JP2002348430A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2002348430A
JP2002348430A JP2001155280A JP2001155280A JP2002348430A JP 2002348430 A JP2002348430 A JP 2002348430A JP 2001155280 A JP2001155280 A JP 2001155280A JP 2001155280 A JP2001155280 A JP 2001155280A JP 2002348430 A JP2002348430 A JP 2002348430A
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Tetsuji Noda
鉄二 野田
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Toyo Styrene Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、外観特性に優れ、かつリサイクル特
性を有する熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】ゴム変性スチレン系樹脂(A)と特定の粒
子径を有するハロゲン含有化合物(B)の難燃剤、アン
チモン化合物(C)の難燃助剤を必須成分とすることを
特徴とするスチレン系難燃樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度な難燃性を有
し、衝撃強度に優れ、特に光沢むら不良のない外観性良
好なスチレン系難燃樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂はその特性を生かし広範
囲な用途に使用されている。中でも高度な難燃性を付与
させた難燃性樹脂はワープロ、パーソナルコンピュー
タ、プリンター、複写機等のOA機器、TV、VTR、
オーディオ等の家電製品等を初めとする多岐の分野で使
用されている。
【0003】昨今、OA機器・家電製品などの分野で
は、エコロジーブーム及び家電リサイクル法等の観点か
ら、熱安定性に優れた難燃樹脂組成物や成型品の塗装レ
ス化が要求されている。
【0004】従来から熱安定性の優れた難燃剤として、
エチレンビステトラブロモフタルイミド(特開平11−
217482)、ハロゲン化ジフェニルアルカン(特開
平2−42031号公報)、ハロゲン化ジフェニルアル
カンと他の難燃剤、例えば臭素化ビスフェノールAとの
併用(特開平6−172607号公報)、臭素化ビスフ
ェノールA類エポキシ樹脂との併用(特開平6−732
68号公報)等が知られている。
【0005】しかし、これらの難燃剤をスチレン系樹脂
と配合した場合、高度な難燃性と熱安定性については満
足出来るものを得る事は可能であるが、外観性(表面光
沢や艶)を著しく低下させるために塗装レス化が困難で
あり、さらに成形品の衝撃強度が低下する等の問題があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な現
状を鑑み、上記の問題点を解決し、高度な難燃性と共に
衝撃強度、外観性等に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、特定の粒子
直径のハロゲン化ジフェニルアルカンと、アンチモン化
合物、高級脂肪酸化合物、低分子量ポリエチレン、及び
着色剤を組み合わせる等により、高度な難燃性と共に衝
撃強度と外観性のバランスに優れたスチレン系難燃樹脂
組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
【0008】即ち、本発明は、ゴム変性スチレン系樹脂
(A)、下記の一般式(I)で表されるハロゲン化ジフ
ェニルアルカン(B)からなるスチレン系難燃樹脂組成
物および成形体であって、しかもハロゲン化ジフェニル
アルカン粒子の50%体積平均粒子径:dが、1μm≦
d≦4μmの範囲であること、さらに直径8μm以上の
ハロゲン化ジフェニルアルカン粒子が、ハロゲン化ジフ
ェニルアルカン粒子全体に対して4重量%以下であるこ
とを特徴とするスチレン系難燃樹脂組成物および成形体
である。
【0009】 「式I中、Xは臭素原子及び/または塩素原子を示し、
j及びkは0〜5の整数で、j+k≧2、RはC
2n(nは1〜10の整数)の構造を示す」
【0010】本発明の樹脂組成物および成形体は主に、
