JP2002348293A - シラノール基含有ケイ素化合物の水溶液 - Google Patents

シラノール基含有ケイ素化合物の水溶液

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JP2002348293A
JP2002348293A JP2001155972A JP2001155972A JP2002348293A JP 2002348293 A JP2002348293 A JP 2002348293A JP 2001155972 A JP2001155972 A JP 2001155972A JP 2001155972 A JP2001155972 A JP 2001155972A JP 2002348293 A JP2002348293 A JP 2002348293A
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silicon compound
aqueous solution
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JP2001155972A
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Yuichi Isoda
裕一 磯田
Tomoyuki Oba
智之 大場
Kouzaburou Matsumura
功三郎 松村
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アクリル基またはメタクリル基を有する加水分
解性シラン化合物は、完全加水分解によって安定な水溶
液とすることができない。しかしながら、使用時に発生
する揮発性有機成分が、有機溶剤中毒、引火、爆発等の
原因になるし、また大気中に揮散して環境に負荷を与え
ることを考慮すると、加水分解性シラン化合物を予め完
全に加水分解して、揮発性有機成分を除去することが必
要である。 【解決手段】式(2)の化合物を水またはアルコール水
溶液で加水分解し、これに式(3)の化合物を反応さ
せ、その後アルコールを溜出させることによって、式
(1)のシラノール基含有ケイ素化合物の水溶液とす
る。これらの式中RはHまたはメチル、YはO、Zは
NH−((CHNH)−(CH、R
アルキルまたは芳香族基、nは0または1、pは2〜
6、qは0〜2、rは1〜6、Xは式(4)の基、X
はグリシジルオキシ、Rはアルキルである。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリルまたはメ
タクリル官能性であって、水溶性のシランカップリング
剤に関する。そして更に、使用時に揮発性のアルコール
を発生させない該カップリング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】各種基材の表面処理剤(シランカップリ
ング剤など)として広く使用されている加水分解性シラ
ン化合物は、それらが有する加水分解性基を加水分解し
て使用される。一般に、加水分解性シラン化合物を加水
分解すると、珪素原子に結合している加水分解性基に相
当する揮発性有機成分が副生する。そして、この加水分
解反応液は揮発性有機成分を多量に含有するため、取り
扱い時に有機溶剤中毒、引火、爆発等の危険性があるば
かりでなく、大気中に揮散して環境に負荷を与える。従
って、この加水分解反応液を取り扱うためには、作業者
の健康を守り爆発等の災害を防ぐための教育を実施せね
ばならないし、取り扱うための特別な設備を必要とす
る。更にまた、廃水中にも揮発性有機成分が含まれるの
で、これを処理するために大がかりな廃水処理設備を必
要とする。そこで、加水分解性シラン化合物を予め水と
反応させて加水分解させ、副生する揮発性有機成分を除
去してシラノール含有水溶液とすることが考えられた。
例えば、特開2000−53683には、メタクリル基
含有アルコキシシランを理論加水分解量よりも少ない量
の水を用いて加水分解し、副生するアルコールを除去し
た縮合物についての記載がある。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】アクリル基またはメ
タクリル基(以下、これらを総称して「メタ(アクリ
ル)基」と称する。)を有する加水分解性シラン化合物
は、シランカップリング剤として汎用されている化合物
