JP2002343599A - プラズマ発生装置 - Google Patents
プラズマ発生装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 安定した極微細プラズマを発生するプラズマ
発生装置を提供する。 【解決手段】 プラズマトーチ1はガラスチューブ2と
メタルチューブ3とから成り、その先端部分2F(プラ
ズマ発生部分及びその近傍部分)は、例えば、60μm
程度の内半径を有する。先端部分2Fの周囲には高周波
コイルが、先端部分近傍には点火用コイル6がそれぞれ
巻回される。トーチ内には、先端部分2F中央近傍まで
先端が届くように、半径10数μm程度の高融点金属製
のワイヤ8が配置される。メタルチューブ3の端部には
ガスボンベ10に繋がったガス導入用チューブ9が接続
され、ガラスチューブ2内にArガスが導入される。高
周波コイルからの高周波電力によりガラスチューブ内に
誘導結合プラズマが生成すると共に、その高周波電力に
より誘導加熱されて高温になったワイヤ8からの熱電子
がプラズマに補給される。
発生装置を提供する。 【解決手段】 プラズマトーチ1はガラスチューブ2と
メタルチューブ3とから成り、その先端部分2F(プラ
ズマ発生部分及びその近傍部分)は、例えば、60μm
程度の内半径を有する。先端部分2Fの周囲には高周波
コイルが、先端部分近傍には点火用コイル6がそれぞれ
巻回される。トーチ内には、先端部分2F中央近傍まで
先端が届くように、半径10数μm程度の高融点金属製
のワイヤ8が配置される。メタルチューブ3の端部には
ガスボンベ10に繋がったガス導入用チューブ9が接続
され、ガラスチューブ2内にArガスが導入される。高
周波コイルからの高周波電力によりガラスチューブ内に
誘導結合プラズマが生成すると共に、その高周波電力に
より誘導加熱されて高温になったワイヤ8からの熱電子
がプラズマに補給される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は断面サイズがマイク
ロメータ乃至ナノメータオーダーの極微細プラズマを発
生することのできるプラズマ発生装置に関する。
ロメータ乃至ナノメータオーダーの極微細プラズマを発
生することのできるプラズマ発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、材料開発や生産技術等における多
くの分野でプラズマによる材料プロセシング技術が用い
られており、今後も益々その重要性は高まるものと予想
されている。
くの分野でプラズマによる材料プロセシング技術が用い
られており、今後も益々その重要性は高まるものと予想
されている。
【0003】さて、例えば、半導体等の電子デバイスの
プロセシングを例に上げると、この様な電子デバイスの
プロセシングにおいても、プラズマによるプロセシング
技術は欠かせないことは周知のことである。この様な電
子デバイスは、最近、益々微細化が進んでおり、マイク
ロメートル乃至ナノメートルスケールの空間的局所プロ
セシングが必要になってきている。その為、断面サイズ
がマイクロメータ乃至ナノメータオーダーの極微細プラ
ズマが要求されている。
プロセシングを例に上げると、この様な電子デバイスの
プロセシングにおいても、プラズマによるプロセシング
技術は欠かせないことは周知のことである。この様な電
子デバイスは、最近、益々微細化が進んでおり、マイク
ロメートル乃至ナノメートルスケールの空間的局所プロ
セシングが必要になってきている。その為、断面サイズ
がマイクロメータ乃至ナノメータオーダーの極微細プラ
ズマが要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様な要求に応える
べくプラズマ発生装置が、既に提案されている(特開平
8−298198号及び特開平8−306499号参
照)。
べくプラズマ発生装置が、既に提案されている(特開平
8−298198号及び特開平8−306499号参
照)。
【0005】しかし、提案されている何れのプラズマ発
生装置も、高圧容器若しくはプラズマ容器内に配設され
たプラズマ電極間にプラズマを発生させる構成のもの
で、プラズマ電極及びプラズマでプロセシングされるべ
き材料を容器内にセットしなければ成らず、更に、容器
内に材料を搬送したり、容器内の材料を取り出したりす
る為の材料搬送機構も必要となる。従って、容器を含む
プラズマ発生装置自体が大型化且つ複雑化し、コストも
掛かる。
生装置も、高圧容器若しくはプラズマ容器内に配設され
たプラズマ電極間にプラズマを発生させる構成のもの
で、プラズマ電極及びプラズマでプロセシングされるべ
き材料を容器内にセットしなければ成らず、更に、容器
内に材料を搬送したり、容器内の材料を取り出したりす
る為の材料搬送機構も必要となる。従って、容器を含む
プラズマ発生装置自体が大型化且つ複雑化し、コストも
掛かる。
【0006】本発明は、この様な問題を解決する新規な
プラズマ発生装置を提供することを目的としたものであ
る。
プラズマ発生装置を提供することを目的としたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に基づくプラズマ
発生装置は、筒状の絶縁材料製プラズマトーチ、プラズ
マガスがトーチ内部を流れ先端から噴出するようにトー
チ内へプラズマガスを供給する手段、該プラズマガスを
励起するための高周波コイル、該コイルに高周波電力を
供給するための高周波電源、及び、該トーチ内のプラズ
マ発生領域またはその近傍に位置するように配設され、
加熱されることにより電子を発生する電子発生部材を備
えたことを特徴としている。
発生装置は、筒状の絶縁材料製プラズマトーチ、プラズ
マガスがトーチ内部を流れ先端から噴出するようにトー
チ内へプラズマガスを供給する手段、該プラズマガスを
励起するための高周波コイル、該コイルに高周波電力を
供給するための高周波電源、及び、該トーチ内のプラズ
マ発生領域またはその近傍に位置するように配設され、
加熱されることにより電子を発生する電子発生部材を備
えたことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は本発明を実施したプ
ラズマ装置の一例を示す概略図である。図中1はプラズ
マトーチで、細められた先端を有するガラスチューブ2
と、ガラスチューブの基部を封止するように嵌合される
メタルチューブ3とから構成される。
施の形態を詳細に説明する。図1は本発明を実施したプ
ラズマ装置の一例を示す概略図である。図中1はプラズ
マトーチで、細められた先端を有するガラスチューブ2
