JP2002355280A - 歩行補助車 - Google Patents

歩行補助車

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JP2002355280A
JP2002355280A JP2001339870A JP2001339870A JP2002355280A JP 2002355280 A JP2002355280 A JP 2002355280A JP 2001339870 A JP2001339870 A JP 2001339870A JP 2001339870 A JP2001339870 A JP 2001339870A JP 2002355280 A JP2002355280 A JP 2002355280A
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frame
walking
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JP2001339870A
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English (en)
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Kuniichi Miyaji
国一 宮地
Tetsutoshi Ogata
哲理 尾縣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的平坦な床面上を歩行、停止するに適し
た低重心の歩行補助車を提供することである。 【解決手段】 3ないし10個数の回転負荷内蔵キャス
タ4を下型フレーム2周縁下部に装着した歩行補助車1
であって、該下型フレーム2の略中央部の上面に下端部
を固着するとともに、上端部を介助者側に傾斜した手押
しハンドル3の上部に把持部3Cを設け、該把持部3C
の中心部から垂下した仮想鉛直線がキャスタ4の中心部
近傍に位置するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、歩行補助車に関
し、より詳しくは主として歩行困難である老人または病
弱者等のための運動用歩行補助車であって、より詳しく
は主として比較的平坦なフローリング床もしくはリノリ
ウム舗装床ないし短起毛のカーペット等で覆われた床上
を歩行する歩行者の立ち上がり補助、歩行補助に適した
歩行補助車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の歩行補助車の一例を図12に示
す。従来の歩行補助車には鋼管もしくは軽金属管を溶接
して作ったフレームであって、その下部にはキャスタと
平行輪もしくはキャスタのみを取り付け、上部には腕、
肘、掌等を支えるクッション部材ないしハンドルを備
え、または門型フレームとハーネス等の身体吊持機構を
有する病弱もしくは老齢歩行者の体重負担を軽減するリ
ハビリテーション用の歩行補助車が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のものは概して大型で、軽量のものが多く、不使用時に
は収納も場所を取り、重心が高いために、転倒事故が少
なからず認められた。
【0004】また一方で、台車型の歩行補助車には、い
わゆる荷台ないし椅子付きの車椅子型ないし乳母車型、
もしくはスーパーマーケット等で用いる鋼管製の荷台付
きカート型がある。
【0005】これらの内台車型は積み重ね容易性、折畳
製を考慮したものが少なくない。また車椅子型もしくは
乳母車型のものは折畳式になっているものが多く、様々
な形式のものがある。
【0006】しかし、これらの歩行補助車には、実際に
老人ホームや病院で使ってみると意外に使い勝手の良い
ものは少なく、特に老人ホームにおける歩行困難な人用
歩行補助車としては適当なものがなかった。
【0007】何故ならば、歩行しようとする歩行困難な
人又は立ち上がり困難な人が椅子等に着座している状態
から歩行補助車に本人が手を掛け、他方の腕ないし肩ま
たは腰のベルトに精々介護者1人が手を掛けて介助して
立ち上がらせ、前者が歩行補助車を押して独歩するに
は、従来の歩行補助車は大き過ぎたり、または軽過ぎ
