JP2002342414A - 石油化学コンビナートの適正操業システム - Google Patents

石油化学コンビナートの適正操業システム

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JP2002342414A
JP2002342414A JP2001145983A JP2001145983A JP2002342414A JP 2002342414 A JP2002342414 A JP 2002342414A JP 2001145983 A JP2001145983 A JP 2001145983A JP 2001145983 A JP2001145983 A JP 2001145983A JP 2002342414 A JP2002342414 A JP 2002342414A
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JP2001145983A
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Keita Ashida
啓太 芦田
Yoshio Maruyama
義雄 丸山
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、石油化学製品及び/またはその副
生品を製造する複数のプラントからなる工場群の操業に
おいて、石油化学製品及び/またはその副生品を内部で
製造するか外部から購入するかを適宜選択して全体とし
て最大利益を図ることが出来、適正な操業を可能とする
石油化学コンビナートの適正操業システムを提供するこ
とを可能にすることを目的としている。 【解決手段】 外部のコンピュータネットワーク3を介
して取り込んだ情報に基づいて、最適化計算部4により
工場群を構成する複数のプラントを稼働させるために外
部から購入する該工場群の原料、副原料、用役の総額
と、外部から購入する石油化学製品の総額との和を外部
へ販売する石油化学製品、副生品、用役の総額から差し
引いた額を最大化する計算を行い、計算結果表示部5に
出力するように構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油化学コンビナ
ートの最適操業状態提示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】石油化学製品の製造の中でも、ナフサ等
を原料とするエチレン及びそのエチレンセンターから副
生するC3、C4、C5留分等は、数々のエチレンセン
ター誘導品の石油化学製品原料として消費されており、
これ等の誘導品製造プラントはエチレンセンターを中心
とするいわゆる石油化学コンビナートと称する工場群を
形成している。石油化学コンビナートはそこで製造され
る石油化学製品の製造コストを抑えるために、その石油
化学コンビナート全体で適正な操業状態となるようコン
ピュータシステムを利用して最適条件を表示装置等に出
力して、これを基に操業管理が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような製造コストを抑えることを目的とした石油化学コ
ンビナート全体での適正な操業条件は、外部から受注す
る需要に応じた生産計画を前提に計算されるものであ
り、必ずしも石油化学コンビナートを運営する企業乃至
企業群の石油化学品事業の利益を最大とするものではな
い。
【0004】石油化学コンビナートで製造される複数の
石油化学製品の市場での価格競争力はすべて同じという
わけではない。石油化学コンビナートを構成するプラン
トの中でも、優れた技術を採用しているプラントで製造
される石油化学製品は概して競争力があり、そうでない
ものは競争力が乏しい状態となる。
【0005】また、市場で形成されるこれ等の石油化学
製品価格の多くは独立性をもった変化をするので、この
市場での形成価格が何らかの理由で高騰している石油化
学製品はより多く製造し販売することで事業利益を増大
せることができ、逆に市場形成価格が下落している石油
化学製品は製造しても利益を生み出さず、損失が発生す
る場合には減産を指向することになる。
【0006】しかしながら、石油化学コンビナートで
は、工場群を形成するプラントの多くがパイプラインで
結合されて各プラント間で原料、燃料、用役等のやり取
りを行っているので、該コンビナート内の1つのプラン
トの稼働率を下げることはパイプラインで結合した他の
プラントへも影響を与え、利益のでる石油化学製品の減
産も発生し得る。
【0007】つまり、敢えて、このような減産を行って
石油化学コンビナートの最適操業条件を満たす操業を実
現したとしても該石油化学品事業の生み出す利益の最大
化を指向していることにはならない。
【0008】近年は石油化学製品の国内外の市場が発達
し、石油化学製品のタイムリーかつ大量な外部からの購
入や外部への販売も容易になっている。また、インター
ネット等の通信回線を利用した電子商取引、例えばいわ
ゆるe−コマース等の登場と発達により、この状況は加
速している。
【0009】本発明は、上記課題を解決し、該石油化学
品事業の利益をより大きくするための該石油化学コンビ
ナートの操業条件を表示装置や工場群操業管理システム
へ出力するコンピュータシステムを用いた石油化学コン
ビナートの適正操業システムを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するため、該石油化学コンビナートを運営する企
業乃至は企業群が営む石油化学品事業の利益をより大き
くする適正な該石油化学コンビナートの操業条件を提示
する手段を見出し、本発明をなすに至った。
【0011】すなわち、本発明は下記の1)〜5)記載
の通りである。
【0012】1)石油化学製品及び/またはその副生品
を製造する複数のプラントからなる工場群の適性操業シ
ステムであって、該工場群が該工場群を構成する1つ或
いは複数のプラントが製造する石油化学製品及び/また
はその副生品を該工場群の別の1つ或いは複数のプラン
トで原料及び/または燃料及び/または用役として使用