と、ガラスチューブの基部を封止するように嵌合される
メタルチューブ3とから構成される。
【0009】ガラスチューブ2は、例えば、内半径25
0μm程度の石英ガラス管を引き伸ばして先端部分2F
を内半径60μm程度に加工したものである。この様な
石英管の加工には、例えば、マイクロピペット用のプラ
ーを使用することができる。具体的には、例えば、炭酸
ガスレーザにより石英ガラス管の先端部分を加熱して引
き伸ばし、適当な径のところでカットし、その先端を、
例えばマイクロピペット研磨器で研磨した。最終的に、
例えば、長さ5cm前後、先端部分の内半径が60μm
程度のガラスチューブとしている。図中4は前記ガラス
チューブ先端部分2Fの周囲に巻かれた高周波コイル
で、該高周波コイルには高周波電源5から高周波電力が
供給される。6は点火用コイルでガラスチューブ2の先
端部分2Fに近い部分の外周に巻かれ、高電圧電源7か
ら点火用高電圧が供給される。
0μm程度の石英ガラス管を引き伸ばして先端部分2F
を内半径60μm程度に加工したものである。この様な
石英管の加工には、例えば、マイクロピペット用のプラ
ーを使用することができる。具体的には、例えば、炭酸
ガスレーザにより石英ガラス管の先端部分を加熱して引
き伸ばし、適当な径のところでカットし、その先端を、
例えばマイクロピペット研磨器で研磨した。最終的に、
例えば、長さ5cm前後、先端部分の内半径が60μm
程度のガラスチューブとしている。図中4は前記ガラス
チューブ先端部分2Fの周囲に巻かれた高周波コイル
で、該高周波コイルには高周波電源5から高周波電力が
供給される。6は点火用コイルでガラスチューブ2の先
端部分2Fに近い部分の外周に巻かれ、高電圧電源7か
ら点火用高電圧が供給される。
【0010】前記メタルチューブ3内にはガス導入用チ
ューブ9が挿入されており、ガスボンベ10からこのチ
ューブ9を介してプラズマ用ガス(例えば、アルゴンガ
ス)を前記プラズマトーチ1内に導入できるように構成
されている。
ューブ9が挿入されており、ガスボンベ10からこのチ
ューブ9を介してプラズマ用ガス(例えば、アルゴンガ
ス)を前記プラズマトーチ1内に導入できるように構成
されている。
【0011】ガスボンベ10とプラズマトーチ1の間の
流路には、プラズマガスに適当な圧力を与えるためのコ
ンプレッサ11と流量調整バルブ12と流量メータ13
が配設されている。
流路には、プラズマガスに適当な圧力を与えるためのコ
ンプレッサ11と流量調整バルブ12と流量メータ13
が配設されている。
【0012】前記プラズマトーチ1内部には、高融点金
属製ワイヤ8(例えば、タングステンワイヤ)がトーチ
の軸心に沿うように配設されている。ワイヤ8は、メタ
ルチューブ3側と先端部分2F側とで径が異なり、メタ
ルチューブ3側は、例えば200μmで該メタルチュー
ブ3に保持されており、先端部分2F側は、例えば半径
12.5μmで、その先端が前記ガラスチューブ2の先
端部分2Fの高周波コイル内まで届いている。尚、ワイ
ヤ8の他端はメタルチューブ外へ取り出され、アースさ
れている。
属製ワイヤ8(例えば、タングステンワイヤ)がトーチ
の軸心に沿うように配設されている。ワイヤ8は、メタ
ルチューブ3側と先端部分2F側とで径が異なり、メタ
ルチューブ3側は、例えば200μmで該メタルチュー
ブ3に保持されており、先端部分2F側は、例えば半径
12.5μmで、その先端が前記ガラスチューブ2の先
端部分2Fの高周波コイル内まで届いている。尚、ワイ
ヤ8の他端はメタルチューブ外へ取り出され、アースさ
れている。
【0013】この様な構成のプラズマ発生装置の動作に
ついて説明する。始動に当たり、先ず、バルブ12を開
き、ガスボンベ10からガス導入用チューブ9を介して
プラズマトーチ1内にアルゴンガスを導入する。
ついて説明する。始動に当たり、先ず、バルブ12を開
き、ガスボンベ10からガス導入用チューブ9を介して
プラズマトーチ1内にアルゴンガスを導入する。
【0014】この際、コンプレッサー11により、例え
ば、10気圧程度の圧力をアルゴンガスに掛け、流量メ
ータ13を見ながらバルブ12を調節することにより、
プラズマトーチ1内において、導入されたアルゴンガス
がメタルチューブ側からガラスチューブ2の先端部分2
F方向に高速に流れ、その先端から噴出するようにす
る。このガラスチューブ内の高速ガス流により、ワイヤ
8はプラズマトーチの中心軸に沿うように位置が規制さ
れた状態となる。
ば、10気圧程度の圧力をアルゴンガスに掛け、流量メ
ータ13を見ながらバルブ12を調節することにより、
プラズマトーチ1内において、導入されたアルゴンガス
がメタルチューブ側からガラスチューブ2の先端部分2
F方向に高速に流れ、その先端から噴出するようにす
る。このガラスチューブ内の高速ガス流により、ワイヤ
8はプラズマトーチの中心軸に沿うように位置が規制さ
れた状態となる。
【0015】そして、前記プラズマガスの流れが安定し
たら、高周波電源5を作動させ、高周波コイル4に始動
時の高周波電力(例えば、周波数450MHzで30W
程度)を供給する。これにより、ガラスチューブのコイ
ル巻回部分に高周波電磁界が発生し、それと共にコイル
内に届いているワイヤ8の先端部が高周波誘導加熱を受
け、加熱状態となる。
たら、高周波電源5を作動させ、高周波コイル4に始動
時の高周波電力(例えば、周波数450MHzで30W
程度)を供給する。これにより、ガラスチューブのコイ
ル巻回部分に高周波電磁界が発生し、それと共にコイル
内に届いているワイヤ8の先端部が高周波誘導加熱を受
け、加熱状態となる。
【0016】この状態において、高電圧電源7を作動さ
せ、点火用コイル6に例えば15KV程度の高電圧を印
加すると、ガラスチューブ内の先端部分2Fに放電が発
生し、この放電により発生したプラズマを種火として、
高周波コイル4を介して供給された高周波電力による誘
導プラズマが発生する。発生した誘導プラズマは、高温
状態のワイヤ8から発生される熱電子の供給を受け、安
定に維持される。その結果、ガラスチューブの先端から
は、微小径を持つプラズマフレーム(プラズマプローブ)
Pが噴出する。
せ、点火用コイル6に例えば15KV程度の高電圧を印
加すると、ガラスチューブ内の先端部分2Fに放電が発
生し、この放電により発生したプラズマを種火として、
高周波コイル4を介して供給された高周波電力による誘
導プラズマが発生する。発生した誘導プラズマは、高温
状態のワイヤ8から発生される熱電子の供給を受け、安
定に維持される。その結果、ガラスチューブの先端から
は、微小径を持つプラズマフレーム(プラズマプローブ)
