JP2002350399A - ゲル注入装置 - Google Patents

ゲル注入装置

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JP2002350399A
JP2002350399A JP2001156691A JP2001156691A JP2002350399A JP 2002350399 A JP2002350399 A JP 2002350399A JP 2001156691 A JP2001156691 A JP 2001156691A JP 2001156691 A JP2001156691 A JP 2001156691A JP 2002350399 A JP2002350399 A JP 2002350399A
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gel
dispensing
tip
syringe
dna
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JP2001156691A
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English (en)
Inventor
Hidemi Yoshida
秀美 吉田
Yusuke Miyazaki
祐輔 宮崎
Toshiyuki Sakurai
利之 桜井
Masayoshi Kodama
正吉 児玉
Hiroaki Machida
浩昭 町田
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Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi Electronics Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲルの分注及び充填を手作業によることな
く、自動的に行うことができるゲル注入装置を提供す
る。 【解決手段】 XYZステージに支持された分注シリン
ジと、前記分注シリンジの先端に装着される分注用チッ
プが収納されたラックと、マイクロプレートを載置する
ための載置台と、DNAサンプルが収納されたサンプル
プレートを載置するための載置台と、泳動媒体となるべ
きゲルを貯留するための槽と、DNAサンプルを標識す
るためのマーカを貯留するための槽と、前記分注シリン
ジの先端に装着されるゲル加圧注入用先端チップが収納
された待機所とからなることを特徴とするゲル注入装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゲル注入装置に関す
る。更に詳細には、本発明はマイクロプレートと呼ばれ
るような超小型電気泳動部材のチャネルにゲルを注入す
るためのゲル注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】DNA等の塩基配列を決定する方法とし
て、ゲル電気泳動法が広く実施されている。電気泳動す
る際に、従来は試料をラジオアイソトープでラベルし、
分析していたが、この方法では手間と時間がかかる難点
があった。更に、放射能管理の点から常に最大限の安全
性と管理が求められ、特別な施設内でなければ分析を行
うことができない。このため、最近では、試料を蛍光体
でラベルする方式が検討されている。
【0003】光を用いる方法では、蛍光ラベルしたDN
A断片をゲル中を泳動させるが、泳動開始部から、15
〜20cm下方に各泳動路毎に光励起部と光検出器を設
けておき、ここを通過するDNA断片を順に計測する。
例えば、配列を決定しようとするDNA鎖を鋳型として
酵素反応(ダイデオキシ法)による操作で末端塩基種が
わかった種々の長さのDNAを複製し、これらに蛍光体
を標識する。つまり、蛍光体で標識されたアデニン
(A)断片群,シトシン(C)断片群,グアニン(G)
断片群およびチミン(T)断片群を得る。これらの断片
群を混合して電気泳動用ゲルの別々の泳動レーン溝に注
入し、電圧を印加する。DNAは負の電荷を持つ鎖状の
重合体高分子のため、ゲル中を分子量に反比例した速度
で移動する。短い(分子量の小さい)DNA鎖ほど早
く、長い(分子量の大きい)DNA鎖ほどゆっくりと移
動するので、分子量によりDNAを分画できる。
【0004】特開昭63−21556号公報には、レー
ザで照射される電気泳動装置のゲル上のラインと光ダイ
オードアレイの配列方向が電気泳動装置内のDNA断片
の泳動方向と直角となるように構成されたDNA塩基配
列決定装置が開示されている。この装置では、一対のガ
ラス板の間にポリアクリルアミドなどのゲル電解質を充
填し、ゲル電気泳動層を形成した後、該ゲル電気泳動層
