JP2002344316A - 非線形量子化装置および非線形量子化方法、並びに非線形量子化プログラム - Google Patents

非線形量子化装置および非線形量子化方法、並びに非線形量子化プログラム

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JP2002344316A
JP2002344316A JP2001149048A JP2001149048A JP2002344316A JP 2002344316 A JP2002344316 A JP 2002344316A JP 2001149048 A JP2001149048 A JP 2001149048A JP 2001149048 A JP2001149048 A JP 2001149048A JP 2002344316 A JP2002344316 A JP 2002344316A
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exponent
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calculating
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Naohiko Shimizu
尚彦 清水
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Tokai University
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Tokai University
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路規模の大型化を抑制すると共に処理を高
速化する。 【解決手段】 仮数および底と小数の指数とに基づき累
乗計算を行って解を求める累乗計算手段2,3を備える
と共に、該累乗計算手段2,3を少なくとも一部の処理
に利用してアナログ信号Xを離散信号Iに変換する非線
形量子化装置1において、累乗計算手段2,3は、仮数
および底と指数とから演算用仮数を求める演算用仮数算
出手段4,5と、仮数および底と指数とから整数の演算
用指数を求める演算用指数算出手段6,7と、演算用仮
数および演算用指数を利用して解を求める演算手段8,
9とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非線形量子化装置お
よび非線形量子化方法、並びに非線形量子化プログラム
に関する。さらに詳しくは、本発明は、小数の指数を利
用した累乗計算を行うことによりアナログ信号をデジタ
ル信号である離散信号に変換するための非線形量子化装
置および非線形量子化方法、並びに非線形量子化プログ
ラムに関する。
【0002】
【従来の技術】MPEG2等でのオーディオ信号圧縮の
ようにアナログ量をデジタル符号化する場合には、アナ
ログ量を非線形量子化して離散値に変換する。例えばM
P3における非線形量子化は、数式1のようにアナログ
信号Xをデジタルの離散信号Iに変換する。
【数1】 ここで、Qは量子化ステップであり、数式2により定義
される。
【数2】Q=2q/4 q:整数
【0003】数式1により離散信号Iを算出するために
は、指数が小数の累乗計算を2回行う場合があるので、
演算を迅速化するためにニュートン法、テイラー展開、
直線近似法等の近似法を使用することが一般的である。
例えばニュートン法によりX 0.75を計算する場合
は、数式3の両辺を4乗して数式4を得る。
【数3】Y=X0.75
【数4】Y=X
【0004】そして、数式4の両辺の差から数式5の関
数を得る。
【数5】f(Y)=Y−X これをYで微分すると数式6の関数を得る。
【数6】f’(Y)=4×Y よって、数式7の近似式を得ることができる。
【数7】 Yn+1=Y+(−Y+((X/Y))/4
【0005】ここで、Yn+1はYの(n+1)回目の
近似を意味すると共に、Yはn回目の近似を意味して
いる。そして、Yに近い値を代入して近似を何回か繰
り返すことで精度が向上する。Yの初期値としては直
線近似による近似値を使うことが多い。
【0006】ところが、ニュートン法による近似法で
は、仮に初期値を固定値にして3回の反復計算を行うと
すると、1回の反復ごとに割算1回、掛算4回(固定値
0.25との積を含む)、加算2回の演算が必要である
から、合計で割算4回、掛算12回、加算6回の計算が
必要となる。そして、多くのマイクロプロセッサでは割
算は15クロック、掛算および加算は4クロック程度を
要するので、上述した量子化演算の前処理のために10
0クロック相当の時間が必要となってしまう。しかも、
実際には初期値を得るために近似処理を行うので、更に
時間が掛かっていた。
【0007】仮にアナログ信号Xをデジタルの離散信号
Iに変換するためにエンコーダによりこの近似処理を実
施したとすると、エンコーダの実行時間の90%以上は
量子化の時間になってしまう。
【0008】このため、出現頻度の高いデータに相当す
る部分については予め作成したテーブルを参照して算出
すると共に、それ以外の部分についてはニュートン法を
適用するようにして、全体のスピードアップを図るよう
にしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たテーブル索引とニュートン法とを併用する量子化演算
では、これをハードウェアで実施しようとするとテーブ
ル索引回路およびニュートン法回路の両方が必要になる
ので回路規模が大きくなってしまう。また、ニュートン
法の処理を行うためには、浮動小数点除算回路および浮
動小数点乗算回路が必要であると共にこれらの回路は規
模が大きいので、ハードウェア全体の規模が大きくなっ
てしまう。さらに、回路規模が大きければ処理の高速化
は困難である。
【0010】そこで、本発明は、回路規模の大型化を抑
制すると共に処理を高速化できる非線形量子化装置およ
び非線形量子化方法、並びに非線形量子化プログラムを
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、仮数および底と小数の指数
とに基づき累乗計算を行って解を求める累乗計算手段を
備えると共に、該累乗計算手段を少なくとも一部の処理
