JP2002349390A - 内燃機関の高圧燃料ポンプのシール装置 - Google Patents

内燃機関の高圧燃料ポンプのシール装置

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JP2002349390A
JP2002349390A JP2001153272A JP2001153272A JP2002349390A JP 2002349390 A JP2002349390 A JP 2002349390A JP 2001153272 A JP2001153272 A JP 2001153272A JP 2001153272 A JP2001153272 A JP 2001153272A JP 2002349390 A JP2002349390 A JP 2002349390A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイル室29やシリンダ13からの熱や振動
の伝達に起因する燃料側弾性リップ46の熱劣化や摩耗
を抑制する。 【解決手段】 このシール装置40は、高圧燃料ポンプ
のシリンダと、このシリンダ内を往復動して燃料を加圧
するプランジャと、の間に介装され、燃料室とオイル室
とを液密に隔成する。シリンダに嵌合するオイル側金属
リング43及びプランジャの外周面に摺接するオイル側
弾性リップ44を有するオイル側シール体41と、シリ
ンダに嵌合する燃料側金属リング45及びプランジャの
外周面に摺接する燃料側弾性リップ46を有する燃料側
シール体42と、を互いに別体とし、同軸状に隣設配置
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば筒内直接噴
射式のガソリン内燃機関に好適に用いられ、シリンダ内
を往復動する燃料加圧用のプランジャを備えた高圧燃料
ポンプに関し、特に、プランジャの両側に設けられる燃
料室とオイル室とを液密に隔成するシール装置の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】燃焼室に直接的に燃料を噴射する筒内直
接噴射式のガソリン内燃機関では、燃料噴射弁に供給す
る燃料を例えば3MPa以上に高圧化する高圧燃料ポン
プが必要となる。このような高圧燃料ポンプとして、特
開2001−3839号公報等には、プランジャ型の高
圧燃料ポンプが開示されている。簡単に説明すると、カ
ムシャフトから伝達される回転動力に応じて斜板が回転
し、プランジャを押圧することにより、プランジャがシ
リンダ内を往復動して燃料が加圧される。プランジャの
外周面とシリンダの内周面との間にはシール装置が介装
され、このシール装置によって、潤滑油が満たされたオ
イル室と燃料が満たされた燃料室とが液密に隔成され
る。
【0003】このようなシール装置の一従来例を図11
に示す。同図に示すように、この従来例に係るシール装
置は、シリンダの内周面に圧入により固定される略円筒
状の一つの金属リング101に、オイル室に臨んだオイ
ル側弾性リップ102と、燃料室に臨んだ燃料側弾性リ
ップ103と、シリンダに当接するシリンダ側弾性部1
04と、が取り付けられた一体型の構造となっている。
これらの弾性リップ102,103及びシリンダ側弾性
部104は、一つの弾性部材として一体的に形成されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来例に係る一体型のシール装置では、以下に列記
するような課題がある。
【0005】第1に、オイル室内に満たされている高温
の潤滑油の熱や、シリンダからの熱が、金属リング10
1やオイル側弾性リップ102を伝って燃料側弾性リッ
プ103へ伝達され易く、この熱によって、燃料側弾性
リップ103の熱劣化や摩耗量の増加を招き易い。補足
すると、潤滑油(エンジンオイル)に比して燃料(ガソ
リン)は粘性が低いため、もともとシール部分の液膜厚
さが小さい。このため、燃料側弾性リップ103の温度
上昇により液膜厚さが更に小さくなると、この燃料側弾