の一端にDNAサンプルを注入し、ゲル電気泳動層の両
端をバッファ液に浸漬させながら、その両端に電圧を印
加してDNAサンプルを電気泳動させることによりゲル
電解質層上にDNA断片を展開する。光を用いる方法で
は、蛍光ラベルしたDNA断片をゲル中を泳動させる
が、泳動開始部から、15〜20cm下方に各泳動路毎
に光励起部と光検出器を設けておき、ここを通過するD
NA断片を順に計測する。例えば、配列を決定しようと
するDNA鎖を鋳型として酵素反応(ダイデオキシ法)
による操作で末端塩基種がわかった種々の長さのDNA
を複製し、これらに蛍光体を標識する。つまり、蛍光体
で標識されたアデニン(A)断片群,シトシン(C)断
片群,グアニン(G)断片群およびチミン(T)断片群
を得る。これらの断片群を混合して電気泳動用ゲルの別
々の泳動レーン溝に注入し、電圧を印加する。DNAは
負の電荷を持つ鎖状の重合体高分子のため、ゲル中を分
子量に反比例した速度で移動する。短い(分子量の小さ
い)DNA鎖ほど早く、長い(分子量の大きい)DNA
鎖ほどゆっくりと移動するので、分子量によりDNAを
分画できる。
【0005】しかし、このような装置では一度に多量の
サンプルを取り扱うことができるという利点があるもの
の、泳動作業に数十時間も要し、DNA診断などのよう
な迅速な分析を必要とするような要望には答えることが
できなかった。
【0006】このような迅速分析という要求に応えるた
めに、図7に示されるようなマイクロプレートと呼ばれ
る超小型DNA電気泳動部材が試作されている。従来の
マイクロプレート90は、ガラス又は合成樹脂(例え
ば、アクリル樹脂)などの透明基板100に分離用チャ
ネル102と、この分離用チャネル102と直交する導
入用チャネル104を有する。分離用チャネル102の
両端にはグランド側泳動媒体用ウエル106と高電圧側
泳動媒体用ウエル108が配設されている。また、導入
用チャネル104の一方の端部にはグランド側のDNA
サンプル用ウエル110と高電圧側泳動媒体用ウエル1
12が配設されている。
【0007】図8は図7におけるVIII−VIII線に沿った
断面図である。図示されているように、透明基板100
を貫通するように泳動媒体用ウエル106及び108が
設けられ、この基板100の下面側に、泳動媒体用ウエ
ル106及び108に連通する分離用チャネル102が
配設されている。基板100の下面側に透明又は不透明
な素材(例えば、合成樹脂フィルム)からなる遮蔽シー
ト114が接着されている。この遮蔽シート114の存
在により、ウエル及び溝内に泳動媒体及びDNAサンプ
ルなどを注入することができる。
【0008】図9は図7に示されたマイクロプレートの
使用方法を示す模式図である。先ず、ステップ(1)
で、分離用チャネル102の高電圧側泳動媒体用ウエル
108に電気泳動用の分離用泳動路となるべき泳動媒体
(例えば、ゲル電解質)を分注する。次いで、ステップ
(2)において、このウエル108から静かに圧力をか
けて、分離用チャネル102及び導入用チャネル104
に泳動媒体を充填させる。次いで、ステップ(3)にお
いて、ウエル106とウエル112に泳動媒体を分注す
る。次いで、ステップ(4)において、ウエル110に
DNAサンプル(遺伝子断片)を分注する。その後、ス
テップ(5)において、導入用チャネル104のウエル
110をグランド側とし、ウエル112を高電圧側と
し、導入用チャネル104に電圧を印加し、DNAサン
プルをウエル110からウエル112に向かって泳動さ
せる。次いで、ステップ(6)において、導入用チャネ
ル104への電圧印加を止め、分離用チャネル102の
ウエル106をグランド側とし、ウエル108を高電圧
側とし、分離用チャネル102に電圧を印加し、チャネ
ルの交差部116に存在するDNAサンプル(遺伝子断
片)をウエル108に向かって泳動させる。分離用チャ
ネル102の途中に光学測定位置118が存在し、この
位置まで泳動された分離断片に光源(図示されていな
い)から励起光が照射され、断片に標識された蛍光体か
ら発生された蛍光を受光手段(図示されていない)で受
光し、分析を行う。
【0009】図10は前記のステップ(1)〜ステップ
(4)で行われる作業の模式図である。(A)におい
て、マイクロプレート90のウエル108等に電気泳動
用の分離用泳動路となるべきゲル泳動媒体をマイクロピ
ペット120のような公知慣用の注入手段で分注する。
次いで、(B)において、先端にゴムパッド122を有
するシリンジ124をウエル108に向けて下降させ
る。その後、(C)において、ゴムパッド122をウエ
ル108の上面に密着させ、シリンジ124で静かに加
圧することにより、ウエル108内のゲル126をチャ
ネル102及び104へ充填する。その後、(D)にお
いて、マイクロピペット120によりウエル106とウ
