JP2002345291A - 電磁作動器駆動装置 - Google Patents

電磁作動器駆動装置

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JP2002345291A
JP2002345291A JP2001143165A JP2001143165A JP2002345291A JP 2002345291 A JP2002345291 A JP 2002345291A JP 2001143165 A JP2001143165 A JP 2001143165A JP 2001143165 A JP2001143165 A JP 2001143165A JP 2002345291 A JP2002345291 A JP 2002345291A
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electromagnetic actuator
microcomputer
pulse signal
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Eiji Kato
栄次 加藤
Masahide Kajikawa
真秀 梶川
Shinichi Maeda
真一 前田
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁作動器の電流フィードバック制御と駆動
系の異常検出とを、マイコンでの処理負荷を小さくした
ままで且つ安価な回路構成で行う。 【解決手段】 電磁作動器1に流れる電流を検出して、
その検出電流に応じた電圧信号Viを出力する電流検出
回路3と、その電流検出回路3の出力Viとマイコン4
からのパルス信号SPとに基づき充放電する積分回路6
とを有し、その積分回路6のコンデンサC1の充電電圧
極性に従って、スイッチング素子制御回路7がFET2
をオン・オフさせることにより、電磁作動器1への通電
電流を上記パルス信号SPのデューティ比に応じた目標
値に制御する駆動装置10では、電流検出回路3の出力
Viが波形整形回路12により矩形波に整形される。そ
して、マイコン4は、その波形整形回路12から入力す
る信号SMの周期が、上記パルス信号SPの周期と同じ
でないと判定すると、異常が発生していると判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁力で作動する
電磁作動器の駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両において、ディー
ゼルエンジンのコモンレール圧や、エンジンの吸気系へ
の補助空気量等を制御するためには、電磁作動器とし
て、コイルへの通電電流に応じて開弁量が変化するリニ
アソレノイド式の電磁弁が用いられる。
【0003】そして、こうした電磁作動器を駆動する装
置は、電磁作動器(詳しくは、その電磁作動器のコイ
ル)に流す電流を制御して、上記コモンレール圧や補助
吸気量といった物理量を調節するが、その制御の手法と
しては、一般に、電磁作動器に実際に流れている電流
(以下、実電流という)を検出し、その実電流と電磁作
動器に流すべき目標電流との差が無くなるように電磁作
動器への通電を断続させる、といった電流フィードバッ
ク制御が行われる。
【0004】ここで、こうした電流フィードバック制御
を行う電磁作動器駆動装置としては、例えば特開平7−
194175号公報に記載されているように、電磁作動
器に直列に設けられた抵抗器の両端電圧をAD変換器に
よりデジタル値に変換して、そのデジタル値を電磁作動
器の実電流値としてマイクロコンピュータ(以下、マイ
コンという)に入力し、そのマイコンが、電磁作動器に
流れる電流を断続させるためのスイッチング素子に対す
る駆動信号を出力すると共に、その駆動信号のデューテ
ィ比を上記AD変換器からの実電流値と目標電流値との
差に応じて設定する、といった構成のものがある。
【0005】しかしながら、このような装置構成では、
マイコンが、スイッチング素子の駆動信号の最適なデュ
ーティ比を決定することとなるため、そのマイコンでの
処理負荷が大きくなり、しかも、AD変換器という高価
な部品が必要となる。そこで、マイコンの処理負荷やA
D変換器を削減可能な電磁作動器駆動装置として、例え
ば特公平6−9004号公報に記載されているように、
マイコンから目標電流に対応したデューティ比で出力さ
れるパルス信号と、電磁作動器に実際に流れている電流
の検出値とに基づいて、抵抗とコンデンサとからなる積
分回路を充放電させて、その積分回路のコンデンサの極
性を上記パルス信号と同じ周期で変化させ、その極性変
化を利用して電磁作動器への通電を断続させることによ
り、電磁作動器への通電電流を上記パルス信号のデュー
ティ比で示される目標電流にフィードバック制御する、
といった構成のものがある。
【0006】具体的な構成例を図5に示すと、この電磁
作動器駆動装置は、大きくは、電磁作動器1に流れる電
流を断続するスイッチング素子(この例ではPチャネル
MOSFET)2と、電磁作動器1に流れる電流を検出
する電流検出回路3と、電磁作動器1に流すべき電流の
目標値(目標電流)に対応したデューティ比を有するパ
ルス信号SPであって、その電磁作動器1の駆動を指示
するパルス信号SPを出力するマイコン4と、マイコン
4からの上記パルス信号SPを受信する受信回路5と、
抵抗R1とコンデンサC1とを直列接続してなると共
に、電流検出回路3の検出する電流と受信回路5の受信
するパルス信号SPとに基づいて充放電し、更にその時
定数が上記パルス信号SPの周期よりも大である偏差積
分回路6と、上記パルス信号SPと同じ周期で変化する
上記コンデンサC1の充電電圧の極性に応じて、スイッ
チング素子としてのMOSFET2へ該MOSFET2
をオン・オフさせる駆動信号を出力するスイッチング素
子制御回路7とから構成されている。
【0007】そして、図5の例において、MOSFET
2のソースは負荷用電源電圧であるバッテリ電圧+B
に、ゲートはスイッチング素子制御回路7に、ドレイン
は電磁作動器1の一端(詳しくは、電磁作動器1のコイ
ルの一端)に、夫々接続されている。よって、MOSF
