JP2002354862A - 電動機制御装置 - Google Patents
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Abstract
速応答を可能にする電動機制御装置を提供する。 【解決手段】 指令発生器7、実応答信号θmを提供す
る実観測器6、実指令信号θref と第1スイッチ信号S
k1とに基づいて第1模擬位置信号θF1と第1模擬速度信
号ωF1と第1模擬トルク信号TFF1とを提供する第1フ
ィードフォワード制御部8、実指令信号θref と前記第
1模擬位置信号θF1と第1模擬速度信号ωF1とに基づい
て第1スイッチ信号Sk1と第2スイッチ信号Sk2と第3
スイッチ信号Sk3と第4スイッチ信号Sk4とを提供する
上位制御部13、第4スイッチ信号Sk4と前記実応答信
号θmと実トルク指令Tref とに基づいて第2模擬位置
信号θF2と第2模擬速度信号ωF2と第2模擬トルク信号
TFF2とを提供する第2フィードフォワード制御部1
2、とを設けるものである。
Description
におけるテーブルやロボットのアームのような負荷機械
を駆動する電動機(直流電動機、誘導電動機、同期電動
機、リニアモータなど)の制御装置に関するものであ
る。
アームなどの負荷機械と、前記負荷機械を駆動する直流
電動機、誘導電動機、同期電動機、電磁石、リニアモー
タなどの駆動装置と、前記負荷機械と駆動装置とを連結
する伝達機構とから構成された機械系に対して、第2模
擬トルク信号とトルク指令とを提供するフィードバック
制御系と、第1模擬トルク信号を提供するフィードフォ
ワード制御系とを持った2自由度制御装置が多く使用さ
れている。これらは、例えば、特開平4−119402
号、特開平6−30578号、特開平4−325886
号、特開平3−268103号などに開示されている。
の例を示すブロック図である。図8において、1は負荷
機械、2はトルク伝達機構、3は電動機、4は動力変換
回路であり、以上の負荷機械1〜動力変換回路4で機械
システム5が構成されている。また、20は回転検出
器、21はフィードフォワード信号演算回路、22は位
置制御回路、23は速度制御回路、24はトルク制御回
路である。回転検出器20は、例えば、従来装置におけ
るタコジェネレータのような速度検出器と、エンコーダ
のような位置検出器とから構成されている。また、電動
機3のトルクの制御手段はトルク制御回路24と動力変
換回路4とから構成されている。フィードフォワード信
号演算回路21は、指令発生器7からの回転角指令信号
θmsを受信して、内部で模擬回転角信号θ0、模擬速
度信号ω0、第1模擬トルク信号T0をそれぞれ演算し
て、位置制御回路22に模擬回転角信号θ0を、速度制
御回路23に模擬速度信号ω0を、トルク制御回路24
に第1模擬トルク信号T0をそれぞれ出力するものであ
る。位置制御回路22は、フィードフォワード信号演算
回路21から受信したθ0と回転検出器20からの実回
転角信号θmとの偏差信号を増幅して第1の速度信号ω
1を速度制御回路23に出力する。速度制御回路23は
フィードフォワード信号演算回路21からの模擬速度信
号ω0と位置制御回路22からの第1の速度信号ω1と
回転検出器20からの実速度信号ωmとから第2の模擬
トルク信号T1をトルク制御回路24に出力するもので
ある。動力変換回路4は電動機3の発生する発生トルク
がこの第2の模擬トルク信号T1に追随するように制御
するものである。このように、図8に示した従来の位置
制御装置は、トルク伝達機構2を介して負荷機械1を駆
動する電動機3と、電動機3の回転角指令信号θmsを
入力されて少なくとも2回の積分演算を含む所定の関数
演算により摸擬回転角信号θ0と摸擬速度信号ω0と第
1模擬トルク信号T0とをそれぞれ出力するフィードフ
ォワード信号演算回路21と、電動機3の実回転速度ω
m及び実回転角θmを検出する回転検出器20と、摸擬
回転角信号θ0および回転検出器20から出力された実
回転角信号θmに基づいて第1の速度信号ω1を出力す
る位置制御回路22と、摸擬速度信号ω0と第1の速度
信号ω1と回転検出器20から出力された実速度信号ω
mとに基づいて第2模擬トルク信号T1を出力する速度
制御回路23と、第1模擬トルク信号T0と第2模擬ト
ルク信号T1に基づいて電動機3のトルクを制御するト
ルク制御手段24とを備え、このような構成により、高
速応答の位置制御性能が得られることとなった。
