JP2002353525A - 熱電変換装置及びその製造方法 - Google Patents

熱電変換装置及びその製造方法

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JP2002353525A
JP2002353525A JP2001155550A JP2001155550A JP2002353525A JP 2002353525 A JP2002353525 A JP 2002353525A JP 2001155550 A JP2001155550 A JP 2001155550A JP 2001155550 A JP2001155550 A JP 2001155550A JP 2002353525 A JP2002353525 A JP 2002353525A
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thermoelectric conversion
electrodes
substrate
insulating member
conversion device
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English (en)
Inventor
Jiyunichi Teraki
潤一 寺木
Mitsuhiro Tanaka
三博 田中
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱抵抗を上昇させることなく、低コストでの
熱電変換装置の製造を可能にすること。 【解決手段】 複数の熱電変換素子9が配置され、複数
の熱電変換素子9の放熱側及び吸熱側に配置される複数
の電極11,12によって複数の熱電変換素子9が電気
的に接続されることにより、熱電変換装置1が構成され
る。熱電変換装置1は、放熱側及び吸熱側の少なくとも
一方側に配置される複数の電極11が絶縁性部材13に
よって固定された基板10を備えており、その絶縁性部
材13は放熱側の複数の電極11による放熱面と吸熱側
の複数の電極12による吸熱面との間の空間8に複数の
熱電変換素子9と干渉しない状態で配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の熱電変換
素子が配列された熱電変換装置及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の熱電変換装置100を示
す断面図である。図10に示す熱電変換装置100はい
わゆるスケルトン構造で構成され、複数の熱電変換素子
110が樹脂板120に設けられた挿入孔121に挿入
され、各熱電変換素子110のほぼ中央部分と樹脂板1
20とが接着剤122で固定される。このようなスケル
トン構造の熱電変換装置100では樹脂板120が複数
の熱電変換素子110を固定することによって機械的強
度の向上が図られている。
【0003】また、複数の熱電変換素子110の上端部
には複数の電極131が設けられ、また下端部には複数
の電極132が設けられる。これら複数の電極131,
132は各熱電変換素子110を導通させる機能を有す
るとともに、各熱電変換素子110の放熱及び吸熱にお
ける熱交換機能を有している。これら電極131,13
2はセラミック材料等によって覆われていないので、熱
抵抗が小さく、効率的な熱交換が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱電変換装置100では熱電変換素子110自体を接着
剤122で樹脂板120に固定するように構成されてい
るため、素子に熱損失が発生し、熱電変換装置としての
性能が低下する傾向にある。
【0005】また、樹脂板120に熱電変換素子110
を固定するための挿入孔121を形成する必要がある
が、この挿入孔121の形状は熱電変換素子110の断
面形状とほぼ同一の形状に形成することが望まれるとと
もに、孔形状の寸法も高精度な状態に維持することが望
まれる。このため、樹脂板120に挿入孔121を形成
するために高精度な加工技術が必要となり、コストアッ
プの要因となっている。特に、熱電変換素子110の断
面形状は一般に四角形であるため、樹脂板120に四角
形の挿入孔121を高精度に形成することは困難であ
る。
【0006】そこで、この発明は上記課題に鑑みてなさ
れたものであって、熱抵抗を上昇させることなく、低コ
ストで製造することの可能な熱電変換装置を提供するこ
とを目的とし、その製造方法をも提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、複数の熱電変換素子
(9)が配置され、前記複数の熱電変換素子の放熱側及
び吸熱側に配置される複数の電極(11,12;21,
22;31,32)によって前記複数の熱電変換素子が
電気的に接続された熱電変換装置(1,1a,1b;
2,2a;3,3a)であって、前記放熱側及び前記吸
熱側の少なくとも一方側に配置される複数の電極(1
1;21;31)が絶縁性部材(13;23;33)に
よって固定された基板(10;20;30)を備え、前
記絶縁性部材が、前記放熱側の複数の電極(11;2
1;31)による放熱面と前記吸熱側の複数の電極(1
2;22;32)による吸熱面との間の空間(8)に前
記複数の熱電変換素子と干渉しない状態で配置されるこ
とを特徴としている。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の熱電変換装置において、前記絶縁性部材が樹脂材料で
あることを特徴としている。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の熱電変換装置において、前記基板における前記
複数の電極の少なくとも1つには、当該電極と前記絶縁
性部材とが前記放熱面又は前記吸熱面に垂直な方向に対
して、前記絶縁性部材を掛止する掛止部(11a,12
a)が設けられることを特徴としている。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の熱電変換装置において、前記基板(20)において固