て、ブレーキが1輪もしくは2輪にしか効かないため杖
の機能を果たし得なかったり、または歩行抵抗が小さ過
ぎたりして不適当であった。
【0008】以上述べた従来の問題点を要約すると次の
ようになる。すなわち、 (1)従来の歩行補助車が軽いうえ重心が高いために、
転倒しやすい。 (2)転倒防止用に裾の部分を大きくしているために、
小回りがききにくく、例えばトイレなどに歩行補助車を
押したまま入ることが出来ない。 (3)また、小回りがきくように、小型の歩行補助車も
見受けられるが、転倒を防止するために、逆に車輪が大
きくなっており、このような仕様の歩行補助車はトイレ
に入れない。また、車輪の回転の早さに、足がついてい
けない。
【0009】(4)着座した状態から立ち上がる場合、
歩行補助車が軽量でかつ重心が高いために、歩行補助車
に手を掛けて立ち上がろうとすると歩行補助車と一緒に
傾転してしまうなど、不安定である。 (5)キャスタが容易に回動するために、少しの力でも
移動してしまい、利用者が転倒し易い。このような欠点
を防止するために、ブレーキの付いた歩行補助車も見受
けられるが、利用者の運動機能が低下していたるため、
機敏に使いこなせず、転倒や骨折事故が起きやすいな
ど、多くの欠点があった。
【0010】そこで本発明者は老人ホームの職員である
処から、これらの問題点を毎日仕事の中から充分把握
し、関係製品カタログおよび特許公報等の調査結果に基
づき、更に進化した、コンパクトで鉛直投影面積が小さ
く、走行抵抗が適当で、不足の場合は電動補助も可能な
低重心の新型歩行補助車を発明するに至った。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、比較的平坦な床面上を
歩行、停止するに適した低重心の歩行補助車を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に関する第1の発明では、3ないし10個数
の回転負荷内蔵キャスタを下型フレームの外縁下部に装
着した歩行補助車であって、該下型フレームの略中央部
の上面部に下端部を固着するとともに、上端部を歩行者
側に傾斜した手押しハンドルの上端部に把持部を設け、
該把持部の中心部から垂下した仮想鉛直線がキャスタの
中心部近傍に位置するように構成した。
【0013】第1の発明を主体とする第2の発明では、
前記下型フレームが梯子型フレームであり、手押しハン
ドル下端取付部を該フレームの前後輪間の略中央部もし
くは重心部に配設した。
【0014】第1の発明を主体とする第3の発明では、
前記下型フレームの重心部近傍または前方近傍に略対称
に複数の重鎮を配設した。第1ないし第3の発明を主体
とする第4の発明では、ブレーキ摺動部が、弾性圧下部
材によって床面に対して常時圧下付勢されており、移動
時には手押しハンドルに枢着されたレバーを使用者が圧
下することにより前記圧下付勢が解除されて該ブレーキ
摺動部が床面より離間し、床面に沿って移動可能となる
ブレーキ装置を備えた。
【0015】第4の発明を主体とする第5の発明では、
前記弾性圧下部材が、バネおよび/もしくはゴムでなる
該弾性圧下部材であり、もしくは空圧および/もしくは
液圧式の該弾性圧下部材とした。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る歩行補助車
の具体的実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図
1は実施例1の側面図、図2は実施例1の平面図、図3
は実施例1の背面図、図4は図1のA−A矢視図、図5
は実施例2の側面図、図6は実施例2の正面図、図7は
実施例2のP−Pから見た平面図、図8はキャスターの
拡大図、図9はキャスタの中心部が手押しハンドル把持
部の中心部より後方に位置する場合の説明図、図10は
キャスタの中心部が手押しハンドル把持部の中心部より
前方に位置する場合の説明図、図11は図9において重
鎮が歩行補助車の略中心部より前方側に位置する場合の
説明図である。
【0017】[実施例1]実施例1を図1ないし図4を
用いて説明する。FLは床面、2は梯子型フレーム、2
Aは縦フレーム、2Bはクロスメンバ、2Cは保護カバ
ー、3は手押しハンドル、3Aは手押しハンドルのクロ
