JP2002345096A - 拡散音場再現装置 - Google Patents

拡散音場再現装置

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JP2002345096A
JP2002345096A JP2001144654A JP2001144654A JP2002345096A JP 2002345096 A JP2002345096 A JP 2002345096A JP 2001144654 A JP2001144654 A JP 2001144654A JP 2001144654 A JP2001144654 A JP 2001144654A JP 2002345096 A JP2002345096 A JP 2002345096A
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JP2001144654A
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Koichiro Hiyama
浩一郎 火山
Setsu Komiyama
摂 小宮山
Kimio Hamazaki
公男 濱崎
Kazuo Ono
一穂 小野
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単なシステム構成でモノラル信号を用いた
拡散音場の拡がり感を再生することが可能な技術を提供
することである。 【解決手段】 モノラル信号を入力する入力手段と、前
記モノラル信号を少なくとも4つの信号に分配する分配
手段と、前記分配手段により分配された信号にそれぞれ
異なる遅延又は/及び残響を与える付加手段と、前記付
加手段の出力信号の内の何れか2つの信号から45゜〜
135゜及び−45゜〜−135゜の範囲に音源を左右
対称に定位させる2チャンネル分のステレオ信号をそれ
ぞれ生成する生成手段と、前記生成手段で生成されたス
テレオ信号と前記付加手段の出力信号の内で前記生成手
段に入力されない2つの信号とを加算する加算手段と、
前記加算手段の出力信号を外部に出力する出力手段とを
備えたことを特徴とする拡散音場再現装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、拡散音場再現装置
に関し、特に、2chステレオ番組や音楽ソフト制作等
(レコーディングやミクシング)における音場の拡大、
及び拡がり感拡大による臨場感の増大に有効な技術に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】2chステレオによる音声制作において
は、よくモノラル信号に対し独立なリバーブマシン(以
下、「リバーブ」と記す)を2つ用いてチャンネル間を
無相関化して拡がり感を得ようと試みられているが、ス
ピーカの開き角以上の音の拡がり感を得ることは困難で
あった。また、聴取者を中心として同心円上に2つのス
ピーカがある場合、それらのスピーカに入力する信号を
制御して2つのスピーカの外側の任意の方向に音像(仮
想音源)を形成する方法が、例えば“Digital Filter D
esign for Invetsion Problems in Sound Reproductio
n,J.Audio Eng. Soc.,Vol.47,No.7/8,pp.583-595,1999
July/August”に開示されている。
【0003】まず、2つのスピーカ303a,303b
を用いて任意の方向に音像を形成する方法を図3を用い
て説明する。図3において、形成したい仮想音源301
の位置をa、聴取者302の位置を中心として聴取者3
02に対して正面方向とaのなす角度をθとすると、仮
想音源301の位置aと聴取者302の位置の距離が十
分大きい場合には、仮想音源301の位置aに実際にス
ピーカがある場合の聴取位置における両耳間のレベル差
Δlr(θ)、位相差φlr(θ)の周波数特性は曲線
304a、304bで示すように音波が到達するので、
一義に決まる。これらを総称して一般に頭部伝達関数と
呼ばれている。そこで、実在する2個のLチャンネル用
及びRチャンネル用のスピーカ303a,303bを用
いて仮想音源301の位置aに仮想音源を形成するため
には、聴取者302の両耳間レベル差をΔlr(θ)、
聴取者302の両耳間位相差をφlr(θ)となるよう
に、それぞれのLチャンネル用及びRチャンネル用のス
ピーカ303a,303bに入力する信号を制御すれば
よい。図3に示すFIRフィルタ305によるhl
(θ),hr(θ)は、聴取者の両耳間レベル差Δlr
(θ)と、位相差φlr(θ)を実現するために、それ
ぞれのLチャンネル用及びRチャンネル用のスピーカ3
03a,303bにかけるフィルタである。この方法を
用いて聴取者302を取り囲むように多数の仮想音源3
01を形成して、あらゆる方向から音源が到来する音場
の空間的印象を得ることが成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。前述
した方法は聴取位置が固定であることが前提である。す