ドフォワード制御系の数値モデルが制御対象と一致する
ことはまれであり、通常、数値モデルと制御対象との間
にモデリング誤差が存在するものである。したがって、
フィードフォワード制御系の状態量は収束したにも関わ
らず、制御対象の実応答にはまだオーバーシュートや残
留振動などが残っているという問題があった。例えば、
図6のような応答である。そのような場合、制御対象の
実応答を改善するために、従来技術では、フィードバッ
ク制御系のゲインを高く設定するまたは数値モデルを設
計し直す(特開平4−325886号、特開平3−26
8103号など)方法しかなかった。ところが、実際の
装置の特性より、フィードバック制御系のゲインを高く
設定するには、限界があり、理想的な応答特性を得られ
ない場合がほとんどである。また、数値モデルを設計し
直す方法では、数値モデルをかなり高い次数(柔軟系の
場合は、無限次まで設定しなければならない)に設定し
なければ、数値モデルを制御対象と一致させることがで
きないので、実際には実現できない場合がほとんどであ
る。本発明の目的は、数値モデルが制御対象を厳密に近
似できない場合においても、良好な制御性能を実現する
電動機制御装置を提供することである。
め、請求項1記載の発明は、以下に述べるような手段を
備えるものである。 1. 実指令信号θref を提供する指令発生器7。 2. 前記機械システム5の状態量を観測し、実応答信
号θmを提供する実観測器6。 3. 前記実指令信号θrefに基づいて、前記機械シス
テム5の特性を考慮し、第1模擬位置信号θF1と第1模
擬速度信号ωF1と第1模擬トルク信号TFF1とを提供す
る第1フィードフォワード制御部8。 4. 前記実指令信号θref と前記第1模擬位置信号θ
F1と第1模擬速度信号ωF1とに基づいて第1スイッチ信
号Sk1と第2スイッチ信号Sk2と第3スイッチ信号Sk3
と第4スイッチ信号Sk4とを提供する上位制御部13。 5. 前記機械システム5の特性を考慮し、前記第4ス
イッチ信号Sk4と前記実応答信号θmと実トルク指令T
ref とに基づいて、第2模擬位置信号θF2と第2模擬速
度信号ωF2と第2模擬トルク信号TFF2とを提供する第
2フィードフォワード制御部12。 6. 前記第2スイッチ信号Sk2と前記第1模擬位置
信号θF1と前記第1模擬速度信号ωF1と前記第2模擬位
置信号θF2と前記第2模擬速度信号ωF2とに基づいて、
フィードフォワード位置指令θFとフィードフォワード
速度指令ωFとを提供するフィードフォワード指令合成
部11。 7. 前記フィードフォワード位置指令θFと前記フィ
ードフォワード速度指令ωFと前記実応答信号θmとに
基づいて、FBトルク信号TFBを提供するFB制御部
9。 8. 前記スイッチ信号Sk3と前記FBトルク信号TFB
と前記第1模擬トルク信号TFF1 と前記第2模擬トルク
信号TFF2 とに基づいて、実トルク指令Tref を提供す
るトルク合成部10。 このように、請求項1記載の発明によれば、第2フィー
ドフォワード制御部と上位制御部とを導入することによ
って、モデリング誤差によるオーバーシュートや残留振
動を減少させることができる。また、フィードフォワー
ド制御部を構成する際に、実現困難な高次なモデルを利
用しなくでも、モデリング誤差によるオーバーシュート
や残留振動を減少させることができる。更に、低い次数
のモデルでフィードフォワード制御部を構成することが
できるので、フィードフォワード制御部のゲイン設定が
容易に実現できると共に、モデリング誤差によるオーバ
ーシュートや残留振動を減少させることができる。
るような手段を備えるものである。 1.複数のフィードフォワード制御系を備えること。こ
のように、本発明請求項2記載の発明によれば、複数の
フィードフォワード制御部を導入することによって、モ
デリング誤差によるオーバーシュートや残留振動を更に
減少させることができる。また、請求項3記載の発明
は、以下に述べるような手段を備えるものである。 1. 複数のフィードフォワード制御系。 2. フィードバック状態量の状況に応じて、一部のフ
ィードフォワード制御系の状態量を設定し直し、複数の
フィードフォワード制御系から一部のフィードフォワー
ド制御系の状態量を選択し、フィードバック制御系へ提
供することを行う上位制御部。このように、請求項3記
載の発明によれば、フィードバック状態量の状況に応じ
て、一部のフィードフォワード制御部の状態量を設定し
直し、複数のフィードフォワード制御部から一部のフィ