ゴム変性スチレン系樹脂(A)100重量部、特定の粒
子直径のハロゲン化ジフェニルアルカン(B)4〜20
重量部、アンチモン化合物(C)1〜8重量部からな
り、好ましくは、さらに高級脂肪酸化合物(D)0.1
〜3重量部、低分子量ポリエチレン(E)0.1〜3重
量部、及び着色剤(F)を0.2〜9重量部となる割合
で含有する樹脂組成物および成形体からなる。
【0011】上記(A)は成形用樹脂組成物の主成分を
なし、成形品の強度保持の役割を担い、(B)乃至
(C)は(A)に高度な難燃性を付与する成分である。
(D)は難燃剤(B)、アンチモン化合物(C)の分散
性を高め、更に、(E)は成形時の離形性を付与するた
めの成分である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明で使用するゴム変性スチレン系樹脂
(A)とは、例えばスチレン系重合体のマトリックス中
にゴム状重合体が粒子状に分散してなる樹脂を言う。マ
トリックス部分の分子量については特に制限ないが、還
元粘度(ηsp/C)で0.50以上、好ましくは0.55
〜0.85が適当である。0.85を超えると、組成物
の流動性が低くすぎて成形に支障をきたし、0.55未
満だと実用的に十分な強度が発揮できない等の問題があ
る。ゴム含有量については特に制限ないが、ゴム変性ス
チレン系樹脂に一般的に使用される5〜15重量%が適
当である。ゴム含有量は、成形品に必要な耐衝撃強度と
剛性のバランス等を勘案して決めることが望ましい。ゴ
ム状重合体の体積平均粒子径については特に制限ない
が、一般的には0.4〜3.5μmであり、好ましくは
0.5〜2.5μmが適当、更に好ましくは0.5〜
1.0μmが好適である。ゴム粒子径が小さ過ぎると耐
衝撃強度が急激に低下し、粒子径が大きくなると成形品
の表面光沢等の外観が悪くなる傾向がある。
【0014】上記のスチレン系重合体としては、スチレ
ン、O−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等のスチレン
系単量体の重合体または共重合、及び、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリロニトリル等のビニル単量体と上記スチレン系単
量体との共重合を挙げることが出来るが、スチレンの重
合体が最も好適である。
【0015】上記のゴム状重合体としては、ポリブタジ
エン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン
等が挙げられ、中でもポリブタジエン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体が好ましい。
【0016】本発明で使用するハロゲン化ジフェニルア
ルカン(B)とはジフェニルアルカン類、例えばジフェ
ニルメタン、1,2−ジフェニルエタン、1−メチル−
1,2−ジフェニルエタン、1,4−ジフェニルブタ
ン、1,6−ジフェニルヘキサン等を、1つのフェニル
基についた水素原子1個以上のハロゲン、好ましくは4
〜5個の臭素で核置換したものが挙げられ、中でもデカ
ブロモジフェニルエタンがリサイクル特性に優れ好まし
い。
【0017】また、本発明で使用するハロゲン化ジフェ
ニルアルカン(B)は、ハロゲン化ジフェニルアルカン
粒子の50%体積平均粒子径:dが、1μm≦d≦4μ
mの範囲であることが必要であり、好ましくは1μm≦
d≦3.5μm、さらに好ましくは1.5μm≦d≦
3.5μmの範囲である。50%体積平均粒子径:dが
4μmを越えると衝撃強度の低下が著しく、また成型品
の外観性が低下し、さらに難燃性が低下する。難燃性が
低下する理由は定かでないが、難燃剤粒子の表面積が減
少する為と考えられる。50%体積平均粒子径:dが1
μmより小さいと、2次凝集を起こしやすくなり、ゴム
変性スチレン系樹脂への分散性が急激に低下するため、
分散不良が生じて外観性が低下する。
【0018】また、本発明で使用するハロゲン化ジフェ
ニルアルカン(B)は、粒子直径が8μm以上のハロゲ
ン化ジフェニルアルカン粒子がハロゲン化ジフェニルア
ルカン粒子全体に対して4重量%以下であることが好ま
しく、より好ましくは8μm以上のハロゲン化ジフェニ
ルアルカン粒子が2重量%以下、さらに好ましくは5μ
m以上のハロゲン化ジフェニルアルカン粒子が10重量
%以下であることが好ましい。8μm以上の粒子が4重
量%より多いと、成型品の光沢むらが発生し外観性が低
下する。
【0019】ハロゲン化ジフェニルアルカン(B)の添