定された前記複数の電極(21)が、板状の前記絶縁性
部材(23)の両面に形成された複数の導電性部材(2
1a,21b)を有し、前記基板(20)には、前記複
数の前記導電性部材を導通させる少なくとも1つのスル
ーホール(29)が形成されることを特徴としている。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の熱電変換装置において、前記基板(30)が、前記複
数の熱電変換素子の配置される位置に複数の孔(39)
が形成された板状の前記絶縁性部材(33)を備え、前
記複数の熱電変換素子(9)と前記基板(30)におい
て固定された前記複数の電極(31)との接合面側で前
記絶縁性部材と前記複数の電極とが固定されてなること
を特徴としている。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5
のいずれか1つに記載の熱電変換装置において、前記基
板が、前記放熱側及び前記吸熱側の双方に配置されるこ
とを特徴としている。
【0013】請求項7に記載の発明は、各々が一端及び
他端を有する、複数の熱電変換素子(9)と、前記複数
の熱電変換素子の前記一端側に配置される複数の第1の
電極(11;21;31)と、前記複数の熱電変換素子
の前記他端に配置される複数の第2の電極(12;2
2,26;32)とによって前記複数の熱電変換素子が
電気的に接続された熱電変換装置(1,1a,1b;
2,2a;3,3a)を製造する方法であって、(a)
前記複数の第1の電極の熱交換面と、前記複数の第2の
電極の熱交換面との間の空間(8)に前記複数の熱電変
換素子と干渉しない状態で配置される絶縁性部材(1
3;23;33)を用いて、前記複数の第1の電極を固
定した基板(10;20;30)を生成する工程と、
(b)前記複数の第1の電極に対して前記複数の熱電変
換素子の前記一端を固定することにより、前記基板に前
記複数の熱電変換素子を固定する工程と、(c)前記複
数の熱電変換素子の前記他端に前記複数の第2の電極を
固定する工程とを備えている。
【0014】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の熱電変換装置の製造方法において、前記工程(a)
が、前記複数の第1の電極と、前記絶縁性部材となる前
記樹脂材料とを用いたインサート成型によって、前記基
板(10)を生成することを特徴としている。
【0015】請求項9に記載の発明は、請求項7又は8
に記載の熱電変換装置の製造方法において、前記複数の
第1の電極(11)の各々には、当該電極と前記絶縁性
部材とが前記放熱面又は前記吸熱面に垂直な方向に対し
て前記絶縁性部材(13)を掛止する掛止部(11a)
が設けられており、前記工程(a)が、前記絶縁性部材
が前記掛止部に係合するように、前記基板を生成するこ
とを特徴としている。
【0016】請求項10に記載の発明は、請求項7に記
載の熱電変換装置の製造方法において、前記工程(a)
が、前記複数の第1の電極が配置される位置に対応し
て、板状の前記絶縁性部材(23)に複数のスルーホー
ル(29)を設け、前記絶縁性部材の前記位置に対応す
る両面に前記スルーホールを介して互いに導通する導電
性部材を形成することによって前記複数の電極(21)
を形成することを特徴としている。
【0017】請求項11に記載の発明は、請求項7に記
載の熱電変換装置の製造方法において、前記工程(a)
が、前記複数の熱電変換素子と前記複数の第1の電極と
の接合面側で前記絶縁性部材と前記複数の第1の電極と
を固定することによって前記基板(30)を生成するこ
とを特徴としている。
【0018】請求項12に記載の発明は、請求項11に
記載の熱電変換装置の製造方法において、前記工程
(a)が、板状の前記絶縁性部材(33)に対して前記
複数の熱電変換素子が配置される位置に複数の孔(3
9)を形成する工程を含み、前記工程(b)が、前記複
数の熱電変換素子のそれぞれを前記複数の孔(39)を
通して前記複数の第1の電極と接合させる工程を含んで
いる。
【0019】請求項13に記載の発明は、請求項7乃至
12のいずれか1つに記載の熱電変換装置の製造方法に
おいて、前記工程(a)が、前記空間(8)に前記複数
の熱電変換素子と干渉しない状態で配置される他の絶縁
性部材(14;27;36)を用いて、前記複数の第2
電極を固定した他の基板(15;25;35)を生成す
る工程を含み、前記工程(c)が、前記他の基板を前記
複数の熱電変換素子の前記他端に固定する工程を含んで
いる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】<1.第1の実施の形態>図1は第1の実
施の形態における熱電変換装置1を示す断面図である。
熱電変換装置1は、複数の電極11と絶縁性部材13と
を備えて構成される基板10と、複数の熱電変換素子9
と、複数の電極12とを備えて形成される。熱電変換素
子9はペルチェ効果によって吸熱作用乃至発熱作用を生
じさせるペルチェ素子等によって構成される。
【0022】例えば、図1において熱電変換装置1の上
端部に設けられる複数の電極12は、各熱電変換素子9
を導通させつつ、その上面が熱交換面の一方たる吸熱面
として作用する。また熱電変換装置1の下端部に設けら
れる複数の電極11は、各熱電変換素子9を導通させつ
つ、その下面が熱交換面の他方たる放熱面として作用す
る。
【0023】基板10において絶縁性部材13は複数の
電極11を固定するために配置され、複数の電極11の
位置を固定するとともに、熱電変換装置1の機械的強度
の向上を図っている。絶縁性部材13は、放熱側の複数
の電極11による放熱面と吸熱側の複数の電極12によ
る吸熱面との間の空間8に設けられる。このため電極1
1の下面側放熱面の全面が外部に露呈し、熱交換機能を
低減することなく、各電極11を固定することが可能に
なる。
【0024】また、絶縁性部材13の上面側には孔19
が形成され、孔19の形成位置に熱電変換素子9が配置
されることによって、電極11と熱電変換素子9の端部
とを接続することが可能である。
【0025】図2は絶縁性部材13に形成される孔19