ードフォワード制御部の状態量を選択する機能を持たせ
ることによって、モデリング誤差の大きさなどを考慮し
ながら、適切なフィードフォワード信号をフィードバッ
ク側に提供することができるので、モデリング誤差によ
るオーバーシュートや残留振動を更に減少させることが
できる。
うな手段を備えるものである。 1. 実指令信号θref を提供する指令発生器7。 2. 前記機械システム5の状態量を観測し、実応答信
号θmを提供する実観測器6。 3. 前記実指令信号θref に基づいて、前記機械シス
テム5の特性を考慮し、第1模擬位置信号θF1と第1模
擬速度信号ωF1と第1模擬トルク信号TFF1 とを提供す
るフィードフォワード制御部16。 4. 第1模擬位置信号θF1と第1模擬速度信号ωF1と
第1模擬トルク信号TFF1 と前記実応答信号θmとに基
づいて、実トルク指令Tref を提供するFB制御部1
4。 5. 前記実指令信号θref と前記第1模擬位置信号θ
F1と第1模擬速度信号ωF1との状況に応じて、前記フィ
ードフォワード制御部16の状態量を設定し直し、前記
フィードフォワード制御部16を適時に起動するように
前記フィードフォワード制御部16を制御する上位制御
部15。このように、請求項4記載の発明によれば、最
低限の計算量やソフト量で、モデリング誤差によるオー
バーシュートや残留振動を減少させることが実現でき
る。
ら4のいずれか1項記載の電動機制御装置において、以
下に述べるような手段を備えるものである。 1. 模擬トルク信号を提供する模擬制御部。 2. 模擬状態量を提供する数値モデル。 このように、請求項5記載の発明によれば、フィードフ
ォワード制御系と数値モデルとを用いてフィードフォワ
ード制御部を構成することによって、数値モデルを構築
する際にトルクリミットや摩擦などの非線形特性などの
考慮が容易にでき、より精密フィードフォワード制御系
を構成することができるので、モデリング誤差によるオ
ーバーシュートや残留振動をより効果的に減少させるこ
とができる。また、請求項6記載の発明は、請求項1か
ら5のいずれか1項記載の電動機制御装置において、以
下に述べるような手段を備えるものである。 1.複数のプロセッサで前記電動機制御装置を構成する
手段。 このように、請求項6記載の発明によれば、複数のプロ
セッサで本発明を構成することによって、本電動機制御
装置の計算時間を大幅に減らすことができるので、従来
の電動機制御装置に現れる振動やオーバーシュートを防
ぐことができると共に、より高速な応答特性を得られ
る。
について図1を参照しながら詳細に説明する。図1は、
本発明の実施の形態1の全体を示すブロック図である。
図1において、1は負荷機械、2はトルク伝達機構、3
は電動機、4は動力変換回路であり、以上の負荷機械1
〜動力変換回路4で機械システム5が構成されている。
6は機械システム5の状態量を観測し、実応答信号θm
を提供する実観測器、7は指令信号θref を提供する指
令発生器、8は実指令信号θrefに基づいて、第1模擬
位置信号θF1と第1模擬速度信号ωF1と第1模擬トルク
信号TFF1 とを提供する第1フィードフォワード制御
部、9はフィードフォワード位置指令θFとフィードフ
ォワード速度指令ωFと実応答信号θmとに基づいてF
Bトルク信号TFBを提供するFB制御部、10はスイッ
チ信号Sk3とFBトルク信号TFBと第1模擬トルク信号
TFF1 と第2模擬トルク信号TFF2 とに基づいて実トル
ク指令Tref を提供するトルク合成部、11は第2スイ
ッチ信号Sk2と第1模擬位置信号θF1と第1模擬速度信
号ωF1と第2模擬位置信号θF2と第2模擬速度信号ωF2
とに基づいて、フィードフォワード位置指令θFとフィ
ードフォワード速度指令ωFとを提供するフィードフォ
ワード指令合成部、12は第4スイッチ信号Sk4と実応
答信号θmと実トルク指令Tref とに基づいて、第2模
擬位置信号θF2と第2模擬速度信号ωF2と第2模擬トル
ク信号TFF2 とを提供する第2フィードフォワード制御
部、13は実指令信号θref と第1模擬位置信号θF1と
第1模擬速度信号ωF1とに基づいて第2スイッチ信号S
k2と第3スイッチ信号Sk3と第4スイッチ信号Sk4とを
提供する上位制御部である。このように、本発明の実施
の形態の電動機制御装置によれば、指令信号θrefを提
供する指令発生器7と、機械システム5の状態量を観測
して実応答信号θmを提供する実観測器6と、実指令信
