JP2002349363A - 内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

内燃機関の蒸発燃料処理装置

Info

Publication number
JP2002349363A
JP2002349363A JP2001153647A JP2001153647A JP2002349363A JP 2002349363 A JP2002349363 A JP 2002349363A JP 2001153647 A JP2001153647 A JP 2001153647A JP 2001153647 A JP2001153647 A JP 2001153647A JP 2002349363 A JP2002349363 A JP 2002349363A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
purge
intake
air
fuel
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001153647A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuji Matsubara
卓司 松原
衛 ▲吉▼岡
Mamoru Yoshioka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001153647A priority Critical patent/JP2002349363A/ja
Publication of JP2002349363A publication Critical patent/JP2002349363A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は燃料タンク内で発生する蒸発燃料を
内燃機関の吸気通路にパージすることで処理する蒸発燃
料処理装置に関し、吸気Oセンサを用いる構成を採用
しつつ、パージ制御バルブの開故障や閉故障を精度良く
検出することを目的とする。 【解決手段】 燃料ベーパを吸着するキャニスタ10を
設ける。キャニスタ10と吸気通路16との間にパージ
制御バルブ18を配置する。吸気通路16の、パージ制
御バルブ18に通じる連通口より下流に吸気Oセンサ
28を配置する。パージカット時における吸気Oセン
サ28の出力が開故障判定値を下回る場合、すなわち、
パージカット中のベーパ濃度が不当に高い場合に、パー
ジ制御バルブ18に開故障が生じたと判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の蒸発燃
料処理装置に係り、特に、燃料タンク内で発生する蒸発
燃料を内燃機関の吸気通路にパージすることで処理する
蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平9−42074号公
報には、燃料タンク内で発生する蒸発燃料(燃料ベー
パ)をキャニスタで捕獲し、その燃料ベーパを内燃機関
の運転中に吸気通路に放出(パージ)して処理する蒸発
燃料処理装置が知られている。この蒸発燃料処理装置
は、排気通路に配置された酸素濃度センサ(以下、「排
気O センサ」と称す)を備えており、そのセンサによ
り検出される酸素濃度に基づいて燃料パージに伴う空燃
比ずれを検出する。そして、上記の装置は、その空燃比
ずれが解消されるように燃料噴射量の補正を行う。この
ような補正によれば、パージの影響を相殺して、大きな
空燃比ずれを生じさせることなく、内燃機関の運転中に
キャニスタ内の燃料ベーパを処理することができる。
【0003】また、従来、例えば特開平11−2153
号公報には、内燃機関の吸気通路に酸素濃度センサを備
える構成が開示されている。以下、このような酸素濃度
センサを「吸気Oセンサ」と称す。吸気Oセンサに
よれば、排気Oセンサに比して、キャニスタからパー
ジされる燃料ベーパの濃度を速やかに検知することがで
きる。このため、吸気Oセンサを蒸発燃料処理装置と
組み合わせて、パージの影響を相殺するための噴射量補
正を、そのセンサ出力に基づいて行うことが考えられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関の
蒸発燃料処理装置は、キャニスタから吸気通路へ流れる
パージガスの流量を制御するためのパージ制御バルブを
備えている。このパージ制御バルブには、異物の噛み混
みなどに起因して、バルブが開いたままの状態となる開
故障や、バルブが閉じたままの状態となる閉故障が生ず
ることがある。パージ制御バルブに開故障や閉故障が生
じていると、パージガスの流量を適正に制御することが
できなくなり、種々の弊害が生ずる。このため、パージ
制御バルブの開故障や閉故障は、速やかに検出できるこ
とが望ましい。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、吸気Oセンサを用いる構成を採用しつ
つ、パージ制御バルブの開故障や閉故障を精度良く検出
することのできる内燃機関の蒸発燃料処理装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、内燃機関の蒸発燃料処理装
置であって、燃料ベーパを吸着するキャニスタと、前記
キャニスタと吸気通路との間に配置されるパージ制御バ
ルブと、前記吸気通路の、前記パージ制御バルブに通じ
る連通口より下流に配置される吸気ベーパ濃度センサ
と、パージカット時における前記吸気ベーパ濃度センサ
の出力が開故障判定値を上回る場合に、前記パージ制御
バルブに開故障が生じたと判定する故障判定手段と、を
備えることを特徴とする。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、パージカッ
ト時における前記吸気ベーパ濃度センサの出力に基づい
て、当該吸気ベーパ濃度センサの出力ばらつきを補正す
るためのセンサ出力補正係数を学習する学習手段と、前
記センサ出力補正係数と前記吸気ベーパ濃度センサの出
力とを用いて、前記吸気通路を流れるガス中のベーパ濃
度を求めるベーパ濃度検出手段と、前記パージ制御バル
ブの開故障が認められる場合は、前記センサ出力補正係
数の学習を禁止する学習禁止手段と、を備えることを特
徴とする。
【0008】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、前記吸気通
路に流入する吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段
と、前記吸入空気量に対して所望の空燃比を実現するた
めのベース噴射量を演算するベース噴射量演算手段と、
前記パージ制御バルブの駆動条件に基づいて、当該パー
ジ制御バルブを通って前記吸気通路にパージされるパー
ジガス流量を検出するパージガス流量検出手段と、パー
ジ実行中に、前記パージガス流量と前記ベーパ濃度とを
含む複数のパラメータに基づいて前記ベース噴射量を補
正することにより燃料噴射量を演算する第1の燃料噴射
量演算手段と、前記パージ制御バルブの開故障が認めら
れる場合は、前記センサ出力補正係数を初期値に固定す
る補正係数固定手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載の内燃機関の蒸発燃料制御装置であって、前記パージ
制御バルブの開故障が認められる場合に、前記ベーパ濃
度に基づいて前記ベース噴射量を補正することにより、
パージカット中における燃料噴射量を演算する第2の燃
料噴射量演算手段を備えることを特徴とする。
【0010】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至4の何れか1項記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置で
あって、パージカット時における前記吸気ベーパ濃度セ
ンサの出力が、前記開故障判定値を上回る値から上限判
定値を下回る値に復帰した場合に、内燃機関が最後に始
動された後に前記パージ制御バルブに開指令が発せられ
ているか否かを判別する制御経験判別手段と、前記制御
経験判別手段によって、未だ前記パージ制御バルブには
開指令が発せられていないと判別された場合に、前記パ
ージ制御バルブが正常であると判別する正常復帰判別手
段と、を備えることを特徴とする。
【0011】また、請求項6記載の発明は、請求項5記
載の内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、前記制御経
験判別手段によって、既に前記パージ制御バルブに開指
令が発せられていると判別された場合に、前記パージ制
御バルブが形式的に正常であると判別する仮正常復帰判
別手段を備えることを特徴とする。
【0012】また、請求項7記載の発明は、請求項1乃
至6の何れか1項記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置で
あって、内燃機関の排気通路に配置される排気酸素濃度
センサと、内燃機関に供給される混合気を理論空燃比に
近づけるために用いるべき空燃比補正係数を、前記排気
酸素濃度センサの出力に基づいて求める補正係数演算手
段と、前記吸気ベーパ濃度センサの出力と、前記空燃比
補正係数との間に相関が認められるか否かを判断する相
関判断手段とを備え、前記故障判定手段は、パージカッ
ト時における前記吸気ベーパ濃度センサの出力が開故障
判定値を上回り、かつ、前記相関が認められない場合
に、前記パージ制御バルブの開故障に代えて、他の所定
の構成要素の故障を判定する第2判定手段を含むことを
特徴とする。
【0013】また、請求項8記載の発明は、請求項1乃
至7の何れか1項記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置で
あって、内燃機関の排気通路に配置される排気酸素濃度
センサと、内燃機関に供給される混合気を理論空燃比に
近づけるために用いるべき空燃比補正係数を、前記排気
酸素濃度センサの出力に基づいて求める補正係数演算手
段と、前記故障判定手段は、パージカット中に、前記空
燃比補正係数が、リーンズレ判定値を越えてリーン側に
偏っている場合に、前記パージ制御バルブに開故障が生
じたと判定する第3判定手段を含むことを特徴とする。
【0014】また、請求項9記載の発明は、請求項8記
載の内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、前記リーン
ズレ判定値は、前記吸気通路に生ずる吸気管圧力に基づ
いて決定されることを特徴とする。
【0015】また、請求項10記載の発明は、請求項8
または9記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
前記リーンズレ判定値は、内燃機関の回転数に基づいて
決定されることを特徴とする。
【0016】また、請求項11記載の発明は、内燃機関
の蒸発燃料処理装置であって、燃料ベーパを吸着するキ
ャニスタと、前記キャニスタと吸気通路との間に配置さ
れるパージ制御バルブと、前記吸気通路の、前記パージ
制御バルブに通じる連通口より下流に配置される吸気ベ
ーパ濃度センサと、前記吸気通路に流入する吸入空気量
を検出する吸入空気量検出手段と、前記吸入空気量に対
して所望の空燃比を実現するためのベース噴射量を演算
するベース噴射量演算手段と、前記吸気ベーパ濃度セン
サの出力に基づいて、前記パージ制御バルブを通って前
記吸気通路に流入するパージエアを求めるパージエア量
演算手段と、パージ実行中に、前記パージエアに対応す
る量だけ前記ベース噴射量に増量補正を施す燃料噴射量
演算手段と、内燃機関の排気通路に配置される排気酸素
濃度センサと、内燃機関に供給される混合気を理論空燃
比に近づけるために用いるべき空燃比補正係数を、前記
排気酸素濃度センサの出力に基づいて求める補正係数演
算手段と、パージ実行中に、前記空燃比補正係数が、閉
故障判定値を越えてリッチ側に偏っている場合に、前記
パージ制御バルブに閉故障が生じたと判定する故障判定
手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】また、請求項12記載の発明は、請求項1
1記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、前記パ
ージ制御バルブの閉故障が認められる場合は、前記パー
ジエアに対応する増量補正を禁止する増量補正禁止手段
を備えることを特徴とする。
【0018】また、請求項13記載の発明は、請求項1
2記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、前記増
量補正が禁止された後、パージ実行中における前記空燃
比補正係数が、閉弁正常判定値を越えてリーン側に偏っ
た場合に、前記増量補正の実行を復帰させる増量補正復