なわち、両耳位置のみを制御点としているために、制御
点をはずれると両耳間レベル差及び位相差は共に不規則
な分布となるので、頭部が動くと違和感が大きくなって
しまうという問題があった。また、多数の仮想音源を形
成するために、使用するフィルタ数が多くなり、装置の
構成が複雑になってしまうという問題があった。
【0005】また、ステレオ収録した2ch信号の差を
とり出し、所定のディレーをかけた後、元のステレオ信
号に付加して拡がり感を得る方法が音声制作において行
われてきたが、この操作は元のステレオ信号に逆相信号
を付加することに等しく、差信号の付加量によっては不
自然な音になってしまうという問題があった。
【0006】そこで、差信号をフィルタを用いて横もし
くは後ろに定位させて自然な響きを実現する方法もあっ
た。しかしながら、この方法では拡散音場における両耳
間相関係数を保証できず、拡散音場の拡がり感の実現を
保証できないという問題があった。
【0007】本発明の目的は、簡単なシステム構成でモ
ノラル信号を用いた拡散音場の拡がり感を再生すること
が可能な技術を提供することにある。本発明の前記なら
びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び
添付図面によって明らかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。 (1)モノラル信号を入力する入力手段と、前記モノラ
ル信号を少なくとも4つの信号に分配する分配手段と、
前記分配手段により分配された信号にそれぞれ異なる遅
延又は/及び残響を与える付加手段と、前記付加手段の
出力信号の内の何れか2つの信号から45゜〜135゜
及び−45゜〜−135゜の範囲に音源を左右対称に定
位させる2チャンネル分のステレオ信号をそれぞれ生成
する生成手段と、前記生成手段で生成されたステレオ信
号と前記付加手段の出力信号の内で前記生成手段に入力
されない2つの信号とを加算する加算手段と、前記加算
手段の出力信号を外部に出力する出力手段とを備えた拡
散音場再現装置である。
【0009】前述した手段によれば、付加手段が分配手
段により分配された信号にそれぞれ異なる遅延又は/及
び残響を与え、生成手段が付加手段の出力信号の内の何
れか2つの信号から45゜〜135゜及び−45゜〜−
135゜の範囲に音源を左右対称に定位させる2チャン
ネル分のステレオ信号をそれぞれ生成し、加算手段が生
成手段で生成されたステレオ信号と付加手段の出力信号
の内で生成手段に入力されない2つの信号とを加算し、
出力手段が加算された信号を出力する構成となっている
ので、従来の音響装置で一般的である2個のスピーカー
構成で使用することが可能となる。このとき、各スピー
カ位置が一対の音源を形成すると共に、生成手段によっ
て聴取者の側面方向にも一対の音源が形成されることと
なるので、多チャンネル音場再生での水平面上のあらゆ
る方向からランダムに音が到来するような音場である2
次元拡散音場における空間的印象を再現できる。
【0010】また、本願発明では、スピーカの設置位置
を含めた聴取者の前方と側方とにそれぞれ一対の音源を
配置する、すなわち仮想音源を含む4個の音源を配置す
るのみで、2次元拡散音場における空間的印象を再現で
きるので、拡散音場再現装置のシステム構成を簡略化で
きるという効果が得られる。その結果、拡散音場再現装
置の小型化が容易となり、スピーカ等にも容易に組み込
むことが可能となる。
【0011】また、本願発明では、生成手段を通さない
信号を用いる、すなわちスピーカを音源位置とする構成
となっているので、聴取者の頭部の動きに対しても違和
感が大きくなってしまうのを防止できる。特に、横方向
では頭1つ分程度、回転方向では2つのスピーカにより
形成される領域以内であれば、聴取者が移動した場合で
も違和感が生じることを防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図に
おいて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0013】図1は本発明の一実施の形態である拡散音
場再現装置の概略構成を説明するための図である。ただ
し、図1において、101は信号源、102は無相関化
回路、103はFIRフィルタ、104は加算手段、1
05はスピーカ(拡声手段)、106は聴取者を示す。
【0014】図1において、第1〜第4の無相関化回路
102a〜102dは、例えば入力信号が音楽や音声の
ような場合には、周知のリバーブマシンと称される音の
響きの成分を生成する手段によって実現できる。例え
ば、下記の式(1)で示す有限長インパルス応答によっ
て得られるh(t)を入力信号に畳み込むことによっ
て、残響時間Tの響きを得る構成となっている。特に、
本実施の形態では、第1〜第4の無相関化回路102a
〜102dで異なるrand(t)が用いられる構成と
なっており、その結果として、第1〜第4の無相関化回
路102a〜102dのそれぞれから出力される信号が
それぞれ相関性の低いすなわち無相関な信号となる。
【0015】
