JP2002339884A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2002339884A
JP2002339884A JP2001146341A JP2001146341A JP2002339884A JP 2002339884 A JP2002339884 A JP 2002339884A JP 2001146341 A JP2001146341 A JP 2001146341A JP 2001146341 A JP2001146341 A JP 2001146341A JP 2002339884 A JP2002339884 A JP 2002339884A
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rotation
orbiting
orbiting scroll
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JP2001146341A
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Kazuyuki Fujimura
和幸 藤村
Isamu Tsubono
勇 坪野
Shin Kurita
慎 栗田
Isao Hayase
功 早瀬
Takao Mizuno
隆夫 水野
Takeshi Tsuchiya
豪 土屋
Shigeru Machida
茂 町田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バランスウェイトの撹拌損失動力、機械損失
動力を低減した高効率の圧縮機を提供することを目的と
する。 【解決手段】 バランスウェイトの形状を、該バランス
ウェイトの前縁部および後縁部の端面に発生する抗力の
小さく、かつ該バランスウェイトに発生する揚力を用い
て回転軸方向にあるスラスト荷重を低減あるいは、旋回
スクロールの旋回運動に伴う遠心力の一部を相殺させ、
前記バランスウェイトを小型・軽量化できる翼型に構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏心部を有する回
転軸が回転することによって圧縮作動室にて気体を圧縮
させる容積形回転式流体機械に係り、特にバランスウェ
イトが密閉空間内で回転するように設けられ、圧縮作動
室が渦巻き状のラップによって構成される形式のスクロ
ール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の容積形回転式圧縮機で、ロータが
偏心回転することによって気体を圧縮する機構は、回転
に伴って発生する振動を低減する目的で回転軸にバラン
スウェイトを有することが必要である。この形式の圧縮
機の代表としてスクロール圧縮機がある。スクロール圧
縮機は、様々な分野で広く活用されており特に冷凍なら
びに空気調和機用圧縮機として利用されている。
【0003】このスクロール圧縮機において、旋回スク
ロールの運動に伴って生じる不釣合いに見合って設けら
れるバランスウェイトに関する技術については特開昭6
1−118579号公報など複数の公報に開示されてい
る。特開昭61−118579号公報では、バランスウ
ェイトを材質の異なる異種金属で組み合わせて、リング
状に形成する技術について開示されている。また、特開
昭62−271984号公報にはバランスウェイトの回
転方向での端部形状をくさび形状に形成すると共に、端
面下部を先鋭部に形成しこれにより上方へ傾斜した端面
形状に形成されたバランスウェイトが開示されている。
【0004】さらに、特開平6−101661号公報に
はスクロール圧縮機においてバランスウェイトの前縁部
および後縁部の端面形状を該バランスウェイトの回転方
向に対する角度を90度より小さくし、かつ抗力係数の
小さい流線形に形成されたバランスウェイトが開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−1185
79号公報などに見られる従来の技術の問題点について
図8を用いて説明する。図8は従来の技術のバランスウ
ェイトを該バランスウェイトの回転軸の周方向展開面で
表したバランスウェイトの断面図である。前記バランス
ウェイトは、潤滑油や冷媒等が混合した雰囲気にある空
間内を該バランスウェイトの重心位置において平均速度