加量としてはゴム変性ビニル芳香族樹脂100重量部に
対して4〜20重量部、好ましくは5〜16重量部が好
適であり、20重量部より多いと衝撃強度やフローの低
下、及び外観性を著しく低下させる。3重量部より少な
いと難燃性が不十分である。
【0020】本発明で使用するハロゲン化ジフェニルア
ルカン(B)の粒度を調節する方法としては特に制限は
なく、ハロゲン化ジフェニルアルカンの製造時に適当な
方法で粒度調整し、得られた製品をそのまま用いてもか
まわないし、公知の粉砕方法、例えば凍結粉砕やボール
ミル等で粉砕したり、篩い分けて粒度を調整する事もで
きる。
【0021】本発明で使用するアンチモン化合物(C)
とは、難燃剤(B)の難燃効果を更に高める働きをする
ものであり、例えば酸化アンチモンとして三酸化アンチ
モン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモ
ン酸ソーダ等、ホウ素系化合物としてホウ酸亜鉛、メタ
ホウ酸バリウム、無水ホウ酸亜鉛、無水ホウ酸等、スズ
系化合物としてスズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛等、
モリブデン系化合物として酸化モリブデン、モリブデン
酸アンモニウム等、ジルコニウム系化合物として酸化ジ
ルコニウム、水酸化ジルコニウム等。また亜鉛系化合物
として硫化亜鉛等が挙げられるが、なかでも三酸化アン
チモンを使用することが特に好ましい。
【0022】アンチモン化合物(C)の添加量として
は、ゴム変性ビニル芳香族樹脂(A)100重量部に対
して0.5〜8重量部が好適であり、好ましくは1〜6
重量部、より好ましくは1.5〜5.5重量部である。
10重量部より多いと燃焼時のグローイング挙動を高め
るので好ましくなく、0.5重量部より少ないと難燃助
剤としての効果が期待できない。
【0023】本発明で使用する高級脂肪酸化合物(D)
とは、難燃剤(B)、アンチモン化合物(C)をゴム変
性ビニル芳香族樹脂(A)への分散性を高める働きをす
るものであり、例えばフェニルステアリン酸アミド、メ
チロールステアリン酸アミド、メチロールベヘニン酸ア
ミド等の飽和脂肪酸のモノアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタ
ノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、及びヤ
シ油脂肪酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノー
ルアミド等のN,N‘−2置換モノアミド等であり、更
にメチレンビス(12−ヒドロキシフェニル)ステアリ
ン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサ
メチレンビス(12−ヒドロキシフェニル)ステアリン
酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド、及びステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸ナトリウム等のステアリン酸金属塩
等が挙げられるが、なかでもステアリン酸、ステアリン
酸亜鉛、エチレンビスステアリン酸アミドを使用するこ
とが特に好ましい。
【0024】高級脂肪酸化合物(D)の添加量として
は、ゴム変性ビニル芳香族樹脂(A)100重量部に対
して0.1〜3重量部が好適であり、好ましくは0.3
〜2重量部、より好ましくは0.3〜1重量部である。
3重量部を超えると耐熱性のを低下が著しく、0.3重
量部より少ないと分散性を高める効果が期待できない。
本発明で使用する高級脂肪酸化合物は、とくに難燃剤
(B)の50%体積平均粒子径が1〜2μmの場合に使
用することが効果的である。
【0025】本発明で使用する低分子量ポリエチレン
(E)とは、直鎖状乃至分岐状であってスチレン系樹脂
組成物の離形成を改良する働きをするものであり、その
分子量が1,000〜20,000程度のものを言い、
特にその分岐が少なくて密度が0.90〜0.97であ
って分子量5,000〜10,000のものが好適であ
り、分子量が1,000よりも小さいと耐熱性の低下や
ブリードアウトの傾向がある。また分子量が20,00
0より大きくなると衝撃強度を低下させる。
【0026】低分子量ポリエチレン(E)の添加量とし
ては、ゴム変性ビニル芳香族樹脂(A)100重量部に
対して0.1〜2重量部以下、好ましくは0.5〜0.
