JP2002345477A - ノックアウト動物 - Google Patents

ノックアウト動物

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JP2002345477A JP2001157567A JP2001157567A JP2002345477A JP 2002345477 A JP2002345477 A JP 2002345477A JP 2001157567 A JP2001157567 A JP 2001157567A JP 2001157567 A JP2001157567 A JP 2001157567A JP 2002345477 A JP2002345477 A JP 2002345477A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノックアウトマウスの提供 【解決手段】 逆反復配列1、スペーサ ー配列及び逆反
復配列2の順で構成される1oxP配列のうち逆反復配列1
及び/又は逆反復配列2の一部の配列に変異が導入された
変異型1oxPを含むトラップベクターが導入されたノック
アウトマウスであって、Tubedown-1遺伝子が破壊された
ノックアウトマウス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子トラップ法
によるランダム変異ESクローン技術により得られた胚幹
細胞及びノックアウト動物に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトゲノムプロジェクトの進展で、ヒト
ゲノムの構造解析は2003年又はそれ以前に終了すると言
われている。したがって、個々に遺伝子を単離し、構造
解析を行なう時代ではなく、ゲノムの「機能解析」の時
代に入ったといえる。
【0003】しかし、ゲノムの塩基配列のみでは、機能
に関する情報は十分でないため、機能解析のための新し
い解析系が必要である。さらに、ヒトゲノム解析の一つ
の大きな目標はヒト疾患の原因遺伝子の解明であるが、
原因遺伝子の構造だけでは病気を説明することはできな
い。また、ヒト患者を用いて実験することはできず、発
症機構を解析することはできない。したがって、原因遺
伝子の同定後の発症過程の解析と新たな治療法の開発の
ためには、モデル個体の作製が必須課題となっている。
【0004】一方、ゲノムを、その構造から遺伝子部分
とそれ以外の部分に分けるとすれば、それぞれ別個の機
能を有すると考えられ、両者の機能を解析することが必
要である(図1)。ゲノム全体から見れば、個々の遺伝子
は一部の機能しか果たしておらず、ゲノムは単に遺伝子
の集合体ではなく、まだ知られていない機能を有してい
るとも考えられる。事実、position effect mutationと
いう新しい概念が成立したことから、ゲノムには機能が
未知の領域を有するものと推察される。
【0005】遺伝子部分については、調節領域とコード
領域があるが、現在ゲノム機能解析の標的となっている
のは、コード領域である。ヒトとマウスを比べてみて
も、遺伝子の種類はほぼ同じであるため、調節領域の機
能解析は重要である。但し、ヒトの遺伝子とマウスの遺
伝子との間には、種の相違がある。この違いは、タンパ
ク質の違いではなく、遺伝子発現の調節の違いによるも
のと思われる。
【0006】発現調節にあずかる転写因子等の機能は、
遺伝子のコード領域の配列から解明することができる。
その転写因子が結合するエレメントの解析は、一つの遺
伝子の調節領域内に多数存在するので、機能の解明は現
在のところ極めて困難である。但し、機能解析の一手法
として、細菌人工染色体を用いる方法等が考え得る。
【0007】コード領域の機能解析のレベル(対象)
は、mRNAレベル、蛋白レベル、細胞レベル、組織・臓器
レベル、個体レベルが考えられる。mRNAレベルは、DNA
チップで対応できると考えられる。他方、mRNA以外のレ
ベルの解析を考えるとき、胚幹細胞(ES細胞)を利用す
るのが最も良い方法と思われる。なぜなら、ES細胞から
直接in vitroで、各種細胞や組織の誘導糸が開発されて
いるものもあるし、今後開発され得る可能性のあるもの
も多いからである。また、個体レベルの解析系が樹立で
きる利点もあるためである。
【0008】上記から、ゲノムの機能解析を考える上で
も、ES細胞レベルでの遺伝子破壊とそのマウスの作製は
極めて重要であることがわかる。これまでは、ES細胞を
用いた相同遺伝子組換え法が、遺伝子破壊マウス作製に
おいて主役を演じていたが、これを個々の遺伝子破壊マ
ウスを作製するという戦術としてではなく、網羅的に作
製するという戦略的な立場からみたとき、大きな問題点
がある。
【0009】第1は、時間がかかりすぎることである。
遺伝子破壊マウス作製において、ES細胞を用いた相同組
換えによるノックアウトESクローンを単離することが律
速段階となっている。1人の熟練した研究者でも、ノッ
クアウトESクローンを単離するには最低3ヵ月かかるの
で、年間4遺伝子を破壊できるにすぎない。従って、10
万個の遺伝子にそれぞれ一つの変異を導入する場合は、
1年あたり25,000人が必要とされる。現在世界中で、1年
間に約1000系統の遺伝子破壊マウスが作製されていると
見積もられている。そうすると、ノックアウトESクロー
ンを10万種類作製するのに100年かかることになる。こ
れでは、2003年に終了するといわれているヒトゲノムの
構造解析の進展と比較しても、現実的ではない。
【0010】第2は、コストがかかりすぎることであ
る。1系統の遺伝子破壊マウス作製のため、人件費及び
減価償却費を除いても、最低200〜400万円必要である。
したがって、10万個の単純な遺伝子破壊マウス作製だけ
で2,000〜4,000億円必要となる。以上のように、従来の
ES細胞を用いた相同遺伝子組換えには問題点があり、ま
た、ゲノムは巨大ではあるが、数は決まっている。従っ
て、この中から重要な機能を持つ遺伝子を単離すること
が必要となる。遺伝子の機能については、遺伝子破壊マ
ウスを作製して初めて明らかになることが多いことか
ら、遺伝子破壊マウスは将来画期的な薬剤の開発等にも
直結し、極めて付加価値が高い。従って、「ランダム」
かつ「大規模」にマウスの変異体作製を行なうのが世界
の「戦略」となっており、現在のところ、以下に述べる
3つの方法が、ランダム変異マウス作製において、もっ
とも妥当であると考えられている。
【0011】第1は、変異原物質であるエチルニトロソ
ウレア(ethylnitrosourea:ENU)を用いる方法である。EN
Uを用いた方法による大規模な突然変異体作製のプロジ
ェクトがヨーロッパで開始されている。ドイツではヒト
ゲノムプロジェクトの一貫として哺乳類遺伝学研究所の
パリング博士を中心として1997年度に開始した。英国に
おいてもスミスクライン社が資金を提供し、Harwe11に
あるMRCのマウスゲノムセンターにおいてブラウン博士
を中心として主に脳・神経系の突然変異マウスを樹立す
ることを目的として開始している。現在までに、両者併
せて、優性遺伝を示す変異マウスが約200系統樹立さ
れ、予想よりもよい効率でプロジェクトが進行してい
る。米国においてもケースウエスタンリザーブ大学やオ
ークリッジ国立研究所を中心として、膨大な予算(年間6
0億円)でマウスゲノムの構造解析やENU法による変異体
作製が始まることとなった。
【0012】ENUを成熟雄マウスに投与すると、減数分
裂前の精原細胞に作用し、1細胞当たり約50-100カ所に
点突然変異をランダムに引き起こす。そして、1つの遺
伝子座につきおよそ1/1,000/配偶子の頻度で突然変異が
起こる。したがって、1匹の処理マウスを雌マウスと交
配することにより、F1世代で多種類の変異マウスを作製
できる。また、ENUを用いる方法は、特定の遺伝子座に
ついて1,000匹をスクリーニングすれば、1匹はその遺伝
子に変異が生じている確率となるため、極めて効率がよ
いと考えられている。
【0013】第2は、やはり変異原物質であるクロラム
ブシルを用いる方法である。この方法によれば、ENU法
と同じ頻度で精原細胞に突然変異を引き起こす。ただ
し、この場合は時に1メガベースに及ぶ欠失変異が生じ
る。第3は遺伝子トラップ法によるものである。遺伝子
トラップ法とは、マーカー遺伝子を含むトラップベクタ
ーをES細胞に導入し、マーカー遺伝子の発現を指標とし
て未知遺伝子の探索を行なうことを目的として開発され
た方法である。トラップベクターの組み込みはランダム
であり、その組込みにより、殆どの場合内在性遺伝子
(本来、その細胞や組織に存在する遺伝子)は破壊され
る。したがって、そのES細胞を用いてキメラマウスを作
製することにより、種々の遺伝子破壊マウスを作製でき
る。しかしながら、これら変異原物質を用いる方法及び
遺伝子トラップ法は、それぞれ利点と欠点を有する(表
1)。
【0014】
【表1】
【0015】ENU法は、変異マウスの作製は容易である
が、個々の変異系統の樹立は、交配により分離を行わな
ければならない。また、変異した遺伝子の同定には、ま
ず多型DNAマーカーを用いた連関解析により遺伝子座を
同定し、その後にポジショナルクローニング法により遺
伝子を単離しなければならない。従って、ENU法は操作
が煩雑である。
【0016】クロラムブシル法は、変異マウスの作製は
容易であるが、欠失部位を同定しなければならず、その
ためには多数の多型DNAマーカーを用いて解析する必要
がある。また、一般的に、クロラムブシル法などの変異
原物質法では、大規模の飼育室を必要とするため、費用
及び労力がかかる。
【0017】遺伝子トラップ法は、変異マウスの作製に
手間と技術を要するが、変異遺伝子の同定は容易であ
り、飼育室の規模に応じて実験可能である。遺伝子トラ
ップESクローンはそれ自体ゲノム機能解析のための貴重
なリソースとなり、この点も他の方法と際立って異なる
点である。
【0018】遺伝子トラップ法についても、世界のいく
つかの研究室で変異体作製が始まっている。米国では、
民間のレキシコンジェネティクス社がレトロウイルスベ
クターを用いた遺伝子トラップによるランダム破壊を行
なっている。しかし、遺伝子をトラップできていても、
内在性遺伝子を破壊できているかどうかが定かでないこ
と、生殖キメラマウスが作製できるかどうかが不明であ
ること、キメラマウス作製は別料金を要求されること、
利用するに当たって相当な金額を要求していることなど
から、一般の研究者にとっては殆ど利用できない状況で
ある。また、ドイツではENUプロジェクトの一貫として
も12,000クローンを目標として遺伝子トラップが行なわ
れている。いずれにしても、マウス系統の樹立よりも、
トラップした遺伝子の解析を先行させる方法で進められ
ている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、トラップベ
クターを用いた遺伝子トラップ法によりトラップされた
遺伝子が導入されたノックアウト動物を提供することを
目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意研究の結果、遺伝子トラップ法にバク
テリオファージ由来の組換えシステムである、Cre-loxP
を利用することを思いつき、本発明を完成するに至った
ものである。ここでCreは組換え酵素であり、1oxP配列
を認識して、この部位で組換えを起こすものである。
【0021】すなわち、本発明は、以下の通りである。 (1) 逆反復配列1、スペーサー配列及び逆反復配列2の
順で構成される1oxP配列のうち逆反復配列1及び/又は
逆反復配列2の一部の配列に変異が導入された変異型1ox
Pを含むトラップベクターを導入してなる胚幹細胞又は