Vで該回転軸周りを回転する場合、該バランスウェイト
から見ると、潤滑油や冷媒等が該バランスウェイトと接
触して相対的にその周りを速度Vで流れる。このとき、
前記バランスウェイト後縁部の後方には後流渦を生じ
て、該バランスウェイトの進行方向と反対向きの抗力が
発生する。この抗力Dは、特開平6−101661号公
報に示されているように、概ね次式で与えられる。
【0006】D=ρ/2・V2・S・CD…(1) ここで、ρは、潤滑油等の混合した雰囲気密度、Sは、
該バランスウェイトの形状をその進行方向と垂直な面に
投影した面積、CDは、バランスウェイトの形状に強く
依存する抗力係数である。
【0007】抗力係数に比例する、前記バランスウェイ
トに発生する抗力は、潤滑油や冷媒等が混合した雰囲気
にある空間内を回転することにより潤滑油等を撹拌し
て、バランスウェイトの速度Vと抗力Dの積に比例した
撹拌損失動力を生じる。
【0008】バランスウェイトが、周りの潤滑油等と直
接衝突する面であるバランスウェイト前縁部と潤滑油等
の流れ方向となす角度を迎角θとすると、特開昭61−
118579号公報など複数の公報におけるバランスウ
ェイトの迎角は、ほぼ90度である。また、抗力係数は
D≒1.0〜1.5の範囲にある。つまり、バランス
ウェイトによる潤滑油等の撹拌損失動力が大きく、スク
ロール圧縮機の性能・効率が低下する問題点があった。
また、特開平62−271984号公報に開示のもの
は、バランスウェイトの端部形状をくさび形とし、特開
平6−101661号公報に開示のものは、バランスウ
ェイトの前縁部及び後縁部の端面の迎角を90度より小
さく、かつ流線形に形成して抗力係数をCD≒0.3〜
0.5に低減させているが、不十分である。
【0009】また、従来の技術では、バランスウェイト
によって軸に作用する回転体のスラスト力を低減するこ
とについて、何も配慮されておらず、バランスウェイト
で機械損失動力を低減させる高性能化技術について十分
な記載は示されていないという問題点もあった。
【0010】本発明の目的は、上記のような従来技術の
問題点等を解決し、撹拌損失動力、機械損失動力の小さ
いバランスウェイトを形成・設置することにより高性能
な圧縮機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係るスクロール圧縮機は、鏡板
の片面に渦巻き状のラップを直立させてなる固定スクロ
ール部材及び旋回スクロール部材を有し、両スクロール
部材を互いにラップを内側にして組合わせて三日月状の
圧縮作動室を構成する圧縮機構部と、偏心部を有する回
転軸を回転駆動する駆動部と、潤滑油の油溜めと、を密
閉容器内に収納し、前記偏心部を有する前記回転軸に、
前記旋回スクロールの運動によって生じる不釣合い力に
対向して圧縮機の振動を低減させるためのバランスウェ
イトを備え、前記駆動部の回転に伴って前記旋回スクロ
ールが、自転を阻止された状態で旋回運動することによ
って、前記圧縮作動室内の気体が外周側から中心側に移
動するにつれて昇圧されるように構成したスクロール圧
縮機において、前記バランスウェイトは、前記回転軸に
係合し一体化され、前記回転軸の周方向展開面で表した
前記バランスウェイトの断面形状が、翼型形状であっ
て、前記回転軸の回転に伴って前記バランスウェイトが
回転するときに前記翼型形状部で発生する揚力を合成し
た力の作用方向が、前記回転軸に平行で、前記駆動部か
ら前記圧縮機構部へと向く方向にほぼ等しくなるように
したことを特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項2に係るスクロール圧縮機
は、鏡板の片面に渦巻き状のラップを直立させてなる固
定スクロール部材及び旋回スクロール部材を有し、両ス
クロール部材を互いにラップを内側にして組合わせて三
日月状の圧縮作動室を構成する圧縮機構部と、偏心部を
有する回転軸を回転駆動する駆動部と、潤滑油の油溜め
と、を密閉容器内に収納し、前記偏心部を有する前記回
転軸に、前記旋回スクロールの運動によって生じる不釣
合い力に対向して圧縮機の振動を低減させるためのバラ
ンスウェイトを備え、前記駆動部の回転に伴って前記旋
回スクロールが、自転を阻止された状態で旋回運動する
ことによって、前記圧縮作動室内の気体が外周側から中
心側に移動するにつれて昇圧されるように構成したスク
ロール圧縮機において、前記バランスウェイトは、前記
