確実となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図1、2において、11は平坦な
ベースであり、このベース11には上方に向かって突出し
ている出力軸12を有する駆動モータ13が内蔵されてい
る。14は前記出力軸12の上端部に固定された水平な略円
板状の下モールドであり、この下モールド14と前記ベー
ス11との間には該下モールド14をベース11に回転可能に
支持させる軸受15が介装されている。この下モールド14
の半径方向外側部下面には、加硫時に該下モールド14を
加硫温度まで加熱する下プラテン16が固定されている。
面に基づいて説明する。図1、2において、11は平坦な
ベースであり、このベース11には上方に向かって突出し
ている出力軸12を有する駆動モータ13が内蔵されてい
る。14は前記出力軸12の上端部に固定された水平な略円
板状の下モールドであり、この下モールド14と前記ベー
ス11との間には該下モールド14をベース11に回転可能に
支持させる軸受15が介装されている。この下モールド14
の半径方向外側部下面には、加硫時に該下モールド14を
加硫温度まで加熱する下プラテン16が固定されている。
【0016】前記下モールド14の半径方向外側部上面に
は空気入りタイヤの外表面の下半分と同一形状をした型
付け面18が形成され、この型付け面18は、加硫時に未加
硫タイヤ外表面の下半分、即ち、トレッド部Tの外表面
の下半分および下側サイドウォール部S、下側ビード部
Bの外表面を型付けする。また、この型付け面18のう
ち、トレッド部Tの外表面の下半分を型付けする部位に
は、周方向、幅方向に延びる複数の突出部(主骨)19が
形成され、これらの突出部19は加硫時に未加硫タイヤの
トレッド部Tに押し込まれ、該トレッド部Tに周溝、横
溝等の広幅溝を形成する。
は空気入りタイヤの外表面の下半分と同一形状をした型
付け面18が形成され、この型付け面18は、加硫時に未加
硫タイヤ外表面の下半分、即ち、トレッド部Tの外表面
の下半分および下側サイドウォール部S、下側ビード部
Bの外表面を型付けする。また、この型付け面18のう
ち、トレッド部Tの外表面の下半分を型付けする部位に
は、周方向、幅方向に延びる複数の突出部(主骨)19が
形成され、これらの突出部19は加硫時に未加硫タイヤの
トレッド部Tに押し込まれ、該トレッド部Tに周溝、横
溝等の広幅溝を形成する。
【0017】21は略リング状をした上モールドであり、
この上モールド21は前記下モールド14上に載置されたと
き、その半径方向外端部下面が下モールド14の半径方向
外端部上面に密着する。この上モールド21の上面には、
加硫時に該上モールド21を加硫温度まで加熱する上プラ
テン22が固定されている。
この上モールド21は前記下モールド14上に載置されたと
き、その半径方向外端部下面が下モールド14の半径方向
外端部上面に密着する。この上モールド21の上面には、
加硫時に該上モールド21を加硫温度まで加熱する上プラ
テン22が固定されている。
【0018】また、前記上モールド21の中央部下面には
空気入りタイヤの外表面の上半分と同一形状をした型付
け面23が形成され、この型付け面23は、加硫時に未加硫
タイヤ外表面の上半分、即ち、トレッド部Tの外表面の
上半分および上側サイドウォール部S、上側ビード部B
の外表面を型付けする。また、この型付け面23のうち、
トレッド部Tの外表面の上半分を型付けする部位には、
周方向、幅方向に延びる複数の突出部(主骨)24が形成
され、これらの突出部24は加硫時に未加硫タイヤのトレ
ッド部Tに押し込まれ、該トレッド部Tに周溝、横溝等
の広幅溝を形成する。
空気入りタイヤの外表面の上半分と同一形状をした型付
け面23が形成され、この型付け面23は、加硫時に未加硫
タイヤ外表面の上半分、即ち、トレッド部Tの外表面の
上半分および上側サイドウォール部S、上側ビード部B
の外表面を型付けする。また、この型付け面23のうち、
トレッド部Tの外表面の上半分を型付けする部位には、
周方向、幅方向に延びる複数の突出部(主骨)24が形成
され、これらの突出部24は加硫時に未加硫タイヤのトレ
ッド部Tに押し込まれ、該トレッド部Tに周溝、横溝等
の広幅溝を形成する。
【0019】27は全体としてドーナツ状を呈する金属製
の剛体コアであり、この剛体コア27は半径方向外側部外
表面が空気入りタイヤの内表面と同一形状を呈してい
る。この剛体コア27は弧状をした複数個のコアセグメン
