JP2002340490A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JP2002340490A
JP2002340490A JP2001149708A JP2001149708A JP2002340490A JP 2002340490 A JP2002340490 A JP 2002340490A JP 2001149708 A JP2001149708 A JP 2001149708A JP 2001149708 A JP2001149708 A JP 2001149708A JP 2002340490 A JP2002340490 A JP 2002340490A
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tube
heat exchanger
dimension
core
wall side
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JP2001149708A
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Hisao Nagashima
久夫 永島
Hirokazu Hashimoto
浩和 橋本
Yoshihiko Sumiya
賀彦 角谷
Tsutomu Ishimoto
勉 石元
Katsuya Ishii
勝也 石井
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Denso Corp
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Denso Corp
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    • F28F1/10Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses
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    • F28F2275/12Fastening; Joining by methods involving deformation of the elements
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チューブを拡管してチューブとプレートフィ
ンと機械的に接合した熱交換器において、熱交換能力を
向上させる。 【解決手段】 チューブ111の長径方向W両端部にお
ける内壁側曲率半径Rが、長径方向W略中央部(ストレ
ート部111b)における内壁側短径方向Tの寸法Bの
1/2以上となるような円筒部111aを設ける。これ
により、拡管時には、ストレート部111bと円筒部1
11aとを繋ぐ繋ぎ部111c及び円筒部111aの曲
率半径R1、Rが拡大するようにチューブ111の外周
全体が略均一に延びる。したがって、拡管時においてチ
ューブ111に亀裂(クラック)や破れが発生すること
を抑制しつつ、拡管時にの残留応力が局所的に集中する
ことを防止できるので、チューブ111の耐久性(信頼
性)を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チューブの断面積
を拡大させるようにチューブを塑性変形させて(以下、
この行為を拡管と呼ぶ。)、チューブとプレートフィン
と機械的に接合した熱交換器に関するもので、ラジエー
タや吸着式冷凍機用の吸着コアに適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】チューブを拡管してチューブとプレート
フィンと機械的に接合した熱交換器では、チューブの拡
管作業を容易に行うために、例えは特開昭55−107
896号公報に記載のごとく、チューブの断面形状を楕
円形又は円形として、曲率半径を比較的大きくしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、チューブの断
面形状を楕円形又は円形とすると、水力直径が大きいの
で、熱交換能力が低下してしまう。なお、水力直径と
は、通路断面積をぬれふち長さで除した値であり、熱伝
達率は水力直径が小さくなるほど、大きくなる。
【0004】さらに、熱交換器の全体のうちチューブが
占める体積の割合が増大してしまうので、ラジエータ等
の流体間で熱交換を行う熱交換器にあっては、熱交換器
を通過する空気等の流体の流通抵抗が増大して熱交換能
力が低下し、吸着コアにあっては、吸着コア(熱交換
器)に充填し得る吸着剤の量(吸着剤の充填量)が低下
してしまい、熱交換能力が低下する。
【0005】なお、上記の問題に対しては、チューブと