性リップ103とプランジャとが実質的に接触して摺動
摩耗量が更に増加するおそれがある。また、ゴム自体の
熱劣化により摩耗が更に加速する。このように燃料側弾
性リップ103の摩耗が局部的に進行することにより、
全体的なシール機能の低下を招いてしまう。
【0006】第2に、オイル側弾性リップ102はオイ
ルの熱により経時的に熱硬化し易く、燃料側弾性リップ
103はガソリン成分により経時的に軟化及び膨潤し易
い傾向にある。このため、オイル側弾性リップ102と
燃料側弾性リップ103との接続部分105に、両弾性
リップ102,103の経時的な硬度差および膨潤量差
に起因する内部歪み応力が発生し、シール強度の低下等
を招き易い。
【0007】第3に、燃料側弾性リップ103が取り付
けられる金属リング101がシリンダの内周面に直接的
に接触しているため、シリンダから入力される振動が金
属リング101を経由して燃料側弾性リップ103へ伝
わり易く、これに起因して摩耗量が増加するおそれがあ
る。この燃料側弾性リップ103は、オイル側弾性リッ
プ102に比して液膜厚さが一般的に小さいので、摩耗
による悪影響が大きい。
【0008】第4に、金属リング101をシリンダに圧
入により固定する構造では、圧入時に金属リング101
の変形に伴ってシリンダ側弾性部104がシリンダの内
周面からめくれ上がるように変形してゴム圧入代が低下
し、シール性の低下を招くおそれがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に鑑みてなされたものである。すなわち、請求項1に
係る発明は、内燃機関の高圧燃料ポンプのシリンダの内
周面と、外部から伝達される回転動力により上記シリン
ダ内を往復動して燃料を加圧するプランジャの外周面
と、の間に介装され、燃料が満たされた燃料室と潤滑油
が満たされたオイル室とを液密に隔成する内燃機関の高
圧燃料ポンプのシール装置において、上記シリンダに嵌
合するオイル側金属リング及び上記プランジャの外周面
に摺接するオイル側弾性リップを有するオイル側シール
体と、上記シリンダに嵌合する燃料側金属リング及び上
記プランジャの外周面に摺接する燃料側弾性リップを有
する燃料側シール体と、を有し、この燃料側シール体
は、上記オイル側シール体とは別体であり、このオイル
側シール体に対して燃料室側に同軸状に隣設配置される
ことを特徴としている。
【0010】すなわち、オイル側シール体と燃料側シー
ル体とは、典型的には軸方向に互いに接触する状態で、
例えばシリンダに凹設される取付凹部に嵌合して固定さ
れる。
【0011】また、請求項2に係る発明は、上記オイル
側弾性リップと燃料側弾性リップとが互いに異なる弾性
材料により成形されていることを特徴としている。
【0012】例えば、オイル弾性リップに耐油性・耐熱
性に優れたゴム材料を用い、燃料側弾性リップに耐ガソ
リン性・耐圧性に優れたゴム材料を用いる。
【0013】請求項3に係る発明は、上記オイル側金属
リング及び燃料側金属リングの互いに対向する軸方向端
部に、径方向内方へ略直角に折曲して互いに対向する略
円環状のフランジ部がそれぞれ形成されていることを特
徴としている。
【0014】請求項4に係る発明は、上記オイル側金属
リング及び燃料側金属リングの少なくとも一方のフラン
ジ部の内周側の部分が、両フランジ部が互いに離間する
方向へ更に折曲していることを特徴としている。
【0015】言い換えると、両フランジ部の内周側の端
部間に、所定の隙間が設けられている。
【0016】請求項5に係る発明は、上記オイル側シー
ル体及び燃料側シール体の少なくとも一方が、上記両フ
ランジ間の接触を回避するように、両フランジ間に介装
されるフランジ側弾性部を有していることを特徴として
いる。
【0017】請求項6に係る発明は、上記燃料側シール
体が、上記燃料側金属リングの外周面と上記シリンダの
内周面との間に介装されるシリンダ側弾性部を有し、上
記オイル側金属リングが、上記シリンダの内周面に圧入
により固定されることを特徴としている。