ET2は、スイッチング素子制御回路7から当該MOS
FET2のゲートに供給される駆動信号がローレベル
(接地電位)の時にオンして、電磁作動器1に電流を流
し、上記駆動信号がハイレベル(バッテリ電圧+B)の
時にオフして、電磁作動器1への通電を遮断することと
なり、そのMOSFET2のオン・オフにより、電磁作
動器1に流れる電流が断続される。
【0008】また、電流検出回路3は、電磁作動器1の
MOSFET2側とは反対側の端部と接地電位との間に
接続されて、電磁作動器1への通電経路の一部となる電
流検出用の抵抗R2と、抵抗R2の接地電位側とは反対
側の端部に一端が接続された抵抗R3と、その抵抗R3
の他端と接地電位との間に接続された抵抗R4と、抵抗
R3,R4同士の接続点に非反転入力端子(+端子)が
接続されたオペアンプOP1と、オペアンプOP1の反
転入力端子(−端子)と接地電位との間に接続された抵
抗R5と、オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子
との間に接続された抵抗R6と、オペアンプOP1の出
力端子と接地電位との間に接続された抵抗R7と、抵抗
R6,R7同士とオペアンプOP1の出力端子との接続
点に一端が接続され、他端が偏差積分回路6を構成する
コンデンサC1の抵抗R1とは反対側の端部に接続され
た抵抗R8とから構成されている。
【0009】そして、この電流検出回路3では、電磁作
動器1に流れる電流と同じ電流が電流検出用の抵抗R2
に流れ、その電流値に比例した電圧Viが、オペアンプ
OP1の出力端子から抵抗R8を介して、偏差積分回路
6のコンデンサC1の一端へ出力される。
【0010】一方、受信回路5は、一定の電源電圧VO
M(この例では5V)にエミッタが接続されたPNPト
ランジスタT1と、そのトランジスタT1のエミッタと
ベースとの間に接続された抵抗R9と、マイコン4にお
けるパルス信号SPの出力端子(出力ポート)とトラン
ジスタT1のベースとの間に接続された抵抗R10と、
トランジスタT1のコレクタと接地電位との間に直列に
接続された2つの抵抗R11,R12とから構成されて
いる。そして、抵抗R11,R12同士の接続点が、偏
差積分回路6を構成する抵抗R1のコンデンサC1とは
反対側の端部に接続されている。
【0011】この受信回路5では、トランジスタT1
が、マイコン4からのパルス信号SPを受けてオン・オ
フする。つまり、トランジスタT1は、パルス信号SP
がローレベル(接地電位)の時にオンし、パルス信号が
SPがハイレベル(電源電圧VOM)の時にオフする。
そして、トランジスタT1がオンした時には、抵抗R1
1,R12同士の接続点の電圧VDが、電源電圧VOM
を抵抗R11,R12で分圧した値となり、トランジス
タT1がオフした時には、上記電圧VDが0Vとなる。
よって、抵抗R11,R12同士の接続点の電圧VD
は、マイコン4からのパルス信号SPを反転させた波形
のパルス信号となり、このような電圧VDが、偏差積分
回路6の抵抗R1の一端に印加される。
【0012】また、スイッチング素子制御回路7は、偏
差積分回路6の抵抗R1とコンデンサC1との接続点に
非反転入力端子(+端子)が接続され、上記コンデンサ
C1の抵抗R1とは反対側の端部に反転入力端子(−端
子)が接続された比較器CMP1と、その比較器CMP
1の出力端子と上記電源電圧VOMとの間に接続された
プルアップ用の抵抗R13と、ベースが比較器CMP1
の出力端子に接続され、エミッタが接地電位に接続され
たNPNトランジスタT2と、そのトランジスタT2の
コレクタとバッテリ電圧+Bとの間に接続された抵抗R
14と、トランジスタT2のコレクタとMOSFET2
のゲートとの間に接続されて、そのトランジスタT2の
コレクタの電圧をMOSFET2のゲートへ駆動信号と
して供給する抵抗R15とから構成されている。
【0013】このスイッチング素子制御回路7では、偏
差積分回路6におけるコンデンサC1の抵抗R1側の電
圧(つまり比較器CMP1の非反転入力端子側の電圧)
が、そのコンデンサC1の電流検出回路3側の電圧(つ
まり比較器CMP1の反転入力端子側の電圧)よりも高
ければ、比較器CMP1の出力がハイレベルとなってト
ランジスタT2がオンし、MOSFET2への駆動信号
が該MOSFET2をオンさせる方のローレベルとな
る。逆に、上記コンデンサC1の抵抗R1側の電圧が、
そのコンデンサC1の電流検出回路3側の電圧よりも低
ければ、比較器CMP1の出力がローレベルとなってト
ランジスタT2がオフし、MOSFET2への駆動信号
が該MOSFET2をオフさせる方のハイレベルとな
る。
【0014】このような電磁作動器駆動装置では、電磁
作動器1の目標電流に対応するデューティ比を有したマ
イコン4からのパルス信号SPが受信回路5により受信
され、偏差積分回路6が、その受信回路5により受信さ
れたパルス信号(具体的には、上記抵抗R11,R12
同士の接続点の電圧VD)と、電流検出回路3により検
出される検出電流(具体的には、上記オペアンプOP1
の出力電圧Vi)とに基づいて、充放電動作する。そし
て、偏差積分回路6のコンデンサC1の充電電圧の極性
は、パルス信号SPと同じ周期で反転すると共に、その
デューティ比は目標電流と検出電流との偏差に対応した
値となり、このようなコンデンサC1の充電電圧の極性
に応じて、スイッチング素子制御回路7がMOSFET
2をオン・オフ制御することにより、電磁作動器1への
通電が断続されると共に、その断続によって流れる電流
が、パルス信号SPのデューティ比に応じた目標値に制
御される。
【0015】具体的に説明すると、電磁作動器1に流れ
る実電流値を示すオペアンプOP1の出力電圧Vi(以
下、電流検出値Viともいう)が、電磁作動器1に流す
べき目標電流値を示す上記電圧VD(以下、目標値VD
ともいう)より小なら、コンデンサC1の充電電圧極性
は、電磁作動器1のインダクタンス分と偏差積分回路6
の時定数とによる遅延時間後に、比較器CMP1の非反
転入力端子側が反転入力端子側よりも大きい極性とな
る。これにより、比較器CMP1の出力がハイレベルと
なって、トランジスタT2及びMOSFET2がオンと