スメンバ、3Bは手押しハンドルの支柱、3Cは手押し
ハンドルの把握部、3Dは手押しハンドル内側下部の長
孔、4はキャスタ、5はブレーキシュー、8、9は枢着
軸、8Aはつる巻きばね、9Aは長孔、11はブレーキ
レバー、11Aはブレーキレバー把握部、12、12
A、12Eはブレーキロッド、15は重鎮、17は掲示
板、20はハンガー、21は荷物篭、30はコイルスプ
リングである。
【0018】図1〜4において、下型フレームは1対の
縦フレーム2A、2Aと1対のクロスメンバ2B、2B
を固着してなる梯子状フレームであり、重心部にブレー
キロッド12、12A、12E、ブレーキレバー11、
ブレークシュー(摺動部)5等でなるブレーキ装置が配
設されている。
【0019】梯子状フレーム2の外縁下部に4つのキャ
スタ4が枢着されているが、キャスタであるから各キャ
スタ共に自由に首を振ることができる。縦フレーム2A
の前後端には人の足等に接触しても負傷しないようにゴ
ム、または軟質プラスチックの角を丸めた保護カバー2
Cが装着されている。
【0020】重鎮15は着脱自在にフレーム重心部に装
着されており、歩行補助車全体の安定度を上げている。
重鎮は2リットルのペットボトルに水を充填したもので
も足りる。また後述するように全体として後方に力がか
かるので、これをバランスするために重鎮15は手押し
ハンドル3の前方に2個、後方に1個としている。
【0021】梯子型フレーム2の縦フレーム2A中心部
には図3のように手押しハンドル3の下端部を挿入する
有底孔30、支柱3Bの下端部を挿入する有底孔31が
穿設されている。これらはボルト、ナットで縦フレーム
2Aに強固に固着する。
【0022】従って手押しハンドル3の下端部取付部は
フレームの前後輪間中央部もしくは重心部に配設されて
いるので、本発明の歩行補助車は安定性が高い。
【0023】なお、手押しハンドル3中腹部にはハンガ
ー20が固着されており、荷物篭21を吊持出来るので
軽量のタオル、薬、化粧品、雑誌、菓子等を運ぶことが
できる。荷物篭には手押しハンドル3の前方に付けるこ
ともできるが、掲示板17が前方から視認し難くなる。
掲示板には、部屋番号、患者名等が記入され、識別容易
とする。
【0024】通常梯子型フレームは縦フレーム2Aとク
ロスメンバ2Bの空間を床板2Dで覆ってその上に重鎮
15を積載可能とするが、その中心部に鞘状ガイドとな
る摺動孔を設けてブレーキロッド12Eが貫通し、支持
ロッドの先端部に円形クッションないし座布団状の摺動
部(ブレーキシュー)が取り付けられており、フレーム
より上側で支持ロッドに取り付けられた弾性部材(ここ
ではコイルスプリング)で以て歩行補助車を呈ししてい
る時は常時床面を加圧するように付勢されている。すな
わちこの時はパーキングブレーキとして機能する。
【0025】弾性部材はスプリングの他に空圧や液圧式
の筒型シリンダを用いることもできる。移動する時はブ
レーキレバー11を押圧しまたは更にワンタッチするこ
とにより摺動部が上昇し床面FLから離間する。
【0026】また移動中にブレーキのレバー11を離す
かワンタッチ圧下するとストッパーが外れてコイルスプ
リング30の付勢力により、ブレークシュー5が圧下さ
れブレーキがかかる。
【0027】ここで手押しハンドル3とブレーキ装置に
ついて更に詳述する。
【0028】図1〜3において、手押しハンドル3およ
びブレーキロッド12はステンレススチールもしくはA
l合金製のパイプであって、いずれも基本型は縦フレー
ム2Aとクロスメンバ2Bでなる枠形状をしており、手
押しハンドル3の中に内蔵されたブレーキロッド12が
上下に摺動するようになっており、手押しハンドル3の
下部内側に穿設された長孔3Dから、1対のブレーキロ
ッド12の間を結ぶブレーキロッドのクロスメンバ12
Aが露出し、クロスメンバ12Aの中央部から下方に向
けて溶接されたブレーキロッド12Eが伸び、これが梯
子型フレーム2中央部(重心部)のクロスメンバ2Bを
貫通して上下方向に摺動し、ブレーキシュー5を床面F
Lに対し、圧下もしくは離間するようになっている。
【0029】なお、手押しハンドル管内で上下2分割さ
れたブレーキロッド間により正確には手押しハンドル筒
内突起とブレーキロッドの筒外突起の間に拡張付勢のコ