【0018】これらフランジ側弾性部やシリンダ側弾性
部は、好ましくは燃料側弾性リップと一体的に型成形さ
れる。
【0019】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、シール装
置がオイル側シール体と燃料側シール体とに分割して構
成されているため、オイル室に満たされている潤滑油の
熱が燃料側弾性リップへ伝達され難く、この燃料側弾性
リップの熱劣化が抑制されるとともに、その摩耗量が低
減される。また、オイル側弾性リップと燃料側弾性リッ
プとが互いに別体として構成されているため、上述した
従来例のように経時的な内部歪み応力が生じることがな
く、これに起因するゴム強度の低下等を招くことがな
い。このため、疲労寿命が向上し、長期にわたって良好
なシール性能を安定して維持できる。
【0020】請求項2に係る発明によれば、硬度や膨潤
率の変化等を考慮して、燃料側弾性リップ及びオイル側
弾性リップのそれぞれを用途に応じた最適な圧縮率等に
設定でき、そのシール性能が更に向上する。
【0021】請求項3に係る発明によれば、両金属リン
グの接触が平坦なフランジ部で行われるため、両者の相
対的な位置精度が向上する。
【0022】請求項4に係る発明によれば、両フランジ
部の接触範囲が効果的に低減されるため、両金属リング
間の熱や振動の伝達が抑制される。このため、上述した
燃料側弾性リップの熱劣化や摩耗量の増加をより確実に
抑制することができる。
【0023】請求項5に係る発明によれば、両金属リン
グのフランジ部の直接的な接触が回避され、熱や振動の
伝達を更に確実に低減することができる。
【0024】請求項6に係る発明によれば、シリンダ側
弾性部によりシリンダ内周面からの熱や振動の入力が低
減され、ひいては燃料側弾性リップの熱劣化等をより確
実に防止できる。また、圧入固定されるオイル側金属リ
ングとは別体の燃料側金属リングにシリンダ側弾性部が
設けられているため、このシリンダ側弾性部がオイル側
金属リングの圧入による悪影響を受けることがない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るシ
ール装置を備えた高圧燃料ポンプ4が適用される筒内直
噴式のガソリン内燃機関1の燃料系システムを示す構成
図である。燃料タンク2内に配置される低圧燃料ポンプ
3から低圧燃料配管10へ供給された低圧燃料は、低圧
プレッシャーレギュレータ8で一定の圧力に調整され、
高圧燃料ポンプ4により更に加圧されて、高圧燃料配管
9を通して燃料噴射インジェクタ5へ圧送される。高圧
燃料配管9を通過する高圧燃料は、燃圧センサ6により
その燃圧値が読み取られ、メモリ及びCPU等を備えた
周知のエンジンコントロールユニット11からの制御信
号に基づいて、高圧プレッシャーレギュレータ7で所望
の燃圧に調整される。
【0026】図2は、高圧燃料ポンプ4の内部構造を示
す断面対応図である。この高圧燃料ポンプ4は、外部の
カムシャフト12から伝達される回転動力によりシリン
ダ13内を往復動して燃料を加圧するプランジャ15を
備えたプランジャ式の高圧燃料ポンプである。このよう
なプランジャ式の高圧燃料ポンプの構成は、上記特開2
001−3839号公報にも開示されているように、後
述するシール装置40を除いて基本的に公知であるた
め、ここでは簡単に説明する。
【0027】高圧燃料ポンプ4は、シリンダヘッド16
に固定されるケーシング17と、このケーシング17内
に嵌合保持されるシリンダ13と、このシリンダ13の
後面を覆うようにケーシング17の後面にボルト18等
を介して固定されるリヤボディ19と、を有している。
シリンダ13には、プランジャ15が摺動可能に嵌合す
るシリンダボア14が穿設されており、このシリンダボ
ア14がシリンダ13の内周面を形成している。また、
シリンダ13には安全弁38が配設されている。
【0028】ケーシング17には、プランジャ15を軸
方向に押圧する斜板20が、ボール軸受21及びスラス
ト軸受22を介してカムシャフト12の軸線23回りに