【数1】
【0016】ただし、式(1)において、Tは残響時
間、rand(t)は信号値がガウス分布となるような
ランダムな時系列、Aは定数である。
【0017】第1及び第2のFIRフィルタ103a,
103bは、入力された一の信号すなわちモノラル信号
基づいて、聴取者106の正面位置から所定の角度θに
仮想音源を形成する周知のフィルタ手段である。すなわ
ち、第1及び第2のFIRフィルタ103a,103b
は、入力されたモノラル信号を2つの信号に分割した後
に、聴取者106の正面位置と仮想音源位置とのなす角
度θに基づいて、分割された信号間に聴取者106の両
耳間レベル差Δlr(θ)及び位相差φlr(θ)を与
えることによって、予め設定された位置に仮想音源を形
成するための2チャンネルのステレオ信号を生成する。
【0018】特に、本実施の形態では、第2のFIRフ
ィルタ103bは、第3の無相関化回路102cが出力
するモノラル信号(以下、「fl信号」と記す)から、
聴取者106の正面を基準とする反時計回り(左回転方
向)の45゜〜135゜の範囲に第2の仮想音源を形成
する2チャンネルのステレオ信号を生成する構成となっ
ている。すなわち、第2のFIRフィルタ103bは、
聴取者106の右側面方向に仮想音源を形成する2チャ
ンネルのステレオ信号の内で、右チャンネルの信号であ
るfrr信号と左チャンネルの信号であるfrl信号を
生成する構成となっている。
【0019】一方、第1のFIRフィルタ102aは、
第2の無相関化回路102bが出力するモノラル信号
(以下、「fr信号」と記す)から第2のFIRフィル
タ103bの仮想音源位置と左右対象となる位置、すな
わち聴取者106の正面を基準として反時計回りに−4
5゜〜−135゜の範囲に第1の仮想音源を形成する2
チャンネルのステレオ信号を生成する構成となってい
る。すなわち、第1のFIRフィルタ103aは、聴取
者106の左側面方向に仮想音源を形成する2チャンネ
ルのステレオ信号の内で、右チャンネルの信号であるf
lr信号と左チャンネルの信号であるfll信号を生成
する構成となっている。
【0020】第1〜第4の加算手段104a〜104d
は、2入力1出力の周知の加算手段であり、第1の加算
手段104aは第1の無相関化回路102aから出力さ
れる信号であるr信号と、第1のFIRフィルタ103
aから出力されるfrr信号とを加算し、得られた信号
を第3の加算手段104cに出力する構成となってい
る。また、第2の加算手段104bは、第4の無相関化
回路102dから出力される信号であるl信号と、第1
のFIRフィルタ103aから出力されるfrl信号と
を加算し、得られた信号を第4の加算手段104dに出
力する構成となっている。また、第3の加算手段104
cは、第1の加算手段104aから出力される信号と、
第2のFIRフィルタ103bから出力されるflr信
号とを加算し、図示しない周知の出力回路に出力する構
成となっている。さらには、第4の加算手段104d
は、第2の加算手段104bから出力される信号と、第
2のFIRフィルタ103bから出力されるfll信号
とを加算し、図示しない周知の出力回路に出力する構成
となっている。
【0021】第1及び第2のスピーカ105a,105
bは電気信号を音波に変換する周知のスピーカであり、
特に本実施の形態では、聴取者106の前方に配置され
る。
【0022】次に、図1に基づいて、本実施の形態の拡
散音場再現装置の動作を説明する。信号源101から入
力されたモノラル信号は、まず4つに分岐された後に、
それぞれ第1〜第4の無相関化回路102a〜102d
に入力される。第1〜第2の無相関化回路102a〜1
02dは、入力された信号に応じて得られる式(1)で
示す有限長インパルス応答h(t)を当該入力信号に畳
み込むことによって、残響時間Tの響きが入力信号に与
えられる。その結果、第1〜第4の無相関化回路102
a〜102dから出力される信号(r信号,fr信号,
fl信号,l信号)は、それぞれの相関性が低い信号と
なる。
【0023】第1〜第4の無相関化回路102a〜10
2dから出力された信号の内で、第2の無相関化回路1
02bと第3の無相関化回路102cとから出力された
fr信号とfl信号とは、第1及び第2のFIRフィル
タ103a,103bによって、それぞれ聴取者106
の正面(点線で示す)を基準とする反時計回りの45゜
〜135゜の範囲に第2の仮想音源を形成する2チャン
ネルのステレオ信号(frr信号とfrl信号)と、こ
の第2の仮想音源位置と左右対称の位置に第1の仮想音
源を形成する2チャンネルのステレオ信号(flr信号
とfll信号)とに分岐される。
【0024】第1の無相関化回路102aからのr信号
及び第1のFIRフィルタ103aからのfrr信号並
びに第2のFIRフィルタ103bからのflr信号
は、それぞれ第1及び第3の加算手段104a,104
cによって加算された後に、図示しない出力回路を介し
て、それぞれ対応するスピーカ105a,105bに入
力される。スピーカ105a,105bに入力された信
号は音波に変換され、聴取者106に向けて出力される
