JP2002344019A - 発光ダイオード及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
オードを製造する際に、透明導電膜からの電極剥がれを
起こさない構造とする。 【解決手段】スプレー法を用いて、又はウエットエッチ
ング、ドライエッチング、サンドブラスト、研磨などに
より、ITOの透明導電膜7の表面に5nm以上で20
0nm以下の凹凸を形成する。
Description
な発光ダイオード及びその製造方法に関するものであ
る。
Diode:LED)用エピタキシャルウェハは、ほとんど
液相エピタキシャル成長法により作られていた。最近、
有機金属気相成長法(MOVPE法)により、発光ダイ
オード用エピタキシャルウェハが作られるようになって
きた。これにより、GaN系の青色用、AlGaInP
系の緑色から黄色、橙色の発光ダイオードが普及してき
た。
ルヘテロ(DH)構造を有するLEDの一例を示す。全
てのエピタキシャル層はMOVPE法によって成長して
いる。n型GaAs基板21の上には、n型(Siまた
はSeドープ)GaAsバッファ層22、n型(Siま
たはSeドープ)AlGaInPクラッド層23、アン
ドープAlGaInP活性層24、p型(亜鉛ドープ)
AlGaInPクラッド層25を順番に形成している。
23〜25がAlGaInP4元ダブルヘテロ構造部分
をなす。このp型AlGaInPクラッド層25の上
に、p型(亜鉛ドープ)AlGaAsの電流分散層26
を形成している。28はp側電極、29はn側電極であ
る。
取り出し面中にある上部電極の直下での発光は、上部電
極28に反射されてしまう為、外部に取り出すことがで
きない。従って、発光ダイオードの輝度を向上させる為
には、この上部電極直下での発光を低減させ、上部電極
直下以外の場所での発光を増加させる必要がある。電流
分散層26がその役割をしている。
分散層26中でチップ横方向に広がり、その結果、上部
電極直下以外の領域で発光する割合を高くしている。電
流分散層26は、電気抵抗が低いほど効率良く横方向に
電流を広げることができる為、電気抵抗を低くすること
が望まれる。具体的には、キャリア濃度を高くすること
と、膜厚を厚くすることで、低抵抗化を実現している。
また、電流分散層26は、活性層24からの発光を透過
する材料でなければならない。現状、電流分散層は、こ
れらの条件を満足しているAlGaAs層(Al組成
0.8以上)又は、GaP層が使われている。これらの
材料の電流分散層を用いて電流を横方向に十分に広げる
為には、電流分散層26は8μm以上もの膜厚が必要に
なる。
GaNやAlGaInPのエピタキシャル層の形成が可
能となり、短波長のLEDが可能となってきたが、電流
分散層26となるべきp型で低抵抗のエピタキシャル層
の成長が難しかった。すなわち、高キャリア濃度のp層
を形成できないことから、電流分散膜を形成することが
難しく、低抵抗が得られる別の半導体や膜厚を厚くする
などの対策をして、電流分散させていた。しかし、膜厚
を厚くすると、LED用エピタキシャルウェハのコスト
が高くなってしまうという大きな問題があった。
26に、金属酸化膜からなる透明導電膜、例えばITO
(Indium Tin Oxide)膜(酸化インジウムに錫が添加さ
れている材料)を用いることが考えられる。この方法を
用いれば電流分散がITO膜等の透明導電膜で起こるた
め、半導体の電流分散層が要らなくなる。従って安価に
高輝度のLEDを生産できるようになる。
属酸化物系透明導電膜を半導体上に形成し、その上にワ
イヤボンディング用の金属電極を形成し、ワイヤボンデ
ィングすると、その時に、金属電極が透明導電膜から剥
がれてしまうという問題があり、発光ダイオードチップ
を製作できないという問題があった。
し、電流分散膜として透明導電膜を用いた発光ダイオー
ドを製造する際に、透明導電膜からの電極剥がれを起こ
さない構造の発光ダイオード及びその製造方法を提供す
ることにある。
に、本発明は次のように構成したものである。
ドは、第一導電型基板上に、半導体のp型層とn型層の
ヘテロ構造または活性層をp型とn型のクラッド層で挟
んだダブルヘテロ構造を持つ発光部を形成し、その上に
透明導電膜を形成し、その表面と裏面側に金属電極を形
成し、透明導電膜側から光を取り出す発光ダイオードに