に利用してアナログ信号を離散信号に変換する非線形量
子化装置において、累乗計算手段は、仮数および底と指
数とから演算用仮数を求める演算用仮数算出手段と、仮
数および底と指数とから整数の演算用指数を求める演算
用指数算出手段と、演算用仮数および演算用指数を利用
して解を求める演算手段とを備えるようにしている。
【0012】したがって、整数の演算用指数を利用して
累乗計算を行って解を求めているので、小数の指数の累
乗計算を行う場合に比べて回路規模を小さくすることが
できる。また、小数の指数の累乗計算を行う場合に比べ
て計算工程を少なくすることができるので、非線形量子
化装置の処理速度を速めることができる。
【0013】また、請求項4記載の発明は、仮数および
底と小数の指数とに基づき累乗計算を行って解を求める
累乗計算工程を備えると共に、該累乗計算工程を少なく
とも一部の処理に利用してアナログ信号を離散信号に変
換する非線形量子化方法において、累乗計算工程は、仮
数および底と指数とから演算用仮数を求める演算用仮数
算出工程と、仮数および底と指数とから整数の演算用指
数を求める演算用指数算出工程と、演算用仮数および演
算用指数を利用して解を求める演算工程とを備えるよう
にしている。
【0014】さらに、請求項7記載の非線形量子化プロ
グラムは、仮数および底と小数の指数とに基づき累乗計
算を行って解を求める累乗計算処理を少なくとも一部に
利用してアナログ信号を離散信号に変換するためにコン
ピュータを、仮数および底と指数とから演算用仮数を求
める演算用仮数算出手段と、仮数および底と指数とから
整数の演算用指数を求める演算用指数算出手段と、演算
用仮数および演算用指数を利用して解を求める演算手段
として機能させるようにしている。
【0015】したがって、整数の演算用指数を利用して
累乗計算を行って解を求めているので、小数の指数の累
乗計算を行うために複雑な累乗演算サブルーチンや累乗
演算サブルーチンを行う場合に比べて計算工程を少なく
することができるので、非線形量子化の処理速度を速め
ることができる。
【0016】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の非線形量子化装置において、演算用仮数算出手段
は、演算用仮数を仮数および底と指数とに相関関係を設
けて格納した仮数テーブルと、該仮数テーブルに仮数お
よび底と指数とを当てはめて演算用仮数を求める算出部
とを備えるようにしている。そして、請求項5記載の発
明は、請求項4記載の非線形量子化方法において、演算
用仮数算出工程は、演算用仮数を仮数および底と指数と
に相関関係を設けて格納した仮数テーブルに仮数および
底と指数とを当てはめて演算用仮数を求めるものである
ようにしている。
【0017】したがって、仮数テーブルの利用により仮
数および底と指数とから演算用仮数を求めているので、
計算工程が不要になって回路規模の縮小化と処理の高速
化に貢献できる。
【0018】さらに、請求項3記載の発明は、請求項1
または2記載の非線形量子化装置において、演算用指数
算出手段は、演算用指数補正値を仮数および底と指数と
に相関関係を設けて格納した指数補正値テーブルと、該
指数補正値テーブルに仮数および底と指数とを当てはめ
て演算用指数補正値を求める演算用指数補正値算出部
と、仮数および底と指数とから算出した基礎演算用指数
を演算用指数補正値により補正して演算用指数を求める
算出部とを備えるようにしている。また、請求項6記載
の発明は、請求項4または5記載の非線形量子化方法に
おいて、演算用指数算出工程は、演算用指数補正値を仮
数および底と指数とに相関関係を設けて格納した指数補
正値テーブルに仮数および底と指数とを当てはめて演算
用指数補正値を求めて、仮数および底と指数とから算出
した基礎演算用指数を演算用指数補正値により補正して
演算用指数を求めるものであるようにしている。
【0019】したがって、指数補正値テーブルの利用に
より仮数および底と指数とから演算用指数補正値を求め
ているので、計算工程が不要になって回路規模の縮小化
と処理の高速化に貢献できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
一実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1および図
2に本発明の非線形量子化装置1の実施形態の一例を示
す。この非線形量子化装置1は、仮数および底と小数の
指数とに基づき累乗計算を行って解を求める累乗計算手
段2,3を備えると共に、該累乗計算手段2,3を少な
くとも一部の処理に利用してアナログ信号Xを離散信号
Iに変換するものである。そして、累乗計算手段2,3
は、仮数および底と指数とから演算用仮数Xf,Yfを
求める演算用仮数算出手段4,5と、仮数および底と指
数とから整数の演算用指数Xe,Yeを求める演算用指
数算出手段6,7と、演算用仮数Xf,Yfおよび演算
用指数Xe,Yeを利用して解X/Q,Iを求める演算
手段8,9とを備えるようにしている。このため、整数
の演算用指数Xe,Yeを利用して累乗計算を行って解
X/Q,Iを求めているので、小数の指数の累乗計算を
行う場合に比べて回路規模を小さくすることができる。
また、小数の指数の累乗計算を行う場合に比べて計算工
程を少なくすることができるので、非線形量子化装置1
の処理速度を速めることができる。
【0021】演算用仮数算出手段4,5は、演算用仮数
Xf,Yfを仮数および底と指数とに相関関係を設けて
格納した仮数テーブル10,11と、該仮数テーブル1
0,11に仮数および底と指数とを当てはめて演算用仮
数Xf,Yfを求める算出部12,13とを備えてい
る。演算用指数算出手段6,7は、演算用指数補正値r
1,r2を仮数および底と指数とに相関関係を設けて格
納した指数補正値テーブル14,15と、該指数補正値
テーブル14,15に仮数および底と指数とを当てはめ
て演算用指数補正値r1,r2を求める演算用指数補正
値算出部16,17と、仮数および底と指数とから算出
した基礎演算用指数Xe’,Ye’を演算用指数補正値
により補正して演算用指数Xe,Yeを求める算出部1
8,19とを備えている。このため、演算用仮数Xf,
Yfおよび演算用指数補正値r1,r2を各テーブル1
0,11,14,15の利用により求めているので、計
算工程を少なくして回路規模の縮小化と処理の高速化に
貢献できる。
