JP2002345824A - 手術用の患部回収医療機器 - Google Patents

手術用の患部回収医療機器

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JP2002345824A
JP2002345824A JP2001160539A JP2001160539A JP2002345824A JP 2002345824 A JP2002345824 A JP 2002345824A JP 2001160539 A JP2001160539 A JP 2001160539A JP 2001160539 A JP2001160539 A JP 2001160539A JP 2002345824 A JP2002345824 A JP 2002345824A
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bag
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Hideki Ui
秀騎 宇井
Toshiro Takahashi
敏郎 高橋
Asao Inagaki
旭男 稲垣
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Aisin Kiko Co Ltd
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Aisin Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被手術者の患部の切除部を袋に回収するのに有
利な手術用の患部回収医療機器を提供する。 【解決手段】患部回収医療機器は、基部3と、基部3の
先端部側に設けられ手術で切除された被手術者の患部の
切除部を収容して回収する袋21を有する術部2と、術
部2の袋21の開閉操作を行う操作部4とを具備する。
術部2は、袋21を保持すると共に開閉可能となるよう
に揺動可能に設けられ開く方向への揺動に伴い袋21の
開口部21pを開き且つ所要の曲げ剛性を有するフレー
ム22と、フレーム22を開閉方向に揺動可能に枢支す
る枢支部と、操作部4の操作力が伝達されてフレーム2
2を開く方向に揺動させる作動部とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は手術で切除された被
手術者の患部の切除部を収容して回収する袋を有する術
部を備えた手術用の患部回収医療機器に関する。
【0002】
【従来の技術】手術用の患部回収医療機器は、内視鏡下
での手術時に切除された患部の切除部を収容して回収す
る回収用袋を持つ医療器具である。本回収医療機器は、
被手術者の身体の切開部に付設した中空筒形状のトロッ
カーから被手術者の身体の体腔内に挿入し、体腔内で袋
を開いて、手術時に切除された患部の切除部(例えば胆
臓、脾臓等の切除部)を回収することを目的にする。
【0003】本回収医療機器の構成としては、図10
(A)(B)に模式的に示されるように、 :柔軟な膜から成形され、開口部101に円環状のフ
レーム挿入通路102及びその下方に更に紐挿入通路1
03が設けられた袋100、 :袋100の紐挿入通路103に挿通しその先端部が
紐挿入通路103から外に出たところで自身に結ばれた
紐200、 :袋100のフレーム挿入通路102に挿入された二
股に分かれた2本のフレーム300、 :袋100及びフレーム300などを収納してトロッ
カー900(例えば径10mm程度の筒状のもの。内視
鏡やその他手術時に使用する手術具が挿通する器具であ
る。)内に挿通されるパイプ400、 :両フレーム300の先端部が固着され、かつ紐20
0が内部に挿通され後端部側で外側に出た状態で保持す
る押し込みロッド500、 :押し込みロッド500をパイプ400内に手術者の
操作により進退させる操作グリップ600、からなる。
【0004】また、袋100のうちフレーム挿入通路3
00の先端部側には、両フレ−ム300の先端部に接触
し袋100の開口部101を保持する機能をもち、フレ
ーム300の材質よりも柔軟な連結部材700が固設さ
れている。
【0005】図1(A)は、本回収医療機器が出荷され
る状態を示す。使用の際には、内視鏡下手術において、
患者の腹部などの切開部にトロッカー900が付設され
た状態で、そのトロッカー900に本回収医療機器のパ
イプ400の先端部から挿通する。図1(B)に示すよ
うに、操作グリップ600によりパイプ400内に、押
し込みロッド500を矢印Y1方向に挿入させる。する
と、パイプ400内に押し込められていた連結部材70
0とフレーム300と袋100とが、図10(B)に示
すように、パイプ400の先端部から押出されてくる。
フレーム300はバネ部材で構成されているためパイプ
400の外方に押し出されと、フレーム300は自動的
に開いて袋100の開口部101を広げる。連結部材7
00もそれに従動して袋100の開口部101を開いた
状態に保持する。実際の内視鏡下手術においては、図1
0(B)に示す状態は、本回収医療機器のパイプ400
の先端部がトロッカー900から身体の体腔内に入り、
体腔内で使用する段階となる。
【0006】そして袋100が体腔内で開いた手術で切
除した被手術者の患部の切除部を袋100内に入れる。
この状態で、操作グリップ600を手術者が操作し、パ
イプ400から押し込みロッド500を矢印Y2方向に
引き抜く方向に後退させる。この後退動作により、袋1
00の紐挿入通路103に挿通していた紐200も同時
に操作グリップ600によって矢印Y2方向に引かれる
ため、袋100の開口部101が紐200により締まる