なり、電磁作動器1に流れる電流が増加して、電流検出
値Viも増大する。そして、電流検出値Viが増大して
目標値VDよりも大きくなれば、コンデンサC1の充電
電圧極性は、電磁作動器1のインダクタンス分と偏差積
分回路6の時定数とによる遅延時間後に、比較器CMP
1の非反転入力端子側が反転入力端子側よりも小さい極
性となる。これにより、比較器CMP1の出力がローレ
ベルとなって、トランジスタT2及びMOSFET2が
オフとなり、電磁作動器1に流れる電流が減少して電流
検出値Viも減少する。
【0016】よって、図4における時刻t5よりも左側
の1段目から4段目に示すように、電流検出値Vi(オ
ペアンプOP1の出力)は、マイコン4からのパルス信
号SPに対し所定の遅延時間を伴って目標値VDに追従
するように脈動することとなり、スイッチング素子制御
回路7からMOSFET2への駆動信号は、電磁作動器
1に流れる電流がマイコン4からのパルス信号SPのデ
ューティ比に応じた目標電流となるようなデューティ比
を有すると共に、マイコン4からのパルス信号SPと同
じ周期で且つ該パルス信号SPに対して上記遅延時間分
だけ位相が遅れたパルス信号となる。尚、図4の2段目
における「PCV+」は、MOSFET2のドレインと
電磁作動器1とを接続する当該電磁作動器駆動装置の出
力端子の電圧(即ちMOSFETT2のドレイン電圧)
を示している。
【0017】そして、上記の動作が繰り返されることに
より、電磁作動器1への通電電流がマイコン4からのパ
ルス信号SPのデューティ比に対応した目標電流にフィ
ードバック制御される。更に、この装置では、偏差積分
回路6の充放電時定数がパルス信号SPの周期よりも大
に設定されるため、偏差積分回路6の充電電圧が飽和す
ることがなく、負荷用電源電圧としてのバッテリ電圧+
Bが変動しても、パルス信号SPのデューティ比に応じ
た高精度の電流フィードバック制御が行われる。
【0018】そして、このような電磁作動器駆動装置に
よれば、マイコン4は、目標電流に対応したデューティ
比のパルス信号SPを出力するだけで良く、電流フィー
ドバック制御のための処理(詳しくは、スイッチング素
子に対する駆動信号のデューティ比を、実電流と目標電
流との差に応じて設定する処理)を実行しなくても済
む。また、電流フィードバック制御のためにAD変換器
を搭載する必要も無い。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の電
磁作動器駆動装置では、電磁作動器の電流経路の断線、
電磁作動器につながる端子の負荷用電源電圧や接地電位
への短絡、及び、電磁作動器自身のレアーショート(つ
まり、電磁作動器のコイルの短絡)、といった駆動系の
異常を検出して、スイッチング素子を保護するなどのフ
ェイルセーフを実施する必要がある。尚、電磁作動器に
つながる端子とは、電磁作動器自身の端子や、電磁作動
器と接続される当該電磁作動器駆動装置の出力端子であ
る。
【0020】そして、こうした駆動系の異常検出方法と
して、上記特開平7−194175号公報には、マイコ
ンが、AD変換器を介して入力する実電流値を用いて、
異常の有無を判定することが記載されている。しかしな
がら、このようなAD変換器を必須とする異常検出方法
を、図5の如き偏差積分回路6を用いた電磁作動器駆動
装置に適用すると、本来の電流フィードバック制御には
不要なAD変換器を追加しなければならず、コストの増
加を招いてしまう上に、マイコンの処理として、AD変
換器を制御するための処理も追加しなければならない。
【0021】また特に、マイコンが、AD変換器からの
実電流値と所定の判定値とを比較して異常の有無を判定
する、といった手法を採った場合には、断線,短絡,レ
アーショートといったあらゆる異常を確実に検出するた
めの判定値やAD変換タイミングの設定が非常に難しく
なってしまう。つまり、電磁作動器は、リニアソレノイ
ドやリニアソレノイド式の電磁弁であり、この種の電磁
作動器では、一般に、作動時の機械的ヒステリシスを小
さくするために、通電電流のリップル(脈動)が大きめ
に設定されることから、適切な判定値を決定するのが難
しい。そして更に、偏差積分回路6を用いて電流フィー
ドバック制御を行う駆動装置では、前述したように、マ
イコンが出力するパルス信号SPと電流検出値(実電流
値)Viの脈動とに位相差があるため、適切なAD変換
タイミングも決定し難い。
【0022】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、電磁作動器の電流フィードバック制御と駆動
系の異常検出とを、マイコンでの処理負荷を小さくした
ままで且つ安価な回路構成で行うことができる電磁作動
器駆動装置を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するためになされた請求項1記載の電磁作動器駆
動装置は、図5に例示した従来装置と同様に、電磁作動
器に流れる電流を断続するスイッチング素子と、電磁作
動器に流れる電流を検出して、その検出電流に応じた電
圧信号を出力する電流検出手段と、電磁作動器に流す電
流の目標値に対応するデューティ比を有したパルス信号
を出力するマイコン(マイクロコンピュータ)と、その
マイコンからのパルス信号を受信する受信手段と、抵抗
とコンデンサとを有し、電流検出手段の出力と受信手段
の受信する前記パルス信号とに基づいて充放電し、その
時定数が前記パルス信号の周期よりも大である偏差積分
回路と、前記パルス信号と同じ周期で変化する前記コン
デンサの充電電圧の極性に応じて、前記スイッチング素
子をオン・オフ制御するスイッチング素子制御手段とを
備えている。
【0024】そして特に、請求項1の電磁作動器駆動装
置には、電流検出手段の出力を所定のしきい値電圧と大
小比較することにより矩形波に整形して、その波形整形
後の信号をマイコンへ出力する波形整形回路が設けられ
ている。そして、本駆動装置において、マイコンは、そ
の波形整形回路からの信号の周期に基づいて、異常の有
無を判定する。
【0025】つまり、まず、請求項1の電磁作動器駆動
装置において、正常時には、波形整形回路からマイコン
への信号が、マイコンから受信手段へのパルス信号と同