しているプラントを少なくとも有する工場群であり、該
工場群を構成する複数のプラントを稼働させるために外
部から購入する該工場群の原料及び/または副原料及び
/または用役の購入価格と、外部から購入する石油化学
製品及び/または副生品の購入価格と、外部へ販売する
石油化学製品及び/または副生品及び/または用役の販
売価格と、を入力する入力手段と、前記入力手段によっ
て入力された購入価格及び販売価格に基づいて最大利益
を算出する最大利益算出手段と、前記最大利益算出手段
により算出された最大利益の操業条件を出力する出力手
段と、を有することを特徴とする石油化学コンビナート
の適正操業システム。
【0013】2)前記工場群を構成する複数のプラント
を稼働させるために外部から購入する該工場群の原料及
び/または副原料及び/または用役の購入価格と、外部
から購入する石油化学製品及び/または副生品の購入価
格と、外部へ販売する石油化学製品及び/または副生品
及び/または用役の販売価格と、を入力するためのサー
バー装置との間で、通信手段を介して電子商取引により
取り引きされる外部から購入する該工場群の原料及び/
または副原料及び/または用役を外部から購入する購入
希望価格及び/または購入価格を前記入力手段に入力す
ることを特徴とする上記1)に記載の石油コンビナート
の適性操業システム。
【0014】3)前記工場群を構成する複数のプラント
を稼働させるために外部から購入する該工場群の原料及
び/または副原料及び/または用役の購入価格と、外部
から購入する石油化学製品及び/または副生品の購入価
格と、外部へ販売する石油化学製品及び/または副生品
及び/または用役の販売価格と、を入力するためのサー
バー装置との間で、通信手段を介して電子商取引により
取り引きされる外部から購入する石油化学製品及び/ま
たは副生品を外部から購入する購入希望価格及び/また
は購入価格を前記入力手段に入力することを特徴とする
上記1)に記載の石油コンビナートの適性操業システ
ム。
【0015】4)前記工場群を構成する複数のプラント
を稼働させるために外部から購入する該工場群の原料及
び/または副原料及び/または用役の購入価格と、外部
から購入する石油化学製品及び/または副生品の購入価
格と、外部へ販売する石油化学製品及び/または副生品
及び/または用役の販売価格と、を入力するためのサー
バー装置との間で、通信手段を介して電子商取引により
取り引きされる外部へ販売する石油化学製品及び/また
は副生品及び/または用役を外部へ販売する販売希望価
格及び/または販売価格を前記入力手段に入力すること
を特徴とする上記1)に記載の石油コンビナートの適性
操業システム。
【0016】5)前記工場群を構成する複数のプラント
を稼働させるために外部から購入する該工場群の原料及
び/または副原料及び/または用役の購入価格と、外部
から購入する石油化学製品及び/または副生品の購入価
格と、外部へ販売する石油化学製品及び/または副生品
及び/または用役の販売価格と、を入力するためのサー
バー装置との間で、通信手段を介して電子商取引により
取り引きする際に、外部から購入する該工場群の原料及
び/または副原料及び/または用役、外部から購入する
石油化学製品及び/または副生品、外部へ販売する石油
化学製品及び/または副生品及び/または用役、の品質
及び/または納期を取引条件に加えることを特徴とする
上記2)乃至4)に記載の石油コンビナートの適性操業
システム。
【0017】本発明は、上述の如く構成したので、入力
手段によって入力された石油化学製品及び/またはその
副生品を製造するために外部から購入する該工場群の原
料及び/または副原料及び/または用役の購入価格と、
同じ石油化学製品及び/またはその副生品を外部から購
入する購入価格とを比較し、更にその石油化学製品及び
/またはその副生品を外部へ販売する販売価格を考慮し
て最大利益算出手段により全体の最大利益を算出すると
共に、出力手段により、その最大利益の操業条件を出力
することで、その操業条件に基づいて適正な操業が出来
る。
【0018】また、前記工場群を構成する複数のプラン
トを稼働させるために外部から購入する該工場群の原料
及び/または副原料及び/または用役の購入価格と、外
部から購入する石油化学製品及び/または副生品の購入
価格と、外部へ販売する石油化学製品及び/または副生
品及び/または用役の販売価格と、を入力するサーバ装
置との間で、通信手段を介して電子商取引により取り引
きされる石油化学製品及び/またはその副生品を外部か
ら購入する購入希望価格を前記入力手段に入力すること
で、オンラインでタイムリーな購入価格情報に基づいて
適正な操業システムを構築することが出来る。
【0019】また、前記工場群を構成する複数のプラン
トを稼働させるために外部から購入する該工場群の原料
及び/または副原料及び/または用役の購入価格と、外
部から購入する石油化学製品及び/または副生品の購入
価格と、外部へ販売する石油化学製品及び/または副生
品及び/または用役の販売価格と、を入力するためのサ
ーバー装置との間で、通信手段を介して電子商取引によ
り取り引きされる石油化学製品及び/またはその副生品
を外部へ販売する販売希望価格を前記入力手段に入力す
ることで、オンラインでタイムリーな販売価格情報に基
づいて適正な操業システムを構築することが出来る。
【0020】また、前記工場群を構成する複数のプラン
トを稼働させるために外部から購入する該工場群の原料
及び/または副原料及び/または用役の購入価格と、外
部から購入する石油化学製品及び/または副生品の購入
価格と、外部へ販売する石油化学製品及び/または副生
品及び/または用役の販売価格と、を入力するためのサ
ーバー装置との間で、通信手段を介して電子商取引によ
り取り引きする際に、石油化学製品及び/またはその副
生品の品質及び/または納期を取引条件に加えること
で、品質や納期を考慮した適正な操業システムを構築す
ることが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】図により本発明に係る連産品の適
正操業システムの一例として石油化学コンビナートの操