形となる。こうして手術で切除した臓器等の患部の切除
部は、体腔内に位置する袋100内に収容されて回収さ
れた状態となる。
【0007】また袋100は、パイプ400の先端部に
接触するためパイプ400内に入らないものの、フレー
ム300は袋100のフレーム挿入通路102と共にパ
イプ400内に入る。次に、紐200の他端部を押し込
みロッド500から開放する。その後、身体の切開部に
付設されているトロッカー900から本回収医療機器を
引き抜く。更に被手術者の切開部A100からトロッカ
ーを引き抜く。
【0008】このようにトロッカーを切開部A100か
ら引き抜けば、図10(C)に示すように、体腔内の袋
100から延設されている紐200は、被手術者の切開
部A100から外方に露出した状態となる。そして、手
術者がこの切開部A100から紐200を矢印Y2方向
に引き抜くことで、臓器等の患部の切除部を回収した袋
100が被手術者の体腔内から出される。図10(C)
において910,920,930は被手術者の身体の他
の切開部に付設された他のトロッカーである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した図10(A)
(B)に係る回収医療機器によれば、フレーム300が
バネ機能を有するバネ部材で形成されており、パイプ4
00から出たときに自動的に開くようにされている。こ
のようにフレ−ム300はバネ機能を有しており、曲げ
剛性は低いため、外力が作用すると撓み変形し易い。こ
のためフレ−ム300にある程度の太さが必要となり、
幅広化、肉厚化する必要がある。よってフレーム300
を収容するパイプ400の径も必然的に大きくならざる
をえない。そのためフレーム300及びパイプ400の
先端部を挿通するトロッカー900の径も大きくなりが
ちであり、好ましくない。トロッカー900は被手術者
の身体を切開して切開部に付設するため、トロッカー9
00の径が大きくなると、被手術者の身体の切開部を大
きくする必要があるためである。
【0010】更に、袋100を支えるフレーム300が
可撓性に富むバネ部材で構成されているため、袋100
に患部の切除部を回収する際に、フレーム300の曲げ
剛性が不足しがちである。このため、フレーム300が
体腔内の臓器などに接触すると、フレーム300が容易
に撓み変形し、袋100の開口部101も変形してしま
い、患部の切除部を袋100に回収しにくいおそれがあ
る。殊に、切除部を袋100の正面側からすくって回収
しようとすると、フレーム300の曲げ剛性が不足しが
ちで、すくいにくく、患部の切除部を袋100に回収し
にくい。
【0011】本発明は上記した実情に鑑みてなされたも
のであり、被手術者の患部の切除部を袋に回収するのに
有利な手術用の患部回収医療機器を提供することを課題
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る手術用の患
部回収医療機器は、基部と、基部の先端部側に設けられ
手術で切除された被手術者の患部の切除部を収容して回
収する袋を有する術部と、術部の袋の開閉操作を行う操
作部とを具備する手術用の患部回収医療機器であって、
術部は、袋を保持すると共に開閉可能となるように揺動
可能に設けられ開く方向への揺動に伴い袋の開口部を開
き且つ所要の曲げ剛性を有するフレームと、フレームを
開閉方向に揺動可能に枢支する枢支部と、操作部の操作
力が伝達されてフレームを開く方向に揺動させる作動部
とを有することを特徴とするものである。
【0013】本発明に係る手術用の患部回収医療機器に
よれば、操作部が操作されると、操作部の操作力が作動
部に伝達され、術部の主構成要素であるフレームが開く
方向に揺動する。この結果、フレームに保持されている
袋の開口部が開く。この状態で、手術で切除された臓器
等の患部の切除部が、袋の開口部から、袋内に収容され
て回収される。回収する際において、袋を支えるフレ−
ムは曲げ剛性が高いため、容易には撓み変形せず、袋の
開口部の変形が抑えられる。このため手術で切除された
被手術者の臓器等の患部の切除部を袋に回収する操作性
が向上する。殊に、切除部を袋の正面側からすくって袋
に回収しようとするときにおいても、フレ−ムの撓み変
形が抑えられるため、患部の切除部を袋にすくって回収
する操作を良好に行い得る。
【0014】回収後には、従来と同様に、手術で切除さ
れた被手術者の臓器等の患部の切除部を回収した袋を身
体の体腔内に残した状態で、トロッカーから手術用の患
部回収医療機器を取り外した後に、トロッカーを身体の
切開部から外し、切除部を回収した袋を身体の切開部か
ら取り出す。あるいは、切除部を回収した袋がトロッカ
ー内を通過できるときには、切除部を回収した袋をトロ
ッカーを介して体腔から取り出しても良い。
【0015】本発明に係る手術用の患部回収医療機器に
よれば、次の方式の少なくとも一つを採用することがで
きる。
【0016】・各フレームは後端部側に被加圧部を有
し、作動部は、前進可能に設けられ前進に伴いフレーム
の被加圧部を加圧してフレームを開く方向に揺動させる
加圧部を有する方式を採用することができる。この場合
には、作動部の加圧部が前進してフレームの被加圧部を
加圧するため、術部の主構成要素であるフレームは開く
方向に揺動する。この場合、フレームの被加圧部はフレ
ームの延設方向に対して傾斜する第1傾斜面を有し、加
圧部は第1傾斜面を加圧する第2傾斜面を有する方式を
採用することができる。
【0017】・フレームはこれの曲げ剛性を高剛性化さ
せる構造を有していることが好ましい。従って、フレー
ムは横断面において円弧形状、コの字形状、L字形状等
をなし、曲げ剛性が高められている方式を採用すること