回転軸に係合し一体化され、前記回転軸に直交する断面
で表した前記バランスウェイトの断面形状が、翼型形状
であって、前記回転軸の回転に伴って前記バランスウェ
イトが回転するときに前記翼型形状部で発生する揚力を
合成した力の作用方向が前記バランスウェイトに生じる
遠心力の作用方向にほぼ等しくなるようにしたことを特
徴とするものである。
【0013】本発明の請求項3に係るスクロール圧縮機
は、鏡板の片面に渦巻き状のラップを直立させてなる固
定スクロール部材及び旋回スクロール部材を有し、両ス
クロール部材を互いにラップを内側にして組合わせて三
日月状の圧縮作動室を構成する圧縮機構部と、偏心部を
有する回転軸を回転駆動する駆動部と、潤滑油の油溜め
と、を密閉容器内に収納し、前記偏心部を有する前記回
転軸に、前記旋回スクロールの運動によって生じる不釣
合い力に対向して圧縮機の振動を低減させるためのバラ
ンスウェイトを備え、前記駆動部の回転に伴って前記旋
回スクロールが、自転を阻止された状態で旋回運動する
ことによって、前記圧縮作動室内の気体が外周側から中
心側に移動するにつれて昇圧されるように構成したスク
ロール圧縮機において、前記バランスウェイトは、前記
回転軸に係合し一体化され、前記バランスウェイトを形
成した範囲外でかつ軸方向にはほぼ同じ部位に位置する
軸垂直断面内に、前記バランスウェイトの進行方向前方
に円柱あるいは角柱状の形状をした突起物を設けたこと
を特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施例をスクロール圧縮
機に適用した場合について、図2及び図3を用いて説明
する。図2において、圧縮機構部は、固定スクロール2
と、旋回スクロール3と、フレーム1と、からなり、フ
レーム1は、その外周部を密閉容器4に固定されてい
る。固定スクロール2は、ラップ2a、鏡板2b、ラッ
プ歯底2c、ラップ歯先2d及び吐出ポート2eなどか
らなっている。旋回スクロール3は、ラップ3a、鏡板
3b、ラップ歯底3c及びラップ歯先3dなどからなっ
ている。
【0015】図3は、固定スクロール2と旋回スクロー
ル3の噛合い状態を示す軸直交断面図である。図3は、
固定スクロール2と旋回スクロール3の噛合わせによ
り、圧縮作動室17が形成された状況を示している。旋
回スクロール3のラップ3aは、インボリュート曲線で
形成され、一定の半径で旋回運動したときにできるラッ
プ3aの包絡線が固定スクロール2のラップ2aの形状
になっている。
【0016】固定スクロール2は、外周部に吸込ポート
18、中央部に吐出ポート2eを配している。両スクロ
ールラップ等により、三日月状の圧縮作動室17が、点
対称で1対17a,17bが形成されている。固定スク
ロール2は、鏡板外周部にフランジ面2fが設けられ、
ボルト穴2gを通るボルトによってフレーム1に固定さ
れ、圧縮作動室17は、実質的な密閉空間を形成するよ
うになっている。この圧縮作動室17は、外周部から中
心部に移るにつれて、その体積を減じるように構成され
ている。
【0017】図2において、旋回スクロール3を旋回駆
動する駆動部は、例えば電動機であるステータ5及びロ
ータ6と、回転軸であるクランク軸7と、旋回スクロー
ル3の自転を防止するオルダムリング10と、フレーム
1とクランク軸7を回転自在に係合する、ラジアル軸受
11と、クランク軸7に作用するスラスト荷重を支持す
るスラスト軸受12と、旋回スクロール3とクランク軸
7の偏心ピン部7aとを回転軸方向であるスラスト方向
に移動可能にかつ回転自在に係合する旋回スクロールの
軸受13と、で構成されている。
【0018】オルダムリング10は、旋回スクロール3
と共にフレーム1と固定スクロール2との間に配設され
ている。オルダムリング10に形成される互いに直交す
る2組のキー部分の1組のキー部分10aが、フレーム
1に形成したキー溝14内を、残りの1組のキー部分1
0cが、旋回スクロール端板1bのラップ側に形成した
キー溝10b内を滑動するように構成されている。
【0019】旋回スクロール鏡板3bの背面と、フレー
ム1と、で囲まれた空間をバランサ室9と呼ぶ。バラン
スウェイト8は、旋回スクロール3の運動に伴って作用
する不釣合い力を相殺し、圧縮機の振動を低く保ったり
するための平衡部品であり、クランク軸7と係合し一体
化されていて、このバランスウェイト8は、バランサ室
9内の冷媒気体中や潤滑油中においてクランク軸7の回