ト28を周方向に密着した状態で並べることにより構成さ
れているが、これらコアセグメント28は平面形状が扇形
をした扇形セグメントと、略台形状をした山形セグメン
トとの2種類のセグメントからなり、これらが周方向に
交互に配置されている。
の剛体コアであり、この剛体コア27は半径方向外側部外
表面が空気入りタイヤの内表面と同一形状を呈してい
る。この剛体コア27は弧状をした複数個のコアセグメン
ト28を周方向に密着した状態で並べることにより構成さ
れているが、これらコアセグメント28は平面形状が扇形
をした扇形セグメントと、略台形状をした山形セグメン
トとの2種類のセグメントからなり、これらが周方向に
交互に配置されている。
【0020】各コアセグメント28の内部には周方向に延
びる貫通室29が形成され、これらの貫通室29は該コアセ
グメント28の周方向両端において開口している。ここ
で、コアセグメント28は前述のように周方向に密着した
状態で並べられているので、全ての貫通室29はリング状
に連通し、剛体コア27の内部に加硫媒体が注入される連
続リング状の加硫媒体室30を構成する。
びる貫通室29が形成され、これらの貫通室29は該コアセ
グメント28の周方向両端において開口している。ここ
で、コアセグメント28は前述のように周方向に密着した
状態で並べられているので、全ての貫通室29はリング状
に連通し、剛体コア27の内部に加硫媒体が注入される連
続リング状の加硫媒体室30を構成する。
【0021】そして、前述の剛体コア27は、下モールド
14上に載置された後、上モールド21がこれら下モールド
14、剛体コア27上に載置されたとき、これら下、上モー
ルド14、21によって周囲から囲まれるとともに、その半
径方向内端部上、下面が上モールド21の半径方向内端部
下面および下モールド14の中央部上面にそれぞれ密着
し、これら下、上モールド14、21により両側から挟持さ
れる。このとき、これら下、上モールド14、21と剛体コ
ア27との間には空気入りタイヤの形状と同一形状の加硫
空間31が形成される。
14上に載置された後、上モールド21がこれら下モールド
14、剛体コア27上に載置されたとき、これら下、上モー
ルド14、21によって周囲から囲まれるとともに、その半
径方向内端部上、下面が上モールド21の半径方向内端部
下面および下モールド14の中央部上面にそれぞれ密着
し、これら下、上モールド14、21により両側から挟持さ
れる。このとき、これら下、上モールド14、21と剛体コ
ア27との間には空気入りタイヤの形状と同一形状の加硫
空間31が形成される。
【0022】32は前記加硫空間31に収納されているタイ
ヤ中間体であり、このタイヤ中間体32は剛体コア27の外
側に、例えば、以下の工程により未加硫のタイヤ構成部
材が次々に貼付けられることで成形されている。即ち、
まず、剛体コア27の外側に未加硫のゴムリボンを渦巻き
状、螺旋状に多数回巻き付けてインナーライナー33を成
形した後、ビード部Bにおけるインナーライナー33の外
側にビードワイヤを渦巻き状に複数回巻き付ける。
ヤ中間体であり、このタイヤ中間体32は剛体コア27の外
側に、例えば、以下の工程により未加硫のタイヤ構成部
材が次々に貼付けられることで成形されている。即ち、
まず、剛体コア27の外側に未加硫のゴムリボンを渦巻き
状、螺旋状に多数回巻き付けてインナーライナー33を成
形した後、ビード部Bにおけるインナーライナー33の外
側にビードワイヤを渦巻き状に複数回巻き付ける。
【0023】次に、前記インナーライナー33の外側に未
加硫ゴムでコーティングされたカーカスコードを両ビー
ド部Bで折返しながら子午線方向に巻き付けるととも
に、このような巻付けを周方向にずらしながら多数回行
ってカーカス層34を成形する。
加硫ゴムでコーティングされたカーカスコードを両ビー
ド部Bで折返しながら子午線方向に巻き付けるととも
に、このような巻付けを周方向にずらしながら多数回行
ってカーカス層34を成形する。
【0024】その後、ビード部Bにおけるカーカス層34
の外側にビードワイヤを渦巻き状に複数回巻き付ける。
これにより、ビード部Bにおけるカーカス層34はこれら
ビードワイヤにより両側から挟持されて係留される。こ
のようにカーカス層34を両側から挟持しているビードワ
イヤは全体としてビードコア35を構成する。
の外側にビードワイヤを渦巻き状に複数回巻き付ける。
これにより、ビード部Bにおけるカーカス層34はこれら