ができる。これによりフレームの曲げ剛性が高剛性化す
る。よって、手術で切除された臓器等の患部の切除部を
袋に収容して回収する際において、袋を支えるフレ−ム
は曲げ剛性が高いため、外力が作用したとしてもフレー
ムは容易には撓み変形せず、袋の開口部の変形が抑えら
れる。このため切除部を袋に回収する操作性が向上す
る。殊に、切除部を袋の正面側からすくって袋に回収し
ようとするときにおいても、フレ−ムの撓み変形が抑え
られるため、患部の切除部を袋にすくって回収する操作
を良好に行い得る。フレームの材質としては、曲げ剛性
や強度の確保を考慮すると、ステンレス鋼、チタン系合
金等の金属が好ましく、場合によっては硬質樹脂を採用
することができる。
【0018】・先端部がフレームに保持された線状部材
と、線状部材を緊張させる方向に引張り引張りに伴いフ
レームを開いた位置に保持する引張部とを有する方式を
採用することができる。引張部でワイヤ部材を引張って
緊張させれば、フレームを開いた位置に確実に保持する
ことが容易となる。このため、袋を支える開いた位置の
フレ−ムの曲げ剛性を一層確保でき、袋の開口部の変形
が一層抑えられる。このため切除部を袋に回収する操作
性が一層向上する。殊に、切除部を袋の正面側からすく
って袋に回収しようとするときにおいても、フレ−ムの
変形が一層抑えられるため、切除部を袋にすくって回収
する操作を良好に行い得る。線状部材としてワイヤ、糸
等の線材を採用することができる。線状部材のうちフレ
ームに対面する部分は、フレームの開き方向においてフ
レームの外側に配置できる。ワイヤとしては金属ワイヤ
とすることができるが、樹脂ワイヤでも良い。
【0019】・袋は、フレームが挿通されるフレーム挿
入通路と、袋の開口部を閉じる紐が挿通される紐挿入通
路と、フレーム挿入通路と紐挿入通路との間を分離可能
な切欠とを有する方式を採用することができる。切欠に
より、袋のうちフレーム挿入通路と紐挿入通路との間を
分離させることができるため、袋のうちフレーム挿入通
路をフレームと共に移動させると共に、患部の切除部を
収容して回収した袋の本体部分を被手術者の体腔内に残
すことができる。なお、被手術者の体腔内に残された袋
の本体部は、前述したように、トロッカーを外した身体
の切開部から取り出しても良いし、あるいは、切除部を
回収した袋がトロッカ内を通過できるときには、トロッ
カーを介して体腔から取り出しても良い。袋の材質とし
ては樹脂、布等を例示できる。
【0020】・基部は中空室を有しており、操作部は、
基部の後端部側に設けられた固定グリップと、固定グリ
ップから離間可能に設けられ離間に伴いフレームの少な
くとも一部を基部の中空室に収容する可動グリップとを
有する方式を採用することができる。また、作動部は、
基部の中空室に前進後退可能に設けられ操作部により前
進後退されるロッドを有し、ロッドが前進すると、フレ
ームの加圧部を前進させてフレームを開く方向に揺動さ
せる方式を採用することができる。この方式によれば、
術部と操作部との距離が長くて基部が長尺である場合で
あっても、ロッドを利用することにより、操作部の操作
力を術部の主要素であるフレームに容易に伝達させるこ
とができる。
【0021】・複数のフレームの後端部は、基部の中空
室内を前進後退可能に設けられた可動体に揺動可能に枢
支されており、可動体と共にフレームは基部の中空室に
前進後退可能に挿入可能である方式を採用することがで
きる。これによれば、術部の主要素であるフレームを基
部の中空室に挿入できるため、術部をトロッカー内に挿
入し易くなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図1〜図9を参照して具体的に説明する。
【0023】本実施形態に係る医療機器は、図1、図2
に示すように、被手術者の臓器等の患部を手術の際に切
除した切除部を収容して回収する袋21を有する術部2
と、手術者が操作を行う操作部4と、操作部4からの操
作力を術部2へ伝達する機構を内蔵する基部3とから構
成される。術部2が先端部側に付いた基部3は、長尺状
のパイプ31を有する。
【0024】術部2は、図2(A)に示すように、基部
3の先端部付近に設けられた2本の金属製(例えばステ
ンレス鋼またはチタン系合金)のフレ−ム22と、その
フレーム22が挿入された袋21とから構成されてい
る。フレーム22の取付構造を図3に示す。図3に示す
ようにパイプ31の先端部付近には、ストッパ部となる
2個の切欠31aが互いに対向するように形成されてい
る。パイプ31の中空室31eには、作動部の一部を構
成する長尺なロッド32が前進及び後退可能に挿通され
ている。ロッド32の先端部32fは、押圧面32kを
区画する空間32wを有する突片状とされており、孔3
2aを有する。作動部の一部を構成するプッシュロッド
34が配置されている。プッシュロッド34は、フレー
ム22を加圧する加圧部として機能するものである。プ
ッシュロッド34は、先端部に形成された第2傾斜面3
4bと、後端部に設けられた孔34aと、最後退に形成
された平坦な後端面34pとをもつ。
【0025】図3から理解できるように、可動プレート
35はパイプ31の中空室31e内を沿って矢印Y1,
Y2方向にロッド32と共に移動可能な可動体として機
能できるものであり、下プレ−ト352と、上プレ−ト
351と、下プレ−ト352及び上プレ−ト351を一
体的に組み付けるキャップ353とを有する。下プレ−
ト352は、先端部側に設けられた枢支孔352bと、
後端部側に設けられロッド32の前進後退方向である矢
印Y1,Y2方向に沿って延設された長孔352cと、
プッシュロッド34をスライドさせる通路352mとを
