JP2002353727A - 開口面アンテナおよび開口面アンテナ付き基板 - Google Patents
開口面アンテナおよび開口面アンテナ付き基板Info
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Abstract
も良好な特性を得ることができ、直列給電方式のアンテ
ナであっても反射損失を抑制しつつ高い寸法精度を要し
ない直線偏波や円偏波の開口面アンテナやアンテナ基板
を得る。 【解決手段】円柱型誘電体1aの側面が電磁波遮蔽体で
覆われ、かつ高周波信号を空間に放射するための開口部
3を有する円柱型誘電体共振器1と、円柱型誘電体共振
器1に給電するための導波管または誘電体導波管2と、
を具備し、導波管または誘電体導波管3のH面導体表面
に円柱型誘電体共振器1を搭載するとともに、導波管ま
たは誘電体導波管2のH面導体内の前記円柱型誘電体共
振器1の開口部31の中心と対向する位置に略円形また
は多角形状の結合孔32を形成し、結合孔32を介して
高周波信号を前記導波管または誘電体導波管2から円柱
型誘電体共振器1に給電してなる。
Description
波信号を用いる無線通信に適した開口面アンテナに関
し、特に直列給電用の開口面アンテナと、これを内蔵し
た開口面アンテナ付き基板に関するものである。
ンテナ素子としては、スロットアンテナ、パッチアンテ
ナ等がある。これらは構造が簡単なため広く用いられて
おり、給電線にマイクロストリップ線路、導波管線路等
を用いたものが提案されている。
ーアンテナの給電方式には並列給電と直列給電方式とが
あるが、周波数が高くなると給電線の伝送損失が問題と
なるため、多くの場合、直列給電方式が採用されてい
る。並列給電方式の場合、スロットアンテナやパッチア
ンテナの素子は最大の放射が得られるようにスロットや
パッチが共振サイズに設定されるが、直列給電方式の場
合には、給電端側から徐々に電磁波が放射されるように
するために、スロットやパッチを共振サイズより小さく
設定して放射量が調整される。
偏波とがあるが、無線通信装置の場合、壁等からの反射
波の影響を抑えるために、円偏波アンテナが用いられる
ことが多い。これは、直線偏波の場合、反射波をまとも
に拾ってしまうのに対し、円偏波の場合には、例えば、
右旋円偏波を放射した場合には反射波は左旋円偏波とな
るため、壁等からの一次反射波を拾うことがないためで
ある。
の給電線における導体壁に電磁波の進行方向と平行及び
直交方向にスロットを形成することにより実現されてい
る。またパッチアンテナは、長方形型や楕円型のパッチ
によって実現されている。
ック基板で作製することが検討されている。従来、多く
は良好なアンテナ特性を得るために、比誘電率の低い樹
脂製の基板が用いられてきたが、基板の熱膨張率が大き
いためにMMIC等を封止したパッケージを直接実装で
きず、コストアップにつながっていた。
セラミック基板で作ることにより、直接パッケージ等を
実装したり形成したキャビティ中に半導体素子を収納す
ることが可能となり、高信頼性化及び低コスト化が可能
となる。
トアンテナやパッチアンテナの場合、一般に周波数帯域
が狭いため製造上寸法精度が厳しい。特にミリ波帯では
アンテナのサイズが小さすぎて製造しにくいものとな
る。例えば、スロットアンテナに所望の周波数で電磁波
を放射させるためにはスロットの寸法精度を1%以内程
度にする必要があり、誘電体基板上に厚膜印刷法により
スロットを形成する方法では、その寸法精度を満たすこ
とが困難であるという問題があった。
9017号に開示されているように、空間共振器をアン
テナ素子として用い、この素子と給電線路との結合を所
定のスロットで行うことにより、アンテナ素子やスロッ
トサイズに必要な寸法精度を緩和させている。しかし、
スロットの幅はどうしても十数μmと小さくなるため、
厚膜印刷法によりスロットを形成する場合、導電性イン
クの垂れこみによってスロット幅が変動し、その結果、
特性の劣化が生じるという問題点があった。
によって高周波信号として円偏波を放射しようとする場
合には、軸比が3dB以内となる周波数を所望の値とし
て設定する必要があるが、その3dB以内となる周波数
帯域が1%程度と非常に狭いために、スロットやパッチ
を非常に高い寸法精度で形成しなければならないという
問題があった。
では、空間共振器と導波管からなる給電線とを十字型の
スロットによって結合した構造が提案されている。この
構造によれば、パッチアンテナ素子やスロットサイズに
要求される寸法精度よりも寸法精度を緩和させることが
でき、軸比が3dB以内となる周波数帯域が2.4%程
度に改善されるものの、導電性インクの垂れこみにより
十字型のスロットの寸法精度が低下し、ばらつきが大き
いという問題点があった。
やパッチアンテナである直列給電方式の場合には、放射
量調整のために、共振長からスロットやアンテナのサイ
ズををさらに小さくする必要があり、上述の精度面の問
題があるばかりでなく、反射損失の問題もあった。一般
に給電線にアンテナ素子を形成することにより、そこで
インピーダンスの変化が発生し、反射波が発生する。直
列給電方式のアンテナ素子の間隔は各アンテナ素子から
放射される電磁波の位相を同位相とするために、1伝播
波長とすることが望ましいが、この場合、前述した反射
波が僅かであっても各反射波全てが同位相で重なり合う
ため、入力ポート部では大きな反射損失となってしま
う。これを避けるために、故意にアンテナ素子間隔を1
伝播波長からずらし、反射損失を低減する手法がある。
しかし、この手法では、各アンテナ素子から放射される
電磁波の位相がずれるため、放射ビームは斜め方向にず
れてしまうという問題点もあった。
案出されたものであり、その目的は、アンテナ製造上の
寸法精度が数%程度であっても、所望の周波数において
良好な特性を得る事ができ、また、直列給電方式のアン
テナであっても反射損失を抑制しつつ、さらに、セラミ
ック等の高誘電率基板でアンテナを形成しても高い寸法
精度を要しない直線偏波や円偏波の開口面アンテナと、
開口面アンテナ付き基板を提供することにある。
点に対して検討を重ねた結果、上部に開口部が形成さ