【0022】本実施形態の非線形量子化装置1は、MP
3用のエンコーダとしている。そして、数式8に示す非
線形量子化の処理を2進浮動小数点形式で行うものとし
ている。また、本明細書では2進浮動小数点形式として
IEEE754単精度浮動小数点形式を利用している
が、これには限られず2進数により指数部と仮数部とを
表現する全ての形式に適用可能である。
【数8】
【0023】非線形量子化装置1にはアナログ信号Xと
量子化ステップQとが入力される。ここでの量子化ステ
ップQは数式9により定義される。
【数9】Q=2q/4 q:整数
【0024】この非線形量子化装置1では2つの累乗計
算手段2,3を備えている。各累乗計算手段2,3は直
列に接続されている。そして、第1の累乗計算手段2は
量子化ステップQを調整してX/Qを出力し、第2の累
乗計算手段3は0.75乗を行うと共に量子化を実現し
て整数の離散信号Iを出力する。
【0025】第1の累乗計算手段2では、アナログ信号
Xと整数の量子化ステップパラメータqとを受けてX/
Qを算出する。
【0026】ここで、アナログ信号Xおよび量子化ステ
ップパラメータqからX/Qを2進浮動小数点形式で算
出する演算手順の一例を説明する。アナログ信号Xを2
進浮動小数点形式で表現すると数式10で示される。
【数10】X=X1×2X2 ここで、X1はXの仮数部分であり0.5以上1.0未
満の値となる。X2はXの指数部分であり整数値であ
る。そして、X/Qは数式11で示される。
【数11】 量子化ステップパラメータqが4の倍数であれば、指数
部分(X2−q/4)を加算回路だけで算出できる。そ
して、仮数部分と指数部分とを2進数として結合処理す
ればX/Qを得ることができる。
【0027】また、量子化ステップパラメータqが4の
倍数でないときは、数式11は数式12のように表され
る。
【数12】 ここで、≪n≫はnの整数部分を意味し、『n』はnの
端数部分を意味する。『q/4』はqが正の場合には
0,0.25,0.50,0.75のいずれかの値とな
る。
【0028】そして、−『q/4』を指数とする項は、
数式13または数式14のように変形できる。
【数13】 2−『q/4』=2(1+(−1−『q/4』)) =2×2(−1−『q/4』)
【数14】 2−『q/4』=2(−1+(1−『q/4』)) =2−1×2(1−『q/4』)
【0029】これら数式13または数式14を利用する
と、『q/4』≠0のときは、X/Qは数式15または
数式16のように表される。
【数15】
【数16】
【0030】さらに、q/4の小数点以下2ビットのみ
を取り出して、整数部分の全ビットを0または1に固定
することで、数式17により補正値q1、数式18によ
り補正値q2を導くことができる。
【数17】
【数18】
【0031】ここで、数式17でq<0のときの『q/
4』=0の場合、および数式18でq>0のときの『q
/4』=0の場合では補正を要する。すなわち、数式1
7ではq<0のときに『q/4』=0であればq1=
1.0になり、また数式18ではq>0のときに『q/
4』=0であればq2=−1.0になり、これらq1、
q2の値を用いて計算すれば正しい値を得ることができ
る。しかし、本実施形態ではq/4の小数点以下2ビッ
トのみを取り出して計算しているため、q1=1.0あ
るいはq2=−1.0とならずに、いずれも0になって
しまう。そこで、数式17に関しては、 q≧0かつ『q/4』=0のとき、q1=0 q<0かつ『q/4』=0のとき、q1=1.0 と補正すると共に、数式18に関しては、 q>0かつ『q/4』=0のとき、q2=−1.0 q≦0かつ『q/4』=0のとき、q2=0 と補正する。
【0032】これらの補正値q1,q2を利用して数式
15および数式16を書き換えると、数式19および数
式20となる。
【数19】
【数20】
【0033】2進整数値を2の補数表現で表すと、表現
形式の最上位のビットが1のときに負の値であることを
判別できる。このため、数式19および数式20のうち
で、qが0若しくは正であることとqが負であることと
で区別している数式20の方が容易に扱えることが分か
る。そこで、以下、数式20を用いて説明する。但し、
qの扱いを考慮すれば数式19でも良いのは勿論であ
る。
【0034】数式20において、指数部の加減算とq1
を求めるためのビット切り出し回路はデジタル回路で容
易に実現することができる。また、『q/4』はデジタ
ル回路ではqの2ビットビットシフトで算出できるの
で、回路規模としては小さなものと成る。
【0035】これに対し、仮数部のX1×2−q1の計
算は乗算が必要であるので、デジタル回路での実現は大
規模なものになる。しかし、q1=0の場合には仮数部
はX1になることと、q1の変形自体が4ケースしかな
いことを考えると、この乗算を容易に定数テーブルの索
引で代替することができる。そこで、演算結果として必
要な精度の分だけの演算をX1、X1×20.25、X
1×20.50、X1×20.75に対して予め行い、
X1の有効ビットを切り出してq1×4の値と合わせ
て、その合わせた値から索引する仮数テーブル10を用
意することで、1回の仮数テーブル索引でX1×2
−q1の値(演算用仮数Xf)を求めることができる。
【0036】ところが、ここで得られた結果は、0.5
≦X1×2−q1<1.0を必ずしも満たさないので、
X/Qを求めるための浮動小数点仮数部としては使用で
きない。その一方で、1.18<20.25<2
0.75<1.69であることは既知である。このこと
と0.5≦X1<1であることとを合わせて考えると、
0.5≦X1×2−q1<1を満たすようにするために
指数部に加えるべき補正値は1で足りることが分かる。
そこで、仮数テーブル10からの出力値Xfが1.0以
上になる場合は、仮数テーブル10からの出力値Xfを
予め2.0で割った値が出力されるように出力値Xfを
補正しておく。これにより、仮数テーブル10からの出
力値Xfが浮動小数点形式として適切な値になる。さら
に、X1とq1の値に応じて、指数部の補正値r1を格
納する指数補正値テーブル14を用意して、指数補正値
テーブル14を索引した結果の補正値r1を指数部に加
えて、整数の演算用指数Xeを求める。
【0037】このようにして求められた演算用仮数Xf
および演算用指数Xeを用いて、数式21によりX/Q
を算出することができる。
【数21】X/Q=Xf×2Xe