有する。キャップ353は、外方に切り起こされた弾性
変形可能なストッパ353aと、空間353dとを有す
る。
【0026】可動プレート35は、重なり合った上プレ
−ト351及び下プレ−ト352でプッシュロッド34
を挟みつつ、キャップ353の空間353dに上プレ−
ト351及び下プレ−ト352を配置し、且つ、キャッ
プ353により上プレ−ト351及び下プレ−ト352
の両外周面を係止保持することにより一体的に構成され
ている。ロッド32の先端部32fの孔32a、プッシ
ュロッド34の孔34aを通したピン36は、下プレ−
ト352の長孔352cに挿通されている。ピン36は
長孔352cに沿って長孔352c内を移動できる。図
3に示すように、ピン36は、ロッド32の先端部32
fとプッシュロッド34と下プレ−ト352とを連結し
ている。プッシュロッド34の後端部に形成されている
平坦な後端面34pは、ロッド32の空間32wに配置
され、平坦な押圧面32kで押圧されるようになってい
る。
【0027】更に説明を加えると、図3に示すように、
キャップ353の脚353bは、上プレ−ト351の両
側面に設けられた被係止部としての凹部351a、下プ
レ−ト352の両側面に設けられた被係止部としての凹
部352aに嵌まて係止される。この結果、キャップ3
53、上プレ−ト351と下プレ−ト352とを一体化
させ、プッシュロッド34を内部に挟んだ構造の可動プ
レート35が形成される。これらのキャップ353、上
プレ−ト351、下プレ−ト352の前後の動きは一体
化される。通路352m内に配置されているプッシュロ
ッド34は上プレ−ト351と下プレ−ト352との間
に挟まれているものの、上プレ−ト351及び下プレ−
ト352に対して矢印Y1方向に前進可能である。ピン
36が長孔352cに沿って移動できるからである。
【0028】本実施形態によれば、パイプ31の中空室
31e内のロッド32が矢印Y1方向に前進し、図5
(B)に示すように、キャップ353のストッパ353
aが外方に弾性変形してパイプ31の切欠31aに係合
すると、切欠31aの辺31mがストッパ353aに係
止するため、キャップ353、上プレ−ト351と下プ
レ−ト352は、それ以上矢印Y1方向へ前進すること
が阻止される。またキャップ353のストッパ353a
がパイプ31の切欠31aに係合している状態で、ロッ
ド32が矢印Y2方向に後退すると、ストッパ353a
は内方に弾性変形してパイプ31の切欠31aから離脱
できるため、ロッド32及び可動プレート35の矢印Y
2方向への後退は許容される。
【0029】なお図3に示すように、ロッド32には、
後述の線状部材としてのワイヤ33がその中を通る軸方
向へ延びる溝32bが形成されている。また、その反対
側には、紐23が通る。従ってワイヤ32、紐3はロッ
ド32と共にパイプ1の中空室31eに挿入される。
【0030】本実施形態によれば、フレーム22と可動
プレート35との連結は次のように行われている。即ち
図3に示すように、上プレ−ト351と下プレ−ト35
2の先端部側にそれぞれ形成された枢支孔351b、3
52bが形成されている。更にフレーム22の後端部に
形成された重ね合わせ部22kには枢支孔22bが設け
られている。そして枢支部としての枢支ピン37が枢支
孔351b、352b、枢支孔22bに挿通されて、フ
レーム22を矢印X1,X2方向に揺動可能に枢支して
いる。この結果、両フレーム22のうち枢支孔22bを
有する後端部を、上プレ−ト351と下プレ−ト352
とで挟み込み、パイプ31内を移動可能な可動体として
の可動プレート35に矢印X1,X2方向に揺動可能に
枢支している。なおフレーム22の後端部は、フレーム
22を構成する板材を重ね合わせることにより強化され
た重ね合わせ部22kとされている。重ね合わせ部22
kは、加圧部としてのプッシュロッド34により前進方
向に向けて加圧される被加圧部として機能できる。この
ようにプッシュロッド34により重ね合わせ部22kが
強く加圧されたとしても、フレーム22の重ね合わせ部
22kは、フレーム22を構成する板材を重ね合わせる
ことにより強化されているので、加圧に対処できる。
【0031】図3に示すように、プッシュロッド34の
先端部の2個1組の第2傾斜面34bは、三角形状に尖
った形状を呈している。各フレーム22の重ね合わせ部
22kの後端部側には、三角形状に対応した面で形成さ
れた第1傾斜面22aが設けられており、更にフレーム
22の中心線に沿って延設された延設面22sが形成さ
れ、延設面22sの終端に連設されたストッパ面22t
が形成されている。ロッド32が矢印Y1方向に前進し
てプッシュロッド34が矢印Y1方向に前進されると、
プッシュロッド34の先端部の第2傾斜面34bは、フ
レーム22の後端部側に形成された第1傾斜面22aに
接触してこれを加圧するようになっている。この結果、
フレーム22は、枢支ピン37を揺動中心として矢印X
1方向に開こうとする作用を受ける。しかし図5(A)
に示すように、フレーム22が可動プレート35と共に
パイプ31の中空室31e内に配置されているときに
は、フレーム22の外周面がパイプ31の内周面と接触
して拘束されるため、フレーム22は矢印X1方向に開
くことができない。しかし図5(B)(C)に示すよう
にパイプ31の中空室31eの先端部からフレーム22
が出ると、第2傾斜面34bと第1傾斜面22aとの接
触加圧により、フレーム22は枢支ピン37を揺動中心
として矢印X1方向に揺動して開くことができる。
【0032】図5(C)は2個1組のフレーム22の開
きが終了した状態を示す。この場合には、図5(C)に
示すように、プッシュロッド34の第2傾斜面34b