イルスプリング30を配設してあり、これによってブレ
ーキロッド12の上下動ストロークに若干の余剰を与え
るようにすることにより、ブレーキシュー5を床面FL
に圧下付勢力を与える構造である。前述のようにコイル
スプリング30はコイルスプリングと併用する空圧、液
圧プランジャであっても良い。
【0030】次に手押しハンドル上部構造について説明
する。
【0031】図1〜3において、手押しハンドル3上部
には把持部が溶接されており、手押しハンドル3から上
部に突出するブレーキロッド12頭部にはブレーキレバ
ー11が長孔の9Aを介して、枢着軸9によって遊動自
在に枢着されている。
【0032】変形U字型ブレーキレバー11はまた枢着
軸8によって変形U字型手押しハンドル把持部3Cの内
側に枢着軸8によって枢着されており、ブレーキレバー
把持部11Aを歩行者が腕で自然に押し下げることによ
り、前記コイルスプリング30の圧下付勢力に勝つ上昇
力がブレーキロッド12に働いてブレーキシューが床面
FLより離間するようになっている。
【0033】立ち上がりが困難な人がが立ち上がる時の
杖の役割を本装置に求める時には、ブレーキレバー把持
部11Aでなく、手押しハンドル把持部3Cを持つよう
にする。
【0034】なお、ブレーキレバー11に常に軽いモー
メントを考える(図1の矢印方向もしくは反対方向)た
めに、枢着軸8につる巻ばね8Aを装着しておくと枢着
軸9付近での遊びが生じないだけでなく、取扱いが極め
て容易となり、歩行困難で虚弱な利用者に喜ばれること
になる。
【0035】この時ブレーキレバー11に与える回転モ
ーメント付勢力はブレーキレバー11の自重とのバラン
スで時計回りないし反時計回り方向といずれかを選ぶこ
とができる。
【0036】本発明で重要なポイントはフレーム2の中
心部もしくは重心部付近、ないしは前後のキャスタ間中
央部に手押ハンドルを取り付けかつブレーキ装置、重鎮
等を集中して設けたことである。このために、歩行補助
車1の重心が低重心となり、立ち上がり困難な人が手押
しハンドル把持部3Cを持って立ち上がる時の杖の役割
を有することとなり、その場合でも歩行補助車1は転倒
することはない。
【0037】ブレーキ装置は先ず、床面FLに押圧付勢
されている円盤型もしくは蒲鉾型の摺動部(ブレーキシ
ュー)が中心である。この押圧付勢はブレーキロッドに
セットされたブレーキロッド方向に伸縮するコイルスプ
リング30および/もしくは枢着軸8にセットされたつ
る巻きばね8A(図1で反時計回りに回転モーメント付
勢を与えた場合)並びに摺動部等の自重によって与えら
れる。
【0038】ブレーキロッド12は1本のまま、もしく
は二方向に枝分かれして、また重心部ないし中心部で1
本となり、適所を鞘状ガイド(摺動孔)で上下可能にフ
レーム2に固定される。
【0039】円盤型ブレーキシューはブレーキロッドに
固着されていてもよいし、ブレーキロッドを中心として
回動自在もしくはカチカチとやや抵抗を持って回動する
(クリックストップ)ように枢着されていてもよい。
【0040】[実施例2]実施例2を図5ないし図8を
用いて説明する。 FLは床面、2は梯子型フレーム、
2Aは縦フレーム、2Bはクロスメンバ、2Cは保護カ
バー、2Dは床板、3は手押しハンドル、3Aは手押し
ハンドルのクロスメンバ、3Bは手押しハンドルの支
柱、3Cは手押しハンドルの把握部、4はキャスタ、1
5は重鎮、17は掲示板、20はハンガー、21は荷物
篭および10A,10Bはリングである。
【0041】図5〜8において、下型のフレームは1対
の縦フレーム2Aと1対のクロスメンバ2Bを固着して
なる梯子型フレーム2であり、縦フレーム2Aとクロス
メンバ2Bの空間を床板2Dで覆ってその上に重鎮15
が積載可能になっている。
【0042】重鎮15は長方体の形状を有しており、重
鎮15の各重量はそれぞれ約2Kgのものが用いられて
おり、梯子型フレーム2の略中央部に3ケ載置自在とさ
れる。各重鎮15の上部の左右には、正面が逆U字状を
呈した把持部16の開放した側が固着されており、梯子
型フレーム2の床板2D上に載置された重鎮15を1つ
づつ把持部16を持って歩行補助車1から上げ下ろし可
能なようになっている。
【0043】本発明では、梯子型フレーム2の床板2D