号θref に基づいて機械システム5の特性を考慮し第1
模擬位置信号θF1と第1模擬速度信号ωF1と第1模擬ト
ルク信号TFF1 とを提供する第1フィードフォワード制
御部8と、実指令信号θref と第1模擬位置信号θF1お
よび第1模擬速度信号ωF1とに基づいて第2スイッチ信
号Sk2と第3スイッチ信号Sk3と第4スイッチ信号Sk4
とを提供する上位制御部13と、機械システム5の特性
を考慮し第4スイッチ信号Sk4と実応答信号θmと実
トルク指令Tref とに基づいて第2模擬位置信号θF2と
第2模擬速度信号ωF2と第2模擬トルク信号TFF2 とを
提供する第2フィードフォワード制御部12と、第2ス
イッチ信号Sk2と第1模擬位置信号θF1と第1模擬速度
信号ωF1と第2模擬位置信号θF2と第2模擬速度信号ω
F2とに基づいてフィードフォワード位置指令θFとフィ
ードフォワード速度指令ωFとを提供するフィードフォ
ワード指令合成部11と、フィードフォワード位置指令
θFとフィードフォワード速度指令ωFと実応答信号θ
mとに基づいてFBトルク信号TFBを提供するFB制御
部9と、スイッチ信号Sk3とFBトルク信号TFBと第1
模擬トルク信号TFF1 と第2模擬トルク信号TFF2 とに
基づいて実トルク指令Tref を提供するトルク合成部1
0と、から構成されている。実観測器6と指令発生器7
とは従来装置のものと同一である。θref は指令発生器
7から生成された実指令信号である。θmは実観測器6
から生成された実応答信号である。第1フィードフォワ
ード制御部8は、実指令信号θref に基づいて、機械シ
ステム5の特性を考慮し、第1模擬位置信号θF1と第1
模擬速度信号ωF1と第1模擬トルク信号TFF1 とを提供
するものであり、例えば、図3のように構成することが
できる。
ド制御部で、第1フィードフォワード制御部8は、第1
フィーフォワード制御系8aと第1数値モデル8bとか
ら構成されている。第1フィーフォワード制御系8a
は、実指令信号θref と第1模擬状態量θF1とに基づい
て第1模擬トルク信号TFF1 を第1数値モデル8b等に
提供する。第1数値モデル8bは第1模擬トルク信号T
FF1に基づいて第1模擬状態量を提供する。第2フィー
ドフォワード制御部12は、第4スイッチ信号Sk4が立
ち上がる時点で、実応答信号θmと実トルク指令Tref
とに基づいて、その内部状態量を設定し、第2模擬位置
信号θF2と第2模擬速度信号ωF2と第2模擬トルク信号
TFF2 とを提供するものであり、例えば、図4のように
構成することができる。図4に示すように、第2フィー
ドフォワード制御部12が、第2模擬状態量に基づいて
第2模擬トルク信号を提供する第2フィーフォワード制
御系12aと、第2模擬トルク信号に基づいて第2模擬
状態量を提供する第2数値モデル12bと、第4スイッ
チ信号Sk4が立ち上がる時点で第2数値モデル12bの
第2模擬状態量を設定する状態量設定部12cと、から
構成されている。
ID制御系のように構成すれば良い。第2数値モデル1
2bは、通常は、次のような計算を行う。 θF2(k+1)=θF2(k)+ωF2(k)*ts ・・・・(1) ωF2(k+1)=ωF2(k)+TFF2(k)/Jm ・・・・(2) ただし、第4スイッチ信号Sk4の立ち上がる時点においては、 θF2(k+1)=θm(k) ・・・・(3) ωF2(k+1)=(θm(k)−θm(k−1))/ts +Tref(k)/Jm*ts ・・・・(4) ような計算を行う。ただし、tsはサンプル時間、k*
tsは時間、Jmはイナ―シャである。フィードフォワ
ード指令合成部11は、通常、第1模擬位置信号θF1と
第1模擬速度信号ωF1とをフィードフォワード位置指令
θFとフィードフォワード速度指令ωFとし、フィード
バック制御系へ出力する。第2スイッチ信号Sk2が立ち
上がった時、第2模擬位置信号θF2と第2模擬速度信号
ωF2とをフィードフォワード位置指令θFとフィードフ
ォワード速度指令ωFとし、フィードバック制御系へ出
力する。トルク合成部10は、通常、FBトルク信号T
FBと第1模擬トルク信号TFF1との和を実トルク指令Tr
ef として出力する。ただし、第3スイッチ信号Sk3
の立ち上がり時は、第2模擬トルク信号TFF2 との和を
実トルク指令Tref として出力する。フィードバック制
御部は従来のものでもよい。また、オブザーバを利用し
たフィードバック制御部でもよい。上位制御部13は、