業に適用した場合の一実施形態を具体的に説明する。図
1は本発明に係る石油化学コンビナートの適正操業シス
テムの構成を示すブロック図、図2は一般的な石油化学
コンビナートのプラントの繋がりの一例を示す図、図3
は石油化学コンビナートの原料、石油化学製品の流れの
一例を示す図である。
【0022】図1は、石油化学製品及び/またはその副
生品を製造する複数のプラントからなる工場群の適正操
業システムの一例として、エチレンセンターを中心とす
る石油化学コンビナートの適正操業システムの全体構成
を示す。
【0023】1は、石油化学製品及び/またはその副生
品を製造するために外部から購入する原料、副原料、或
いは、電力,蒸気,窒素ガス,水,冷却水等の用役の購
入価格と、目的の石油化学製品を外部から購入する購入
価格と、目的の石油化学製品を外部へ販売する販売価格
等を入力する入力手段となる情報入力部である。
【0024】この情報入力部1は、パーソナルコンピュ
ータ(以下、単に「パソコン」という)や情報端末機、
携帯電話機等の各種コンピュータシステムを装備した端
末装置等で構成される。
【0025】2は外部との情報通信部であり、外部のコ
ンピュータネットワーク3に設けられた目的の石油化学
製品の融通を行なうためのサーバ装置3aとの間でイン
ターネット等の通信網からなる通信手段を介して電子商
取引により取り引きされる目的の石油化学製品を外部か
ら購入する購入希望価格や外部へ販売する販売希望価格
を入力手段となる情報入力部1に入力することが出来る
ようになっている。外部との情報通信部2は発注手段を
兼ねる。
【0026】尚、通信網としてはインターネット以外に
も専用回線であっても良いし、通信衛星等を用いた電波
通信によるものであっても良い。
【0027】4は入力手段となる情報入力部1によって
入力された購入価格、販売価格に基づいて最大利益を算
出する最大利益算出手段となる最適化計算部であり、5
は最適化計算部4により算出された最大利益の操業条件
を出力する出力手段であって表示手段となる計算結果表
示部である。
【0028】図1に示すコンピュータシステムでは、最
適化計算部4において計算に必要なデータ、つまり、原
料から製造される連産品である石油化学製品の販売価格
やその量、石油化学製品の購入価格やその量、工場稼働
のために必要となる経費、工場の各種制約条件等が予め
入力されて記憶手段となるデータベース部6に格納され
ている。
【0029】そして、本コンピュータシステムを作動さ
せて、詳しくは後述するサブルーチン群7及び最適化計
算部4により最適化計算を収束させる。この結果は、計
算結果表示部5に表示される。場合によっては、計算に
必要なデータの内、市場変動によって変化する入力デー
タ、例えば、石油化学製品価格等は適宜、外部との情報
通信部2を用いて最新の数値に修正して常に最新の工場
群の最適操業条件を計算結果表示部5に表示させる。
【0030】最適化計算部4の目的関数は工場群を運営
する企業乃至企業群の工場群に関わる石油化学製品の事
業利益であり、その目的関数の値をより大きくするよう
変数を振って探索し、収束値を確定する。
【0031】変数は各プラントの操業条件を決するもの
で構成され、例えば、稼働率や反応条件等の製造条件、
複数の原料が使用出来るプラントにおいて、その使用割
合、複数の系列を有するプラントであれば、その系列毎
の稼働率、外部から購入する原料、燃料、用役の単価及
び数量、外部へ販売する石油化学製品の単価と数量、外
部から外部への販売目的で購入する石油化学製品の単価
及び数量等が例示される。
【0032】つまり、これ等の変数は、図1に示すコン
ピュータシステムへ入力されている夫々の情報に従い変
化する数値である。
【0033】また、これ等の変数には、お互いが連動し
た変化をする変数が含まれるので、これ等の変数間の整
合性と確保するために、図1に示すコンピュータシステ
ムはサブルーチン群7を持ち、このサブルーチン群7で
該工場群の各々のプラントにおける石油化学製品生産量
と、それに応じて変化する原料、燃料、用役の各量の関
係を算出する。
【0034】サブルーチン群7は各プラント毎に適した
形で前述したような算出方法を納めており、各工場毎の
各プラントのサブルーチン7a,7b,…Vnを用いて
最適化をシミュレーションする。各サブルーチン7a,
7b,…Vnとは、数値や数式、シミュレーションモデ
ル、或いは、これ等の組み合わせ等からなる。
【0035】より具体的にいうと、原料原単位、用役原
単位、或いは、これと同種の情報を提供する数式、或い
は、プラントシミュレーションモデルである。とりわ
け、数式やプラントシミュレーションモデルで計算を行
うと、そのプラントにおける反応条件や、その他の操業
条件が決定出来るので便利である。サブルーチン群7は
必要に応じて実行され、その結果を最適化計算部4へ伝
達する。
【0036】本発明における最大利益の操業条件をシミ
ュレーションするための最適化計算は最適化計算部4で
行うが、そこで用いる最適化計算方法は線形、或いは、
非線形の最適化計算収束法が使用出来る。但し、好まし
くは非線形の最適化計算収束法である。
【0037】具体的には、Goldfarb-Idnani法、Gill-Mu
rray法、Han-Mangasarian法、拡張Lagrange乗数法、逐
次2次計画法等が例示されるが、市販の最適化計算ソフ
トを、そのまま、或いは、一部改造して用いるのが最も
簡便であり、好ましい。
【0038】本発明において、最適化計算部4やサブル
ーチン群7で用いる情報は別の情報記憶装置であるデー
タベース部6等に記録しておいて、必要に応じて情報を
呼び出すようにしても良い。
【0039】例えば、図1に示すコンピュータシステム
に入力される前述の情報を一旦はデータベース部6に記
録しておいても良く、図1に示すコンピュータシステム
の計算結果をデータベース部6に記録しておいても良
い。
【0040】本発明においては、最大利益算出手段とな
る最適化計算部4の計算結果、及び、その時のサブルー
チン群7の結果を表示する計算結果表示部5が設けられ
ている。この計算結果表示部5に表示される情報は最適