を拡大して示す斜視図である。図2に示すように絶縁性
部材13の上面側には熱電変換素子9の断面面積よりも
大きいサイズの円形状の孔19が形成される。より具体
的には、熱電変換素子9が設置されるときに、孔19の
側壁部分等と熱電変換素子9とが干渉しないようなサイ
ズの孔19が形成される。このような構造により、熱電
変換素子9を基板10の上面側から配置して電極11に
接続する際に厳密な位置決め等を行う必要がなく、熱電
変換素子9と電極11とを容易に接続することができ
る。そして絶縁性部材13と熱電変換素子9とが接触し
ないように構成されるので、従来のスケルトン構造と比
較しても、熱電変換素子9の熱ロスが少なくなる。ま
た、このような構成により、熱電変換素子9は任意の断
面形状のものを採用することができ、設計の自由度も増
す。なお、電極11は熱電変換素子9と半田付け等によ
って固定され、各熱電変換素子9への導通が実現でき
る。
【0026】基板10では電極11と絶縁性部材13と
が固着されることが必要である。そのため、複数の電極
11を予め鋳型に配置しておき、それに絶縁性部材13
となる樹脂材料等をインサートするインサート成型によ
って、基板10を生成することができる。また、グリー
ンシートを用いて複数の電極11を固着した後に焼結す
ることで基板10を生成することもできる。これらいず
れの製法を用いても、孔19を形成することができ、量
産の際には基板10の製造コストを低廉化することがで
きる。特に、絶縁性の樹脂材料を用いてインサート成型
によって基板10を作成することは低コスト化の観点か
ら最も有効である。
【0027】そして、基板10の孔19が形成された位
置に熱電変換素子9を設置し、熱電変換素子9の上端側
(吸熱側)に複数の電極12を半田付けすることで、熱
電変換装置1が形成される。
【0028】図3は熱電変換装置1の製造過程を示す工
程図である。熱電変換装置1を製造する際には、まず基
板10を生成する(ステップS1)。この工程では、放
熱側の複数の電極11による放熱面よりも上側の空間8
に絶縁性部材13が配置されるようにインサート成型等
によって基板10を作成する。この結果、放熱側におけ
る各電極11の側面部の一部及び上面部の一部に絶縁性
部材13が設けられ、電極11の下面側は露出した状態
で、電極11と絶縁性部材13とが固定され、さらに絶
縁性部材13に孔19の形成された基板10が得られ
る。
【0029】次に、基板10に対して熱電変換素子9の
一方端側(放熱側)を固定する工程が行われる(ステッ
プS2)。複数の熱電変換素子9はそれぞれ複数の孔1
9の形成された位置で電極11に半田付けされる。
【0030】最後に、基板10に固定された複数の熱電
変換素子9の他方端側(吸熱側)に対して複数の電極1
2を固定することにより、熱電変換装置1を完成させ
る。
【0031】このようにして得られる熱電変換装置1で
は、複数の電極11による放熱面及び複数の電極12に
よる吸熱面が露出しているので、熱交換機能を低下させ
ることなく、複数の電極12を固定することができる。
また、絶縁性部材13を樹脂材料やセラミックス(グリ
ーンシート等)によって構成すれば、熱電変換装置1の
機械的強度も向上させることができる。
【0032】特に絶縁性部材13が、放熱側の複数の電
極11による放熱面と吸熱側の複数の電極12による吸
熱面との間の空間8に複数の熱電変換素子9と干渉しな
い状態で配置されるので、基板10の作成及び基板10
への熱電変換素子9の取り付けを容易に行うことがで
き、熱電変換装置1の製造コストを低減することが可能
である。
【0033】なお、上記説明においては、一例として電
極12の上面が吸熱面として作用し、電極11の下面が
放熱面として作用する場合について説明したが、逆であ
っても構わない。逆の場合は熱電変換素子9が上下反転
して配置されるだけである。
【0034】<2.第2の実施の形態>図4は第2の実
施の形態における熱電変換装置1aを示す断面図であ
る。熱電変換装置1aは図1に示した熱電変換装置1と
ほぼ同様の構成をしており、同一部材については同一符
号を付しており、ここではそれらの詳細な説明を省略す
る。
【0035】上記第1の実施の形態の熱電変換装置1で
は、絶縁性部材13に対して上向きの力が加わった場
合、又は電極11に対して下向きの力が加わった場合
に、絶縁性部材13と電極11とが剥離する可能性があ
る。そこで、この実施の形態の熱電変換装置1aでは、
絶縁性部材13と電極11との離脱を防止する構造が設
けられる。
【0036】熱電変換装置1aにおいては、放熱側の各
電極11の側面部に形成された凸状体によって構成され
る掛止部11aが設けられる。掛止部11aは絶縁性部
材13を掛止するためのものである。電極11の上面側
及び側面側の掛止部11aを含む部分に、絶縁性樹脂材
料等をインサートして凝結させたり、グリーンシートを
付設して焼結させることにより、絶縁性部材13が各電
極11の掛止部11aに掛止した状態で固着される。
【0037】このように熱電変換装置1aの各電極11
の側面部に掛止部11aを設けることで、放熱面に垂直
な方向に電極11と掛止部11aとが離脱することを防
止することができ、熱電変換装置1aの耐久性が向上す
る。
【0038】熱電変換装置1aを製造する工程は図3に
示した工程と同様である。ただし、基板10を生成する
工程(ステップS1)においては、電極11として掛止
部11aの設けられたものを準備し、掛止部11aに絶
縁性部材13が係合する状態で基板10を生成すること
が必要である。
【0039】なお、掛止部11aは凸状体であることに
限定されるものではなく、凹部であっても構わない。ま
た、この実施の形態においても、一例として電極12の
上面が吸熱面として作用し、電極11の下面が放熱面と
して作用する場合を仮定して説明したが、逆であっても
構わない。
【0040】<3.第3の実施の形態>図5は第3の実
施の形態における熱電変換装置1bを示す断面図であ
る。熱電変換装置1bにおいては、放熱側だけでなく、
吸熱側にも複数の電極12が固定された基板15が配置
される。なお、図5では、図1及び図4に示した部材と
同一部材については同一符号を付しており、ここではそ