れ、側面が金属壁などの電磁波遮蔽体によって覆われ、
下部に略円形または多角形状の結合孔が形成された円柱
型誘電体共振器を、導波管または誘電体導波管で給電す
ることで、高い寸法精度を要しないアンテナが得られる
ことを見出した。また、給電線である導波管または誘電
体導波管の内部に、反射を抑制する構造を形成すること
により、アンテナとの結合により発生する給電線内部の
反射波を抑制できることを見出した。さらに、結合孔の
位置を誘電体導波管の中心軸上に形成することにより直
線偏波を、また中心軸上からずらした位置に形成するこ
とにより円偏波を容易に放射させることができることを
見出した。またさらに、複数の円柱型誘電体共振器を1
つの導波管または誘電体導波管で給電する直列給電方式
において、結合孔のサイズ、誘電体共振器の開口部の
径、誘電体共振器の径を調整して放射量を調整し、全体
の放射パターンを制御することができることを見出し
た。
誘電体導波管を、貫通導体群や導体パターン群を用い、
誘電体基板内に内蔵したアンテナ基板ができることを見
出すことにより、このアンテナ基板の裏面に、増幅器等
の機能素子を直接実装して高機能化したり、裏面に半導
体素子を収納するキャビティを形成してアンテナ一体型
モジュールが実現でき、またアンテナ基板を低温焼成の
セラミックスによって形成することによって、抵抗の低
い銅や銀の導体層を用いることができるため優れた特性
のアンテナが得られることを見出した。
誘電体の側面の全部または一部が電磁波遮蔽体で覆わ
れ、かつ高周波信号を空間に放射するための開口部を有
する円柱型誘電体共振器と、該円柱型誘電体共振器に給
電するための導波管または誘電体導波管と、を具備し、
前記導波管または誘電体導波管のH面導体表面に前記円
柱型誘電体共振器を搭載するとともに、前記導波管また
は誘電体導波管のH面導体内の前記円柱型誘電体共振器
の開口部の中心と対向する位置に略円形または多角形状
の結合孔を形成し、該結合孔を介して高周波信号を前記
導波管または誘電体導波管から円柱型誘電体共振器に給
電してなることを特徴とするものである。
周波信号の誘電体中の自由空間信号波長をλとしたと
き、前記円柱型誘電体共振器の厚みをλ/4〜λ/2と
することが望ましく、さらには、前記導波管または誘電
体導波管内の結合孔の下部に位置する導波管または誘電
体導波管内に、反射を抑制する構造部を形成することに
よって特性の向上を図ることができる。
状であり、該結合孔の中心を前記導波管または誘電体導
波管の中心軸上に位置させることによって直線偏波を放
射させることができる。
であり、該結合孔の中心を前記導波管または誘電体導波
管の中心軸からずれた位置に設けることによってあり、
円偏波を放射させることができる。特に、前記導波管ま
たは誘電体導波管の幅をwとしたとき、前記結合孔の中
心が前記導波管または誘電体導波管の中心軸からw/8
〜3w/8ずれた位置にあることが望ましい。
よび短軸との比をRとしたとき、Rが0.86〜0.9
7であることが最適である。
記導波管または誘電体導波管のH面導体表面に、複数の
前記円柱型誘電体共振器を概ね1管内波長間隔をもって
搭載し、前記導波管または誘電体導波管によりすべての
円柱型誘電体共振器に直列給電して直列給電方式の開口
面アンテナを形成することができる。その場合、前記複
数の直列給電された円柱型誘電体共振器における結合孔
の大きさ、円柱型誘電体共振器の開口部の大きさ、円柱
型誘電体共振器の径の大きさを変えることにより放射量
を調整し、全体の放射パターンを制御することができ
る。
積層された誘電体基板内に、高周波信号を伝送可能な誘
電体導波管構造体と、円柱型誘電体の側面の全部または
一部が電磁波遮蔽壁によって覆われ、かつ高周波信号を
空間に放射するための開口部を有する円柱型誘電体共振
器構造体とを具備し、前記誘電体導波管構造体のH面導
体上に前記円柱型誘電体共振器構造体の下面が結合する
ように配置してなり、前記誘電体導波管構造体のH面導
体内の前記円柱型誘電体共振器構造体の開口部の中心と
対向する位置に略円形または多角形状の結合孔を形成
し、該結合孔を介して高周波信号を前記誘電体導波管構
造体から円柱型誘電体共振器構造体に給電してなること
を特徴とするもので、これにより開口面アンテナ多層基
板内に形成することができる。
構造体が、上部主導体層および下部主導体層と、所定間
隔をもって前記上部主導体層と前記下部主導体層とを電
気的に接続する複数の貫通導体から成る電磁波遮蔽壁と
で囲まれてなり、また、前記複数の貫通導体が、上部主
導体層と下部主導体層間において該主導体層と平行に設
けられた副導体層によって電気的に接続されてなること
が望ましい。
前記誘電体基板の表面に形成された開口部を有する上部
主導体層と、前記開口部と対向する位置に形成された下
部主導体層と、前記開口部周囲の前記誘電体基板内に形
成され所定間隔をもって前記上部主導体層と前記下部主
導体層とを電気的に接続する複数の貫通導体と、前記上
部主導体層と前記下部主導体層間において該主導体層と
平行に設けられ且つ前記複数の貫通導体を電気的に接続
する副導体層とからなるアンテナ導体壁とで囲まれてな
ることを特徴とする。
面に、少なくとも1つの信号増幅器を実装したり、前記
誘電体基板の裏面に、スイッチ、サーキュレータおよび
ダイプレクサの群から選ばれる少なくとも1種を実装し
たり、前記誘電体基板の裏面に、半導体素子を収納する
ためのキャビティを形成することができる。
ックスからなることによって低抵抗の金属によって各種
導体層を形成することができるために、高周波信号の伝
送に対して好適である。
ナ素子を誘電体共振器によって構成することでアンテナ
素子のサイズを大きくでき、また略円形または多角形状
の結合孔により給電することで、結合孔の寸法精度が放
射周波数に与える影響を緩和することができる。また、
給電線を導波管または誘電体導波管とし、導波管または
誘電体導波管と誘電体共振器の上記結合孔との位置を調
整することにより、直線偏波、右旋円偏波、左旋円偏波
を容易に放射させることができる。
は誘電体導波管と多数の誘電体共振器を結合する場合、