であるが、これらの化合物を完全に加水分解すると、高
粘度化したり固化してしまったりして、安定な水溶液を
得ることができない。前記の特開2000−53683
の縮合物が、完全に加水分解されたものではなく、加水
分解されてアルコールを生成するアルコキシ基が残され
た部分加水分解縮合物であるのも、この問題点を考慮し
たものであろうと推測される。しかしながら、使用に際
して揮発性有機成分が副生することを避けるためには、
これらの加水分解性シラン化合物を予め完全に加水分解
して、揮発性有機成分を除去することが必要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の従
来技術の問題点を解決するべく研究に専念した結果、次
の知見を得た。即ち、加水分解性シラン化合物を水とを
反応させて加水分解し、副生する揮発性有機成分を除去
すること無く、加水分解性シラン化合物中の官能基と反
応する基と(メタ)アクリル基とを有する化合物を反応
させた後に、揮発性有機成分を留去すれば、(メタ)ア
クリル基の重合による水溶液の高粘度化や固化を招くこ
となく、揮発性有機成分の含有割合を4重量%未満にす
ることができ、透明で保存安定性の良好な水溶液を得る
ことができることである。この方法によって、使用時に
揮発性有機成分を発生することがない、(メタ)アクリ
ル官能性のシランカップリング剤水溶液が初めて得られ
たのであり、本発明はこの知見に基づいて完成された。
即ち、本発明は以下の構成を有するものである。
【0005】(1)式(1)
【化6】 (式中、RはHまたはメチルであり、YはOまたはN
Hであり、ZはYがOのときNH−((CH
H)−(CH、YがNHのときO−Rであ
り、Rは炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキ
ル、または炭素数6〜10の芳香族基であり、nは0ま
たは1であり、pは2〜6の整数、qは0〜2の整数、
rは1〜6の整数であり、Rは炭素数3〜6の直鎖ま
たは分岐のアルキレンである。)で表されるケイ素化合
物を含み、シラノール基の分子間縮合による式(1)の
ケイ素化合物の縮合物を含んでもよい、シラノール基含
有ケイ素化合物の水溶液。 (2)式(1)において、YがOであることを特徴とす
る、前記(1)項に記載のシラノール基含有ケイ素化合
物の水溶液。 (3)式(2)で表される化合物を水または炭素数1〜
3のアルコールの水溶液を用いて加水分解し、これに式
(3)で表される化合物を反応させ、その後アルコール
成分を溜出させることによって得られることを特徴とす
る、前記(1)項に記載のシラノール基含有ケイ素化合
物の水溶液。
【化7】 (これらの式中、Xは下記の式(4)で表される基ま
たは式(5)で表される基であり、XはXが式
(4)で表される基のときグリシジルオキシ基、X
式(5)で表される基のときNHであり、Rは炭素
数1〜4の直鎖または分岐のアルキルであり、R、R
およびnは前記と同じ意味である。)
【化8】 (これらの式中のp、q、rおよびRは前記と同じ意
味である。) (4)式(2)におけるXが式(4)で表される基で
あることを特徴とする、前記(3)項に記載のシラノー
ル基含有ケイ素化合物の水溶液。 (5)揮発性有機成分含有率が4重量%未満であること
を特徴とする、前記(1)〜(4)項のいずれか1項に
記載のシラノール基含有ケイ素化合物の水溶液。 (6)シラノール基含有ケイ素化合物の含有率が60重
量%を超えないように調製されていることを特徴とす
る、前記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載のシラ
ノール基含有ケイ素化合物の水溶液。 (7)式(2)で表される化合物を、この化合物中のア
ルコキシ基に対するモル比で1.5〜10倍量の水およ
びこの水に対して重量比で0〜10倍量の炭素数1〜3
のアルコールを用いて加水分解し、これに式(2)で表
される化合物に対するモル比で0.1〜1.0倍量の式
(3)で表される化合物を加えて反応させ、その後アル
コール成分を溜出させることを特徴とする、前記(1)
項に記載のシラノール基含有ケイ素化合物水溶液の製造
方法。
【化9】 (これらの式中、Xは下記の式(4)で表される基ま
たは式(5)で表される基であり、Rは炭素数1〜8
の直鎖もしくは分岐のアルキル、または炭素数6〜10
の芳香族基であり、Rは炭素数1〜4の直鎖または分