は、フレーム22の延設面22sに摺動しつつ、ストッ
パ面22tに対向している。ストッパ面22tにより、
プッシュロッド34のそれ以上の前進は阻止される。上
記したようにプッシュロッド34の第2傾斜面34bが
延設面22sに摺動しているときには、フレーム22は
それ以上開かず、フレーム22の過剰な開きは防止され
る。よって、袋21の過剰の開きが防止される。即ち、
フレーム22は過剰開き防止手段を有する。
【0033】また本実施形態によれば、フレーム22の
横断面構造は、図7(A)に示すように、内面22i及
び外面22oが内方に凹んだ円弧状に形成されているた
め、単なる平坦な板状のもの(従来技術のもの)に比べ
て曲げ剛性が高くなっている。よってフレーム22に外
力が作用したときであっても、フレーム22は撓み変形
がしにくくなっている。なお、従来技術においては、弾
性を有する単なる板状の材料であったためかなりの大き
さ(幅寸法)が必要であったが、本実施例のフレーム2
2においては曲げ剛性が高いので、幅寸法D(図7
(A)参照)のサイズの減少化を図ることができる。
【0034】図2(A)に示すように両フレーム22の
それぞれ先端部には、線状部材としての金属製のワイヤ
33の先端部33fが連結している。ワイヤ33は、フ
レーム22の外側に配置されているパイプ31の先端部
側に設けられた孔31bからパイプ31の中空室31e
に挿入されている。従って、ワイヤ33の中間部33m
はパイプ31の内部の中空室31eを通っている。
【0035】袋21はフレーム22に取り付けられてい
る。図4(A)(B)に示すように、袋21は、台形状
の2枚のシート(例えばポリウレタンシート,厚さ:例
えば0.03mm)を溶着部21cで開口部21pとな
るところを残して貼り合わされて形成されている。袋2
1の開口部21pの縁を折り返した折り返し片21rを
溶着部21dにより貼り合わせることにより、紐23が
挿通される環状紐通路21aが袋21の開口部21pを
1周するように形成されている。更に袋21において、
フレーム22が挿入されるフレーム挿入通路21bが溶
着部21eにより形成されている。溶着部21eは断続
的に形成されている。更に袋21においては、フレーム
挿入通路21bと環状紐通路21aとの間に、両者を分
離させ得る切欠としてのスリット21fが袋21に形成
されている。
【0036】図4に示すように、袋21のうちフレーム
挿入通路21bの先端部付近には、前記したワイヤ33
が通るワイヤ孔28が形成されている。フレーム挿入通
路21bに挿入されたフレーム22の先端部に固定され
たワイヤ33は、ワイヤ孔28から外方に露出する。ま
た、袋21のうち環状紐通路21aには、袋21の開口
部21pを絞めるための紐23が挿通されている。紐2
3は、袋21の後端部側の孔から環状紐通路21aに進
入し、環状紐通路21aを1周した後、その孔から出て
紐23自身に結ばれて、結び目23a(図2(B)、図
6(B)参照)が形成されている。この紐23の結び目
23aは、紐23の一点で固定されるものではなく、紐
23に沿って移動可能なようになっている。このため、
結び目23aの移動によって、袋21の開口部21pが
閉じるようになる。
【0037】また、2個1組のフレーム22が閉じた本
医療機器の初期の状態(製品出荷時)においては、図1
(A)(B)及び図7(A)に示すように、袋21は、
両フレーム22、22の円弧凹み側の内面22i,22
i間において、ロール巻き状に巻かれた状態で配置され
ている。このように袋21はロール巻き状に巻かれてい
るため、フレーム22の横断面が円弧状であることは、
前述したようにフレーム22の曲げ剛性の高剛性化を図
る他に、閉じた2個1組のフレーム22間にロール巻き
状の袋21を収容し易いという効果も生じさせる。
【0038】図8に示されるように、操作部4は、パイ
プ31の後端部側に固着された固定グリップ41と、ロ
ッド32の後端部32r側に固着された可動グリップ4
2とを有する。固定グリップ41は、パイプ31の両サ
イドへ手術者の指を挿入するために左右対称なリング4
1aと、回転軸41sを中心として矢印M1,M2方向
に回転操作可能に設けられた引張部として機能するワイ
ヤレバー41cと、固定グリップ41の後端部側に設け
られた係脱穴41dとを有する。なおリング41aは必
ずしも左右対称に設ける必要はない。可動グリップ42
は、係脱部として機能する係脱ピン42aを有する。可
動グリップ42の係脱ピン42aは、固定グリップ41
の係脱穴41dに着脱可能に係合できるようにされてい
る。即ち、係脱ピン42aは、係脱穴41dと係合して
いる状態において、図8(A)に示す矢印B1方向に沿
って、外方から内側へ力を入れることで係合を脱するよ
うになっている。図8は係合ピン42aが係合穴41d
に係合しつつある状態を示す。可動グリップ42にはパ
イプ31の中空室31eに挿通された紐23の後端部2
3rが連結されている。従って、固定グリップ41から
可動グリップ42が矢印Y2方向に後退すると、紐23
も矢印Y2方向に引き寄せられ、袋21の開口部21p
を締めるようになっている。
【0039】図8に示すように、パイプ31の中空室3
1eに挿通された2本のワイヤ33の後端部33rは、
パイプ31の孔41bから外方に露出しており、ワイヤ
レバー41cに連結されている。フレーム22が矢印X
1方向に揺動してV字状に開脚しているとき、ワイヤレ
バー41cが矢印M1方向に回動操作されると、ワイヤ
33の後端部33rが引っ張られるため、ワイヤ33に
引張力が発生してワイヤ33が緊張する。これによりフ
レーム22は、揺動位置つまりV字状開脚位置に確実に
保持される。なお、ワイヤレバー41cによりワイヤ3