コルゲートフィンとをろう付けにて接合した熱交換器の
チューブのごとく、チューブの断面形状を図10に示す
ような扁平状とすればよいが、図10に示すような断面
形状では、長径方向端部に形成された円弧部の曲率半径
Rが楕円形又は円形に比べて小さくなるとともに、拡管
作業時に円弧部に応力が集中し易い(円弧部分が大きく
塑性流動する)ので、拡管作業時に円弧部に亀裂(クラ
ック)や破れが発生し易い。
【0006】因みに、チューブの断面形状を楕円形又は
円形とすると、チューブ外周全体が略均一に延びるの
で、亀裂(クラック)や破れが発生し難い。
【0007】本発明は、上記点に鑑み、チューブを拡管
してチューブとプレートフィンと機械的に接合した熱交
換器において、熱交換能力を向上させることを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1に記載の発明では、流体が流通
するとともに、略扁平断面形状を有するチューブ(21
1)と、チューブ(211)の長手方向と交差する方向
に拡がり、チューブ(211)が貫通挿入された貫通穴
(112a)を有するとともに、チューブ(211)内
を流通する流体の熱交換を促進するプレートフィン(1
12、212)とを備え、チューブ(211)の断面形
状は、その長径方向(W)端部における内壁側曲率半径
(R)が、長径方向(W)略中央部における内壁側短径
方向(T)の寸法(B)の1/2以上となるように構成
されていることを特徴とする。
【0009】本発明では、チューブ(111、211)
の断面形状を扁平状としているので、チューブ(11
1、211)内の水力直径が大きくなり、流体とチュー
ブ(111、211)との熱伝達率を大きくすることが
できるとともに、熱交換器の全体のうちチューブ(11
1、211)が占める体積の割合を小さくすることがで
きる。
【0010】また、長径方向(W)端部における内壁側
曲率半径(R)が、長径方向(W)略中央部における内
壁側短径方向Tの寸法(B)の1/2以上となるように
構成されているので、拡管時には、長径方向(W)略中
央部と長径方向(W)端部とを繋ぐ部位及び長径方向
(W)端部の曲率半径が拡大するようにチューブ(11
1、211)の外周全体が略均一に延びる。
【0011】したがって、拡管時においてチューブ(1
11、211)に亀裂(クラック)や破れが発生するこ
とを抑制しつつ、拡管時にの残留応力が局所的に集中す
ることを防止できるので、チューブ(111、211)
の耐久性(信頼性)を向上させることができる。
【0012】以上に述べたように、本発明では、チュー
ブ(111、211)を拡管してチューブ(111、2
11)とプレートフィン(112、212)と機械的に
接合することにより、ろう付けにてチューブ(111、
211)とプレートフィン(112、212)とを接合
する場合に比べて、熱交換器の製造原価低減を図りつ
つ、熱交換器の熱交換能力を向上させ、かつ、チューブ
(111、211)(熱交換器)の耐久性(信頼性)を
向上させることができる。
【0013】なお、内壁側曲率半径(R)は、請求項2
に記載の発明のごとく、内壁側短径方向(T)の寸法
(B)の1/2の1.5倍以上、2倍以下とすることが
望ましい。
【0014】また、内壁側短径方向(T)の寸法(B)
は、請求項3に記載の発明のごとく、0.4mm以上、
1.5mm以下とすることが望ましい請求項4に記載の
発明では、チューブ(211)の長径方向(W)がチュ
ーブ(211)外を流通する流体の流通方向に対して略
平行となるようにチューブ(211)が配置されている
ことを特徴とする。
【0015】これにより、チューブ(211)の長径方
向(W)がチューブ(211)外を流通する流体の流通
抵抗が増大することを抑制できる。
【0016】請求項5に記載の発明では、蒸気冷媒を吸
着するとともに、加熱されることにより吸着した冷媒を
脱離する吸着剤(Si)、及び液冷媒が封入された吸着
器(300)を有し、被冷却体を冷却する吸着式冷凍機
に適用され、吸着剤(Si)を加熱又は冷却するととも
に、少なくとも請求項1ないし3のいずれか1つに記載
の熱交換器の構造を有する吸着式冷凍機用の吸着コアで
あって、プレートフィン(212)は、チューブ(21
1)の長径方向(W)に帯状に延びるとともに、チュー
ブ(211)の長手方向に複数本並んで配設され、チュ
ーブ(211)は、長径方向(W)がプレートフィン
(212)の長手方向に対して略平行となるように配置
された状態で、プレートフィン(212)の長手方向に
複数本並んで配設されており、さらに、吸着剤(Si)
がプレートフィン(212)間に充填されていることを
特徴とする。
【0017】これにより、プレートフィン(212)の
長手方向一端部側から長手方向他端部にかけて、隣り合