Pが噴出する。
【0017】その後、プラズマの状態に注意を払いなが
ら高周波コイル4への供給電力を下げ、最小の電力で安
定にプラズマが維持される定常運転状態に設定する。
ら高周波コイル4への供給電力を下げ、最小の電力で安
定にプラズマが維持される定常運転状態に設定する。
【0018】ガラスチューブ内2に流すプラズマガスの
流量はプラズマの生成状態に大きな影響を与える。ガス
の流量を増すと、プラズマは細く、長く形状を変化させ
る。また、プラズマガスはワイヤ8を冷却する役割も担
っているため、ワイヤ8の溶融を防ぐことのできる十分
な流量に設定する必要がある。発明者の実験によれば、
十分なガス流量が得られない条件では、ワイヤの溶融が
認められた。
流量はプラズマの生成状態に大きな影響を与える。ガス
の流量を増すと、プラズマは細く、長く形状を変化させ
る。また、プラズマガスはワイヤ8を冷却する役割も担
っているため、ワイヤ8の溶融を防ぐことのできる十分
な流量に設定する必要がある。発明者の実験によれば、
十分なガス流量が得られない条件では、ワイヤの溶融が
認められた。
【0019】一方、ガス流量が増えると流速が増し、高
周波コイル4による励起領域でのガスの滞在時間が短く
なるため、それに伴いプラズマを維持するための電力を
増す必要がある。図4は、先端部分(プラズマ発生部分
及びその近傍部分)の内半径が60μmのガラスチュー
ブに小さい方の半径が12.5μmのタングステンワイ
ヤを組み合わせた構成について求めた、プラズマガスの
流量と最小維持電力の関係を示している。
周波コイル4による励起領域でのガスの滞在時間が短く
なるため、それに伴いプラズマを維持するための電力を
増す必要がある。図4は、先端部分(プラズマ発生部分
及びその近傍部分)の内半径が60μmのガラスチュー
ブに小さい方の半径が12.5μmのタングステンワイ
ヤを組み合わせた構成について求めた、プラズマガスの
流量と最小維持電力の関係を示している。
【0020】このように、本発明によれば、微細径のプ
ラズマが得られるが、断面の大きさが極めて小さいプラ
ズマになると、断面の大きなものに比べ、プラズマ表面
の影響が大きくなり、プラズマが微細になる程、プラズ
マを安定に維持することは難しくなる。そのため、微細
プラズマを維持するにはそれに見合った電離頻度の増加
とそれに伴う電子温度の上昇が必要となる。
ラズマが得られるが、断面の大きさが極めて小さいプラ
ズマになると、断面の大きなものに比べ、プラズマ表面
の影響が大きくなり、プラズマが微細になる程、プラズ
マを安定に維持することは難しくなる。そのため、微細
プラズマを維持するにはそれに見合った電離頻度の増加
とそれに伴う電子温度の上昇が必要となる。
【0021】その点本例では、プラズマトーチ1内に配
置されたタングステンのワイヤ8を高周波コイル4によ
る誘導加熱で加熱し、ワイヤ8から熱電子を放出させる
ことにより、熱電子をプラズマに補給して電離頻度を増
加させているため、微細プラズマを容易に維持すること
が可能である。実際、ワイヤ8をチューブ内から除いた
状態では、同条件下でプラズマを継続的に発生させるこ
とができないことが確認されており、この面から、加熱
されたワイヤからの熱電子がプラズマの維持に重要な役
割を果たしていることが理解される。
置されたタングステンのワイヤ8を高周波コイル4によ
る誘導加熱で加熱し、ワイヤ8から熱電子を放出させる
ことにより、熱電子をプラズマに補給して電離頻度を増
加させているため、微細プラズマを容易に維持すること
が可能である。実際、ワイヤ8をチューブ内から除いた
状態では、同条件下でプラズマを継続的に発生させるこ
とができないことが確認されており、この面から、加熱
されたワイヤからの熱電子がプラズマの維持に重要な役
割を果たしていることが理解される。
【0022】次に、このような電離頻度増加のための電
子補給について、詳細に説明する。いま、円筒型のグロ
ープラズマを仮定すると、プラズマ内の電子密度は以下
のように表わされる。 ne=neoJo[r(zi/Da)1/2] … (1) Jo[R(zi/Da)1/2]=0 … (2) (1)式においてneは電子密度、rは中心からの距離、
Rはプラズマの半径、neoは中心部(r=0)での電
子密度、Daは両極性拡散係数、ziは電離周波数、J
o[x]は0次のベッセル(Bessel)関数である。
子補給について、詳細に説明する。いま、円筒型のグロ
ープラズマを仮定すると、プラズマ内の電子密度は以下
のように表わされる。 ne=neoJo[r(zi/Da)1/2] … (1) Jo[R(zi/Da)1/2]=0 … (2) (1)式においてneは電子密度、rは中心からの距離、
Rはプラズマの半径、neoは中心部(r=0)での電
子密度、Daは両極性拡散係数、ziは電離周波数、J
o[x]は0次のベッセル(Bessel)関数である。
【0023】ここで、アインシュタインの関係式と、低
温プラズマであることから、前記両極性拡散係数Daは
(3)式に示すように近似できる。 Da=μi kTe/e … (3) (3)式において、kはボルツマン定数、μiはイオンの
移動度、Teは電子温度、eは素電荷である。
温プラズマであることから、前記両極性拡散係数Daは
(3)式に示すように近似できる。 Da=μi kTe/e … (3) (3)式において、kはボルツマン定数、μiはイオンの
移動度、Teは電子温度、eは素電荷である。
【0024】ここで、電子密度neは常に正であるか
ら、Jo[x]≧0である。故に、(2)式と図5から、次
の(4)式が成り立つ。 R(zi/Da)1/2=2.41 … (4) また、電離の衝突断面積σiを以下のように仮定する
と、 0<kTe<eφi の時 σi=0 eφi<kTe の時 σi=α(kTe−eφi) … (5) 電離周波数ziは以下のように見積もることができる。
zi=noα(eφi+kTe)(8kTe/πme)
1/2 exp(−eφi/kTe) …(6) なお、上式に
おいてnoは中性ガス粒子密度、φiはイオン化エネル
ギー、meは電子質量、αは定数である。
ら、Jo[x]≧0である。故に、(2)式と図5から、次
の(4)式が成り立つ。 R(zi/Da)1/2=2.41 … (4) また、電離の衝突断面積σiを以下のように仮定する
と、 0<kTe<eφi の時 σi=0 eφi<kTe の時 σi=α(kTe−eφi) … (5) 電離周波数ziは以下のように見積もることができる。
zi=noα(eφi+kTe)(8kTe/πme)
1/2 exp(−eφi/kTe) …(6) なお、上式に
おいてnoは中性ガス粒子密度、φiはイオン化エネル