帰手段を備えることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。尚、各図において共通す
る要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略す
る。
【0020】実施の形態1.図1は、本発明の実施の形
態1の内燃機関の蒸発燃料処理装置の構成を表す図であ
る。図1に示すように、本実施形態の蒸発燃料処理装置
は、キャニスタ10を備えている。キャニスタ10に
は、ベーパ通路12を介して図示しない燃料タンクが連
通している。キャニスタ10は、活性炭を内蔵してお
り、燃料タンクの内部で発生し、ベーパ通路12を通っ
てキャニスタ10に導かれてくるベーパを吸着すること
ができる。
【0021】キャニスタ10は、また、パージ通路14
を介して吸気通路16に連通している。パージ通路14
には、デューティ制御されることにより任意の開度を実
現するパージVSV(Vacuum Switching Valve)18が設
けられている。
【0022】吸気通路16の端部には、エアクリーナ2
0が設けられている。エアクリーナ20の下流には、エ
アクリーナ20を通って吸入される吸入空気量Gaを検
出するエアフロメータ22が設けられている。更に、エ
アフロメータ22の下流には、吸気通路16を流れる吸
入空気量を制御するためのスロットルバルブ24が配置
されている。
【0023】スロットルバルブ24の下流には、吸気脈
動の抑制等を目的として、サージタンク26が設けられ
ている。サージタンク26には、その内部を流れるガス
中の酸素濃度を検出するための酸素濃度センサ28(以
下、「吸気Oセンサ28」と称す)が配設されてい
る。
【0024】吸気通路16は、サージタンク26の下流
において内燃機関29の吸気ポートに連通している。内
燃機関29の排気ポートには、排気通路30が連通して
いる。排気通路30には、内燃機関29から排出される
排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ31
(以下、「排気Oセンサ31」と称す)が配置されて
いる。内燃機関29から排出される排気ガスは、排気通
路30を通って図示しない触媒装置に導かれ、その内部
で浄化された後大気中に排出される。
【0025】上述したパージ通路14は、スロットルバ
ルブ24とサージタンク26の間に連通している。スロ
ットルバルブ24の下流には、内燃機関29の運転中に
負圧が発生する。このため、内燃機関の運転中にパージ
VSV18を開弁すると、キャニスタ10に負圧を導く
ことができる。
【0026】キャニスタ10には、図示しない大気導入
孔が設けられている。この大気導入孔が開口された状態
でキャニスタ10に負圧が導かれると、大気導入孔から
吸入された空気と共に、キャニスタ10の内部に吸着さ
れていたベーパとがパージ通路14を通って吸気通路1
6にパージされる。以下、このようにしてパージ通路1
4から吸気通路16に導かれるガスを「パージガス」と
称し、パージガス中に含まれる空気を「パージエア」と
称す。
【0027】本実施形態の蒸発燃料処理装置は、ECU
(Electronic Control Unit)32を備えている。ECU
32は、パージVSV18をデューティ制御することで
パージガス流量を制御すると共に、図示しないインジェ
クタから内燃機関29に供給される燃料の量、すなわ
ち、燃料噴射量TAUを制御するユニットである。図1
に示すように、ECU32には、エアフロメータ22や
吸気Oセンサ28など、各種センサの出力が供給され
ている。また、ECU32には、パージVSV18やイ
ンジェクタなどのアクチュエータが接続されている。
【0028】次に、図2を参照して、本実施形態の蒸発
燃料処理装置が実行する基本的な処理の内容、より具体
的には、本実施形態の蒸発燃料処理装置が、燃料噴射量
TAUを求めるために実行する燃料噴射量演算ルーチン
の内容について説明する。
【0029】図2は、本実施形態において、ECU32
が実行する燃料射量演算ルーチンのフローチャートであ
る。図2に示すように、燃料噴射量演算処理では、先
ず、ベース噴射量が演算される(ステップ100)。ベ
ース噴射量は、吸入空気量Gaに対して所望の空燃比を
実現するための噴射量であり、エアフロメータ22の出
力信号に基づいて演算される。
【0030】次に、燃料ベーパのパージ禁止されている
か、すなわち、パージカット中であるか否かが判別され
る(ステップ102)。本実施形態において、パージカ
ットは、例えば、内燃機関29の暖機中や燃料カット中
に行われる。
【0031】上記ステップ102においてパージカット
中であると判別された場合は、燃料噴射量TAUを求め
るにあたってパージの影響を考慮する必要がないと判断
できる。この場合、ベース噴射量が燃料噴射量TAUと
された後(ステップ104)、今回のルーチンが終了さ
れる。尚、燃料噴射量TAUの演算過程では、厳密に
は、ベース噴射量を基礎として種々の補正演算が行われ
るが、本実施形態においてそれらは大きな意味を持たな
いため、ここではその説明を省略する。
【0032】上記ステップ102において、パージカッ
ト中ではないと判別された場合は、パージの影響を考慮
するため、先ず、パージ率epgrが演算される(ステップ
106)。
【0033】図3は、上記ステップ102で演算される
パージ率epgrと後述するパージエア率epgrairの定義を
説明するための図である。図3に示すように、パージ率
epgrは、吸入空気量Gaに対するパージガスの流量aの
比率(a/Ga)をパーセント表示した値である。ま
た、パージエア率epgrairは、吸入空気量Gaに対する
パージエアの流量bの比率(b/Ga)をパーセント表
示した値である。
【0034】パージガスの流量a、すなわち、パージ実
行中にパージVSV18を通って流れるガス(ベーパと
パージエア)の流量は、パージVSV18の特性やその
開度(駆動デューティ)などに基づいて、公知の手法で
求めることができる。上記ステップ102では、その公
知の手法で求めた流量a(リットル/min)を、密度(g/
リットル)を表す値に単位変換し、更に、その変換後の
値を吸入空気量Ga(g/リットル)で除することにより
パージ率epgrが求められる。
【0035】図2に示すルーチンでは、次に、補正係数
kが演算される(ステップ108)。そして、その補正
係数kとパージ率epgrとを用いて、次式に従ってパージ
エア率epgrairが演算される(ステップ110)。 パージエア率epgrair=パージ率epgr×補正係数k ・・・(1)
【0036】パージエアの流量bは、パージガス中のベ
ーパ量(a−b)が少量であるほどパージガスの流量a
に近づく。従って、パージエア率epgrair=(b/G
a)×100は、ベーパ量が少量であるほどパージ率ep
gr=(a/Ga)×100に近づく。換言すると、パー
ジエア率epgrairは、サージタンク26内部で検出され
るベーパ濃度が低いほどパージ率epgrに近づき、また、
そのベーパ濃度が高いほどパージ率epgrに比して小さな
値になると推定できる。
【0037】図4は、パージエア率epgrairとパージ率e
pgrとの間に成立する上記の関係に鑑みて予め実験的に
定めた補正係数kのマップの一例を示す。図4に示すマ
ップは、サージタンク26を流れるガス中のベーパ濃度
が薄いほど、補正係数kが1.0に近づき、そのベーパ
濃度が高いほど、補正係数kが0に近づくように定めら
れている。ECU32は、上記ステップ108におい
て、吸気Oセンサ28により検出されるサージタンク
26内の酸素濃度(すなわちベーパ濃度)に基づいてこ
のマップを参照することにより補正係数kを求める。こ
のように、補正係数kは、パージエア率epgrairとパー
ジ率epgrとの間に成立する関係を表す係数である。従っ
て、上記ステップ110の演算処理によれば、吸気O
センサ28の出力に基づいて、パージ率epgrからパージ
エア率epgrairを精度良く求めることができる。
【0038】ところで、上記ステップ108の処理によ
り補正係数kを求めるためには、その前提として、吸気
センサ28の出力に基づいてサージタンク26を流
れるガス中のベーパ濃度を検出する必要がある。
【0039】図5は、吸気Oセンサ28の出力特性を
説明するためのグラフである。図5において、横軸は吸
気管圧力PMを示し、縦軸は吸気Oセンサ28の出力
αを示す。また、図5中に符号α0を付して示す線は、
吸気通路16内を100%エアが流れる際の出力特性、
すなわち、パージカット中に現れる吸気Oセンサ28
の出力特性を示す。
【0040】吸気Oセンサ28は、そのセンサ素子の
表面上に存在する酸素分子の数に応じた出力αを発す
る。センサ素子の表面上に存在する酸素分子の数は、吸
気管圧力PMに応じて増減する。このため、その出力特
性は、図5に示すように、吸気管圧力PMに対して依存
性を有している。
【0041】サージタンク26を流れるガス中にベーパ
が含まれていると、吸気Oセンサ28のセンサ素子面
において、ベーパと酸素とが反応し、ベーパ濃度に応じ
た量の酸素が消費される。その結果、吸気Oセンサ2
8の出力αは、サージタンク26内のベーパ濃度が高く
なるに連れて小さな値となる。図5中に符号α1または
α2を付して示す線は、ベーパ濃度が高くなるにつれて
吸気Oセンサ28の出力特性に生ずる変化を示してい
る。このように、吸気Oセンサ28の出力αは、サー
ジタンク26内を流れるガス中のベーパ濃度に応じた値
を示す。従って、吸気管圧力PMが検出できれば、吸気
センサ28の出力に基づいて、サージタンク26を
流れるガス中のベーパ濃度を検出することが可能であ
る。
【0042】具体的には、ベーパ濃度は、以下の原理で
検出することができる。すなわち、先ず、図示しないP
Mセンサにより吸気管圧力PMを検出する。次いで、そ
の吸気管圧力PMに基づいて、100%エアに対して出
力されるべき出力α0を検出する。そして、吸気O
ンサ28の実出力αと上記の出力α0とを以下の式に代
入すれば、サージタンク26内の酸素濃度とベーパ濃度
とを検出することができる。 酸素濃度=α/α0 ベーパ濃度=(1−α/α0) ・・・(2)
【0043】しかしながら、吸気Oセンサ28の出力
特性には、ある程度の公差が許容されている。図6は、
その公差の範囲で吸気Oセンサ28の出力に生ずるば
らつきを示す。より具体的には、図6中に符号Aを付し
て示す線は公差の中央値(基準中央値)であり、符号B
および符号Cを付して示す線は、それぞれ、公差の上限
を表す上限判定値、および下限を表す下限判定値であ
る。
【0044】ECU32が、上記(2)式に含まれる出
力α0を求めるためには、ECU32に、個々の吸気O
センサ28のばらつきをも考慮した出力α0のマップ
が記憶されている必要がある。これに対して、ECU3
2が記憶しているのは、図6に示す基準中央値Aのマッ
プである。従って、吸気Oセンサ28の出力αに基づ
いて精度良く酸素濃度およびベーパ濃度を求めるために
は、吸気Oセンサ28の出力ばらつきを補正すること
が必要である。
【0045】そこで、ECU32は、吸気Oセンサ2
8がパージカット中に発する出力、すなわち、吸気O
センサ28が100%エアに対して現実に発する出力α
0を検出し、その値α0と基準中央値Aとの比α0/A
をセンサ出力補正係数βとして学習することとしてい
る。そして、このセンサ出力補正係数βと、基準中央値
Aとを用いて、次式に従って酸素濃度およびベーパ濃度
を検出することとしている。 酸素濃度=α/β/A ベーパ濃度=1−α/β/A ・・・(3)
【0046】ECU32は、上述した処理に従うことに
より、吸気Oセンサ28の出力αと、吸気管圧力PM
とに基づいて、精度良くサージタンク26内のベーパ濃
度を検出することができる。そして、ECU32は、そ
のベーパ濃度に基づいて補正係数kを演算し(上記ステ
ップ108参照)、更に、その補正係数kに基づいてパ
ージエア率epgrairを求める(上記ステップ110参
照)。
【0047】パージ制御の実行中は、内燃機関29に対
して、質量流量Gaの吸入空気と共に、パージ通路14
を流通するパージエアおよび燃料ベーパが供給される。
この場合、空燃比を所望の値とするためには、吸入空気
量Gaとパージエア流量bとの和に対して、燃料噴射量
TAUとベーパ量(a−b)との和が上記所望の値とな
るようにTAUを決定する必要がある。
【0048】図2に示す燃料噴射量演算ルーチンでは、
上記ステップ110に次いで、以下に示す手順でベース
噴射量を補正することにより、上記の要求を満たす燃料
噴射量TAUが算出される。すなわち、ECU32は、
パージエア率epgrairを求めた後、次式に従ってベース
噴射量の増量補正を行う(ステップ112)。 補正後噴射量=ベース噴射量×(1+epgrair/100) ・・・(4) 上記の演算処理によれば、吸入空気量Gaとパージエア
流量bとの和に対して、所望の空燃比を実現するための
噴射量が補正後噴射量として求められる。
【0049】次に、次式に従ってベーパ量が演算される