ノックアウト動物であって、Tubedown-1遺伝子が破壊さ
れた胚幹細胞又はノックアウト動物。変異型1oxPとして
はlox71(例えば配列番号1に示されるもの)又はlox66
(例えば配列番号2に示されるもの)が挙げられる。ま
た、トラップベクターとしては、以下の(a)〜(j)に示す
ものから選ばれるいずれかのものが挙げられる。
【0022】(a) SA-lox71-IRES-M-pA-loxP-pA-PV (b) lox71-IRES-M-pA-loxP-pA-PV (c) SA-lox71-IRES-M-pA-loxP-puro-pA-lox511-PV (d) lox71-M-loxP-pA-lox2272-PV-lox511 (e) lox71-IRES-M-loxP-pA-lox2272-PV-lox511 (f) (lox71が組み込まれたSA)-M-loxP-pA-lox2272-PV-l
ox511 (g) (lox71が組み込まれたSA)-IRES-M-loxP-pA-lox2272
-PV-lox511 (h) (lox71が組み込まれたSA)-M-loxP-pA-lox2272-プロ
モーター-M-lox511-SD (i) loxP-SA-IRES-M-pA-loxP-PV (j) loxP-SA-loxP-IRES-M-pA-loxP-PV (SAはスプライスアクセプターを、SDはスプライスドナ
ーを、IRESは分子内リボゾームエントリー部位を、Mは
マーカー遺伝子を、puroはピューロマイシン耐性遺伝子
を、pAはポリA配列を、PVはプラスミドベクターを表
す。) 上記ノックアウト動物としては、ノックアウトマウスが
挙げられる。以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
【発明の実施の形態】1.概要 本発明は、遺伝子トラップ法によりトラップされた遺伝
子が導入された胚幹細胞及びノックアウト動物に関する
ものである。遺伝子トラップ法の概要を図2に示す。ま
ず、本発明の目的を達成するためトラップベクターを構
築し、これを胚幹細胞(ES細胞)に導入してトラップク
ローンを単離及び選択する(図2A〜C)。図2ではpU-8
(pU-Hachiともいう)トラップベクターを例示する。その
後、キメラ動物(例えばキメラマウス)を作製してトラ
ップクローン由来のマウスを作製する(図2F〜G)。一
方、単離及び選択されたトラップクローンを用いて、ト
ラップされた遺伝子の単離及び配列決定、並びにプラス
ミドレスキューによるゲノムの回収を行う(図2C〜
E)。さらに、クローンを電気穿光法及びピューロマイ
シン等の薬剤選択を行い、トラップされた遺伝子を発現
させ、ESクローンのマウス系列の作製を行う(図2H〜
I)。
【0024】本発明においてトラップされた遺伝子は、
胚様体形成によるスクリーニング法により、発生や細胞
増殖に関連する遺伝子を効率よくトラップしているかど
うかを、遺伝子の種類を調べることで検討した。その結
果、Tubedown-1遺伝子がトラップされていることが分か
った。このことは、胚様体形成によるスクリーニング系
が、よく機能していることを示している。Tubedown-1遺
伝子は、アセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝
子であると考えられており、in vitroにおいては血管形
成や血球の発達に関与すると考えられる。
【0025】本発明において、遺伝子トラップにより実
際に内在性遺伝子が破壊されるかどうかを調べることが
重要なポイントの一つであるので、上記遺伝子につい
て、トラップ部位の構造を解析した。その結果、トラッ
プベクターは、上記Tubedown-1遺伝子のエクソン内にさ
れており、遺伝子が部分的に破壊されていた。したがっ
て、本発明の遺伝子トラップ法により、効率よく内在性
遺伝子を破壊できることが明らかとなった。以下、本発
明をさらに詳しく説明する。
【0026】2.トラップベクターの構築 遺伝子トラップ法とは、トラップベクターをES細胞に導
入すると、偶然及びランダムにマウス内在性遺伝子に組
込まれることを利用して、未知遺伝子をゲノム上でトラ
ップするというものである。「遺伝子トラップ」とは、
トラップベクターがゲノム上の特定の遺伝子に入り込ん
で、当該特定の遺伝子を捕まえることを意味し、遺伝子
を捕らえるためのベクターを「トラップベクター」とい
う。遺伝子にはエンハンサー、プロモーター、エクソ
ン、ポリAなどが存在し、それぞれを捕獲することがで
きるが、そのためには、目的に応じた構造を持つトラッ
プベクターを使用することができる。
【0027】一般に、エクソントラップベクターは、ス
プライスアクセプターのみを有するレポーター遺伝子、
薬剤選択マーカー遺伝子、及びプラスミド部分から構成
されており、マウス内在性遺伝子の下流に組み込まれた
ときにのみ、レポーター遺伝子が発現する。換言すれ
ば、トラップベクター中のレポーター遺伝子の発現をモ
ニターすることで、内在性遺伝子への組込みを知ること
ができる。また、pUC19などのプラスミドをトラップベ
クターに連結しておくと、いわゆるプラスミドレスキュ
ー法と呼ばれる手法により、トラップした内在性遺伝子
を単離することができる。「プラスミドレスキュー法」
とは、エレクトロポレーション法等により形質転換され
た細胞をアンピシリン選別等にかけて目的の遺伝子を回
収する方法である(図2E)。しかも、トラップ時にその
遺伝子を破壊するので直ちに遺伝子破壊マウスを作製す
ることができる。さらに、レポーター遺伝子はマウス内
在性遺伝子の発現調節領域に支配されて発現するので、
内在性遺伝子の発現の組織特異性、時期特異性を簡単に
解析することができる。
【0028】従来の遺伝子トラップ法では、遺伝子を完
全に破壊できても、ヒト遺伝病で見られるような小さな
変異、例えば1アミノ酸置換といった変異を導入するこ
とができず、またヒト遺伝子と置換することもできない
という問題点があった。そこで、本発明は、これらの問
題点を解消するため、バクテリオファージ由来の組換え
システムである、Cre-loxPを改変し、それを遺伝子トラ
ップ法に利用することにより、一旦遺伝子トラップベク
ターを組み込ませてマウス遺伝子を破壊した後、トラッ
プベクター内の変異lox部位に、任意の遺伝子を挿入で
きることとしたものである。これによって、ヒト遺伝病
で見られるような小さな変異、例えば1アミノ酸置換と
いった変異を導入することが可能となり、またヒト遺伝
子と置換することも可能となる。本発明のトラップベク
ターは、種々の遺伝子をトラップするために使用するこ
とができるが、エクソントラップ又はプロモータートラ
ップ用として好ましく使用することができる。
【0029】1oxP(locus of crossing (X-ring) over,
P1)は34塩基(5'-ataacttcgtata gcatacat tatacgaagt
tat-3')からなる配列であり(配列番号3)、5'末端か
ら13塩基(逆反復配列1という)、及び3'末端から13塩基
の配列(逆反復配列2という)が、それぞれ逆反復配列を
構成し、「gcatacat」により示される8塩基のスペーサ
ーと呼ばれる配列が上記逆反復配列1及び2に挟まれて
いる(図3)。「逆反復配列」とは、スペーサーを境界
として一方の側の配列が、他方の側の配列と、互いに向
き合う方向に相補的であるような配列を意味する。換言
すれば、一方の側の配列のうちセンス鎖の配列が、他方
の側の配列のアンチセンス鎖と、互いに向き合う方向に
相同であることを意味する。方向が互いに向き合ってお
り、二本鎖を形成したときの配列自体は同一で繰り返さ
れているため、逆反復配列と呼ばれる。図3に示す通
り、二本鎖のうち一方の鎖(例えばセンス鎖)におい
て、紙面左側の逆反復配列1(5'-ataacttcgtata-3':
配列番号4)の5'→3'方向の配列が、紙面右側の逆反復
配列2(5'-tatacgaagttat-3':配列番号5)の5'←3'
方向の配列に対し、相補的という関係になっている。
【0030】1oxPは、通常の配列と異なり方向性を有す
る。従って、本発明において、上記5'→3'の向きで1oxP
の配列を表示するときは、その表示中に紙面左向きの矢
印(例えば図3の矢印1)を含めることとする。Cre(c
auses recombination)とは、遺伝子組換えを起こさせ
る組換え酵素(リコンビナーゼともいう)を意味し、上
記反復配列を認識し、スペーサー部の「cataca」を粘着
末端とする切断様式で切断する(図3)。
【0031】ところで、バクテリアの中では、2カ所の1
oxP間で組換えが起こり、挿入または削除反応が起こ
る。哺乳類細胞で挿入反応を起こすことができれば、後
に任意の遺伝子を挿入できるので、応用性は格段に広が
る。哺乳類細胞では核が大きいため、一旦削除されたlo
xPを持つ環状DNAは拡散してしまい、挿入反応は殆ど観
察されない。
【0032】そこで、本発明者は、挿入反応を起こすた
めに1oxP配列に変異を導入し、一旦遺伝子がゲノムに挿
入されると挿入された遺伝子は削除できない(ゲノムか
ら脱離しない)ようにすることを考え、このため2種類
の変異型1oxPを準備した(図4)。
【0033】1つは、loxPの反復配列(センス鎖側)の
うち紙面左側の反復配列(ATAACTTCGTATA)の左から5塩
基までを、「TACCGTTCGTATA」となるように置換変異(下
線部が変異させた部分。)を導入したものであり、これ
を「lox71」と名付けた(配列番号1;図4b)。もう1
つは、loxPの紙面右側の反復配列(TATACGAAGTTAT)
を、右から5塩基まで「TATACGAACGGTA」(下線部が変異
させた部分。)となるように置換変異を導入したもの
で、これを「1ox66」と名付けた(配列番号2;図4
b)。
【0034】ゲノム上の1ox71とプラスミド上のlox66と
の間で組換えが起こると、挿入されたDNAの5'側(紙面
左側)にはloxPの両側の反復配列が変異したもの(「1o
x71/66」という:TACCGTTCGTATA GCATACAT TATACGAACGG
TA:配列番号6)が、右側には野生型の1oxP(ATAACTTCG
TATA GCATACAT TATACGAAGTTAT:配列番号3)が配置され
る(図4a)。その結果、Creはもはや1ox71/66を見分け
ることができず、loxPとの間で組換えを起こせず、ゲノ
ムに遺伝子は挿入されたままとなる。すなわち、loxP同
士の相同組換えの場合は、切り出されたloxPを含む環状
DNAが物理的に離れるので、挿入よりも削除に反応は傾
く。一方、染色体側にlox71を、及び環状DNA側にlox66
を用いると、組み込まれたときに生ずるlox71/66をCre
リコンビナーゼは認識できにくくなり、削除反応より挿
入反応に傾くため、挿入状態が維持される(図5)。こ
こで、本発明においては、染色体側にlox66を、環状DNA
側にlox71を用いることもできる。
【0035】実際に、ES細胞にあらかじめ1ox71などの
変異型loxP(以下「変異型lox」ともいう)を組込んで
おき、そこに他の変異型loxP (例えばlox66)を含むプ
ラスミドを導入すると、プラスミドがゲノムに組込まれ
る。したがって、例えばこのlox71をあらかじめ遺伝子
トラップベクターに組込んでおけば、あとでいかなる遺
伝子でも1ox66を用いて挿入することが可能となる。つ
まり、小さな変異を導入した遺伝子やヒトの遺伝子で置
換することも可能となった。
【0036】この変異型lox(1ox71又はlpx66)を利用し
た遺伝子トラップベクターは、以下の通り構築すること
ができる(図6A)。但し、以下のトラップベクターは例