岐のアルキルであり、nは0または1であり、RはH
またはメチルであり、XはXが式(4)で表される
基のときグリシジルオキシ基、Xが式(5)で表され
る基のときNHである。)
【化10】 (これらの式中、pは2〜6の整数、qは0〜2の整
数、rは1〜6の整数であり、Rは炭素数3〜6の直
鎖または分岐のアルキレンである。) (8)式(2)におけるXが式(4)で表される基で
あることを特徴とする、前記(7)項に記載のシラノー
ル基含有ケイ素化合物水溶液の製造方法。 (9)アルコール成分を溜出させるに際し継続的または
断続的に水を加えることを特徴とする、前記(7)また
は(8)項に記載のシラノール基含有ケイ素化合物水溶
液の製造方法。 (10)前記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の
シラノール基含有ケイ素化合物の水溶液を含有すること
を特徴とする表面処理剤。
【0006】
【発明実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本発
明は、前述のように式(1)
【化11】 で表されるケイ素化合物を含み、シラノール基の分子間
縮合による式(1)のケイ素化合物の縮合物を含んでも
よい、シラノール基含有ケイ素化合物の水溶液である。
この式中のRはHまたはメチルであり、YはOまたは
NHであり、ZはYがOのときNH−((CH
H)−(CH−YがNHのときO−Rであ
り、Rは炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキ
ル、または炭素数6〜10の芳香族基であり、nは0ま
たは1であり、pは2〜6の整数、qは0〜2の整数、
rは1〜6の整数であり、Rは炭素数3〜6の直鎖ま
たは分岐のアルキレンである。
【0007】そして、この式(1)で表されるシラノー
ル基含有ケイ素化合物は、式(2)で表される化合物を
水または炭素数1〜3のアルコールの水溶液を用いて加
水分解し、これに式(3)で表される化合物を反応さ
せ、その後アルコール成分を溜出させることによって得
られる。
【化12】 式(2)中のXは下記の式(4)で表される基または
式(5)で表される基である。
【0008】
【化13】 これらの式中のp、q、rおよびRは前記と同じ意味
であるが、式(4)で表される基の具体例の一部とし
て、3−アミノプロピル、N−アミノエチル−3−アミ
ノプロピル、N−アミノエチル−N−アミノエチル−3
−アミノプロピルなどを挙げることができ、また式
(5)で表される基の具体例の一部として、グリシドキ
シプロピル、グリシドキシブチル、グリシドキシヘキシ
ルなどを挙げることができる。そして、式(3)で表さ
れる化合物は、Xが式(4)で表される基のときグリ
シドキシ(メタ)アクリレートであり、Xが式(5)
で表される基のとき(メタ)アクリルアミドである。
【0009】式(2)で表される化合物の選択条件は、
(メタ)アクリル化合物とよく反応することの他、加水
分解されたとき、加水分解反応によって生成したアルコ
ール成分、および加水分解反応に際して必要に応じて水
と共に加えられたアルコールと共に、均一な水溶液とな
ることである。不均一な状態の加水分解反応液に(メ
タ)アクリル化合物を投入すると、(メタ)アクリル化
合物が油滴の方に溶けやすく、高濃度状態が維持される
結果、(メタ)アクリル基の重合反応が開始されてしま
い、粘度上昇を招いたりすることになる。従って、加水
分解反応後に均一な水溶液となることは重要な条件であ
り、この観点からは式(2)中のXとしては、どちら
かと言えば、式(4)で表される基が好ましく、式
(3)で表される化合物としてグリシドキシ(メタ)ア
クリレートが好ましい。そして、加水分解反応後の均一
溶液状態を確実にするために、加水分解反応に際してア
ルコール水溶液を用いてもよい。Xが式(5)で表さ
れる基である化合物を原料として用いる場合には、加水
分解反応に際してアルコール水溶液を用いることが推奨
される。
【0010】式(2)中のRの具体例としては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、フェニル、およ
びフェネチル等を挙げることができるが、メチル、エチ
ル、プロピルおよびイソプロピル等が好ましい。また、
式(2)中のRは、加水分解されてアルコール成分と