ビードワイヤにより両側から挟持されて係留される。こ
のようにカーカス層34を両側から挟持しているビードワ
イヤは全体としてビードコア35を構成する。
【0025】次に、前記カーカス層34の半径方向外側
に、少数本の平行なベルトコードを未加硫ゴムでコーテ
ィングしたリボン状体を螺旋状に多数回巻き付け、ある
いは、赤道面に対し傾斜させながら周方向にずらして多
数回貼付けることによりベルト層36を成形し、その後、
サイドウォール部Sにおけるカーカス層34の外側に未加
硫のゴムリボンを渦巻き状に多数回巻き付けてサイドト
レッド37を成形する。
に、少数本の平行なベルトコードを未加硫ゴムでコーテ
ィングしたリボン状体を螺旋状に多数回巻き付け、ある
いは、赤道面に対し傾斜させながら周方向にずらして多
数回貼付けることによりベルト層36を成形し、その後、
サイドウォール部Sにおけるカーカス層34の外側に未加
硫のゴムリボンを渦巻き状に多数回巻き付けてサイドト
レッド37を成形する。
【0026】このようにして剛体コア27の外側にタイヤ
中間体32が成形されるが、このタイヤ中間体32にはトッ
プトレッドが貼付けられていないので、前記加硫空間31
のうち、トップトレッドに該当する部位には空隙40が形
成される。なお、この空隙40はトップトレッドの一部、
例えば突出部19、24の先端(広幅溝の溝底)より半径方
向外側の部位であってもよく、また、トップトレッド、
サイドトレッドの双方に該当する部位であってもよく、
少なくとも空気入りタイヤのトップトレッド外表面部に
該当する部位であればよい。
中間体32が成形されるが、このタイヤ中間体32にはトッ
プトレッドが貼付けられていないので、前記加硫空間31
のうち、トップトレッドに該当する部位には空隙40が形
成される。なお、この空隙40はトップトレッドの一部、
例えば突出部19、24の先端(広幅溝の溝底)より半径方
向外側の部位であってもよく、また、トップトレッド、
サイドトレッドの双方に該当する部位であってもよく、
少なくとも空気入りタイヤのトップトレッド外表面部に
該当する部位であればよい。
【0027】各コアセグメント28の半径方向内端でその
下端部には半径方向内側に向かって突出する突出片42が
形成され、これらの突出片42は弧状を呈するとともに、
剛体コア27全体では周方向に等距離離れて配置されてい
る。43は下モールド14の中央部に回転可能に連結された
リング状の締結リングであり、この締結リング43の上端
部には半径方向内側に向かって突出し、前記突出片42と
同数の突出片44が形成され、これらの突出片44も弧状を
呈するとともに、周方向に等距離離れて配置されてい
る。そして、前記締結リング43が回転して突出片44、42
が上下に重なり合うと、剛体コア27(全コアセグメント
28)は下モールド14に強固に連結される。
下端部には半径方向内側に向かって突出する突出片42が
形成され、これらの突出片42は弧状を呈するとともに、
剛体コア27全体では周方向に等距離離れて配置されてい
る。43は下モールド14の中央部に回転可能に連結された
リング状の締結リングであり、この締結リング43の上端
部には半径方向内側に向かって突出し、前記突出片42と
同数の突出片44が形成され、これらの突出片44も弧状を
呈するとともに、周方向に等距離離れて配置されてい
る。そして、前記締結リング43が回転して突出片44、42
が上下に重なり合うと、剛体コア27(全コアセグメント
28)は下モールド14に強固に連結される。
【0028】また、各コアセグメント28の半径方向内端
でその上端部にも前記突出片42と同様の突出片45が形成
され、一方、上モールド21の半径方向内端部には下端部
に前記突出片44と同様の突出片46を有する締結リング47
が回転可能に連結されている。そして、前記締結リング
47が回転して突出片45、46が上下に重なり合うと、剛体
コア27(全コアセグメント28)は上モールド21に強固に
連結される。このようにして剛体コア27は、下、上モー
ルド14、21からなる加硫モールド48により周囲から囲ま
れながら該加硫モールド48に連結される。
でその上端部にも前記突出片42と同様の突出片45が形成
され、一方、上モールド21の半径方向内端部には下端部
に前記突出片44と同様の突出片46を有する締結リング47
が回転可能に連結されている。そして、前記締結リング
47が回転して突出片45、46が上下に重なり合うと、剛体