回転可能に支持されている。斜板20には、ケーシング
17の外部へ突出する軸部24が設けられ、この軸部2
4の先端とカムシャフト12の一端とがカップリング2
5を介して連結されている。このカップリング25によ
りカムシャフト12から斜板20へ回転動力が伝達さ
れ、斜板20がカムシャフト12と一体的に軸線23周
りに回転する。
【0029】ケーシング17内に臨んだ斜板20の軸方
向端面すなわち摺接面27は、軸線23と直交する面に
対して傾斜する平坦な面であり、この摺接面27に、プ
ランジャ15の一端に取り付けられたスリッパ28の端
面が摺接している。このスリッパ28により、斜板20
の回転運動がプランジャ15の往復運動に変換される。
つまり、斜板20の回転に伴って、プランジャ15がシ
リンダボア14内を軸線23に沿って往復駆動される。
【0030】プランジャ15の外周面とシリンダボア1
4との間には、本実施形態に係るシール装置40が介装
されており、このシール装置40によって、潤滑油が満
たされたオイル室29と、燃料(ガソリン)が満たされ
た燃料室30と、が液密に隔成されている。オイル室2
9には、低圧燃料配管10(図1)からオイル導入通路
31を通して潤滑油が供給される。この潤滑油は、プラ
ンジャ15外周面とシリンダボア14の摺接部分,スリ
ッパ28とプランジャ15の摺接部分,スラスト軸受2
2,及びボール軸受21等を潤滑した後、例えばボール
軸受21の部分から機関内部へ排出される。
【0031】燃料室30には、逆止弁(ワンウェイバル
ブ)である吸入チェックバルブ32及び吐出チェックバ
ルブ33が設けられ、これらチェックバルブ32,33
がプランジャ15の往復運動に伴って適宜に開閉するこ
とにより、低圧燃料の吸入・加圧・吐出が行われる。す
なわち、燃料室30は吸入チェックバルブ32によって
低圧室34と高圧室35とに仕切られており、低圧燃料
配管10(図1)から低圧室34へ供給された低圧燃料
は、吸入チェックバルブ32を介して高圧室35へ吸入
される。この高圧室35内の高圧燃料は、プランジャ1
5の往復運動に伴って加圧され、吐出チェックバルブ3
3を介して高圧燃料配管9(図1)へ吐出される。
【0032】低圧室34は、シリンダボア14の周囲に
凹設される周方向油路37を含んでおり、この周方向油
路37がシール装置40に臨んでいる。つまり、燃料室
30の中でも相対的に低い圧力(フィード圧)の低圧室
34をシール装置40でシールするように設定されてい
る。
【0033】図3は、第1実施形態に係るシール装置4
0の近傍を示す図2の要部拡大図であり、図4は、この
シール装置40を単体で示す断面対応図である。このシ
ール装置40は、互いに別体として形成されるオイル側
シール体41と燃料側シール体42とにより分割構成さ
れている。オイル側シール体41は、略筒状のオイル側
金属リング43と、このオイル側金属リング43より突
出してプランジャ15の外周面に摺接するオイル側弾性
リップ44と、を有している。また、燃料側シール体4
2は、略筒状の燃料側金属リング45と、この燃料側金
属リング45より突出してプランジャ15の外周面に摺
接する燃料側弾性リップ46と、燃料側金属リング45
とシリンダ13との間に介装されるシリンダ側弾性部4
7と、を有している。
【0034】これらのシール体41,42の金属リング
43,45は、シリンダ13のシリンダボア14の開放
端部に凹設される相対的に大径な取付凹部14aに嵌合
される。より具体的には、先ず燃料側シール体42を取
付凹部14aに嵌合した後、オイル側シール体41を取
付凹部14a内に圧入固定することにより、オイル側シ
ール体41がオイル側シール体41と取付凹部14aの
段差面14bとの間に狭持される。このような組付後の
状態では、燃料側シール体42がオイル側シール体41
に対して燃料室30側(図3及び図4で右側)に同軸状
に隣設配置される。
【0035】このように、オイル側シール体41では、
オイル側金属リング43の外周面が、シリンダ13の取