8重量部が好適であり、2重量部を超えるとブリードア
ウト、及び耐熱性、衝撃強度を低下させ、リサイクル特
性を低下させる。
【0027】本発明で使用する着色剤(F)は、公知の
ものを必要に応じて任意に使用できる。例えばカーボン
ブラック等の有機系顔料、酸化チタン、ベンガラ等の無
機系顔料の他、有機系染料などがある。顔料には樹脂と
の親和性を改善するために界面活性剤、滑剤などによる
表面処理を施すことも出来る。着色剤の添加量について
は使用する着色剤の種類や所望の色あいによって一概に
規定できないが、一般に0.2重量部より少ないと透過
光の隠蔽が不十分であり、10重量部を超えると衝撃強
度が損なわれるうえに経済的にも不利である。より好ま
しくは0.3重量部〜7重量部である。
【0028】本発明における必須要件では無いが、難燃
性の試験である垂直燃焼試験において滴下を抑制する必
要が有る場合は、一般に公知の方法であるPTFE粉末
を添加する方法が有効である。滴下防止剤としてPTF
E粉末を添加する場合の添加量は、一般に0.02〜
0.5%程度であり、0.03〜0.3%が適当であ
る。
【0029】本発明の難燃性樹脂組成物の混合方法は、
公知の混合技術を適用することが出来る。例えばミキサ
ー型混合機、V型他ブレンダー、及びタンブラー型混合
機等の混合装置であらかじめ混合しておいた混合物を、
更に溶融混練することで均一な難燃性樹脂組成物とする
ことが出来る。溶融混練にも特に制限はなく公知の溶融
技術を適用出来る。好適な溶融混練装置として、バンバ
リー型ミキサー、ニーダー、ロール、単軸押出機、特殊
単軸押出機、及び二軸押出機等がある。更に押出機等の
溶融混練装置の途中から難燃剤等の添加剤を別途に添加
する方法がある。
【0030】また、本発明の難燃樹脂組成物には、本発
明の目的を損なわない範囲で他の添加剤、例えば可塑
剤、滑剤、安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、補強剤、滴
下防止剤等を添加することができる。
【0031】
【実施例】以下に例を挙げて具体的に本発明を説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、例に示される「部」とあるものは重量部の略であり、
特に指定の無い場合、「%」は重量%の略である。なお、
実施例、及び比較例における難燃性樹脂組成物の諸性質
は、以下の方法にて測定評価した。
【0032】難燃剤の粒度分布及び50%体積平均粒子
径:HORIBA製レーザー散乱粒子径測定装置LA−
910を使用して測定した。
【0033】難燃性:米国アンダーライターズ・ラボラ
トリーズ社のサブジェクト94号(UL−94)の垂直
燃焼試験方法に準拠し、試験片厚さ1/16インチの燃
焼性を判定した。
【0034】ビカット軟化温度:JIS K−6871
に準拠し、昇温速度50℃/Hr、49N荷重で測定し
た。
【0035】アイゾット衝撃強度:JIS K−711
0に準拠し、幅1/4インチのVノッチ付き試験片を使
用し23℃で測定した。
【0036】光沢値:射出成形により、2mmの平板を
成形し、JIS K−8741に準拠し、60度鏡面光
沢度を測定した。
【0037】光沢むら:光沢値測定に用いた平板の、ゲ
ート近傍の光沢むらの有無を目視で判定した。
【0038】実施例および比較例で使用したゴム変性ビ
ニル芳香族樹脂(A)は、耐衝撃性ポリスチレン樹脂であ
り、還元粘度0.78dl/g、ポリブタジエン含有量
13.6重量%、ゴム状重合体のゲル含有量27.6重
量%、及び50%体積平均粒子径0.63μmであっ
た。ここで言う還元粘度、ゲル分、ゴム状重合体含有量
及び体積平均粒子径は以下の方法にて測定した。