ギー、meは電子質量、αは定数である。
【0025】前記(4)式と(6)式から次の関係式が導か
れる。 (2.41/R)2μi kTe/e = noα(2kTe+eφi)(8kTe/πme)1/2exp(−eφi/kTe) … (7) (7)式において、プラズマガスが1気圧のアルゴンであ
る場合、イオンの移動度μiは、1.6×10−4m2V
−1s−1と見積もられる。そして、定数αは他出の衝
突断面積データより1.5×10−21m2(eV)−1と
見積もられる。それらに基づき、(7)式から、半径Rの
プラズマに対して維持に必要な電子温度Teと電離周波
数ziを算出した。
れる。 (2.41/R)2μi kTe/e = noα(2kTe+eφi)(8kTe/πme)1/2exp(−eφi/kTe) … (7) (7)式において、プラズマガスが1気圧のアルゴンであ
る場合、イオンの移動度μiは、1.6×10−4m2V
−1s−1と見積もられる。そして、定数αは他出の衝
突断面積データより1.5×10−21m2(eV)−1と
見積もられる。それらに基づき、(7)式から、半径Rの
プラズマに対して維持に必要な電子温度Teと電離周波
数ziを算出した。
【0026】図2は、中心電離率10−4、Arガス1
気圧−温度300Kのグロープラズマに関して、(7)式
から算出した結果を示している。
気圧−温度300Kのグロープラズマに関して、(7)式
から算出した結果を示している。
【0027】この図から、プラズマの径Rが小さくなる
程、維持に必要な電離周波数Zi及び電子温度Teが大
きくなることがわかり、プラズマが微細化する程、電離
周波数の上昇、それに伴う高電子温度が必要とされ、維
持が困難になることがうかがえる。従って、電離周波数
のみからみても、プラズマが微細化するほど発生の困難
性が示唆され、そのため、高周波電力を効率良くプラズ
マに伝搬すること及び本発明に基づくプラズマへの電子
の補給が重要なキーとなることがわかる。
程、維持に必要な電離周波数Zi及び電子温度Teが大
きくなることがわかり、プラズマが微細化する程、電離
周波数の上昇、それに伴う高電子温度が必要とされ、維
持が困難になることがうかがえる。従って、電離周波数
のみからみても、プラズマが微細化するほど発生の困難
性が示唆され、そのため、高周波電力を効率良くプラズ
マに伝搬すること及び本発明に基づくプラズマへの電子
の補給が重要なキーとなることがわかる。
【0028】次に、本発明に基づきプラズマへ熱電子を
供給することによる効果について説明する。タングステ
ンからの熱電子放出を念頭に、見積もりを行うと、金属
からの熱電子放出量Gは一般的に次の(8)式で算出され
る。(Richardson effect) G=(ΛT2/e)exp(−eφW/kT) … (8) この式においてΛはRichardson定数、Tは電子が放出さ
れる金属の温度、φWは仕事関数で、金属がタングステ
ンの場合Λとφwは、それぞれΛ=6.0×105Am−2
K−2、φw=4.54Vである。
供給することによる効果について説明する。タングステ
ンからの熱電子放出を念頭に、見積もりを行うと、金属
からの熱電子放出量Gは一般的に次の(8)式で算出され
る。(Richardson effect) G=(ΛT2/e)exp(−eφW/kT) … (8) この式においてΛはRichardson定数、Tは電子が放出さ
れる金属の温度、φWは仕事関数で、金属がタングステ
ンの場合Λとφwは、それぞれΛ=6.0×105Am−2
K−2、φw=4.54Vである。
【0029】ここで、前述のArグロープラズマ(ガス
圧1気圧、ガス温度300K、中心電離率10−4)の
半径をR、長さを10Rと仮定すると、プラズマ維持に必
要な電離量Siは、次の(9)式で見積もることができ
る。
圧1気圧、ガス温度300K、中心電離率10−4)の
半径をR、長さを10Rと仮定すると、プラズマ維持に必
要な電離量Siは、次の(9)式で見積もることができ
る。
【0030】
【数1】
【0031】プラズマと同じ断面積πR2のタングステ
ンワイヤを用いた場合、この式に基づいて、ワイヤから
放出される熱電子とプラズマ維持に必要な電離量Siと
の比率βを、プラズマの半径Rに対していくつかのタン
グステン温度Tについて算出した結果を図3に示す。
ンワイヤを用いた場合、この式に基づいて、ワイヤから
放出される熱電子とプラズマ維持に必要な電離量Siと
の比率βを、プラズマの半径Rに対していくつかのタン
グステン温度Tについて算出した結果を図3に示す。
【0032】この図から、例えば、半径5μm(長さ5
0μm)のArグロープラズマに対して温度2400Kのタ
ングステンワイヤ(半径5μm)を使用すると、プラズ
マを維持するために必要な電離量に対して、約20%の
熱電子が供給可能となることが分かる。
0μm)のArグロープラズマに対して温度2400Kのタ
ングステンワイヤ(半径5μm)を使用すると、プラズ
マを維持するために必要な電離量に対して、約20%の
熱電子が供給可能となることが分かる。
【0033】以上のような考察からも理解されるよう
に、本発明では、筒状のプラズマトーチに流れるプラズ
マガスに高周波コイルからのパワーを供給してプラズマ
を発生させると共に、該トーチ内に熱電子を発生する部
材を配設してプラズマに熱電子を供給するようにしたた
め、プラズマトーチを微細化しても微細プラズマを安定
に維持発生させることができる。
に、本発明では、筒状のプラズマトーチに流れるプラズ
マガスに高周波コイルからのパワーを供給してプラズマ
を発生させると共に、該トーチ内に熱電子を発生する部
材を配設してプラズマに熱電子を供給するようにしたた
め、プラズマトーチを微細化しても微細プラズマを安定
に維持発生させることができる。
【0034】特に、トーチ内にタングステンのような高
融点金属のワイヤを配置し、その先端が前記高周波コイ
ルによる誘導加熱により加熱されるように構成した例で
は、極めて簡単な構成によりマイクロメータ乃至ナノメ
ータオーダーの極微細プラズマを途絶えることなく安定
に発生することが可能となる。また、本発明に基づくプ
ラズマトーチは軽量小型で人の手で楽に操作移動できる
程度のものに製作出来るので、低コストであるし、且
つ、プロセシングすべき材料の所に持って行って材料を
処理することができるなど操作性の面でも極めて優れた
特性を有する。
融点金属のワイヤを配置し、その先端が前記高周波コイ
ルによる誘導加熱により加熱されるように構成した例で
は、極めて簡単な構成によりマイクロメータ乃至ナノメ
ータオーダーの極微細プラズマを途絶えることなく安定