コア27(全コアセグメント28)は上モールド21に強固に
連結される。このようにして剛体コア27は、下、上モー
ルド14、21からなる加硫モールド48により周囲から囲ま
れながら該加硫モールド48に連結される。
【0029】前記下モールド14の半径方向外端でその上
端部には半径方向外側に向かって突出する複数の突出片
50が形成され、一方、上モールド21の半径方向外端でそ
の下端部には前記突出片50と同数の突出片51を有する締
結リング52が回転可能に連結されている。そして、前記
締結リング52が回転して突出片50、51が上下に重なり合
うと、下、上モールド14、21同士は強固に連結される。
端部には半径方向外側に向かって突出する複数の突出片
50が形成され、一方、上モールド21の半径方向外端でそ
の下端部には前記突出片50と同数の突出片51を有する締
結リング52が回転可能に連結されている。そして、前記
締結リング52が回転して突出片50、51が上下に重なり合
うと、下、上モールド14、21同士は強固に連結される。
【0030】55は剛体コア27に半径方向に移動可能に挿
入された複数、ここでは各コアセグメント28に挿入され
た液状ゴム注入管であり、これら注入管55はコアセグメ
ント28を半径方向に貫通している。そして、これら注入
管55が半径方向外側に移動することで、タイヤ中間体32
を貫通した後、その先端(半径方向外端)が空隙40に到
達するまで突出すると、該注入管55を通じて空隙40に液
状ゴムが充満するまで注入される。
入された複数、ここでは各コアセグメント28に挿入され
た液状ゴム注入管であり、これら注入管55はコアセグメ
ント28を半径方向に貫通している。そして、これら注入
管55が半径方向外側に移動することで、タイヤ中間体32
を貫通した後、その先端(半径方向外端)が空隙40に到
達するまで突出すると、該注入管55を通じて空隙40に液
状ゴムが充満するまで注入される。
【0031】ここで、空隙40に注入する液状ゴムとして
は、例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレ
ンブタジエン共重合体より選択される1種または2種以
上からなるゴムを用いることができる。また、この実施
形態においては、注入管55を剛体コア27に設けたが、加
硫モールド48に設けるようにしてもよい。
は、例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレ
ンブタジエン共重合体より選択される1種または2種以
上からなるゴムを用いることができる。また、この実施
形態においては、注入管55を剛体コア27に設けたが、加
硫モールド48に設けるようにしてもよい。
【0032】次に、この発明の一実施形態の作用につい
て説明する。まず、コアセグメント28を周方向に密着し
た状態で並べることにより所定のドーナツ状に形成した
剛体コア27を、図示していないコア支持装置によって保
持しながら軸線回りに回転させるとともに、その外側に
前述した未加硫のタイヤ構成部材(ゴムリボン、カーカ
スコード、ビードワイヤ、リボン状体等)を順次巻き付
けてインナーライナー33、カーカス層34、ビードコア3
5、ベルト層36、サイドトレッド37からなるタイヤ中間
体32を成形する。
て説明する。まず、コアセグメント28を周方向に密着し
た状態で並べることにより所定のドーナツ状に形成した
剛体コア27を、図示していないコア支持装置によって保
持しながら軸線回りに回転させるとともに、その外側に
前述した未加硫のタイヤ構成部材(ゴムリボン、カーカ
スコード、ビードワイヤ、リボン状体等)を順次巻き付
けてインナーライナー33、カーカス層34、ビードコア3
5、ベルト層36、サイドトレッド37からなるタイヤ中間
体32を成形する。
【0033】次に、タイヤ中間体32が外側に装着されて
いる剛体コア27を前記コア支持装置によって、開放して
いる下モールド14に搬入して横置きで載置し、剛体コア
27の半径方向内端部下面を下モールド14の中央部上面に
密着させる。このとき、タイヤ中間体32の下側ビード部
Bおよび下側サイドウォール部Sの外側面は下モールド
14の型付け面18に密着するため、これらの間に空隙は生
じない。次に、締結リング43を突出片44と突出片42とが
上下に重なり合うまで回転させ、剛体コア27(全コアセ
グメント28)を下モールド14に強固に締結する。
いる剛体コア27を前記コア支持装置によって、開放して