【0039】還元粘度(ηsp/C)の測定:ゴム変性ス
チレン系樹脂1gにメチルエチルケトン(MEK)15
mlとアセトン15mlの混合溶媒を加え、25℃で2
時間振とう溶解した後、遠心分離で不溶分を沈降させ、
デカンテーションにより上澄み液を取り出し、500m
lのメタノールを加えて樹脂分を析出させ、これを乾燥
する。同操作で得られた樹脂分をトルエンに溶解してポ
リマー濃度0.4%(重量/体積)の試料溶液を作成す
る。この試料溶液、及び純トルエンを30℃に恒温しキ
ャノン−フェンスケ型粘度計により溶液流下秒数を測定
して、下式にて算出した。 ηsp/C=(t1/t0−1)/C t0:純トルエン流下秒数 t1:試料溶液流下秒数 C :ポリマー濃度
【0040】ゲル分の測定:ゴム変性スチレン系樹脂を
MEKに5%の割合で加え、25℃で2時間振とう溶解
した後、遠心分離で不溶分(ゲル分)を沈降させ、デカ
ンテーションにより上澄み液を除去してゲルを得る。次
に、この膨潤ゲルを80℃で2時間予備乾燥した後、1
20℃の真空乾燥機で2時間乾燥する。デシケータで常
温まで冷却し精秤し下式にて算出した。 ゲル分率(%)=[(b−a)/S]×100 a:遠心沈降管重量 b:乾燥ゲル+遠心沈降管重量 S:試料樹脂重量
【0041】ゴム状重合体含有量の測定:ゴム変性スチ
レン系樹脂をクロロホルムに溶解させ、一定量の一塩化
ヨウ素/四塩化炭素溶液を加え暗所に約1時間放置後、
ヨウ化カリウム溶液を加え、過剰の一塩化ヨウ素を0.
1Nチオ硫酸ナトリウム/エタノール水溶液で滴定し、
付加した一塩化ヨウ素量から算出した。
【0042】ゴム状重合体の50%体積平均粒子径の測
定:ゴム変性スチレン樹脂組成物をジメチルホルムアミ
ドに完全に溶解させ、レーザー回析方式粒度分布装置
(コールター製レーザー回析方式粒子アナライザーLS
−230型)にて測定した。
【0043】難燃剤のハロゲン化ジフェニルアルカン
(B)は、アルベマール社製のデカブロモジフェニルエ
タン(商品名:SAYTEX8010)(B1)、およ
びSAYTEX8010のボールミルによる粉砕物(B
2〜B6)を使用した。実施例及び比較例に使用したデ
カブロモジフェニルエタン、B1〜B6の50%体積平
均粒子径、及び粒度を表1に示す。
【0044】アンチモン化合物(C)は、日本精鉱社製
の50%体積平均粒子径0.8μmの三酸化アンチモン
(商品名:PATOX−M)を使用した。
【0045】高級脂肪酸系化合物(D)は、日本油脂社
製のエチレンビスステアリン酸アマイド(商品名:EB
P)、ステアリン酸亜鉛(商品名:ジンクステアレート
GP)、ステアリン酸(商品名:ステアリン酸さくら)
を使用した。
【0046】低分子量ポリエチレン(E)は、三井石油
化学社製のNL800を使用した。
【0047】着色剤(F)は、カーボンブラック、また
は表面処理を施した無機系の酸化チタン、を使用した。
【0048】滴下防止剤として三井デュポンフロロケミ
カル社製のPTFE粉末(商品名:MDF30J)を使
用した。
【0049】
【難燃性樹脂組成物の製造】本発明の難燃性樹脂組成物
の製造方法は、ゴム変性スチレン系樹脂(A)、難燃剤
(B)、アンチモン化合物(C)、高級脂肪酸化合物
(D)、低分子ポリエチレン(E)、着色剤(F)及びPTF
E、の各成分を表2、及び表3に示す配合比率にて、ミ
キサー型混合機で予備混合後、二軸押出機により下記の
条件にて溶融混練して、難燃性樹脂組成物を得た。得ら
れた樹脂組成物の難燃性、及び評価特性を表2、及び表
3に示す。
【0050】二軸押出機(神戸製鋼所製H−KTX30
XHT、スクリュー径Φ30mm、L/D=46.8)
の運転条件は下記の通り。 (1) シリンダー設定温度:180℃〜200℃ (2) スクリュー回転数:450rpm (3) 押出速度:40kg/h (4) 樹脂温度:255℃