に発生することが可能となる。また、本発明に基づくプ
ラズマトーチは軽量小型で人の手で楽に操作移動できる
程度のものに製作出来るので、低コストであるし、且
つ、プロセシングすべき材料の所に持って行って材料を
処理することができるなど操作性の面でも極めて優れた
特性を有する。
【0035】なお、上記例は本発明の例示に過ぎず、本
発明は上記例の構成に限定されるものではない。例え
ば、前述のプラズマ発生装置において、ワイヤ8をトー
チ1の軸方向に移動させる機構を設けても良い。このよ
うな構成とすれば、高周波コイル4の卷回空間に対する
ワイヤ8先端の位置をコントロールすることにより、プ
ラズマへの電子の補給量を制御することができ、プラズ
マの生成状態をワイヤの位置により制御することが可能
となるし、ワイヤの先端を高周波コイル4の卷回空間か
ら大きく外すことにより、プラズマの発生を停止させる
こともできる。
発明は上記例の構成に限定されるものではない。例え
ば、前述のプラズマ発生装置において、ワイヤ8をトー
チ1の軸方向に移動させる機構を設けても良い。このよ
うな構成とすれば、高周波コイル4の卷回空間に対する
ワイヤ8先端の位置をコントロールすることにより、プ
ラズマへの電子の補給量を制御することができ、プラズ
マの生成状態をワイヤの位置により制御することが可能
となるし、ワイヤの先端を高周波コイル4の卷回空間か
ら大きく外すことにより、プラズマの発生を停止させる
こともできる。
【0036】また、プラズマガスはアルゴンガスに限定
されず、不活性ガスを含む他のプラズマ生成可能なガス
を用いることができる。そのプラズマガスの導入圧力
は、前記例では10気圧程度であったが、先に述べたよ
うに、プラズマの維持、ワイヤとトーチの冷却の両面か
ら検討した好適な値を選定すればよい。特に、ワイヤ及
びトーチの冷却を行う別の手段を設けた場合、冷却のフ
ァクターが減少するため、より低い圧力(流速)を採用す
ることができる。
されず、不活性ガスを含む他のプラズマ生成可能なガス
を用いることができる。そのプラズマガスの導入圧力
は、前記例では10気圧程度であったが、先に述べたよ
うに、プラズマの維持、ワイヤとトーチの冷却の両面か
ら検討した好適な値を選定すればよい。特に、ワイヤ及
びトーチの冷却を行う別の手段を設けた場合、冷却のフ
ァクターが減少するため、より低い圧力(流速)を採用す
ることができる。
【0037】さらに、上記例では高周波電源として、周
波数450MHz前後で出力30W程度の高周波電力を
発生するものを使用したが、先に検討したプラズマ維持
の条件に従い、例えば周波数10KHz〜1GHzで電力
0.1W〜30W程度の高周波を採用することができ
る。なお、先の検討結果から、プラズマ発生効率の点で
は周波数が高い方が有利であるが、一方、マッチングの
取り易さの点では余り周波数が高くない方が良いので、
両観点から、数100MHz前後の周波数は適当と考え
られる。
波数450MHz前後で出力30W程度の高周波電力を
発生するものを使用したが、先に検討したプラズマ維持
の条件に従い、例えば周波数10KHz〜1GHzで電力
0.1W〜30W程度の高周波を採用することができ
る。なお、先の検討結果から、プラズマ発生効率の点で
は周波数が高い方が有利であるが、一方、マッチングの
取り易さの点では余り周波数が高くない方が良いので、
両観点から、数100MHz前後の周波数は適当と考え
られる。
【0038】さらに、前記例では熱電子を発生するワイ
ヤとしてタングステンを使用したが、タングステンに限
定されず、例えばタンタルなどの高融点金属を採用でき
るし、必ずしも高融点金属に限らず、加熱により熱電子
を発生できる材料であれば採用することができる。加熱
の方法も、誘導加熱に限らず誘電加熱や通電加熱を採用
できるし、場合によっては光ビームなどのエネルギビー
ム照射による加熱も採用できる。
ヤとしてタングステンを使用したが、タングステンに限
定されず、例えばタンタルなどの高融点金属を採用でき
るし、必ずしも高融点金属に限らず、加熱により熱電子
を発生できる材料であれば採用することができる。加熱
の方法も、誘導加熱に限らず誘電加熱や通電加熱を採用
できるし、場合によっては光ビームなどのエネルギビー
ム照射による加熱も採用できる。
【0039】また、前記例では、ワイヤの小さい径の部
分、即ち、ワイヤの中、プラズマ発生領域及びその近傍
を含む部分に位置している部分の半径が12.5μmの
ものを使用したが、500nm〜1000μmのものが
使用可能である。
分、即ち、ワイヤの中、プラズマ発生領域及びその近傍
を含む部分に位置している部分の半径が12.5μmの
ものを使用したが、500nm〜1000μmのものが
使用可能である。
【0040】また、ワイヤ8はプラズマガスの速い流れ
によりプラズマトーチのほぼ中心に位置するようになる
が、プラズマガスの流速によってはトーチ管壁に触れる
ことがある。この場合、ガラスチューブ2内のプラズマ
発生領域(ガラスチューブ先端部分2Fの高周波コイル
4が巻かれている辺りのガラスチューブ内)から外れた
部分の管壁にワイヤ8が触れてもプラズマ発生に支障が
ないことが確認されている。
によりプラズマトーチのほぼ中心に位置するようになる
が、プラズマガスの流速によってはトーチ管壁に触れる
ことがある。この場合、ガラスチューブ2内のプラズマ
発生領域(ガラスチューブ先端部分2Fの高周波コイル
4が巻かれている辺りのガラスチューブ内)から外れた
部分の管壁にワイヤ8が触れてもプラズマ発生に支障が
ないことが確認されている。
【0041】しかし、ガラスチューブ2内のプラズマ発
生領域部分の管壁にワイヤ8の先端部が触れると、該接
触部で閃光が発生し、該接触部に対応したガラスチュー
ブ2の部分に穴が開いたり、或いは、ワイヤ8の先端部
が溶ける。ガラスチューブ2に穴が開くとプラズマガス
がこの穴から外部に漏れ、一方、ワイヤ8の先端部が溶
けると熱電子の放出量が低減する。この結果、発生する
プラズマ量が低減したり、或いは、プラズマの発生が停
止し、安定したプラズマ発生に支障を来す。
生領域部分の管壁にワイヤ8の先端部が触れると、該接
触部で閃光が発生し、該接触部に対応したガラスチュー
ブ2の部分に穴が開いたり、或いは、ワイヤ8の先端部
が溶ける。ガラスチューブ2に穴が開くとプラズマガス
がこの穴から外部に漏れ、一方、ワイヤ8の先端部が溶
けると熱電子の放出量が低減する。この結果、発生する
プラズマ量が低減したり、或いは、プラズマの発生が停
止し、安定したプラズマ発生に支障を来す。
【0042】そこで、図5に示す様に、ワイヤ80をガ
ラスチューブ2内に挿入した時に、ガラスチューブ内の