示であって、限定されるものではない。従って、以下の
ベクターにおいて、変異型loxとしてlox71を例示する
が、これに限定されるものではなく、lox71の代わりにl
ox66を用いたものも、本発明のトラップベクターに含ま
れる。また、変異型loxPとはせずに、通常のloxPを用い
たトラップベクターを構築することもできる(図6B)。
【0037】(a) SA-lox71-IRES-M-pA-loxP-pA-PV (b) lox71-IRES-M-pA-loxP-pA-PV (c) SA-lox71-IRES-M-pA-loxP-puro-pA-lox511-PV (d) lox71-M-loxP-pA-lox2272-PV-lox511 (e) lox71-IRES-M-loxP-pA-lox2272-PV-lox511 (f) (lox71が組み込まれたSA)-M-loxP-pA-lox2272-PV-l
ox511 (g) (lox71が組み込まれたSA)-IRES-M-loxP-pA-lox2272
-PV-lox511 (h) (lox71が組み込まれたSA)-M-loxP-pA-lox2272-プロ
モーター-M-lox511-SD (i) loxP-SA-IRES-M-pA-loxP-PV (j) loxP-SA-loxP-IRES-M-pA-loxP-PV
【0038】上記ベクターの構成要素において、SAはス
プライスアクセプターを、SDはスプライスドナーを、IR
ESは分子内リボゾームエントリー部位を、Mはマーカー
遺伝子を、puroはピューロマイシン(puromycin)耐性遺
伝子を、pAはポリA配列を、PVはプラスミドベクターを
表す。
【0039】ところで、トラップベクターがゲノムDNA
に組み込まれる際に、ほとんどのケースでベクターの一
部が欠失し、その結果、ベクターの重要な部分が欠失す
る場合がある。本発明では、そのような欠失を防ぐため
のダミーとして任意配列を付加することが好ましい。こ
のような任意配列をSP配列という。SP配列は、上記ベク
ターの先頭部、最後尾部又はそれらの両方に付加するこ
とができる。図6Aにおいて、pU-8及びpU-12にはSP配列
(「Sp」と表示)を最後尾に付加した態様を示し、図6
Bにおいて、pU-San及びpU-Rokには先頭部及び最後尾の
両方に付加した態様を示した。また、SP配列自体は自由
に決定することができる。SPの配列の長さは100〜1000
塩基、好ましくは300〜400塩基である。また、公知の任
意配列をSPに使用することができる。公知配列として
は、例えばウサギβ-グロビン遺伝子の一部等が挙げら
れる。
【0040】スプライスアクセプターは、スプライシン
グの際にエキソンの3'末端側に連結することができる配
列を意味する。スプライスドナーは、スプライシングの
際にエキソンの5'末端側に連結することができる配列を
意味する。
【0041】IRESは、分子内リボゾームエントリー部位
(internal ribosomal entry site)と呼ばれ、タンパ
ク質合成の際にアミノアシルt-RNAが結合するリボゾー
ム上の部位(A部位)であり、CAP非依存的に翻訳を開始
できるようにするための配列である。
【0042】マーカー遺伝子は、本発明のベクターが標
的遺伝子をトラップできたか否かを示すマーカーとなる
遺伝子であり、大腸菌由来のβ-ガラクトシダーゼ遺伝
子(lacZ遺伝子)、又はlacZ遺伝子とネオマイシン(G4
18)耐性遺伝子との融合遺伝子(β-geo遺伝子)、CAT
遺伝子、GFP遺伝子、SV40ラージT遺伝子、ネオマイシン
耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子、ハイグロマ
イシン耐性遺伝子、ブラストサイジンS耐性遺伝子等が
挙げられる。
【0043】プラスミドベクターは、遺伝子トラップ後
に内在性遺伝子をプラスミドレスキュー法により単離す
るために使用されるものである。従って、トラップベク
ター内のプラスミド(大腸菌で増やせるもの)の一部を
利用して当該プラスミド部分の近接領域を回収すること
ができる。例えば、プラスミドにゲノムDNAが連結され
た場合において、制限酵素処理によりプラスミドとゲノ
ムDNAとが連結した断片を切り出し、切り出した断片を
環状にした後、大腸菌に導入して増殖させると、プラス
ミドに近接したゲノムDNAを回収することができる。プ
ラスミドベクターとしては、例えばpBR322、pUC(pUC1
8、pUC19、pUC118、pUC119等)、pSP(pSP64, pSP65等)、
pGEM(pGEM-3、pGEM-4、pGEM-3Z等)等が挙げられる。
なお、プラスミドベクターには、supF、アンピシリン耐
性遺伝子、複製開始点、及びクローニングのための制限
酵素部位(例えばマルチクローニング部位)を単独で又
は適宜組み合わせて連結しておくことができる。
【0044】上記(a)に示すベクターをpU-8という。pU-
8の基本部分(SA-IRES-β-geo-pA:図7)は、pGT1.8IRES
betageoに由来している。このpGT1.8IRESbetageoは、マ
ウスEn-2遺伝子由来のスプライスアクセプター、脳心筋
炎ウイルス由来のIRES、β-geoを含んでいる。このpGT
1.8IRESbetageoのBglII部位に1ox71を組み込んだ後、Sa
lIで処理し、SalI断片を用意しておく。一方、pUC19な
どのベクターに180塩基対のSP配列、1oxP、及びマウス
ホスホグリセレートキナーゼ-1(PGK)由来のpoly A付
加シグナルを、ベクターのLacZ配列が除去された改変型
ベクターに挿入することによりプラスミドpEBN-SE7tiを
作製する。このプラスミドの制限酵素SalI部位にSA-IRE
S-lox71-β-geoのSalI断片を挿入することにより、pU-8
を作製する。したがって、この構造は、5'側から順に任
意配列、スプライスアクセプター、1ox71、IRES、β-ge
o、pA、loxP、pA、pUC19、任意配列である(図7)。
【0045】上記(b)に示すベクターをpU8deltaとい
う。pU8deltaは、pU-8のスプライスアクセプターを削除
したベクターである。このベクターは、lox71がレポー
ターであるβ-geoの前に、1oxPがβ-geoの後ろに接続さ
れた構成となっている。このような構成としたのは、ベ
クターが組込まれたのちに、Creを一過性に発現させる
ことで、中間のIRESとβ-geo部分を完全に除去できるか
らである。その結果、プラスミドpUC19が上流に存在す
るマウス内在性遺伝子の近傍に位置することになり、マ
ウス内在性遺伝子を容易に単離することができる。
【0046】上記(c) に示すベクターを「pU-12」とい
う。このベクターは、SA-lox71-IRES-M-pA-loxP-puro-p
A-lox511-PVで構成されている。pU12トラップベクター
を構築するために、まずpE3NSE7のPGK poly(A)シグナル
をピューロマイシン耐性遺伝子+PGK poly(A)シグナル
に置き換え、さらにその下流のBglII部位にlox511を挿
入する。得られるプラスミドの制限酵素部位にpU-Hachi
からのSA-IRES-lox71-β-geoのSalI断片を挿入すること
により、pU-12を得ることができる。
【0047】上記(d) に示すベクターを「pU-15」とい
う。このベクターは、lox71-M-loxP-pA-lox2272-PV-lox
511で構成されている。ここで、「lox2272」は、loxPの
スペーサー領域(gcatacat)のうち、第2番目のcをg
に、第7番目のaをtに置換した配列(ggatactt)を有す
るものをいう。また、「lox511」は、loxPのスペーサー
領域(gcatacat)のうち、第2番目のcをtに置換した配
列(gtatacat)を有するものをいう。lox511及びlox227
2は、loxP配列のスペーサー部分に変異があるため、そ
れ自身(lox511同士、lox2272同士)とは組換えを起こ
すが、loxPやlox71とは組換えを起こさない変異lox配列
である。なお、lox2272及びlox511の配列順序はどちら
を前方又は後方にしてもよく、任意に選択することがで
きる(以下同様)。
【0048】上記(e) に示すベクターを「pU-16」とい
う。このベクターは、lox71-IRES-M-loxP-pA-lox2272-P
V-lox511で構成されており、pU-15のlox71とマーカー
(β-geo)との間にIRESを挿入することにより作製する
ことができる。上記(f) に示すベクターを「pU-17」と
いう。このベクターにおいて、1ox71はSAの一部の領域
に挿入されている。例えば、pSPプラスミドに、lox51
1、loxP、PGK poly(A)シグナル、lox2272を挿入してプ
ラスミドを構築し、次に、pU-HachiのSA内にlox71配列
を挿入し、続いてβ-geoをこの順に挿入する。このプラ
スミドを、先に構築しておいたプラスミドと連結するこ
とにより、pU-17を得ることができる。
【0049】上記(g)に示すベクターを「pU-18」とい
う。このベクターも、pU-17と同様、SAの中にlox71が挿
入されている。pU-18は、pU-17のSAとβ-geoとの間にIR
ESを挿入することにより得ることができる。上記(h)に
示すベクターは、(lox71が組み込まれたSA)-M-loxP-pA-
lox2272-プロモーター-M-lox511-SDで構成される。この
ベクターは、pU-17内のPVの代わりに プロモーター及び
Mをこの順で挿入し、lox511の後方にSDを連結すること
により得ることができる。このベクターには、プロモー
ターが付加されている。プロモーターとしては、特に限
定されるものではなく、任意のものを使用することがで
きる。例えば、後述の形質転換体作製の項に記載の細菌
由来プロモーター、酵母由来プロモーターなどのほか、
SP6 RNAポリメラーゼプロモーター、T7RNAポリメラーゼ
プロモーター、T3RNAポリメラーゼプロモーターなどのR
NAポリメラーゼプロモーター、あるいは、EF1(伸長因
子1)プロモーター、PGK(グリセロリン酸キナーゼ)プ
ロモーター、MC1(ポリオーマエンハンサー/単純ヘルペ
スウイルスチミジンキナーゼ)プロモーターなどの哺乳
動物由来プロモーターを例示することができる。
【0050】上記(i)に示すベクターを「pU-San」とい
い、上記(j)に示すベクターを「pU-Rok」という。pU-Sa
nは、pU-8に使用されているlox71がloxPとなっているこ
とを除き、その構成はpU-8と同じである。換言すれば、
pU-SanのloxPをlox71で置換すると、pU-8となる。pU-Ro
kは、pU-SanのSAとIRESとの間にloxPを挿入することに
より得ることができる。
【0051】3.遺伝子トラップ 前記の通り作製されたベクターを用い、2段階の遺伝子
トラップを行う。第1段階は通常の遺伝子トラップ法で
ある。「通常の遺伝子トラップ」とは、ES細胞に前記ト
ラップベクターを導入し、ES細胞内に本来的に存在する
内在性遺伝子をトラップすることを意味する。これによ
り、ES細胞中の内在性遺伝子は破壊される。なお、この
ES細胞を用いて、後述の遺伝子破壊動物(例えばノック
アウトマウス)を作製することができる。そして、トラ
ップされた内在性遺伝子(図8、遺伝子X)を単離した
後に、大腸菌の中で部位特異的変異導入法等の方法でこ
の遺伝子に微細な変異を導入し(図8、遺伝子X')、こ
れをプラスミド上で1ox66の下流につなぎ、第2段階の
遺伝子トラップを行う(図8)。なお、遺伝子Xに変異