【0051】表2から明らかなように、実施例1〜8の
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的とする高
度な難燃性を損なうこと無く耐衝撃性、外観性に優れた
性能を示している。これに対し、表3から明らかなよう
に、本発明の範囲外である比較例1〜8においては本発
明の実施例に認められる優れた性能に至らない。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、リサイクル特性を備え
外観性の良好な、しかも高度な難燃性を保持したスチレ
ン系難燃樹脂組成物を得ることが出来る。本発明による
難燃性樹脂組成物及び成型品は、昨今の家電製品、OA
機器等への高機能化分野で有用であり産業上の利用価値
は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 51/04 C08L 23:04 23:04) Fターム(参考) 4F071 AA12X AA15 AA22X AA77 AB18 AC03 AC09 AD02 AE09 AF47 AH12 AH16 BA01 BB03 BB05 BB06 BC03 BC04 4J002 BB032 BN141 DA039 DB007 DE097 DE119 DE127 DE139 DG027 DK007 EB126 EB136 EF058 EG018 EN137 EP018 FD099 FD136 FD137 GG00 GQ00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム変性スチレン系樹脂(A)、下記の一
    般式(I)で表されるハロゲン化ジフェニルアルカン
    (B)、三酸化アンチモン(C)を含有するスチレン系難
    燃樹脂組成物であって、しかもハロゲン化ジフェニルア
    ルカン粒子の50%体積平均粒子径:dが、1μm≦d
    ≦4μmの範囲であることを特徴とするスチレン系難燃
    樹脂組成物および成形体。 「式I中のXは臭素原子及び/または塩素原子を表し、
    j及びkは0〜5の整数で、j+k≧2、RはC
    2n(nは1〜10の整数)の構造を表す」
  2. 【請求項2】直径8μm以上のハロゲン化ジフェニルア
    ルカン粒子が、ハロゲン化ジフェニルアルカン粒子全体
    に対して4重量%以下である請求項1記載のスチレン系
    難燃樹脂組成物および成形体。
  3. 【請求項3】ゴム変性スチレン系樹脂(A)100重量
    部に対して、ハロゲン化ジフェニルアルカン(B)4〜
    20重量部、及びアンチモン化合物(C)を1〜8重量部
    となる割合で含有することを特徴とする請求項1、2記
    載の組成物および成形体。
  4. 【請求項4】ゴム変性スチレン系樹脂(A)100重量
    部に対して、高級脂肪酸化合物(D)を0.1〜3重量
    部となる割合で含有することを特徴とする請求項1〜3
    記載の組成物および成形体。
  5. 【請求項5】ゴム変性スチレン系樹脂(A)100重量
    部に対して、低分子量ポリエチレン(E)を0.1〜3
    重量部となる割合で含有することを特徴とする請求項1
    〜3記載の組成物および成形体。
  6. 【請求項6】ゴム変性スチレン系樹脂(A)100重量
    部に対して、着色剤(F)を0.2〜9重量部となる割
    合で含有することを特徴とする請求項1〜5記載の組成
    物および成形体。
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