各誘電体共振器の径やその開口部の径または結合孔のサ
イズを調整することにより容易に放射量を調整できるの
で、所望の放射パターンを形成できる。また、あるアン
テナ素子の放射量が大きい時でもインピーダンスの不整
合により生じる反射損失を、誘電体導波管中に形成した
反射抑制構造により低減できるので、良好なアンテナ特
性を得ることができる。
した貫通導体群や誘電体層表面に形成した導体パターン
群を用いることにより、上記アンテナ素子の誘電体共振
器や給電線の誘電体導波管を誘電体基板内に形成できる
ので、このアンテナ基板の裏面に、増幅器等の機能素子
を直接実装して高機能化したり、スイッチまたはサーキ
ュレータまたはダイプレクサを実装または内蔵して送受
共用のアンテナ基板としたり、さらには、裏面に半導体
素子を収納するキャビティを形成してアンテナ一体型モ
ジュールを形成することができる。
ラミックスによって形成することによって、導体パター
ンや垂直導体などを抵抗の低い銅や銀の導体によって形
成できるために、優れたアンテナ特性が得られる。
ついて図面を参照して説明する。まず、図1は、本発明
の開口面アンテナの一例を示す概略斜視図である。図1
の開口面アンテナにおいて、1は誘電体共振器、2は給
電線路となる導波管または誘電体導波管(以下、導波管
型給電線路という。)である。
体共振器1は、円柱型誘電体1aの側面が電磁波遮蔽体
となる導体壁1bによって被覆されており、その上面に
は、空間に高周波信号を放射する開口面31が形成され
ている。そして、この誘電体共振器1は、導波管型給電
線路2のH面導体表面に搭載されている。また、誘電体
共振器1と導波管型給電線路2とは、導波管型給電線路
2のH面導体内、あるいは誘電体共振器1の底面に形成
された結合孔32によって結合されている。
合孔32と誘電体共振器1の最低次の結合モードは、図
1のように誘電体共振器1の導体壁1bが結合孔32を
円形状に取り囲んでいるので、その誘電体1aが満たさ
れた空間には1/2誘電体円柱共振器の共振モード(T
E111またはTM111)と類似したモードが発生
し、そのモードの共振周波数は次式で与えられるものと
なる。
(1/2t)2}1/2 ここで、f:共振周波数(GHz)、d:誘電体共振器
の直径(mm)、t:誘電体共振器の厚み(mm)、
ε:比誘電率である。また、TE111モードの場合、
m=1.84、TM111モードの場合、m=3.83
である。ただし、円柱型の誘電体共振器1には結合孔3
2で給電しているので、共振周波数はこの結合孔32の
サイズに影響を受ける。
記誘電体1aが満たされた空間を誘電体共振器1として
作用させるので、高周波信号の誘電体中の自由空間信号
波長をλとしたとき、誘電体共振器の厚みtはλ/4〜
λ/2の範囲内に設定することが望ましい。即ち、tが
λ/4よりも小さいと、上記モードで共振しなくなり、
λ/2よりも大きいと、別のモードが発生しやすくなる
ために好ましくない。
は、導波管型給電線路2の結合孔32の下部に位置する
導波管型給電線路2内に、反射を抑制する構造を形成す
ることが望ましい。図2は、本発明の反射抑制構造が付
加された開口面アンテナの一例を示すもので、(a)は
斜視図、(b)はx−x断面図を示す。この開口面アン
テナにおいて、反射抑制構造4は、垂直導体41と、水
平導体42によって形成されている。水平導体42は、
導波管型給電線路2の幅を両側から狭めるように配置さ
れ導波管型給電線路2のE面導体と電気的に接続されて
いる。また、水平導体42は、垂直導体41によって導
波管型給電線路2の下部H面導体と電気的に接続されて
いる。つまり、水平導体42、垂直導体41によって導
波管型給電線路2のH面導体およびE面導体と電気的に
接続されている。
型給電線路2を伝播してきた高周波信号は、アンテナ素
子である誘電体共振器1と結合孔32を介して結合する
が、この結合部でインピーダンスのずれにより一部反射
する。しかし、導波管型給電線路2内に上記反射抑制構
造4を形成し、この反射抑制構造4での反射波が、上記
の誘電体共振器1との結合部で発生する反射波を打ち消
すように設定することで、反射損失を小さくすることが
できる。すなわち、反射抑制構造4での反射波が、結合
部での反射波と大きさが等しくかつ位相が180°異な
るように、反射抑制構造4における垂直導体41および
水平導体42の位置を調整する。反射抑制構造4での反
射量は、垂直導体41の導波管幅方向の位置及び数によ
り調整される。また、位相は垂直導体41の導波管軸方
向の結合孔32の中心からの距離により調整される。即
ち、反射量を大きくする場合、垂直導体41を導波管型
給電線路2の中心軸に近づけるか、又は垂直導体41を
複数個形成することで実現できる。
は、結合孔32は、略円形または多角形状であることが
重要である。これは、従来のスロットやパッチ、あるい
は十字スロットなどに比較して、寸法精度の許容幅が大
きく、特に円偏波として用いる場合、その軸比が3dB
以内となる周波数帯域が広くなるためである。
図3に示すように、(a)円形状、(b〜d)内角が1
80°よりも小さい正多角形状、(e)楕円形状、(f
〜h)内角は180°よりも小さい多角形状が挙げられ
る。これらの中で、多角形状は、それを印刷などによっ
て形成する場合に、角部が丸くなりやすいために、設計
値とのずれが発生しやすいが、角部を有しない円形状ま
たは楕円形状は設計がしやすく、また印刷等によって形
成する場合にその形状を再現よく形成できるために、設
計値とのずれが発生しにくい。
は、誘電体共振器1のH面導体表面に搭載する誘電体共
振器1とを結合する結合孔32の位置を導波管型給電線
路2の中心軸上、または中心軸からずらすことによって
直線偏波または円偏波を放射することができる。
アンテナの平面図であり、(b)はその電磁波の磁界分
布である。この図4の開口面アンテナにおいては、結合
孔32は導波管型給電線路2の中心軸上に配置されてい
る。また、(b)磁界分布図において、破線矢印は、導
波管型給電線路2内を伝播する電磁波の磁界分布を示し
たものであり、実線矢印は、結合孔32と結合する磁界
を示す。
合孔32と結合する導波管型給電線路2の内部の磁界は