プラズマ発生領域手前の近傍複数箇所(例えば、2箇
所)でガラスチューブ管壁に接触する様に、ワイヤ80
の先端部近傍に複数の(例えば、A,Bの二箇所)折り
曲げ箇所を設ける。
ラスチューブ2内に挿入した時に、ガラスチューブ内の
プラズマ発生領域手前の近傍複数箇所(例えば、2箇
所)でガラスチューブ管壁に接触する様に、ワイヤ80
の先端部近傍に複数の(例えば、A,Bの二箇所)折り
曲げ箇所を設ける。
【0043】この様に成せば、プラズマガスの流速(流
量)に左右されることなく、ワイヤ80の先端部がガラ
スチューブ2内のプラズマ発生領域部分の管壁に触れる
ことがなく、ガラスチューブ2の中心軸にほぼ沿うよう
になる。この際、譬え、ワイヤ80の先端部が多少管壁
側に垂れても、プラズマガスの僅かな流速でガラスチュ
ーブ2の中心軸にほぼ沿うようになる。
量)に左右されることなく、ワイヤ80の先端部がガラ
スチューブ2内のプラズマ発生領域部分の管壁に触れる
ことがなく、ガラスチューブ2の中心軸にほぼ沿うよう
になる。この際、譬え、ワイヤ80の先端部が多少管壁
側に垂れても、プラズマガスの僅かな流速でガラスチュ
ーブ2の中心軸にほぼ沿うようになる。
【0044】尚、ワイヤの先端部がガラスチューブ2内
のプラズマ発生領域部分の管壁に触れない構成は、図5
に示す例に限定されない。要は、ワイヤ80をガラスチ
ューブ2内に挿入した時に、少なくとも、プラズマ発生
領域手前の近傍複数箇所でガラスチューブ管壁に接触す
る様にワイヤ80の形状を成せば(例えば、図6に示す
様に、ワイヤー800をガラスチューブ内に挿入した
時、ガラスチューブ2のプラズマ発生領域に当たる部分
が直線状で、残りの部分の少なくともプラズマ発生領域
手前近傍に当たる部分がコイル状に形成されている)プ
ラズマガスの流速(流量)に左右されることなく、ワイ
ヤ80の先端部がガラスチューブ2のプラズマ発生領域
部分の管壁に触れることがない。
のプラズマ発生領域部分の管壁に触れない構成は、図5
に示す例に限定されない。要は、ワイヤ80をガラスチ
ューブ2内に挿入した時に、少なくとも、プラズマ発生
領域手前の近傍複数箇所でガラスチューブ管壁に接触す
る様にワイヤ80の形状を成せば(例えば、図6に示す
様に、ワイヤー800をガラスチューブ内に挿入した
時、ガラスチューブ2のプラズマ発生領域に当たる部分
が直線状で、残りの部分の少なくともプラズマ発生領域
手前近傍に当たる部分がコイル状に形成されている)プ
ラズマガスの流速(流量)に左右されることなく、ワイ
ヤ80の先端部がガラスチューブ2のプラズマ発生領域
部分の管壁に触れることがない。
【0045】また、プラズマトーチとしては、前記例で
は、長さが5cm前後、先端部分2F、即ち、プラズマ
発生部分及びその近傍の内半径が60μm程度のものを
使用したが、この様なサイズのものに限定されない。例
えば、先端部分(プラズマ発生部分及びその近傍部分の
こと)内半径は500nm〜1000μmのものでも使
用可能である。尚、前記例では、トーチの先端部分(プ
ラズマ発生部分及びその近傍部分のこと)が一定の内半
径に形成したものを使用したが、先端部分(プラズマ発
生部分及びその近傍部分のこと)の先端を含む先端近傍
を先細りに成形加工した形のものでも良い。
は、長さが5cm前後、先端部分2F、即ち、プラズマ
発生部分及びその近傍の内半径が60μm程度のものを
使用したが、この様なサイズのものに限定されない。例
えば、先端部分(プラズマ発生部分及びその近傍部分の
こと)内半径は500nm〜1000μmのものでも使
用可能である。尚、前記例では、トーチの先端部分(プ
ラズマ発生部分及びその近傍部分のこと)が一定の内半
径に形成したものを使用したが、先端部分(プラズマ発
生部分及びその近傍部分のこと)の先端を含む先端近傍
を先細りに成形加工した形のものでも良い。
【0046】また、プラズマトーチを構成するガラスチ
ューブとして、前記例では石英管を使用したが、他の絶
縁材料(例えば、硼珪酸ガラスやセラミックス)で作成
しても良い。また、前記例では、ワイヤを1本配設する
ように成したが、複数本配設するようにしても良い。
ューブとして、前記例では石英管を使用したが、他の絶
縁材料(例えば、硼珪酸ガラスやセラミックス)で作成
しても良い。また、前記例では、ワイヤを1本配設する
ように成したが、複数本配設するようにしても良い。
【0047】また、前記例における点火用コイル6及び
高電圧電源7から成るプラズマ点火機構はプラズマ発生
をより効率良く行うための補助的な手段であり、プラズ
マを発生させる為の必須手段ではない。
高電圧電源7から成るプラズマ点火機構はプラズマ発生
をより効率良く行うための補助的な手段であり、プラズ
マを発生させる為の必須手段ではない。
【0048】また、前記例ではプラズマトーチからの極
微細プラズマが大気中に発生されるように成したが、プ
ラズマトーチからの極微細プラズマが真空雰囲気中若し
くは高圧雰囲気中に発生されるように成しても良い。
微細プラズマが大気中に発生されるように成したが、プ
ラズマトーチからの極微細プラズマが真空雰囲気中若し
くは高圧雰囲気中に発生されるように成しても良い。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
極微小径のプラズマを発生することのできるプラズマ発
生装置が実現される。
極微小径のプラズマを発生することのできるプラズマ発
生装置が実現される。
【図1】 本発明のプラズマ発生装置の一概略例を示し
た図である。
た図である。
【図2】 アルゴンプラズマ半径Rと電離周波数ziの
関係及び同じアルゴンプラズマ半径Rと電子温度Teの
関係を示した図である。
関係及び同じアルゴンプラズマ半径Rと電子温度Teの
関係を示した図である。
【図3】 タングステンワイヤから放出される熱電子と
プラズマ維持に必要な電離量Siとの比率βを、プラズ
マの半径Rに対して複数のタングステン温度Tについて
算出し、グラフ化したものを示す図である。
プラズマ維持に必要な電離量Siとの比率βを、プラズ
マの半径Rに対して複数のタングステン温度Tについて
算出し、グラフ化したものを示す図である。
【図4】 プラズマガスの流量と最小維持電力の関係を
示した図である。
示した図である。
【図5】 ガラスチューブのプラズマ発生領域管壁に接
触しないワイヤの概略例を示した図である。
触しないワイヤの概略例を示した図である。
【図6】 ガラスチューブのプラズマ発生領域管壁に接
触しないワイヤの他の概略例を示した図である。
触しないワイヤの他の概略例を示した図である。