おいて、表面に5nm以上で200nm以下の凹凸を形
成した透明導電膜を有することを特徴とするものであ
る。
ドの製造方法は、第一導電型基板上に、半導体のp型層
とn型層のヘテロ構造または活性層をp型とn型のクラ
ッド層で挟んだダブルヘテロ構造を持つ発光部を形成
し、その上に透明導電膜を形成し、その表面と裏面側に
金属電極を形成する発光ダイオードの製造方法におい
て、スプレー法を用いて、前記透明導電膜の表面に5n
m以上で200nm以下の凹凸を形成することを特徴と
するものである。
イオードの製造方法において、前記スプレー法を用いる
代わりに、透明導電膜を形成後に表面をウエットエッチ
ングすることにより、前記凹凸を形成することを特徴と
するものである。
イオードの製造方法において、前記スプレー法を用いる
代わりに、透明導電膜を形成後に表面をドライエッチン
グすることにより、前記凹凸を形成することを特徴とす
るものである。
イオードの製造方法において、前記スプレー法を用いる
代わりに、透明導電膜を形成後に表面をサンドブラスト
することにより、前記凹凸を形成することを特徴とする
ものである。
イオードの製造方法において、前記スプレー法を用いる
代わりに、透明導電膜を形成後に表面を研磨することに
より、前記凹凸を形成することを特徴とするものであ
る。
面に凹凸を形成することにより、電極の剥がれを防止す
るものである。透明導電膜の表面に形成する凹凸は、図
2に示すように、5nm未満では凹凸が小さすぎて剥が
れ防止効果が少なく、また200nmを超えると不必要
に大きくなるので、5nm以上で200nm以下の凹凸
とするのがよい。
凸があるよう透明導電膜の形成方法を用いる方法と、透
明導電膜を形成してから表面を荒らして凹凸を形成する
方法がある。具体的には、スプレー法や、ウエットエッ
チング、ドライエッチング、サンドブラスト、研磨など
を用いることができる。
基づいて説明する。
イオードの構造を図1に示す。この発光ダイオードの構
造は、第一導電型基板としてのn型のGaAs基板2上
に、第一導電型クラッド層であるn型のAlGaInP
クラッド層3と、AlGaInP活性層4と、第二導電
型クラッド層であるp型のAlGaInPクラッド層5
とから成る発光部があり、その上にp型AlGaInP
電流分散層(第二導電型電流分散層)6、その上に透明
導電膜としてSnドープIn2O3であるITO膜7があ
り、裏面にはn側用金属電極から成る基板側電極1が、
表面側中央には円形の部分電極から成る表面側電極8が
ある。ここまでの構造は従来の透明導電膜を用いた構造
の発光ダイオードと同じであり、本発明はこの構造の発
光ダイオードにおいて、透明導電膜たるITO膜7の表
面側に5nm程度の凹凸を形成したことに特徴がある。
まずn型のGaAs基板2上にMOVPE法により、n
型AlGaInPクラッド層3、AlGaInP活性層
4、p型AlGaInPクラッド層5、p型AlGaI
nP電流分散層6を成長させる。この成長は、すでに汎
用となっており、4元LEDを生産しているところでは
どこでも容易にできる工程となっている。
O膜7をスプレー法により形成した。スプレー法は、S
nO2などの透明導電膜の形成方法としては良く知られ
ているが、ITOの透明導電膜の形成方法としては用い
られていない。LED用エピタキシャルウェハを500
℃に加熱した状態で、ITOの原料をシンナーで希釈し
た溶液をスプレーしながら、膜を形成していった。形成
したITO膜7の表面は目視で観察すると、曇っている
ように見える。この表面をAFMにより観察してた結
果、表面に5nm程度の凹凸があることが分かった。こ
のITO膜7の上に、表面側電極8となるNi/Auの
電極を形成した。また裏面のGaAs基板には、基板側
電極1となるAuGe/Ni/Auの表面電極を形成し
た。このエピタキシャルウェハの表面電極をホトリソグ
ラフィ工程により加工し、表面に円形の部分電極(表面
側電極8)を形成した。
にダイシングし、ベアチップとした。このチップをステ
ム状にダイボンディングにより実装し、ワイヤボンディ
ングにより配線した。
凹凸の大きさとパッド電極にワイヤボンディングした時
の電極の剥がれの関係を示す。凹凸が1nmではワイヤ
ボンディング時の電極の剥がれは50%もあったが、凹
凸が5nmでワイヤボンディング時の電極剥がれは0.