じ周期の矩形波となる。これは、正常時において、この
種の駆動装置では、図4における時刻t5よりも左側の
1段目から4段目を参照して前述したように、スイッチ
ング素子への駆動信号が、マイコンからのパルス信号S
Pと同じ周期で且つ該パルス信号SPに対して位相が遅
れたパルス信号となり、電磁作動器に流れる電流に応じ
た電流検出手段の出力(図5の電流検出回路3の出力V
iに相当)は、その駆動信号に同期して脈動する脈動波
となるため、その脈動波を所定のしきい値電圧Vthで
波形整形した波形整形回路からの信号は、図4における
時刻t5よりも左側の5段目(「SM」)に示すよう
に、マイコンからのパルス信号SPと同じ周期の信号と
なる。
【0026】これに対して、例えば、電磁作動器の電流
経路が断線したり、電磁作動器につながる端子が接地電
位に短絡して、電磁作動器に電流が流れなくなると、電
流検出手段の出力が波形整形回路でのしきい値電圧Vt
hよりも常時小さくなり、その結果、波形整形回路から
マイコンへの信号がレベル変化しなくなる。
【0027】また、電磁作動器につながる端子が負荷用
電源電圧に短絡して、電磁作動器に大きな電流が流れた
ままになると、電流検出手段の出力が波形整形回路での
しきい値電圧Vthよりも常時大きくなり、その結果、
この場合にも、波形整形回路からマイコンへの信号がレ
ベル変化しなくなる。
【0028】一方、電磁作動器自身がレアーショートし
た場合には、マイコンからのパルス信号SPがスイッチ
ング素子をオフさせる方のパッシブレベルである時に、
電磁作動器への通電が遮断され、マイコンからのパルス
信号SPがスイッチング素子をオンさせる方のアクティ
ブレベルである時には、電磁作動器への通電がパルス信
号SPの周期よりも極短い周期で断続されると共に、そ
の通電時の電流値は正常時よりも大きい値となる。
【0029】図5の従来装置を例に挙げて説明すると、
電磁作動器1自身がレアーショートした場合には、負荷
のインダクタンス分が無くなるため、図4における時刻
t5よりも右側の1段目から4段目に示す如く、スイッ
チング素子2は、偏差積分回路6とは無関係に、マイコ
ン4からのパルス信号SPがオフ側のパッシブレベル
(この例ではハイレベル)の時にオフし、マイコンから
のパルス信号SPがオン側のアクティブレベル(この例
ではローレベル)の時には、フィードバック系の遅れ分
に相当する極短い周期でオン・オフを繰り返すこととな
る。これは、スイッチング素子2がオンすると、即座に
電流検出回路3の出力Viが大きくなってスイッチング
素子2がオフされ、スイッチング素子2がオフされる
と、即座に電流検出回路3の出力Viが小さくなってス
イッチング素子2がオンされる、といった動作が繰り返
されるからである。そして、この場合、電磁作動器がレ
アーショートしているため、スイッチング素子2がオン
した際の通電電流は、正常時よりも大きな値となる。
【0030】よって、請求項1の電磁作動器駆動装置に
おいて、電磁作動器自身がレアーショートした場合に
は、電流検出手段の出力を所定のしきい値電圧Vthで
波形整形した波形整形回路からの信号の周期は、図4に
おける時刻t5よりも左側の5段目(「SM」)に示す
ように、マイコンからのパルス信号SPの周期よりも短
くなる。
【0031】そこで、請求項1の電磁作動器駆動装置で
は、マイコンが、波形整形回路からの信号の周期に基づ
いて、異常の有無を判定するようにしており、このた
め、断線、端子の負荷用電源電圧や接地電位への短絡、
及び電磁作動器自身のレアーショート、といったあらゆ
る異常の発生を、AD変換器よりも遙かに安価な構成の
波形整形回路を設けるだけで、簡単に検出することがで
きる。具体的には、マイコンは、請求項2に記載の如
く、波形整形回路からの信号の周期が、自己の出力して
いるパルス信号の周期と異なっていると判定した場合
に、異常が発生していると判断すれば良い。
【0032】このような請求項1,2の電磁作動器駆動
装置によれば、マイコンが電流フィードバック制御のた
めの処理を実行することなく、しかも、AD変換器のよ
うな高価な部品を搭載することなく、電磁作動器の電流
フィードバック制御と駆動系の異常検出とを行うことが
できる。よって、電磁作動器の電流フィードバック制御
と駆動系の異常検出とを、マイコンでの処理負荷を小さ
くしたままで且つ安価な回路構成で行うことができるよ
うになる。
【0033】次に、請求項3記載の電磁作動器駆動装置
も、図5に例示した従来装置と同様に、電磁作動器に流
れる電流を断続するスイッチング素子と、電磁作動器に
流れる電流を検出する電流検出手段と、電磁作動器に流
す電流の目標値に対応するデューティ比を有したパルス
信号を出力するマイコンと、そのマイコンからのパルス
信号を受信する受信手段と、抵抗とコンデンサとを有
し、電流検出手段により検出された電流と受信手段の受
信する前記パルス信号とに基づいて充放電し、その時定
数が前記パルス信号の周期よりも大である偏差積分回路
と、前記パルス信号と同じ周期で変化する前記コンデン
サの充電電圧の極性に応じて、前記スイッチング素子へ
該スイッチング素子をオン・オフさせる駆動信号を出力
するスイッチング素子制御手段とを備えている。
【0034】そして特に、この請求項3の電磁作動器駆
動装置では、マイコンが、スイッチング素子制御手段か
ら出力される駆動信号の周期に基づいて、異常の有無を
判定する。つまり、まず、この種の偏差積分回路を用い
た電磁作動器駆動装置において、正常時には、図4にお
ける時刻t5よりも左側の1段目から4段目を参照して
前述したように、スイッチング素子への駆動信号が、マ
イコンからのパルス信号SPと同じ周期で且つ該パルス
信号SPに対して位相が遅れたパルス信号となる。
【0035】これに対して、例えば、電磁作動器の電流
経路が断線したり、電磁作動器につながる端子が接地電
位に短絡して、電磁作動器に電流が流れなくなると、電
磁作動器に一層大きな電流を流そうとする電流フィード
バック制御本来の機能により、スイッチング素子への駆
動信号が継続してアクティブレベル(スイッチング素子
をオンさせる方のレベル)のままとなる。
【0036】また、電磁作動器につながる端子が負荷用