1…プラズマトーチ 2…ガラスチューブ 3…メタルチューブ 4…高周波コイル 5…高周波電源 6…点火用コイル 7…高電圧電源 8,80,800…ワイヤ 9…ガス導入用チューブ 10…ガスボンベ 11…コンプレッサ 12…流量調整バルブ 13…流量メータ P…プラズマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長 船 忠 義 東京都昭島市武蔵野3−1−2
Claims (14)
- 【請求項1】 筒状の絶縁材料製プラズマトーチ、プラ
ズマガスがトーチ内部を流れ先端から噴出するようにト
ーチ内へプラズマガスを供給する手段、該プラズマガス
を励起するための高周波コイル、該コイルに高周波電力
を供給するための高周波電源、及び、該トーチ内のプラ
ズマ発生領域またはその近傍に位置するように配設さ
れ、加熱されることにより電子を発生する電子発生部材
を備えたことを特徴とするプラズマ発生装置。 - 【請求項2】 前記電子発生部材は高融点金属からなる
ことを特徴とする請求項1記載のプラズマ発生装置。 - 【請求項3】 前記電子発生部材は線状に形成され、そ
の先端がトーチ内のプラズマ発生領域またはその近傍に
位置するようにトーチ内に配設されている請求項1記載
のプラズマ発生装置。 - 【請求項4】 前記電子発生部材は前記高周波コイルに
より高周波加熱されることを特徴とする請求項1乃至3
のいずれかに記載のプラズマ発生装置。 - 【請求項5】 前記電子発生部材は前記プラズマトーチ
の基底部を封止する部材に取り付けられることを特徴と
する請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ発生装
置。 - 【請求項6】 前記電子発生部材を加熱する手段を前記
高周波コイルとは別に設けたことを特徴とする請求項1
記載のプラズマ発生装置。 - 【請求項7】 前記電子発生部材を通電加熱する手段を
設けたことを特徴とする請求項6記載のプラズマ発生装
置。 - 【請求項8】 前記電子発生部材をトーチの軸方向に移
動可能に成した請求項1乃至7のいずれかに記載のプラ
ズマ発生装置。 - 【請求項9】 前記トーチの内半径は500nm乃至1
000μmである請求項1に記載のプラズマ発生装置。 - 【請求項10】 前記トーチの先端を絞り込む様に成し
た請求項1に記載のプラズマ発生装置。 - 【請求項11】 前記絞り込んだトーチの先端の内半径
は50nm乃至1000μmである請求項10に記載の
プラズマ発生装置。 - 【請求項12】 前記電子発生部材は、少なくとも、プ
ラズマ発生領域手前の近傍複数箇所でトーチ壁に接触す
る様に形成されている請求項1記載のプラズマ発生装
置。 - 【請求項13】 前記電子発生部材は、プラズマ発生領
域に当たる部分が直線状で、残りの部分の少なくともプ
ラズマ発生領域手前の近傍に当たる部分がコイル状に形
成されている請求項12記載のプラズマ発生装置。 - 【請求項14】 前記電子発生部材は、プラズマ発生領
域手前の近傍で、互いに対向する側のトーチ壁に接触す
る折り曲げ箇所が形成されている請求項12記載のプラ
ズマ発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002036249A JP2002343599A (ja) | 2001-03-16 | 2002-02-14 | プラズマ発生装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001076877 | 2001-03-16 | ||
JP2001-76877 | 2001-03-16 | ||
JP2002036249A JP2002343599A (ja) | 2001-03-16 | 2002-02-14 | プラズマ発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002343599A true JP2002343599A (ja) | 2002-11-29 |
Family
ID=26611472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002036249A Pending JP2002343599A (ja) | 2001-03-16 | 2002-02-14 | プラズマ発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002343599A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010062101A2 (ko) * | 2008-11-26 | 2010-06-03 | 트리플코어스코리아 | 상압 플라즈마 점화 장치 및 이를 이용한 상압 플라즈마 점화 방법 |
US7893383B2 (en) | 2006-07-14 | 2011-02-22 | Kabushiki Kaisha Shinkawa | Bonding apparatus and method for cleaning tip of a bonding tool |
WO2012063742A1 (ja) * | 2010-11-09 | 2012-05-18 | 株式会社新川 | プラズマ装置およびその製造方法 |
US8263897B2 (en) | 2002-12-12 | 2012-09-11 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Induction device |
US8289512B2 (en) | 2005-06-17 | 2012-10-16 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Devices and systems including a boost device |
US8622735B2 (en) * | 2005-06-17 | 2014-01-07 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Boost devices and methods of using them |
US8716939B2 (en) | 2009-12-10 | 2014-05-06 | Shinkawa Ltd. | Plasma ignition system, plasma ignition method, and plasma generating apparatus |