(ステップ114)。 ベーパ量=(吸入空気量Ga+パージエア流量)×ベーパ濃度 ・・・(5) ここで、ベーパ濃度は、サージタンク26を流れるガス
中のベーパ濃度、すなわち、吸気Oセンサ28によっ
て検出されるベーパ濃度である。
【0050】上記の処理によりベーパ量が演算される
と、次に、補正後噴射量からベーパ量を減じることによ
り、燃料噴射量TAUが求められる(ステップ11
6)。上記の処理によれば、燃料ベーパと共に内燃機関
29に供給されることにより所望の空燃比を実現し得る
燃料噴射量TAUを求めることができる。
【0051】次に、図7乃至図11を参照して、本実施
形態の蒸発燃料処理装置が実行する特徴的な処理の内容
について説明する。本実施形態の構成において、パージ
VSV18には、バルブが開いたままとなる故障、すな
わち、開故障が生ずることがある。パージVSV18に
開故障が生ずると、パージカットの実行中に、キャニス
タ10から吸気通路16へ不当にパージガスが流通す
る。
【0052】ECU32は、上記の如く、パージカット
中に吸気Oセンサ28から発せられる出力を100%
エアに対応する出力α0と捕らえてセンサ出力補正係数
βを学習している。従って、パージVSV18に開故障
が生じたままその学習が続けられると、センサ出力補正
係数βが誤学習される事態が生ずる。
【0053】また、本実施形態において、ECU32
は、上記ステップ104に示す通り、パージカットの実
行中は、パージガスの影響を考慮することなく燃料噴射
量TAUを演算する。このため、パージVSV18に開
故障が生ずると、パージカットの実行中に大きな空燃比
ずれが生じ易い。
【0054】図7は、パージVSV18の開故障を検出
して上記の不都合を回避するため、ECU32が実行す
るパージVSV開故障判定ルーチンのフローチャートを
示す。図7に示すルーチンでは、先ず、パージカット条
件が成立しているか否かが判別される(ステップ12
0)。本実施形態では、例えば内燃機関29の暖機中や
燃料カットの実行中にパージカット条件の成立が判断さ
れる。上記の判別の結果、パージカット条件が成立して
いないと判別された場合は、パージVSV18の開故障
判定が行えないため、以後、速やかに今回のルーチンが
終了される。
【0055】上記ステップ120において、パージカッ
ト条件の成立が判別されると、次に、図示しないPMセ
ンサより吸気管圧力PMが取り込まれ(ステップ12
2)、更に、吸気Oセンサ28の出力αが取り込まれ
る(ステップ124)。
【0056】次いで、上記ステップ122で取り込んだ
吸気管圧力PMに対応する下限判定値Cが取り込まれる
(ステップ126)。図8は、本ステップ126におい
て、ECU32が下限判定値Cを取り込むために参照す
るマップの一例を示す。図8に示すように、ECU32
には、吸気O センサ28の基準中央値A、上限判定値
B、および下限判定値Cを吸気管圧力PMとの関係で定
めたマップが記憶されていると共に、パージVSV開故
障判定値Dを吸気管圧力PMとの関係で定めたマップが
記憶されている。尚、パージVSV開故障判定値Dにつ
いては、その内容を後に詳細に説明する。
【0057】上記ステップ126において、出力α>下
限判定値Cが成立しないと判別された場合は、パージカ
ット中における吸気Oセンサ28の出力αが不当に小
さな値を取っていると判断され、次に、図8に示すマッ
プより、吸気管圧力PMに対応するVSV開故障判定値
Dが取り込まれる(ステップ130)。吸気Oセンサ
28の出力αは、サージタンク26内のベーパ濃度が高
くなるに連れて小さな値となる。開故障判定値Dは、パ
ージVSV18に開故障が生じていないとすれば、出力
αがそれ以下とはならない値として実験的に定められた
値である。尚、パージVSV18に開故障が生じた場
合、その影響は、吸気管圧量PMが低くなり、多量のベ
ーパが不当にパージされ易くなるほど出力αに顕著に現
れる。このため、開故障判定値Dは、吸気管圧力PMが
低くなるに連れて急激に小さな値となるように定められ
ている。
【0058】開故障判定値Dが取り込まれると、次に、
出力αが、その値Dより小さいか否かが判別される(ス
テップ132)。その結果、出力α<開故障判定値Dが
成立しないと判別された場合は、判断の正確を期すた
め、パージVSV18の開故障が認定されることなく今
回のルーチンが終了される。
【0059】一方、上記ステップ132において、出力
α<開故障判定値Dが成立すると判別されると、パージ
VSV18に開故障が生じていると判断され、以下に示
すフラグ処理が行われる(ステップ134)。 開異常フラグ:XVSVOD=1 仮正常復帰フラグ:XVSVHOP=0 正常復帰フラグ:XVSVOP=0 尚、これらのフラグは、内燃機関29のイグニッション
スイッチがONされた後、初期化処理により全て0にリ
セットされている。
【0060】上記ステップ128において、出力αが下
限判定値Cより大きいと判別された場合は、サージタン
ク26内に燃料ベーパは導かれていないと判断される。
この場合、ステップ128の処理に次いで、開異常フラ
グXVSVODが0であるか否かが判別される(ステッ
プ136)。
【0061】XVSVOD=0が成立する場合は、少な
くとも前回のルーチンにおいてパージVSV18の開異
常が認められていないと判断できる。すなわち、燃料ベ
ーパの不存在が、吸気Oセンサ28によって継続的に
確認されていると判断できる。この場合、パージVSV
18が正常であると判断され、正常復帰フラグXVSV
OPに1がセットされる(ステップ138)。
【0062】一方、上記ステップ136において、開異
常フラグXVSVOD=0が成立しないと判別された場
合は、内燃機関29の始動後に、少なくとも一度は不当
に小さな出力αが検出されていると判断できる。この場
合、ステップ136の処理に次いで、内燃機関29が始
動された後、既にパージ制御が行われた可能性があるか
否かが判別される。より具体的には、図示しない冷却水
温センサにより検出される内燃機関29の冷却水温TH
Wがパージ開始温度70℃より低いか否かが判別される
(ステップ140)。
【0063】上記ステップ140において、THW<7
0℃が成立すると判別された場合、は、内燃機関29が
始動された後、未だパージ制御が実行されていないと判
断できる。この場合、更に、内燃機関29が始動された
後現在までの間に、パージVSV18には何ら駆動信号
が供給されていないこと、より具体的には、パージVS
V18の状態が何ら変化していないことが判断できる。
【0064】パージVSV18に動作経験がない場合
は、キャニスタ10の中にある程度の燃料ベーパが吸着
されていると推定できる。また、パージVSV18に何
ら駆動信号が供給されていないため、開故障が生じてい
るとすれば、その故障状態は継続していると推定でき
る。キャニスタ10内にある程度の燃料ベーパが吸着さ
れており、かつ、パージVSV18に開故障が生じてい
るとすれば、吸気Oセンサ28の出力αは、継続的に
開故障判定値Dより小さな値となるはずである。従っ
て、パージVSV18に動作経験が無いにも関わらず上
記ステップ140の処理が実行されたとすれば、パージ
VSV18には当初から開故障は生じていなかったと判
断できる。
【0065】このため、上記ステップ140でパージV
SV18の動作経験が否定された場合(THW<70℃
が成立すると判別された場合)は、パージVSV18が
正常復帰したと判断され、以下のフラグ処理が行われる
(ステップ142)。 開異常フラグ:XVSVOD=0 仮正常復帰フラグ:XVSVHOP=1 正常復帰フラグ:XVSVOP=1 尚、本ステップ142は、パージVSV18が当初から
正常であるとの判断の下に実行されるステップである。
しかし、出力αが少なくとも一度は開故障判定値D以下
になったことを記録に残すため、ここでは、「正常判
定」の場合と区別して「正常復帰」なる概念を用い、ま
た、正常判定の場合と異なり、仮正常復帰フラグに1を
セットすることとしている。
【0066】上記ステップ140において、冷却水温T
HWがパージ開始温度70℃以上であると判別された場
合は、パージVSV18に動作経験があるものと判断さ
れる。パージVSV18に動作経験がある場合は、キャ
ニスタ10に吸着されていた燃料ベーパが、パージ制御
によってほぼパージされた可能性、或いは、パージVS
V18の開故障を引き起こしていた異物の噛み混みが、
その動作に伴って解消された可能性などを考慮する必要
がある。つまり、この場合は、吸気Oセンサ28の出
力αが下限判定値Cより大きな値に復帰していたとして
も、過去または現在におけるパージVSV18の開故障
を否定することができない。
【0067】一方、上記の場合は、仮にパージVSV1
8に開故障が生じていたとしても、サージタンク26内
に実質的にベーパが導かれていないため、センサ出力補
正係数βの演算などは問題なく行うことができる。この
ため、上記ステップ140において、パージVSV18
の動作経験が認められた場合(THW<70℃が不成立
の場合)は、「開異常」や「正常判定」更には「正常復
帰」の状態と区別して「仮正常復帰」なる判別がなされ
たうえで、以下のフラグ処理が行われる。 仮正常復帰フラグ:XVSVHOP=1 正常復帰フラグ:XVSVOP=0
【0068】上述の如く、図7に示すルーチンによれ
ば、吸気Oセンサ28がパージカット中に発する出力
αに基づいて、パージVSV18の開異常を精度良く検
出することができる。より具体的には、パージVSV1
8の状態を、精度よく4つの状態に区別して検出するこ
とができる。尚、図9は、図7に示すルーチンにより区
別することのできる4つの状態と、それぞれの状態に対
応するフラグ値の組み合わせをまとめたものである。
【0069】図10は、ECU32が、センサ出力補正
係数βを適切に学習し、かつ、センサ出力補正係数βを
適切に燃料噴射量TAUの演算に反映させるために実行
する補正係数学習ルーチンのフローチャートである。図
10に示すルーチンは、上記図7に示すルーチンの実行
に伴って設定された各種フラグの状態に基づいて進めら
れる。以下、図10に示すルーチンの内容を説明するに
先だって、図11を参照して、そのルーチンの機能につ
いて説明する。
【0070】図11は、上記図7に示すルーチンにより
区分される4つの状態と、それらの状態に対応する各種
フラグの状態と、図10に示すルーチン中で個々の状態
に対応して実行される主な処理とを対比して表した図で
ある。図11に示すように、図10に示すルーチンによ
れば、パージVSV18に開異常が生じている場合は、
パージの実行状態に応じて以下に示す2つの処理の何れ
かが行われる。
【0071】パージカット中:センサ出力補正係数β
の学習を禁止してその値を1としたうえで、吸気O
ンサ28の出力αに基づいて、開故障の影響で不当にパ
ージされる燃料ベーパ分を相殺するために、燃料噴射量
TAUを補正する。 パージ実行中:センサ出力補正係数βの学習を禁止し
てその値を1とする。この場合、上記図2に示す燃料噴
射量演算ルーチンの中で、β=1として、パージの影響
を考慮した燃料噴射量TAUが求められる。
【0072】図11に示すように、図10に示すルーチ
ンによれば、パージVSV18の状態が、正常、正常復
帰、および仮正常復帰の何れかに区分されている場合
は、パージの実行状態に応じて以下に示す2つの処理の
何れかが行われる。 パージカット中:センサ出力補正係数βを学習する。 パージ実行中:パージカットを行ったうえでセンサ出
力補正係数βを学習する。 尚、これらの場合は、何れも、学習されたセンサ出力補
正係数βが、上記図2に示す燃料噴射量演算ルーチン中
で、パージ実行中におけるベーパ濃度の検出処理に、す
なわち、補正係数kの演算に反映される。
【0073】次に、上記の機能を実現すべく実行される
図10に示すルーチンの内容について説明する。図10
に示す補正係数学習ルーチンでは、先ず、図示しないP
Mセンサより吸気管圧力PMが取り込まれる(ステップ
150)。次に、吸気Oセンサ28の出力αが取り込
まれる(ステップ152)。次いで、ECU32に記憶
されている上記図8に示すマップを参照して、より具体
的には、100%エアに対する基準出力たる基準中央値
Aのマップを参照して、吸気管圧力PMに対応する基準
中央値Aが決定される(ステップ154)。
【0074】センサ出力補正係数βの学習は、吸気通路
16内に100%エアが流通している環境下で行う必要
がある。このため、本実施形態では、パージカット中で
あることを学習実行の前提条件としている。図10に示
すルーチンでは、上記ステップ154に次いで、その前
提条件が整っているか、すなわち、パージカット中か否
かが判断される(ステップ156)。
【0075】上記ステップ156でパージカット中であ
ると判別された場合は、正常復帰フラグXVSVOPが
1であるか、すなわち、パージVSV18の状態が正常
または正常復帰に区分されているかが判別される(ステ
ップ158)。