を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知
の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。
例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用
キット(例えばMutan-K又はMutan-G(宝酒造))などを用
いて、あるいは、LA PCR in vitro Mutagenesis シリー
ズキット(宝酒造)を用いて変異の導入が行われる。
【0052】第2段階の遺伝子トラップは、1ox66の下
流に連結された内在性遺伝子の変異型(遺伝子X')をES
細胞に導入することを意味する。これにより、第1段階
で導入されたトラップベクターの1ox71部位が、第2段
階で導入したベクターのlox66との間で組換えを起こ
し、「(lox71/66)-(遺伝子X')-(loxP)」で構成される
カセットを含む改変した遺伝子を導入できる(図8)。こ
の方法によれば、改変した内在性遺伝子のみならず、ヒ
ト遺伝子で置換することも可能であり、あらゆる遺伝子
を導入することができる。これを本発明において可変型
遺伝子トラップ法と名付ける。
【0053】4.トラップベクターが組み込まれたクロ
ーン(ES細胞)のスクリーニング 遺伝子トラップベクターをES細胞に導入しネオ耐性クロ
ーンを選別すれば、これらはマウス内在性遺伝子の下流
にトラップベクターが組み込まれているクローンである
とみなされる。これらのクローンからDNAを抽出し、サ
ザンブロット法等により解析し、トラップベクターが1
コピーのみ組み込まれているクローンを選択する。この
選択方法を用いることにより、効率良くマウス遺伝子を
トラップしているクローンを選択できることがわかった
ので、これをスクリーニング系として用いる。
【0054】(1)ネオ耐性クローンの単離 本発明において、トラップベクターをES細胞に導入する
には、エレクトロポレーション法、マイクロインジェク
ション法等が採用される。例えば、トラップベクター10
0μgを電気穿孔法(バイオラッドGenePulserを用い、800
V, 3μFの条件下)にて0.8m1のリン酸緩衝液中に浮遊さ
せた3000万個のTT2 ES細胞に導入し、200μg/m1の濃度
のG418存在下で培養する。1週間後に、ネオ耐性クロー
ンを単離する。
【0055】遺伝子トラップベクターはES細胞のゲノム
上にランダムに組み込まれる。したがって、単にトラッ
プベクターをES細胞に導入しただけでは、必ずしも遺伝
子の中に組み込まれるわけではなく、遺伝子とは関係の
ない場所にも組み込まれる。しかし、トラップベクター
内には薬剤耐性遺伝子であるネオ耐性遺伝子がまれてい
るので、それが発現している細胞は、ネオマイシン(G41
8ともいう)耐性となる。逆に言えば、ネオマイシン存在
下で生存する細胞は、ネオ耐性遺伝子を発現しているこ
とになる。トラップベクター内のネオ耐性遺伝子は、ES
細胞で発現しているマウスの遺伝子の下流に組み込まれ
ないと発現しない。したがって、発現するということ
は、ある遺伝子の下流に組み込まれたことを意味する。
【0056】(2)組込みパターンによるESクローンの選
別 ESクローンから常法にしたがってDNAを抽出し、サザン
ブロット法等により組込みパターンを解析する。サザン
ブロットのパターンが単一バンドとして現れた場合は、
1コピーのみが組込まれていると判断できるため、その
パターンを表したDNAを選別する。これは、プラスミド
によるマウス内在性遺伝子の単離を容易に行なえるクロ
ーンを選別するためであり、また、1コピーでネオ耐性
となるクローンでは、実際にマウス遺伝子をトラップし
ている確率が極めて高いからである。
【0057】5.キメラ動物作製によるトラップ系統
(トランスジェニック動物)の樹立 キメラ動物の作製は標準的な方法で行う(図9)。本発
明において作製されるキメラ動物の種類は特に限定され
るものではない。例えば、マウス、ラット、モルモッ
ト、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ等が挙げられ
る。本発明においては、取り扱いが容易で繁殖もしやす
いマウスが好ましい。
【0058】ネオマイシンで選別したES細胞を動物由来
の桑実胚と凝集させ(ES細胞と桑実胚との集合体を形成
させること)、キメラ動物胚(例えば胚盤胞まで発生し
たもの)を作製する。これらを不妊雄と交尾し偽妊娠状
態となった仮親の子宮に移植する。例えばマウスの場合
は約17日後に子が生まれるので、仮親から生まれた子の
うちキメラ動物を選ぶ。キメラの寄与率が高い動物は、
生殖系列の可能性が高いが、キメラ動物を正常動物と交
配することにより、生殖系列のキメラ動物であることの
確認が可能である。
【0059】その後正常な雌と交配し、F1を得て変異動
物系統を樹立する。系統(トランスジェニック動物)樹
立ができたもののみについて以下の解析を行なう。な
お、F1からの精子、及び該精子を用いて体外受精を行な
って得られる2細胞期胚は、超急速凍結法にて凍結保存
しておくことができる。
【0060】(1)発現パターンの解析 F1動物を交配し、胚(例えばマウスの場合9.5日目のも
の)と成体における発現パターンを解析する。 (2)表現型の解析 樹立した動物系統について、ヘテロ及びホモ動物の表現
型を解析する。表現型の解析は、肉眼的観察、解剖によ
る内部の観察、各臓器の組織切片、X線撮影による骨格
系、行動や記憶、血液を用いて行う。
【0061】(3)トラップした遺伝子の単離と構造解
析、染色体地図の作成 トラップクローンからDNAの単離と塩基配列の決定を行
ない(後述)、ホモロジーサーチを行なう。その結果、
得られた配列情報が既知遺伝子、EST、未知遺伝子及び
リピートのいずれに属するのか、区別しておく。ESTと
未知遺伝子については、染色体地図を作成することもで
きる。染色体地図は、蛍光in situ hybridization(FIS
H)法、またはマイクロサテライトプローブ等を用いた連
関解析若しくは放射線照射による雑種細胞を用いた解析
によって行なう。染色体上の位置が明らかになれば、既
存の変異マウスの位置と対比し、一致するかどうかも調
べておく。
【0062】(4)データベース構築 樹立した各系統について、マーカー遺伝子の胚(例えば
マウスの場合10日目の胚)と成体における発現パター
ン、F1およびF2動物における表現型、トラップした動物
内在性DNAの塩基配列、ESTと未知遺伝子についてはその
染色体上の位置について、データベースを作成する。
【0063】6.ノックアウト動物 本発明のノックアウト動物は、遺伝子の機能が失われる
ように処理されたものである。その処理方法について説
明する。本発明において使用し得る動物としては、マウ
ス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブ
タ、イヌ等が挙げられる。本発明においては、取り扱い
が容易で繁殖もしやすいマウスが好ましい。
【0064】未知遺伝子を含むゲノム DNAを、動物ES細
胞から調製したゲノムDNAから PCRにより、又はゲノム
ライブラリーから得、これに本発明のトラップベクター
に組み込む。この操作により、このエクソンの機能は破
壊される。これと同時にベクターの中にネガティブ選別
用のチミジンキナーゼ (tk) 遺伝子又はジフテリア (D
T) 毒素遺伝子を繋げておく。エレクトロポレーション
等によりトラップベクターをES細胞に導入し、この細胞
をポジティブ選別用のネオマイシン及びネガティブ選別
用の核酸類似体 FIAU (fluoroiodoadenosyluracil)、又
はジフテリア毒素の存在下で培養する。この選別により
トラップベクターが挿入されたES細胞のみが残る。この
ESクローンでは、破壊されたエクソンを含む遺伝子がノ
ックアウトされる。得られた細胞を仮親の子宮に移植
し、その後生まれるキメラ動物を選ぶ。キメラ動物と正
常動物との交配により、ヘテロ接合体動物が得られ、ヘ
テロ接合体同士の交配によりホモ接合体を得ることがで
きる。
【0065】なお、ノックアウトマウスが得られたこと
の確認は、外見上の異常の有無及び解剖を行った際の諸
組織-臓器の異常を観察することもできる。さらに、組
織からRNAを抽出し、ノーザンブロット解析により遺伝
子の発現パターンを解析し、必要に応じて血液を採取
し、血液検査や血清生化学検査を実施してもよい。
【0066】7.遺伝子の単離、組換えベクターの構築
及び形質転換体の作製 (1) 遺伝子の単離 本発明においては、前記の通りトラップされた遺伝子の
クローニングを行い、構造解析を行うことができる。
【0067】トラップクローンからDNAの単離は、通常
行われる手法により行うことができる。例えば、トラッ
プクローンのmRNAからクローニングする場合は、まず、
トラップクローンをグアニジン試薬、フェノール試薬等
で処理して全RNAを得た後、オリゴdT-セルロース又はセ
ファロース2Bを担体とするポリU-セファロース等を用い
たアフィニティーカラム法、あるいはバッチ法によりポ
リ(A+)RNA(mRNA)を得る。得られたmRNAを鋳型として、
オリゴdTプライマー及び逆転写酵素を用いて一本鎖cDNA
を合成した後、該一本鎖cDNAから二本鎖cDNAを合成す
る。このようにして得られた二本鎖cDNAを適当な発現ベ
クター(例えばλgt11等)に組み込むことによって、cDNA
ライブラリーを得る。
【0068】上記の通り得られた遺伝子について塩基配
列の決定を行う。塩基配列の決定はマキサム-ギルバー
トの化学修飾法、又はDNAポリメラーゼを用いるジデオ
キシヌクレオチド鎖終結法等の公知手法により行うこと
ができる。通常は、自動塩基配列決定装置等により塩基
配列を決定することができる。また、cDNAの5'領域又は
3'領域の塩基配列が未決定の場合は、5'-RACE法、3'-RA
CE等を用いて全塩基配列の決定を行う。RACE (Raped Am
plification of cDNA Ends)法は、当該技術分野におい
て周知であり(Frohman,M.A. et al., Methods Enzymo
l. Vol. 218, pp340-358 (1993))、RACEを行うための
キットも市販されている(例えば、Marathon TM cDNA Am
plification Kit; CLONETECH社、その他)。
【0069】本発明においてノックアウトされたTubedo
wn-1遺伝子の塩基配列を配列番号7に、該遺伝子により
コードされるアミノ酸配列を配列番号8に示す。塩基配
列解析の結果、トラップベクターは配列番号7に示す塩
基配列の413番目と414番目との間に挿入されていた。な
お、Tubedown-1遺伝子の翻訳領域は、配列番号7に示す
塩基配列の355番目から2949番目であることから、トラ
ップベクターはゲノムのエクソン領域に挿入されたもの
と考えられる。一旦本発明の遺伝子の塩基配列が決定さ
れると、その後は、化学合成によって、又は決定された
当該塩基配列から合成したプライマーを用いたPCRによ
って、本発明の遺伝子を得ることができる。
【0070】(2) 組換えベクターの構築 目的とする遺伝子断片を精製し、ベクターDNAと連結す
る。ベクターとしては、ファージベクター、プラスミド
ベクター等の任意のものを用いることができる。DNAと
ベクターとの連結手法は、当該分野で周知である(J. Sa
mbrook, et al.,Molecular cloning, A Laboratory Man
ual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory
Press, 1989)。さらに、これより組換えベクターを作
製し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望の組
換えベクターを調製する。
【0071】(3) 形質転換体 本発明の形質転換体は、本発明の組換えベクターを、目
的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することによ
り得ることができる。ここで、宿主は、本発明のDNAを
発現できるものであれば特に限定されるものではない。
例えば、細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞等が挙げられ
る。
【0072】大腸菌等の細菌を宿主とする場合は、本発
明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると
同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明の
遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好ま
しい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれて
いてもよい。大腸菌としては、例えばエッシェリヒア・
コリ(Escherichia coli)K12、DH1などが挙げられ、枯草
菌としては、例えばバチルス・ズブチリス(Bacillus su
btilis)などが挙げられる。プロモーターは、大腸菌等
の宿主中で発現できるものであればいずれを用いてもよ
い。例えばtrpプロモーター、lacプロモーター、PLプロ
モーター、PRプロモーターなどの、大腸菌やファージに
由来するプロモーターが用いられる。tacプロモーター
などのように、人為的に設計改変されたプロモーターを
用いてもよい。細菌への組換えベクターの導入方法は、
細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるもの
ではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法(Cohe
n, S.N. et al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 69:2
110-2114 (1972))、エレクトロポレーション法(Becker,
D.M. et al.:Methods. Enzymol., 194: 182-187 (19
90))等が挙げられる。
【0073】酵母を宿主とする場合は、例えばサッカロ
ミセス・セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)、シゾ
サッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)
などが用いられる。この場合、プロモーターとしては酵
母中で発現できるものであれば特に限定されず、例えば
gal1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショッ
クタンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、PHO5
プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、AD
Hプロモーター、AOX1プロモーター等が挙げられる。酵
母への組換えベクターの導入方法は、酵母にDNAを導入
する方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポ
レーション法、スフェロプラスト法(Hinnen, A. et a
l.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 75: 1929-1933 (1
978))、酢酸リチウム法(Itoh, H.:J. Bacteriol., 15
3:163-168 (1983))等が挙げられる。
【0074】動物細胞を宿主とする場合は、COS細胞、V
ero細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細
胞)、マウス骨髄腫細胞などが用いられる。プロモータ
ーとしてSRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプ
ロモーター、EF1プロモーター、PGKプロモーター、MC1
プロモーター等が用いられ、また、ヒトサイトメガロウ
イルスの初期遺伝子プロモーター等を用いてもよい。動
物細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えば
エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポ
フェクション法等が挙げられる。昆虫細胞を宿主とする
場合は、Sf9細胞、Sf21細胞などが挙げられる。昆虫細
胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばリン
酸カルシウム法、リポフェクション法、エレクトロポレ
ーション法などが用いられる。
【0075】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範
囲が限定されるものではない。 〔実施例1〕 遺伝子トラップベクター変異体の作製 (1) pU-8トラップベクターの構築 pU-8ベクターはpGT1.8IRESβ-geoに由来し、マウスEn-2
遺伝子からのSA配列と、脳心筋炎ウイルス由来のIRES配
列に連結したβ-geo配列とを含有する。まず、lox71のB
amHI断片をpGT1.8IRESβ-geoのBglII部位に挿入した。
次いで、ウサギβ-グロビン遺伝子の一部である180bpの
配列、loxP配列、及びマウスホスホグリセレートキナー
ゼ-1(PGK)由来のpoly A付加シグナルを、ベクターpUC
19のLacZ配列が除去された改変型ベクターに挿入するこ
とにより、プラスミドpEBN-SE7tiを構築した。SP配列
は、トラップベクターの3'側を保護するために使用し
た。プラスミドpEBN-SE7tiのSalI部位にSA-IRES-lox71-
β-geoのSalI断片を挿入することにより、pU-Hachiを得
た。
【0076】(2) pU-12トラップベクターの構築 pU-12トラップベクターを構築するために、まずpE3NSE7
のPGK poly(A)シグナルをピューロマイシン耐性遺伝子
+PGK poly(A)シグナルに置き換え、さらにその下流のB
glII部位にlox511を挿入したプラスミドを作製した。そ
のプラスミドのSalI部位にpU-HachiからのSA-IRES-lox7
1-β-geoのSalI断片を挿入することにより、pU-12を得
た。
【0077】(3) pU-17トラップベクターの構築 まず、pSP73(Promega)に、lox511、loxP、PGK poly
(A)シグナル、lox2272をこの順で挿入し、プラスミドpS
P5PP2を構築した。次に、pU-HachiのSA内に2箇所あるBa
mHIのうち上流のBamHI部位で切断し、pBluescriptII KS
+ プラスミドに、SA前半のBamHIまでのDNA断片、lox71
配列、SA後半BamHIからKpnIまでのDNA断片、β-geoのNc
oIからSalI部位までをこの順に挿入し、プラスミドpKS+
S71Aβgeoを構築した。このpKS+S71Aβgeoからlox71を
含むSA-βgeoのXbaI断片を切り出し、これをpSP5PP2のS
peI部位に挿入することによりpU-17を得た。
【0078】(4) pU-San及びpU-Rokトラップベクターの
構築 pU-Sanベクターは、pU-8を作製する際に使用したlox71
の代わりにloxPを使用した点以外は、pU-8と同様にして
構築した。pU-Rokベクターは、pU-SanのSA(En2)とIRES
との間にloxPを挿入することにより構築した。
【0079】〔実施例2〕 ES細胞クローンの選別 ネオマイシン耐性初代マウス線維芽細胞をPEF培地でコ
ンフルエントに培養した後、100μg/mlマイトマイシンC
で3時間処理し、0.25%トリプシンで処理した。トリプ
シン処理した細胞を、0.01%ゼラチンコート培養ディッ
シュに播種し、ES細胞用フィーダー細胞とした。pU-8ト
ラップベクターを用いたエレクトロポレーションにおい
ては、100μgのSpeIで消化したDNA及び3×107個のES細
胞を用いた。ES細胞を0.8mlのPBSに懸濁し、Bio-Rad Ge
ne Pulserを用いて、以下のいずれかの条件でエレクト
ロポレーションを行った。
【0080】(i)電極間距離: 0.4 cm、電圧:0.2 k
V、キャパシタンス: 960μF、抵抗:無し (ii)電極間距離: 0.4 cm、電圧: 0.8 kV、キャパシタ
ンス: 3μF、抵抗:無し 48時間後、200μg/mlのG418の存在下で培養した。選別
を7日間維持し、コロニーを24ウェルプレートにまいて
増殖させ、凍結保存した。トラップクローンをサザンブ
ロッティングにより解析し、単一コピーの組み込みパタ
ーンを示す細胞株を選別した。
【0081】トラップクローンからβ-geo配列を除去す
るため、pCAGGS-Cre(Araki, K. etal., Proc. Natl. A
cad. Sci. USA, 92:160-164,1995; Araki, K. et al.,
Nucl. Acids Res.,25:868-872,1997; Araki, K. et a
l., J. Biochem. Tokyo, 122:977-982, 1997)を環状の
形態でエレクトロポレーションにより導入した。細胞数
が1.5×107個、PBS容量が0.4mlであることを除き上記と
同一の条件でエレクトロポレーションを行った。
【0082】処理された細胞の半分を1枚の100mmプレー
トにまき、48時間増殖させた。次に、1×103個/プレー
トの濃度で100mmのプレートに再度まき、コロニーを形
成させた。1週間後、コロニーを取り上げ、DNA調製のた
めに増殖させた。トラップベクターのlox71部位に組み
込みが行われるよう設計した共エレクトロポレーション
を行うため、20μgの各プラスミド(p662IEGPPac, p662
INZPPac又はp66PGKPac-5)及びpCAGGS-Creを環状形態で
使用した。
【0083】なお、プラスミドp66PGKPac-5は、lox66断
片及びPGKプロモーター-ピューロマイシン耐性遺伝子コ
ード配列を、pSP73ベクター(Promega)に挿入すること
により構築した。プラスミドp662IEGPPacは、pSP73ベク
ター(Promega)、IRES配列、EGFP遺伝子(Clonetec
h)、PGKプロモーター、Pca遺伝子及びlox66配列から構
築した。プラスミドp662INZPPacは、p662IEGPPacのEGFP
遺伝子を、SV40ラージT遺伝子由来の核局在シグナルと
融合したlacZ遺伝子で置換することにより構築した。
【0084】PBS中、1×107個/0.8mlの細胞をエレクト
ロポレーションにかけた(200V, 950μF)。48時間後、
2μg/mlのピューロマイシンを用いて3日間選別にかけ、
その後通常の培地に細胞を移した。エレクトロポレーシ
ョン後9日目にコロニーを取り上げ、増殖させた。
【0085】公知方法(Abe, K.,Niwa,H. et al., Exp.