3に引張力を発生させているが、可動グリップ42の押
し込み動作に連動して可動グリップ42の一部がワイヤ
33と接触しワイヤ33に引張力を発生させる構造とす
ることで、ワイヤレバー41cを廃止しても良い。この
場合、可動グリップ42の動きに連動してワイヤ33に
引張力を発生させるので、操作が容易となる。
【0040】次に、本回収医療機器の使用方法について
説明を加える。本回収医療機器は、図1(A)に示され
るような形で出荷される。従って図1(A)は使用前の
状態を示す。そして、被手術者の身体の切開部に付設し
た円筒形状のトロッカー900内に、本回収医療機器の
先端部である術部2を挿入する。術部2を被手術者の身
体の体腔内の適切な位置にまで挿入した後、図1(B)
に示すように、手術者は、操作部4の可動グリップ42
を矢印Y1方向に押し込んでいき、固定グリップ41に
接近させる。このように可動グリップ42が押し込まれ
ると、可動グリップ42に連結されたロッド32はパイ
プ31に矢印Y1方向に押し込まれていくと同時に、パ
イプ31の中空室31e内で可動プレート35も矢印Y
1方向に前進するため、ピン36によりプッシュロッド
34へ押圧力が伝達される。このためプッシュロッド3
4も矢印Y1方向に更に前進する。このとき前述したよ
うに、プッシュロッド34の第2傾斜面34bがフレー
ム22の第1傾斜面22aを加圧するため、フレーム2
2は枢支ピン37を揺動中心として矢印X1方向に揺動
してV字状に開こうとする。しかし、まだフレーム22
はパイプ31の中空室31eに収容されているため、フ
レーム22の開きは、パイプ31の内周面に阻止され、
フレーム22は開かない。このようにフレーム22が開
かない状態を保持した状態で、フレーム22はパイプ3
1の中空室31e内を前方である矢印Y1方向に移動す
ることとなる(図5(A)参照)。この時、ピン36は
長孔352cの中央付近に位置する。
【0041】可動グリップ42が矢印Y1方向に押され
て、図8(A)に示すように、可動グリップ42の係脱
ピン42aが固定グリップ41の係脱穴41dに係合せ
んとするとき、図1(B)に示すように、フレーム22
はパイプ31の中空室31eの先端部から外方に完全に
出てくるようになる。故に、可動グリップ42の係脱ピ
ン42aの前記した係合は、フレーム22を矢印X1方
向に広がった状態を保持するために必要な機能である。
即ち、可動グリップ42の係脱ピン42aは、フレーム
22がパイプ31から出たことを報知する報知手段とし
ても機能できる。この係合の直前に、図5(B)に示す
ように、キャップ353のストッパ353aもパイプ3
1の切欠31aに係合し、ロッド32及びプッシュロッ
ド34の押し込みに対して可動プレート35のそれ以上
の前進は阻止される。従ってストッパ353aは、可動
プレート35のそれ以上の前進を阻止する前進阻止手段
として機能する。上記のように可動プレート35の前進
が阻止されたとしても、可動グリップ42に押されたロ
ッド32が矢印Y1方向に前進すると、下プレ−ト35
2の長孔352cに沿ってピン36が前進できるため、
ロッド32の先端部32f、プッシュロッド34が矢印
Y1方向に前進し、プッシュロッド34の第2傾斜面3
4bがフレーム22の第1傾斜面22aを加圧するた
め、パイプ31の中空室31eから露出している状態の
フレーム22は、枢支ピン37を揺動中心として矢印X
1方向に揺動してV字状に開く。このようにフレーム2
2がV形状に開脚すれば、図2(A)(B)に示すよう
に、フレーム22に保持されていた袋21の開口部21
pが開く。その理由は、フレーム22が袋21のフレー
ム挿入通路21bに挿入されているためである。
【0042】次に、図2(A)に示すように、2個1組
のフレーム22がV形状に開脚した状態を維持するため
に、操作部4のワイヤレバー41cを矢印M1方向に回
し、ワイヤ33を緊張させつつワイヤ33の後端部33
rを矢印Y2方向に引っ張る。この結果、パイプ31の
中空室31e内に挿通されているワイヤ33は同方向に
引っ張られる。よって図9(A)に示すように、フレー
ム22の開き方向においてフレーム22の外側に配置さ
れているワイヤ33の先端部33fにより、フレーム2
2の先端部は外方へ引っ張られる。この結果、2個1組
のフレーム22がV形状に開脚した状態に確実に維持さ
れる。この状態では、袋21の開口部21pが開いてい
るため、手術者は開口部21pから袋21内に臓器等の
患部の切除部を容易に収納する。
【0043】切除部が袋21に入ったことを内視鏡で確
認した後、図9(A)に示すように、操作部4のワイヤ
レバー41cを矢印M2方向に戻し、ワイヤ33の張力
を弛め、且つ、可動グリップ42の係脱ピン42aを指
先で係合解除方向である矢印B1方向に付勢することに
より係脱ピン42aの係合を脱し、可動グリップ42を
固定グリップ41に対して離間方向へつまり矢印Y2方
向に後退させる。この結果、図9(B)(C)に示すよ
うように、可動グリップ42に連結されているロッド3
2が矢印Y2方向に移動し、ロッド32がパイプ31の
中空室31e内で後退すると共に、V字状に開いたフレ
ーム22も矢印X2方向に閉じつつパイプ31の中空室
31e内に引き込まれる。ロッド32の先端部32fに
ピン36,枢支ピン37などを介してフレーム22が連
結されているためである。このとき、袋21の引き込み
はパイプ31の先端部に阻まれるため、袋21の全体は
パイプ31の中空室31e内に入らない。しかしフレー
ム22が矢印Y2方向に後退するため、袋21のスリッ
ト21fが破断し、袋21の開口部21p側のフレーム
挿入通路21bがフレーム22に付いた状態で切り離さ