れらの詳細な説明を省略する。
【0041】熱電変換装置1bは、放熱側の基板10
と、吸熱側の基板15と、複数の熱電変換素子9とを備
えて構成される。放熱側の基板10は第2の実施の形態
で説明したものと同様である。
【0042】吸熱側の基板15は、複数の電極12と、
電極12の上面(放熱面)側よりも下側に設けられた絶
縁性部材14とを備えて構成される。つまり、吸熱側に
おいても絶縁性部材14は、放熱側の複数の電極11に
よる放熱面と吸熱側の複数の電極による吸熱面との間の
空間8に設置され、複数の熱電変換素子9と干渉しない
ような孔18が形成されて複数の電極12に着設され
る。
【0043】したがって、吸熱側においても熱交換機能
を低下させることなく、複数の電極12を固定すること
ができ、熱電変換装置1bの機械的強度を向上させるこ
とができる。
【0044】なお、吸熱側の電極12にも凸状の掛止部
12aが設けられており、この掛止部12aに絶縁性部
材14が掛止されているので、吸熱面に垂直な方向の力
が与えられても、電極12と絶縁性部材14との離脱は
生じず、熱電変換装置1の耐久性の向上が図られてい
る。
【0045】このような熱電変換装置1bを製造する工
程は図3に示した工程と同様である。ただし、基板を生
成する工程(ステップS1)では吸熱側と放熱側との双
方の基板10,15を作成し、熱電変換素子9の他方端
側に電極を接続する工程(ステップS3)では放熱側の
基板10に固定された複数の熱電変換素子9の吸熱側に
対する基板15の固定が行われて、熱電変換装置1bが
生成される。
【0046】なお、掛止部12aも凸状体であることに
限定されるものではなく、凹部であっても構わない。ま
た、この実施の形態においても、一例として電極12の
上面が吸熱面として作用し、電極11の下面が放熱面と
して作用する場合を仮定して説明したが、逆であっても
構わない。
【0047】<4.第4の実施の形態>図6は第4の実
施の形態における熱電変換装置2を示す断面図である。
熱電変換装置2は、基板20と、複数の熱電変換素子9
と、複数の電極22とを備えて構成される。
【0048】基板20は、ガラスエポキシ基板等によっ
て構成される板状の絶縁性部材23と、その絶縁性部材
23の適所両面に設けられた銅箔等の導電性部材による
電極21とを備えて構成される。ここで適所とは、熱電
変換素子9が配置され、各熱電変換素子9を導通させる
ために適切な位置である。絶縁性部材23の電極21が
形成された部分には、少なくとも1つ、例えば複数のス
ルーホール29が形成され、これを介して基板20の上
面側電極パターン21aと下面側電極パターン21bと
の導通を図るとともに、上面側(熱電変換素子9)から
下面(放熱面)側への熱伝導性を得ている。熱電変換素
子9が配置される位置にスルーホール29が形成される
場合には、そのサイズが熱電変換素子9の断面よりも小
さく、一の電極21に対して複数個設けられることが好
ましい。一方、熱電変換素子9が配置される位置にスル
ーホール29が形成されない場合には、そのサイズは熱
電変換素子9の断面より大きくても構わないし、一の電
極21に対してサイズの大きなスルーホール29を1個
だけ形成するようにしてもよい。
【0049】図6に示すように下面側電極パターン21
bは絶縁性部材23に形成されたものであるため、電極
21による放熱面(下面)は絶縁性部材23よりも下方
に位置する。また、熱電変換素子9は上面側電極パター
ン21aに対して直接半田付けされて固定されるため、
絶縁性部材23は熱電変換素子9と干渉しない状態で配
置されている。つまり、この実施の形態においても絶縁
性部材23は、放熱側の複数の電極21による放熱面と
吸熱側の複数の電極22による吸熱面との間の空間8に
複数の熱電変換素子9と干渉しない状態で配置されてお
り、熱電変換装置2の熱交換機能を低下させることな
く、各熱電変換素子9を固定することが可能となってい
る。特に、基板20において電極21が形成される位置
に多数のスルーホール29を形成することが、熱抵抗を
小さくして下面側電極パターン21bに効率よく熱伝導
することに寄与し、熱交換機能を高める重要な要素とな
っている。
【0050】また、基板20としてガラスエポキシ基板
等を母材として使用することにより、熱電変換装置2の
機械的強度の向上を図ることも可能である。
【0051】このような基板20は一般的なプリント配
線基板を作成する技術によって容易に作成することがで
き、基板20の作成コストも安価に抑えることができ
る。
【0052】このような熱電変換装置2を製造する工程
は図3に示した工程と同様である。図3における基板を
生成する工程(ステップS1)では、まずガラスエポキ
シ基板等の板状の絶縁性部材23を用意し、その絶縁性
部材23の適所に複数のスルーホール29を形成する。
そして絶縁性部材23のスルーホール29が形成された
位置(すなわち電極21を形成すべき位置)の両面に対
して導電性部材を形成し、電極21を絶縁性部材23に
形成する。つまり、一般的なプリント配線基板を製造す
る工程と同様の工程によって基板20を生成する。
【0053】ステップS1において基板20が形成され
ると、第1の実施の形態で説明したのと同様の手順(ス
テップS2,S3)を行うことで、基板20の電極21
に対して熱電変換素子9が固着され、その熱電変換素子
9の吸熱側に複数の電極22が接続されて熱電変換装置
2が生成される。
【0054】そして基板20の作成が簡単であるととも
に、基板20に対する熱電変換素子9の組み付け等も簡
単に行うことができるため、熱抵抗を上昇させることの
ない熱電変換装置2を低コストで製造するができる。
【0055】この熱電変換装置2によれば、基板20に
おいて絶縁性部材23に対して直接に電極21が着設さ
れるため、第2の実施の形態等で説明した掛止部等を電
極21に設ける必要はない。
【0056】なお、この実施の形態においても、一例と
して電極22の上面が吸熱面として作用し、電極21の
下面が放熱面として作用する場合を仮定して説明した
が、これらは逆であっても構わない。
【0057】<5.第5の実施の形態>図7は第5の実