【0038】第1の累乗計算手段2を使用するときは、
アナログ信号Xと量子化ステップパラメータqとを演算
用仮数算出手段4および演算用指数算出手段6にそれぞ
れ入力する。ここでは、数式8および数式9により、仮
数はアナログ信号X、底は2、指数は−q/4になる。
このため、テーブル10,14は底を2に固定して形成
しておく。
【0039】演算用仮数算出手段4では、算出部12が
アナログ信号Xと量子化ステップパラメータqとを処理
すると共に仮数テーブル10を参照して演算用仮数Xf
を求める。
【0040】また、演算用指数算出手段6では、演算用
指数補正値算出部16がアナログ信号Xと量子化ステッ
プパラメータqとを処理すると共に指数補正値テーブル
14を参照して演算用指数補正値r1を求める。そし
て、演算用指数算出手段6の算出部18は、アナログ信
号Xと量子化ステップパラメータqとから基礎演算用指
数Xe’を算出して、この基礎演算用指数Xe’を演算
用指数補正値r1により補正して整数の演算用指数Xe
を求める。
【0041】さらに、演算手段8では、演算用仮数算出
手段4で求められた演算用仮数Xfと演算用指数算出手
段6で求められた演算用指数Xeとが入力されて、2進
浮動小数点形式でX/Qが算出されて出力される。
【0042】一方、第2の累乗計算手段3では、第1の
累乗計算手段2から出力されたX/Qの入力を受けて離
散信号Iを出力する。
【0043】ここで、X/Q=Yと置き、YからY
0.75を2進浮動小数点形式で算出する演算手順の一
例を説明する。Yを2進浮動小数点形式で表現すると数
式22で示される。
【数22】Y=Y1×2Y2
【0044】ここで、Y1はYの仮数部分であり0.5
以上1.0未満の値となる。Y2はYの指数部分であり
整数値である。そして、Y0.75=Zと置くと数式2
3のように表される。
【数23】Z=Y10.75×2Y2×0.75 ここで、指数部については数式24で表される。
【数24】Y2×0.75=Y2−Y2/4 よって、指数部はY2をシフトしたもの(Y2/4)を
Y2から減算することで算出できる。
【0045】特にY2が4の倍数のときはシフト後の小
数部分は0であるので、仮数部分への補正は必要ない。
また、このときの仮数部分は0.5≦Y10.75
1.0であり、本演算での指数部分への補正なしに第1
の累乗計算手段2のように仮数テーブル11を用意して
演算器の代わりにすることができる。
【0046】また、Y2が4の倍数でないときは、Zは
数式25のように算出され、2の累乗の補正処理が必要
になる。
【数25】Z=Y10.75×2
(Y2−≪Y2/4≫)×2−『Y2/4』 この2の累乗の補正処理は、第1の累乗計算手段2にお
ける数式12のものと同様である。
【0047】第2の累乗計算手段3では、仮数テーブル
11を用意することで1回の仮数テーブル索引でY1
0.75の値(演算用仮数Yf)を求めることができ
る。また、Y1の値に応じて、指数部の補正値r2を格
納する指数補正値テーブル15を用意して、指数補正値
テーブル15を索引した結果の補正値r2を指数部に加
えて、整数の演算用指数Yeを求める。このようにして
求められた演算用仮数Yfおよび演算用指数Yeを用い
て、数式26によりZ=Y0.75を算出することがで
きる。
【数26】Y0.75=Yf×2Ye
【0048】第2の累乗計算手段3を使用するときは、
第1の累乗計算手段2から出力されたX/Qを演算用仮
数算出手段5および演算用指数算出手段7にそれぞれ入
力する。ここでは、数式9により、仮数は1、底はX/
Q、指数は0.75になる。このため、テーブル11,
15は仮数を1、指数を0.75に固定して形成してお
く。
【0049】演算用仮数算出手段5では、算出部13が
X/Qを処理すると共に仮数テーブル11を参照して演
算用仮数Yfを求める。
【0050】また、演算用指数算出手段7では、演算用
指数補正値算出部17がX/Qを処理すると共に指数補
正値テーブル15を参照して演算用指数補正値r2を求
める。そして、演算用指数算出手段7の算出部19は、
X/Qから基礎演算用指数Ye’を算出して、この基礎
演算用指数Ye’を演算用指数補正値r2により補正し
て整数の演算用指数Yeを求める。
【0051】さらに、演算手段9では、演算用仮数算出
手段5で求められた演算用仮数Yfと演算用指数算出手
段7で求められた演算用指数Yeとが入力されて、2進
浮動小数点形式で離散信号Iが算出されて出力される。
【0052】また、この非線形量子化装置1は、図2に
示すように2つの累乗計算手段2,3を構成する電気回
路を有するエンコーダ本体20と、テーブル10,14
を記憶した第1のROM21と、テーブル11,15を
記憶した第1のROM22とを備えている。各テーブル
10,11,14,15の値は、設計段階で入力される
アナログ信号Xの大きさや近似式の各数値等を考慮して
最良の近似を得られるように決定しておく。なお、テー
ブル10,11,14,15の値を変更するときはRO
M21,22を交換するようにする。本実施形態ではテ
ーブル10,11,14,15を2つのROM21,2
2に書き込んでいるが、これには限られず1つのROM
としたり、あるいはRAMやハードディスク等の記憶装
置に書き込むようにしても良い。
【0053】上述した非線形量子化装置1を利用してア
ナログ信号Xおよび量子化ステップQから離散信号Iを
算出する非線形量子化方法について、図3に示すフロー
チャートに基づいて説明する。この非線形量子化方法
は、仮数および底と小数の指数とに基づき累乗計算を行
って解を求める累乗計算工程23,24を備えると共
に、アナログ信号Xおよび量子化ステップQから離散信
号Iを算出するために累乗計算工程23,24を少なく
とも一部の処理に利用している。
【0054】各累乗計算工程23,24は、仮数および
底と指数とから演算用仮数Xf,Yfを求める演算用仮
数算出工程と、仮数および底と指数とから整数の演算用
指数Xe,Yeを求める演算用指数算出工程と、演算用
仮数Xf,Yfおよび演算用指数Xe,Yeを利用して
解X/Q,Iを求める演算工程とを備えている。また、
本実施形態の非線形量子化方法では、累乗計算工程2
3,24を2回実行するようにしている。すなわち、1
回目の累乗計算工程23においてアナログ信号Xおよび
量子化ステップQからX/Qを算出し、2回目の累乗計
算工程24においてX/Qから離散信号Iを算出する。