いる下モールド14に搬入して横置きで載置し、剛体コア
27の半径方向内端部下面を下モールド14の中央部上面に
密着させる。このとき、タイヤ中間体32の下側ビード部
Bおよび下側サイドウォール部Sの外側面は下モールド
14の型付け面18に密着するため、これらの間に空隙は生
じない。次に、締結リング43を突出片44と突出片42とが
上下に重なり合うまで回転させ、剛体コア27(全コアセ
グメント28)を下モールド14に強固に締結する。
【0034】次に、上モールド21、上プラテン22を下モ
ールド14、剛体コア27の直上まで搬入して下モールド1
4、剛体コア27上に載置し、その半径方向内端部下面を
剛体コア27の半径方向内端部上面に、また、その半径方
向外端部下面を下モールド14の半径方向外端部上面にそ
れぞれ密着させる。このとき、タイヤ中間体32の上側ビ
ード部Bおよび上側サイドウォール部Sの外側面は上モ
ールド21の型付け面23に密着するため、これらの間に空
隙は生じない。
ールド14、剛体コア27の直上まで搬入して下モールド1
4、剛体コア27上に載置し、その半径方向内端部下面を
剛体コア27の半径方向内端部上面に、また、その半径方
向外端部下面を下モールド14の半径方向外端部上面にそ
れぞれ密着させる。このとき、タイヤ中間体32の上側ビ
ード部Bおよび上側サイドウォール部Sの外側面は上モ
ールド21の型付け面23に密着するため、これらの間に空
隙は生じない。
【0035】次に、締結リング47を突出片45と突出片46
とが上下に重なり合うまで回転させ、剛体コア27(全コ
アセグメント28)を上モールド21に強固に締結するとと
もに、締結リング52を突出片50と突出片51とが上下に重
なり合うまで回転させ、下、上モールド14、21同士を強
固に締結する。
とが上下に重なり合うまで回転させ、剛体コア27(全コ
アセグメント28)を上モールド21に強固に締結するとと
もに、締結リング52を突出片50と突出片51とが上下に重
なり合うまで回転させ、下、上モールド14、21同士を強
固に締結する。
【0036】これにより、剛体コア27と、該剛体コア27
を周囲から囲む加硫モールド48とが連結されるが、この
とき、これら剛体コア27、加硫モールド48間にはタイヤ
中間体32を収納している密閉された加硫空間31が形成さ
れる。ここで、タイヤ中間体32には前述のようにトップ
トレッドが巻き付けられていないので、加硫空間31の一
部、即ち、トップトレッドが設けられる部位に空隙40が
形成される。
を周囲から囲む加硫モールド48とが連結されるが、この
とき、これら剛体コア27、加硫モールド48間にはタイヤ
中間体32を収納している密閉された加硫空間31が形成さ
れる。ここで、タイヤ中間体32には前述のようにトップ
トレッドが巻き付けられていないので、加硫空間31の一
部、即ち、トップトレッドが設けられる部位に空隙40が
形成される。
【0037】次に、注入管55を同期してタイヤ中間体32
を貫通させながら半径方向外側に移動させ、その先端
(半径方向外端)が空隙40に到達するまで突出させる。
その後、駆動モータ13を作動して出力軸12の回転を剛体
コア27、加硫モールド48に付与し、これら剛体コア27、
加硫モールド48を垂直な出力軸12回りに高速回転させ
る。このとき、下、上プラテン16、22に高温、高圧の加
硫媒体を供給し、下、上モールド14、21を加硫温度まで
加熱するとともに、加硫媒体室30に加硫媒体を供給し、
剛体コア27を加硫温度まで加熱する。これにより、タイ
ヤ中間体32の加硫が開始される。
を貫通させながら半径方向外側に移動させ、その先端
(半径方向外端)が空隙40に到達するまで突出させる。
その後、駆動モータ13を作動して出力軸12の回転を剛体
コア27、加硫モールド48に付与し、これら剛体コア27、
加硫モールド48を垂直な出力軸12回りに高速回転させ
る。このとき、下、上プラテン16、22に高温、高圧の加
硫媒体を供給し、下、上モールド14、21を加硫温度まで
加熱するとともに、加硫媒体室30に加硫媒体を供給し、
剛体コア27を加硫温度まで加熱する。これにより、タイ
ヤ中間体32の加硫が開始される。
【0038】このようなタイヤ中間体32の加硫開始とほ
ぼ同時に、前記注入管55を通じて空隙40に対し液状ゴム
の注入を開始する。このように空隙40への液状ゴムの注
入開始と、加硫の開始とをほぼ同時に行うようにすれ
ば、液状ゴムの注入作業と加硫作業とを並行して行うこ