【0076】その結果、正常復帰フラグXVSVOPが
1ではないと判別された場合は、パージVSV18の状
態が、開異常または仮正常復帰に区分されていると判断
できる。この場合、次に、仮正常復帰フラグXVSVH
OPに1がセットされているか否かが判別される(ステ
ップ160)。
【0077】仮正常復帰フラグXVSVHOPが1でな
いと判別された場合は、パージVSV18に開故障が生
じていると判断できる。この場合、センサ出力補正係数
βの学習が禁止され(ステップ162)、更に、その値
が初期値1.0とされる(ステップ164)。
【0078】パージカット中は、上記図2に示す燃料噴
射量演算ルーチンによってはパージの影響を考慮した補
正が行われない。一方、パージVSV18に開故障が生
じている場合は、パージカット中であっても、燃料ベー
パが吸気通路16にパージされ得る。そこで、図10に
示すルーチンでは、上記ステップ164の処理が終了す
ると、次に、次式に従って燃料噴射量補正係数ktauが求
められる。 燃料噴射量補正係数ktau =センサ出力α/センサ出力補正係数β/基準中央値A =センサ出力α/基準中央値A ・・・(6)
【0079】上記(6)式で求められる燃料噴射量補正
係数ktauは、ほぼサージタンク26内の酸素濃度に一致
する値である。このようにして求められた補正係数ktau
は、上記ステップ104(図2参照)で演算される燃料
噴射量TAUに対して、図示しない他のルーチンにおい
て乗算される。このような補正処理によれば、パージV
SV18の開異常に伴って吸気通路16に流入するベー
パの影響を相殺すべく、燃料噴射量TAUを適切に減量
することができる。従って、本実施形態の蒸発燃料処理
装置によれば、パージVSV18に開故障が生じている
場合にも、大きな空燃比ずれが生ずるのを有効に防止す
ることができる。
【0080】上記ステップ158で正常復帰フラグXV
SVOPが1であると判別された場合、或いは、上記ス
テップ160において仮正常復帰フラグXVSVHOP
が1であると判別された場合は、センサ出力補正係数β
が学習可能であると判断できる。この場合、上記ステッ
プ158に次いで、その学習が既に完了しているか否か
が判別される(ステップ168)。
【0081】その結果、センサ出力補正係数βの学習が
既に完了していると判別される場合は、以後速やかに今
回のルーチンが終了される。一方、未だその学習が完了
していないと判別される場合は、次に、学習の実行が判
断され(ステップ170)、更に、センサ出力補正係数
βが次式に従って求められる(ステップ172)。 センサ出力補正係数β=センサ出力α/基準中央値A ・・・(7)
【0082】センサ出力補正係数βが上記の如く演算さ
れると、学習完了の判定がなされた後、今回のルーチン
が終了される(ステップ174)。上記の処理により学
習されたセンサ出力補正係数βは、以後、図2に示す燃
料噴射量演算ルーチンにおいて、吸気Oセンサ28の
出力αに基づいてサージタンク26内のベーパ濃度を求
める際に利用される。
【0083】上記ステップ156でパージカット中では
ないと判別された場合は、次に、開異常フラグXVSV
ODに1がセットされているかが判別される(ステップ
176)。
【0084】その結果、開異常フラグXVSVODが1
であると判別された場合は、パージVSV18の状態
が、開異常または仮正常復帰に区分されていると判断で
きる。この場合、次に、仮正常復帰フラグXVSVHO
Pに1がセットされているか否かが判別される(ステッ
プ178)。
【0085】仮正常復帰フラグXVSVHOPが1でな
いと判別された場合は、パージVSV18に開故障が生
じていると判断できる。この場合、センサ出力補正係数
βの値が初期値1.0とされた後、今回のルーチンが終
了される(ステップ180)。以後、図2に示す燃料噴
射量演算ルーチンにおいて、パージ実行中における燃料
噴射量TAUは、初期値1.0とされたセンサ補正係数
βを利用して演算される。
【0086】上記ステップ176で開異常フラグXVS
VODが1ではないと判別された場合、或いは、上記ス
テップ178において仮正常復帰フラグXVSVHOP
が1であると判別された場合は、パージVSV18が、
正常、正常復帰、或いは仮正常復帰の何れかの状態であ
ると認識できる。この場合、次に、センサ出力補正係数
βの学習が既に完了しているか否かが判別される(ステ
ップ182)。
【0087】その結果、センサ出力補正係数βの学習が
既に完了していると判別される場合は、以後速やかに今
回のルーチンが終了される。一方、未だその学習が完了
していないと判別される場合は、パージカットの後に
(ステップ184)、上記ステップ170以降の学習処
理が成される。
【0088】上述の如く、図10に示す補正係数学習ル
ーチンによれば、パージVSV18に開異常が生じてい
る場合には、センサ出力補正係数βを初期値1.0と
し、開異常が生じていない場合にのみその学習を許容す
ることができる。このため、本実施形態の蒸発燃料処理
装置によれば、パージVSV18の開故障に起因してセ
ンサ出力補正係数βが誤学習されるのを有効に防止する
ことができる。
【0089】また、上述した補正係数学習ルーチンによ
れば、パージVSV18に開故障が生じている場合に
も、センサ出力補正係数βを1.0として、燃料噴射量
TAUを補正することができる。このため、本実施形態
の蒸発燃料処理装置によれば、パージVSV18に開故
障が生じても、その影響による空燃比ずれを十分に小さ
く抑制することができる。
【0090】ところで、上述した実施の形態1では、パ
ージVSV18の動作経験の有無を判別するために、冷
却水温THWがパージ温度70℃以下であるかが判別さ
れているが(上記ステップ140参照)、その手法はこ
れに限定されるものではない。例えば、パージVSV1
8に供給される駆動デューティ信号を積算する機能を設
けて、その積算値に基づいてパージVSV18の動作経
験の有無を判別することとしてもよい。THWを用いる
前者の手法では、内燃機関29が暖機完了後に再始動さ
れるような場合に、パージVSV18の動作経験の有無
を適正に判別できない事態が生じ得る。これに対して、
デューティ信号を積算する後者の手法によれば、そのよ
うな不都合を回避して、常に正確にパージVSV18の
動作経験の有無を判別することが可能である。
【0091】また、上述した実施の形態1においては、
吸気Oセンサ28を用いてサージタンク26内のベー
パ濃度を検出することとしているが、そのベーパ濃度を
検出する機構は酸素濃度センサに限定されるものではな
い。すなわち、超音波式のベーパ濃度センサやエバポセ
ンサなど、サージタンク26内のベーパ濃度が検出でき
るものであれば、如何なる手段を用いてもよい。
【0092】更に、上述した実施の形態1においては、
吸気Oセンサ28を、サージタンク26に設けること
としているが、吸気Oセンサ28の配置位置はこれに
限定されるものではない。すなわち、吸気Oセンサ2
8は、吸気通路16のうち、パージ通路14に連通する
接続口と、図示しないインジェクタとの間の何れの部位
に配置することとしてもよい。
【0093】尚、上述した実施の形態1では、ECU3
2が上記ステップ132の処理を行うことにより前記請
求項1記載の「故障判定手段」が実現されている。ま
た、吸気Oセンサ28が前記請求項1記載の「吸気ベ
ーパ濃度センサ」に相当している。更に、上述した実施
の形態1では、吸気Oセンサ28の出力αが開故障判
定値Dを下回る場合が、前記請求項1記載の「吸気ベー
パ濃度センサの出力が開故障判定値を上回る場合」に対
応している。
【0094】また、上述した実施の形態1では、ECU
32が、上記ステップ172の処理を実行することによ
り前記請求項2記載の「学習手段」が、センサ出力補正
係数βと吸気Oセンサ28の出力αとを上記(3)式
に代入して酸素濃度を求めることにより前記請求項2記
載の「酸素濃度検出手段」が、上記ステップ158〜1
62の処理を実行することにより前記請求項2記載の
「学習禁止手段」が、それぞれ実現されている。
【0095】また、上述した実施の形態1では、エアフ
ロメータ22が前記請求項3記載の「吸入空気量検出手
段」に相当していると共に、ECU32が、上記ステッ
プ100の処理を実行することにより前記請求項3記載
の「ベース噴射量演算手段」が、上記ステップ106に
おいてパージガス流量を求めることにより前記請求項3
記載の「パージガス流量検出手段」が、上記ステップ1
08〜116の処理を行うことにより前記請求項3記載
の「燃料噴射量演算手段」が、上記ステップ164およ
び180の処理を実行することにより前記請求項3記載
の「補正係数固定手段」が、それぞれ実現されている。
【0096】また、上述した実施の形態1では、ECU
32が上記ステップ166の処理を実行することにより
前記請求項4記載の「第2の燃料噴射量演算手段」が実
現されている。
【0097】また、上述した実施の形態1では、ECU
32が、上記ステップ140の処理を実行することによ
り前記請求項5記載の「制御経験判別手段」が、上記ス
テップ142の処理を実行することにより前記請求項5
記載の「正常復帰判別手段」が、それぞれ実現されてい
る。また、上述した実施の形態1においては、吸気O
センサ28の出力αが開故障判定値Dを下回る値から下
限判定値Cを上回る値に復帰した場合が、前記請求項5
記載の「吸気ベーパ濃度センサの出力が、前記開故障判
定値を上回る値から上限判定値を下回る値に復帰した場
合」に対応している。
【0098】更に、上述した実施の形態1では、ECU
32が上記ステップ144の処理を実行することにより
前記請求項6記載の「仮正常復帰判別手段」が実現され
ている。
【0099】実施の形態2.次に、図12および図13
を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態の蒸発燃料処理装置は、実施の形態1のシス
テム構成において、ECU32に、上記図7に示すルー
チンに代えて図12に示すルーチンを実行させることに
より実現することができる。
【0100】上述した実施の形態1では、パージカット
中に吸気Oセンサ28の出力αが開故障判定値Dより
小さな値となった場合にパージVSV18の開故障が判
定される。ところが、吸気Oセンサ28の出力αは、
パージVSV18に開故障が生じていなくても、例えば
吸気Oセンサ28自身が故障している場合にも開故障
判定値Dより小さな値となることがある。従って、パー
ジVSV18の開故障を正確に検出するためには、出力
αが開故障判定値Dより小さな値となった場合に、吸気
センサ28が正常であることを確認する必要があ
る。
【0101】図12は、上記の機能を実現するために本
実施形態においてECU32が実行する開故障判定ルー
チンのフローチャートである。図12において、上記図
7に示すステップと同一のステップには同一の符号を付
している。図12に示すフローチャートは、α<Dの成
立性を判別するステップ132に続いて、ステップ19
0〜196が加えられている点を除き、上記図7に示す
フローチャートと同様である。以下、図12において図
7と共通する部分についてはその説明を省略または簡略
し、主として図12に特有な部分についての説明を行
う。
【0102】図12に示すルーチンでは、ステップ13
2において出力αが開故障判定値Dより小さいと判別さ
れると、その後、次式で表されるA/Fずれ量Hが取り
込まれる(ステップ190)。 H=FAFAV+KG ・・・(8)
【0103】上記(8)式に含まれるFAFAVは、フ
ィードバック補正係数FAFの平均値である。また、フ
ィードバック補正係数FAFは、排気Oセンサ31の
出力を燃料噴射量TAUにフィードバックするために用
いられる補正係数である。そして、上記(8)式に含ま
れるKGは、内燃機関29等の個体差に起因する空燃比
ずれを吸収するために演算される学習値である。
【0104】図13は、上記のFAFおよびFAFAV
をより詳細に説明するためのタイミングチャートであ
る。より具体的には、図13(A)は、排気Oセンサ
31の出力波形を、図13(B)は、図13(A)に示
す波形に対応して形成されるFAFの波形を、また、図
13(C)は、図13(B)に示すFAFを平均化する
ことで得られるFAFAVの波形を示す。
【0105】排気Oセンサ31は、排気ガス中の酸素
濃度が理論空燃比に対してリッチであるかリーンである
かに応じて、図13(A)に示すようにほぼ2値的な出
力を発する。フィードバック補正係数FAFは、排気O
センサ31の出力がリーンからリッチに反転すると、
その値がリーン側に(より大きな値に)スキップされる
(時刻t1参照)。その後FAFは、排気Oセンサ3
1の出力が再びリーン側に反転するまで(時刻t2参
照)、緩やかに値を増大させる。以後、FAFの値は、
排気Oセンサ31の出力に基づいて上記の要領で更新
され続ける。
【0106】フィードバック補正係数FAFの値は、例
えばベース燃料噴射量に乗算されることにより燃料噴射