化計算部4及びサブルーチン群7の変数や数値の中から
適宜選択して表示出来るが、表示装置としては一般に用
いられる表示装置を用いる。
【0041】この表示装置は複数であっても良く、最適
化計算部4等が納められているコンピュータと直接接続
されている必要はなく、計算結果を記憶するデータベー
ス部6から情報を通信回線により転送して別のコンピュ
ータシステムで表示しても良い。
【0042】本発明において、必要となる情報の内で外
部から入力されるべき情報は情報入力部1を介して行
う。情報入力部1はキーボードによる入力装置が代表的
であるが、情報入力部1を他のコンピュータシステム、
例えば、電子商取引システムや商品情報公開システムと
通信回線を介して接続しておけば、オンラインでの情報
入力が可能となり便利である。
【0043】更に、本発明におけるデータベース部6も
他のコンピュータシステム、例えば、電子商取引システ
ムや商品情報公開システムと通信回線を介して直接接続
しておけば、石油化学製品の販売の受注や決済も出来る
のでより便利である。
【0044】本発明について、以下具体的に説明する。
【0045】エチレンセンターを中心とする石油化学コ
ンビナートは、エチレンセンターで製造されるエチレン
及びその副生品からそれ等誘導品を効率的に製造するた
め複数のプラントがパイプラインによって結合されてい
る。
【0046】図2にエチレンセンターを中心とする石油
化学コンビナートの1例を示す。通常はプラント間でパ
イプラインによってやり取りする石油化学製品、原料、
燃料、用役は貯蔵設備に一時的に蓄えることができる様
にプラント間にタンク等が設置されているが、エチレン
センターの原料であるナフサ等を除くと石油化学製品、
原料、燃料、用役の貯蔵能力はそれほど大きなものでは
なく、特に、石油化学製品、原料、燃料、用役がガス状
態である場合には実質的な貯蔵能力はない。したがっ
て、石油化学コンビナート内の1つの石油化学製品を減
産する場合にはパイプラインで結合されている他のプラ
ントの稼働率に影響が出て、結果的に石油化学コンビナ
ート全体へその影響は波及する。
【0047】図2を例にとって説明する。ポリスチレン
の市場価格が下落してポリスチレンの製造を行っても利
益が出なくなった場合に、例えば、このポリスチレンプ
ラントを減産したとする。当然、その原料を製造してい
るスチレンプラントも稼働率を下げざるを得なくなり、
このコンビナート内でスチレンプラントの原料であるエ
チレンとベンゼンが余剰になる。
【0048】このためにエチレンセンターは運転条件を
変更して、エチレンとベンゼンの減産に対応しよとする
が、エチレンとベンゼン原料の分解ガソリンだけを減産
することは不可能なので、エチレンセンターの他の副生
品も減少する。このため、利益を上げている石油化学製
品のプラントまで減産を余儀なくされる。
【0049】現実には、最初に余剰となるスチレンを外
部へ販売することでコンビナート全体への影響を最小限
にとどめる努力がなされるが、この時のスチレンの外部
への販売価格がそのスチレンプラントの製造するスチレ
ンにとって利益が出せる価格となっているとは限らな
い。
【0050】ましてや、コンビナート外への石油化学製
品の販売はその運賃もかさむので、コンビナート内のポ
リスチレンプラントでそのスチレンを消費する場合に比
べてその利益は減少すると考えるのが一般的である。
【0051】また、そのポリスチレンプラントで使用し
ている電力や蒸気等の用役も減少し、コンビナートへこ
れ等を供給している用役供給センターにも影響が出て、
結果として、これ等の燃料を供給するコンビナート内の
プラントへも影響がでる。
【0052】その対応としてこれ等燃料を供給するプラ
ントの稼働率を下げるか、外部へこれ等燃料を販売する
ことになる。これ等燃料を販売する場合には、スチレン
の場合と同様にその価格が損失を被らない価格であると
は限らない。
【0053】したがって、石油化学コンビナートを運営
する企業乃至企業群の石油化学品事業の利益をできるだ
け大きなものとする石油化学コンビナートの操業条件を
把握しそれを実現する必要があるが、その把握のために
は外部との原料や石油化学製品や用役のやり取りを加味
した最適操業条件出力システムが必要となる。
【0054】与えられた生産計画を前提にそれを充足す
る条件で石油化学コンビナート内の最適化を行っても、
事業利益という観点からは不完全なものとなるからであ
る。
【0055】本発明の最大の特徴は、従来の石油化学コ
ンビナートの最適操業条件を出力するコンピュータシス
テムに外部との原料や石油化学製品や用役等のやり取り
の情報を入力して、石油化学コンビナートを運営する企
業もしくは企業群の利益の最大化を実現する石油化学コ
ンビナートの適正な操業条件を出力するシステムを提供
するところにある。
【0056】下記に本発明をより具体的に説明する。本
発明はコンピュータシステムによって実現されるが、そ
のコンピュータシステムは、該企業乃至は企業群が必要
とする石油化学製品の需要を該工場群の稼働によって製
造される石油化学製品と外部からの石油化学製品購入と
で賄う場合に、その需要を満たすために必要となる経
費、つまり、工場群を稼働させるための経費と外部から
石油化学製品を購入するための経費の和がより小さくな
る工場群の稼働条件と外部からの石油化学製品購入量及
びその条件を算出し出力するシステムである。
【0057】例えば、石油化学製品Aと石油化学製品B
という石油化学製品を扱っている場合、必要な石油化学
製品を石油化学製品Aとすると、工場群で製造する石油
化学製品Aよりも外部からその石油化学製品Aを購入す
る方が安い時には、その石油化学製品Aを製造するプラ
ントの稼働率を落としてでも石油化学製品Aの外部から
の購入を選択する。
【0058】但し、その石油化学製品Aを製造するプラ
ントの稼働率の低下は該工場群の他のプラントにも影響
を与え、場合によっては他のプラントで製造される石油
化学製品Bが減少して、その石油化学製品Bの外部から
の購入量が増加するので、そこでもし損失が発生する場
合には、その損失を石油化学製品Aの外部からの購入を
増やして得られる利益から差し引いた額を、より大きく