の上にオールステンレス製の重鎮15を載置することで
歩行補助車1の全体の安定度を上げている。また図5に
示すように全体として後方に力がかかるので、これをバ
ランスするために重鎮15は手押しハンドル3の前方に
2個、後方に1個としている。
【0044】梯子型フレーム2の一対の縦フレーム2A
の中心部より少し後方に移動した位置には、それぞれ図
5に示すように手押しハンドル3が水平状態にある縦フ
レーム2Aに対して仮想垂直線を引いた場合、この仮想
垂直線から後方側に約5〜10度程度の傾斜を有した状
態で手押しハンドル3の下端部が固着され、さらに手押
しハンドル3の下方は、手押しハンドル3と縦フレーム
2Aとの間に設けられた手押しハンドルの支柱3Bによ
って支持し、固着されている。従って手押しハンドル3
の下端部取付部はフレームの前後輪間中央部もしくは重
心部に配設されているので、本発明の歩行補助車1は安
定性が高い。
【0045】さらに、歩行補助車1は、手押しハンドル
把持部3Cや掲示板17などを含む手押しハンドル3の
縦部品と、梯子型フレーム2のような横部品との2つに
分けることができるが、重量的には後者の横部品(梯子
型フレーム2)が重く、歩行補助車1全体の約80%を
占める。さらに、重鎮15の重さ6Kgを床板2D上に
載置した場合には、歩行補助車1の全体重量の約86%
が梯子型フレーム2の部分に集中することとなるため、
重心が極めて低くなり、転倒に対する安定性が極めて高
くなるなど、安定性が増すことになる。
【0046】一方、手押しハンドル3の上端部側の約1
0〜12cm程の長さが、さらに後方にく字状に曲がっ
ており、手押しハンドル3の上端部には、手押しハンド
ル把持部3Cが固着されている。
【0047】図7に示すように、梯子型フレーム2の外
縁下部に4つのキャスタ4が枢着されているが、キャス
タであるから各キャスタ共に自由に首を振ることができ
る。縦フレーム2Aの前後端には人の足等に接触しても
負傷しないようにゴム、または軟質プラスチックの角を
丸めた保護カバー2Cが装着されている。
【0048】図8に示す回転負荷内蔵キャスタ4は、図
示を省略した軸部と回動車との間に耐摩耗性の高い樹脂
(例えば、デルリン樹脂)が間挿してあり、歩行補助車
1を手押ししても回動車が容易に回動して滑って逃げな
いように常時少しブレーキがかかった状態を呈した構成
となっている。このようなキャスタを使用している歩行
補助車は他に例がない。また、本キャスタ4には、歩行
者が手押しハンドル把持部3Cを把持した状態で立ち上
がり補助、歩行補助が可能なように、図示を省略した回
動車を恣意的にロックして前後動不可能な状態にするこ
とができるようにロック機構が設けられている。
【0049】また、左右一対の手押しハンドル3の橋渡
しを行う上下一対手押しハンドルのクロスメンバ3Aに
は掲示板17が取り付けられており、前方から視認し易
くなっている。掲示板17には、部屋番号、患者名等が
記入され、識別容易とする。
【0050】掲示板17の背面側(反進行方向側)に
は、図5に示すようにハンガー20に引っ掛けられた荷
物篭21が取り付け可能になっている。この荷物篭21
には、例えば日用必需品や小物を入れるのに便利なよう
になっている。
【0051】下部の手押しハンドルのクロスメンバ3A
と手押しハンドル3側の接続個所の前面側(歩行補助車
1の進行方向側)の左右と手押しハンドルの支柱3Bが
手押しハンドル3側に取り付けられた部分の前面側の左
右には、それぞれ図5に示す如く直径5cmの大きさの
リング10が合計4つ固着してあり、例えば傘や杖等が
一時的に差し込んで移動することもできるようになって
いる。
【0052】次に、本発明の歩行補助車1は、略中央部
にステンレス製の重鎮15が載置可能なタイプのもので
あり、図9および図10を用いて低重心でかつ安定性の
高い理由について説明する。
【0053】本実施例では、歩行補助車1を手押しで使
用する場合に、転倒しないことが力学的に示せないか前
後方向、横方向について、以下のように便宜的に解釈す
る。すなわち、前後方向は、 (1)前後方向は、力がかかった方向へ転倒せずに逃げ
る。 (2)下方向の力は、梯子型フレーム2に鉛直方向にか
かるとする。
【0054】また、横方向の安定性については、(1)