電源電圧に短絡して、電磁作動器に大きな電流が流れた
ままになると、電磁作動器への電流を小さくしようとす
る電流フィードバック制御本来の機能により、スイッチ
ング素子への駆動信号が継続してパッシブレベル(スイ
ッチング素子をオフさせる方のレベル)のままとなる。
【0037】一方、電磁作動器自身がレアーショートし
た場合には、負荷のインダクタンス分が無くなるため、
前述した図4の時刻t5より右側の1段目から4段目に
示したように、スイッチング素子への駆動信号は、マイ
コンからのパルス信号SPがオン側のアクティブレベル
の時に、そのパルス信号SPよりも非常に高い周波数で
レベル変化することとなる。
【0038】そこで、請求項3の電磁作動器駆動装置で
は、マイコンが、スイッチング素子制御手段からスイッ
チング素子への駆動信号の周期に基づいて、異常の有無
を判定するようにしており、このため、断線、端子の負
荷用電源電圧や接地電位への短絡、及び電磁作動器自身
のレアーショート、といったあらゆる異常の発生を、高
価なAD変換器を設けることなく、簡単に検出すること
ができる。具体的には、マイコンは、請求項4に記載の
如く、駆動信号の周期が、自己の出力しているパルス信
号の周期と異なっていると判定した場合に、異常が発生
していると判断すれば良い。
【0039】そして、このような請求項3,4の電磁作
動器駆動装置によっても、マイコンが電流フィードバッ
ク制御のための処理を実行することなく、しかも、AD
変換器のような高価な部品を搭載することなく、電磁作
動器の電流フィードバック制御と駆動系の異常検出とを
行うことができる。よって、電磁作動器の電流フィード
バック制御と駆動系の異常検出とを、マイコンでの処理
負荷を小さくしたままで且つ安価な回路構成で行うこと
ができるようになる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施形
態の電磁作動器駆動装置について、図面を用いて説明す
る。まず図1は、実施形態の電磁作動器駆動装置(以下
単に、駆動装置という)10を表す構成図である。尚、
図1において、前述した図5の駆動装置と同じものにつ
いては、同一の符号を付しているため、詳しい説明は省
略する。また、本実施形態の駆動装置10が駆動対象と
する電磁作動器1は、例えば、ディーゼルエンジンのコ
モンレール圧を制御するためのリニアソレノイド式電磁
弁であって、一般にPCV(プレッシャ・コントロール
・バルブ)と呼ばれるものである。そして、本駆動装置
10は、その電磁作動器1への通電電流により、コモン
レールに圧送される燃料量(延いてはコモンレール圧)
を制御している。
【0041】図1に示すように、本実施形態の駆動装置
10は、前述した図5の駆動装置と全く同様に、電磁作
動器1への電流を断続するスイッチング素子としてのP
チャネルMOSFET2、電流検出手段としての電流検
出回路3、マイコン4、受信手段としての受信回路5、
偏差積分回路6、及びスイッチング素子制御手段として
のスイッチング素子制御回路7を備えている。
【0042】そして、図5の駆動装置と比較して、本実
施形態の駆動装置10には、以下の各構成要素が追加さ
れている。まず、本実施形態の駆動装置10には、電流
検出回路3の出力(詳しくはオペアンプOP1の出力)
Viを所定のしきい値電圧Vthと大小比較することに
より矩形波に整形して、その波形整形後の信号を異常検
出用信号SMとしてマイコン4へ出力する波形整形回路
12が追加されている。
【0043】この波形整形回路12は、電源電圧VOM
を分圧して上記しきい値電圧Vthを発生させる2つ直
列のしきい値電圧発生用抵抗R22,R23と、その両
抵抗R22,R23によって発生されるしきい値電圧V
thが非反転入力端子に入力され、電流検出回路3の出
力Viが反転入力端子に入力された比較器CMP2と、
比較器CMP2の出力端子を、ハイレベルに相当する電
源電圧VOMにプルアップする抵抗R24とから構成さ
れている。
【0044】そして、上記しきい値電圧Vthは、正常
時における電流検出回路3の出力Viの脈動範囲内に常
に入る値に設定されている。このような波形整形回路1
2では、図2における時刻t1よりも左側、図3におけ
る時刻t3よりも左側、及び図4における時刻t5より
も左側の各々に示す如く、電流検出回路3(オペアンプ
OP1)の出力Viがしきい値電圧Vthよりも小さい
時に、比較器CMP2の出力(図2〜図4におけるS
M)がハイレベルとなり、また、電流検出回路3の出力
Viがしきい値電圧Vthよりも大きい時に、比較器C
MP2の出力がローレベルとなる。
【0045】そして、このような比較器CMP2の出力
が、電流検出回路3の出力Viをしきい値電圧Vthで
波形整形した異常検出用信号SMとして、マイコン4へ
出力される。次に、本実施形態の駆動装置10では、M
OSFET2のソースが負荷用電源電圧としてのバッテ
リ電圧+Bに直接接続されておらず、そのMOSFET
2のソースは、電流リミッタ回路13の一部を成す過電
流検知用の抵抗R26を介して、バッテリ電圧+Bに接
続されている。
【0046】そして、本駆動装置10に追加された電流
リミッタ回路13は、上記抵抗R26と、エミッタがバ
ッテリ電圧+Bに接続され、コレクタがMOSFET2
のゲートに接続されたPNPトランジスタT3と、その
トランジスタT3のベースとMOSFET2のソースと
の間に接続された抵抗R27と、トランジスタT3のベ
ースとバッテリ電圧+Bとの間に接続された抵抗R28
とから構成されている。
【0047】この電流リミッタ回路13では、MOSF
ET2に流れる電流が過電流と見なされる値となって、
抵抗R26での電圧降下が所定値以上になると、トラン
ジスタT3がオンして、MOSFET2のゲートにバッ
テリ電圧+Bを供給することにより、該MOSFET2
をオフさせようとする。そして、MOSFET2に流れ
る電流が減少すると、トランジスタT3がオフに戻り、
MOSFET2に流れる電流が再び過大になると、トラ
ンジスタT3が再度オンする、といった動作が繰り返さ
れることとなる。よって、例えばMOSFET2のドレ
イン側が接地電位に短絡して、MOSFET2に破壊耐
量以上の電流が流れてしまうような状況となっても、M