する石油化学製品Aの購入量を算出し出力する。
【0059】この方法を、工場群のすべてのプラント及
び石油化学製品に適用して、石油化学品事業の利益がよ
り大きくなる各石油化学製品の購入量と工場群の稼働条
件を決定する。
【0060】図3を用いてより具体的に上記を説明す
る。図3は工場群の原料と石油化学製品の流れを示した
コンビナートモデルである。石油化学製品F1を原料と
して購入してプラントP1を稼働して石油化学製品S2
とS3を製造する。これ等の石油化学製品はP2、P
3、P4の各プラントの原料として使用される。
【0061】更にこれ等のプラントP2,P3,P4で
製造された石油化学製品S4、S5、S6は更に下流の
プラントP5,P6の原料として使用されている。一
方、石油化学製品S4、S6、S7、S8、S9は外部
へ販売されている。
【0062】このモデルにおいて、石油化学製品F2と
石油化学製品S2、石油化学製品F3と石油化学製品S
3、石油化学製品F4と石油化学製品S4、石油化学製
品F5と石油化学製品S5、石油化学製品F6と石油化
学製品S6、石油化学製品F8と石油化学製品S8はそ
れぞれ同種の商品である。外部へ販売する量を確保する
方法として、外部から購入する方法と工場群で製造する
方法がある。
【0063】工場群で製造する各々の石油化学製品量が
決まれば工場群内の最適な操業条件の算出は容易である
が、事業利益をより大きくするためには、外部から購入
する各々の石油化学製品の価格によって工場群で製造す
る石油化学製品量を決定する必要がある。外部から購入
する石油化学製品の単価が安ければ、工場群のその石油
化学製品の製造量を絞り、逆に外部の方が高ければ工場
群で製造するその石油化学製品の量を増加させなければ
ならない。
【0064】しかし、外部から購入する石油化学製品も
外部へ販売する石油化学製品も独立した価格変動をする
ので、工場群内で製造した方がよい石油化学製品もあれ
ば外部から購入した方がよい石油化学製品もある。この
状況から事業利益をより大きくする工場群の操業条件を
決定しようとすると、下式の式(1)を用いる。
【0065】尚、以下の(1)式において、iは正の整
数、QSiは石油化学製品Siの外部への販売量、QFi
は石油化学製品Fiの外部からの購入量、PSiは石油化
学製品Siの外部への販売単価、PFiは石油化学製品F
iの外部からの購入単価、Yi はプラントPiで石油化学
製品Siを(QSi−QFi)の量だけ製造するために必
要となる経費である。
【0066】
【数1】
【0067】上記(1)式に示す利益Mがより大きくな
る操業条件を決定することになる。したがって、条件に
よっては、外部から購入した石油化学製品をそのまま外
部へ販売するケースも発生し得る。
【0068】本発明で実際に行う計算においては、上記
(1)式には燃料や用役に関する項が付加されたものを
用い、原料、燃料、用役、石油化学製品のすべての項目
を含んだ式によって表されるMをより大きくする外部か
らの購入量や工場群の操業条件を決定する。
【0069】本発明においては、当然、工場群の稼働の
ために外部から購入しなければならない原料、燃料、用
役等は、その受入量や供給条件によってそれぞれ複数単
価がある場合があるので、その場合には、その単価情報
が上記計算に反映される形で該コンピュータシステムへ
入力することが好ましい。
【0070】ここでいう供給条件とは、該工場群が外部
からそれ等を受け入れる時の受入手段やそれ等の納入ま
での期間、それ等の品質の善し悪し等である。品質の善
し悪しとは、例えば、ナフサではエチレン収率や分解炉
のコーキングの大小を基準に使用工場での区分けがなさ
れており、重油等でも含有する硫黄濃度による区分けが
なされており、これ等の区分けを言う。
【0071】工場群は様々な制約条件をもっており、そ
れ等の情報も該コンピュータシステムへ入力するのが精
度の高い結果を得るためには好ましい。具体的は、各々
のプラントに関する、生産能力の上限値下限値、生産量
と原料使用量の関係、生産量と燃料使用量の関係、生産
量と用役使用量の関係等である。
【0072】一般に、様々な操業条件に対応できるよう
にこれ等の情報は数値あるいは数式の形で該コンピュー
タシステムへベースデータとして入力されており、必要
に応じて該コンピュータシステム内で実数データへ変換
される。
【0073】更に好ましくは、各々のプラントシミュレ
ーションモデルを構築し、それを該コンピュータシステ
ムに予め組み込んでおき、これ等の必要なデータをその
プラントシミュレーションモデルを実行することで得て
もよい。該コンピュータシステムには、それぞれのプラ
ントの特徴に合致した方法、つまり数値や数式、シミュ
レーションモデル或いはこれ等の組み合わせ等、適宜選
択すればよい。
【0074】また、プラントシミューレーションモデル
の構築には市販のプラントシミュレーションモデル構築
ソフトを利用すれば、効率的な構築が行え便利である。
尚、プラントシミュレーションモデルの方法を選択する
場合には、そのプラントのすべてのシミュレーションモ
デルが必ずしも必要と言うわけではなく、本発明の目的
を達成できる範囲の部分的なものであっても一向に差し
支えはない。
【0075】本発明には、外部から購入する石油化学製
品の情報を該コンピュータシステムへ入力することが必
要である。外部から購入する石油化学製品とは、原則的
に該工場群の各プラントで製造される石油化学製品及び
副生品である。プラントによってはこの石油化学製品及
び副生品が燃料である場合もある。
【0076】用役センターの蒸気ボイラーや発電機のプ
ラントにおいては蒸気や電力等の用役が石油化学製品及
び副生品に当たる。但し、該工場群を運営する該企業乃
至は企業群の判断で外部からの購入があり得ない石油化
学製品については入力しないか、あるいは該コンピュー
タシステムの提示する結果がこの判断と実質的に差がな
い結果となる情報を入力することになる。
【0077】外部から購入する石油化学製品の具体的情
報を例示すると、石油化学製品価格や受入可能量等であ
る。また、受入量やその他購入条件によってそれぞれ複