施の形態における熱電変換装置2aを示す断面図であ
る。熱電変換装置2aにおいては、放熱側だけでなく、
吸熱側にも基板25が配置される。なお、図7では、こ
れまでに説明した部材と同一の部材については同一符号
を付しており、ここではそれらの詳細な説明を省略す
る。
【0058】熱電変換装置2aは、放熱側の基板20
と、吸熱側の基板25と、複数の熱電変換素子9とを備
えて構成される。放熱側の基板20は第4の実施の形態
で説明したものと同様である。
【0059】吸熱側の基板25は、ガラスエポキシ基板
等によって構成される板状の絶縁性部材27と、その絶
縁性部材27の適所両面に設けられた銅箔等の導電性部
材による電極26とを備えて構成される。ここでも適所
とは、熱電変換素子9が配置され、各熱電変換素子9を
導通させるために適切な位置である。絶縁性部材27の
電極26が形成された部分には、少なくとも1つ、例え
ば複数のスルーホール28が形成され、これを介して基
板25の下面側電極パターン26aと上面側電極パター
ン26bとの導通を図るとともに、下面側(熱電変換素
子9)から上面(吸熱面)側への熱伝導性を得ている。
【0060】なお、この場合も熱電変換素子9が配置さ
れる位置にスルーホール28が形成される場合には、そ
のサイズが熱電変換素子9の断面よりも小さく、一の電
極26に対して複数個設けられることが好ましい。一
方、熱電変換素子9が配置される位置にスルーホール2
8が形成されない場合には、そのサイズは熱電変換素子
9の断面より大きくても構わないし、一の電極26に対
してサイズの大きなスルーホール28を1個だけ形成す
るようにしてもよい。
【0061】図7に示すように基板25の上面側電極パ
ターン26bは絶縁性部材27に形成されたものである
ため、電極26による放熱面(上面)は絶縁性部材27
よりも上方に位置する。また、熱電変換素子9は下面側
電極パターン26aに対して直接半田付けされて固定さ
れるため、絶縁性部材27は熱電変換素子9と干渉しな
い状態で配置されている。つまり、この実施の形態にお
いても絶縁性部材27は、放熱側の複数の電極21によ
る放熱面と吸熱側の複数の電極26による吸熱面との間
の空間8に複数の熱電変換素子9と干渉しない状態で配
置されており、熱電変換装置2aの熱交換機能を低下さ
せることなく、各熱電変換素子9を固定することが可能
となっている。特に、基板25において吸熱側の電極2
6が形成される位置に多数のスルーホール28を形成す
ることが、熱抵抗を小さくして上面側電極パターン26
bに効率よく熱伝導することに寄与し、熱交換機能を高
める重要な要素となっている。
【0062】そして、この実施の形態の熱電変換装置2
aでは、放熱側と吸熱側とのそれぞれに基板20,25
が配置されて熱電変換素子9の固定が行われるため、熱
電変換装置2aの機械的強度をさらに向上させることが
可能である。
【0063】このような熱電変換装置2aを製造する工
程についても図3に示した工程と同様である。ただし、
基板を生成する工程(ステップS1)では吸熱側と放熱
側との双方の基板20,25を作成し、熱電変換素子9
の他方端側に電極を接続する工程(ステップS3)では
放熱側の基板20に固定された複数の熱電変換素子9の
吸熱側に対し、基板25の固定(半田付け)が行われ
て、熱電変換装置2aが生成される。
【0064】そして基板20,25の作成が簡単である
とともに、基板20に対する熱電変換素子9の組み付け
工程や基板25の取り付け工程等も簡単に行うことがで
きるため、熱抵抗を上昇させることのない熱電変換装置
2aを低コストで製造するができる。
【0065】なお、この実施の形態においても、一例と
して電極12の上面が吸熱面として作用し、電極11の
下面が放熱面として作用する場合を仮定して説明した
が、逆であっても構わない。
【0066】<6.第6の実施の形態>図8は第6の実
施の形態における熱電変換装置3を示す断面図である。
熱電変換装置3は、基板30と、複数の熱電変換素子9
と、複数の電極32とを備えて構成される。
【0067】基板30は例えば放熱側に配置され、ガラ
スエポキシ基板等によって構成される板状の絶縁性部材
33と、その絶縁性部材33に固定される電極31とを
備えて構成される。絶縁性部材33には複数の孔39が
形成される。各孔39には熱電変換素子9を挿入するこ
とができるように、各孔39のサイズは熱電変換素子9
の断面面積よりも大きく設定され、熱電変換素子9を電
極31に配置した際に絶縁性部材33が熱電変換素子9
と干渉しないように構成されている。つまり、熱電変換
装置3は絶縁性部材33と熱電変換素子9とが接触しな
いように構成されるので、従来のスケルトン構造と比較
しても、熱電変換素子9の熱ロスが少なくなる。また、
このような構成により、熱電変換素子9は任意の断面形
状のものを採用することができ、設計の自由度も増す。
さらに、孔39の形状を円形とし、低コストで複数の孔
39を形成することができるように構成される。
【0068】また、絶縁性部材33の端部には両面側に
導電性部材34が設けられ、上面側と下面側とがスルー
ホール34aで導通された状態となっている。この導電
性部材34が外部端子を接続するための接続部となる。
導電性部材34の下面側と端部電極31aの上面側とは
半田付けされ、それによって端部電極31aと絶縁性部
材33とが固定された状態となる。
【0069】また、他の電極31については複数の孔3
9が形成された位置に対応して配置され、絶縁性部材3
3の下面側と複数の電極31の上面側との固定部分38
を接着剤や半田付け等によって固定する。ただし、固定
部分38を半田付けによって固定する場合は、絶縁性部
材33の固定部分38に銅箔を形成し、その銅箔に対し
て予め半田を付着させておくことが好ましい。
【0070】上記のように絶縁性部材33は、電極31
に対し熱電変換素子9が取り付けられる側と同一側に取
り付けられ、電極31による下面(放熱面)を露出して
熱交換機能を低下させないように構成されている。
【0071】絶縁性部材33としてガラスエポキシ基板
等を用いることにより、熱電変換装置2の機械的強度の
向上を図ることも可能である。また、このような基板3
0は一般的なプリント配線基板を作成する技術によって