【0055】非線形量子化装置1にアナログ信号Xおよ
び量子化ステップパラメータqが入力されると(ステッ
プ1)、仮数をアナログ信号X、底を2、指数を−q/
4として1回目の累乗計算工程23が開始される。
【0056】演算用仮数算出工程で、アナログ信号Xと
量子化ステップパラメータqとを処理すると共に仮数テ
ーブル10を参照して演算用仮数Xfを求める(ステッ
プ2)。同時に演算用指数算出工程で、アナログ信号X
と量子化ステップパラメータqとを処理すると共に指数
補正値テーブル14を参照して演算用指数補正値r1を
求め、またアナログ信号Xと量子化ステップパラメータ
qとから算出した基礎演算用指数Xe’を演算用指数補
正値r1により補正して整数の演算用指数Xeを求める
(ステップ3)。さらに、演算工程で、演算用仮数Xf
と演算用指数Xeとを2進浮動小数点形式で処理してX
/Qを出力する(ステップ4)。
【0057】このX/Qに対して2回目の累乗計算工程
24が開始される。この累乗計算工程24では、仮数を
1、底をX/Q、指数を0.75として処理する。
【0058】演算用仮数算出工程で、X/Qを処理する
と共に仮数テーブル11を参照して演算用仮数Yfを求
める(ステップ5)。演算用指数算出工程で、X/Qを
処理すると共に指数補正値テーブル15を参照して演算
用指数補正値r2を求め、またX/Qから算出した基礎
演算用指数Ye’を演算用指数補正値r2により補正し
て整数の演算用指数Yeを求める(ステップ6)。さら
に、演算工程で、演算用仮数Yfと演算用指数Yeとを
2進浮動小数点形式で処理して離散信号Iを出力する
(ステップ7)。
【0059】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、本実施形態では非線形量子化のために2
回の累乗計算を必要とする数式8の近似式を採用してい
るので非線形量子化装置1は2つの累乗計算手段2,3
を備えているが、これには限られず1つの累乗計算手段
が1回の累乗計算に対応することから累乗計算手段の個
数は非線形量子化に必要な累乗の回数に合わせて設定す
れば良い。
【0060】また、本実施形態では累乗計算手段2,3
を直接接続しているが、これには限られず図4に示すよ
うに累乗計算手段2,3の間にステージレジスタ40を
設けるようにしても良い。このステージレジスタ40
は、第1の累乗計算手段2から出力されたデータを格納
して第2の累乗計算手段3に出力する。このため、第2
の累乗計算手段3は第1の累乗計算手段2とは別の処理
を実行することができるようになるので、各累乗計算手
段2,3を互いに独立して同時に動作させることができ
る。すなわち、各累乗計算手段2,3のパイプライン処
理が可能になる。よって、非線形量子化装置1の処理速
度を更に速めることができる。なお、図4に示す実施形
態ではステージレジスタ40を累乗計算手段2,3の間
に設けているが、これには限られず例えばいずれかの累
乗計算手段2,3の演算手段8,9の前または後に設け
ても良い。あるいは、1つの非線形量子化装置1に複数
のステージレジスタを設けるようにしても良い。この場
合、並列できる処理数を増やして処理の更なる高速化を
図ることができる。
【0061】また、本実施形態では非線形量子化の処理
を2進浮動小数点形式で行うものとしているが、これに
は限られず例えば10進浮動小数点形式等の他の浮動小
数点形式で行っても良い。2進浮動小数点形式であるか
否かによらず、いずれの浮動小数点形式であっても累乗
計算手段2,3で解を求める際に整数の演算用指数X
e,Yeによる累乗計算を行うようにできるので、小数
の指数の累乗計算を行う場合に比べて回路規模を小さく
できると共に非線形量子化装置1の処理速度を速めるこ
とができる。
【0062】さらに、本実施形態では非線形量子化の手
法として数式27により離散信号Iを算出しているが、
これには限られない。
【数27】 すなわち、この数式での0.75と0.0946とQ=
(q/4)は具体例に過ぎず、これを数式28のよう
に一般化しても良い。
【数28】
【0063】この場合、数式28から展開される数式
は、tおよびQの値により上述したものと異なったもの
となる。しかし、指数部分sが小数点以下の値を含むと
きに、数式29に示すように指数部分sを整数部Sと小
数部uとに分けて、整数部Sに関してはそのまま指数計
算を行うと共に、小数部uに関しては仮数部をROMの
テーブル索引により求めるようにして、最終的には整数
の累乗計算のみで高速計算することは上述した手順と同
様である。
【数29】Y=Y×Y
【0064】さらに、本実施形態では非線形量子化装置
1をMP3用エンコーダとしているが、用途としてはこ
れに限られず、他の形式のオーディオ信号圧縮用エンコ
ーダとしたり、あるいは静止画や動画の画像データ圧縮
用エンコーダとして利用することもできる。この場合、
非線形量子化の演算に0.25(=1/4)の倍数乗を
利用するものでは、その累乗計算について上述した累乗
計算手段での累乗計算手法をそのまま利用して整数の指
数による累乗計算に変換して計算を行うことができる。
また、非線形量子化の演算に1/8や1/16等の1/
の倍数乗を利用するものでは、上述した累乗計算手
段での累乗計算手法を基にして整数の指数による累乗計
算に変換して計算を行うことができる。よって、いずれ
の場合でも小数の指数の累乗計算を整数の指数による累
乗計算に変換しているので、非線形量子化装置1の回路
規模を小さくできると共に処理速度を速めることができ
る。
【0065】そして、本実施形態では非線形量子化装置
1の累乗計算手段2,3が電気回路により構成されると
共にテーブルがROM21,22に記録されているが、
これには限られず非線形量子化装置1の全体をコンピュ
ータにより実現するようにしても良い。この場合、非線
形量子化装置1は、中央処理装置(CPU)と、累乗計
算手段2,3をCPUに制御させるプログラムおよび各
テーブルが記憶されたROMやRAMやハードディスク
等の記憶装置と、アナログ信号Xが入力されると共に離
散信号Iを出力する入出力装置とを備えるコンピュータ
から成るものとする。
【0066】
【実施例】(実施例1)非線形量子化装置1の回路構成
の実施例を図4および図5に示す。第1の累乗計算手段
2,3を図4に、第2の累乗計算手段2,3を図5にそ
れぞれ示す。
【0067】第1の累乗計算手段2の演算用仮数算出手