量TAUの値に反映される。燃料噴射量TAUをこのよ
うにして演算することによれば、内燃機関29に供給さ
れる混合気の空燃比を、常に精度良く理論空燃比付近に
維持することができる。
【0107】フィードバック補正係数FAFの値は、混
合気の空燃比が理論空燃比付近に維持されている場合
は、ほぼ基準の値(例えば0或いは1)を中心として、
リッチ側およびリーン側に対照的に変化する。しかしな
がら、空燃比が継続的にリッチ側またはリーン側に偏っ
た場合は、その値が基準の値からリーン側、或いはリッ
チ側に偏る。従って、FAFの平均値であるFAFAV
は、FAFを用いた空燃比フィードバック制御が行われ
ない場合に発生する継続的な空燃比ずれの大きさを表
す。
【0108】上述した学習値KGは、内燃機関29の個
体差などに起因して、FAFAVがリッチ側或いはリー
ン側に偏るのを防止するための補正係数である。つま
り、学習値KGは、FAFを用いた空燃比フィードバッ
ク制御が行われない場合に発生する継続的な空燃比ずれ
を吸収して、FAFAVを基準値近傍に維持するように
演算される補正係数である。
【0109】従って、上記ステップ190で取り込まれ
るA/Fずれ量H=FAFAV+KGは、空燃比フィー
ドバック制御が実行されなければ発生するであろう継続
的な空燃比ずれの大きさを表す特性値である。換言する
と、上記のA/Fずれ量Hは、空燃比フィードバック制
御が実行されていることにより吸収されている空燃比ず
れの大きさを表す特性値である。
【0110】本実施形態において、パージVSV18に
開故障が発生すると、パージカット中においても燃料ベ
ーパのパージが継続される。上記図2に示す燃料噴射量
演算ルーチンによれば、パージカット中は、パージの影
響を考慮した燃料噴射量補正は行われない。また、パー
ジVSV18の開故障が検知されるまでは、上記図10
に示すルーチンによっても不当パージの影響を相殺する
ための燃料噴射量補正は行われない。従って、パージV
SV18に開故障が生じている場合、内燃機関29には
継続的にリッチに偏った混合気が供給され、その結果、
A/Fずれ量Hはリッチ側に大きく偏った値となる。
【0111】このように、上記ステップ190で取り込
まれるA/Fずれ量Hは、パージカット中に不当な燃料
パージが行われると、その影響でリッチ側に大きく値を
変化させるという特性を有している。本実施形態では、
A/Fずれ量Hが有する上記の特性を利用して、以下の
手順でパージVSV18の開故障判定精度を高めること
としている。
【0112】すなわち、図12に示すルーチンでは、上
記ステップ190の処理に次いで、吸気管圧力PMと吸
気Oセンサ28の出力αとに基づいて、サージタンク
26内の酸素濃度eO2densが求められる(ステップ19
2)。
【0113】次に、上記ステップ190で取り込んだA
/Fずれ量Hと、上記ステップ192で求めた酸素濃度
eO2densとが、互いに対応しているか否かが判別され
る。具体的には、A/Fずれ量Hと酸素濃度eO2densと
の間に次式の関係が成立するか否かが判別される(ステ
ップ194)。 H>−(1−eO2dens)×100−a ・・・(9) 上記の不等式は、排気Oセンサ31の出力から予測さ
れるベーパ濃度と、吸気Oセンサ28の出力αから検
出されるベーパ濃度との差が小さい場合に成立し、ま
た、その差が不当に大きい場合に不成立となるように定
められた式である。尚、上記(9)式に含まれるaは、
誤判定防止のために、センサ精度のばらつき等を考慮し
て導入したマージン分である。
【0114】上記ステップ194において、(9)式の
条件が成立すると判別された場合は、吸気Oセンサ2
8が正常に機能していると判断することができる。従っ
て、この場合は、パージVSV18の開故障を判定すべ
くステップ134の処理が実行される。
【0115】一方、上記ステップ194において(9)
式の条件が成立しないと判別された場合は、吸気O
ンサ28の出力低下の原因が、パージVSV18の開故
障ではないと推定できる。この場合、上記ステップ19
4に次いで、吸気Oセンサやエアフロメータ、或いは
インジェクタなど、パージVSV18とは異なる構成要
素の異常判定がなされる(ステップ196)。
【0116】上述の如く、本実施形態の蒸発燃料処理装
置によれば、吸気Oセンサ28の出力αに基づいて演
算される酸素濃度eO2densを、排気Oセンサ31の出
力に基づいて求められるA/Fずれ量Hと比較すること
により、吸気Oセンサ28の出力低下の原因が真にパ
ージVSV18の開故障であるかを判断することができ
る。このため、本実施形態の蒸発燃料処理装置によれ
ば、実施の形態1の場合に比して、パージVSV18の
開故障に関する判定精度を高めることができる。
【0117】ところで、上述した実施の形態2では、A
/Fずれ量Hと、吸気Oセンサ28の出力αとの間に
相関が認められるか否かを、上記(9)式の関係が成立
するか否かに基づいて判断しているが、両者間の相関を
判断する手法はこれに限定されるものではない。すなわ
ち、本実施形態では、内燃機関29に供給される混合気
を理論空燃比に近づけるために用いるべき空燃比補正係
数と、吸気Oセンサ28の出力との間に相関が認めら
れるか否かが判断できる限り、その判断の手法は如何な
る手法であってもよい。
【0118】尚、上述した実施の形態2においては、A
/Fずれ量Hが前記請求項7記載の「空燃比補正係数」
に相当していると共に、ECU32が、排気Oセンサ
31の出力に基づいてFAFAVおよびKGを演算し、
更に、それらを加算してA/Fずれ量Hを求めることに
より前記請求項7記載の「補正係数演算手段」が、上記
ステップ194の処理を実行することにより前記請求項
7記載の「相関判断手段」が、上記ステップ196の処
理を実行することにより前記請求項7記載の「第2判定
手段」が、それぞれ実現されている。
【0119】実施の形態3.次に、図14および図15
を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態の蒸発燃料処理装置は、実施の形態1のシス
テム構成において、ECU32に、上記図7に示すルー
チンに代えて図14に示すルーチンを実行させることに
より実現することができる。
【0120】上述した実施の形態1または2の蒸発燃料
処理装置は、パージカット中における吸気Oセンサ2
8の出力αが下限判定値Cより大きい場合は、サージタ
ンク26内に燃料ベーパが流入していないと推定できる
ため、パージVSV18に開故障が生じていないと判断
している。しかしながら、キャニスタ10が空の状態で
あれば、パージVSV18に開故障が生じていても、パ
ージカット中の出力αは下限判定値Cより大きな値とな
る。従って、実施の形態1または2の装置では、キャニ
スタ10が空の場合に、パージVSV18の開故障を検
出できないことがある。
【0121】本実施形態の蒸発燃料処理装置は、実施の
形態1または2の装置と同様に、パージVSVの18の
開故障が検知されない限り、パージカット中はパージの
影響を考慮した値量噴射量補正は行わない(図2参
照)。このため、パージカット中は、燃料噴射量TAU
が、吸入空気量Gaに対応する値とされる(上記ステッ
プ104参照)。
【0122】パージVSV18に開故障が生じており、
かつ、キャニスタ10が空である場合、内燃機関29に
は、エアフロメータ22で検出されるGaなる量の空気
と、パージVSV18を通過するパージエアとが吸入さ
れる。従って、燃料噴射量TAUが吸入空気量Gaに対
応した値であると、内燃機関29には、継続的にリーン
に偏った混合気が供給される。
【0123】内燃機関29に対して継続的にリーンに偏
った混合気が供給されると、空燃比フィードバックの作
用により、A/Fずれ量H=FAFAV+KGは、リー
ン側に偏った値となる。そこで、本実施形態の蒸発燃料
処理装置は、パージカット中における吸気Oセンサ2
8の出力αが下限判定値Cより大きいと判別された場合
に、パージVSV18に開故障が生じているか否かをA
/Fずれ量Hに基づいて更に確認することとしている。
【0124】図14は、上記の機能を実現するために本
実施形態においてECU32が実行する開故障判定ルー
チンのフローチャートである。図14において、上記図
12に示すステップと同一のステップには同一の符号を
付している。図14に示すフローチャートは、α>Cの
成立性を判別するステップ128と、XVSVOD=0
の成立性を判別するステップ136との間に、ステップ
200〜210が加えられている点を除き、上記図12
に示すフローチャートと同様である。以下、図14にお
いて図12と共通する部分についてはその説明を省略ま
たは簡略し、主として図14に特有な部分についての説
明を行う。
【0125】図14に示すルーチンでは、ステップ12
8において出力αが下限判定値Cより大きいと判別され
ると、次に、その出力αが、出力公差の上限判定値Bに
比して小さいか否かが判別される(ステップ200)。
尚、上限判定値Bは、ECU32に記憶されている上限
判定値Bのマップ(図8参照)と、ステップ122にお
いて検出される吸気管圧力PMとに基づいて検出された
値である。
【0126】上記の判別の結果、α<Bが成立しないと
判別される場合、すなわち、吸気O センサ28が、上
限判定値Bより大きな出力αを発していると判別される
場合は、吸気Oセンサ28に異常が生じていると判断
できる。この場合、ステップ196の処理が実行された
後、今回のルーチンが終了される。
【0127】一方、上記ステップ200において、α<
Bが成立すると判別された場合は、次に、A/Fずれ量
H=FAFAV+KGが取り込まれる(ステップ20
2)。
【0128】A/Fずれ量Hの取り込みが終了すると、
次いで、図示しない回転数センサの出力に基づいて、内
燃機関29の回転数NEが検出される(ステップ20
4)。更に、その回転数NEに基づいて、リーンずれ判
定値補正係数kKが求められる(ステップ206)。そ
の後、リーンずれベース判定値K(base)に判定値補正係
数kKが掛け合わされることにより、リーンずれ判定値
Kが算出される(ステップ208)。
【0129】図15(A)中に太線で示す曲線は、上記
ステップ208において用いられるリーンずれ判定値K
(base)を、吸気管圧力PMとの関係で定めたマップを示
す。また、図15(B)は、上記ステップ206におい
て求められるリーンずれ判定値補正係数kKを、内燃機
関29の回転数NEとの関係で定めたマップの一例を示
す。これらのマップは、何れも、ECU32に記憶され
ている。
【0130】上記ステップ208において算出されるリ
ーンずれ判定値Kは、パージVSV18に開故障が生じ
ているか否かを判別するために、後述の如くA/Fずれ
量Hと比較される値である。A/Fずれ量Hは、パージ
カット中に、吸入空気量Gaに対して多量のパージエア
が流入するほどその値を大きくリーン側に変化させる。
吸入空気量Gaに対するパージエアの割合は、吸気管圧
力PMが低いほど大きくなり、また、内燃機関29の回
転数NEが低いほど大きくなる。従って、パージVSV
18に開故障が生じている場合、A/Fずれ量Hは、吸
気管圧力PMが低いほどより大きくリーン側に偏った値
となり、また、回転数NEが低いほどより大きくリーン
側に偏った値となる。
【0131】本実施形態において、リーンずれベース判
定値K(base)は、図15(A)に示すように、吸気管圧
力PMが低くなるほど、急激にその値が増加するように
定められている。また、リーンずれ判定値補正係数kK
は、回転数NEが低いほど最大値1.0に近づき、一
方、回転数NEが高くなるほどその値が小さくなるよう
に定められている。
【0132】図15(A)中に細線で示す2本の曲線
は、リーンずれベース判定値K(base)のマップ(太線の
マップ)を、回転数NEに応じた補正係数kKで補正す
ることにより求めたリーンずれ判定値Kの集合である。
これらの曲線に示されるように、上述したステップ20
8の処理によれば、吸気管圧力PMが低いほどその値が
大きくなるように、また、回転数NEが低いほどその値
が大きくなるように、リーンずれ判定値Kを演算するこ
とができる。
【0133】このように、本実施形態の手法によれば、
パージVSV18の開故障時にA/Fずれ量Hが示す依
存性と同様の依存性(吸気管負圧PMに対する依存性、
および回転数NEに対する依存性)をリーンずれ判定値
Kに与えることができる。このため、本実施形態では、
それらを比較することにより、パージVSV18に開故
障が生じているか否かを正確に判断することができる。
【0134】図14に示すルーチンでは、上記ステップ
208の処理に次いで、A/Fずれ量Hがリーンずれ判
定値Kより大きいか、すなわち、A/Fずれ量Hがリー
ンずれ判定値Kを越えてリーン側に変化しているかが判
別される(ステップ210)。
【0135】その結果、H>Kが成立すると判別される
場合は、パージカット中にも関わらず、パージVSV1
8から多量のエアがパージされていると判断できる。こ