うプレートフィン(212)間の隙間が連続した空間
(隙間)となる。したがって、プレートフィン(21
2)の長手方向一端部側から吸着剤(Si)を容易に充
填することができる。
【0018】なお、プレートフィン(212)間のフィ
ンピッチ寸法(Fp)は、請求項6に記載の発明では、
1mm以下とすることが望ましい。
【0019】また、プレートフィン(212)の幅寸法
(D)は、請求項7に記載の発明のごとく、5mm以
上、10mm以下とすることが望ましい。
【0020】また、隣り合うコア部(210)間の隙間
寸法(δ)は、請求項8に記載の発明のごとく、1mm
以上、3mm以下とすることが望ましい。
【0021】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態は、
本発明に係る熱交換器を、内燃機関(エンジン)の冷却
水と空気とを熱交換して冷却水を冷却するラジエータに
適用したものであって、図1は本実施形態に係るラジエ
ータ100の正面図である。
【0023】図1中、111は冷却水が流通する金属
(本実施形態では、アルミニウム)製のチューブであ
る、そして、このチューブ111の断面形状は、図2に
示すように、互いに直交する方向W、Tにおける寸法が
大きく(例えば、寸法A/寸法Bが5倍以上)相違する
(薄型)扁平形状であり、その長径方向W両端部におけ
る内壁側曲率半径Rが、長径方向W略中央部における内
壁側短径方向Tの寸法Bの1/2以上となるような円筒
部111aが設けられている。なお、以下、両円筒部1
11a間の矩形部分をストレート部111bと呼ぶ。
【0024】因みに、チューブ111は、押し出し若し
くは引き抜き加工にて円筒部111a及びストレート部
111bを一体形成する、又は円筒状のチューブをロー
ラ等の押圧手段により押圧する等にして形成される。
【0025】また、図1中、112はチューブ111の
長手方向(図1では、上下方向)と直交する方向に拡が
り、チューブ111の短径方向Tに帯状に延びて冷却水
の熱交換を促進する金属(本実施形態では、アルミニウ
ム)製のプレートフィン(以下、フィンと略す。)であ
り、このフィン112には、図3に示すように、チュー
ブ111が貫通挿入された貫通穴112a、及びフィン
112の一部を鎧窓状に切り起こしてフィン112周り
を流通する空気を転向させて温度境界層の成長を抑制を
有するルーバ112bがプレス加工やローラ加工により
設けられている。
【0026】そして、拡管用治具(図示せず。)を用い
てチューブ111を拡管してフィン112とチューブ1
11とを機械的に接合し、冷却水と冷却空気と熱交換す
るコア部110が構成される。このとき、チューブ11
1は、その長径方向Wがチューブ111外を流通する冷
却空気の流通方向に対して略平行となるように配置され
た状態で、フィン112の長手方向に複数本並んで配設
されている。
【0027】ところで、チューブ111の長手方向両端
部には、図1に示すように、チューブ111の長手方向
と直交する方向に延びて複数本のチューブ111に連通
するヘッダタンク120が接合されており、このヘッダ
タンク120は、図4、5に示すように、拡管により複
数本のチューブ111が接合された金属(本実施形態で
は、アルミニウム)製のコアプレート121、及びコア
プレート121と共ににタンク内空間を構成する樹脂
(本実施形態では、ガラス繊維含有のナイロン)製のタ
ンク本体122から構成されている。
【0028】なお、紙面上方側のヘッダタンク120は
各チューブ111に冷却水を分配供給するものであり、
紙面下方側のヘッダタンク120は各チューブ111か
ら流出する冷却水を集合回収するもである。
【0029】ここで、コアプレート121及びタンク本
体122は、タンク本体122の先端部122aをコア
プレート121の溝部121aに挿入した状態で、コア
プレート121に設けられたカシメ用突起部(ツメ部)
121bの先端側をタンク本体122側に折り曲げるよ
うに塑性変形させることによりカシメ固定されている。
【0030】なお、溝部121aの底部には、スカート
部122aと接触してタンク本体122とコアプレート
121との隙間を密閉するゴム等の弾性部材からなるパ
ッキン122bが配設されている。
【0031】また、チューブ111とコアプレート12
1との隙間から冷却水が漏れ出ることを防止するため
に、本実施形態では、熱硬化性樹脂材からなる接着剤、
又は半田により固着して確実にシールしている。なお、
本実施形態では、コアプレート121とタンク本体12
0とはパッキンを介在してカシメ固定しているが、隙間
から冷却水が漏れ出ることを防止するために、カシメ固
定した後、レーザ溶接等の溶接手段により接合してい
る。
【0032】次に、本実施形態の特徴(作用効果)を述
べる。