数の単価がある場合があるので、その場合には、その単
価情報が上記計算に反映される形で該コンピュータシス
テムへ入力することが好ましい。
【0078】この他にも、該工場群で受け入れる場合に
何らかの制限がある場合にもその石油化学製品情報とし
て入力すればよい。例えば、受入設備の能力等である。
尚、ここでいうその他購入条件とは、該工場群が外部か
らそれ等を受け入れる時の受入手段、受入ロットの大き
さ、それ等の納入までの期間、それ等の品質の善し悪し
等である。
【0079】本発明において、プラント群で製造される
石油化学製品及び外部から購入する石油化学製品の外部
への販売価格やそれに関連する情報の該コンピュータシ
ステムへの入力が必要である。外部へ販売する石油化学
製品とは、原則的に該工場群の各プラントで製造される
石油化学製品及び副生品、あるいはそれ等と同種の石油
化学製品の外部への販売価格である。外部へ販売する石
油化学製品の具体的情報を例示すると、石油化学製品価
格や販売量等である。
【0080】また、販売数量や販売条件によって同種の
石油化学製品であっても複数の単価がある場合があるの
で、その場合には、その単価情報が上記計算に反映され
る形で該コンピュータシステムへ入力することが好まし
い。この他にも、販売先に何らかの制限がある場合にも
その石油化学製品の販売関連情報として入力すればよ
い。尚、ここでいう販売条件とは、石油化学製品の輸送
手段、販売ロットの大きさ、それ等の納入までの期間、
それ等の品質の善し悪し等である。
【0081】本発明において、外部へ販売する石油化学
製品は必ずしも該工場群で製造した石油化学製品である
必要はない。該工場群で製造する石油化学製品より外部
から同種の石油化学製品を購入する方が安ければ、外部
から同種の石油化学製品を購入して外部へ販売するとい
う選択を原則的に行う。
【0082】但し、該工場群のプラントの稼働率がこれ
によって低下し、そのプラントにおける石油化学製品製
造コストの上昇や他のプラントが被った損失がある場合
にはそれ等も合算した上で、尚も該企業乃至は企業群が
得る事業利益が増加する範囲内で外部からの同種の石油
化学製品の購入量を決定する。
【0083】本発明において、石油化学製品あるいは副
生品とは、ナフサに代表される原料を熱分解あるは触媒
を用いた分解反応を行って得られる成分を原料として、
蒸留等で分離した石油化学製品或いは、これ等石油化学
製品を主原料に分離或いは化学反応を1回或いは複数回
行って得られる石油化学製品、或いはこれ等石油化学製
品から誘導される石油化学製品を指す。
【0084】具体的には、水素、燃料ガス、液化石油ガ
ス、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ブテン1、イ
ソブチレン、メチル−t−ブチルエーテル、ベンゼン、
トルエン、キシレン類、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンジクロライド、塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ABS樹脂、スチレン、プロピレン
オキサイド、プロピレングリコール、エチレンオキサイ
ド、フタル酸、アクリロニトリル、カプロラクタム、シ
クロヘキサン、アジピン酸、シクロヘキサノール、アジ
ポニトリル、酢酸、酢酸ビニル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸誘導体、エタノール、アセトン、メチルエチル
ケトン、キシレノール類、グリコール類、エタノールア
ミン、メチルアミン、アミン類、アンモニア、アクリル
酸、アクリレート、ブタノール、イソブタノール、2エ
チルヘキサノール、1,4ブタジエン、テトラヒドロフ
ラン、フタル酸、フマル酸、アクリルアミド、マレイン
酸、合成ゴム、C5樹脂、C9樹脂、フェノール、尿
素、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリ
アセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、過酸化
水素、塩素、塩酸、硝酸、青酸等が例示できる。上記の
石油化学製品を原料として製造される石油化学製品は更
に多岐に渡るが、本発明の石油化学製品はこれ等も含
む。
【0085】本願発明における工場群とは、複数のプラ
ントで構成されたプラント群であり、一般にはエチレン
センターを中心に地理的にその近辺に立地されるプラン
トで構成されているものを指す。
【0086】但し、たとえ地理的な近辺ではなくとも、
定常的に原料や石油化学製品や用役等が該エチレンセン
ターあるいはその近辺にあるプラントから供給されてい
るプラントで、かつその運営を同一の企業あるいは企業
群で行っているプラントも含む。この供給手段としては
パイプラインの他にケミカルタンカー等の船舶による海
上輸送手段、あるいはタンクローリー等のような陸送手
段が例示される。
【0087】本発明における外部とは、該工場群以外、
または該工場群を運営する企業或いは企業群以外の石油
製品製造者もしくは消費者やその工場、或いは商社等の
石油化学製品仲介業者を指す。
【0088】本発明において、原料とは、ナフサ等のエ
チレンセンターの原料だけでなく、その下流の工場群の
原料であってもよい。また、該工場群の用役とは、例え
ば、液体燃料、ガス燃料、電力、工業用水、圧縮空気、
計装用空気、冷却水、蒸気等が例示される。
【0089】本発明において、該工場群を構成する複数
のプラントを稼働させるために外部から購入する該工場
群の原料及び/または副原料及び/または用役の総額と
は、該工場群で使用する原料及び/または副原料及び/
または用役を調達するために必要な金額の総和である
が、必ずしも実際の調達に必要な金額の総和である必要
はなく、市場で取引予想単価、あるいは市場で購入する
目的で入札するための予想単価に、購入予想量を乗じた
ものであってもよい。
【0090】本発明において、外部から購入する石油化
学製品の総額とは、該工場群が製造する石油化学製品と
同種の石油化学製品を外部から購入する金額の総量であ