付凹部14aの内周面に直接的に圧接している。なお、
所定の圧入固定力を得るために、オイル側金属リング4
3の外径が取付凹部14aの内径よりも所定の圧入代だ
け大きく設定されている。これに対し、燃料側シール体
42では、燃料側金属リング45とシリンダ13の取付
凹部14aとの間にシリンダ側弾性部47が介装されて
おり、燃料側金属リング45がシリンダ13と直接的に
接触していない。
【0036】なお、この燃料側シール体42も、上記の
オイル側シール体41と同様、取付凹部14a内に圧入
されるが、ゴム製のシリンダ側弾性部47の圧入となる
ために、その固定力は弱い。しかしながら、機関運転中
には、燃料室30にオイル室29の大気圧よりも高いフ
ィード圧が常に作用するため、燃料側シール体42はオ
イル側シール体41の方向(図3,4の左方向)に押さ
えつけられる。従って、燃料側シール体42が軸方向に
移動してオイル側シール体41から離れるおそれはな
い。
【0037】オイル側弾性リップ44や燃料側弾性リッ
プ46の内径は、オイル室29や燃料室30内の液体を
確実にシールするように、プランジャ15の外径よりも
所定の締め代だけ小さく設定されている。これらのオイ
ル側弾性リップ44と燃料側弾性リップ46(及びシリ
ンダ側弾性部47)とは、用途に応じた最適な圧縮率が
得られるように、互いに異なるゴム材料から成形されて
いる。例えば、オイル側弾性リップ44には耐油性・耐
熱性に優れたゴム材料が用いられ、燃料側弾性リップ4
6(及びシリンダ側弾性部47)には耐ガソリン性・耐
圧性に優れたゴム材料が用いられる。
【0038】オイル側金属リング43及び燃料側金属リ
ング45の互いに対向する軸方向端部には、主に両シー
ル体41,42の位置精度を向上するために、径方向内
方へ略直角に折曲して互いに対向する略円環状のフラン
ジ部48がそれぞれ折曲形成されている。また、図5に
示すように、両フランジ部48の接触幅49を極力小さ
くして熱や振動の伝達量を低減するために、フランジ部
48の少なくとも一方(この実施形態ではオイル側金属
リング43のフランジ部)の内周側の部分50が、両フ
ランジ部48が互いに離間する方向へ更に折曲してい
る。つまり、両フランジ部48の内周側の端部間に所定
の隙間51が設けられている。
【0039】次に、図6〜9を参照して、本実施形態の
作用効果を上述した従来例と比較しつつ説明する。な
お、図6〜9では、従来例の一体型シール装置を左側
に、本実施形態の分割型シール装置40を右側に描いて
いる。
【0040】図6を参照して、従来例のような一体型シ
ール装置では、シリンダ13の内周面に直接的に接触す
るとともにオイル室29へ直接的に臨んでいる金属リン
グ101に、燃料側弾性リップ103が取り付けられて
いるため、シリンダ13やオイル室29からの熱が金属
リング101を介して燃料側弾性リップ103へ伝わり
易い。これに対し、本実施形態のような分割型のシール
装置40では、シリンダ13に直接的に接触するととも
にオイル室29へ臨んでいるオイル側金属リング43と
は別体の燃料側金属リング45に燃料側弾性リップ46
が取り付けられており、かつ、この燃料側金属リング4
5とシリンダ13の内周面との間にシリンダ側弾性部4
7が介装されており、この燃料側金属リング45がシリ
ンダ13の内周面に直接的に接触していない。このた
め、オイル室29やシリンダ13から燃料側弾性リップ
46へ熱が伝わり難く、この燃料側弾性リップ46の温
度上昇が抑えられる。従って、燃料側弾性リップ46の
熱劣化が抑制されるとともに、燃料側弾性リップ46と
プランジャ15外周面との間の液膜厚さが適宜に確保さ
れ、燃料側弾性リップ46の摩耗量が抑制される。
【0041】図7を参照して、弾性リップの経時的な劣
化に関し、オイル室をシールするオイル側弾性リップで
は熱硬化の傾向が強く、燃料室をシールする燃料側弾性
リップでは軟化及び膨潤化の傾向が強い。このため、従
来例のようにオイル側弾性リップ102と燃料側弾性リ
ップ103とが一体的に成形されていると、両者の硬度