転に伴い回転可能なごとく設置されている。
【0020】また、密閉容器4下部の油溜り15中の潤
滑油は、圧縮機の運転に伴って生じる差圧により、クラ
ンク軸7に固定した給油パイプ16とクランク軸7内に
設けた給油穴を経由し、圧縮機構部や各軸受部11,1
2,13へと供給され、排出された潤滑油15は、バラ
ンサ室9内に流入し、さらには隙間を介し連絡穴20か
ら圧縮作動室17へ流入する。
【0021】次に、図2と図3に従い、スクロール圧縮
機を構成する基本要素の動作について説明する。ロータ
6は、ステータ5が発生する回転磁界により回転力を与
えられ、ロータ6に固定されたクランク軸7は、ロータ
6の回転に伴い回転動作を行う。旋回スクロール3は、
スラスト方向に移動可能にかつ回転自在にクランク軸の
偏心ピン部7aと係合しており、クランク軸7の回転運
動によって、旋回運動がもたらされる。
【0022】なお、本実施例では、駆動部を電動機とし
ているが、電動機に限定されるものではない。
【0023】圧縮作動室17a,17bは、圧縮過程に
ある圧縮作動室を示している。圧縮動作では、旋回スク
ロール3の旋回運動に伴って、作動流体が吸込ポート1
8、吸込空間19を経由して圧縮作動室17へ吸込まれ
る。吸込まれた作動流体は、圧縮作動室17a1,17
a2及び17b1,17b2のように順次、中心部に移
動するにつれ、容積を減少させられて、固定スクロール
に設けられた吐出ポート2eとの導通位置に圧縮作動室
が達した時点で吐出される。固定スクロール2と、旋回
スクロール3と、を噛合わせて、旋回スクロール3を旋
回運動させる際は、吸込空間19−圧縮作動室17a
1,17b1間、圧縮作動室17a1,17a2,17
b1,17b2間、圧縮作動室17a2,17b2−吐
出ポート2e間に作動流体の漏れが生じないように十分
な気密性の確保が必要となる。そのため、図2に示す、
バランサ室9と圧縮作動室17を連通させる連絡穴20
を設けることでバランサ室9の圧力を中間圧力に制御
し、旋回スクロールを上方に持ち上げて気密性を維持し
ている。
【0024】本発明の第1の実施例について、図1、図
2を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施例に
おけるバランスウェイト8を回転軸との周方向展開面で
表した断面図である。図1におけるバランスウェイト8
の断面形状は、少なくとも回転軸の回転方向に対して翼
型形状に形成される。バランスウェイト8が、潤滑油や
冷媒等が混合した雰囲気にあるバランサ室9内を該バラ
ンスウェイト8の重心位置において平均速度Vで該回転
軸周りを回転する場合、該バランスウェイト8から見る
と、潤滑油等は、該バランスウェイト8と接触して相対
的にその周りを速度Vで流れる。該潤滑油等は、翼型の
形状をしたバランスウェイト8の表面から剥離すること
なく流れるため、該バランスウェイト8後縁部の後方に
は後流渦を発生せず、抗力係数CDを0.1以下に低減
できる。よって、前記(1)式にみられるように、該バ
ランスウェイト8に発生する抗力24を小さくすること
ができる。つまり、該バランスウェイト8を翼型形状に
形成することにより、該抗力24に比例する前記バラン
スウェイトによって生じる撹拌損失動力は、小さくでき
る。
【0025】また、前記バランスウェイト8の形状を翼
型形状にしたことで、回転軸の回転に伴って該バランス
ウェイト8が、回転するときに、該バランスウェイト8
の翼型形状部で前記回転軸に平行で、前記駆動部から前
記圧縮機構部へと向く方向にほぼ等しい作用方向の揚力
25を発生させることができる。この揚力25は、迎角
θと翼型の形状に依存する揚力係数CLを用いて、前記
(1)式と対応して、概ね次式で与えられる。
【0026】F=ρ/2・V2・S・CL…(2) 最適な揚力25を得るために、例えば、機械工学便覧新
版5刷の流体工学部門第14章等に記載されている各種
翼型形状の揚力特性図等を参考にし、その翼型形状及び
迎角θを知ることができる。バランスウェイト8に発生
する揚力25は、翼型形状等の最適値、例えば、0<θ
<10°を選ぶことにより、図8に示すような従来のバ
ランスウェイトの抗力に対して、約10倍以上にもな
る。
【0027】該バランスウェイト8と係合し一体化して
形成されているクランク軸7に作用するスラスト荷重
は、回転軸に平行で、前記圧縮機構部から前記駆動部へ
と向く方向に作用する。つまり、該バランスウェイト8