OSFET2に流れる電流が制限されて該MOSFET
2を保護することができる。
【0048】また、本実施形態の駆動装置10では、電
流検出用の抵抗R2が、電磁作動器1のMOSFET2
側とは反対側の端部に直接接続されず、電磁作動器1の
MOSFET2側とは反対側の端部が接続される本駆動
装置10の出力端子PCV−と抵抗R2との間に、Nチ
ャネルMOSFET14が追加されている。そして、こ
のMOSFET14は、ドレインが上記出力端子PCV
−に接続され、ソースが抵抗R2の接地電位側とは反対
側の端部に接続されている。
【0049】更に、本実施形態の駆動装置10には、マ
イコン4からのフェイルセーフ信号SFがハイレベルの
時に、上記NチャネルMOSFET14をオフさせる保
護回路15が追加されている。そして、保護回路15
は、マイコン4からのフェイルセーフ信号SFがベース
に供給されると共に、エミッタが接地電位に接続された
NPNトランジスタT4と、そのトランジスタT4のコ
レクタと電源電圧VOMとの間に接続された抵抗R29
と、トランジスタT4のコレクタとMOSFET14の
ゲートとの間に接続された抵抗R30とから構成されて
いる。
【0050】この保護回路15において、マイコン4か
らのフェイルセーフ信号SFがローレベルの時には、ト
ランジスタT4がオフであり、MOSFET14のゲー
トに抵抗R29,R30を介して電源電圧VOMが供給
されるため、該MOSFET14がオン状態となる。よ
って、この場合には、図5の駆動装置と同様に、MOS
FET2のオン・オフに応じて、電磁作動器1への通電
電流が断続されることとなる。
【0051】これに対して、マイコン4からのフェイル
セーフ信号SFがハイレベルになると、トランジスタT
4がオンして、MOSFET14のゲート電圧が接地電
位になるため、該MOSFET14がオフされることと
なる。よって、この場合には、出力端子PCV−と抵抗
R2との間の電流経路が強制的に遮断されることとな
る。
【0052】一方更に、本実施形態の駆動装置10にお
いて、MOSFET2のドレインは、本駆動装置10の
出力端子PCV+を介して電磁作動器1の一端と接続さ
れるが、その出力端子PCV+及びMOSFET2のド
レインと接地電位との間には、アノードを接地電位側に
して、電磁作動器1に生じるフライバックエネルギーを
吸収するためのダイオードD1が接続されている。ま
た、本駆動装置10には、フェイルセーフ時にMOSF
ET14をオフさせた際に発生する電磁作動器1の逆起
電力によるサージ電圧をクランプするための素子とし
て、アノード同士の接続されたツェナーダイオードZD
1及びダイオードD2が設けられている。そして、ツェ
ナーダイオードZD1のカソードが、MOSFET14
のドレイン及び出力端子PCV−に接続され、ダイオー
ドD2のカソードが、MOSFET14のゲートに接続
されている。
【0053】以上のような本実施形態の駆動装置10で
は、マイコン4が、ディーゼルエンジンの運転状態を検
出すると共に、その検出結果に基づいて、受信回路5
へ、電磁作動器1に流すべき目標電流に対応したデュー
ティ比のパルス信号SPを出力する。また、マイコン4
は、駆動系の異常を検出していない通常時においては、
前述のフェイルセーフ信号SFをローレベルで出力す
る。そして、この駆動装置10では、前述した図5の駆
動装置と同じMOSFET2,電流検出回路3,受信回
路5,偏差積分回路6,及びスイッチング素子制御回路
7の作用により、電磁作動器1への通電電流を、マイコ
ン4からのパルス信号SPのデューティ比で示される目
標電流にフィードバック制御する。
【0054】ここで、本実施形態の駆動装置10におい
て、正常時には、波形整形回路12からマイコン4への
異常検出用信号SMが、マイコン4から受信回路5への
パルス信号SPと同じ周期の矩形波となる。つまり、本
駆動装置10においても、図5の駆動装置と同様に、正
常時においては、図2における時刻t1よりも左側、図
3における時刻t3よりも左側、及び図4における時刻
t5よりも左側の各々に示す如く、MOSFET2への
駆動信号が、マイコン4からのパルス信号SPと同じ周
期で且つ該パルス信号SPに対して位相が遅れたパルス
信号となり、電流検出回路3の出力Viは、その駆動信
号に同期して脈動する脈動波となるため、その脈動波を
上記しきい値電圧Vthで波形整形した波形整形回路1
2からの異常検出用信号SMは、マイコン4からのパル
ス信号SPと同じ周期のパルス信号となる。
【0055】これに対して、図2における時刻t1より
も右側に示すように、電磁作動器1の電流経路が断線し
たり、電磁作動器1につながる端子(PCV+,PCV
−や電磁作動器1自身の端子)が接地電位(GND)に
短絡して、電磁作動器1及び抵抗R2に電流が流れなく
なると、電流検出回路3の出力Viが波形整形回路12
でのしきい値電圧Vthよりも常時小さくなり、その結
果、波形整形回路12からマイコン4への異常検出用信
号SMがレベル変化せずにハイレベルのままとなる。
【0056】また、図3における時刻t3よりも右側に
示すように、電磁作動器1につながる端子がバッテリ電
圧+Bに短絡して、電磁作動器1及び抵抗R2に電流が
流れたままになると、電流検出回路3の出力Viが波形
整形回路12でのしきい値電圧Vthよりも常時大きく
なり、その結果、波形整形回路12からマイコン4への
異常検出用信号SMがレベル変化せずにローレベルのま
まとなる。
【0057】一方、図4における時刻t5よりも右側に
示す如く、電磁作動器1自身がレアーショートした場合
には、前述したように、マイコン4からのパルス信号S
Pがオフ側のハイレベルである時に、MOSFET2へ
の駆動信号もオフ側のハイレベルになって電磁作動器1
への通電が遮断され、マイコン4からのパルス信号SP
がオン側のローレベルである時には、MOSFET2へ
の駆動信号がマイコン4からのパルス信号SPよりも非
常に高い周波数でレベル変化して、電磁作動器1への通
電が上記パルス信号SPの周期よりも極短い周期で断続
され、更に、その通電時の電流値は正常時よりも大きい
値となる。よって、この場合、電流検出回路3の出力V