容易に作成することができ、基板30の作成コストも安
価に抑えることができる。
【0072】そして基板30に設けられた絶縁性部材3
3の複数の孔39が形成された位置に複数の熱電変換素
子9を配置し、各熱電変換素子9と各電極31とを半田
付けによって固定する。そして基板30に固定された熱
電変換素子9の他方端側(吸熱側)に対して複数の電極
32を半田付けすることで、熱電変換装置3を生成す
る。
【0073】このような熱電変換装置3を製造する工程
は図3に示した工程と同様である。図3における基板を
生成する工程(ステップS1)では、まずガラスエポキ
シ基板等の板状の絶縁性部材33を用意し、その絶縁性
部材33の適所に複数の孔39を形成する。そして絶縁
性部材33の孔39が形成された位置に対応して複数の
電極31を配置し、半田付け等によって固定する。
【0074】ステップS1において基板30が形成され
ると、第1の実施の形態で説明したのと同様の手順(ス
テップS2,S3)を行うことで、基板30の電極31
に対して熱電変換素子9が固着され、その熱電変換素子
9の吸熱側に複数の電極32が接続されて熱電変換装置
3が生成される。
【0075】この結果、基板30の絶縁性部材33は、
放熱側の複数の電極31による放熱面と吸熱側の複数の
電極32による吸熱面との間の空間8に複数の熱電変換
素子9と干渉しない状態で配置されるため、絶縁性部材
33が熱抵抗となることは少ない。よって、熱電変換装
置3の熱交換機能を低下させることなく、各熱電変換素
子9を固定することが可能となっている。
【0076】また、基板30の作成が簡単であるととも
に、基板30に対する熱電変換素子9の組み付け等も簡
単に行うことができるため、熱抵抗を上昇させることの
ない熱電変換装置3を低コストで製造するができる。
【0077】なお、この実施の形態においても、一例と
して電極32の上面が吸熱面として作用し、電極31の
下面が放熱面として作用する場合を仮定して説明した
が、これらは逆であっても構わない。
【0078】<7.第7の実施の形態>図9は第7の実
施の形態における熱電変換装置3aを示す断面図であ
る。熱電変換装置3aにおいては、放熱側だけでなく、
吸熱側にも第6の実施の形態と同様の基板35が配置さ
れる。なお、図9では、これまでに説明した部材と同一
の部材については同一符号を付しており、ここではそれ
らの詳細な説明を省略する。
【0079】熱電変換装置3aは、放熱側の基板30
と、吸熱側の基板35と、複数の熱電変換素子9とを備
えて構成される。放熱側の基板30は第6の実施の形態
で説明したものと同様である。
【0080】吸熱側の基板35は、ガラスエポキシ基板
等によって構成される板状の絶縁性部材36と、その絶
縁性部材36に固定される電極32とを備えて構成され
る。絶縁性部材36には複数の孔39が形成される。各
孔39には熱電変換素子9を挿入することができるよう
に、各孔39のサイズが熱電変換素子9の断面面積より
も大きく設定され、熱電変換素子9を電極31に配置し
た際に絶縁性部材33が熱電変換素子9と干渉しないよ
うに構成されている。また、孔39の形状を円形とし、
低コストで複数の孔39を形成することができるように
構成される。
【0081】図9に示すように基板35の絶縁性部材3
6は電極32に対して下方側から設置されるとともに、
熱電変換素子9と干渉しない状態で配置されている。な
お、絶縁性部材36と電極32との接着は接着剤や半田
等によって行われる。
【0082】基板35の絶縁性部材36も、放熱側の複
数の電極31による放熱面と吸熱側の複数の電極32に
よる吸熱面との間の空間8に複数の熱電変換素子9と干
渉しない状態で配置されており、熱電変換装置3aの熱
交換機能を低下させることなく、各熱電変換素子9を固
定することが可能となっている。
【0083】そして、この実施の形態の熱電変換装置3
aでは、放熱側と吸熱側とのそれぞれに基板30,35
が配置されて熱電変換素子9の固定が行われるため、第
6の実施の形態の熱電変換装置3と比較して、熱電変換
装置3aの機械的強度をさらに向上させることが可能で
ある。
【0084】このような熱電変換装置2aを製造する工
程についても図3に示した工程と同様である。ただし、
基板を生成する工程(ステップS1)では吸熱側と放熱
側との双方の基板30,35を作成し、熱電変換素子9
の他方端側に電極を接続する工程(ステップS3)では
放熱側の基板30に固定された複数の熱電変換素子9の
吸熱側に対し、基板35の固定(半田付け)が行われ
て、熱電変換装置3aが生成される。
【0085】そして基板30,35の作成が簡単である
とともに、基板30に対する熱電変換素子9の組み付け
工程や基板35の取り付け工程等も簡単に行うことがで
きるため、熱抵抗を上昇させることのない熱電変換装置
3aを低コストで製造するができる。
【0086】なお、この実施の形態においても、一例と
して電極32の上面が吸熱面として作用し、電極31の
下面が放熱面として作用する場合を仮定して説明した
が、逆であっても構わない。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
熱電変換装置によれば、放熱側及び吸熱側の少なくとも
一方側に配置される複数の電極が絶縁性部材によって固
定された基板を備えており、その絶縁性部材が、放熱側
の複数の電極による放熱面と吸熱側の複数の電極による
吸熱面との間の空間に複数の熱電変換素子と干渉しない
状態で配置されるため、熱交換機能を低下させることな
く熱電変換素子を固定することができるとともに、低コ
ストな熱電変換装置を実現することができる。
【0088】請求項2に記載の熱電変換装置によれば、
絶縁性部材が樹脂材料であるので、比較的安価な熱電変
換装置を実現することができる。
【0089】請求項3に記載の熱電変換装置によれば、
基板における複数の電極の少なくとも1つに、当該電極
と絶縁性部材とが放熱面又は吸熱面に垂直な方向に対し
て絶縁性部材を掛止する掛止部が設けられるため、電極
と絶縁性部材とが放熱面又は吸熱面に垂直な方向に離脱
することがなく、熱電変換装置の耐久性及び強度を向上
させることができる。