エル112にゲル126を分注し、更に、ウエル110
にDNAサンプル(遺伝子断片)を分注する。
【0010】前記のように、従来の方法では、マイクロ
ピペット120と加圧用シリンジ124の2種類を使用
しなければならず、作業が繁雑である。自動分注機を用
いても、ウエルへのゲル注入は手動で行うか、若しくは
ゲル注入機構を持った専用機が必要となる。また、シリ
ンジ124で加圧する場合、圧力をかけすぎてウエルか
らゲルが吹き出してしまうことがある。従って、シリン
ジ124の取り扱いには熟練が必要であり、誰でもゲル
充填作業ができるわけではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ゲルの分注及び充填を手作業によることなく、自動
的に行うことができるゲル注入装置を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題は、XYZステ
ージに支持された分注シリンジと、前記分注シリンジの
先端に装着される分注用チップが収納されたラックと、
マイクロプレートを載置するための載置台と、DNAサ
ンプルが収納されたサンプルプレートを載置するための
載置台と、泳動媒体となるべきゲルを貯留するための槽
と、DNAサンプルを標識するためのマーカを貯留する
ための槽と、前記分注シリンジの先端に装着されるゲル
加圧注入用先端チップが収納された待機所とからなるこ
とを特徴とするゲル注入装置により解決される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
のゲル注入装置について説明する。図1は本発明による
ゲル注入装置1の一例の概要斜視図である。ゲル注入装
置1は基本的に、水平なワーク台3とこのワーク台3の
上面5に立設された移動ステージ支持台7を有する。移
動ステージ支持台7には上下左右に移動可能なXYZス
テージ9が配設されている。XYZステージ自体は公知
慣用のステージを使用できる。このようなXYZステー
ジは当業者に周知である。XYZステージ9は分注シリ
ンジ12を保持している。ワーク台3の上面5には、分
注用チップラック14と、マイクロチップ載置台16
と、サンプルプレート載置台18が配設されている。分
注用チップラック14と、マイクロチップ載置台16
と、サンプルプレート載置台18の配設箇所、配列順序
などは図示された実施態様に限定されず、適宜変更でき
ることは当業者に自明である。
【0014】分注用チップラック14には下記で詳細に
説明する分注用チップがストックされている。マイクロ
プレート載置台16の上面には、例えば、図7に示され
るようなマイクロプレート90が載置されている。ま
た、サンプルプレート載置台18の上面には、例えば、
96個の凹状のウエルを有するサンプルプレート20が
載置されている。
【0015】更に、マイクロプレート載置台16に隣接
して、泳動媒体槽22と、必要に応じてマーカー槽24
と基準マーカー槽26を配設する。基準マーカー槽26
の隣に、着脱可能なゲル加圧注入用先端チップ28を配
置することができる。泳動媒体槽、マーカー槽及び先端
チップの配置位置は図示された実施態様に限定されず、
適宜変更できることは当業者に自明である。泳動媒体槽
22、マーカー槽24及び基準マーカー槽26は何れも
例えば、容量0.6mLのPCRチューブを使用するこ
とができる。
【0016】図2は分注用チップラック14に収納され
た状態の分注用チップ30と分注シリンジ12との嵌合
関係を示す模式的な部分概要断面図である。分注シリン
ジ12は、その先端部34が下方に向けて直径が縮小す
るようにテーパが付けられている。分注シリンジ12
は、金属、ゴム又はプラスチックなどの素材から形成さ
れている。分注シリンジ12の先端部34のみをゴム又
はプラスチックで形成することもできる。分注用チップ
30は、先端に向けて直径が縮小する中空状の液体収容
部32と、分注シリンジ12の先端部34と嵌合する嵌
合部36とから構成されている。分注用チップ30は一
般的に、ポリプロピレンなどの合成樹脂又はガラスなど
の適宜な材料で形成されている。分注用チップ30の液
体収容部32の容量は用途に応じて適宜変更できるが、
一般的に、0.1μL〜100μLの範囲内であり、好
ましくは1〜10μLの範囲内である。液体収容部32
の長さは、所望の内容量に応じて適宜選択することがで
きる。図示されているように、分注用チップ30の嵌合
部36は上方に向けて拡開するように構成されている。
分注シリンジ12の先端部34が下方に向けて直径が縮
小するようにテーパが付けられているが、このテーパは
嵌合部36のテーパと略同一であり、嵌合部36の内径
が分注シリンジ12の先端部34の外径よりも極く僅か
に小さいので、分注シリンジ12の先端部34を分注用