対称的であり、結果的に結合孔32とは結合しない。こ
の後、90°位相が進むと導波管型給電線路2内の電磁
界の進行方向に対して右の磁界成分と結合する。同様
に、180°位相が進んだときは結合せず、270°位
相が進んだときは電磁界の進行方向に対して左の磁界成
分と結合する。このようにして、直線偏波が放射され
る。
口面アンテナの平面図であり、(b)はその電磁波の磁
界分布である。この図5の開口面アンテナにおいては、
結合孔32は導波管型給電線路2の中心軸から、導波管
型給電線路2の電磁波の進行方向に対して、左側にcだ
けずらした位置に形成されている。また、(b)磁界分
布図において、破線矢印は、導波管型給電線路2内を伝
播する電磁波の磁界分布を示したものであり、実線矢印
は、結合孔32と結合する磁界を示す。
は、結合孔32は導波管型給電線路2内部の磁界の反進
行方向の磁界成分と結合する。その後、90°位相が進
むと内部電磁界の進行方向に対して右の磁界成分と結合
する。同様に、180°位相が進んだときは進行方向成
分の磁界と結合し、270°位相が進んだときは電磁界
の進行方向に対して左の磁界成分と結合する。このよう
にして、左旋円偏波が放射される。
合孔32を導波管型給電線路2の中心軸より、導波管型
給電線路2の電磁波の進行方向に対して、右側にずらし
て形成すれば良い。
整が必要になる。これは、結合孔32を長軸長がa、短
軸長がbの楕円形状によって形成し、その楕円形状の結
合孔32の長軸と短軸の比R(=a/b)と、導波管型
給電線路2の中心軸からのずれ量cで調整することがで
きる。このずれ量cが大きいと楕円形結合孔32が導波
管型給電線路2上に形成できなくなり、ずれ量cが小さ
いと、直線偏波に近くなってしまうので、誘電体導波管
幅をwとしたとき、そのずれ量cはw/8〜3w/8の
範囲内で調整することが望ましい。
32の長軸及び短軸の比Rの関係を表1、表2に示す。
表中のaは長軸の長さ(mm)、bは短軸の長さ(m
m)を示し、表1は円偏波における軸比(dB)、表2
はそのときの長軸と短軸の比R(=a/b)を示す。表
1、表2において、太線で囲まれた領域は、軸比が3d
B以下の部分を示している。この結果から、長軸と短軸
の比R(=a/b)は0.86〜0.97の範囲内であ
ることが望ましいことがわかる。
至図3の構造の開口面アンテナにおいては、導波管型給
電線路2に1つの誘電体共振器1を搭載させたものであ
ったが、導波管型給電線路2上に、複数の誘電体共振器
1を所定の間隔をもって搭載させるととともに、図1乃
至図3と同様にして結合孔32によって開口面を有する
各誘電体共振器1と導波管型給電線路2とを結合させる
ことによって、直列給電アンテナを形成することができ
る。
す斜視図である。図6において、図1乃至図2に示した
ものと同様の個所には同じ符号を付してある。図中、6
は複数の導波管型給電線路2群に給電するための導波管
型第2給電線路であり、61は前記導波管型第2給電線
路6と導波管型給電線路2とを結合するためのスロット
であり(図面では、説明の便宜上、導波管型給電線路2
の半分を省略した。)62は前記導波管型第2給電線路
6の端部に作られたアンテナポートである。
入力された高周波信号は、分岐を繰り返し、スロット6
1群で6つの導波管型給電線路2群の長手方向中央で給
電される。導波管型給電線路2の長手方向中央で結合さ
れた高周波信号は左右に分岐し、導波管型給電線路2上
に配置された5個(左右で計10個)の誘電体共振器1
群と結合する。その後、誘電体共振器1の開口部31か
ら、直線偏波または円偏波が放射される。
に、各誘電体共振器1と導波管型給電線路2との結合量
を調整する必要がある。この調整は、結合孔32のサイ
ズ、誘電体共振器1上部の開口部31の径、または誘電
体共振器1の径dを変えることにより適宜調整すること
ができる。
誘電体基板に対して、上記の導波管型給電線路2と誘電
体共振器1とを多層配線技術における導体パターンと垂
直導体を組み合わせることによって、誘電体導波管構造
体および誘電体共振器構造体を形成して、多層配線基板
の内部に上記の開口面アンテナを内蔵させることができ
る。
板内に形成した開口面アンテナ付き基板(以下、単にア
ンテナ基板という。)の一例を示すもので、(a)は平
面図、(b)は(a)のA1−B1線断面図である。な
お、図1乃至図2に示したものと同様の個所には同じ符
号を付してある。図7のアンテナ基板において、共振器
部誘電体層51a、51bを積層してなる共振器部誘電
体基板51が形成され、この共振器部誘電体基板51の
最上面には共振器部上部主導体層11が、また下面には
共振器部下部主導体層13がそれぞれ形成されており、
共振器部誘電体基板51は両共振器部主導体層11、1
3により挟持されている。
されていない開口部31が形成されている。また、この
開口部31周辺には、所定間隔を持って共振器部上部主
導体層11および共振器部下部主導体層13間を電気的
に接続するように複数の共振器部貫通導体14が形成さ
れている。この複数の共振器部貫通導体14は、高周波
信号の信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔で配設さ
れている。なお、この繰り返し間隔は、必ずしも一定の
値であることに限られず、信号波長の2分の1未満で種
々の値を組合わせて設定しても良い。また、2重、3重
と配設されても良い。この複数の貫通導体14群によっ
て電磁波遮蔽体が形成され、これが図1の誘電体共振器
の導体壁1bを疑似的に形成している。
導体層11と下部主導体層13間において該主導体層と
平行に設けられた共振器部副導体層12によって電気的
に接続されている。この共振器部副導体層12には開口
部31と相似形状の導体非形成部を設け、単層または必
要に応じて複数層形成されて、複数の共振器部貫通導体
14と共に共振器部誘電体基板51内に格子状の共振器
部導体側壁1bを形成する。
器部下部主導体層13、複数の共振器部貫通導体14お
よび共振器部副導体層12から成る共振器導体壁とで囲
まれ、誘電体で満たされた空間により、共振器部誘電体