【0090】請求項4に記載の熱電変換装置によれば、
基板に固定された複数の電極が、板状の絶縁性部材の両
面に形成された複数の導電性部材を有し、基板には、複
数の導電性部材を導通させる少なくとも1つのスルーホ
ールが形成されるため、熱交換機能を低下させることな
く複数の熱電変換素子を固定することができるととも
に、低コストな熱電変換装置を実現することができる。
【0091】請求項5に記載の熱電変換装置によれば、
基板が、複数の熱電変換素子の配置される位置に複数の
孔が形成された板状の絶縁性部材を備えており、複数の
熱電変換素子と基板において固定された複数の電極との
接合面側で絶縁性部材と複数の電極とが固定されて構成
されるため、熱交換機能を低下させることなく複数の熱
電変換素子を固定することができるとともに、低コスト
な熱電変換装置を実現することができる。
【0092】請求項6に記載の熱電変換装置によれば、
基板が放熱側及び吸熱側の双方に配置されるため、熱電
変換装置の耐久性及び強度をさらに向上させることがで
きる。
【0093】請求項7に記載の熱電変換装置の製造方法
によれば、熱交換機能を低下させることのない熱電変換
素子を低コストで製造することが可能である。
【0094】請求項8に記載の熱電変換装置の製造方法
によれば、複数の第1の電極と、絶縁性部材となる樹脂
材料とを用いたインサート成型によって、基板を生成す
るため、容易かつ安価に基板を生成することができ、そ
の結果、低コストで熱電変換装置を製造することができ
る。
【0095】請求項9に記載の熱電変換装置の製造方法
によれば、複数の第1の電極の各々には、当該電極と絶
縁性部材とが放熱面又は吸熱面に垂直な方向に対して絶
縁性部材を掛止する掛止部が設けられ、絶縁性部材が掛
止部に係合するように、基板を生成するため、製造され
る熱電変換装置の耐久性及び強度を向上させることがで
きる。
【0096】請求項10に記載の熱電変換装置の製造方
法によれば、複数の第1の電極が配置される位置に対応
して、板状の絶縁性部材に複数のスルーホールを設け、
絶縁性部材の位置に対応する両面にスルーホールを介し
て互いに導通する導電性部材を形成することによって複
数の電極を形成するため、熱交換機能を低下させること
なく複数の熱電変換素子を固定することができるととも
に、低コストで熱電変換装置を製造することができる。
【0097】請求項11に記載の熱電変換装置の製造方
法によれば、複数の熱電変換素子と複数の第1の電極と
の接合面側で絶縁性部材と複数の第1の電極とを固定す
ることによって基板を生成するため、熱交換機能を低下
させることなく複数の熱電変換素子を固定することがで
きるとともに、低コストで熱電変換装置を製造すること
ができる。
【0098】請求項12に記載の熱電変換装置の製造方
法によれば、板状の絶縁性部材に対して複数の熱電変換
素子が配置される位置に複数の孔を形成し、複数の熱電
変換素子のそれぞれを複数の孔を通して複数の第1の電
極と接合させるため、簡単に複数の熱電変換素子と複数
の第1の電極とを固定することができ、低コストで熱電
変換装置を製造することができる。
【0099】請求項13に記載の熱電変換装置の製造方
法によれば、空間に複数の熱電変換素子と干渉しない状
態で配置される他の絶縁性部材を用いて、複数の第2電
極を固定した他の基板を生成し、他の基板を複数の熱電
変換素子の他端に固定するため、製造される熱電変換装
置の耐久性及び強度をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における熱電変換装置を示す
断面図である。
【図2】絶縁性部材に形成される孔を拡大して示す斜視
図である。
【図3】熱電変換装置の製造過程を示す工程図である。
【図4】第2の実施の形態における熱電変換装置を示す
断面図である。
【図5】第3の実施の形態における熱電変換装置を示す
断面図である。
【図6】第4の実施の形態における熱電変換装置を示す
断面図である。
【図7】第5の実施の形態における熱電変換装置を示す
断面図である。
【図8】第6の実施の形態における熱電変換装置を示す
断面図である。
【図9】第7の実施の形態における熱電変換装置を示す
断面図である。
【図10】従来の熱電変換装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,2,2a,3,3a 熱電変換装置 8 吸熱面と放熱面との間の空間 9 熱電変換素子 10,15,20,25,30,35 基板 11,12,21,22,26,31,32 電極 13,14,23,27,33,36 絶縁性部材 18,19,39 孔

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の熱電変換素子(9)が配置され、
    前記複数の熱電変換素子の放熱側及び吸熱側に配置され
    る複数の電極(11,12;21,22;31,32)
    によって前記複数の熱電変換素子が電気的に接続された
    熱電変換装置(1,1a,1b;2,2a;3,3a)
    であって、 前記放熱側及び前記吸熱側の少なくとも一方側に配置さ
    れる複数の電極(11;21;31)が絶縁性部材(1
    3;23;33)によって固定された基板(10;2
    0;30)を備え、 前記絶縁性部材は、前記放熱側の複数の電極(11;2
    1;31)による放熱面と前記吸熱側の複数の電極(1
    2;22;32)による吸熱面との間の空間(8)に前
    記複数の熱電変換素子と干渉しない状態で配置されるこ
    とを特徴とする熱電変換装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱電変換装置におい
    て、 前記絶縁性部材は樹脂材料であることを特徴とする熱電
    変換装置(1,1a,1b)。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の熱電変換装置に
    おいて、 前記基板における前記複数の電極の少なくとも1つに
    は、当該電極と前記絶縁性部材とが前記放熱面又は前記