【0033】本実施形態では、チューブ111の断面形
状を扁平状としているので、チューブ111と冷却水と
の熱伝達率が大きくなるとともに、ラジエータ100の
全体のうちチューブ111が占める体積の割合を小さく
することができ、冷却空気の流通抵抗(通風抵抗)を小
さくすることができる。
【0034】また、長径方向W両端部における内壁側曲
率半径Rが、長径方向W略中央部(ストレート部111
b)における内壁側短径方向Tの寸法Bの1/2以上と
なるような円筒部111aが設けられているので、拡管
時には、ストレート部111bと円筒部111aとを繋
ぐ繋ぎ部111c(図2参照)及び円筒部111aの曲
率半径R1、Rが拡大するようにチューブ111の外周
全体が略均一に延びる。
【0035】したがって、拡管時においてチューブ11
1に亀裂(クラック)や破れが発生することを抑制しつ
つ、拡管時にの残留応力が局所的に集中することを防止
できるので、チューブ111の耐久性(信頼性)を向上
させることができる。
【0036】以上に述べたように、本実施形態では、チ
ューブ111を拡管してチューブ111とプレートフィ
ン112と機械的に接合することにより、ろう付けにて
チューブ111とプレートフィン112とを接合する場
合に比べて、ラジエータ100の製造原価低減を図りつ
つ、ラジエータ100の熱交換能力(冷却能力)を向上
させ、かつ、チューブ111(ラジエータ100)の耐
久性(信頼性)を向上させることができる。
【0037】また、チューブ111は、その長径方向W
がチューブ111外を流通する冷却空気の流通方向に対
して略平行となるように配置されているので、冷却空気
の通風抵抗が増大することを抑制できる。
【0038】なお、内壁側曲率半径Rは、内壁側短径方
向Tの寸法Bの1/2の1.5倍以上、2倍以下とする
ことが望ましく、さらに、内壁側短径方向Tの寸法B
は、0.4mm以上、1.5mm以下とすることが望ま
しい。
【0039】(第2実施形態)本実施形態は、本発明に
係る熱交換器を吸着式冷凍機(吸着式空調装置)の吸着
コアに適用したものであって、図6は吸着コア200の
斜視図である。
【0040】なお、吸着式冷凍機は、吸着剤が気相冷媒
を吸着する作用を利用して、冷媒を蒸発させてその蒸発
潜熱により冷凍能力を発揮するものであり、具体的には
図7に示すようになものである。
【0041】そして、図7中、300は吸着コア200
等が収納された吸着器であり、本実施形態では、この吸
着器300は少なくとも2個設けられており、以下、紙
面上側の吸着器300を第1吸着器300と表記し、紙
面下側の吸着器300を第2吸着器300と表記し、第
1、2吸着器を総称するときは、単に吸着器300と表
記する。なお、吸着器300の詳細は、後述する。
【0042】410は吸着器300内を循環した熱媒体
(本実施形態では、水にエチレングリコール系の不凍液
をした流体でエンジン冷却水と同一な流体又は水)と室
外空気とを熱交換する室外熱交換器(以下、室外器と略
す。)であり、420は吸着器300にて発生した冷凍
能力により冷却された熱媒体と室内に吹き出す空気(以
下、この空気を空調風と呼ぶ。)とを熱交換し、空調風
を冷却する室内熱交換器(以下、室内器と略す。)であ
る。
【0043】因みに、本実施形態では、水冷式エンジン
(水冷式内燃機関)の冷却水(熱媒体と同じ流体)を吸
着器300(後述する第2熱交換器130)内に循環さ
せることにより吸着剤の再生を行っており、431〜4
34は熱媒体の循環経路を切り換える切換弁(四方弁)
である。
【0044】次に、吸着器300について述べる。
【0045】吸着器300は、図8に示すように、内部
が略真空に保たれた状態で冷媒(本実施形態では、水)
が封入されたステンレス(本実施形態では、SUS30
4)製のケーシング310、熱交換媒体とケーシング3
10内の冷媒(本実施形態では、水)との間で熱交換を
行う第1熱交換器(蒸発/凝縮コア)320、及び吸着
剤(本実施形態ではシリカゲル)Siを冷却又は加熱す
る第2熱交換器(吸着コア)200から等から構成され
ている。
【0046】ここで、第2熱交換器(吸着コア)200
は、ケーシング310内に収納されているとともに、図
6に示すように、第1実施形態と同様な断面形状を有す
るとともに、熱媒体が流通する複数本のチューブ211
と、チューブ(211)の長手方向と交差する方向に拡
がり、チューブ211内を流通する熱媒体の熱交換を促
進するプレートフィン212(以下、フィン212と略
す。)と、チューブ211の長手方向両端側に配設され
て各チューブ211と連通するヘッダタンク220とを
有して構成されている。因みに、本実施形態では、チュ
ーブ211とヘッダタンク220とは熱硬化性の接着剤
又は半田にて接合されている。
【0047】なお、第2熱交換器(吸着コア)200と