基板51内に、誘電体共振器1構造体を形成している。
は、給電部誘電体層52a、52bを積層して成る給電
部誘電体基板52が形成されており、21は給電部誘電
体基板52の上面には給電部上部主導体層21が形成さ
れ、下面には給電部下部主導体層23が形成されてお
り、給電部誘電体基板52は両給電部主導体層21、2
3により挟持されている。なお、図中では、共振器部下
部主導体層13と給電部上部主導体層21とは共用して
用いられている。
部下部主導体層23の間には、両者を電気的に接続する
ように複数の給電部貫通導体24a、24bが2列に配
設されている。この複数の貫通導体24a、24bは、
高周波信号の信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔で
配設されている。なお、この繰り返し間隔は、必ずしも
一定の値であることに限られず、信号波長の2分の1未
満で種々の値を組合わせて設定しても良い。また、2
重、3重と配設されても良い。また、この複数の貫通導
体24a、24bは、上部主導体層21と下部主導体層
23間において該主導体層と平行に設けられた給電部副
導体層22によって電気的に接続されている。
副導体層22によって電磁波遮蔽体が形成され、これが
図1の給電線路2のE面導体を疑似的に形成している。
電線路部下部主導体層23、複数の給電線路部貫通導体
24a、24bおよび副導体層22から成る疑似的導体
壁とで囲まれ、誘電体で満たされた空間により、断面が
矩形状の誘電体導波管からなる給電線路構造体2を形成
している。
で用いる場合には、給電部貫通導体群24aと24bと
の間隔wは、λ/2<w<λで配設される。なお、給電
部誘電体層52は単層であっても良く、この場合には、
給電部副導体層22は形成されない。
(給電部上部主導体層21)には、誘電体共振器構造体
1と、導波管型給電線路構造体2を結合するために、非
導体形成部を形成して略円形または多角形状の結合孔3
2を形成することによって、上記誘電体共振器構造体1
と導波管型給電線路構造体2とが結合されている。
2を通して開口部31側に放射された高周波信号の電磁
波は、誘電体共振器1があることにより、その空間より
外側の一対の主導体層11、13間を伝播することな
く、開口部31から自由空間に放射される。
て、反射抑制構造が付加された開口面アンテナを誘電体
基板内に形成したアンテナ基板の一例を示すもので、
(a)は平面図、(b)は(a)のA2−B2線断面図
である。図1及び図2に示したものと同様の個所には同
じ符号を付してある。
2の導波管内側に給電部副導体層22を一部延設して水
平導体42が設けられ、その水平導体の端部は、垂直導
体41によって、主導体層23と電気的に接続されてい
る。このようにして、反射抑制垂直導体41と反射抑制
水平導体42とから、反射抑制構造4が導波管型給電線
路構造体2内に形成されている。
では、反射抑制垂直導体41は給電部誘電体層52bの
みに形成されているが、給電部誘電体層52aに形成し
ても良く、また、導波管型給電線路2が多数の誘電体層
で形成されている場合はその複数の層に形成しても良
い。
に、結合孔32の形成箇所によって図4に示した直線偏
波を放射するアンテナ基板、図5に示した円偏波を放射
するアンテナ基板として機能させることができる。ま
た、複数の誘電体共振器構造体1を導波管型給電線路構
造体2に対して所定の間隔で配列することによって、直
列給電アンテナ基板を形成することもできる。
たように、多層構造の誘電体基板内部に開口面アンテナ
を形成することによって、アンテナ基板の他の部分に種
々の回路を形成することができる。
裏面に能動素子を実装した場合の一例を示すもので、
(a)は斜視図、(b)は(a)のA3−B3断面図で
ある。図中、81はアンテナポート62と表面回路とを
結合する接続部、71は信号増幅器、72はフィルタ
ー、73はミキサ、74は高周波信号発生器、82はI
F信号のIFポートである。
F信号は高周波信号発生器74で生成された搬送信号と
ミキサ73でミキシングされ、フィルター72で帯域外
の高調波等の高周波成分がカットされた後、信号増幅器
71で増幅され、接続部81を介してアンテナ基板に入
力される。71〜74の全ての能動素子がアンテナ基板
5に実装される必要はないが、少なくとも信号増幅器7
1がアンテナ基板5に実装されたアンテナモジュールの
形態は、特に信号波長がミリ波帯を用いる場合、伝送損
失の観点でメリットが大きい。
の裏面に能動素子を実装した他の例を示すもので、
(a)は斜視図、(b)は、(a)のA4−B4断面図
である。図9に示したものと同様の個所には同じ符号を
付してある。75はスイッチまたはサーキュレータまた
はダイプレクサ等の信号切替え器、82aはIF入力ポ
ート、82bはIF出力ポートである。
信号は高周波信号発生器74で生成された搬送信号とミ
キサ73aでミキシングされ、フィルター72aで帯域
外の高調波等の高周波成分がカットされた後、高出力信
号増幅器71aで増幅され、スイッチやサーキュレータ
またはダイプレクサ等の信号切り替え器75により、接
続部81方向のみに信号が送られ、アンテナ基板5に入
力される。一方、アンテナ基板5で受信して接続部81
に到達した信号は、信号切り替え器75により、低雑音
信号増幅器71bのみに信号が送られ、フィルター72
bで帯域外の信号をカットされた後、高周波信号発生器
74で生成された信号とキクサ73bでミキシングさ
れ、IF信号のみ取り出される。その後、IF出力ポー
ト82bより出力される。このように、信号切り替え器
75を配設することにより、送受共用のアンテナ基板を
提供することができる。
の裏面に半導体素子をキャビティ内に実装した形態の一
例を示すもので、(a)は斜視図であり、(b)は
(a)のA5−B5断面図である。図10に示したもの
と同様の個所には同じ符号を付してある。7は半導体素
子、9はキャビティである。
等の単一機能を持つものであっても、図9または図10
に示した機能素子群を集積化したものであっても良い。
ティ9を形成することにより、キャビティ9内に半導体
素子7を収納することができるので、特性が高く、低コ