とができ、これにより、作業能率を向上させることがで
きる。
ぼ同時に、前記注入管55を通じて空隙40に対し液状ゴム
の注入を開始する。このように空隙40への液状ゴムの注
入開始と、加硫の開始とをほぼ同時に行うようにすれ
ば、液状ゴムの注入作業と加硫作業とを並行して行うこ
とができ、これにより、作業能率を向上させることがで
きる。
【0039】このとき、剛体コア27、加硫モールド48は
前述のように一体的に高速回転しているため、空隙40に
注入された液状ゴムは遠心力により半径方向外側に飛ば
され、トレッド部Tの外表面側(空隙40の半径方向外側
端)から半径方向内側に向かって空隙40を順次充填しな
がら加硫される。ここで、例えば、単一種類の液状ゴム
を注入するようにしてもよいが、複数種類の液状ゴムの
混合比率を時間の経過と共に変化させることにより、こ
の空隙40に注入される液状ゴムの成分を時間の経過と共
に連続的にあるいは断続的に変化させることもできる。
前述のように一体的に高速回転しているため、空隙40に
注入された液状ゴムは遠心力により半径方向外側に飛ば
され、トレッド部Tの外表面側(空隙40の半径方向外側
端)から半径方向内側に向かって空隙40を順次充填しな
がら加硫される。ここで、例えば、単一種類の液状ゴム
を注入するようにしてもよいが、複数種類の液状ゴムの
混合比率を時間の経過と共に変化させることにより、こ
の空隙40に注入される液状ゴムの成分を時間の経過と共
に連続的にあるいは断続的に変化させることもできる。
【0040】そして、このようにすれば、空気入りタイ
ヤのゴム(トップトレッド)の摩耗に伴って低下する性
能、例えば、ウェット性能を、成分調整されたゴムを次
々と露出させることにより補完し、タイヤ性能を摩耗に
拘わらずほぼ一定とすることができる。また、前述のよ
うに空隙40に液状ゴムを注入する際、剛体コア27、加硫
モールド48を一体的に回転させ、該液状ゴムを空気入り
タイヤのトレッド部T外表面側から順次半径方向内側に
向かって空隙40に充填するようにすれば、前述のように
空気入りタイヤのゴム部分の性能を厚さ方向に連続的あ
るいは断続的に容易に制御することができる。
ヤのゴム(トップトレッド)の摩耗に伴って低下する性
能、例えば、ウェット性能を、成分調整されたゴムを次
々と露出させることにより補完し、タイヤ性能を摩耗に
拘わらずほぼ一定とすることができる。また、前述のよ
うに空隙40に液状ゴムを注入する際、剛体コア27、加硫
モールド48を一体的に回転させ、該液状ゴムを空気入り
タイヤのトレッド部T外表面側から順次半径方向内側に
向かって空隙40に充填するようにすれば、前述のように
空気入りタイヤのゴム部分の性能を厚さ方向に連続的あ
るいは断続的に容易に制御することができる。
【0041】そして、空隙40に対して液状ゴムが充満す
るまで注入されると、注入管55からの液状ゴムの吐出を
停止させるとともに、注入管55を半径方向内側に引っ込
め剛体コア27内に没入させる。ここで、注入管を加硫モ
ールド48に設けた場合には、加硫されたゴムにより注入
管の吐出口が注入中に閉止されるおそれがあるが、前述
のように注入管55を剛体コア27に設け、液状ゴムの注入
終了後、該注入管55を剛体コア27内に没入させるように
すれば、前述のような事態を防止することができ、空隙
40への液状ゴムの注入作業が容易、確実となる。
るまで注入されると、注入管55からの液状ゴムの吐出を
停止させるとともに、注入管55を半径方向内側に引っ込
め剛体コア27内に没入させる。ここで、注入管を加硫モ
ールド48に設けた場合には、加硫されたゴムにより注入
管の吐出口が注入中に閉止されるおそれがあるが、前述
のように注入管55を剛体コア27に設け、液状ゴムの注入
終了後、該注入管55を剛体コア27内に没入させるように
すれば、前述のような事態を防止することができ、空隙
40への液状ゴムの注入作業が容易、確実となる。
【0042】このようにしてタイヤ中間体32および注入
された液状ゴムが加硫されると、タイヤ中間体32に加硫
固化した液状ゴムがトップトレッドとして接着され、空
気入りタイヤが製造される。このように予め空隙40を形
成するとともに、この空隙40に液状ゴムを充満するまで
注入するようにしているので、空隙40がどのような形状
であっても液状ゴムにより完全に充満され、これによ
り、加硫空間31の容積と未加硫タイヤ(タイヤ中間体32
と液状ゴムとを組み合わせたもの)の体積は高精度で一