チップ30の嵌合部36内に押し込むことにより、分注
シリンジ12の先端に分注用チップ30を嵌合させ、一
体化させることができ、その結果、分注用チップラック
14から分注用チップ30を取り出すことができる。分
注シリンジ12の先端部34に嵌合された分注用チップ
30は、分注シリンジ12に具備された着脱レバー48
を下方へ向けて駆動させることにより、分注シリンジ1
2の先端部34からの嵌合を解除させることができる。
その結果、分注用チップ30を分注用チップラック14
に戻すことができる。
【0017】図3はワーク台3の上面に設けられた待機
所46に収納されているゲル加圧注入用先端チップ28
と分注シリンジ12との嵌合関係を示す模式的な部分概
要断面図である。ゲル加圧注入用先端チップ28は、例
えば、上側部分38と下側部分40との2つの部分から
構成することができる。しかし、単一の構造体であるこ
ともできる。ゲル加圧注入用先端チップ28は、例え
ば、ゴム又はプラスチックあるいは金属などの適宜の素
材から形成することができる。下側部分40をゴム製に
すると、シール性能が高まるので好ましい。下側部分4
0を金属製にする場合、シール性能を高めるために、下
面にゴム製のO−リングを配設することが好ましい。ゲ
ル加圧注入用先端チップ28の上側部分38は、前記分
注用チップ30の嵌合部36と同様な嵌合部42を有す
る。これにより、分注用チップ30と同様に、ゲル加圧
注入用先端チップ28も分注シリンジ12と嵌合させた
り、離脱させたりすることができる。下側部分40の開
口直径はマイクロプレート90のウエル108(図参
照)の開口直径よりも大きくなければならない。
【0018】図4は、分注シリンジ12の先端部34に
嵌合されたゲル加圧注入用先端チップ28の下端をマイ
クロプレート90の基板100のウエル108の上部に
当接した状態の模式的部分概要断面図である。分注シリ
ンジ12の本体内部にはピストン44が配設されてお
り、このピストン44を下降させることによりマイクロ
プレート90のウエル108内の泳動媒体126に圧力
を加え、チャネル102に移行させる。泳動媒体注入圧
力はピストン44の下降ストロークを調整することによ
り適宜設定又は変更することができる。例えば、1×1
Pa(1.0kg/cm)の圧力を使用できる。
ゲル注入時間は例えば、2分間である。分注シリンジ1
2のピストン44は、分注用チップ30によるゲルの吸
引、吐出及び/又は撹拌目的にも使用される。
【0019】本発明のゲル注入装置1は様々な動作モー
ドで運転することができる。例えば、動作モード1の場
合、泳動媒体分注−泳動媒体加圧注入−マーカー分注−
DNAサンプル分注−撹拌動作の一連の作業からなる。
動作モード2の場合、泳動媒体分注−泳動媒体加圧注入
の一連の作業からなる。言うまでもなく、その他の動作
モードを組み立てることも可能である。
【0020】図5は、本発明のゲル注入装置1の一連の
ゲル注入作業の流れ図である。ステップ501で動作が
開始される。ステップ502において、XYZステージ
9により分注シリンジ12を分注用チップラック14の
所定位置に移動させ、次いで、分注シリンジ12を下降
させ、所定の分注用チップ30と嵌合させることによ
り、分注シリンジ12に分注用チップ30を装着する。
ステップ503において、分注シリンジ12をゲル槽2
2の位置に移動・下降させ、分注用チップ30にゲルを
吸引させた後、マイクロプレート90上に移動し、分注
用チップ30をマイクロプレート90のウエル108内
に挿入し、ゲルを吐出させる。次いで、ステップ504
において、分注シリンジ12を分注用チップラック14
に移動させ、着脱レバー48を駆動させて分注シリンジ
12から分注用チップ30を離脱させ、ラック14の元
の位置に戻す。その後、ステップ505において、分注
シリンジ12をワーク台3の待機所46に収納されてい
るゲル加圧注入用先端チップ28と嵌合させる。分注シ
リンジ12にゲル加圧注入用先端チップ28を装着した
後、ステップ506において、マイクロプレート90の
ウエル108上に移動させ、ピストン44を下降させて
加圧し、マイクロプレートのチャネル102にゲル12
6を充填注入する。その後、分注シリンジ12をワーク
台3の待機所46に移動させ、着脱レバー48を駆動さ
せて分注シリンジ12からゲル加圧注入用先端チップ2
8を離脱させ、ゲル加圧注入用先端チップ28を待機所
46に返却する。次いで、ステップ508において、分
注シリンジ12を再び分注用チップラック14の所定位
置に移動させ、前記と同様に分注用チップ30を装着す
る。この分注用チップ30は先のゲル分注作業に使用し
たものを再使用することもできるし、あるいは未使用の
新たなものを使用することもできる。分注用チップ30