ラジエータ100とは、基本構成は同じであるので、ラ
ジエータ100のチューブ111に対して第2熱交換器
(吸着コア)200のチューブ211と表記するがごと
く、吸着コア200のうちラジエータ100に対応する
部分の符号の3桁目を2として表記する。
【0048】次に、ラジエータ100と第2熱交換器
(吸着コア)200との相違点を述べる。
【0049】フィン212は、図9に示すように、チュ
ーブ211の長径方向Wに帯状に延びるとともに、チュ
ーブ211の長手方向に複数本並んで配設され、一方、
チューブ211は、長径方向Wがフィン212の長手方
向に対して略平行となるように配置された状態で、フィ
ン212の長手方向に複数本並んで配設されている。そ
して、吸着剤Siが接着剤(本実施形態では、エポキシ
樹脂)によって接着固定された状態でフィン212間に
充填されている。
【0050】また、コア部210(チューブ211とフ
ィン212とからなる吸着剤Siと熱媒体とを熱交換す
る部位)は、図6に示すように、フィン212の長手方
向が上下(鉛直)方向と一致し、チューブ212の長手
方向が水平方向と一致し、さらに、チューブ212の長
径方向Wが上下(鉛直)方向と一致するように、複数枚
配設されている。そして、隣り合うコア部210間の隙
間230が蒸気冷媒が流通する蒸気通路となっており、
その寸法δは、1mm以上、3mm以下に設定されてい
る。
【0051】次に、空調装置の概略作動を述べる。
【0052】先ず、切換弁431〜434を図1の実線
に示すように作動させて、第1第1吸着器300の第1
熱交換器320と室内器420との間、第1第1吸着器
300の第2熱交換器1(吸着コア)200と室外器2
00との間、並びに第2第1吸着器300の第1熱交換
器と室外器410との間、第2第1吸着器300の第2
熱交換器1(吸着コア)200とエンジンとの間に熱媒
体を循環させる。
【0053】これにより、第1第1吸着器300が吸着
工程となり、第2第1吸着器300が脱離工程となるの
で、第1第1吸着器300で発生した冷凍能力により空
調風が冷却され、第2第1吸着器300にて吸着剤Si
の再生が行われる。
【0054】つまり、この状態(以下、第1状態と呼
ぶ。)では、第1第1吸着器300の第1熱交換器32
0は液相冷媒を蒸発させて冷凍能力を発生させる蒸発器
として機能し、第1第1吸着器300の第2熱交換器1
(吸着コア)200は吸着剤Siを冷却する冷却器とし
て機能し、第2第1吸着器300の第1熱交換器320
は吸着剤Siから脱離した水蒸気を冷却する凝縮器とし
て機能し、第2第1吸着器300の第2熱交換器1(吸
着コア)200は吸着剤Siを加熱する加熱器として機
能する。
【0055】そして、第1状態で所定時間(本実施形態
では、60秒〜100秒)が経過したときに、切換弁4
31〜434を図1の破線に示すように作動させて、第
2第1吸着器300の第1熱交換器320と室内器42
0との間、第2第1吸着器300の第2熱交換器1(吸
着コア)200と室外器410との間、並びに第1第1
吸着器300の第1熱交換器と室外器410との間、第
1第1吸着器300の第2熱交換器1(吸着コア)20
0とエンジンとの間に熱媒体を循環させる。
【0056】これにより、第2第1吸着器300が吸着
工程となり、第1第1吸着器300が脱離工程となるの
で、第2第1吸着器300で発生した冷凍能力により空
調風が冷却され、第1第1吸着器300にて吸着剤Si
の再生が行われる。
【0057】つまり、この状態(以下、第2状態と呼
ぶ。)では、第2第1吸着器300の第1熱交換器32
0は液相冷媒を蒸発させて冷凍能力を発生させる蒸発器
として機能し、第2第1吸着器300の第2熱交換器1
(吸着コア)200は吸着剤Siを冷却する冷却器とし
て機能し、第1第1吸着器300の第1熱交換器320
は吸着剤Siから脱離した水蒸気を冷却する凝縮器とし
て機能し、第1第1吸着器300の第2熱交換器1(吸
着コア)200は吸着剤Siを加熱する加熱器として機
能する。
【0058】そして、第2状態で所定時間が経過したと
き、切換弁431〜434作動させて再び第1状態とす
る。このように、第1状態及び第2状態を所定時間毎に
交互に繰り返して、吸着式冷凍機(空調装置)を連続的
に稼働させる。
【0059】なお、所定時間は、ケーシング310内に
存在する液相冷媒の残量や吸着剤Siの吸着能力等に基
づいて適宜選定されるものである。
【0060】次に、本実施形態の特徴(作用効果)を述
べる。
【0061】本実施形態では、チューブ211の断面形
状を扁平状としているので、チューブ211と熱媒体と
の熱伝達率を大きくすることができるとともに、第2熱
交換器(吸着コア)200の全体のうちチューブ211
が占める体積の割合を小さくすることができ、吸着コア