US9259798B2 (en) | 2012-07-13 | 2016-02-16 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Torches and methods of using them |
US9583313B2 (en) | 2013-08-20 | 2017-02-28 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Plasma processing apparatus and plasma processing method |
CN114922790A (zh) * | 2022-05-19 | 2022-08-19 | 哈尔滨工业大学 | 一种基于icp内耦合放电的射频离子推力器 |
CN117457467A (zh) * | 2023-12-19 | 2024-01-26 | 哈尔滨工业大学 | 等离子体腔室阵列成像监测装置及空间不均匀性校准方法 |
-
2002
- 2002-02-14 JP JP2002036249A patent/JP2002343599A/ja active Pending
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8263897B2 (en) | 2002-12-12 | 2012-09-11 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Induction device |
US9360430B2 (en) | 2002-12-12 | 2016-06-07 | Perkinelmer Health Services, Inc. | Induction device |
US8742283B2 (en) | 2002-12-12 | 2014-06-03 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Induction device |
US8896830B2 (en) | 2005-06-17 | 2014-11-25 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Devices and systems including a boost device |
US9847217B2 (en) | 2005-06-17 | 2017-12-19 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Devices and systems including a boost device |
US8289512B2 (en) | 2005-06-17 | 2012-10-16 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Devices and systems including a boost device |
US8622735B2 (en) * | 2005-06-17 | 2014-01-07 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Boost devices and methods of using them |
US7893383B2 (en) | 2006-07-14 | 2011-02-22 | Kabushiki Kaisha Shinkawa | Bonding apparatus and method for cleaning tip of a bonding tool |
WO2010062101A2 (ko) * | 2008-11-26 | 2010-06-03 | 트리플코어스코리아 | 상압 플라즈마 점화 장치 및 이를 이용한 상압 플라즈마 점화 방법 |
WO2010062101A3 (ko) * | 2008-11-26 | 2010-09-23 | 트리플코어스코리아 | 상압 플라즈마 점화 장치 및 이를 이용한 상압 플라즈마 점화 방법 |
US8716939B2 (en) | 2009-12-10 | 2014-05-06 | Shinkawa Ltd. | Plasma ignition system, plasma ignition method, and plasma generating apparatus |
JP2012104605A (ja) * | 2010-11-09 | 2012-05-31 | Shinkawa Ltd | プラズマ装置およびその製造方法 |
WO2012063742A1 (ja) * | 2010-11-09 | 2012-05-18 | 株式会社新川 | プラズマ装置およびその製造方法 |
US10573525B2 (en) | 2010-11-09 | 2020-02-25 | Shinkawa Ltd. | Plasma apparatus and method for producing the same |
US9259798B2 (en) | 2012-07-13 | 2016-02-16 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Torches and methods of using them |
US9686849B2 (en) | 2012-07-13 | 2017-06-20 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Torches and methods of using them |
US9583313B2 (en) | 2013-08-20 | 2017-02-28 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Plasma processing apparatus and plasma processing method |
CN114922790A (zh) * | 2022-05-19 | 2022-08-19 | 哈尔滨工业大学 | 一种基于icp内耦合放电的射频离子推力器 |
CN117457467A (zh) * | 2023-12-19 | 2024-01-26 | 哈尔滨工业大学 | 等离子体腔室阵列成像监测装置及空间不均匀性校准方法 |
CN117457467B (zh) * | 2023-12-19 | 2024-04-19 | 哈尔滨工业大学 | 等离子体腔室阵列成像监测装置及空间不均匀性校准方法 |
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