致し、ゴムはみ出し、エア入りが効果的に防止される。
された液状ゴムが加硫されると、タイヤ中間体32に加硫
固化した液状ゴムがトップトレッドとして接着され、空
気入りタイヤが製造される。このように予め空隙40を形
成するとともに、この空隙40に液状ゴムを充満するまで
注入するようにしているので、空隙40がどのような形状
であっても液状ゴムにより完全に充満され、これによ
り、加硫空間31の容積と未加硫タイヤ(タイヤ中間体32
と液状ゴムとを組み合わせたもの)の体積は高精度で一
致し、ゴムはみ出し、エア入りが効果的に防止される。
【0043】また、液状ゴムが充満される空隙40は、加
硫空間31のうち少なくとも空気入りタイヤのトップトレ
ッド外表面部に該当する部位に形成されているため、加
硫モールド48の突出部19、24(主骨)は液状ゴムに押し
込まれることとなるが、このとき、液状ゴムは突出部1
9、突出部24に沿って殆ど抵抗無く流動してその形状を
変える。この結果、タイヤ中間体32内のコードは液状ゴ
ムの流動による影響を殆ど受けることはなく、コード乱
れ等が効果的に防止される。
硫空間31のうち少なくとも空気入りタイヤのトップトレ
ッド外表面部に該当する部位に形成されているため、加
硫モールド48の突出部19、24(主骨)は液状ゴムに押し
込まれることとなるが、このとき、液状ゴムは突出部1
9、突出部24に沿って殆ど抵抗無く流動してその形状を
変える。この結果、タイヤ中間体32内のコードは液状ゴ
ムの流動による影響を殆ど受けることはなく、コード乱
れ等が効果的に防止される。
【0044】次に、駆動モータ13の作動を停止させて剛
体コア27、加硫モールド48の回転を停止させるととも
に、締結リング47、52を回転させて剛体コア27と上モー
ルド21との連結および下、上モールド14、21同士の連結
を解除する。その後、上モールド21、上プラテン22を待
機位置まで搬出した後、剛体コア27および加硫済みの空
気入りタイヤをコア支持装置によって作業位置まで搬送
する。そして、この作業位置においてコアセグメント28
を分解して空気入りタイヤ内から順次取り出す。
体コア27、加硫モールド48の回転を停止させるととも
に、締結リング47、52を回転させて剛体コア27と上モー
ルド21との連結および下、上モールド14、21同士の連結
を解除する。その後、上モールド21、上プラテン22を待
機位置まで搬出した後、剛体コア27および加硫済みの空
気入りタイヤをコア支持装置によって作業位置まで搬送
する。そして、この作業位置においてコアセグメント28
を分解して空気入りタイヤ内から順次取り出す。
【0045】なお、前述の実施形態においては、空隙40
への液状ゴムの注入開始と、加硫の開始とをほぼ同時に
行うようにしたが、この発明においては、空隙への液状
ゴムの注入終了後、加硫を開始するようにしてもよく、
あるいは、いずれか一方を若干先行させ、その後は両者
を並行させるようにしてもよい。
への液状ゴムの注入開始と、加硫の開始とをほぼ同時に
行うようにしたが、この発明においては、空隙への液状
ゴムの注入終了後、加硫を開始するようにしてもよく、
あるいは、いずれか一方を若干先行させ、その後は両者
を並行させるようにしてもよい。
【0046】また、前述の実施形態においては、空隙40
に液状ゴムを注入する際、剛体コア27、加硫モールド48
を一体的に回転させるようにしたが、これらを静止させ
た状態で液状ゴムを注入するようにしてもよい。さら
に、前述の実施形態においては、駆動モータ13の駆動力
を下モールド14に付与することで、剛体コア27、加硫モ
ールド48を一体回転させるようにしたが、この発明にお
いては、駆動モータの回転を剛体コアに付与すること
で、一体回転させるようにしてもよい。
に液状ゴムを注入する際、剛体コア27、加硫モールド48
を一体的に回転させるようにしたが、これらを静止させ
た状態で液状ゴムを注入するようにしてもよい。さら
に、前述の実施形態においては、駆動モータ13の駆動力
を下モールド14に付与することで、剛体コア27、加硫モ
ールド48を一体回転させるようにしたが、この発明にお
いては、駆動モータの回転を剛体コアに付与すること
で、一体回転させるようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ゴムはみ出し、エア入りを防止しながら、設計形状
に極めて近い高精度の空気入りタイヤを製造することが
できる。
ば、ゴムはみ出し、エア入りを防止しながら、設計形状