に充填した吸着剤(例えば、シリカゲル)の充填量を多
くすることができる。
【0062】また、長径方向W両端部における内壁側曲
率半径R(図2参照)が、第1実施形態と同様に、長径
方向W略中央部(ストレート部211b(図2参照))
における内壁側短径方向Tの寸法B(図2参照)の1/
2以上となるような円筒部211a(図2参照)が設け
られているので、拡管時には、ストレート部211b
(図2参照)と円筒部211aとを繋ぐ繋ぎ部211c
(図2参照)及び円筒部211aの曲率半径R1、Rが
拡大するようにチューブ211の外周全体が略均一に延
びる。
【0063】したがって、拡管時においてチューブ21
1に亀裂(クラック)や破れが発生することを抑制しつ
つ、拡管時にの残留応力が局所的に集中することを防止
できるので、チューブ211の耐久性(信頼性)を向上
させることができる。
【0064】以上に述べたように、本実施形態では、チ
ューブ211を拡管してチューブ211とプレートフィ
ン212と機械的に接合することにより、ろう付けにて
チューブ211とプレートフィン212とを接合する場
合に比べて、第2熱交換器(吸着コア)200の製造原
価低減を図りつつ、第2熱交換器(吸着コア)200の
熱交換能力(冷却能力)を向上させ、かつ、チューブ2
11(第2熱交換器(吸着コア)200)の耐久性(信
頼性)を向上させることができる。
【0065】また、プレートフィンでは、フィンピッチ
を任意に調整、小さくすることができるので、フィン板
厚を薄くすれば、吸着剤の充填量を減らすことなく、伝
熱性能を向上させることができるので、吸着コアの更な
る性能向上及び小型化を図ることができる。
【0066】ところで、吸着剤Siは、複数枚のコア部
210及びヘッダタンク220等を組み付けた後に、隙
間(蒸気通路)230とコア部210とを仕切るプレー
ト(図示せず。)を配置した状態で、フィン212の長
手方向(図6の上方側)からコア部210(フィン21
2間)に充填するが、仮に、チューブ211が長径方向
Wがフィン212の長手方向に対して直交するように配
置されていたとすると、フィン212の長手方向一端部
側(図6の上端側)に存在するチューブ211により、
このチューブ211より長手方向他端部(図6の下端
側)に吸着剤Siを充填することができない。
【0067】これに対して、本実施形態では、チューブ
211は、その長径方向Wがフィン212の長手方向に
対して略平行となるように配置された状態で、フィン2
12の長手方向に複数本並んで配設されているので、フ
ィン212の長手方向一端部側(図6の上端側)から長
手方向他端部(図6の下端側)にかけて、隣り合うフィ
ン212間の隙間が連続した空間(隙間)となる。した
がって、フィン212の長手方向一端部側(図6の上端
側)から吸着剤Siを容易に充填することができる。
【0068】なお、内壁側曲率半径Rは、第1実施形態
と同様に、内壁側短径方向Tの寸法Bの1/2の1.5
倍以上、2倍以下とすることが望ましく、さらに、内壁
側短径方向Tの寸法Bは、0.4mm以上、1.5mm
以下とすることが望ましい。
【0069】また、フィン212間のフィンピッチ寸法
Fp(図9(b)参照))は、1mm以下とすることが
望ましく、さらに、フィン212(コア部210)の幅
寸法D(図9(a)参照))は、5mm以上、10mm
以下とすることが望ましい。
【0070】(その他の実施形態)上述の実施形態で
は、ラジエータ又は吸着式冷凍機用の吸着コアに本発明
を適用したが、本発明はこれに限定されるものでなく、
その他の熱交換器にも適用することができる。
【0071】また、上述の実施形態では、長径方向W両
端側に円筒部111a、211aを設けたが、本発明は
これに限定されるものではなく、少なくとも長径方向W
一端側に円筒部111a、211aを設ければよい。な
お、この場合、拡管作業は、円筒部111a、211a
が設けられた側のみ行うことが望ましい。
【0072】また、上述の実施形態では、長径方向W端
部側に設けられた円筒部111a、211aは、曲率半
径Rが略一定の円形であったが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、曲率半径Rが変化するような形状
(例えば、楕円形)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る熱交換器の正面図
である。
【図2】本発明の実施形態に係る熱交換器に適用される
チューブの断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るコア部の斜視図で
ある。
【図4】図1のA−A断面図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る熱交換器の斜視図