ストのアンテナ基板5が実現できる。
は、適当な厚みの誘電体層を積層することによって容易
に形成することができる。また、導体層は、導体ペース
トの印刷や、導体箔などによって形成でき、また垂直導
体は、誘電体層に貫通孔を形成しスクリーン印刷などに
よって導体ペーストを充填することによって容易に形成
することができる。特に、誘電体材料として、銅、銀、
金等の低抵抗の導体を用いるために、誘電体基板は、1
050℃以下で焼成可能な公知の低温焼成セラミック材
料、例えば、ホウケイ酸系ガラス、あるいはホウ珪酸系
ガラスとSiO2、Al2O3などのセラミックフィラー
とを混合した材料等によって形成することによって、伝
送損失が小さくなりアンテナ特性が向上する。
いて説明する。図12は、図8の反射抑制構造を有する
アンテナ基板の反射抑制構造の効果を示す図である。図
8の誘電体基板51、52には、比誘電率4.9のガラ
スセラミックスを用い、誘電体共振器1の厚みを0.6
mm、導波管型給電線路2のサイズを(w、h)=
(1.82mm、0.6mm)、結合孔32の中心位置
は導波管型給電線路2の中心軸からのずれ量c=0.3
9mmとした。また周波数は、62.5GHzにて評価
した。
し、そのサイズa(楕円の長軸、短軸はb=1.44a
−0.52とした)を変化させたときの反射特性であ
る。誘電体共振器1径dおよび開口部サイズはφ2.1
2mmとした。
孔32の下側に、幅0.2mm、長さ0.67mmの水
平導体42を導波管型給電線路の0.3mmの厚みの位
置に副導体層22より延設し、水平導体42の端部には
直径が0.2mmの垂直導体41が下側の主導体層(E
面導体)23まで伸びた構造を導波管型給電線路2内部
に左右対称に形成した。
△は反射抑制構造4のない場合の結果である。反射抑制
構造4がない場合、反射は−20dBより大きいのに対
し、反射抑制構造4がある場合は、反射が−30dB以
下に抑制されていることがわかる。
変化させたときの反射特性を示す図である。楕円形結合
孔32のサイズはa=1.000mm、b=0.914
mmとし、反射抑制構造4は図12(a)の場合と同じ
にした。なお、開口部31のサイズは誘電体共振器1の
径dと同じにした。図の●は反射抑制構造4を付加した
場合、△は反射抑制構造4のない場合の結果である。反
射抑制構造4がない場合、反射は−20dBより大きい
のに対し、反射抑制構造4がある場合は、反射が−30
dB以下に抑制されていることがわかる。
て、円偏波または直線偏波を放射させた一実施例を示す
アンテナの放射パターンである。図の横軸はアンテナ面
法線方向からの角度であり、縦軸は電磁波の相対強度を
示す。また、実線は右旋円偏波成分、破線は左旋円偏波
成分を示す。なお、評価は62.5GHzで行った。
ラミックスを用い、誘電体共振器1の径dおよび開口部
31のサイズをφ2.12mm、誘電体共振器1の厚み
を0.6mm、楕円形結合孔32のサイズはa=1.0
00mm、b=0.914mm、導波管型給電線路2の
サイズは(w、h)=(1.82mm、0.6mm)と
した。また、図12で形成した構造と全く同じ構造の反
射抑制構造を形成した。
の中心位置の導波管型給電線路2の中心軸からのずれ量
c=0.39mmとした。この場合、法線方向(0°方
向)の左旋円偏波成分は−30dB以下で、ほとんどが
右旋円偏波成分である。即ち、きれいな右旋円偏波の電
磁波が放射されていることがわかる。
の中心位置は導波管型給電線路2の中心とした。この場
合、実線の右旋円偏波成分と破線の左旋円偏波成分とが
一致している。即ち、きれいな直線偏波の電磁波が放射
されていることがわかる。
び円偏波の軸比の関係を示す図であり、図14(b)は
周波数に対する軸比の変化を示す図である。
の材料を用い、誘電体共振器1の厚みtを0.6mm、
誘電体共振器1の径dおよび開口部31のサイズはφ
2.12mm、導波管型給電線路2のサイズを(w、
h)=(1.82mm、0.6mm)とした。楕円形結
合孔32の中心位置の導波管型給電線路2の中心軸から
のずれ量c=0.39mmとした。また、図12で形成
した構造と全く同じ構造の反射抑制構造を形成した。
(楕円の長軸、短軸はb=1.44a−0.52とし
た)を変化させたときの放射量と軸比の関係を示した図
であり、周波数は62.5GHzで評価したものであ
る。
ける軸比を示している。この図から、楕円型結合孔サイ
ズを0.86mmから1.02mmまで変化させること
により、放射量を10〜60%へと制御できると共に、
そのときの軸比も3dB以内の良好な特性が得られるこ
とがわかる。
ズをa=1.020mmとしたときの、軸比の周波数依
存性を示す図である。この図から、周波数が55〜65
GHzと10GHz変化させても、軸比の変化は約1d
B以下で小さいことがわかる。このことは、寸法精度が
変化しても軸比の変化は非常に小さいことを意味してい
る。
射量および円偏波の軸比の関係を示す図であり、図15
(b)は誘電体共振器1の径dと放射量および円偏波の
軸比の関係を示す図である。
9のガラスセラミックスを用い、誘電体共振器1の厚み
tを0.6mm、導波管型給電線路2のサイズを(w、
h)=(1.82mm、0.6mm)とした。楕円形結
合孔32の中心位置の導波管型給電線路2の中心軸から
のずれ量c=0.39mmとした。また、図12で形成
した構造と全く同じ構造の反射抑制構造を形成した。
化させたときの放射量と軸比の関係を示した図であり、
周波数は62.5GHzで評価したものである。なお、
誘電体共振器1の径は2.12mmで一定である。ま
た、図中の●は放射量、□は円偏波における軸比を示し
ている。この図から、開口部サイズを1.5mmから
2.2mmまで変化させることにより、放射量を10〜
60%へと制御できると共に、そのときの軸比も約2d
B以内の良好な特性が得られることがわかる。
させたときの放射量と軸比の関係を示した図であり、周
波数は62.5GHzで評価したものである。なお、開
口部31のサイズは誘電体共振器1の径と同じにした。
また、図中の●は放射量、□は円偏波における軸比を示
している。この図から、共振器径を1.5mmから2.