キャスタ4が両端にあることから、横方向の転倒につい
ては、問題なしとする。因みに、本計算には、各キャス
タ4の床面FLに対する摩擦係数は考慮していない。
【0055】次に、キャスタ4は偏心位置にて回転自在
に縦フレーム2Aに取り付けられており、(1)図9に
示すようにキャスタ4の中心部が手押しハンドル把持部
3Cの中心部よりL3の長さ分だけ後方に位置する場合
と、(2)図10に示すようにキャスタ4の中心部が手
押しハンドル把持部3Cの中心部よりM3の長さ分だけ
前方に位置する場合とに分けて説明する。
【0056】まず、(1)図9に示すようにキャスタ4
の中心部が手押しハンドル把持部3Cの中心部よりL3
の長さ分だけ後方に位置する場合、手押しハンドル把持
部3Cの中心部がキャスタ4の中心部(以下、支点とい
う)より内側に位置するため、回転モーメントによる転
倒は無い代わりに、手押しハンドル把持部3Cにキャス
タ4の最大許容荷重40Kgまでの荷重が許容できる。
【0057】重量については、次のとおり。すなわち、 歩行補助車1の全重量(W1)=12.5Kg、 重鎮
の全重量6Kg(W2)である。
【0058】次に、歩行補助車1のキャスタ4の後輪を
支点とする回転モーメントのバランスについて述べる。 (1) 右回り(時計回り)の回転モーメントは、(L
1×W1)+(L2×W2)+(L3×W3) (2) 左回り(反時計回り)の回転モーメントは、
(L4×R2) 以上から、(L1×W1)+(L2×W2)+(L3×
W3)=(L4×R2)
【0059】したがって、 反力R2=[(L1×W1)+(L2×W2)+(L3×W3)]/L4 ・・・・・式 また、R1+R2=W1+W2+W3なので、 結局、反力R1=(W1+W2+W3)−R2 ・・・・・式 となる。
【0060】具体的には、次のようになる。すなわち、
ここで、仮にW3=70Kgとすると、W1=12.5
Kg、W2=6Kg、L1=19.5cm、L2=22
cm、L3=1cm、L4=37.5cmなどは既知な
ので、式から、 反力R2=11.8Kg このことから、前輪のキャスタ4は左右に2つあるの
で、前輪のキャスタ4の1つ当たりの荷重は、5.9K
gとなる。
【0061】したがって、結局、式から、 反力R1
=76.7Kg この場合、後輪にキャスタ4が左右に2つあるので、後
輪のキャスタ4の1つ当たりの荷重は、38.4Kgと
なり、この値は、キャスタ4の1つ当たりの最大許容強
度40Kgの以下なので、使用上何等問題はないと言え
る。
【0062】次に、(2)図10に示すようにキャスタ
4の中心部が手押しハンドル把持部3Cの中心部よりM
3の長さ分だけ前方に位置する場合、手押しハンドル把
持部3Cの中心部がキャスタ4の中心部(以下、支点と
いう)より外側に位置するため、回転モーメントによる
転倒の可能性がある。
【0063】重量については、次のとおり。すなわち、 歩行補助車1の全重量(W1)=12.5Kg、 重鎮
の全重量6Kg(W2)である。
【0064】次に、歩行補助車1のキャスタ4の後輪を
支点とする回転モーメントのバランスについて述べる。 (1)右回り(時計回り)の回転モーメントは、(M1
×W1)+(M2×W2) (2)左回り(反時計回り)の回転モーメントは、(M
3×W3) 以上から、(M1×W1)+(M2×W2)=(M3×
W3)となる。
【0065】したがって、 転倒しないための限界荷重
W3は、 W3=[(M1×W1)+(M2×W2)]/M3・・・式
【0066】具体的には、次のようになる。すなわち、
ここで、W1=12.5Kg、W2=6Kg、M1=1
5.5cm、M2=19cm、M3=2cmなので、
式から、 W3=153.88Kg
【0067】このことから、回転モーメント上のバラン
ス荷重は、153.88Kgとなり、153.88Kg
以上にならないと、歩行補助車1は後方(歩行者側)に
転倒しない。因みに、図10において、体重70Kg
(W3)の人が手押しハンドル把持部3Cに下方に向け
て押圧した場合、歩行補助車1が回転モーメントの作用
によって転倒する可能性がある分岐点は、M3=4.4
cmとなり、仮に手押しハンドル把持部3Cの中心部が
キャスタ4の中心部より4.4cm以上外側に位置しな
い限り、後方に転倒しないことになる。このことから実