実指令信号θref と第1模擬位置信号θF1と第1模擬速
度信号ωF1とに基づいて第1スイッチ信号Sk1と第2ス
イッチ信号Sk2と第3スイッチ信号Sk3と第4スイッチ
信号Sk4とを提供する。
との誤差が10パルス以内に収束したかどうかを確認す
る。 Step3.第1模擬位置信号θF1と実指令信号θref
との誤差が10パルス以内に収束した場合、Sk2,Sk
3,Sk4を1に設定する。否であれば、Step2に戻
る。 Step4.一定の時間後に、Step1に戻る。 このように、第2フィードフォワード制御部12と上位
制御部13の導入により、図7に示す応答特性を得られ
るので、従来の技術と比べて、モデリング誤差によるオ
ーバーシュートや残留振動を減少させることができる。
また、第2フィードフォワード制御部12と上位制御部
13の導入により、フィードフォワード制御部を構成す
る際に、実現困難な高次なモデルを利用しなくても、モ
デリング誤差によるオーバーシュートや残留振動を減少
させることができる。さらに、第2フィードフォワード
制御部12と上位制御部13の導入により、低い次数の
モデルでフィードフォワード制御部を構成することがで
きるので、フィードフォワード制御部のゲイン設定が容
易に実現できると共に、モデリング誤差によるオーバー
シュートや残留振動を減少させることができる。
態2について詳細に説明する。実施の形態2は複数のフ
ィードフォワード制御部を導入するものである。図1に
示すフィードフォワード制御部の数を追加する具体的な
構成は前記第1の実施の形態の記載から当業者に容易に
できるので、その構成に関する記述は省略する。そこで
例えば、3つのフィードフォワード制御部を有する場
合、まず、第1フィードフォワード制御部に通常動作を
行なわせる。次に、第1フィードフォワード制御部が収
束した時点で、実応答信号θmと実トルク指令信号Tre
f とを用いて、第2のフィードフォワード制御部を動作
させる。次に、第2のフィードフォワード制御部が収束
した時点で、実応答信号θmと実トルク指令信号Tref
とを用いて、第3のフィードフォワード制御部を動作さ
せる。第4、第5、・・・等のフィードフォワード制御
部も同様にして動作させることができる。以上の構成に
より、モデリング誤差によるオーバーシュートや残留振
動を更に減少させることができる。
態3について詳細に説明する。3つのフィードフォワー
ド制御部を有する場合、まず、第1フィードフォワード
制御部を通常動作させる。次に、第1フィードフォワー
ド制御部が収束した時点で、実応答信号θmとθF1との
誤差が100パルス以上であれば、実応答信号θmと実
トルク指令信号Tref とを用いて、第2のフィードフォ
ワード制御部を動作させる。第1フィードフォワード制
御部が収束した時点で、実応答信号θmとθF1との誤差
が、例えば、100パルス以内であれば、実応答信号θ
mと実トルク指令信号Tref とを用いて、第3のフィー
ドフォワード制御部を動作させる。このように、残留誤
差の大きさに応じて、複数のフィードフォワード制御部
から、適切なフィードフォワード指令を生成することが
できるので、オーバーシュートや残留振動をより効果的
に減らすことができる。
態4について図2を参照しながら詳細に説明する。図2
は、本発明の実施の形態4の全体を示すブロック図であ
る。図2において、1は負荷機械、2はトルク伝達機
構、3は電動機、4は動力変換回路であり、以上の負荷
機械1〜動力変換回路4で機械システム5が構成されて
いる。6は機械システム5の状態量を観測し、実応答信
号θmを提供する実観測器、7は指令信号θref を提供
する指令発生器、14はフィードフォワード位置指令θ
F1とフィードフォワード速度指令ωF1と第1模擬トルク
信号TFF1 と実応答信号θmと、に基づいてトルク指令
Tref を提供するフィードバック制御部、15は実指令
信号θref と第1模擬位置信号θF1と第1模擬速度信号
ωF1とに基づいて第1スイッチ信号Sk1を提供する上位
制御部、16は実指令信号θrefと第1スイッチ信号Sk
1とに基づいて、第1模擬位置信号θF1と第1模擬速度
信号ωF1と第1模擬トルク信号TFF1 とを提供するフィ
ードフォワード制御部である。このように、本発明の実
施の形態に係る電動機制御装置は、実指令信号θrefを
提供する指令発生器7と、機械システム5の状態量を観
測し実応答信号θmを提供する実観測器6と、実指令信
号θref に基づいて機械システム5の特性を考慮し第1