こととなる。このとき、本実施の形態では、聴取者10
6の正面右手方向に配置される第1のスピーカ105a
と、正面左手方向に配置される第2のスピーカ105b
との角度が、聴取者106を基準として0゜〜45゜の
2倍の角度で配置されている。すなわち、点線で示す聴
取者106の正面を基準として、反時計回りの0゜〜4
5゜の範囲に左側となる第2のスピーカ105bが配置
され、この第2のスピーカ105bと聴取者106の正
面(点線で示す)に対して左右対称となる位置(反時計
回りの0゜〜−45゜の範囲)に右側となる第1のスピ
ーカ105aが配置される。
【0025】従って、モノラル信号に所定の残響時間が
与えられたr信号の音源位置は、第1のスピーカ105
aの位置となる。同様に、モノラル信号に所定の残響時
間が与えられたl信号の音源位置は第2のスピーカ10
5bの位置となる。一方、一対のステレオ信号である第
1のスピーカ105aに入力されるflr信号と、第2
のスピーカ105bに入力されるfll信号とによる音
源位置、すなわち第3の無相関化回路102cから出力
されるfl信号の音源位置は、前述するように、第2の
FIRフィルタ103bにより聴取者106の正面を基
準とする反時計回りの45゜〜135゜の範囲の仮想音
源位置(第2の仮想音源位置)となる。同様に、一対の
ステレオ信号である第1のスピーカ105aに入力され
るfrr信号と、第2のスピーカ105bに入力される
frl信号とによる音源位置、すなわち第2の無相関化
回路102bから出力されるfr信号の音源位置は、第
1のFIRフィルタ103aにより聴取者106のを基
準とする第2の仮想音源位置と左右対称の仮想音源位置
(第1の仮想音源位置)となる。
【0026】図2は本実施の形態の拡散音場再現装置を
用いた両耳相関係数の計測値を示す図である。ただし、
図2において、201は本実施の形態の拡散音場再現装
置を用いた両耳相関係数の計測値であり、202は従来
法の拡散音場再現装置を用いた両耳相関係数の計測値で
あり、203は聴取者の周囲にスピーカを15゜おきに
24個配置したいわゆる24チャンネルの場合における
両耳相関係数の計測値である。また、両耳相関係数の計
測値は、ダミーヘッドを用いて計測したものである。
【0027】図2から明らかなように、本実施の形態の
拡散音場再現装置を用いた両耳相関係数の計測値201
は、聴取者の周囲にスピーカを15゜おきに24個配置
したいわゆる24チャンネルの場合における両耳相関係
数の計測値203とほぼ同じ周波数特性を示すことにな
る。その結果、本実施の形態の拡散音場再現装置を用い
ることによって、多チャンネル音場再生での水平面上の
あらゆる方向からランダムに音が到来するような音場で
ある2次元拡散音場における空間的印象を再現できるこ
とが判明した。すなわち、本願発明を適用した拡散音場
再現装置を用いることによって、従来の音響装置で一般
的である2個のスピーカー構成であっても、2次元拡散
音場における空間的印象を再現できる。
【0028】このとき、本願発明では、スピーカ105
a,105bの設置位置を含めた聴取者106の前方と
側方とにそれぞれ一対の音源を配置する、すなわち仮想
音源を含む4個の音源を配置するのみで、2次元拡散音
場における空間的印象を再現できるので、拡散音場再現
装置のシステム構成を簡略化できるという効果が得られ
る。その結果、拡散音場再現装置の小型化が容易とな
り、スピーカ等にも容易に組み込むことが可能となる。
【0029】また、本実施の形態の拡散音場再現装置で
は、FIRフィルタ103a,103bを通さない信号
(r信号及びl信号)を用いる、すなわちスピーカ10
5a,105bを音源位置とする構成となっているの
で、聴取者106の移動(特に、頭部の動き)に対して
も違和感が大きくなってしまうのを防止できる。特に、
横方向では頭1つ分程度、回転方向では2つのスピーカ
105a,105bにより形成される領域以内であれ
ば、聴取者106が移動した場合でも違和感が生じるこ
とを防止できる。
【0030】また、本実施の形態の拡散音場再現装置で
は、拡声手段としてスピーカ105a,105bの場合
について説明したが、拡声手段としては、電気信号を振
動音に変換可能なアクチュエータを用いた電気音響変換
器等の他の手段でも本願発明を適用可能なことはいうま
でもない。
【0031】また、本実施の形態の拡散音場再現装置で
は、聴取者の前方(反時計回りの0゜〜45゜と0゜〜
−45゜の範囲の正面に対して左右対象となる位置)に
第1及び第2のスピーカ105a,105bを配置する
場合について説明したが、これに限定されることはな
く、例えば聴取者の後方(反時計回りの135゜〜−1
80゜と−135゜〜−180゜の範囲の左右対象とな
る位置)に第1及び第2のスピーカ105a,105b
を配置する構成とした場合であっても前述した効果を得
られることはいうまでもない。
【0032】また、本実施の形態の拡散音場再現装置で
は、聴取者106の側方に仮想音源を配置する構成とし
たが、これに限定されることはなく、例えば、聴取者1
06の側方(反時計回りの45゜〜135゜と−45゜