の場合、燃料ベーパはパージされていないが、パージV
SV18には開故障が生じていると判定され、ステップ
134の処理が実行される。
【0136】一方、上記ステップ210において、H>
Kが成立しないと判別された場合は、パージVSV18
から不当に多量のエアはパージされていないと判断でき
る。この場合、パージVSV18に開故障は生じていな
いと判断され、以後、ステップ136以降の処理が実行
される。
【0137】以上説明した通り、本実施形態の蒸発燃料
処理装置によれば、キャニスタ10が殆ど空であり、開
故障の生じているパージVSV18から空気だけがパー
ジされるような場合にも、精度良くその開故障を検出す
ることができる。従って、本実施形態の蒸発燃料処理装
置によれば、実施の形態1または2の場合に比して、更
に正確にパージVSV18の開故障を検知することがで
きる。
【0138】尚、上述した実施の形態3においては、A
/Fずれ量Hが前記請求項8記載の「空燃比補正係数」
に相当していると共に、ECU32が、排気Oセンサ
31の出力に基づいてFAFAVおよびKGを演算し、
更に、それらを加算してA/Fずれ量Hを求めることに
より前記請求項8記載の「補正係数演算手段」が、上記
ステップ210の処理を実行することにより前記請求項
8記載の「第3判定手段」が、それぞれ実現されてい
る。
【0139】実施の形態4.次に、図16乃至図18を
参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本
実施形態の蒸発燃料処理装置は、パージVSV18が閉
じたままとなる故障、すなわち、パージVSV18の閉
故障を検出する点に特徴を有しており、実施の形態1の
システム構成において、ECU32に、上記図2に示す
ルーチンと共に、図16に示すルーチンを実行させるこ
とにより実現することができる。
【0140】図16に示すルーチンは、ECU32が、
パージVSV18の閉故障を判定し、かつ、その結果に
応じて燃料噴射量TAUの演算方法を切り替えるために
実行する閉故障判定ルーチンのフローチャートである。
【0141】図16に示すルーチンでは、先ず、吸気管
圧力PMと吸気Oセンサ28の出力αとが順次取り込
まれ(ステップ220,222)、次いで、上記図8に
示すマップに基づいて、吸気管圧力PMに対応する下限
判定値Cが取り込まれる(ステップ224)。
【0142】次に、パージ実行条件が成立しているか否
かが判別される(ステップ226)。パージ実行条件
は、内燃機関29の暖機が終了していること、燃料カッ
トの条件が成立していないこと、更には、空燃比フィー
ドバック制御が開始されていることなどの条件が全て満
たされる場合にその成立が判定される。本実施形態で
は、後述の如く、パージ実行中における空燃比ずれに基
づいてパージVSV18の閉故障を検出する。従って、
パージ実行条件が成立していない場合は、閉故障が検出
できないため、その後速やかに今回のルーチンが終了さ
れる。
【0143】一方、上記ステップ226でパージ実行条
件が成立していると判別された場合は、次に、上記図2
に示すルーチン中で演算されるパージ率epgrが取り込ま
れる(ステップ228)。
【0144】次いで、吸気Oセンサ28の出力αがセ
ンサ出力の下限判定値Cより大きいか否かが判別される
(ステップ230)。
【0145】上記ステップ230において、出力αが下
限判定値Cより大きいと判別された場合は、パージ実行
中であるにも関わらず、サージタンク26内に燃料ベー
パが導かれていないと判断できる。このような状況は、
パージVSV18に閉故障が生じているか、或いは、パ
ージVSV18は正常であり、キャニスタ10が空であ
る場合に生じ得る。図16に示すルーチンでは、この場
合、次に、パージ率epgrに応じた閉故障判定値Eが求め
られる(ステップ232)。
【0146】図17は、本実施形態において、ECU3
2が各種判定値を求めるために記憶しているマップの一
例を示す。このマップには、パージ率epgrとの関係で定
められたパージVSV18の閉故障判定値Eが含まれて
いる。閉故障判定値Eは、パージVSV18に閉故障が
生じているか否かを判別するために、後述の如くA/F
ずれ量Hと比較される値である。
【0147】上記図2に示すルーチンによると、パージ
実行中は、燃料噴射量TAUに対して、パージエア率ep
grairに応じた増量補正が施される(ステップ110,
112参照)。ここで、パージエア率epgrairは、サー
ジタンク26に燃料ベーパが流入しない状況下ではパー
ジ率epgrと等しくなる値である(図3および図4、並び
に上記(1)式参照)。従って、上記図2に示すルーチ
ンによると、パージVSV18に閉故障が生じている場
合、燃料噴射量TAUには、パージ率epgrに応じた増量
補正が施されることになる。
【0148】上記の増量補正は、パージVSV18を流
通するパージエアの分だけ燃料を増量することで、空燃
比ずれを抑制するために行われる。しかし、パージVS
V18に閉故障が生じている場合は、パージエアが発生
しないため、このような増量補正が行われると、その増
量補正分だけ空燃比はリッチ側に偏る。その結果、A/
Fずれ量Hは、空燃比ずれが修正されるように、増量補
正分だけ、すなわち、パージ率epgrに応じた値だけ、基
準値(例えば0、或いは1.0)よりリッチ側に偏った
値(基準値より小さな値)となる。
【0149】本実施形態において、閉故障判定値Eは、
図17に示すように、パージ率epgrが大きくなるに連れ
てその値がリッチ側に変化するように定められている。
つまり、閉故障判定値Eは、パージVSV18に閉故障
が生じている際にA/Fずれ量Hが示す依存性と同様の
依存性をパージ率epgrに対して示すように定められてい
る。このため、本実施形態では、それらを比較すること
により、パージVSV18に閉故障が生じているか否か
を正確に判断することができる。
【0150】図16に示すルーチンでは、上記ステップ
232の処理に次いで、A/Fずれ量H(=FAFAV
+KG)が閉故障判定値Eより小さいか、すなわち、A
/Fずれ量Hが閉故障判定値Eを越えてリッチ側に変化
しているかが判別される(ステップ234)。
【0151】その結果、H(=FAFAV+KG)<E
が成立すると判別される場合は、パージ実行中にも関わ
らず、パージVSV18からエアがパージされていない
と判断することができる。この場合、パージVSV18
に閉故障が生じていると判断され、以下に示すフラグ処
理が行われる(ステップ236)。 閉異常フラグ:XVSVCD=1 仮正常復帰フラグ:XVSVHCP=0 正常判定フラグ:XVSVCP=0 尚、これらのフラグは、内燃機関29のイグニッション
スイッチがONされた後、初期化処理により全て0にリ
セットされている。
【0152】次に、パージVSV18を流通するエア分
に対応する燃料増量補正の実行が禁止される。具体的に
は、上記図2に示すルーチン中、ステップ112におけ
る燃料増量補正の実行が禁止される(ステップ23
8)。本ステップ238の処理により、パージエア分に
対する燃料増量補正が禁止されると、以後、パージVS
V18の閉故障に起因する空燃比ずれを十分に小さく抑
制することができる。
【0153】図16に示すルーチン中、上記ステップ2
30において、吸気Oセンサ28の出力αが下限判定
値Cより大きくないと判別された場合は、サージタンク
26内に燃料ベーパが導かれていると判断することがで
きる。また、上記ステップ234でH(=FAFAV+
KG)<Eが成立しないと判別された場合は、空燃比に
不当なずれは生じていない、すなわち、吸気通路16に
燃料の増量補正分に対応するパージエアが適正に導かれ
ていると判断することができる。この判別は、例えば、
キャニスタ10が空の状態でパージが実行されている場
合に行われる。
【0154】これらの判断がなされる場合は、何れも、
パージVSV18に閉故障が生じていないことが推定で
きる。これらの場合、次に、閉弁正常判定値Fが求めら
れる(ステップ240)。
【0155】図17に示すマップには、上述した閉故障
判定値Eとの対比において閉弁正常判定値Fが示されて
いる。閉弁正常判定値Fは、パージVSV18が正常に
動作しているか否かを判別するために、後述の如くA/
Fずれ量Hと比較される値である。パージVSV18が
正常に動作している場合、A/Fずれ量Hは、その基準
値の付近に制御されるはずである。閉弁正常判定値F
は、そのような状況下でA/Fずれ量Hが取ることのあ
る下限の値である。従って、A/Fずれ量Hが閉弁正常
判定値Fより大きい場合は、パージVSV18が正常に
開弁していることが推定できる。
【0156】図16に示すルーチンでは、上記ステップ
240の処理に次いで、A/Fずれ量H(=FAFAV
+KG)が閉弁正常判定値Fより大きいか、すなわち、
A/Fずれ量Hが閉弁正常判定値Fを越えて基準値側に
変化しているかが判別される(ステップ242)。
【0157】その結果、H(=FAFAV+KG)>F
が成立しないと判別された場合は、誤判定を避けるた
め、閉故障に関する判断を行うことなく、すなわち、閉
故障に関する従前の判断を維持したまま、今回のルーチ
ンが終了される。一方、上記の条件が成立すると判別さ
れた場合は、パージVSV18が正常に動作していると
判断したうえで、パージエアに対応する燃料増量補正が
現在行われているか否かが判別される(ステップ24
4)。
【0158】その結果、燃料増量補正が実行されている
と判別された場合は、パージVSV18が正常に動作し
ていることが判定され、以下に示すフラグ処理が行われ
る(ステップ246)。 正常判定フラグ:XVSVCP=1
【0159】一方、上記ステップ244において燃料増
量補正が実行されていないと判別された場合は、次に、
燃料増量補正がない場合の閉弁正常判定値Gが求められ
る(ステップ248)。
【0160】図17に示すマップには、パージ率epgrと
閉弁正常判定値Gとの関係が示されている。この関係が
示すように、閉弁正常判定値Gは、パージ率epgrが大き
くなるに連れてその値がリーン側(より大きな値)に変
化するように定められている。上記ステップ248で
は、このマップを参照して、現在のパージ率epgrに応じ
た閉弁正常判定値Gが求められる。
【0161】閉弁正常判定値Gは、パージVSV18が
正常に開弁しているか否かを判別するために、後述の如
くA/Fずれ量Hと比較される値である。A/Fずれ量
Hは、パージVSV18が正常に動作する一方でパージ
エアに対応する燃料増量が行われないとすれば、その値
を、パージ率epgrに応じた量だけリーン側(より大きな
値)に変化させる補正係数である。
【0162】このように、本実施形態では、燃料増量補
正が禁止され、かつ、パージVSV18が正常に動作す
る状況下でA/Fずれ量Hがパージ率epgrに対して示す
依存性と、閉弁正常判定値Gがパージ率epgrに対して示
す依存性とが同じになるように、閉弁正常判定値Gが定
められている。このため、本実施形態では、それらを比
較することにより、パージVSV18が正常に動作して
いるか否かを正確に判断することができる。
【0163】図16に示すルーチンでは、上記ステップ
248の処理に次いで、A/Fずれ量H(=FAFAV
+KG)が閉弁正常判定値Gより大きいか、すなわち、
A/Fずれ量Hが閉弁正常判定値Gを越えてリーン側に
変化しているかが判別される(ステップ250)。
【0164】その結果、H(=FAFAV+KG)>G
が成立しないと判別された場合は、誤判定を避けるた
め、閉故障に関する判断を行うことなく、すなわち、閉
故障に関する従前の判断を維持したまま、今回のルーチ
ンが終了される。一方、上記の条件が成立すると判別さ
れた場合は、パージVSV18が正常に動作していると
判定され、以下に示すフラグ処理が行われる(ステップ
252)。 閉異常フラグ:XVSVCD=0 仮正常復帰フラグ:XVSVHCP=1 正常判定フラグ:XVSVCP=1
【0165】次に、パージVSV18を流通するエア分
に対応する燃料増量補正の実行が復帰される。具体的に
は、上記図2に示すルーチン中、ステップ112におけ
る燃料増量補正の実行が許可される(ステップ25
4)。本ステップ254の処理により、パージエア分に
対する燃料増量補正が復帰されると、以後、パージ実行
中における空燃比ずれが十分に小さく抑制される。
【0166】上述の如く、本実施形態の蒸発燃料処理装
置によれば、吸気Oセンサ28の出力αとA/Fずれ
量Hとに基づいて、パージVSV18の閉故障を精度良
く検知することができる。より具体的には、パージVS
V18の閉故障に関する状態を、精度よく3つの状態に
区別して検出することができる。尚、図18は、図16
に示すルーチンにより区別することのできる3つの状態
と、それぞれの状態に対応するフラグ値の組み合わせを
まとめたものである。
【0167】更に、本実施形態の蒸発燃料処理装置によ
れば、パージVSV18の閉故障に関する上記の状態に
基づいて、閉故障が生じていない場合にのみ燃料増量補