iを上記しきい値電圧Vthで波形整形した波形整形回
路12からの異常検出用信号SMは、MOSFET2へ
の駆動信号とほぼ同じ信号となり、その異常検出用信号
SMの周期は、マイコンからのパルス信号SPの周期よ
りも短くなる。
【0058】そこで、本実施形態の駆動装置10では、
マイコン4が、波形整形回路12からの異常検出用信号
SMの周期に基づいて、その信号SMの周期が、自己の
出力しているパルス信号SPの周期と異なっていると判
定すると、駆動系に異常が発生していると判断する。
【0059】具体的に説明すると、マイコン4は、所定
の入力端子の入力レベルが特定の方向(例えばローから
ハイ)にレベル変化する毎に当該マイコン4内のカウン
タが1ずつカウントアップされる一般的なエッジ計数機
能を有しており、本実施形態では、そのエッジ計数機能
の入力端子が、異常検出用信号SMを入力するための端
子として用いられている。そして、マイコン4は、パル
ス信号SPの周期よりも長い一定時間毎に起動される定
期ルーチンにより、上記カウンタの値を読み込んで、そ
のカウンタの値が予め定められた所定範囲内でなけれ
ば、異常検出用信号SMの周期がパルス信号SPの周期
とは異なっている(同じでない)と判定して、駆動系に
異常が発生していると判断する。
【0060】尚、上記カウンタの値は、この定期ルーチ
ンにて、上記所定範囲内か否かを判定された後に、0へ
とクリアされる。また、上記所定範囲は、定期ルーチン
の起動周期とパルス信号SPの周期との比から決定され
る。例えば、上記定期ルーチンの起動周期がパルス信号
SPの周期のN倍であるとすると、上記所定範囲は、
「N−1」〜「N+1」の範囲に設定することができ
る。
【0061】そして更に、マイコン4は、上記の手順で
駆動系異常の発生を検知すると、図2における時刻t
2、図3における時刻t4、及び図4における時刻t6
の各々に示すように、パルス信号SPをハイレベルのま
まにすると共に、保護回路15のトランジスタT4への
フェイルセーフ信号SFを、ローレベルからハイレベル
にする。
【0062】すると、以後は、MOSFET2がオフの
ままとなり、また、前述したように、電磁作動器1の下
流側のMOSFET14がオフされて、出力端子PCV
−と抵抗R2との間の電流経路が強制的に遮断される。
よって、例えば出力端子PCV−がバッテリ電圧+Bに
短絡しても、抵抗R2や回路パターン等が焼損してしま
うことを防止することができる。尚、例えば出力端子P
CV+が接地電位に短絡した場合には、マイコン4が異
常の発生を検知するまでの間、前述した電流リミッタ回
路13の作用により、MOSFET2に流れる電流が制
限されて、該MOSFET2が保護されることとなる。
【0063】以上のような本実施形態の駆動装置10に
よれば、マイコン4が電流フィードバック制御のための
処理(MOSFET2に対する駆動信号のデューティ比
を、実電流と目標電流との差に応じて設定する処理)を
実行することなく、しかも、AD変換器のような高価な
部品を搭載することなく、電磁作動器1の電流フィード
バック制御と、断線,端子のバッテリ電圧+Bや接地電
位への短絡,及び電磁作動器1自身のレアーショートと
いったあらゆる駆動系の異常検出とを行うことができ
る。よって、電磁作動器1の電流フィードバック制御と
駆動系の異常検出とを、マイコン4での処理負荷を小さ
くしたままで且つ安価な回路構成で行うことができる。
【0064】ところで、上記実施形態の駆動装置10
は、以下の(1)又は(2)のように変形することもで
きる。 (1)電流検出回路3の出力Viに代えて、スイッチン
グ素子制御回路7のNPNトランジスタT2のコレクタ
電圧を、波形整形回路12の比較器CMP2の反転入力
端子に入力する。この場合、スイッチング素子制御回路
7からMOSFET2に出力される駆動信号の論理を反
転させた0V〜5Vの二値信号が、異常検出用信号SM
としてマイコン4に入力されることとなる。
【0065】(2)波形整形回路12の出力Viに代え
て、スイッチング素子制御回路7の比較器CMP1の出
力を、マイコン4へ異常検出用信号SMとして入力させ
る。尚、この場合、波形整形回路12は削除することが
できる。つまり、上記(1),(2)の何れにしても、
マイコン4へは、電流検出回路3の出力Viを波形整形
した信号に代えて、スイッチング素子制御回路7からM
OSFET2に出力される駆動信号と同じタイミングで
レベル変化する二値信号が、異常検出用信号SMとして
入力されることとなる。
【0066】そして、このように構成しても、マイコン
4は前述の手順で、断線,端子のバッテリ電圧+Bや接
地電位への短絡,及び電磁作動器1自身のレアーショー
トといった駆動系異常の発生を検知することができる。
この理由について述べると、まず、スイッチング素子制
御回路7からの駆動信号は、正常時においては、前述し
たように、マイコン4からのパルス信号SPと同じ周期
の信号となるが、図2における時刻t1よりも右側に示
したように、電磁作動器1の電流経路が断線したり、電
磁作動器1につながる端子が接地電位に短絡して、電磁
作動器1及び抵抗R2に電流が流れなくなると、電磁作
動器1に一層大きな電流を流そうとする本駆動装置10
の電流フィードバック制御の機能により、駆動信号は継
続してローレベルのままとなる。
【0067】また、図3における時刻t3よりも右側に
示したように、電磁作動器1につながる端子がバッテリ
電圧+Bに短絡して、電磁作動器1及び抵抗R2に電流
が流れたままになると、電磁作動器1への電流を小さく
しようとする本駆動装置10の電流フィードバック制御
の機能により、駆動信号は継続してハイレベルのままと
なる。
【0068】また更に、電磁作動器自身がレアーショー
トした場合には、負荷のインダクタンス分が無くなるた
め、前述した図4の時刻t5より右側に示したように、
駆動信号は、マイコンからのパルス信号SPがローレベ
ルの時に、そのパルス信号SPよりも非常に高い周波数
でレベル変化することとなり、その結果、駆動信号の周
期はマイコン4からのパルス信号SPの周期よりも短く
なる。
【0069】このように、電磁作動器1自身のレアーシ
ョート,端子のバッテリ電圧+Bや接地電位への短絡,