なる基である。具体例として、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチルおよびイソブチルを挙げるこ
とができるが、これらは蒸留によって除去されるべきア
ルコール成分になる基であるため、低沸点のアルコール
となるメチルおよびエチルが好ましい。
【0011】式(2)で表される化合物を加水分解する
際の水の使用量は、式(2)で表される化合物中のアル
コキシ基に対して、モル比で1.5〜10倍量である。
この水のモル比が1.5未満である場合には、反応が充
分に進行せずアルコキシ基が残る場合がある。また、こ
の水のモル比が10を越える場合には、アルコール成分
の除去に際してのエネルギー効率などが低下するだけ
で、この悪影響に見合うだけの効果が得られにくい。な
お、加水分解反応は、室温においても十分進行する反応
であるが、0〜100℃、好ましくは20〜80℃の範
囲内の温度を、加水分解反応温度として選択することが
できる。
【0012】式(2)で表される化合物を加水分解した
後、得られた生成物に対して反応させる式(3)で表さ
れる化合物の使用量は、式(2)で表される化合物に対
して、モル比で0.1〜1.0倍量である。このモル比
の値が0.1に満たないと、得られたシラノール基含有
ケイ素化合物水溶液が、(メタ)アクリル基を必要とす
る用途に対して充分な効果を発揮できない場合がある。
また、このモル比の値が1.0を超えると、未反応の式
(3)で表される化合物が反応液中に残り、これが(メ
タ)アクリル基の重合を開始させる原因となることがあ
る。式(3)で表される化合物を反応させる際には、
(メタ)アクリル基の重合が起きないように注意する必
要があるため、式(3)で表される化合物が未反応のま
ま滞留しないよう少しずつ加えなければならない。この
際の反応温度は、室温〜120℃であり、50〜100
℃が好ましい。なお、本発明においては、式(2)で表
される化合物を加水分解した後に、式(3)で表される
化合物を反応させることが重要であり、加水分解する前
に式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合
物とを反応させ、その後に水を加えて加水分解反応を行
うと、反応液が白濁し固化する危険性が高い。また、式
(2)で表される化合物を加水分解した後、先にアルコ
ール成分を除去して、その後に式(3)で表される化合
物を反応させようとする場合も固化する可能性がある。
【0013】前述の加水分解反応によって副生するアル
コール成分および加水分解反応に際して必要に応じて水
と共に加えられたアルコールは、減圧下での蒸留によっ
て除去することが望ましい。この際の蒸留条件は特に限
定されるものではないが、(メタ)アクリル基を有する
化合物の溶液であることを考慮すれば、高温下での蒸留
を避けるべきであることは自明であり、20〜120
℃、更には40〜100℃の温度範囲内で蒸留すること
が好ましい。そして、蒸留温度をこの温度範囲内にする
ために、圧力を100KPa〜100Paの範囲内にす
ることが好ましい。
【0014】前述のように本発明においては、式(2)
で表される化合物の加水分解反応液に式(3)で表され
る化合物を加えて反応させ、その後にアルコール成分を
溜去することによって、シラノール基含有ケイ素化合物
水溶液中のアルコール成分の割合を4重量%以下に低減
することができる。この割合が4重量%未満であれば、
アルコール成分の蒸気圧を元に計算すると、米国産業専
門家会議(ACGIH:American Conference of Gover
nmental Industrial Hygienists)が勧告している、常
温、常圧下で大気中へ放出される揮発性有機成分量の許
容濃度である1000ppm(0.1MPa、25℃)を
超えることがなく好ましい。この割合を、更に2重量%
以下にすることも可能である。
【0015】更に本発明においては、式(3)で表され
る化合物を加えて反応させた反応液からアルコール成分
を蒸留によって除去する際に、その反応液に水を加える
ことが好ましい。水の添加は蒸留中継続的に行ってもよ
いし、また蒸留を始める前に必要量を加えてもよい。加
える水の量は、基本的には溜去されるアルコール成分と
同量であるが、加水分解に際してアルコールを加えた場
合には、副生アルコール成分を加えた全アルコール成分
と同量の水を加える必要はない。アルコール成分の溜去
に際して水を加える目的は、反応液が濃縮され粘度があ
がって、蒸留効率が低下するのを防止することであるか