2mmまで変化させることにより、放射量を2〜60%
へと制御できると共に、そのときの軸比も約1.5dB
以内の良好な特性が得られることがわかる。
放射パターン制御の一例を示す図である。この場合(図
6参照)、直列給電導波管型給電線路2はスロット61
により中央で給電されており、分岐後、左右に並ぶ5つ
の誘電体共振器1の放射量は対称とした。このとき、中
央から端部に向かう誘電体共振器1からの放射量を前述
したように結合孔サイズ、開口部サイズ、共振器サイズ
を変えて42%、52%、58%、60%、62%とし
た。またアンテナ素子間隔は自由空間波長をλ 0とした
とき、5.25λ0とした。図16に示すように、この
場合、サイドローブレベルが−25dB以下に制御され
ていることがわかる。
テナによれば、略円形または多角形の結合孔と誘電体共
振器とにより共振周波数を制御できるため、結合孔の寸
法精度に数%の誤差があったとしても、安定して所望の
周波数帯における共振を得ることができ、それにより開
口面から放射される高周波信号の電磁波を安定して放射
させることができるものとなる。また、給電線路での不
要放射がなく、伝送損失も小さいことからアンテナでの
損失を小さいものとすることができるとともに、楕円型
結合孔と誘電体導波管との位置関係を調整することによ
り、直線偏波、右旋円偏波、左旋円偏波を放射させるこ
とができるものとなる。
結合孔の下部に位置する導波管または誘電体導波管内
に、反射を抑制する構造を形成することによってアンテ
ナ素子結合部でのインピーダンスのずれによる反射波を
十分抑制できるものとなる。さらに、直列給電の場合で
も反射波を十分抑制できるので、アンテナ素子を誘電体
導波管の概ね1管内波長間隔として、放射ビームをアン
テナ面の法線方向に設定しても、反射損失を低く抑える
ことができるものとなる。
形結合孔、誘電体共振器の円形状の開口部、誘電体共振
器の径の大きさを変えることにより放射量を調整してな
ることとしたことから、放射パターンを容易に制御でき
るとともに、円偏波の場合でも、軸比を小さく押さえる
ことができるものとなる。
を伝送可能な誘電体導波管と、円柱型誘電体の側面の全
部または一部が金属で覆われ、かつ高周波信号を空間に
放射するための開口部を有する円柱型誘電体共振器とが
形成され,誘電体導波管のH面導体内の前記円柱型誘電
体共振器の開口部の中心と対向する位置に結合孔を形成
し、該結合孔を介して高周波信号を前記誘電体導波管か
ら円柱型誘電体共振器に給電してなるものとしたことに
より、誘電体基板の裏面に能動素子や信号切り替え器を
直接実装またはキャビティを形成しその中に内蔵するこ
とが可能となり、小型で信頼性が高く、低コストのアン
テナ基板とする事ができる。
図である。
の一例を示す(a)概略斜視図と、(b)(a)のx−
x断面図である。
の例を示す図である。
口面アンテナの一例を示す(a)平面図と、(b)その
磁界分布を示す図である。
面アンテナの一例を示す(a)平面図と、(b)その磁
界分布を示す図である。
テナの一例を示す分解図である。
(a)平面図と、(b)(a)のA1−B1断面図であ
る。
付き基板の一例を示す(a)平面図と、(b)(a)の
A2−B2断面図である。
を実装した一例を示す(a)斜視図と、(b)(a)の
A3−B3断面図である。
群を実装し、送受信共用とした一例を示す(a)斜視図
と、(b)(a)のA4−B4断面図である。
ィを形成した一例を示す(a)斜視図と、(b)(a)
のA5−B5断面図である。
造の効果を示す図であり、(a)は結合孔サイズを変化
させたときの特性、(b)は共振器径を変化させた時の
特性である。
射される電磁波が円偏波であることを示す放射パター
ン、(b)は放射される電磁波が直線偏波であることを
示す放射パターンを示す図である。
合孔サイズと放射量および円偏波の軸比の関係を示す図
であり、(b)は周波数に対する軸比の変化を示す図で
ある。
開口部サイズと放射量および円偏波の軸比の関係を示す
図であり、(b)は共振器径と放射量および円偏波の軸
比の関係を示す図である。
式による放射パターン制御の一例を示す図である。
Claims (19)
- 【請求項1】円柱型誘電体の側面の全部または一部が電
磁波遮蔽体で覆われ、かつ高周波信号を空間に放射する
ための開口部を有する円柱型誘電体共振器と該円柱型誘
電体共振器に給電するための導波管または誘電体導波管
と、を具備し、前記導波管または誘電体導波管のH面導
体表面に前記円柱型誘電体共振器を搭載するとともに、
前記導波管または誘電体導波管のH面導体内の前記円柱
型誘電体共振器の開口部の中心と対向する位置に略円形
または多角形状の結合孔を形成し、該結合孔を介して高
周波信号を前記導波管または誘電体導波管から円柱型誘
電体共振器に給電してなることを特徴とする開口面アン
テナ。 - 【請求項2】前記高周波信号の誘電体中の自由空間信号
波長をλとしたとき、前記円柱型誘電体共振器の厚みを
λ/4〜λ/2としたことを特徴とする請求項1記載の
開口面アンテナ。 - 【請求項3】前記導波管または誘電体導波管内の結合孔