Ce11 Res. 229: 27-34, 1996)に従って胚様体(EB)
の生産を行った。ES細胞中のβ-ガラクトシダーゼ活性
及びEBは、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル β-D-ガラ
クトピラノシド(X-gal)で染色することにより測定した
(Gossler, A. and Zachgo, J., Gene Targeting: A Pra
ctical Approach, Joyner, A. (ed.), Oxford Universi
ty Press, Oxford, 1993, pp.181-227)。
【0086】トラップベクターpU-8を直鎖状にしてTT2
ES細胞に導入し、クローン(Ayu-8030クローン)を単離
した。Ayu-8030クローンは、独立行政法人産業技術総合
研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目
1番地1)に、平成13年(2001年)5月23日付で寄託さ
れている(受託番号:FERM P-18341)。
【0087】〔実施例3〕 キメラマウスの作製及び遺伝
子解析 (1) マウスへのクローン導入 トラップしたESクローン(Ayu-8030)をICRマウス由来
の8細胞期胚と凝集させ、1晩培養した。翌日、ES細胞
と8細胞期胚とが凝集しあい、1つの胚盤胞へと発生し
たものを選択した。これらのキメラ胚約20個を不妊雄と
交尾した雌(仮親)の子宮の中へ移植した。約17日後に
出生し、性成熟する生後8週以降にキメラマウスを雌の
マウスと交配し、ESクローン由来のF1マウス(ヘテロ接
合体)個体を得た。F1個体同士を交配したが、ホモ接合
体は8.5日胚より前に致死であるが、ヘテロ接合体は正
常に生まれ、外観上特に目立った表現型は見られなかっ
た。
【0088】(2) トラップした遺伝子の解析 (i)RNAの抽出 トラップしたES細胞(Ayu-8030)からのサンプルにTRIz
ol reagent(GIBCO-BRL、Gaithersburg, MD)を加え、
ポリトロンホモジナイザーで細胞を破壊した。0.2倍量
のクロロホルムを加え激しく振とう後、4℃で15分間遠
心し、上層を注意深く取った。等量のプロパノールを加
え、撹拌し沈殿させた。遠心後上清を捨て沈殿したRNA
を75%エタノールでリンスし、風乾した。0.5 ml TEに溶
解し、-80℃で保存した。
【0089】(ii)トラップされた遺伝子のcDNAの解析 上記RNAサンプルを元に、5'-RACE法を用いてトラップさ
れた遺伝子の一部(約380bp)を得た。使用したプライマ
ーは5'-TCCTCTTTGTTAGGGTTCTTCTTC-3'(配列番号9)で
あった。インターネット上に登録されている遺伝子(ES
Tを含む)のデータベースを検索したところ、数種のマ
ウスESTとホモロジーが高いことがわかった。トラップ
ベクターは開始コドンのすぐ近くの下流に挿入されてい
た。また、RT-PCRにより、開始コドンから終始コドンま
での配列を含む約3KbのcDNAフラグメントを得、正確な
塩基配列を決定した。RT-PCRに使用したプライマーは以
下の通りである。 5'-AGTTACCACGTGAACCGCC-3'(配列番号10) 5'-CAAAGTCATTCCATTTGCTTGT-3'(配列番号11)
【0090】(iii) 結果 上記の通り得られた遺伝子の塩基配列決定を行った結
果、配列番号6に示す配列が得られた。これは、公知のT
ubedown-1遺伝子の相当することが判明した。従って、
本発明のノックアウトマウスは、Tubedown-1遺伝子が破
壊されたものであることが判明した。
【0091】
【発明の効果】本発明により、ノックアウトマウスが提
供される。本発明のノックアウトマウスは、血管形成や
血球の発達のプロセス、あるいはこれらをターゲットと
した新薬の開発のためのモデル動物として利用できる。
【0092】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> JAPAN SCIENCE AND TECHNOLOGY CORPORATION IDE, HIROYUKI <120> KNOCKOUT ANIMAL <130> P01-0333 <140> <141> <160> 11 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 1 taccgttcgt atagcataca ttatacgaag ttat 34 <210> 2 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 2 ataacttcgt atagcataca ttatacgaac ggta 34 <210> 3 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 3 ataacttcgt atagcataca ttatacgaag ttat 34 <210> 4 <211> 13 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 4 ataacttcgt ata 13 <210> 5 <211> 13 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 5 tatacgaagt tat 13 <210> 6 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 6 taccgttcgt atagcataca ttatacgaac ggta 34 <210> 7 <211> 3000 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <221> CDS <222> (355)..(2949) <400> 7 tgacccgggt gggaaagccc tccgagtccg ccattttggc tgcctctgtc ggtcttttca 60 gttaccacgt gaaccgccga cggagacccg ggagggggga ggtggcggcg gcgttaagtg 120 agaaaggggg aaaaggagga gagagagaga gagagagaaa aaaaagaaaa gaaaaaaaaa 180 aagaggcgaa gggagtgtca ggacagggcg ggcgcggcga ccccggaggc ctagtggcgg 240 cggagtgaag gcttcaaggc tgaagtgagc tcgggaacgg cagtggcggc ggcgggcgga 300 caaacggact gagcgagccg ggcggtggcg ggagccgcgg gaggagccgg aacc atg 357 Met 1 ccg gcc gtg agc ctc ccg ccc aag gag aac gcg ctc ttc aag cgg atc 405 Pro Ala Val Ser Leu Pro Pro Lys Glu Asn Ala Leu Phe Lys Arg Ile 5 10 15 ttg aga tgt tat gaa cat aaa cag tat aga aat gga ttg aag ttc tgt 453 Leu Arg Cys Tyr Glu His Lys Gln Tyr Arg Asn Gly Leu Lys Phe Cys 20 25 30 aaa caa atc ctt tcc aat ccc aaa ttt gca gag cat gga gaa acc ctg 501 Lys Gln Ile Leu Ser Asn Pro Lys Phe Ala Glu His Gly Glu Thr Leu 35 40 45 gct atg aaa gga tta acg ttg aac tgt ttg gga aaa aag gaa gaa gct 549 Ala Met Lys Gly Leu Thr Leu Asn Cys Leu Gly Lys Lys Glu Glu Ala 50 55 60 65 tat gaa ttg gtt cgc aga ggt ttg aga aat gac tta aag agt cat gtg 597 Tyr Glu Leu Val Arg Arg Gly Leu Arg Asn Asp Leu Lys Ser His Val 70 75 80 tgt tgg cat gtt tat ggc ctt ctt caa agg tca gac aag aag tat gat 645 Cys Trp His Val Tyr Gly Leu Leu Gln Arg Ser Asp Lys Lys Tyr Asp 85 90 95 gaa gcc att aag tgc tac aga aat gca ctg aaa tgg gat aaa gac aat 693 Glu Ala Ile Lys Cys Tyr Arg Asn Ala Leu Lys Trp Asp Lys Asp Asn 100 105 110 ctt cag atc tta aga gat ctt tcc tta ctg cag att caa atg cga gat 741 Leu Gln Ile Leu Arg Asp Leu Ser Leu Leu Gln Ile Gln Met Arg Asp 115 120 125 ctt gag ggc tat agg gaa aca aga tac cag ttg ctt cag ctt cgg cct 789 Leu Glu Gly Tyr Arg Glu Thr Arg Tyr Gln Leu Leu Gln Leu Arg Pro 130 135 140 145 gca cag aga gca tca tgg att ggt tat gct att gct tac cat tta tta 837 Ala Gln Arg Ala Ser Trp Ile Gly Tyr Ala Ile Ala Tyr His Leu Leu 150 155 160 gaa gac tat gaa atg gca gca aaa att tta gaa gag ttt agg aaa aca 885 Glu Asp Tyr Glu Met Ala Ala Lys Ile Leu Glu Glu Phe Arg Lys Thr 165 170 175 cag cag aca tct cct gat aaa gtg gat tat gaa tat agt gaa ctc ctc 933 Gln Gln Thr Ser Pro Asp Lys Val Asp Tyr Glu Tyr Ser Glu Leu Leu 180 185 190 tta tat cag aat caa gtt ctt cgg gaa gca ggt ctt tat aga gaa gcc 981 Leu Tyr Gln Asn Gln Val Leu Arg Glu Ala Gly Leu Tyr Arg Glu Ala 195 200 205 ctg gaa cat ctt tgt acc tat gaa aag cag att tgt gat aaa ctt gct 1029 Leu Glu His Leu Cys Thr Tyr Glu Lys Gln Ile Cys Asp Lys Leu Ala 210 215 220 225 gtt gaa gaa acc aaa ggg gaa ctt ctg ttg cag ttg tgt cgt ttg gaa 1077 Val Glu Glu Thr Lys Gly Glu Leu Leu Leu Gln Leu Cys Arg Leu Glu 230 235 240 gat gct gct gac gtt tat aga gga tta caa gag agg aat cct gaa aat 1125 Asp Ala Ala Asp Val Tyr Arg Gly Leu Gln Glu Arg Asn Pro Glu Asn 245 250 255 tgg gcc tat tac aaa ggc tta gaa aaa gca ctg aag cca gct aat atg 1173 Trp Ala Tyr Tyr Lys Gly Leu Glu Lys Ala Leu Lys Pro Ala Asn Met 260 265 270 tta gaa cgg cta aaa ata tat gag gaa gcc tgg act aaa tac ccc agg 1221 Leu Glu Arg Leu Lys Ile Tyr Glu Glu Ala Trp Thr Lys Tyr Pro Arg 275 280 285 gga ctc gtg cca aga agg ctg ccc tta aac ttt tta tct gga gag aag 1269 Gly Leu Val Pro Arg Arg Leu Pro Leu Asn Phe Leu Ser Gly Glu Lys 290 295 300 305 ttt aag gag tgt ttg gat agg ttc cta agg atg aat ttc agc aag ggc 1317 Phe Lys Glu Cys Leu Asp Arg Phe Leu Arg Met Asn Phe Ser Lys Gly 310 315 320 tgt cca cct gtc ttc aat acc ttg agg tct tta tac aga gat aaa gag 1365 Cys Pro Pro Val Phe Asn Thr Leu Arg Ser Leu Tyr Arg Asp Lys Glu 325 330 335 aag gtg gca atc gta gaa gaa cta gta gtt ggt tat gaa act