って、外部への石油化学製品の販売量が該工場群で製造
される石油化学製品の製造量を上回る場合に、これを補
う目的で購入がなされる場合が多い。
【0091】この金額は必ずしも実際の購入単価に購入
量を乗じたものである必要はなく、市場で他の企業が行
っているその同種の石油化学製品の取引単価、あるいは
その取引予想単価、あるいは市場で購入する目的で入札
するための予想単価に、購入予想量を乗じたものであっ
てもよい。
【0092】本発明において、外部へ販売する石油化学
製品及び/または副生品及び/または用役の総額とは、
該工場群を運営する企業或いは企業群がそれ以外の企業
へ販売する石油化学製品の内で該工場群で製造される石
油化学製品と同種の石油化学製品の販売価格の総額であ
り、この金額は必ずしも実際の販売単価に販売数量を乗
じた額である必要はなく、市場で他の企業が行っている
その同種の石油化学製品の取引単価、あるいはその取引
予想単価、あるいは市場で販売する目的で入札するため
の予想単価に、販売予想量を乗じたものであってもよ
い。
【0093】また、本発明に言う該工場群で製造される
石油化学製品と同種の商品とは、例えば、該工場群で製
造される石油化学製品と同じ目的に使用できる石油化学
製品を指す。例えば、該工場群で製造される石油化学製
品のひとつがエチレンでありその使用目的がポリエチレ
ンの原料である場合には、ポリエチレン原料となり得る
エチレンを指す。
【0094】本発明において、通信ネットワークを介し
て行う電子商取引方法とは、インターネット等を利用し
たオープンな通信ネットワークや専用回線を用いた閉じ
た通信ネットワークを利用して行われる電子商取引を指
す。
【0095】石油化学製品におけるこの種の商取引にお
いては、一般の小売り取引に比べてその参加者数は圧倒
的に少なく、一方でその機密性がより重要視されるの
で、好ましくは専用回線を用いた閉じた通信ネットワー
クで行われる方が好ましい。
【0096】この専用回線とは、電子商取引を主催する
事業者あるいはその参加者を結ぶものであり、公衆ある
いは専用電話回線を利用するのが好ましい。該電子商取
引の取引形態としては、次に挙げるものが例示される。
A)商品の売り手が、商品仕様、引き渡し条件、販売価
格下限や販売量を電子商取引のデータベースに登録し
て、それに買い手が応札していく、B)商品の買い手
が、商品仕様、引き渡し条件、購入価格上限や販売量を
電子商取引のデータベースに登録して、それに売り手が
応札していく、C)予め取引価格を原油やナフサ価格等
の関連商品を基準価格に商品や取引量に応じて数式化し
ておいて、売り手と買い手が数量や引き渡し条件のみを
指定して取引していくものが例示される。本電子商取引
には必ずしも決済機能を有している必要はなく、決済機
能を別の手段で行うものであってもよい。
【0097】本発明において、工場群を稼働するための
経費とは、稼働に必要な工場群の原料、燃料、用役等を
意味し、場合によっては、これに工場群の修繕費、労務
費、設備償却費等の固定費を加えたものであってもよ
い。
【0098】また、本発明において、工場群の操業条件
とは、工場群を構成する各々工場の稼働率や各工場内に
ある製造工程の製造条件を指す。該製造条件を例示する
と、反応圧力や反応温度、電力や蒸気等の動力源の使用
割合、複数の原料や燃料を使用する工場においてはその
使用割合、複数の機器からなる工場であればそれ等の機
器ごとの種々の稼働設定値等が挙げられる。
【0099】本発明において、連産品とは該工場群で製
造される石油化学製品及び/または副生品の内、2種類
以上の石油化学製品及び/または副生品、乃至は全ての
石油化学製品及び/または副生品を指す。
【0100】本発明の1実施例について、以下に具体的
に説明する。
【0101】
【実施例1】前述の図2の工場群を有し、前述図1のコ
ンピュータシステムを使用する場合に、本発明の実施の
形態について以下に説明する。
【0102】本コンピュータシステムには、予め計算に
必要なデータ、つまり、石油化学製品の販売価格やその
量、石油化学製品の購入価格やその量、工場稼働のため
に必要となる経費、工場の各種制約条件等を入力してお
く。
【0103】そこで、本コンピュータシステムを作動さ
せて、最適化計算を収束させる。この結果は、計算結果
表示部5に表示される。場合によっては、計算に必要な
データの内、市場変動によって変化する入力データ、例
えば、石油化学製品価格等は適宜、外部との情報通信部
を用いて最新の数値に修正して常に最新の工場群最適操
業条件を計算結果表示部5に表示させる。
【0104】
【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、石油化学製品及び/またはその副生品を製造
する複数のプラントからなる工場群の操業において、石
油化学製品及び/またはその副生品を内部で製造するか
外部から購入するかを適宜選択して全体として最大利益
を図ることが出来、適正な操業を可能とするシステムを
提供することが出来る。
【0105】即ち、入力手段によって入力された石油化
学製品及び/またはその副生品を製造するために外部か
ら購入する原料、副原料、用役の購入価格と、同じ石油
化学製品及び/またはその副生品を外部から購入する購
入価格とを比較し、更にその石油化学製品及び/または
その副生品を外部へ販売する販売価格を考慮して最大利
益算出手段により全体の最大利益を算出すると共に、出
力手段により、その最大利益の操業条件を出力すること
で、その操業条件に基づいて適正な操業が出来る。
【0106】また、石油化学製品及び/またはその副生
品の融通を行なうためのサーバ装置との間で、通信手段
を介して電子商取引により取り引きされる石油化学製品
及び/またはその副生品を外部から購入する購入希望価
格を前記入力手段に入力することで、オンラインでタイ
ムリーな購入価格情報に基づいて適正な操業システムを
構築することが出来る。
【0107】また、石油化学製品及び/またはその副生
品の融通を行なうためのサーバ装置との間で、通信手段
を介して電子商取引により取り引きされる石油化学製品
及び/またはその副生品を外部へ販売する販売希望価格