に極めて近い高精度の空気入りタイヤを製造することが
できる。
【図1】この発明の一実施形態を示す正面断面図であ
る。
る。
【図2】図1のI−I矢視断面図である。
27…剛体コア 31…加硫空間 32…タイヤ中間体 40…空隙 48…加硫モールド 55…注入管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 30:00 B29L 30:00
Claims (6)
- 【請求項1】外表面が空気入りタイヤの内表面と同一形
状である剛体コアの外側に未加硫のタイヤ構成部材を貼
付けてタイヤ中間体を成形する工程と、該剛体コアを周
囲から囲む加硫モールドを剛体コアに連結することによ
り、剛体コアと加硫モールドとの間の加硫空間に前記タ
イヤ中間体を収納するとともに、該加硫空間のうち少な
くとも空気入りタイヤのトップトレッド外表面部に該当
する部位に空隙を形成する工程と、前記空隙に未加硫の
液状ゴムを充満するまで注入するとともに、前記タイヤ
中間体および該液状ゴムを加硫して空気入りタイヤを製
造する工程とを備えたことを特徴とする空気入りタイヤ
の製造方法。 - 【請求項2】前記空隙への液状ゴムの注入開始と、加硫
の開始とをほぼ同時に行うようにした請求項1記載の空
気入りタイヤの製造方法。 - 【請求項3】前記空隙に注入される液状ゴムの成分を時
間の経過と共に変化させるようにした請求項1または2
記載の空気入りタイヤの製造方法。 - 【請求項4】前記空隙に液状ゴムを注入する際、剛体コ
ア、加硫モールドを一体的に回転させ、該液状ゴムを空
気入りタイヤのトレッド部外表面側から順次半径方向内
側に向かって空隙に充填するようにした請求項1〜3の
いずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。 - 【請求項5】前記空隙に加硫ゴムを注入する際、剛体コ
アから複数の注入管をタイヤ中間体を貫通させながらそ
の先端が空隙に到達するまで突出させるとともに、注入
終了後、該注入管を剛体コア内に没入させるようにした
請求項4記載の空気入りタイヤの製造方法。 - 【請求項6】外表面が空気入りタイヤの内表面と同一形
状で、外側に未加硫のタイヤ構成部材を貼付けることに
よりタイヤ中間体を成形する剛体コアと、該剛体コアを
周囲から囲むようにして該剛体コアに連結され、剛体コ
アとの間の加硫空間に前記タイヤ中間体を収納するとと
もに、該加硫空間のうち少なくとも空気入りタイヤのト
ップトレッド外表面部に該当する部位に空隙を形成する
加硫モールドと、前記空隙に未加硫の液状ゴムを充満す
るまで注入する液状ゴム注入管とを備え、前記タイヤ中
間体および液状ゴムを加硫することにより空気入りタイ
ヤを製造するようにしたことを特徴とする空気入りタイ
ヤの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001163806A JP2002355895A (ja) | 2001-05-31 | 2001-05-31 | 空気入りタイヤの製造方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001163806A JP2002355895A (ja) | 2001-05-31 | 2001-05-31 | 空気入りタイヤの製造方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002355895A true JP2002355895A (ja) | 2002-12-10 |
Family
ID=19006711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001163806A Withdrawn JP2002355895A (ja) | 2001-05-31 | 2001-05-31 | 空気入りタイヤの製造方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002355895A (ja) |
-
2001
- 2001-05-31 JP JP2001163806A patent/JP2002355895A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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