に発生する揚力25の作用する方向と反対方向にある。
よって、該バランスウェイト8を翼型形状に形成するこ
とにより、スラスト方向に受ける荷重を低減させ、クラ
ンク軸7に作用するスラスト荷重を支持するスラスト軸
受12の負荷を軽減できるので、回転に伴う機械損失動
力を小さくできる。
【0028】本発明の第2の実施例について、図4、図
5を用いて説明する。図4は、図2を基本構成として、
本実施例に係わる部分だけを示す圧縮機構部を示す断面
図である。図4に従って、その構成を説明する。図4の
本発明の第2の実施例におけるバランスウェイト8は、
図5に示した外観構成になっており、クランク軸7に係
合し一体化されていて、クランク軸7の回転に伴い回転
可能なごとく設置されている。このような状況で、クラ
ンク軸7が、回転すると、該バランスウェイト8は、潤
滑油や冷媒等が混合した雰囲気にあるバランサ室9内を
クランク軸7を回転軸として回転し、旋回スクロール3
の運動に伴って作用する不釣合い力を相殺し、圧縮機の
振動を低く保ったりする。
【0029】図5におけるバランスウェイト8の外観形
状は、少なくとも回転軸の回転方向に対して、該バラン
スウェイト8の重り部8aで翼型形状に形成される。バ
ランスウェイト8が、バランサ室9内を該バランスウェ
イト8の重心位置8bにおいて、平均速度Vで該回転軸
周りを回転する場合、該バランスウェイト8から見る
と、潤滑油等は、該バランスウェイト8と接触して相対
的にその周りを速度Vで流れる。該潤滑油等は、翼型の
形状をしたバランスウェイト8の表面から剥離すること
なく流れるため、該バランスウェイト8後縁部の後方に
は後流渦を発生せず、抗力係数CDを0.1以下に低減
できる。よって、前記(1)式にみられるように、該バ
ランスウェイト8に発生する抗力24を小さくすること
ができる。つまり、該バランスウェイト8を、翼型形状
に形成することにより、該抗力24に比例する前記バラ
ンスウェイト8によって生じる撹拌損失動力は、小さく
できる。
【0030】また、前記バランスウェイト8の形状を回
転方向に対して翼型形状にしたことで、クランク軸7の
回転に伴って該バランスウェイト8が回転するときに、
該バランスウェイト8の翼型形状部である重心位置8b
で前記クランク軸7に垂直で、該バランスウェイト8に
生じる遠心力26の方向にほぼ等しくなるような作用方
向の揚力27を、発生させることができる。この揚力2
7は、翼型形状等の最適値を選ぶことにより、該バラン
スウェイト8の抗力24に対して、約10倍以上にもな
る。該バランスウェイト8に生じる遠心力26は、クラ
ンク軸7に垂直で半径方向外側へと作用する。つまり、
該バランスウェイト8が発生する揚力27の作用する方
向と同方向にある。よって、該バランスウェイト8を翼
型形状に形成することにより、旋回スクロールの旋回運
動に伴う遠心力の一部を相殺させることができる。すな
わち、バランスウェイト8自身の質量による遠心力を、
その揚力が一部負担することができる。したがって、前
記バランスウェイト8の小型化と、それに伴う撹拌損失
動力、機械損失動力の低減を図ることができる。
【0031】本発明の第3の実施例について、図6、図
7を用いて説明する。図6は、図2を基本構成として、
本実施例に係わる部分だけを示す圧縮機構部の断面図で
ある。図6に従って、その構成を説明する。図7は、本
発明の第3の実施例におけるバランスウェイト8を回転
軸との周方向展開面で表した断面図である。バランスウ
ェイト8及び突起物33は、クランク軸7に係合し一体
化されていて、クランク軸7の回転に伴い回転可能なご
とく設けられている。このような状況で、クランク軸7
が回転すると、該バランスウェイト8及び該突起物33
は、潤滑油や冷媒等が混合した雰囲気にあるバランサ室
9内を、クランク軸7を回転軸として回転し、旋回スク
ロール3の運動に伴って作用する不釣合い力を相殺し、
圧縮機の振動を低く保ったりする。
【0032】図7において従来の技術と同様な形状をし
たバランスウェイト8の重り部8aがバランサ室9内を
該バランスウェイト8の重心位置8bにおいて平均速度
Vで該回転軸周りを回転する場合、該バランスウェイト
8から見ると、潤滑油等は該バランスウェイト8と接触
して相対的にその周りを速度Vで流れる。該潤滑油等
は、従来の技術と同様な形状をしたバランスウェイト8
の表面から剥離して流れるため、該バランスウェイト8