施例2の歩行補助車1の優れた安定性が証明できた。
【0068】以上述べた実施例2では、多様な機能、例
えばブレーキやワイヤーなどをあえて装備しないことに
より、故障の発生の原因をほぼ無くしたので、長期間使
用してもメンテナンスフリーとなり、お年寄りなどの使
用者側にとって極めて取扱が便利となった。
【0069】また、従来のように、重鎮15を砂袋から
ステンレススチールにすることにより、砂袋のような含
有水分がなくなり、カビや院内感染の温床の原因となる
ものを排除でき、消毒や洗浄が容易に行えるなど、衛生
的である。
【0070】歩行者は自分の体重を歩行補助車に掛けた
まま移動できるので、従来のように介護者が予め腰痛バ
ンドなどで保護した状態で介護することがなくなり、介
護者の腰に負担がかからず、介護がし易くなる。
【0071】さらに、歩行者の体重や体力に合わせ歩行
補助車の安定性を損なうことなく、重鎮の重量を3分割
することで対応が可能となった。
【0072】[実施例3]図11は図10において重鎮
15の位置が歩行補助車の略中心部より前方側に位置す
る場合の説明図であり、実施例3を図11を用いて説明
する。なお、歩行補助車1の構造については、図10と
重鎮15の位置が異なるのみで他は同一であるため、詳
細な説明は省略する。また、図10に示すようにキャス
タ4の中心部が手押しハンドル把持部3Cの中心部より
後方に位置する場合は、前述したように転倒の危険性は
ないので、ここでの計算は省略する。
【0073】図11において、重量については、次のと
おり。すなわち、 歩行補助車1の全重量(W1)=12.5Kg、 重鎮
の全重量6Kg(W2)である。
【0074】まず、図11に示すようにキャスタ4の中
心部が手押しハンドル把持部3Cの中心部よりN3の長
さ分だけ前方に位置する場合、手押しハンドル把持部3
Cの中心部がキャスタ4の中心部(以下、支点という)
より外側に位置するため、回転モーメントによる転倒は
無い代わりに、手押しハンドル把持部3Cにキャスタ4
の最大許容荷重40Kgまでの荷重が許容できる。
【0075】重量については、次のとおり。すなわち、 歩行補助車1の全重量(W1)=12.5Kg、 重鎮
の全重量6Kg(W2)である。
【0076】次に、歩行補助車1のキャスタ4の後輪を
支点とする回転モーメントのバランスについて述べる。 (1)右回り(時計回り)の回転モーメントは、(N1
×W1)+(N2×W2) (2)左回り(反時計回り)の回転モーメントは、(N
3×W3) 以上から、(N1×W1)+(N2×W2)=(N3×
W3)となる。
【0077】したがって、 転倒しないための限界荷重
W3は、 W3=[(N1×W1)+(N2×W2)]/N3・・・式
【0078】具体的には、次のようになる。すなわち、
ここで、W1=12.5Kg、W2=6Kg、N1=1
5.5cm、N2=25.5cm、N3=2cmなの
で、式から、 W3=173.4Kg
【0079】このことから、回転モーメント上のバラン
ス荷重は、173.4Kgとなり、173.4Kg以上
にならないと、歩行補助車1は後方(歩行者側)に転倒
しない。因みに、図11において、体重70Kg(W
3)の人が手押しハンドル把持部3Cに下方に向けて押
圧した場合、歩行補助車1が回転モーメントの作用によ
って転倒する可能性がある分岐点は、N3=4.95c
mとなり、仮に手押しハンドル把持部3Cの中心部がキ
ャスタ4の中心部より4.95cm以上外側に位置しな
い限り、後方に転倒しないことになる。このことから実
施例3の歩行補助車1の優れた安定性が証明できた。
【0080】本発明では、下型フレームは梯子状フレー
ム2の矩形形状に限定するものではなく、例えば正方形
状にしてもよいし、スーパーマーケット等で用いる鋼管
製の荷台付きカート型のように前方を狭幅にした構造に
してもよい。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、使
い勝手が良く、また手押しハンドルの中心部が作用点を
有する後輪キャスタの内側に位置するために、重心が低
いことと相俟って転倒することがないため、歩行者が立
ち上がり、歩行、着座する各段階で自立した杖のような
役割を果たし介助者も1人で十分であり、車椅子として