を前記入力手段に入力することで、オンラインでタイム
リーな販売価格情報に基づいて適正な操業システムを構
築することが出来る。
【0108】また、石油化学製品及び/またはその副生
品の融通を行なうためのサーバ装置との間で、通信手段
を介して電子商取引により取り引きする際に、該石油化
学製品及び/またはその副生品の品質や納期を取引条件
に加えることで、品質や納期を考慮した適正な操業シス
テムを構築することが出来る。
【0109】特に、本発明に係る石油化学コンビナート
の適正操業システムによれば、石油化学コンビナートを
運営する企業乃至企業群の石油化学品事業の利益を出来
るだけ大きなものとすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る石油化学コンビナートの適正操業
システムの構成を示すブロック図である。
【図2】一般的な石油化学コンビナートのプラントの繋
がりの一例を示す図である。
【図3】石油化学コンビナートの原料、石油化学製品の
流れの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 情報入力部 2 外部との情報通信部 3 外部のコンピュータネットワーク 3a サーバ装置 4 最適化計算部 5 計算結果表示部 6 データベース部 7 サブルーチン群 8 外部への情報出力部 A,B,F1〜F6,F8,F9,S2〜S9 石油
化学製品 P1〜P6 プラント

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油化学製品及び/またはその副生品を
    製造する複数のプラントからなる工場群の適性操業シス
    テムであって、 前記工場群が該工場群を構成する1つ或いは複数のプラ
    ントが製造する石油化学製品及び/またはその副生品を
    該工場群の別の1つ或いは複数のプラントで原料及び/
    または燃料及び/または用役として使用しているプラン
    トを少なくとも有する工場群であり、 前記工場群を構成する複数のプラントを稼働させるため
    に外部から購入する該工場群の原料及び/または副原料
    及び/または用役の購入価格と、外部から購入する石油
    化学製品及び/または副生品の購入価格と、外部へ販売
    する石油化学製品及び/または副生品及び/または用役
    の販売価格と、を入力する入力手段と、 前記入力手段によって入力された購入価格及び販売価格
    に基づいて最大利益を算出する最大利益算出手段と、 前記最大利益算出手段により算出された最大利益の操業
    条件を出力する出力手段と、 を有することを特徴とする石油化学コンビナートの適正
    操業システム。
  2. 【請求項2】 前記工場群を構成する複数のプラントを
    稼働させるために外部から購入する該工場群の原料及び
    /または副原料及び/または用役の購入価格と、外部か
    ら購入する石油化学製品及び/または副生品の購入価格
    と、外部へ販売する石油化学製品及び/または副生品及
    び/または用役の販売価格と、を入力するためのサーバ
    ー装置との間で、通信手段を介して電子商取引により取
    り引きされる外部から購入する該工場群の原料及び/ま
    たは副原料及び/または用役を外部から購入する購入希
    望価格及び/または購入価格を前記入力手段に入力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の石油コンビナートの
    適性操業システム。
  3. 【請求項3】 前記工場群を構成する複数のプラントを
    稼働させるために外部から購入する該工場群の原料及び
    /または副原料及び/または用役の購入価格と、外部か
    ら購入する石油化学製品及び/または副生品の購入価格
    と、外部へ販売する石油化学製品及び/または副生品及
    び/または用役の販売価格と、を入力するためのサーバ
    ー装置との間で、通信手段を介して電子商取引により取
    り引きされる外部から購入する石油化学製品及び/また
    は副生品を外部から購入する購入希望価格及び/または
    購入価格を前記入力手段に入力することを特徴とする請
    求項1に記載の石油コンビナートの適性操業システム。
  4. 【請求項4】 前記工場群を構成する複数のプラントを
    稼働させるために外部から購入する該工場群の原料及び
    /または副原料及び/または用役の購入価格と、外部か
    ら購入する石油化学製品及び/または副生品の購入価格
    と、外部へ販売する石油化学製品及び/または副生品及
    び/または用役の販売価格と、を入力するためのサーバ
    ー装置との間で、通信手段を介して電子商取引により取
    り引きされる外部へ販売する石油化学製品及び/または
    副生品及び/または用役を外部へ販売する販売希望価格
    及び/または販売価格を前記入力手段に入力することを
    特徴とする請求項1に記載の石油コンビナートの適性操
    業システム。
  5. 【請求項5】 前記工場群を構成する複数のプラントを
    稼働させるために外部から購入する該工場群の原料及び
    /または副原料及び/または用役の購入価格と、外部か
    ら購入する石油化学製品及び/または副生品の購入価格
    と、外部へ販売する石油化学製品及び/または副生品及
    び/または用役の販売価格と、を入力するためのサーバ
    ー装置との間で、通信手段を介して電子商取引により取
    り引きする際に、外部から購入する該工場群の原料及び
    /または副原料及び/または用役、外部から購入する石
    油化学製品及び/または副生品、外部へ販売する石油化
    学製品及び/または副生品及び/または用役、の品質及
    び/または納期を取引条件に加えることを特徴とする請
    求項2乃至4に記載の石油コンビナートの適性操業シス
    テム。
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