段4の算出部12は、第1のビット切り出し回路25
と、第2のビット切り出し回路26と、ビット合成回路
27と、第3のビット切り出し回路28とから構成され
ている。第1のビット切り出し回路25は、32ビット
浮動小数点数値のアナログ信号Xの第15ビット〜第2
2ビットを切り出して演算用仮数Xfを求めるためのX
1とすると共に、第23ビット〜第30ビットを切り出
して演算用指数Xeを求めるためのX2とする。第2の
ビット切り出し回路26は、量子化ステップパラメータ
qの下位2ビットを切り出して演算用指数補正値r1を
求めるためのq1とする。ビット合成回路27は、q1
とX1とをつなげて10ビットの値にしてROM21に
送信する。第3のビット切り出し回路28は、ROM2
1から得られた8ビットの値の第0ビット〜第6ビット
を切り出して演算用仮数Xfとすると共に第7ビットを
切り出して演算用指数補正値r1とする。
【0068】このため、演算用仮数算出手段4にアナロ
グ信号Xおよび量子化ステップパラメータqが入力され
ると、第1のビット切り出し回路25でアナログ信号X
からX1が切り出されると共に第2のビット切り出し回
路26で量子化ステップパラメータqからq1が切り出
される。そして、これらX1とq1とがビット合成回路
27で1つの値にされてROM21に送信される。RO
M21ではX1とq1とに基づいて各テーブル10,1
4を参照して演算用仮数Xfおよび演算用指数補正値r
1を求める。これら演算用仮数Xfおよび演算用指数補
正値r1は1つの値として出力されるが、第3のビット
切り出し回路28により演算用仮数Xfが切り出されて
演算用仮数算出手段4の出力になる。
【0069】また、第1の累乗計算手段2の演算用指数
算出手段6の演算用指数補正値算出部16は、演算用仮
数算出手段4の算出部12と共用されており、第3のビ
ット切り出し回路28により切り出された演算用指数補
正値r1を出力としている。そして、この演算用指数算
出手段6の算出部18は、第1のビット切り出し回路2
5と、除算回路29と、加算回路30と、第1の補正回
路31と、第2の補正回路32とから構成されている。
除算回路29は、量子化ステップパラメータqから−≪
q/4≫を算出する。加算回路30は、X2と−≪q/
4≫とを加算する。第1の補正回路31は、qが0以上
であれば補正値として0を出力すると共にqが0未満で
あれば補正値として1を出力する。この補正値は加算回
路30の出力に加算されて整数の基礎演算用指数Xe’
とされる。第2の補正回路32は、基礎演算用指数X
e’に演算用指数補正値r1を加えて整数の演算用指数
Xeとする。
【0070】このため、演算用指数算出手段6にアナロ
グ信号Xおよび量子化ステップパラメータqが入力され
ると、第1のビット切り出し回路25でアナログ信号X
からX1およびX2が切り出されると共に第2のビット
切り出し回路26で量子化ステップパラメータqからq
1が切り出される。そして、これらX1とq1とがビッ
ト合成回路27で1つの値にされてROM21に送信さ
れる。ROM21ではX1とq1とに基づいて各テーブ
ル10,14を参照して演算用仮数Xfおよび演算用指
数補正値r1を求める。これら演算用仮数Xfおよび演
算用指数補正値r1は1つの値として出力されるが、第
3のビット切り出し回路28により演算用指数補正値r
1が切り出される。一方、除算回路29では量子化ステ
ップパラメータqから−≪q/4≫が算出されて、加算
回路30でX2に加えられる。得られたX2−≪q/4
≫は第1の補正回路31からの補正値に加えられて整数
の基礎演算用指数Xe’が得られる。第2の補正回路3
2で、基礎演算用指数Xe’に演算用指数補正値r1を
加えて整数の演算用指数Xeが得られて演算用指数算出
手段6の出力となる。
【0071】さらに、第1の累乗計算手段2の演算手段
8は、演算用仮数Xfおよび演算用指数Xeをつなげて
16ビット浮動小数点数値のX/Qを算出する回路から
成る。なお、アナログ信号Xの入力部分には、X=0の
場合に0を返す0弁別回路(図示せず)が設けられてい
る。また、図5中、符号33は浮動小数点数の下駄はき
2の補数を通常の2の補数に変換するためのバイアス回
路である。
【0072】次に、第2の累乗計算手段3の演算用仮数
算出手段5の算出部13は、図5に示すように第4のビ
ット切り出し回路34と、第5のビット切り出し回路3
5とから構成されている。第4のビット切り出し回路3
4は、16ビット浮動小数点数値のX/Qの第0ビット
〜第9ビットを切り出して演算用仮数Yfを求めるため
のY1とすると共に、第8ビット〜第15ビットを切り
出して演算用指数Yeを求めるためのY2とする。第5
のビット切り出し回路35は、ROM22から得られた
8ビットの値の第0ビット〜第6ビットを切り出して演
算用仮数Yfとすると共に第7ビットを切り出して正負
を反転させて演算用指数補正値r2とする。
【0073】このため、演算用仮数算出手段5にX/Q
が入力されると、第4のビット切り出し回路34でX/
QからY1が切り出されてROM22に送信される。R
OM22ではY1に基づいて各テーブル11,15を参
照して演算用仮数Yfおよび演算用指数補正値r2を求
める。これら演算用仮数Yfおよび演算用指数補正値r
2は1つの値として出力されるが、第5のビット切り出
し回路35により演算用仮数Yfが切り出されて演算用
仮数算出手段5の出力になる。
【0074】また、第2の累乗計算手段3の演算用指数
算出手段7の演算用指数補正値算出部17は、演算用仮
数算出手段5の算出部13と共用されており、第5のビ
ット切り出し回路35により切り出された演算用指数補
正値r2を出力としている。そして、この演算用指数算
出手段7の算出部19は、第4のビット切り出し回路3
4と、除算回路36と、第3の補正回路37とから構成
されている。除算回路36は、Y2から−≪Y2/4≫
を算出する。第3の補正回路37は、基礎演算用指数Y
e’に演算用指数補正値r2を加えて整数の演算用指数
Yeとする。
【0075】このため、演算用指数算出手段7にX/Q
が入力されると、第4のビット切り出し回路34でX/
QからY1およびY2が切り出される。そして、Y1は
ROM22に送信される。ROM22ではY1に基づい
て各テーブル11,15を参照して演算用仮数Yfおよ
び演算用指数補正値r2を求める。これら演算用仮数Y