の下部に位置する導波管または誘電体導波管内に、反射
を抑制する構造部を形成してなることを特徴とする請求
項1乃至請求項2のいずれか記載の開口面アンテナ。 - 【請求項4】前記結合孔が楕円形状または円形状であ
り、該結合孔の中心が前記導波管または誘電体導波管の
中心軸上に位置してなり、直線偏波を放射することを特
徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の開口面
アンテナ。 - 【請求項5】前記結合孔が楕円形状であり、該結合孔の
中心が前記導波管または誘電体導波管の中心軸からずれ
た位置にあり、円偏波を放射することを特徴とする請求
項1乃至請求項3のいずれか記載の開口面アンテナ。 - 【請求項6】前記導波管または誘電体導波管の幅をwと
したとき、前記結合孔の中心が前記導波管または誘電体
導波管の中心軸からw/8〜3w/8ずれた位置にある
ことを特徴とする請求項5記載の開口面アンテナ。 - 【請求項7】前記楕円形状結合孔の長軸および短軸との
比をRとしたとき、Rが0.86〜0.97であること
を特徴とする請求項5記載の開口面アンテナ。 - 【請求項8】前記導波管または誘電体導波管のH面導体
表面に、複数の前記円柱型誘電体共振器を概ね1管内波
長間隔をもって搭載し、前記導波管または誘電体導波管
によりすべての円柱型誘電体共振器に直列給電してなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか記載
の開口面アンテナ。 - 【請求項9】前記複数の直列給電された円柱型誘電体共
振器における結合孔の大きさを変えることにより放射量
を調整し、全体の放射パターンを制御することを特徴と
する請求項8記載の開口面アンテナ。 - 【請求項10】前記複数の直列給電された円柱型誘電体
共振器の開口部の大きさを変えることにより放射量を調
整し、全体の放射パターンを制御することを特徴とする
請求項8記載の開口面アンテナ。 - 【請求項11】前記複数の直列給電された円柱型誘電体
共振器の径の大きさを変えることにより放射量を調整
し、全体の放射パターンを制御することを特徴とする請
求項8記載の開口面アンテナ。 - 【請求項12】複数の誘電体層が積層された誘電体基板
内に、高周波信号を伝送可能な誘電体導波管構造体と、
円柱型誘電体の側面の全部または一部が電磁波遮蔽壁に
よって覆われ、かつ高周波信号を空間に放射するための
開口部を有する円柱型誘電体共振器構造体とを具備し、
前記誘電体導波管構造体のH面導体上に前記円柱型誘電
体共振器構造体の下面が結合するように配置してなり、
前記誘電体導波管構造体のH面導体内の前記円柱型誘電
体共振器構造体の開口部の中心と対向する位置に略円形
または多角形状の結合孔を形成し、該結合孔を介して高
周波信号を前記誘電体導波管構造体から円柱型誘電体共
振器構造体に給電してなることを特徴とする開口面アン
テナ付き基板。 - 【請求項13】前記誘電体導波管構造体が、上部主導体
層および下部主導体層と、所定間隔をもって前記上部主
導体層と前記下部主導体層とを電気的に接続する複数の
貫通導体から成る電磁波遮蔽壁とで囲まれてなることを
特徴とする請求項12記載の開口面アンテナ付き基板。 - 【請求項14】前記複数の貫通導体が、上部主導体層と
下部主導体層間において該主導体層と平行に設けられた
副導体層によって電気的に接続されてなることを特徴と
する請求項13記載の開口面アンテナ付き基板。 - 【請求項15】前記円柱型誘電体共振器構造体が、前記
誘電体基板の表面に形成された開口部を有する上部主導
体層と、前記開口部と対向する位置に形成された下部主
導体層と、前記開口部周囲の前記誘電体基板内に形成さ
れ所定間隔をもって前記上部主導体層と前記下部主導体
層とを電気的に接続する複数の貫通導体と、前記上部主
導体層と前記下部主導体層間において該主導体層と平行
に設けられ且つ前記複数の貫通導体を電気的に接続する
副導体層とからなるアンテナ導体壁とで囲まれてなるこ
とを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれか記
載の開口面アンテナ付き基板。 - 【請求項16】前記誘電体基板の裏面に、少なくとも1
つの信号増幅器が実装されてなることを特徴とする請求
項12乃至請求項15のいずれか記載の開口面アンテナ
付き基板。 - 【請求項17】前記誘電体基板の裏面に、スイッチ、サ
ーキュレータおよびダイプレクサの群から選ばれる少な
くとも1種が実装されてなることを特徴とする請求項1
2乃至請求項16のいずれか記載の開口面アンテナ付き
基板。 - 【請求項18】前記誘電体基板の裏面に、半導体素子を
収納するためのキャビティが形成されて成ることを特徴
とする請求項12乃至請求項17のいずれか記載の開口
面アンテナ付き基板。 - 【請求項19】前記誘電体基板が,低温焼成セラミック
スからなることを特徴とする請求項12乃至請求項18
のいずれか記載の開口面アンテナ付き基板。
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