ら、この目的が達成できるように、加える水の量を調節
すればよい。
【0016】本発明のシラノール基含有ケイ素化合物水
溶液は、シラノール基含有ケイ素化合物の濃度が60重
量%以下であることが好ましい。この濃度が60重量%
を超えると、保存時に水溶液の粘度が非常に高くなって
流動性が低くなる傾向があり、品質を一定に保つことが
困難となる。従って、アルコール成分の溜去が終了した
後、水溶液の有効成分濃度を測定し、必要に応じて再濃
縮するかまたは水により希釈して所定の濃度に調整する
のが好ましい。
【0017】本発明の表面処理剤は、上記の説明による
水溶液を含有することを特徴とするものであり、その組
成や物性などに特別な限定はない。即ち本発明の表面処
理剤は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、シラ
ノール基含有ケイ素化合物に加えて、顔料、消泡剤、潤
滑剤、防腐剤、pH調節剤、フィルム形成剤、帯電防止
剤、抗菌剤、界面活性剤、および染料などから選択され
る他の添加剤の1種以上を含有するものであっても良
い。そして、本発明の表面処理剤に含まれるシラノール
基含有ケイ素化合物水溶液の割合は、この処理剤全量中
の0.1〜50重量%の範囲内であることが好ましい。
なお、本発明の表面処理剤の用途は、特に限定されるも
のではないが、具体的には、ガラス繊維の処理、タル
ク、マイカ等のフィラーの表面処理、鋳物用鋳型、レジ
ンコンクリート、樹脂の表面改質および水系塗料の添加
剤などを挙げることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により詳細に説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 内部温度測定器、攪拌装置、滴下ロート、および還流冷
却器を備えた容量500mlの4ツ口フラスコに、純水
135g(7.50モル)を仕込み、室温下に攪拌しな
がら、滴下ロートより3−アミノプロピルトリエトキシ
シラン221g(1.00モル)を1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、ガスクロマトグラフで3−アミノプロ
ピルトリエトキシシランの消失を確認して、加水分解反
応の終点とした。続いて反応器を80℃に加熱し、滴下
ロートよりメタクリル酸グリシジル142g(1.00
モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま
の温度で2時間攪拌を続け、ガスクロマトグラフでメタ
クリル酸グリシジルの消失を確認して、付加反応の終点
とした。その後反応器に単蒸留装置を取り付け、60℃
/8KPaの条件下で、純水500gを適宜添加しなが
ら蒸留し、蒸発成分368gを溜出させることにより、
副生エタノールを系外に除去した。得られた630gの
水溶液をガスクロマトグラフにより分析すると、エタノ
ール含有割合は0.1重量%以下であった。この水溶液
中の不揮発分含有割合を知るために、105℃に加熱し
たオーブン中に3時間放置後の重量を測定したところ、
加熱前の重量の40重量%であった。
【0019】実施例2 実施例1で使用したものと同じ容量500mlの4ツ口
フラスコに、純水135g(7.50モル)を仕込み、
室温下に攪拌しながら、滴下ロートより3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン221g(1.00モル)を1
時間かけて滴下した。滴下終了後、そのままの温度で2
時間攪拌を続け、ガスクロマトグラフで3−アミノプロ
ピルトリエトキシシランの消失を確認して、加水分解反
応の終点とした。続いて反応器を80℃に加熱し、滴下
ロートよりメタクリル酸グリシジル71g(0.5モ
ル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、そのままの
温度で2時間攪拌を続け、ガスクロマトグラフでメタク
リル酸グリシジルの消失を確認して、付加反応の終点と
した。その後反応器に単蒸留装置を取り付け、60℃/
8KPaの条件下で、純水500gを適宜添加しながら
蒸留し、蒸発成分368g溜出させることにより、副生
エタノールを系外に除去した。得られた559gの水溶
液をガスクロマトグラフにより分析すると、エタノール
含有割合は0.1重量%以下であった。この水溶液の1