の使用本数を軽減するため、1バッチの作業内では同じ
チップを使い回すことが好ましい。その後、ステップ5
09において、分注シリンジ12をゲル槽22の位置に
移動・下降させ、分注用チップ30にゲルを吸引させた
後、マイクロプレート90上に移動し、分注用チップ3
0をマイクロプレート90のウエル106内に挿入し、
ゲルを吐出させる。この操作を繰り返し、分注シリンジ
12をウエル112内に挿入し、ゲルを吐出させる。ス
テップ510で、指定回数の分注が完了したか否か判定
し、YESの場合はステップ511に進み、ステップ5
04と同様にして、分注用チップ30をラック14の所
定位置に戻す。NOの場合は、ステップ509に戻り、
分注作業を繰り返す。その後、ステップ512におい
て、引き続きDNAサンプルの分注作業を継続するか否
か判定する。YESの場合は、動作モード1の作業を継
続するため、(A)のフローチャートへ進み、NOの場
合は、動作モード2の作業をそのまま終了する。
【0021】図6はマーカ及びサンプルを分注する一連
の作業を示す流れ図である。前記図5のステップ512
において、DNAサンプルを注入することが決定された
ら、図6のステップ614において、前記の図5のステ
ップ502などと同様の操作により分注シリンジ12に
分注用チップ30を装着する。次いで、ステップ615
において、マーカ分注作業を開始する。このマーカはD
NAサンプルを標識するための蛍光体などである。この
ような目的に好適な蛍光標識は例えば、FITC(イソ
チオシアン酸フルオレセイン)、EITC(イソチオシ
アン酸エオシン)、TMRITC(イソチオシアン酸テ
トラメチルローダミン)、XRITC(置換イソチオシ
アン酸ローダミン)などである。マイクロプレート90
の蛍光標識DNA断片サンプルに励起光が照射される
と、使用されている蛍光標識から特定の波長の蛍光が発
生され、分析が可能になる。言うまでもなく、その他の
マーカも使用できる。
【0022】ステップ615において、分注シリンジ1
2をワーク台3上のマーカ槽24に移動させ、マーカ槽
24内の液体状のマーカを1μL吸引する。その後、ス
テップ616において、分注シリンジ12をマイクロプ
レート90に移動させ、マイクロプレート90のサンプ
ル注入ポットであるウエル110へマーカを分注する。
マーカ分注が完了したら、ステップ617において、図
5のステップ504と同様な操作により、分注用チップ
30をラック14に戻す。このマーカ分注作業を指定回
数繰り返す。ステップ618において、マーカ分注作業
が指定回数繰り返され、作業が完了したか否か判定す
る。NOの場合、ステップ614に戻る。YESの場
合、DNAサンプルの分注作業に入るため、ステップ6
19に進む。
【0023】ステップ619において、分注シリンジ1
2に分注用チップ30を装着する。次いで、ステップ6
20において、分注シリンジ12をワーク台3上の96
穴サンプルプレート20に移動させ、サンプルプレート
20の所定位置の穴内に収容されている液状のDNAサ
ンプルを1μL吸引させる。DNAサンプルを吸引した
ら、ステップ621において、分注シリンジ12をマイ
クロプレート90に移動させ、マイクロプレート90の
サンプル注入ポットであるウエル110へ分注する。次
いで、ステップ622において、分注用チップ30をマ
イクロプレート90のウエル110内に挿入したまま、
分注シリンジ12のピストン44を上下動させてピペッ
ティングすることにより、ウエル110内のDNAサン
プルとマーカとの混合液を撹拌する。ピペッティングの
回数は1〜3回程度で十分であるが、これ以上の回数も
当然使用できる。撹拌終了後、ステップ623におい
て、分注用チップ30をラック14に戻す。このDNA
サンプル分注・撹拌作業を指定回数繰り返す。ステップ
624において、DNAサンプル分注・撹拌作業が指定
回数繰り返され、作業が完了したか否か判定する。NO
の場合、ステップ619に戻る。YESの場合、動作モ
ード1の動作を終了する。必要に応じて、マーカの分注
作業とDNAサンプルの分注作業の順序を入れ替えるこ
ともできる。即ち、先にDNAサンプルを分注し、次い
で、マーカを分注して混合液を撹拌するような作業手順
も本発明で採用することができる。言うまでもなく、分
析の内容に応じて、DNAサンプル分注量及びマーカ分
注量を適宜変更することができる。
【0024】本発明のゲル注入装置1の図5及び図6に
示されるような操作は全てプログラム化してコンピュー
タに記憶させ、自動制御することができる。このような
自動化のために、パラメータを設定することが必要とな
る。例えば、(a)96穴サンプルプレート20の穴座
標、(b)分注用チップラック14のチップ座標、(c)マイ
クロプレート90の各ウエル座標、(d)ゲル、DNAサ