fおよび演算用指数補正値r2は1つの値として出力さ
れるが、第5のビット切り出し回路35により演算用指
数補正値r2が切り出される。一方、除算回路36では
Y2から−≪Y2/4≫が算出されて、Y2に加えられ
る。得られたY2−≪q/4≫は整数の基礎演算用指数
Ye’となる。第3の補正回路37で、基礎演算用指数
Ye’に演算用指数補正値r2を加えて整数の演算用指
数Yeが得られて演算用指数算出手段7の出力となる。
【0076】さらに、第2の累乗計算手段3の演算手段
9は、バレルシフタ回路38と最終処理回路39とから
成る。バレルシフタ回路38は、演算用仮数Yfおよび
演算用指数Yeをシフトしながらつなげて17ビットの
値を出力する。最終処理回路39は、入力された17ビ
ットの値から16ビット整数の離散信号Iを出力する。
【0077】この実施例によれば、量子化においてマイ
クロプロセッサでの演算は一切必要とされず、本実施例
の量子化回路により量子化を行うための動作を数クロッ
クに抑えることができる。よって、極めて迅速な処理を
実現できる。
【0078】(実施例2)図5に示す第1の累乗計算手
段2をC言語で実現したプログラム44のリストの例を
図7に示す。このプログラム44は、pow20(x,qu
a)=x/(2 ua/4)を実行するものである。こ
のプログラム44は、初期化部41と、テーブル作成部
42と、演算処理部43とを備えている。初期化部41
は各種の変数の初期化や定義を行う。ここで、第1の累
乗計算手段2と本プログラム44との変数の対応を表1
に示す。
【表1】
【0079】また、テーブル作成部42は、仮数テーブ
ル10および指数補正値テーブル14を作成する。演算
処理部43は、入力されたxとquaに基づいてafと
aを算出し、X/Q=pow20(x,qua)の値を求め
る。このプログラム44の演算処理部43は、コンピュ
ータを第1の演算用仮数算出手段4として機能させる演
算用仮数算出部49と、第1の演算用指数算出手段6と
して機能させる演算用指数算出部50と、第1の演算手
段8として機能させる演算部51とを備えている。ま
た、この演算処理部43では、『q/4』が0であるか
否かで分けること無く全ての量子化ステップパラメータ
qの値に対応するパラメータjを定義して(符号52部
分)、該パラメータjによりテーブル10,14を索引
している。
【0080】このプログラム44を実行すると、初期化
部41において各種の変数の初期化や定義がなされて、
続いてテーブル作成部42で仮数テーブル10および指
数補正値テーブル14が作成される。そして、演算処理
部43の符号52部分で量子化ステップパラメータqに
対応するパラメータjを定義する。さらに、演算用仮数
算出部49によりコンピュータが第1の演算用仮数算出
手段4として機能して演算用仮数Xfを算出する。ま
た、演算処理部43の演算用指数算出部50によりコン
ピュータが第1の演算用指数算出手段6として機能して
演算用指数Xeを算出する。さらに、演算処理部43の
演算部51によりコンピュータが第1の演算手段8とし
て機能してX/Qを算出する。得られたX/Qの値はpo
w20(x,qua)の関数の演算結果として返される。
【0081】(実施例3)図5に示す第1の累乗計算手
段2をC言語で実現したプログラム44’のリストの他
の例を図8に示す。このプログラム44’は、図7に示
すプログラム44と同じくpow20(x,qua)=x/
(2qua/4)を実行するものである。このプログラ
ム44’では、演算処理部43においてax=『q/
4』を求めて(符号53部分)、『q/4』=0の場合
(符号54部分)と『q/4』≠0の場合(符号55部
分)とで演算用仮数算出部49および演算用指数算出部
50を異ならせている。なお、『q/4』が0であるか
否かで処理を異ならせる以外の各部の機能は図7に示す
プログラム44と同様であるので、符号を同じくして詳
細な説明は省略する。
【0082】(実施例4)図5に示す第1の累乗計算手
段2および図6に示す第2の累乗計算手段3を備えた非
線形量子化装置1をC言語で実現したプログラム45の
リストの例を図9に示す。このプログラム45は、図7
または図8に示すプログラム45で定義された関数pow2
0を用いて得られたX/Qを利用して離散信号Iを求め
る。このプログラム45は、初期化部46と、テーブル
作成部47と、演算処理部48とを備えている。初期化
部46は各種の変数の初期化や定義を行う。ここで、非
線形量子化装置1と本プログラムリスト45との変数の
対応を表2に示す。
【表2】
【0083】また、テーブル作成部47は、仮数テーブ
ル11および指数補正値テーブル15を作成する。演算
処理部48は、入力されたxとquaに基づいて離散信
号Iの値を求める。このプログラム44の演算処理部4
8は、コンピュータを第2の演算用仮数算出手段5とし
て機能させる演算用仮数算出部49’と、第2の演算用
指数算出手段7として機能させる演算用指数算出部5
0’と、第2の演算手段9として機能させる演算部5
1’、56とを備えている。さらに、このプログラムで
は、MP3で要求される1フレームのデータ576個を
量子化するために、1フレームあたり576回の量子化
を行うようにしている。
【0084】このプログラム45を実行すると、初期化
部46において各種の変数の初期化や定義がなされて、
続いてテーブル作成部47で仮数テーブル11および指
数補正値テーブル15が作成される。そして、演算処理
部48において、関数pow20を用いてX/Q(=temp)
が得られる。さらに、演算用仮数算出部49’によりコ
ンピュータが第2の演算用仮数算出手段5として機能し
て演算用仮数Yfを算出する。また、演算処理部48の
演算用指数算出部50’によりコンピュータが第2の演
算用指数算出手段7として機能して演算用指数Yeを算
出する。さらに、演算処理部48の演算部51’、56
によりコンピュータが第2の演算手段9として機能して
離散信号Iを算出する。
【0085】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の非線形量子化装置によれば、整数の演算用指数
を利用して累乗計算を行って解を求めているので、整数
演算器およびメモリから成る簡易で安価な回路で実現で
きるようになり、小数の指数の累乗計算を行う場合に比
べて回路規模を小さくすることができる。また、小数の