である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る吸着式冷凍機の模
式図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る吸着器の説明図で
ある。
【図9】(a)は本発明の第2実施形態に係る熱交換器
(コア部)をチューブの長手方向から見た模式図であ
り、(b)は(a)の右側面図である。
【図10】本発明の課題を説明するためのチューブ断面
図である。
【符号の説明】
111、211…チューブ、111a、211a…円筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角谷 賀彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 石元 勉 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 石井 勝也 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が流通するとともに、略扁平断面形
    状を有するチューブ(211)と、 前記チューブ(211)の長手方向と交差する方向に拡
    がり、前記チューブ(211)が貫通挿入された貫通穴
    (112a)を有するとともに、前記チューブ(21
    1)内を流通する流体の熱交換を促進するプレートフィ
    ン(112、212)とを備え、 前記チューブ(211)の断面形状は、その長径方向
    (W)端部における内壁側曲率半径(R)が、長径方向
    (W)略中央部における内壁側短径方向(T)の寸法
    (B)の少なくとも1/2以上となるように構成されて
    いることを特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記内壁側曲率半径(R)は、前記内壁
    側短径方向(T)の寸法(B)の1/2の1.5倍以
    上、2倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記内壁側短径方向(T)の寸法(B)
    は、0.4mm以上、1.5mm以下であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記チューブ(211)の長径方向
    (W)が前記チューブ(211)外を流通する流体の流
    通方向に対して略平行となるように前記チューブ(21
    1)が配置されていることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれか1つに記載の熱交換器。
  5. 【請求項5】 蒸気冷媒を吸着するとともに、加熱され
    ることにより吸着した冷媒を脱離する吸着剤(Si)、
    及び液冷媒が封入された吸着器(300)を有し、被冷
    却体を冷却する吸着式冷凍機に適用され、 前記吸着剤(Si)を加熱又は冷却するとともに、少な
    くとも請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換
    器の構造を有する吸着式冷凍機用の吸着コアであって、 前記プレートフィン(212)は、前記チューブ(21
    1)の長径方向(W)に帯状に延びるとともに、前記チ
    ューブ(211)の長手方向に複数本並んで配設され、 前記チューブ(211)は、前記長径方向(W)が前記
    プレートフィン(212)の長手方向に対して略平行と
    なるように配置された状態で、前記プレートフィン(2
    12)の長手方向に複数本並んで配設されており、 さらに、前記吸着剤(Si)が前記プレートフィン(2
    12)間に充填されていることを特徴とする吸着コア。
  6. 【請求項6】 前記プレートフィン(212)間のフィ
    ンピッチ寸法(Fp)は、1mm以下であることを特徴
    とする請求項5に記載の吸着コア。
  7. 【請求項7】 前記プレートフィン(212)の幅寸法
    (D)は、5mm以上、10mm以下であることを特徴
    とする請求項5又は6に記載の吸着コア。
  8. 【請求項8】 前記プレートフィン(212)及び前記
    チューブ(211)からなるコア部(210)が複数個
    有しているとともに、隣り合う前記コア部(210)間
    の隙間寸法(δ)は、1mm以上、3mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1つに記載
    の吸着コア。
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