ンプル及びマーカの分注量、(e)撹拌条件(吸排量、ピ
ペッティング回数など)、(f)ゲル注入時加圧力設定
(シリンジストロークなど)、(g)電源投入時初期パラ
メータ設定(処理数など)及び(h)動作モード(1、2
又は3)の設定などである。その他、メカニカルパラメ
ータとして、(a)駆動軸の動作速度、加減速設定、(b)タ
イマー設定(動作タイムオーバー値等)などを設定する
必要がある。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のゲル注入
装置によれば、ゲル分注、ゲル注入、DNAサンプル分
注及びマーカ分注などの作業を全て自動的に実施するこ
とができ、作業能率が飛躍的に向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゲル注入装置の一例の概要斜視図であ
る。
【図2】図1に示されたゲル注入装置において、分注用
チップラック14に収納された状態の分注用チップ30
と分注シリンジ12との嵌合関係を示す模式的な部分概
要断面図である。
【図3】図1に示されたゲル注入装置において、ワーク
台3の上面に設けられた待機所46に収納されているゲ
ル加圧注入用先端チップ28と分注シリンジ12との嵌
合関係を示す模式的な部分概要断面図である。
【図4】図1に示されたゲル注入装置において、分注シ
リンジ12の先端部34に嵌合されたゲル加圧注入用先
端チップ28の下端をマイクロプレート90の基板10
0のウエル108の上部に当接した状態の模式的部分概
要断面図である。
【図5】図1に示されたゲル注入装置による一連のゲル
注入作業の流れ図である。
【図6】図1に示されたゲル注入装置によるサンプル及
びマーカを分注する一連の作業を示す流れ図である。
【図7】従来のDNA電気泳動用マイクロプレートの一
例の概要平面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線に沿った断面図であ
る。
【図9】図7に示されたDNA電気泳動用マイクロプレ
ートの使用方法を示す概要模式図である。
【図10】図9に示されたステップ(1)〜ステップ
(4)で行われる作業の模式図である。
【符号の説明】
1 本発明のゲル注入装置 3 ワーク台 7 移動ステージ支持台 9 XYZステージ 12 分注シリンジ 14 分注用チップラック 16 マイクロプレート載置台 18 サンプルプレート載置台 20 サンプルプレート 22 ゲル槽 24 マーカ槽 26 基準マーカ槽 28 ゲル加圧注入用先端チップ 30 分注用チップ 32 チップ先端部 34 分注シリンジ先端部 36 分注用チップ嵌合部 38 ゲル加圧注入用先端チップの上側部分 40 ゲル加圧注入用先端チップの下側部分 42 ゲル加圧注入用先端チップ嵌合部 44 ピストン 46 ゲル加圧注入用先端チップ待機所 48 着脱レバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜井 利之 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 児玉 正吉 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 町田 浩昭 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XYZステージに支持された分注シリン
    ジと、前記分注シリンジの先端に装着される分注用チッ
    プが収納されたラックと、マイクロプレートを載置する
    ための載置台と、DNAサンプルが収納されたサンプル
    プレートを載置するための載置台と、泳動媒体となるべ
    きゲルを貯留するための槽と、DNAサンプルを標識す
    るためのマーカを貯留するための槽と、前記分注シリン
    ジの先端に装着されるゲル加圧注入用先端チップが収納
    された待機所とからなることを特徴とするゲル注入装
    置。
  2. 【請求項2】 前記分注シリンジは、前記分注シリンジ
    の先端に装着された前記分注用チップ又は前記ゲル加圧
    注入用先端チップを前記分注シリンジの先端から離脱さ
    せるための着脱レバーを更に有することを特徴とする請
    求項1に記載のゲル注入装置。
  3. 【請求項3】 基準マーカ槽を更に有することを特徴と
    する請求項1に記載のゲル注入装置。
  4. 【請求項4】 ゲル加圧注入用先端チップによる加圧機
    能によりマイクロプレートの分離用チャネルに泳動媒体
    となるべきゲルを注入することを特徴とする請求項1又
    は2に記載のゲル注入装置。
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