差及び膨潤量差に起因して、両者の接続部分105に内
部歪み応力が生じ、この部分の耐久性等が問題となる。
これに対し、本実施形態ではオイル側弾性リップ44と
燃料側弾性リップ46とが互いに別体となっているた
め、両者に硬度差および膨潤量差が生じた場合でも、従
来例のようにゴム内部歪みが生じることはない。このた
め、経時的なシール強度の低下が抑制され、疲労寿命が
向上し、長期にわたって所期のシール性能を安定して得
ることができる。
【0042】図8を参照して、シリンダから入力される
振動が燃料側弾性リップに伝達すると、燃料側弾性リッ
プの摩耗が増し、好ましくない。しかしながら、従来例
では、シリンダ13に直接的に圧接する金属リング10
1に燃料側弾性リップ103が取り付けられているた
め、金属リング101を介してシリンダ13から燃料側
弾性リップ103へ振動が伝達され易く、この燃料側弾
性リップ103の摩耗が促進され易い。これに対し、本
実施形態では、燃料側金属リング45がシリンダ13の
内周面に直接的に接しておらず、燃料側金属リング45
とシリンダ13との間にシリンダ側弾性部47が介装さ
れているため、このシリンダ側弾性部47でシリンダ1
3から入力される振動が適宜に遮断,減衰され、上記振
動に起因する燃料側弾性リップ46の摩耗が抑制され
る。
【0043】加えて、2つの金属リング43,45が互
いに固定されておらず、かつ、図5にも示すように両金
属リング43,45のフランジ部48の接触幅49を十
分に小さくしているため、両金属リング43,45間の
振動の伝達も抑制され、燃料側弾性リップ46への振動
の伝達を更に確実に抑制することができる。
【0044】図9を参照して、金属リングは典型的には
圧入によりシリンダへ固定される。ここで、従来例のよ
うな一体型のシール装置では、金属リング101の圧入
時に、この金属リング101に取り付けられるシリンダ
側弾性部104がめくれ上がるように変形し、そのシー
ル性が低下するおそれがある。これに対し、本実施形態
では、シリンダ13の内周面との隙間をシールするシリ
ンダ側弾性部47が、圧入により固定されるオイル側金
属リング43とは別体の燃料側金属リング45に取り付
けられているため、シリンダ側弾性部47がオイル側金
属リング43の圧入による悪影響を受けることはほとん
どなく、このシリンダ側弾性部47のシール性の低下を
招くことはない。
【0045】また、シリンダ側弾性部47が、剛性の高
い燃料側金属リング45の外周面とシリンダ13の内周
面との間に介装される薄膜状であるため、上記従来例の
ようにめくれ上がるような変形を生じることもなく、所
期のシール圧を十分に確保でき、ガソリン浸漬によりシ
リンダ側弾性部47が経時的に軟化,膨潤化した場合で
も、従来例に比して十分に高いシール性を維持できる。
【0046】図10は第2実施形態に係るシール装置4
0’を示している。上記第1実施形態と異なる部分につ
いてのみ説明すると、この第2実施形態では、金属リン
グ43,45間の振動及び熱の伝達をより確実に抑制す
るために、互いに対向するフランジ部48間にフランジ
弾性部52を介装して、両フランジ部48間の接触を完
全に無くしている。このフランジ弾性部52は、この実
施形態では燃料側金属リング45のフランジ部48に取
り付けられ、燃料側弾性リップ46及びシリンダ側弾性
部47と一体的に型成形される。
【0047】以上のように本発明を具体的な実施の形態
に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限
定されるものではなく、種々の変形,変更を含むもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシール装置が適用される内燃機関
の燃料系システムを示す構成図。
【図2】図1の内燃機関の高圧燃料ポンプの内部構造を
示す断面対応図。
【図3】図2の要部拡大図。
【図4】本発明の第1実施形態に係るシール装置を示す
断面対応図。
【図5】図4のシール装置の金属リングを示す説明図。