〜−135゜の範囲の正面に対して左右対象となる位
置)に第1及び第2のスピーカ105a,105bを配
置し、聴取者106の前方(反時計回りの0゜〜45゜
と0゜〜−45゜の範囲の正面に対して左右対象となる
位置)に仮想音源を形成する構成とした場合であっても
前述した効果を得られることはいうまでもない。さらに
は、聴取者106の後方(反時計回りの135゜〜−1
80゜と−135゜〜−180゜の範囲の左右対象とな
る位置)に仮想音源を形成する形成する構成とした場合
であっても前述した効果を得られることはいうまでもな
い。
【0033】さらには、本実施の形態の拡散音場再現装
置では、前記モノラル信号処理は、アナログ処理あるい
はモノラル信号をA/D変換器で変換した後のデジタル
処理でもよいことはいうまでもない。
【0034】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。 (1)従来の音響装置で一般的である2個のスピーカー
構成であっても、2次元拡散音場における空間的印象を
再現できる。 (2)仮想音源を含む4個の音源を配置するのみで、2
次元拡散音場における空間的印象を再現できる。 (3)仮想音源を含む4個の音源を配置するのみで、2
次元拡散音場における空間的印象を再現できるので、拡
散音場再現装置のシステム構成を簡略化できる。 (4)拡散音場再現装置のシステム構成を簡略化できる
ので、拡散音場再現装置のさらなる小型化が可能であ
る。 (5)仮想音場を生成するフィルタを通さない信号を用
いる構成となっているので、聴取者の移動により違和感
が大きくなってしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である拡散音場再現装置
の概略構成を説明するための図である。
【図2】本実施の形態の拡散音場再現装置を用いた両耳
相関係数の計測値を示す図である。
【図3】従来の拡散音場再現装置の原理を説明するため
の図である。
【符号の説明】
101…信号源 102…無相関
化回路 103…FIRフィルタ 104…加算手
段 105…スピーカ 106…聴取者 301…仮想音源 302…聴取者 303…スピーカ 304…聴取者
に至る音波経路の一例 305…FIRフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱崎 公男 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 小野 一穂 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 Fターム(参考) 5D062 BB12 BB14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノラル信号を入力する入力手段と、前
    記モノラル信号を少なくとも4つの信号に分配する分配
    手段と、前記分配手段により分配された信号にそれぞれ
    異なる遅延又は/及び残響を与える付加手段と、前記付
    加手段の出力信号の内の何れか2つの信号から45゜〜
    135゜及び−45゜〜−135゜の範囲に音源を左右
    対称に定位させる2チャンネル分のステレオ信号をそれ
    ぞれ生成する生成手段と、前記生成手段で生成されたス
    テレオ信号と前記付加手段の出力信号の内で前記生成手
    段に入力されない2つの信号とを加算する加算手段と、
    前記加算手段の出力信号を外部に出力する出力手段とを
    備えたことを特徴とする拡散音場再現装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の拡散音場再現装置にお
    いて、 前記入力手段から入力されたモノラル信号が音声信号か
    非音声信号かを判別する判別手段を備え、前記付加手段
    は前記判別手段の判別結果に基づいて、前記分配手段か
    らの出力信号に与える遅延もしくは残響の何れかを与え
    ることを特徴とする拡散音場再現装置。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは2に記載の拡散音場再
    現装置において、 前記出力手段から出力される2つの信号は、それぞれ0
    ゜〜45゜及び0゜〜−45゜の範囲もしくは135゜
    〜180゜及び−135゜〜−180゜に左右対称に配
    置された拡声手段に入力されることを特徴とする拡散音
    場再現装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100364367C (zh) * 2005-06-03 2008-01-23 安凯(广州)软件技术有限公司 动态三维环绕立体声效处理系统
US8958585B2 (en) 2004-06-29 2015-02-17 Sony Corporation Sound image localization apparatus
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