05℃で3時間加熱後の不揮発分含有量は32重量%で
あった。
【0020】比較例1 実施例1で使用したものと同じ容量500mlの4ツ口
フラスコに、純水135g(7.50モル)、無水酢酸
40.5gを仕込み、室温下に攪拌しながら、滴下ロー
トより3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
248g(1.00モル)を1時間かけて滴下した。滴
下終了後、ガスクロマトグラフで3−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランの消失を確認して、加水分解
反応の終点とした。この加水分解反応液から揮発性有機
成分の蒸留による除去を開始したが、除去開始直後に白
濁、固化し目的とする生成物を得ることはできなかっ
た。
【0021】比較例2 実施例1で使用したものと同じ容量500mlの4ツ口
フラスコに、3−アミノプロピルトリエトキシシラン2
21g(1.00モル)を仕込み室温下に攪拌しなが
ら、滴下ロートよりメタクリル酸グリシジル142g
(1.00モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了
後、ガスクロマトグラフでメタクリル酸グリシジルの消
失を確認して、付加反応の終点とした。続いて、滴下ロ
ートより純水135g(7.50モル)を1時間かけて
滴下した。しかしながら、滴下の最中に白濁し、その後
固化した。
【0022】比較例3 実施例1で使用したものと同じ容量500mlの4ツ口
フラスコに、純水135g(7.50モル)を仕込み、
室温下に攪拌しながら、滴下ロートより3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン221g(1.00モル)を1
時間かけて滴下した。滴下終了後、ガスクロマトグラフ
で3−アミノプロピルトリエトキシシランの消失を確認
して、加水分解反応の終点とした。続いて反応器を80
℃に加熱し、滴下ロートよりメタクリル酸グリシジル2
13g(1.50モル)を1時間かけて滴下した。滴下
終了後直ちに白濁、ゲル化が進行し目的とする生成物を
得ることはできなかった。
【0023】比較例4 実施例1で使用したものと同じ容量300mlの4ツ口
フラスコに、純水27.0g(1.5モル)を仕込み、
室温下に攪拌しながら、滴下ロートより3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン44.2g(0.2モル)を1
時間かけて滴下した。滴下終了後、ガスクロマトグラフ
で3−アミノプロピルトリエトキシシランの消失を確認
して、加水分解反応の終点とした。続いて反応器を60
℃に加熱し、加水分解により生成した蒸発成分を減圧条
件下(8KPa)で純水100gを適宜添加しながら蒸
留し、蒸発成分127.6gを溜出させることにより副
生エタノールを系外に除去した。その後温度を60℃に
保ったまま、常圧条件下で滴下ロートよりメタクリル酸
グリシジル28.4g(0.2モル)を1時間かけて滴
下した。滴下途中から白濁が生じ、滴下終了後まもなく
固化し目的とする生成物を得ることはできなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明のシラノール基含有ケイ素化合物
水溶液は、安定性に優れ更に大気中へのアルコール成分
の放出を許容濃度以下に押さえることができる。また、
本発明の表面処理剤はアルコール成分の含有量が非常に
低いため、現在(メタ)アクリル官能シランカップリン
グ剤が使用されているガラス繊維の処理、タルク、マイ
カ等のフィラーの表面処理、鋳物用鋳型、レジンコンク
リート、樹脂の表面改質および水系塗料の添加剤などへ
の使用に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 功三郎 熊本県水俣市陣内二丁目6番8号 Fターム(参考) 4H049 VN01 VP01 VQ35 VQ37 VR21 VR22 VR42 VR43 VU21 VU22 VW02 4L033 AA09 AB01 AC11 AC12 AC15 BA96

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式中、RはHまたはメチルであり、YはOまたはN
    Hであり、ZはYがOのときNH−((CH