模擬位置信号θF1と第1模擬速度信号ωF1と第1模擬ト
ルク信号TFF1とを提供するフィードフォワード制御部
16と、第1模擬位置信号θF1と第1模擬速度信号ωF1
と第1模擬トルク信号TFF1 と実応答信号θmとに基づ
いて実トルク指令Tref を提供するFB制御部14と、
実指令信号θref と第1模擬位置信号θF1と第1模擬速
度信号ωF1との状況に応じてフィードフォワード制御部
16の状態量を設定し直しフィードフォワード制御部1
6を再び起動するようにフィードフォワード制御部16
を制御する上位制御部15と、から構成されている。指
令発生器7は従来装置のものと同一である。FB制御部
14は前記のように構成すれば良い。フィードフォワー
ド制御部16は図5のように構成されている。図5に示
すように、フィードフォワード制御部16は、実指令信
号θref と模擬状態量とに基づいて、第1模擬トルク信
号TFF1を提供するフィードフォワード制御系16a
と、第1模擬トルク信号TFF1 に基づいて、模擬状態量
を提供する数値モデル16bと、実応答信号θmと実ト
ルク指令Tref と第1スイッチ信号Sk1とに基づいて、
数値モデル16bの状態量を設定する状態量設定部16
cと、から構成されている。フィーフォワード制御系1
6aは、PID制御系のように構成すれば良い。数値モ
デル16bは、通常は、次のような計算を行う。 θF1(k+1)=θF1(k)+ωF1(k)*ts ・・・(5) ωF1(k+1)=ωF1(k)+TFF1(k)/Jm・・・(6) ただし、第1スイッチ信号Sk1の立ち上がる時点では、 θF1(k+1)=θm(k) ・・・(7) ωF1(k+1)=(θm(k)−θm(k−1))/ts +Tref(k)/Jm*ts ・・・(8) ような計算を行う。ただし、tsはサンプル時間、k*
tsは時間、Jmはイナ―シャである。その後、
(5)、(6)式の計算を行う。上位制御部15は、次
のように動作する。 Step1.Sk1を0に設定する。 Step2.第1模擬位置信号θF1と実指令信号θref
との誤差が10パルス以内に収束したかどうかを確認す
る。 Step3.第1模擬位置信号θF1と実指令信号θref
との誤差が10パルス以内に収束した場合、Sk1を1に
設定する。否であれば、Step2に戻る。 Step4.一定の時間後に、Step1に戻る。 このように、フィードフォワード制御系と数値モデルと
を用いて、フィードフォワード制御部を構成することに
よって、数値モデルを構築する際に非線形特性などを考
慮すれば、より簡単にフィードフォワード制御系を構成
することができるので、モデリング誤差によるオーバー
シュートや残留振動をより効果的に減少させることがで
きることとなる。
示す、上位制御部13と、第1フィードフォワード制御
部8と、フィードフォワード指令合成部11と、第2フ
ィードフォワード制御部12と、フィードバック制御部
9と、そしてトルク合成部10とを別々のプロセッサで
構成するものである。このように、別々のプロセッサで
構成することによって、本電動機制御装置の計算時間を
大幅に減らすことができるので、従来の電動機制御装置
に現れる振動やオーバーシュートを防ぐことができると
共に、より高速な制御性能を得られる。
の効果が奏する。 1. 第2フィードフォワード制御部12と上位制御部
13の導入により、図7に示す応答特性を得られるの
で、従来の技術と比べて、モデリング誤差によるオーバ
ーシュートや残留振動を減少させることができる。 2. 第2フィードフォワード制御部12と上位制御部
13の導入により、フィードフォワード制御部を構成す
る際に、実現困難な高次なモデルを利用しなくても、モ
デリング誤差によるオーバーシュートや残留振動を減少
させることができる。 3. 第2フィードフォワード制御部12と上位制御部
13の導入により、低い次数のモデルでフィードフォワ
ード制御部を構成することができるので、フィードフォ
ワード制御部のゲイン設定が容易に実現できると共に、
モデリング誤差によるオーバーシュートや残留振動を減
少させることができる。 4. 複数のフィードフォワード制御部を導入すること
によって、モデリング誤差によるオーバーシュートや残
留振動を更に減少させることができる。 5. フィードバック状態量の状況に応じて、一部のフ
ィードフォワード制御部の状態量を設定し直し、複数の
フィードフォワード制御部から一部のフィードフォワー