れ、フレーム22と共にパイプ31の中空室31eに収
容される。
【0044】また上記したように可動グリップ42が矢
印Y2に後退するときには、可動グリップ42に連結さ
れている紐23もこれの後端部23rと共に同じ方向に
後退するため、袋21の開口部21pは紐23により締
められていく。図9(C)に示すように、フレーム22
が完全にパイプ31の中空室31e内に入ると、開口部
21pが閉じた袋21は、パイプ31から紐23により
ぶら下がった状態となる。
【0045】そして、可動グリップ42に連結されてい
る紐23の後端部23rを可動グリップ42から外す。
その後、本医療機器の術部2をトロッカー900を経て
被手術者の身体の体腔内から外す。更に身体の切開部か
らトロッカー900を外す。このように身体の切開部か
らトロッカー900を外した状態は、図10(C)と同
様である。その後に、従来と同様に、袋21の紐23を
体腔の外方に引っ張ることにより、臓器などの患部の切
除部を回収した袋21を被手術者の身体の切開部A10
0から体腔の外方に取り出す。
【0046】(本実施形態の主効果)以上説明したよう
に、術部2は、開閉可能となるように揺動可能に設けら
れ開く方向への揺動に伴い袋21の開口部21pを開く
曲げ剛性を有する複数のフレーム22と、各フレーム2
2を開く方向に揺動可能に枢支する枢支ピン37と、操
作部4の操作力が伝達されてフレーム22を開く方向に
揺動させる作動部としてのプッシュロッド34及びロッ
ド32を有する。上記した本実施形態に係る回収医療機
器によれば、従来技術とは異なり、フレ−ム22は可撓
性に富むバネ部材で形成されているのではなく、所要の
曲げ剛性を有する。このため、フレ−ム22は、外力が
作用したとしても撓み変形しにくい。
【0047】このような本実施形態によれば、フレ−ム
22の幅寸法D(図7(A)参照)の狭小化に有利であ
る。よってフレーム22を収容するパイプ31の径を小
さくするのに有利となる。そのため、フレーム22を有
する術部2の先端部を挿通するトロッカー900の径を
小さくするのに有利であり、ひいてはトロッカー900
を付設するために被手術者の身体を切開して形成した切
開部A100を小さくするのに有利である。本回収医療
機器によれば、例えば内径5mm程度の小さな内径を有
するトロッカー900を使用できるため被手術者への侵
襲性が極めて低く、手術後の回復に良い影響を与える。
【0048】更に本実施形態によれば、フレーム22は
曲げ剛性を有するため、フレーム22が体腔内の臓器な
どに接触したとしても、容易に撓み変形することが抑え
られ、ひいてはフレーム22で保持されている袋21の
開口部21pの変形も抑えられ、臓器等の患部の切除部
を袋21に良好に回収することができる。殊に、フレー
ム22が開いて袋21の開口部21pが開いたときに
は、図9(A)に示すように、袋21の開口部21pの
先端部21hは広がっている。このため患部の切除部を
袋21の先端部21h側からすくって袋21内に回収す
るのに有利である。
【0049】殊に本実施形態によれば、フレーム22は
横断面において円弧形状をなしており、曲げ剛性が高め
られているため、前記した効果を良好に得ることができ
る。更に本実施形態によれば、先端部がフレーム22に
保持されたワイヤ33と、ワイヤ33を緊張させるフレ
ーム22を開いた位置に保持するワイヤレバー41cが
設けられているため、フレーム22を開いた状態に維持
するのに有利であり、ひいては袋21の開口部21pを
開いた状態に維持するのに有利である。
【0050】その他、本発明は上記した実施形態に限定
されるものではなく、ワイヤ33を緊張させる引張部と
してはワイヤレバー41cに限定されるものではなく、
可動グリップ42を利用しても良い等、要旨を逸脱しな
い範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る患部回収医療機器によれ
ば、従来技術とは異なり、フレ−ムはバネ部材で形成さ
れているのではなく、所要の曲げ剛性を有するため、被
手術者の体腔内の臓器などの身体組織にフレームが接触
したとしても、フレームが容易に撓み変形することが抑
えられ、袋の開口部の変形も抑えられ、臓器等の患部の
切除部を袋に良好に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は患部回収医療機器の出荷状態を示す平
面図であり、(B)は患部回収医療機器のフレームを閉
じつつ可動グリップを固定グリップ側に押し込んだ状態
を示す平面図である。
【図2】(A)は患部回収医療機器のフレーム及び袋の
開口部が開いている状態を示す平面図であり、(B)は
同状態を示す側面図である。
【図3】可動プレートを利用してフレームをパイプ内の
ロッドに取り付ける構造を分解して示す斜視図である。
【図4】(A)は袋の全体の断面図である。(A)は異
なる方向で切断した袋の要部の断面図である。
【図5】(A)はフレームがパイプの中空室に収容され
ている状態を示す患部回収医療機器の要部の構成図であ
り、(B)はフレームがパイプの中空室から出た状態を
示す患部回収医療機器の要部の構成図であり、(C)は
パイプの中空室から出たフレームが開いた状態を示す患
部回収医療機器の要部の構成図である。
【図6】(A)はフレームがパイプの中空室から出てい
るものの、フレームが閉じている状態を示す患部回収医
療機器の要部の構成図であり、(B)は図7の(A)を
異なる方向からみた患部回収医療機器の要部の構成図で
ある。
【図7】(A)は図6(A)におけるW1−W1に沿っ
た断面図であり、(B)は図6(A)におけるW2−W
2に沿った断面図である。
【図8】(A)は操作部の平面図であり、(B)は操作