1%まで減ることがわかった。またITO膜の凹凸があ
り過ぎるとワイヤボンディング時のエピタキシャル層中
に欠陥を生じ、信頼性が悪くなることが分かった。
形成した本実施形態の場合、ワイヤボンディング時の電
極の剥がれは0.1%以下であった。
法、イオンプレーティング法、CVD法により形成し
て、電極剥がれを比較してみた。これらの方法で形成し
たITO膜に電極を形成した場合には、ワイヤボンディ
ング時に90%以上の電極が剥がれてしまった。この結
果からは、ITO膜の形成方法により、電極の剥がれが
依存しているように思われる。しかし、スプレー法によ
るITO膜と他の形成方法により形成したITO膜の差
を見てみると、表面の凹凸に大きな差があることが観察
された。スプレー法以外の方法で形成した場合のITO
膜の表面の凹凸は5nm以下であることが分かった。
膜表面をサンドブラストにより、凹凸を形成した。この
表面にNi/Auの電極を形成し、ワイヤボンディング
のテストをしてみたところ、電極剥がれが起こらないこ
とが分かった。
ためには、ITO膜の形成時に凹凸が発生するように形
成する方法と、平坦なITO膜を形成後に表面を荒らし
て凹凸を形成する方法とが考えられる。従って、凹凸を
形成しやすいスプレー法がITO膜の形成方法として望
ましい。しかし平坦なITO膜を形成する方法でも、ウ
エットエッチング、ドライエッチング、サンドブラス
ト、研磨などにより表面に凹凸を形成しても効果のある
ことが分かった。
プレー法を用いて、又はウエットエッチング、ドライエ
ッチング、サンドブラスト、研磨などにより、透明導電
膜の表面に5nm以上で200nm以下の凹凸を形成す
るようにしたので、電極剥がれを防止することができ
る。
電流分散するLEDチップの実装が可能となった。これ
により、従来半導体の電流分散膜を厚く成長する必要が
あったが、薄くすることができるようになった。これに
より、エピタキシャルウェハのコストを大幅に下げるこ
とができるようになった。
ために、LEDチップからの光取出し率が向上した。光
学素子の表面に凹凸を形成すると光取出しが良くなるこ
とはよく知られていることである。
を示す断面図である。
ある。
ッド層) 4 活性層 5 AlGaInPクラッド層(第二導電型クラッド
層) 6 p型AlGaInP電流分散層(第二導電型電流分
散層) 7 ITO膜(透明導電膜)
Claims (6)
- 【請求項1】第一導電型基板上に、半導体のp型層とn
型層のヘテロ構造または活性層をp型とn型のクラッド
層で挟んだダブルヘテロ構造を持つ発光部を形成し、そ
の上に透明導電膜を形成し、その表面と裏面側に金属電
極を形成し、透明導電膜側から光を取り出す発光ダイオ
ードにおいて、 表面に5nm以上で200nm以下の凹凸を形成した透
明導電膜を有することを特徴とする発光ダイオード。 - 【請求項2】第一導電型基板上に、半導体のp型層とn
型層のヘテロ構造または活性層をp型とn型のクラッド
層で挟んだダブルヘテロ構造を持つ発光部を形成し、そ
の上に透明導電膜を形成し、その表面と裏面側に金属電
極を形成する発光ダイオードの製造方法において、 スプレー法を用いて、前記透明導電膜の表面に5nm以
上で200nm以下の凹凸を形成することを特徴とする
発光ダイオードの製造方法。 - 【請求項3】請求項2記載の発光ダイオードの製造方法
において、前記スプレー法を用いる代わりに、透明導電
膜を形成後に表面をウエットエッチングすることによ
り、前記凹凸を形成することを特徴とする発光ダイオー
ドの製造方法。 - 【請求項4】請求項2記載の発光ダイオードの製造方法
において、前記スプレー法を用いる代わりに、透明導電
膜を形成後に表面をドライエッチングすることにより、
前記凹凸を形成することを特徴とする発光ダイオードの
製造方法。 - 【請求項5】請求項2記載の発光ダイオードの製造方法
において、前記スプレー法を用いる代わりに、透明導電
膜を形成後に表面をサンドブラストすることにより、前
記凹凸を形成することを特徴とする発光ダイオードの製
造方法。 - 【請求項6】請求項2記載の発光ダイオードの製造方法
において、前記スプレー法を用いる代わりに、透明導電
膜を形成後に表面を研磨することにより、前記凹凸を形
成することを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
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