及び断線のうち、何れの異常が生じても、駆動信号の周
期は、マイコン4からのパルス信号SPの周期と異なっ
たものになる。よって、上記(1)又は(2)の場合に
も、マイコン4は、前述の定期ルーチンにより、上記カ
ウンタの値が前述の所定範囲内でないと判定したなら
ば、スイッチング素子制御回路7から出力される駆動信
号の周期に相当する異常検出用信号SMの周期が、パル
ス信号SPの周期とは異なっていると判定して、駆動系
に異常が発生していると判断することができる。
【0070】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまで
もない。例えば、上記実施形態の駆動装置10は、ディ
ーゼルエンジンのコモンレール圧を制御するPCVを駆
動するものであったが、本発明は、そのようなPCV以
外の電磁作動器を駆動する装置に対しても、全く同様に
適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の電磁作動器駆動装置を表す構成図
である。
【図2】 電流経路の断線、又は電磁作動器につながる
端子の接地電位(GND)への短絡が発生した場合の作
用を表すタイムチャートである。
【図3】 電磁作動器につながる端子がバッテリ電圧+
Bに短絡した場合の作用を表すタイムチャートである。
【図4】 電磁作動器自身がレアーショートした場合の
作用を表すタイムチャートである。
【図5】 従来の電磁作動器駆動装置の構成例を表す回
路図である。
【符号の説明】
1…電磁作動器、2…PチャネルMOSFET(スイッ
チング素子)、3…電流検出回路、4…マイコン、5…
受信回路、6…偏差積分回路、7…スイッチング素子制
御回路、10…電磁作動器駆動装置、12…波形整形回
路、13…電流リミッタ回路、14…NチャネルMOS
FET、15…保護回路、C1…コンデンサ、CMP
1,CMP2…比較器、D1,D2…ダイオード、ZD
1…ツェナーダイオード、OP1…オペアンプ、PCV
+,PCV−…出力端子、R1〜R15,R22〜R2
4,R26〜R30…抵抗、T1,T3…PNPトラン
ジスタ、T2,T4…NPNトランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 真一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G084 BA06 BA14 DA13 DA27 EA06 EA11 EB22 EC01 EC05 3G301 JA19 JB09 LA04 LB06 NB03 ND41 5H540 AA10 BA10 EE08 EE15 FC10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁力で作動する電磁作動器に流れる電
    流を断続するスイッチング素子と、 前記電磁作動器に流れる電流を検出し、その検出電流に
    応じた電圧信号を出力する電流検出手段と、 前記電磁作動器に流す電流の目標値に対応するデューテ
    ィ比を有し前記電磁作動器の駆動を指示するパルス信号
    を出力するマイクロコンピュータと、 該マイクロコンピュータからの前記パルス信号を受信す
    る受信手段と、 抵抗とコンデンサとを有し、前記電流検出手段の出力と
    前記受信手段の受信する前記パルス信号とに基づいて充
    放電し、その時定数が前記パルス信号の周期よりも大で
    ある偏差積分回路と、 前記パルス信号と同じ周期で変化する前記コンデンサの
    充電電圧の極性に応じて、前記スイッチング素子をオン
    ・オフ制御するスイッチング素子制御手段と、 を備えた電磁作動器駆動装置において、 前記電流検出手段の出力を所定のしきい値電圧と大小比
    較することにより矩形波に整形して、その波形整形後の
    信号を前記マイクロコンピュータへ出力する波形整形回
    路を備え、 前記マイクロコンピュータは、前記波形整形回路からの
    信号の周期に基づいて、異常の有無を判定すること、 を特徴とする電磁作動器駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電磁作動器駆動装置に
    おいて、 前記マイクロコンピュータは、前記波形整形回路からの
    信号の周期が、自己の出力している前記パルス信号の周
    期と異なっていると判定した場合に、異常が発生してい
    ると判断すること、 を特徴とする電磁作動器駆動装置。
  3. 【請求項3】 電磁力で作動する電磁作動器に流れる電
    流を断続するスイッチング素子と、 前記電磁作動器に流れる電流を検出する電流検出手段
    と、 前記電磁作動器に流す電流の目標値に対応するデューテ
    ィ比を有し前記電磁作動器の駆動を指示するパルス信号
    を出力するマイクロコンピュータと、 該マイクロコンピュータからの前記パルス信号を受信す
    る受信手段と、 抵抗とコンデンサとを有し、前記電流検出手段により検
    出された電流と前記受信手段の受信する前記パルス信号
    とに基づいて充放電し、その時定数が前記パルス信号の
    周期よりも大である偏差積分回路と、 前記パルス信号と同じ周期で変化する前記コンデンサの
    充電電圧の極性に応じて、前記スイッチング素子へ該ス
    イッチング素子をオン・オフさせる駆動信号を出力する
    スイッチング素子制御手段と、 を備えた電磁作動器駆動装置において、 前記マイクロコンピュータは、前記スイッチング素子制
    御手段から出力される前記駆動信号の周期に基づいて、
    異常の有無を判定すること、 を特徴とする電磁作動器駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電磁作動器駆動装置に
    おいて、 前記マイクロコンピュータは、前記駆動信号の周期が、
    自己の出力している前記パルス信号の周期と異なってい
    ると判定した場合に、異常が発生していると判断するこ
    と、 を特徴とする電磁作動器駆動装置。
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