ド制御部の状態量を選択する機能を持たせることによっ
て、モデリング誤差の大きさなどを考慮しながら、適切
なフィードフォワード信号をフィードバック側に提供す
ることができる。よって、モデリング誤差によるオーバ
ーシュートや残留振動を更に減少させることができる。 6. 最低限の計算量やソフト量で、モデリング誤差に
よるオーバーシュートや残留振動を減少させることが実
現できる。 7. フィードフォワード制御系と数値モデルとを用い
て、フィードフォワード制御部を構成することによっ
て、数値モデルを構築する際に非線形特性などを考慮す
れば、より簡単にフィードフォワード制御系を構成する
ことができるので、モデリング誤差によるオーバーシュ
ートや残留振動をより効果的に減少させることができ
る。 8. 複数のプロセッサで構成することによって、本電
動機制御装置の計算時間を大幅に減らすことができるの
で、従来の電動機制御装置に現れる振動やオーバーシュ
ートを防ぐことができると共に、より高速な制御性能を
得られる。
である。
である。
を示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
示すブロック図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 負荷機械と、動力を伝達する伝達機構
と、前記伝達機構を介して前記負荷機械を駆動する電動
機と、トルク指令Tref に基づいて前記電動機を駆動す
る電力を与える動力変換回路と、を有する機械システム
に対して、前記機械システムが所望の動きとなるよう
に、前記動力変換回路に適正なトルク指令Tref を与え
る電動機制御装置において、 実指令信号θref を提供する指令発生器と、 前記機械システムの状態量を観測し、実応答信号θmを
提供する実観測器と、 前記実指令信号θref に基づいて、前記機械システムの
特性を考慮し、第1模擬位置信号θF1と第1模擬速度信
号ωF1と第1模擬トルク信号TFF1とを提供する第1フ
ィードフォワード制御部と、 前記実指令信号θref と前記第1模擬位置信号θF1と第
1模擬速度信号ωF1とに基づいて第2スイッチ信号Sk2
と第3スイッチ信号Sk3と第4スイッチ信号Sk4とを提
供する上位制御部と、 前記機械システムの特性を考慮し、前記第4スイッチ信
号Sk4と前記実応答信号θmと実トルク指令Tref とに
基づいて、第2模擬位置信号θF2と第2模擬速度信号ω
F2と第2模擬トルク信号TFF2 とを提供する第2フィー
ドフォワード制御部と、 前記第2スイッチ信号Sk2と前記第1模擬位置信号θF1
と前記第1模擬速度信号ωF1と前記第2模擬位置信号θ
F2と前記第2模擬速度信号ωF2とに基づいて、フィード
フォワード位置指令θFとフィードフォワード速度指令
ωFとを提供するフィードフォワード指令合成部と、 前記フィードフォワード位置指令θFと前記フィードフ
ォワード速度指令ωFと前記実応答信号θmとに基づい
て、FBトルク信号TFBを提供するFB制御部と、 前記スイッチ信号Sk3と前記FBトルク信号TFBと前
記第1模擬トルク信号TFF1 と前記第2模擬トルク信号
TFF2 とに基づいて、実トルク指令Tref を提供するト
ルク合成部と、を備えたことを特徴とする電動機制御装
置。 - 【請求項2】 負荷機械と、動力を伝達する伝達機構
と、前記伝達機構を介して前記負荷機械を駆動する電動
機と、トルク指令Tref に基づいて前記電動機を駆動す
る電力を与える動力変換回路と、を有する機械システム
に対して、前記機械システムが所望の動きとなるよう
に、前記動力変換回路に適正なトルク指令Tref を与え
る電動機制御装置において、 複数のフィードフォワード制御系を備えることを特徴と
する電動機制御装置。 - 【請求項3】 負荷機械と、動力を伝達する伝達機構
と、前記伝達機構を介して前記負荷機械を駆動する電動
機と、トルク指令Tref に基づいて前記電動機を駆動す
る電力を与える動力変換回路と、を有する機械システム
に対して、前記機械システムが所望の動きとなるよう
に、前記動力変換回路に適正なトルク指令Tref を与え
る電動機制御装置において、 複数のフィードフォワード制御系と、 フィードバック状態量の状況に応じて、一部のフィード
フォワード制御系の状態量を設定し直し、複数のフィー
ドフォワード制御系から一部のフィードフォワード制御
系の状態量を選択し、フィードバック制御系へ提供する
ことを行う上位制御部と、を備えることを特徴とする電