も非対面、対面いずれも楽しく会話しつつ移動すること
ができる。さらに、構造がシンプルであるため、故障が
少なく、メンテナンスに要する時間や費用は皆無であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の側面図である。
【図2】実施例1の平面図である。
【図3】実施例1の背面図である。
【図4】図1のA−A矢視図である。
【図5】実施例2の側面図である。
【図6】実施例2の正面図である。
【図7】実施例2の図5に示すP−Pから見た平面図で
ある。
【図8】実施例2のキャスタの拡大図である。
【図9】キャスタの中心部が手押しハンドル把持部の中
心部より後方に位置する場合の説明図である。
【図10】図10はキャスタの中心部が手押しハンドル
把持部の中心部より前方に位置する場合の説明図であ
る。
【図11】図9において重鎮が歩行補助車の略中心部よ
り前方に位置する場合の説明図である。
【図12】従来の歩行補助車である。
【符号の説明】
1 歩行補助車 2 下型(梯子型)フレーム 2A 縦フレーム 2B クロスメンバ 2C 補護カバー 2D 床板 3 手押しハンドル 3A 手押しハンドルのクロスメンバ 3B 手押しハンドルの支柱 3C 手押しハンドルの把持部 3D 手押しハンドル内側下部の長孔 4 回転負荷内蔵キャスタ 5 ブレーキシュー 8,9 枢着軸 8A つる巻きばね 9A 長孔 10A、10B リング 11 ブレーキレバー 11A ブレーキレバー把持部 12、12A、12E ブレーキロッド 15(15A、15B、15C) 重鎮 16(16A、16B、16C) 重鎮の把持部 17 掲示板 20 ハンガー 21 荷物篭 30 コイルスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾縣 哲理 山口県光市上島田9丁目18−1 Fターム(参考) 3D050 AA03 BB02 CC05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3ないし10個数の回転負荷内蔵キャス
    タを下型フレームの外縁下部に装着した歩行補助車であ
    って、該下型フレームの略中央部の上面部に下端部を固
    着するとともに、上端部を歩行者側に傾斜した手押しハ
    ンドルの上端部に把持部を設け、該把持部の中心部から
    垂下した仮想鉛直線がキャスタの中心部近傍に位置する
    ように構成したことを特徴とする歩行補助車。
  2. 【請求項2】 前記下型フレームが梯子型フレームであ
    り、手押しハンドル下端取付部を該フレームの前後輪間
    の略中央部もしくは重心部に配設したことを特徴する請
    求項1記載の歩行補助車。
  3. 【請求項3】 前記下型フレームの重心部近傍または前
    方近傍に略対称に複数の重鎮を配設したことを特徴とす
    る請求項1記載の歩行補助車。
  4. 【請求項4】 ブレーキ摺動部が、弾性圧下部材によっ
    て床面に対して常時圧下付勢されており、移動時には手
    押しハンドルに枢着されたレバーを使用者が圧下するこ
    とにより前記圧下付勢が解除されて該ブレーキ摺動部が
    床面より離間し、床面に沿って移動可能となるブレーキ
    装置を備えた請求項1ないし3に記載の歩行補助車。
  5. 【請求項5】 前記弾性圧下部材が、バネおよび/もし
    くはゴムでなる該弾性圧下部材であり、もしくは空圧お
    よび/もしくは液圧式の該弾性圧下部材である請求項4
    記載の歩行補助車。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015173770A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 三協立山株式会社 歩行補助具
JP2020195557A (ja) * 2019-05-31 2020-12-10 パナソニック株式会社 身体補助装置
JP2021075206A (ja) * 2019-11-12 2021-05-20 東芝テック株式会社 カート

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