部の断面図である。
【図9】(A)は患部回収医療機器のフレーム及び袋の
開口部が開いている状態を示す平面図であり、(B)は
可動クリップを後退させることにより紐を後方に引っ張
って患部回収医療機器の袋を閉じている状態を示す側面
図であり、(C)は患部回収医療機器の可動クリップを
更に後退させることによりフレームをパイプの中空室に
収容すると共に袋を閉じた状態を示す側面図である。
【図10】従来技術に係り、(A)は患部回収医療機器
の出荷状態を示す構成図であり、(B)は患部回収医療
機器の可動グリップを押し込み、袋を開いた状態を示す
構成図であり、(C)は手術で切除した患部の切除部を
回収した袋を身体の切開部から取り出す状態を示す斜視
図である。
【符号の説明】
図中、2は術部、21は袋、22はフレーム、22aは
第1傾斜面、22kは重ね合わせ部(被加圧部)、3は
基部、31はパイプ、31eは中空室、32はロッド
(作動部)、34はプッシュロッド(加圧部、作動
部)、34bは第2傾斜面、35は可動プレート(可動
体)、37は枢支ピン(枢支部)、33はワイヤ(線状
部材)、4は操作部、41は固定グリップ、42は可動
グリップ、41cはワイヤレバー(引張部)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 旭男 愛知県幡豆郡吉良町大字友国字池上70番地 6 アイシン機工株式会社内 Fターム(参考) 4C060 MM24 4C061 GG13 GG15 JJ06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基部と、前記基部の先端部側に設けられ手
    術で切除された被手術者の患部の切除部を収容して回収
    する袋を有する術部と、前記術部の袋の開閉操作を行う
    操作部とを具備する手術用の患部回収医療機器であっ
    て、 前記術部は、 前記袋を保持すると共に開閉可能となるように揺動可能
    に設けられ開く方向への揺動に伴い前記袋の開口部を開
    き且つ所要の曲げ剛性を有するフレームと、前記フレー
    ムを開閉方向に揺動可能に枢支する枢支部と、前記操作
    部の操作力が伝達されて前記フレームを開く方向に揺動
    させる作動部とを有することを特徴とする手術用の患部
    回収医療機器。
  2. 【請求項2】請求項1において、各前記フレームは後端
    部側に被加圧部を有し、前記作動部は、前進可能に設け
    られ前進に伴い前記フレームの被加圧部を加圧して前記
    フレームを開く方向に揺動させる加圧部を有することを
    特徴とする手術用の患部回収医療機器。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記フレーム
    の被加圧部は前記フレームの延設方向に対して傾斜する
    第1傾斜面を有し、前記加圧部は前記第1傾斜面を加圧
    する第2傾斜面を有することを特徴とする手術用の患部
    回収医療機器。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記フ
    レームは横断面において円弧形状をなし、前記フレーム
    の曲げ剛性が高められていることを特徴とする手術用の
    患部回収医療機器。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかにおいて、先端部
    が前記フレームに保持された線状部材と、前記線状部材
    を緊張させる方向に引張り引張りに伴い前記フレームを
    開いた位置に保持する引張部とを有することを特徴とす
    る手術用の患部回収医療機器。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかにおいて、前記袋
    は、前記フレームが挿通されるフレーム挿入通路と、前
    記袋の開口部を閉じる紐が挿通される紐挿入通路と、前
    記フレーム挿入通路と前記紐挿入通路との間を分離可能
    な切欠とを有することを特徴とする手術用の患部回収医
    療機器。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかにおいて、前記基
    部は先端部が開口部する中空室を有しており、前記操作
    部は、前記基部の後端部側に設けられた固定グリップ
    と、前記固定グリップから離間可能に設けられ離間に伴
    い前記フレームの少なくとも一部を前記基部の中空室に
    収容する可動グリップとを有することを特徴とする手術
    用の患部回収医療機器。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかにおいて、前記作
    動部は、前記基部の中空室に前進後退可能に設けられ前
    記操作部により前進後退されるロッドを有し、前記ロッ
    ドが前進すると、前記フレームの被加圧部を加圧して前
    記フレームを開く方向に揺動させることを特徴とする手
    術用の患部回収医療機器。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記複数のフレームの
    後端部は、前記基部の中空室内を前進後退可能に設けら
    れた可動体に揺動可能に枢支されており、前記可動体と
    共に前記フレームの少なくとも一部は前記基部の中空室
    に前進後退可能に挿入可能であることを特徴とする手術
    用の患部回収医療機器。
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