tct cta 1413 Lys Val Ala Ile Val Glu Glu Leu Val Val Gly Tyr Glu Thr Ser Leu 340 345 350 aaa agt tgt cgc cta ttt aac ccc aat gat gat gga aag gag gaa cct 1461 Lys Ser Cys Arg Leu Phe Asn Pro Asn Asp Asp Gly Lys Glu Glu Pro 355 360 365 cca acc aca tta ctt tgg gtc cag tac tat ttg gca cag cat tat gat 1509 Pro Thr Thr Leu Leu Trp Val Gln Tyr Tyr Leu Ala Gln His Tyr Asp 370 375 380 385 aaa att ggt cag cca tcc att gct ctg gaa tac ata aat act gca att 1557 Lys Ile Gly Gln Pro Ser Ile Ala Leu Glu Tyr Ile Asn Thr Ala Ile 390 395 400 gaa agt aca cca aca ttg ata gaa ctc ttt ctt gta aaa gct aaa atc 1605 Glu Ser Thr Pro Thr Leu Ile Glu Leu Phe Leu Val Lys Ala Lys Ile 405 410 415 tat aag cat gct ggg aat att aaa gaa gct gcc agg tgg atg gat gaa 1653 Tyr Lys His Ala Gly Asn Ile Lys Glu Ala Ala Arg Trp Met Asp Glu 420 425 430 gcc cag gcc ctg gac aca gca gac aga ttt att aat tcc aag tgt gca 1701 Ala Gln Ala Leu Asp Thr Ala Asp Arg Phe Ile Asn Ser Lys Cys Ala 435 440 445 aaa tac atg tta aaa gcc aac ctg att aaa gag gct gaa gaa atg tgt 1749 Lys Tyr Met Leu Lys Ala Asn Leu Ile Lys Glu Ala Glu Glu Met Cys 450 455 460 465 tcc aag ttt acg agg gaa gga act tca gcg gta gag aac ctg aat gaa 1797 Ser Lys Phe Thr Arg Glu Gly Thr Ser Ala Val Glu Asn Leu Asn Glu 470 475 480 atg cag tgt atg tgg ttc cag aca gag tgt gct cag gca tac aaa gca 1845 Met Gln Cys Met Trp Phe Gln Thr Glu Cys Ala Gln Ala Tyr Lys Ala 485 490 495 atg aac aaa ttt ggt gaa gca ctt aag aaa tgt cat gaa att gag aga 1893 Met Asn Lys Phe Gly Glu Ala Leu Lys Lys Cys His Glu Ile Glu Arg 500 505 510 cat ttt ata gaa atc acc gat gac cag ttt gac ttt cat aca tac tgt 1941 His Phe Ile Glu Ile Thr Asp Asp Gln Phe Asp Phe His Thr Tyr Cys 515 520 525 atg agg aag atc acc ctt aga tca tat gtg gac tta tta aaa cta gaa 1989 Met Arg Lys Ile Thr Leu Arg Ser Tyr Val Asp Leu Leu Lys Leu Glu 530 535 540 545 gat gta ctt cga cag cat cca ttt tac ttc aaa gca gcg agg att gct 2037 Asp Val Leu Arg Gln His Pro Phe Tyr Phe Lys Ala Ala Arg Ile Ala 550 555 560 att gag atc tat ttg aag ctt cat gac aac cct ctg aca gat gag aac 2085 Ile Glu Ile Tyr Leu Lys Leu His Asp Asn Pro Leu Thr Asp Glu Asn 565 570 575 aaa gaa cac gag gct gat aca gca aac atg tct gac aaa gag cta aag 2133 Lys Glu His Glu Ala Asp Thr Ala Asn Met Ser Asp Lys Glu Leu Lys 580 585 590 aaa ctg cgt aat aaa caa aga aga gct caa aag aaa gcc cag ata gaa 2181 Lys Leu Arg Asn Lys Gln Arg Arg Ala Gln Lys Lys Ala Gln Ile Glu 595 600 605 gaa gag aaa aaa aat gca gaa aaa gaa aag cag caa cgg aat cag aaa 2229 Glu Glu Lys Lys Asn Ala Glu Lys Glu Lys Gln Gln Arg Asn Gln Lys 610 615 620 625 aag aaa aag gat gat gat gac gaa gaa att gga ggc ccc aaa gaa gag 2277 Lys Lys Lys Asp Asp Asp Asp Glu Glu Ile Gly Gly Pro Lys Glu Glu 630 635 640 ctt atc cct gag aaa ctg gcc aag gtt gaa act cca ttg gaa gaa gct 2325 Leu Ile Pro Glu Lys Leu Ala Lys Val Glu Thr Pro Leu Glu Glu Ala 645 650 655 att aag ttt tta aca cca ttg aag aac ttg gtg aag aac aag ata gaa 2373 Ile Lys Phe Leu Thr Pro Leu Lys Asn Leu Val Lys Asn Lys Ile Glu 660 665 670 act cat ctt ttt gcc ttt gag atc tac ttt agg aaa gaa aag ttt ctt 2421 Thr His Leu Phe Ala Phe Glu Ile Tyr Phe Arg Lys Glu Lys Phe Leu 675 680 685 ttg atg cta caa tca gta aag cgg gca ttt gct att gat tct agt cat 2469 Leu Met Leu Gln Ser Val Lys Arg Ala Phe Ala Ile Asp Ser Ser His 690 695 700 705 ccc tgg ctt cat gag tgc atg att cga ctc ttt cat tct gtg tgt gaa 2517 Pro Trp Leu His Glu Cys Met Ile Arg Leu Phe His Ser Val Cys Glu 710 715 720 agt aaa gac tta ccc gaa aca gtt aga aca gta tta aaa caa gaa atg 2565 Ser Lys Asp Leu Pro Glu Thr Val Arg Thr Val Leu Lys Gln Glu Met 725 730 735 aat cgt ctt ttt gga gca aca aat cca aag aat ttt aat gaa acc ttt 2613 Asn Arg Leu Phe Gly Ala Thr Asn Pro Lys Asn Phe Asn Glu Thr Phe 740 745 750 ctg aaa agg aat tct gat tca ttg cca cat aga tta tca gct gcc aaa 2661 Leu Lys Arg Asn Ser Asp Ser Leu Pro His Arg Leu Ser Ala Ala Lys 755 760 765 atg gta tat tat tta gat tct tct agt caa aaa cga gca ata gag ctg 2709 Met Val Tyr Tyr Leu Asp Ser Ser Ser Gln Lys Arg Ala Ile Glu Leu 770 775 780 785 gcg aca aca ctt gat gga tcc ctc acc aac aga aac ctt cag act tgc 2757 Ala Thr Thr Leu Asp Gly Ser Leu Thr Asn Arg Asn Leu Gln Thr Cys 790 795 800 atg gag gtg ttg gaa gcc ttg tgt gat ggt agc cta gga gac tgt aaa 2805 Met Glu Val Leu Glu Ala Leu Cys Asp Gly Ser Leu Gly Asp Cys Lys 805 810 815 gaa gct gcc gaa gcc tac aga gca agt tgt cat aag ctt ttc cct tat 2853 Glu Ala Ala Glu Ala Tyr Arg Ala Ser Cys His Lys Leu Phe Pro Tyr 820 825 830 gct ttg gct ttc atg cct cct gga tac gaa gag gat atg aag atc aca 2901 Ala Leu Ala Phe Met Pro Pro Gly Tyr Glu Glu Asp Met Lys Ile Thr 835 840 845 gtg aac gga gat agt tct gca gaa acg gaa gaa ctg gcc aat gaa atc 2949 Val Asn Gly Asp Ser Ser Ala Glu Thr Glu Glu Leu Ala Asn Glu Ile 850 855 860 865 tga acatcattaa acaagcaaat ggaatgactt tggaccataa aaaaaaaa 3000 <210> 8 <211> 865 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 8 Met Pro Ala Val Ser Leu Pro Pro Lys Glu Asn Ala Leu Phe Lys Arg 1 5 10 15 Ile Leu Arg Cys Tyr Glu His Lys Gln Tyr Arg Asn Gly Leu Lys Phe 20 25 30 Cys Lys Gln Ile Leu Ser Asn Pro Lys Phe Ala Glu His Gly Glu Thr 35 40 45 Leu Ala Met Lys Gly Leu Thr Leu Asn Cys Leu Gly Lys Lys Glu Glu 50 55 60 Ala Tyr Glu Leu Val Arg Arg Gly Leu Arg Asn Asp Leu Lys Ser His 65 70 75 80 Val Cys Trp His Val Tyr Gly Leu Leu Gln Arg Ser Asp Lys Lys Tyr 85 90 95 Asp Glu Ala Ile Lys Cys Tyr Arg Asn Ala Leu Lys Trp Asp Lys Asp 100 105 110 Asn Leu Gln Ile Leu Arg Asp Leu Ser Leu Leu Gln Ile Gln Met Arg 115 120 125 Asp Leu Glu Gly Tyr Arg Glu Thr Arg Tyr Gln Leu Leu Gln Leu Arg 130 135 140 Pro Ala Gln Arg Ala Ser Trp Ile Gly Tyr Ala Ile Ala Tyr His Leu 145 150 155 160 Leu Glu Asp Tyr Glu Met Ala Ala Lys Ile Leu Glu Glu Phe Arg Lys 165 170 175 Thr Gln Gln Thr Ser Pro Asp Lys Val Asp Tyr Glu Tyr Ser Glu Leu 180 185 190 Leu Leu Tyr Gln Asn Gln Val Leu Arg Glu Ala Gly Leu Tyr Arg Glu 195 200 205 Ala Leu Glu His Leu Cys Thr Tyr Glu Lys Gln Ile Cys Asp Lys Leu 210 215 220 Ala Val Glu Glu Thr Lys Gly Glu Leu Leu Leu Gln Leu Cys Arg Leu 225 230 235 240 Glu Asp Ala Ala Asp Val Tyr Arg Gly Leu Gln Glu Arg Asn Pro Glu 245 250 255 Asn Trp Ala Tyr Tyr Lys Gly