    吸熱面に垂直な方向に対して、前記絶縁性部材を掛止す
    る掛止部(11a,12a)が設けられることを特徴と
    する熱電変換装置(1a,1b)。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の熱電変換装置におい
    て、 前記基板(20)において固定された前記複数の電極
    (21)は、板状の前記絶縁性部材(23)の両面に形
    成された複数の導電性部材(21a,21b)を有し、 前記基板(20)には、前記複数の前記導電性部材を導
    通させる少なくとも1つのスルーホール(29)が形成
    されることを特徴とする熱電変換装置(2,2a)。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の熱電変換装置におい
    て、 前記基板(30)は、前記複数の熱電変換素子の配置さ
    れる位置に複数の孔(39)が形成された板状の前記絶
    縁性部材(33)を備え、前記複数の熱電変換素子
    (9)と前記基板(30)において固定された前記複数
    の電極(31)との接合面側で前記絶縁性部材と前記複
    数の電極とが固定されてなることを特徴とする熱電変換
    装置(3,3a)。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の
    熱電変換装置において、 前記基板は、前記放熱側及び前記吸熱側の双方に配置さ
    れることを特徴とする熱電変換装置(1b;2a;3
    a)。
  7. 【請求項7】 各々が一端及び他端を有する、複数の熱
    電変換素子(9)と、前記複数の熱電変換素子の前記一
    端側に配置される複数の第1の電極(11;21;3
    1)と、前記複数の熱電変換素子の前記他端に配置され
    る複数の第2の電極(12;22,26;32)とによ
    って前記複数の熱電変換素子が電気的に接続された熱電
    変換装置(1,1a,1b;2,2a;3,3a)を製
    造する方法であって、 (a)前記複数の第1の電極の熱交換面と、前記複数の
    第2の電極の熱交換面との間の空間(8)に前記複数の
    熱電変換素子と干渉しない状態で配置される絶縁性部材
    (13;23;33)を用いて、前記複数の第1の電極
    を固定した基板(10;20;30)を生成する工程
    と、 (b)前記複数の第1の電極に対して前記複数の熱電変
    換素子の前記一端を固定することにより、前記基板に前
    記複数の熱電変換素子を固定する工程と、 (c)前記複数の熱電変換素子の前記他端に前記複数の
    第2の電極を固定する工程とを備える、熱電変換装置の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の熱電変換装置の製造方
    法において、 前記工程(a)は、前記複数の第1の電極と、前記絶縁
    性部材となる前記樹脂材料とを用いたインサート成型に
    よって、前記基板(10)を生成することを特徴とす
    る、熱電変換装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載の熱電変換装置の
    製造方法において、 前記複数の第1の電極(11)の各々には、当該電極と
    前記絶縁性部材とが前記放熱面又は前記吸熱面に垂直な
    方向に対して前記絶縁性部材(13)を掛止する掛止部
    (11a)が設けられており、 前記工程(a)は、前記絶縁性部材が前記掛止部に係合
    するように、前記基板を生成することを特徴とする、熱
    電変換装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の熱電変換装置の製造
    方法において、 前記工程(a)は、前記複数の第1の電極が配置される
    位置に対応して、板状の前記絶縁性部材(23)に複数
    のスルーホール(29)を設け、前記絶縁性部材の前記
    位置に対応する両面に前記スルーホールを介して互いに
    導通する導電性部材を形成することによって前記複数の
    電極(21)を形成することを特徴とする、熱電変換装
    置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載の熱電変換装置の製造
    方法において、 前記工程(a)は、前記複数の熱電変換素子と前記複数
    の第1の電極との接合面側で前記絶縁性部材と前記複数
    の第1の電極とを固定することによって前記基板(3
    0)を生成することを特徴とする、熱電変換装置の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の熱電変換装置の製
    造方法において、 前記工程(a)は、板状の前記絶縁性部材(33)に対
    して前記複数の熱電変換素子が配置される位置に複数の
    孔(39)を形成する工程を含み、 前記工程(b)は、前記複数の熱電変換素子のそれぞれ
    を前記複数の孔(39)を通して前記複数の第1の電極
    と接合させる工程を含む、熱電変換装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項7乃至12のいずれか1つに記
    載の熱電変換装置の製造方法において、 前記工程(a)は、前記空間(8)に前記複数の熱電変
    換素子と干渉しない状態で配置される他の絶縁性部材
    (14;27;36)を用いて、前記複数の第2電極を
    固定した他の基板(15;25;35)を生成する工程
    を含み、 前記工程(c)は、前記他の基板を前記複数の熱電変換
    素子の前記他端に固定する工程を含む、熱電変換装置の
    製造方法。
JP2001155550A 2001-05-24 2001-05-24 熱電変換装置及びその製造方法 Withdrawn JP2002353525A (ja)

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