正が行われるように、その補正の可否を切り替えること
ができる。このため、本実施形態の蒸発燃料処理装置に
よれば、パージVSV18の閉故障に起因する空燃比ず
れを十分に小さく抑制することができる。
【0168】尚、上述した実施の形態4においては、吸
気Oセンサ28が前記請求項11記載の「吸気ベーパ
濃度センサ」に、エアフロメータ22が前記請求項11
記載の「吸入空気量検出手段」に、A/Fずれ量Hが前
記請求項11記載の「空燃比補正係数」に、それぞれ相
当していると共に、ECU32が、上記ステップ100
の処理を実行することにより前記請求項11記載の「ベ
ース噴射量演算手段」が、上記ステップ106〜110
の処理を実行することにより前記請求項11記載の「パ
ージエア量演算手段」が、上記ステップ112の処理を
実行することにより前記請求項11記載の「燃料噴射量
演算手段」が、排気Oセンサ31の出力に基づいてF
AFAVおよびKGを演算し、更に、それらを加算して
A/Fずれ量Hを求めることにより前記請求項11記載
の「補正係数演算手段」が、上記ステップ232および
234の処理を実行することにより前記請求項11記載
の「故障判定手段」が、それぞれ実現されている。
【0169】また、上述した実施の形態4では、ECU
32が、上記ステップ238の処理を実行することによ
り前記請求項12記載の「増量補正禁止手段」が実現さ
れていると共に、上記ステップ254の処理を実行する
ことにより前記請求項13記載の「増量補正復帰手段」
が実現されている。
【0170】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。請求項1
記載の発明によれば、パージカット中であるにも関わら
ず、吸気濃度センサが不当に高いベーパ濃度を検出する
場合に、パージ制御バルブの開故障を検知することがで
きる。
【0171】請求項2記載の発明によれば、吸気通路内
を空気のみが流通すると予想されるパージカット時に、
吸気ベーパ濃度センサの出力を補正するためのセンサ出
力補正係数を学習することができる。そして、パージ制
御バルブの開故障が認められる場合は、パージカット中
でも吸気通路内にベーパが流れる可能性があるため、セ
ンサ出力補正係数の学習を禁止して、その値が誤学習さ
れるのを防止することができる。
【0172】請求項3記載の発明によれば、パージ制御
中は、吸入空気量に基づいて演算されるベース噴射量
を、パージガス流量と、吸気通路内のベーパ濃度とに基
づいて補正することで、パージの影響を考慮した燃料噴
射量を求めることができる。また、パージ制御バルブの
開故障が認められる場合は、センサ出力補正係数を初期
値に固定することができる。このため、本発明によれ
ば、パージ制御の実行中に、誤ったセンサ出力補正係数
に基づいて誤ったベーパ濃度が求められるのを防止する
ことができる。
【0173】請求項4記載の発明によれば、パージ制御
バルブに開故障が生じた状態でパージカットが行われた
場合に、初期値に固定されたセンサ出力補正係数と、吸
気ベーパ濃度センサの出力とに基づいて求められたベー
パ濃度に基づいて、ベース噴射量を補正することができ
る。このため、本発明によれば、パージ制御バルブの開
故障が生じていても、パージカット中に大きな空燃比ず
れが生ずるのを防止することができる。
【0174】請求項5記載の発明によれば、パージカッ
ト時における吸気ベーパ濃度センサの出力が異常値から
正常値に復帰した場合に、内燃機関の始動後に、パージ
制御バルブが動作した可能性があるか否かが判別され
る。その結果、動作の可能性がない場合は、パージ制御
バルブの状態が何ら変化していないと判断できる。この
場合、吸気ベーパ濃度センサから出力された異常値はパ
ージ制御バルブの開故障の影響ではないと判断できる。
本発明によれば、このような状況、すなわち、吸気ベー
パ濃度センサから異常値は出力されたがパージ制御バル
ブは正常であると認められる状況を、パージ制御バルブ
の正常復帰として認識することができる。
【0175】請求項6記載の発明によれば、パージカッ
ト時における吸気ベーパ濃度センサの出力が異常値から
正常値に復帰した場合に、内燃機関の始動後に、パージ
制御バルブが動作した可能性があるか否かが判断され
る。パージ制御バルブが動作した可能性がある場合は、
出力が正常値に復帰した原因として、異物の脱落などに
より開故障が解消されたこと、或いはキャニスタが空に
なったことなどが考えられる。本発明によれば、このよ
うな状況、すなわち、少なくとも過去においてパージ制
御弁に開異常が生じていた可能性が認められ、かつ、現
時点では吸気ベーパ濃度センサの出力が正常である状況
を、仮正常復帰として認識することができる。
【0176】請求項7記載の発明によれば、排気酸素濃
度センサの出力に基づいて演算される空燃比補正係数
と、吸気ベーパ濃度センサの出力との間に相関が認めら
れるか否かに基づいて、吸気ベーパ濃度センサの出力異
常が、パージ制御バルブの異常に起因するものか否かを
判断することができる。このため、本発明によれば、パ
ージ制御バルブに生じた異常と、他の構成要素の生じた
異常と蒸発燃料処理装置に生じた異常とを区別して検知
することができる。
【0177】請求項8記載の発明によれば、パージカッ
ト中に、排気酸素濃度センサの出力に基づいて演算され
る空燃比補正係数が、リーンズレ判定値を越えてリーン
側に偏っているか否かを判別することができる。空燃比
補正係数は、パージ制御弁を通って空気が流通すること
によりリーン側に更新される。従って、本発明によれ
ば、上記の判別の結果から、パージ制御弁に開故障が生
じているか否かを判断することができる。
【0178】請求項9記載の発明によれば、リーンズレ
判定値を吸気管負圧の関数として決定することができ
る。開故障を起こしたパージ制御弁を流れる空気の量
は、吸気管負圧に応じて増減する。本発明によれば、そ
の増減に従ってリーンズレ判定値を変化させることがで
きるため、開故障の判定精度を高めることができる。
【0179】請求項10記載の発明によれば、リーンズ
レ判定値を内燃機関の回転数の関数として決定すること
ができる。開故障を起こしたパージ制御弁を流れる空気
の量は、内燃機関の回転数に応じて増減する。本発明に
よれば、その増減に従ってリーンズレ判定値を変化させ
ることができるため、開故障の判定精度を高めることが
できる。
【0180】請求項11記載の発明によれば、パージ制
御の実行中に、パージエア分だけ燃料噴射量が増量補正
される。パージ制御弁に閉故障が生じている場合は、パ
ージエアが流通せずに、燃料の増量補正だけが行われる
ため、空燃比補正係数がリッチ側に偏った値となる。本
発明によれば、パージ実行中における空燃比補正係数が
閉故障判定値を越えてリッチ側に偏っているか否かに基
づいて、パージ制御バルブの閉故障を精度良く検出する
ことができる。
【0181】請求項12記載の発明によれば、パージ制
御バルブの閉故障が認められる場合は、パージエア分に
対する燃料の増量補正を禁止することができる。このた
め、本発明によれば、パージ制御バルブの閉故障に伴っ
て大きな空燃比ズレが生ずるのを防止することができ
る。
【0182】請求項13記載の発明によれば、燃料の増
量補正が禁止された後、パージ制御バルブが正常な状態
に復帰したと推定される状況下で、燃料の増量補正を復
帰させることができる。このため、本発明によれば、パ
ージ制御バルブの閉故障が解消された後に、内燃機関に
供給される混合気を、精度良く所望の空燃比に制御する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の蒸発燃料処理装置の
構成を説明するための図である。
【図2】 図1に示すECUにおいて実行される燃料噴
射量演算ルーチンのフローチャートである。
【図3】 パージ率epgrおよびパージエア率epgrairの
概念を説明するための図である。
【図4】 図1に示すECUが補正係数kを求めるため
に記憶しているマップの一例である。
【図5】 吸気Oセンサの出力特性を説明するための
図である。
【図6】 吸気Oセンサの出力の基準中央値A、上限
判定値B、および下限判定値Cを示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態1において実行される開
故障判定ルーチンのフローチャートである。
【図8】 図1に示すECUに記憶されている吸気O
センサの出力に関するマップの1例である。
【図9】 図7に示す開故障判定ルーチンを実行するこ
とで区分される4つの状態と、それぞれの状態に対応す
るフラグ値の組み合わせをまとめた図である。
【図10】 本発明の実施の形態1において実行される
補正係数学習ルーチンのフローチャートである。
【図11】 図7に示すルーチンにより区分される4つ
の状態と、それらの状態に対応する各種フラグの状態
と、図10に示すルーチン中で個々の状態に対応して実
行される主な処理とを対比して表した図である。
【図12】 本発明の実施の形態2において実行される
開故障判定ルーチンのフローチャートである。
【図13】 排気Oセンサの出力と、空燃比補正係数
FAFと、その平均値であるFAFAVの変化例を示す
タイミングチャートである。
【図14】 本発明の実施の形態3において実行される
開故障判定ルーチンのフローチャートである。
【図15】 図14に示すルーチンの実行過程で参照さ
れるリーンずれベース判定値のマップの1例、およびリ
ーンずれ判定値補正係数kKのマップの1例である。
【図16】 本発明の実施の形態4において実行される
閉故障判定ルーチンのフローチャートである。
【図17】 図16に示すルーチンの実行過程で参照さ
れる閉故障判定値等に関するマップの1例である。
【図18】 図16に示す閉故障判定ルーチンを実行す
ることで区分される3つの状態と、それぞれの状態に対
応するフラグ値の組み合わせをまとめた図である。
【符号の説明】
10 キャニスタ 12 ベーパ通路 14 パージ通路 16 吸気通路 18 パージVSV 22 エアフロメータ 26 サージタンク 28 酸素濃度センサ(吸気Oセンサ) 29 内燃機関 31 酸素濃度センサ(排気Oセンサ) 32 ECU α 吸気Oセンサの出力 A 基準中央値 B 上限判定値 C 下限判定値 D 開故障判定値 E 閉故障判定値 F,G 閉弁正常判定値 H A/Fずれ量 K リーンずれ判定値 kK リーンずれ判定値補正係数 K(base) リーンずれベース判定値 XVSVOD 開異常フラグ XVSVHOP 仮正常復帰フラグ XVSVOP 正常復帰フラグ XVSVCD 閉異常フラグ XVSVHCP 仮正常復帰フラグ XVSVCP 正常判定フラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 364 F02D 45/00 364D 364K 364N Fターム(参考) 3G044 BA23 CA11 DA03 EA03 EA13 EA26 EA55 EA57 FA08 FA27 FA28 GA02 GA11 3G084 BA13 BA27 DA30 EA04 EA07 EA11 EB19 FA07 FA29 3G301 HA01 HA14 JB01 LB01 MA01 MA12 NB14 ND01 ND24 NE16 PA01Z PB09A PB09Z PD02Z PE01Z

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、 燃料ベーパを吸着するキャニスタと、 前記キャニスタと吸気通路との間に配置されるパージ制
    御バルブと、 前記吸気通路の、前記パージ制御バルブに通じる連通口
    より下流に配置される吸気ベーパ濃度センサと、 パージカット時における前記吸気ベーパ濃度センサの出
    力が開故障判定値を上回る場合に、前記パージ制御バル
    ブに開故障が生じたと判定する故障判定手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装
    置。
  2. 【請求項2】 パージカット時における前記吸気ベーパ
    濃度センサの出力に基づいて、当該吸気ベーパ濃度セン
    サの出力ばらつきを補正するためのセンサ出力補正係数
    を学習する学習手段と、 前記センサ出力補正係数と前記吸気ベーパ濃度センサの
    出力とを用いて、前記吸気通路を流れるガス中のベーパ
    濃度を求めるベーパ濃度検出手段と、 前記パージ制御バルブの開故障が認められる場合は、前
    記センサ出力補正係数の学習を禁止する学習禁止手段
    と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の蒸
    発燃料処理装置。
  3. 【請求項3】 前記吸気通路に流入する吸入空気量を検
    出する吸入空気量検出手段と、 前記吸入空気量に対して所望の空燃比を実現するための
    ベース噴射量を演算するベース噴射量演算手段と、 前記パージ制御バルブの駆動条件に基づいて、当該パー