動機制御装置。 - 【請求項4】 負荷機械と、動力を伝達する伝達機構
と、前記伝達機構を介して前記負荷機械を駆動する電動
機と、トルク指令Tref に基づいて前記電動機を駆動す
る電力を与える動力変換回路と、を有する機械システム
に対して、前記機械システムが所望の動きとなるよう
に、前記動力変換回路に適正なトルク指令Tref を与え
る電動機制御装置において、 実指令信号θref を提供する指令発生器と、 前記機械システムの状態量を観測し、実応答信号θmを
提供する実観測器と、 前記実指令信号θref に基づいて、前記機械システムの
特性を考慮し、第1模擬位置信号θF1と第1模擬速度信
号ωF1と第1模擬トルク信号TFF1 とを提供するフィー
ドフォワード制御部と、 第1模擬位置信号θF1と第1模擬速度信号ωF1と第1模
擬トルク信号TFF1 と前記実応答信号θmとに基づい
て、実トルク指令Tref を提供するFB制御部と、 前記実指令信号θref と前記第1模擬位置信号θF1と第
1模擬速度信号ωF1との状況に応じて、前記フィードフ
ォワード制御部の状態量を設定し直し、前記フィードフ
ォワード制御部を適時に起動するように前記フィードフ
ォワード制御部を制御する上位制御部と、を備えたこと
を特徴とする電動機制御装置。 - 【請求項5】 各フィードフォワード制御系が、模擬ト
ルク信号を提供する模擬制御部と、模擬状態量を提供す
る数値モデルと、を備えたことを特徴とする請求項1〜
4のいずれか1項記載の電動機制御装置。 - 【請求項6】 複数のプロセッサで前記電動機制御装置
を構成する手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5
のいずれか1項記載の電動機制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001151192A JP4696396B2 (ja) | 2001-05-21 | 2001-05-21 | 電動機制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001151192A JP4696396B2 (ja) | 2001-05-21 | 2001-05-21 | 電動機制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002354862A true JP2002354862A (ja) | 2002-12-06 |
JP4696396B2 JP4696396B2 (ja) | 2011-06-08 |
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ID=18996083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH075904A (ja) * | 1991-07-16 | 1995-01-10 | Toshiba Corp | ニューラルネットワーク制御装置 |
JPH0749702A (ja) * | 1993-08-05 | 1995-02-21 | Toshiba Corp | ファジィ推論機能付き制御装置 |
JP2000092882A (ja) * | 1998-09-18 | 2000-03-31 | Yaskawa Electric Corp | 2慣性系の位置制御装置 |
-
2001
- 2001-05-21 JP JP2001151192A patent/JP4696396B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH075904A (ja) * | 1991-07-16 | 1995-01-10 | Toshiba Corp | ニューラルネットワーク制御装置 |
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JP2000092882A (ja) * | 1998-09-18 | 2000-03-31 | Yaskawa Electric Corp | 2慣性系の位置制御装置 |
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JP4696396B2 (ja) | 2011-06-08 |
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