指数の累乗計算を行う場合に比べて計算工程を少なくす
ることができるので、非線形量子化装置の処理速度を速
めることができる。このため、特にポータブル型MP3
録音器などに適したMP3エンコーダ回路を得ることが
できる。
【0086】また、請求項4記載の非線形量子化方法お
よび請求項7記載の非線形量子化プログラムによれば、
整数の演算用指数を利用して累乗計算を行って解を求め
ているので、小数の指数の累乗計算を行うために複雑な
累乗演算サブルーチンや累乗演算サブルーチンを行う場
合に比べて計算工程を少なくすることができるので、非
線形量子化の処理速度を速めることができる。
【0087】また、請求項2記載の非線形量子化装置お
よび請求項5記載の非線形量子化方法によれば、仮数テ
ーブルの利用により仮数および底と指数とから演算用仮
数を求めているので、計算工程が不要になって回路規模
の縮小化と処理の高速化に貢献できる。
【0088】さらに、請求項3記載の非線形量子化装置
および請求項6記載の非線形量子化方法によれば、指数
補正値テーブルの利用により仮数および底と指数とから
演算用指数補正値を求めているので、計算工程が不要に
なって回路規模の縮小化と処理の高速化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非線形量子化装置を示すブロック
図である。
【図2】非線形量子化装置を示すブロック図である。
【図3】非線形量子化方法による処理手順を示すフロー
チャートである。
【図4】非線形量子化装置の他の実施形態を示すブロッ
ク図である。
【図5】第1の累乗計算手段の実施例を示すブロック図
である。
【図6】第2の累乗計算手段の実施例を示すブロック図
である。
【図7】第1の累乗計算手段をC言語により実現した実
施例を示すプログラムリストである。
【図8】第1の累乗計算手段をC言語により実現した他
の実施例を示すプログラムリストである。
【図9】非線形量子化装置をC言語により実現した実施
例を示すプログラムリストである。
【符号の説明】
1 非線形量子化装置 2,3 累乗計算手段 4,5 演算用仮数算出手段 6,7 演算用指数算出手段 8,9 演算手段 10,11 仮数テーブル 12,13 算出部 14,15 指数補正値テーブル 16,17 演算用指数補正値算出部 18,19 算出部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮数および底と小数の指数とに基づき累
    乗計算を行って解を求める累乗計算手段を備えると共
    に、該累乗計算手段を少なくとも一部の処理に利用して
    アナログ信号を離散信号に変換する非線形量子化装置に
    おいて、前記累乗計算手段は、前記仮数および前記底と
    前記指数とから演算用仮数を求める演算用仮数算出手段
    と、前記仮数および前記底と前記指数とから整数の演算
    用指数を求める演算用指数算出手段と、前記演算用仮数
    および前記演算用指数を利用して前記解を求める演算手
    段とを備えることを特徴とする非線形量子化装置。
  2. 【請求項2】 前記演算用仮数算出手段は、前記演算用
    仮数を前記仮数および前記底と前記指数とに相関関係を
    設けて格納した仮数テーブルと、該仮数テーブルに前記
    仮数および前記底と前記指数とを当てはめて前記演算用
    仮数を求める算出部とを備えることを特徴とする請求項
    1記載の非線形量子化装置。
  3. 【請求項3】 前記演算用指数算出手段は、演算用指数
    補正値を前記仮数および前記底と前記指数とに相関関係
    を設けて格納した指数補正値テーブルと、該指数補正値
    テーブルに前記仮数および前記底と前記指数とを当ては
    めて前記演算用指数補正値を求める演算用指数補正値算
    出部と、前記仮数および前記底と前記指数とから算出し
    た基礎演算用指数を前記演算用指数補正値により補正し
    て前記演算用指数を求める算出部とを備えることを特徴
    とする請求項1または2記載の非線形量子化装置。
  4. 【請求項4】 仮数および底と小数の指数とに基づき累
    乗計算を行って解を求める累乗計算工程を備えると共
    に、該累乗計算工程を少なくとも一部の処理に利用して
    アナログ信号を離散信号に変換する非線形量子化方法に
    おいて、前記累乗計算工程は、前記仮数および前記底と
    前記指数とから演算用仮数を求める演算用仮数算出工程
    と、前記仮数および前記底と前記指数とから整数の演算
    用指数を求める演算用指数算出工程と、前記演算用仮数
    および前記演算用指数を利用して前記解を求める演算工
    程とを備えることを特徴とする非線形量子化方法。
  5. 【請求項5】 前記演算用仮数算出工程は、前記演算用
    仮数を前記仮数および前記底と前記指数とに相関関係を
    設けて格納した仮数テーブルに前記仮数および前記底と
    前記指数とを当てはめて前記演算用仮数を求めるもので
    あることを特徴とする請求項4記載の非線形量子化方
    法。
  6. 【請求項6】 前記演算用指数算出工程は、演算用指数
    補正値を前記仮数および前記底と前記指数とに相関関係
    を設けて格納した指数補正値テーブルに前記仮数および
    前記底と前記指数とを当てはめて前記演算用指数補正値
    を求めて、前記仮数および前記底と前記指数とから算出
    した基礎演算用指数を前記演算用指数補正値により補正
    して前記演算用指数を求めるものであることを特徴とす
    る請求項4または5記載の非線形量子化方法。
  7. 【請求項7】 仮数および底と小数の指数とに基づき累
    乗計算を行って解を求める累乗計算処理を少なくとも一
    部に利用してアナログ信号を離散信号に変換するために
    コンピュータを、前記仮数および前記底と前記指数とか
    ら演算用仮数を求める演算用仮数算出手段と、前記仮数
    および前記底と前記指数とから整数の演算用指数を求め
    る演算用指数算出手段と、前記演算用仮数および前記演
    算用指数を利用して前記解を求める演算手段として機能
    させることを特徴とする非線形量子化プログラム。
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