Leu Glu Lys Ala Leu Lys Pro Ala Asn 260 265 270 Met Leu Glu Arg Leu Lys Ile Tyr Glu Glu Ala Trp Thr Lys Tyr Pro 275 280 285 Arg Gly Leu Val Pro Arg Arg Leu Pro Leu Asn Phe Leu Ser Gly Glu 290 295 300 Lys Phe Lys Glu Cys Leu Asp Arg Phe Leu Arg Met Asn Phe Ser Lys 305 310 315 320 Gly Cys Pro Pro Val Phe Asn Thr Leu Arg Ser Leu Tyr Arg Asp Lys 325 330 335 Glu Lys Val Ala Ile Val Glu Glu Leu Val Val Gly Tyr Glu Thr Ser 340 345 350 Leu Lys Ser Cys Arg Leu Phe Asn Pro Asn Asp Asp Gly Lys Glu Glu 355 360 365 Pro Pro Thr Thr Leu Leu Trp Val Gln Tyr Tyr Leu Ala Gln His Tyr 370 375 380 Asp Lys Ile Gly Gln Pro Ser Ile Ala Leu Glu Tyr Ile Asn Thr Ala 385 390 395 400 Ile Glu Ser Thr Pro Thr Leu Ile Glu Leu Phe Leu Val Lys Ala Lys 405 410 415 Ile Tyr Lys His Ala Gly Asn Ile Lys Glu Ala Ala Arg Trp Met Asp 420 425 430 Glu Ala Gln Ala Leu Asp Thr Ala Asp Arg Phe Ile Asn Ser Lys Cys 435 440 445 Ala Lys Tyr Met Leu Lys Ala Asn Leu Ile Lys Glu Ala Glu Glu Met 450 455 460 Cys Ser Lys Phe Thr Arg Glu Gly Thr Ser Ala Val Glu Asn Leu Asn 465 470 475 480 Glu Met Gln Cys Met Trp Phe Gln Thr Glu Cys Ala Gln Ala Tyr Lys 485 490 495 Ala Met Asn Lys Phe Gly Glu Ala Leu Lys Lys Cys His Glu Ile Glu 500 505 510 Arg His Phe Ile Glu Ile Thr Asp Asp Gln Phe Asp Phe His Thr Tyr 515 520 525 Cys Met Arg Lys Ile Thr Leu Arg Ser Tyr Val Asp Leu Leu Lys Leu 530 535 540 Glu Asp Val Leu Arg Gln His Pro Phe Tyr Phe Lys Ala Ala Arg Ile 545 550 555 560 Ala Ile Glu Ile Tyr Leu Lys Leu His Asp Asn Pro Leu Thr Asp Glu 565 570 575 Asn Lys Glu His Glu Ala Asp Thr Ala Asn Met Ser Asp Lys Glu Leu 580 585 590 Lys Lys Leu Arg Asn Lys Gln Arg Arg Ala Gln Lys Lys Ala Gln Ile 595 600 605 Glu Glu Glu Lys Lys Asn Ala Glu Lys Glu Lys Gln Gln Arg Asn Gln 610 615 620 Lys Lys Lys Lys Asp Asp Asp Asp Glu Glu Ile Gly Gly Pro Lys Glu 625 630 635 640 Glu Leu Ile Pro Glu Lys Leu Ala Lys Val Glu Thr Pro Leu Glu Glu 645 650 655 Ala Ile Lys Phe Leu Thr Pro Leu Lys Asn Leu Val Lys Asn Lys Ile 660 665 670 Glu Thr His Leu Phe Ala Phe Glu Ile Tyr Phe Arg Lys Glu Lys Phe 675 680 685 Leu Leu Met Leu Gln Ser Val Lys Arg Ala Phe Ala Ile Asp Ser Ser 690 695 700 His Pro Trp Leu His Glu Cys Met Ile Arg Leu Phe His Ser Val Cys 705 710 715 720 Glu Ser Lys Asp Leu Pro Glu Thr Val Arg Thr Val Leu Lys Gln Glu 725 730 735 Met Asn Arg Leu Phe Gly Ala Thr Asn Pro Lys Asn Phe Asn Glu Thr 740 745 750 Phe Leu Lys Arg Asn Ser Asp Ser Leu Pro His Arg Leu Ser Ala Ala 755 760 765 Lys Met Val Tyr Tyr Leu Asp Ser Ser Ser Gln Lys Arg Ala Ile Glu 770 775 780 Leu Ala Thr Thr Leu Asp Gly Ser Leu Thr Asn Arg Asn Leu Gln Thr 785 790 795 800 Cys Met Glu Val Leu Glu Ala Leu Cys Asp Gly Ser Leu Gly Asp Cys 805 810 815 Lys Glu Ala Ala Glu Ala Tyr Arg Ala Ser Cys His Lys Leu Phe Pro 820 825 830 Tyr Ala Leu Ala Phe Met Pro Pro Gly Tyr Glu Glu Asp Met Lys Ile 835 840 845 Thr Val Asn Gly Asp Ser Ser Ala Glu Thr Glu Glu Leu Ala Asn Glu 850 855 860 Ile 865 <210> 9 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 9 tcctctttgt tagggttctt cttc 24 <210> 10 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 10 agttaccacg tgaaccgcc 19 <210> 11 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 11 caaagtcatt ccatttgctt gt 22
【0093】
【配列表フリーテキスト】配列番号1:合成DNA 配列番号2:合成DNA 配列番号3:合成DNA 配列番号4:合成DNA 配列番号5:合成DNA 配列番号6:合成DNA 配列番号9:合成DNA 配列番号10:合成DNA 配列番号11:合成DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】遺伝子部分とそれ以外の部分における両者の機
能解析の概念を示す図である。
【図2】本発明のトラップベクターの構築法及び遺伝子
のトラップ法の概要を示す図である。
【図3】1oxPの構造を示す図である。
【図4】lox71とlox66との組換えを示す図である。
【図5】変異型loxPによるDNA断片の挿入を示す図であ
る。
【図6A】本発明のトラップベクターを示す図である。
【図6B】本発明のトラップベクターを示す図である。
【図7】トラップベクターpU-Hachiの構築図である。
【図8】2段階の可変型遺伝子トラップ法を示す図であ
る。
【図9】キメラ動物作製によるトラップ系統の樹立の概
要を示す図である。
【符号の説明】
1:矢印
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 501267243 荒木 喜美 熊本県熊本市世安町55−2−1103 (72)発明者 井出 博之 福岡県福岡市中央区平尾4−10−11 (72)発明者 山村 研一 熊本県熊本市九品寺4−24−1 熊本大学 発生医学研究センター内 (72)発明者 荒木 喜美 熊本県熊本市九品寺4−24−1 熊本大学 発生医学研究センター内 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 CA04 DA02 EA04 FA02 GA14 HA12 4B065 AA91X AA91Y AB01 AC20 BA03 BA16 CA46

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 逆反復配列1、スペーサー配列及び逆反
    復配列2の順で構成される1oxP配列のうち逆反復配列1
    及び/又は逆反復配列2の一部の配列に変異が導入された
    変異型1oxPを含むトラップベクターを導入してなる胚幹
    細胞であって、Tubedown-1遺伝子が破壊された胚幹細
    胞。
  2. 【請求項2】 変異型1oxPがlox71又はlox66である請求
    項1記載の胚幹細胞。
  3. 【請求項3】 1ox71が配列番号1に示されるものであ
    る請求項2記載の胚幹細胞。
  4. 【請求項4】 1ox66が配列番号2に示されるものであ
    る請求項2記載の胚幹細胞。
  5. 【請求項5】 トラップベクターが以下の(a)〜(j)に示
    すものから選ばれるいずれかのものである請求項1〜4
    のいずれかに記載の胚幹細胞。 (a) SA-lox71-IRES-M-pA-loxP-pA-PV (b) lox71-IRES-M-pA-loxP-pA-PV (c) SA-lox71-IRES-M-pA-loxP-puro-pA-lox511-PV (d) lox71-M-loxP-pA-lox2272-PV-lox511 (e) lox71-IRES-M-loxP-pA-lox2272-PV-lox511 (f) (lox71が組み込まれたSA)-M-loxP-pA-lox2272-PV-l
    ox511 (g) (lox71が組み込まれたSA)-IRES-M-loxP-pA-lox2272
    -PV-lox511 (h) (lox71が組み込まれたSA)-M-loxP-pA-lox2272-プロ
    モーター-M-lox511-SD (i) loxP-SA-IRES-M-pA-loxP-PV (j) loxP-SA-loxP-IRES-M-pA-loxP-PV (SAはスプライスアクセプターを、SDはスプライスドナ
    ーを、IRESは分子内リボゾームエントリー部位を、Mは
    マーカー遺伝子を、puroはピューロマイシン耐性遺伝子
    を、pAはポリA配列を、PVはプラスミドベクターを表
    す。)
  6. 【請求項6】 逆反復配列1、スペーサー配列及び逆反
    復配列2の順で構成される1oxP配列のうち逆反復配列1
    及び/又は逆反復配列2の一部の配列に変異が導入された
    変異型1oxPを含むトラップベクターを導入してなるノッ
    クアウト動物であって、Tubedown-1遺伝子が破壊された
    ノックアウト動物。
  7. 【請求項7】 変異型1oxPがlox71又はlox66である請求
    項6記載のノックアウト動物。
  8. 【請求項8】 1ox71が配列番号1に示されるものであ
    る請求項7記載のノックアウト動物。
  9. 【請求項9】 1ox66が配列番号2に示されるものであ
    る請求項7記載のノックアウト動物。
  10. 【請求項10】 トラップベクターが以下の(a)〜(j)に
    示すものから選ばれるいずれかのものである請求項6〜
    9のいずれかに記載のノックアウト動物。 (a) SA-lox71-IRES-M-pA-loxP-pA-PV (b) lox71-IRES-M-pA-loxP-pA-PV (c) SA-lox71-IRES-M-pA-loxP-puro-pA-lox511-PV (d) lox71-M-loxP-pA-lox2272-PV-lox511 (e) lox71-IRES-M-loxP-pA-lox2272-PV-lox511 (f) (lox71が組み込まれたSA)-M-loxP-pA-lox2272-PV-l
    ox511 (g) (lox71が組み込まれたSA)-IRES-M-loxP-pA-lox2272
    -PV-lox511 (h) (lox71が組み込まれたSA)-M-loxP-pA-lox2272-プロ
    モーター-M-lox511-SD (i) loxP-SA-IRES-M-pA-loxP-PV (j) loxP-SA-loxP-IRES-M-pA-loxP-PV (SAはスプライスアクセプターを、SDはスプライスドナ
    ーを、IRESは分子内リボゾームエントリー部位を、Mは
    マーカー遺伝子を、puroはピューロマイシン耐性遺伝子
    を、pAはポリA配列を、PVはプラスミドベクターを表
    す。)
  11. 【請求項11】 動物がマウスである請求項6〜10のい
    ずれかに記載のノックアウト動物。
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