    H)−(CH、YがNHのときO−Rであ
    り、Rは炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキ
    ル、または炭素数6〜10の芳香族基であり、nは0ま
    たは1であり、pは2〜6の整数、qは0〜2の整数、
    rは1〜6の整数であり、Rは炭素数3〜6の直鎖ま
    たは分岐のアルキレンである。)で表されるケイ素化合
    物を含み、シラノール基の分子間縮合による式(1)の
    ケイ素化合物の縮合物を含んでもよい、シラノール基含
    有ケイ素化合物の水溶液。
  2. 【請求項2】式(1)において、YがOであることを特
    徴とする、請求項1に記載のシラノール基含有ケイ素化
    合物の水溶液。
  3. 【請求項3】式(2)で表される化合物を水または炭素
    数1〜3のアルコールの水溶液を用いて加水分解し、こ
    れに式(3)で表される化合物を反応させ、その後アル
    コール成分を溜出させることによって得られることを特
    徴とする、請求項1に記載のシラノール基含有ケイ素化
    合物の水溶液。 【化2】 (これらの式中、Xは下記の式(4)で表される基ま
    たは式(5)で表される基であり、XはXが式
    (4)で表される基のときグリシジルオキシ基、X
    式(5)で表される基のときNHであり、Rは炭素
    数1〜4の直鎖または分岐のアルキルであり、R、R
    およびnは前記と同じ意味である。) 【化3】 (これらの式中のp、q、rおよびRは前記と同じ意
    味である。)
  4. 【請求項4】式(2)におけるXが式(4)で表され
    る基であることを特徴とする、請求項3に記載のシラノ
    ール基含有ケイ素化合物の水溶液。
  5. 【請求項5】アルコール成分含有率が4重量%未満であ
    ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記
    載のシラノール基含有ケイ素化合物の水溶液。
  6. 【請求項6】シラノール基含有ケイ素化合物の含有率が
    60重量%を超えないように調製されていることを特徴
    とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシラノー
    ル基含有ケイ素化合物の水溶液。
  7. 【請求項7】式(2)で表される化合物を、この化合物
    中のアルコキシ基に対するモル比で1.5〜10倍量の
    水およびこの水に対して重量比で0〜10倍量の炭素数
    1〜3のアルコールを用いて加水分解し、これに式
    (2)で表される化合物に対するモル比で0.1〜1.
    0倍量の式(3)で表される化合物を加えて反応させ、
    その後アルコール成分を溜出させることを特徴とする、
    請求項1に記載のシラノール基含有ケイ素化合物水溶液
    の製造方法。 【化4】 (これらの式中、Xは下記の式(4)で表される基ま
    たは式(5)で表される基であり、Rは炭素数1〜8
    の直鎖もしくは分岐のアルキル、または炭素数6〜10
    の芳香族基であり、Rは炭素数1〜4の直鎖または分
    岐のアルキルであり、nは0または1であり、RはH
    またはメチルであり、XはXが式(4)で表される
    基のときグリシジルオキシ基、Xが式(5)で表され
    る基のときNHである。) 【化5】 (これらの式中、pは2〜6の整数、qは0〜2の整
    数、rは1〜6の整数であり、Rは炭素数3〜6の直
    鎖または分岐のアルキレンである。)
  8. 【請求項8】式(2)におけるXが式(4)で表され
    る基であることを特徴とする、請求項7に記載のシラノ
    ール基含有ケイ素化合物水溶液の製造方法。
  9. 【請求項9】アルコール成分を溜出させるに際し継続的
    または断続的に水を加えることを特徴とする、請求項7
    または8に記載のシラノール基含有ケイ素化合物水溶液
    の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜6のいずれか1項に記載のシ
    ラノール基含有ケイ素化合物の水溶液を含有することを
    特徴とする表面処理剤。
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