    ジ制御バルブを通って前記吸気通路にパージされるパー
    ジガス流量を検出するパージガス流量検出手段と、 パージ実行中に、前記パージガス流量と前記ベーパ濃度
    とを含む複数のパラメータに基づいて前記ベース噴射量
    を補正することにより燃料噴射量を演算する第1の燃料
    噴射量演算手段と、 前記パージ制御バルブの開故障が認められる場合は、前
    記センサ出力補正係数を初期値に固定する補正係数固定
    手段と、 を備えることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の蒸
    発燃料処理装置。
  4. 【請求項4】 前記パージ制御バルブの開故障が認めら
    れる場合に、前記ベーパ濃度に基づいて前記ベース噴射
    量を補正することにより、パージカット中における燃料
    噴射量を演算する第2の燃料噴射量演算手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項3記載の内燃機関の蒸発燃料制御
    装置。
  5. 【請求項5】 パージカット時における前記吸気ベーパ
    濃度センサの出力が、前記開故障判定値を上回る値から
    上限判定値を下回る値に復帰した場合に、内燃機関が最
    後に始動された後に前記パージ制御バルブに開指令が発
    せられているか否かを判別する制御経験判別手段と、 前記制御経験判別手段によって、未だ前記パージ制御バ
    ルブには開指令が発せられていないと判別された場合
    に、前記パージ制御バルブが正常であると判別する正常
    復帰判別手段と、 を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項
    記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  6. 【請求項6】 前記制御経験判別手段によって、既に前
    記パージ制御バルブに開指令が発せられていると判別さ
    れた場合に、前記パージ制御バルブが形式的に正常であ
    ると判別する仮正常復帰判別手段を備えることを特徴と
    する請求項5記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  7. 【請求項7】 内燃機関の排気通路に配置される排気酸
    素濃度センサと、 内燃機関に供給される混合気を理論空燃比に近づけるた
    めに用いるべき空燃比補正係数を、前記排気酸素濃度セ
    ンサの出力に基づいて求める補正係数演算手段と、 前記吸気ベーパ濃度センサの出力と、前記空燃比補正係
    数との間に相関が認められるか否かを判断する相関判断
    手段とを備え、 前記故障判定手段は、パージカット時における前記吸気
    ベーパ濃度センサの出力が開故障判定値を上回り、か
    つ、前記相関が認められない場合に、前記パージ制御バ
    ルブの開故障に代えて、他の所定の構成要素の故障を判
    定する第2判定手段を含むことを特徴とする請求項1乃
    至6の何れか1項記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  8. 【請求項8】 内燃機関の排気通路に配置される排気酸
    素濃度センサと、 内燃機関に供給される混合気を理論空燃比に近づけるた
    めに用いるべき空燃比補正係数を、前記排気酸素濃度セ
    ンサの出力に基づいて求める補正係数演算手段と、 前記故障判定手段は、パージカット中に、前記空燃比補
    正係数が、リーンズレ判定値を越えてリーン側に偏って
    いる場合に、前記パージ制御バルブに開故障が生じたと
    判定する第3判定手段を含むことを特徴とする請求項1
    乃至7の何れか1項記載の内燃機関の蒸発燃料処理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記リーンズレ判定値は、前記吸気通路
    に生ずる吸気管圧力に基づいて決定されることを特徴と
    する請求項8記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  10. 【請求項10】 前記リーンズレ判定値は、内燃機関の
    回転数に基づいて決定されることを特徴とする請求項8
    または9記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  11. 【請求項11】 内燃機関の蒸発燃料処理装置であっ
    て、 燃料ベーパを吸着するキャニスタと、 前記キャニスタと吸気通路との間に配置されるパージ制
    御バルブと、 前記吸気通路の、前記パージ制御バルブに通じる連通口
    より下流に配置される吸気ベーパ濃度センサと、 前記吸気通路に流入する吸入空気量を検出する吸入空気
    量検出手段と、 前記吸入空気量に対して所望の空燃比を実現するための
    ベース噴射量を演算するベース噴射量演算手段と、 前記吸気ベーパ濃度センサの出力に基づいて、前記パー
    ジ制御バルブを通って前記吸気通路に流入するパージエ
    アを求めるパージエア量演算手段と、 パージ実行中に、前記パージエアに対応する量だけ前記
    ベース噴射量に増量補正を施す燃料噴射量演算手段と、 内燃機関の排気通路に配置される排気酸素濃度センサ
    と、 内燃機関に供給される混合気を理論空燃比に近づけるた
    めに用いるべき空燃比補正係数を、前記排気酸素濃度セ
    ンサの出力に基づいて求める補正係数演算手段と、 パージ実行中に、前記空燃比補正係数が、閉故障判定値
    を越えてリッチ側に偏っている場合に、前記パージ制御
    バルブに閉故障が生じたと判定する故障判定手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装
    置。
  12. 【請求項12】 前記パージ制御バルブの閉故障が認め
    られる場合は、前記パージエアに対応する増量補正を禁
    止する増量補正禁止手段を備えることを特徴とする請求
    項11記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  13. 【請求項13】 前記増量補正が禁止された後、パージ
    実行中における前記空燃比補正係数が、閉弁正常判定値
    を越えてリーン側に偏った場合に、前記増量補正の実行
    を復帰させる増量補正復帰手段を備えることを特徴とす
    る請求項12記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
JP2001153647A 2001-05-23 2001-05-23 内燃機関の蒸発燃料処理装置 Pending JP2002349363A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001153647A JP2002349363A (ja) 2001-05-23 2001-05-23 内燃機関の蒸発燃料処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001153647A JP2002349363A (ja) 2001-05-23 2001-05-23 内燃機関の蒸発燃料処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002349363A true JP2002349363A (ja) 2002-12-04

Family

ID=18998135

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001153647A Pending JP2002349363A (ja) 2001-05-23 2001-05-23 内燃機関の蒸発燃料処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002349363A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005302563A (ja) * 2004-04-13 2005-10-27 Toyota Motor Corp 燃料電池の制御装置
JP2007113553A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料消費量検知装置
JP2009002256A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比制御装置
JP2009275676A (ja) * 2008-05-19 2009-11-26 Toyota Motor Corp 内燃機関装置及びこれを搭載する車両並びに内燃機関装置の制御方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005302563A (ja) * 2004-04-13 2005-10-27 Toyota Motor Corp 燃料電池の制御装置
JP4561155B2 (ja) * 2004-04-13 2010-10-13 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の制御装置
JP2007113553A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料消費量検知装置
JP4692213B2 (ja) * 2005-10-24 2011-06-01 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃料消費量検知装置
JP2009002256A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比制御装置
JP2009275676A (ja) * 2008-05-19 2009-11-26 Toyota Motor Corp 内燃機関装置及びこれを搭載する車両並びに内燃機関装置の制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7383826B2 (en) Fuel vapor treatment apparatus, system having the same, method for operating the same
JP3269751B2 (ja) 内燃機関制御装置
US20080092858A1 (en) Fuel vapor treatment system
JP4161819B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
CN111156099B (zh) 内燃机系统
JP2005002921A (ja) 蒸発燃料処理システム
JPH08246926A (ja) 燃料供給系の故障診断装置
JP2002349363A (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JP2007218148A (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JPH07317611A (ja) エバポシステムの診断装置
JP2745991B2 (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
JP4968213B2 (ja) フレックス燃料機関の制御装置
JP3481681B2 (ja) 燃料蒸発ガス処理装置の故障診断装置
JP2001329894A (ja) 内燃機関の燃料系異常診断装置
JP4090952B2 (ja) 内燃機関における故障診断機能を有する燃料ガスパージシステム
JP2007009849A (ja) 車両の給油検出装置
JP3620210B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JPH06235355A (ja) 内燃機関の蒸発燃料蒸散防止装置の故障診断装置
JP4403889B2 (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JP3800717B2 (ja) 蒸発燃料供給系の故障診断装置
JP3331660B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2008157036A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4032705B2 (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JPS63189665A (ja) エンジンの蒸発燃料処理装置
JPH11229932A (ja) 燃料供給装置の故障検出装置