【図6】上記実施形態と従来例の比較説明図。
【図7】同じく比較説明図。
【図8】同じく比較説明図。
【図9】同じく比較説明図。
【図10】本発明の第2実施形態に係るシール装置を示
す断面対応図。
【図11】従来例に係るシール装置の断面対応図。
【符号の説明】
13…シリンダ 15…プランジャ 29…オイル室 30…燃料室 40…シール装置 41…オイル側シール体 42…燃料側シール体 43…オイル側金属リング 44…オイル側弾性リップ 45…燃料側金属リング 46…燃料側弾性リップ 47…シリンダ側弾性部 48…フランジ部 52…フランジ弾性部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA02 AB02 BA29 BA36 BA40 BA49 CA07 CD03 CD06 CD10 CD17 CE02 3H071 AA07 BB01 CC26 CC28 DD53 DD56 3J006 AA01 AB03 AE16 AE30 AE40 AE45 CA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の高圧燃料ポンプのシリンダの
    内周面と、外部から伝達される回転動力により上記シリ
    ンダ内を往復動して燃料を加圧するプランジャの外周面
    と、の間に介装され、燃料が満たされた燃料室と潤滑油
    が満たされたオイル室とを液密に隔成する内燃機関の高
    圧燃料ポンプのシール装置において、 上記シリンダに嵌合するオイル側金属リング及び上記プ
    ランジャの外周面に摺接するオイル側弾性リップを有す
    るオイル側シール体と、 上記シリンダに嵌合する燃料側金属リング及び上記プラ
    ンジャの外周面に摺接する燃料側弾性リップを有する燃
    料側シール体と、を有し、 この燃料側シール体は、上記オイル側シール体とは別体
    であり、このオイル側シール体に対して燃料室側に同軸
    状に隣設配置されることを特徴とする内燃機関の高圧燃
    料ポンプのシール装置。
  2. 【請求項2】 上記オイル側弾性リップと燃料側弾性リ
    ップとが互いに異なる弾性材料により成形されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の高圧燃料ポ
    ンプのシール装置。
  3. 【請求項3】 上記オイル側金属リング及び燃料側金属
    リングの互いに対向する軸方向端部に、径方向内方へ略
    直角に折曲して互いに対向する略円環状のフランジ部が
    それぞれ形成されていることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプのシール装置。
  4. 【請求項4】 上記オイル側金属リング及び燃料側金属
    リングの少なくとも一方のフランジ部の内周側の部分
    が、両フランジ部が互いに離間する方向へ更に折曲して
    いることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の高圧
    燃料ポンプのシール装置。
  5. 【請求項5】 上記オイル側シール体及び燃料側シール
    体の少なくとも一方が、上記両フランジ間の接触を回避
    するように、両フランジ間に介装されるフランジ側弾性
    部を有していることを特徴とする請求項3又は4に記載
    の内燃機関の高圧燃料ポンプのシール装置。
  6. 【請求項6】 上記燃料側シール体が、上記燃料側金属
    リングの外周面と上記シリンダの内周面との間に介装さ
    れるシリンダ側弾性部を有し、 上記オイル側金属リングが、上記シリンダの内周面に圧
    入により固定されることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載の内燃機関の高圧燃料ポンプのシール装
    置。
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