後縁部の後方には後流渦31を発生する。よって、前記
(1)式にみられるように、該バランスウェイト8に発
生する抗力24は、従来の技術と同様に大きい。ここ
で、該バランスウェイト8の該重り部8aの進行方向前
方に例えば円柱あるいは角柱状の突起物33を設ける
と、該突起物33の後方では、バランスウェイト8後縁
部の後流渦31よりも小さい後流渦34を発生させるこ
とができる。該後流渦34によりバランスウェイト8前
縁部の流れを層流域から乱流域へと遷移させることがで
きるので、該バランスウェイト8の前縁部の端面に発生
する抗力24を小さくすることができる。該突起物33
は、前記(1)式にみられるように、該突起物33の進
行方向と垂直な面に投影した面積及び該突起物33の形
状に強く依存する抗力係数CDを該バランスウェイト8
よりも十分に小さくできるので、該突起物33に生じる
抗力35も十分に小さい。よって、該バランスウェイト
8に生じる抗力24と該突起物33に生じる抗力35の
両抗力は、該突起物33を付けない場合に比べて、小さ
くできる。つまり、該バランスウェイト8の該重り部8
aの進行方向前方に突起物33を設けると、該両抗力に
比例する前記バランスウェイト8によって生じる撹拌損
失動力を小さくできる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるバラ
ンスウェイトを用いることにより、該バランスウェイト
に生じる抗力を小さくせしめ、従って、冷媒気体及び潤
滑油の撹拌による撹拌損失動力及び、機械損失動力を著
しく減少できるので、圧縮機の性能・効率を高めること
ができる。
【0034】また、該バランスウェイトに発生する揚力
により回転軸に作用するスラスト荷重を低減する効果が
得られる。あるいは、旋回スクロールの旋回運動に伴う
遠心力の一部を相殺させ、前記バランスウェイトを小型
・軽量化できる。
【0035】従来のバランスウェイトを用いて、突起物
をバランスウェイトの進行方向前方に設けることにより
抗力を下げることができ、撹拌損失動力を減少すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるバランスウェイ
トの周方向展開断面図を示す。
【図2】本発明の第1の実施例におけるスクロール圧縮
機の断面図を示す。
【図3】本発明の一実施例における圧縮作動室の断面図
を示す。
【図4】本発明の第2の実施例におけるスクロール圧縮
機機構部の断面図を示す。
【図5】本発明の第2の実施例におけるバランスウェイ
トの断面図を示す。
【図6】本発明の第3の実施例におけるスクロール圧縮
機機構部の断面図を示す。
【図7】本発明の第3の実施例におけるバランスウェイ
トの周方向展開断面図を示す。
【図8】従来の技術におけるバランスウェイトの周方向
展開断面図を示す。
【符号の説明】
1…フレーム 2…固定スクロール 2a…ラップ 2b…鏡板 2c…ラップ歯底 2d…ラップ歯先 2e…吐出ポート 3…旋回スクロール 3a…ラップ 3b…鏡板 3c…ラップ歯底 3d…ラップ歯先 4…密閉容器 5…ステータ 6…ロータ 7…クランク軸 8…バランスウェイト 9…バランサ室 10…オルダムリング 10a…キー部分 10b…キー溝 10c…キー部分 11,12,13…軸受 14…キー溝 15…潤滑油 16…給油パイプ 17…圧縮作動室 18…吸込ポート 19…吸込空間 20…連絡穴 21…吸込パイプ 22…吐出空間 23…吐出パイプ 24…抗力 25…揚力 26…遠心力 27…揚力 31…後流渦 33…突起物 34…後流渦 35…抗力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗田 慎 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 早瀬 功 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 水野 隆夫 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 土屋 豪 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 町田 茂 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AB03 BB24 BB42 CC08 CC16 CC30 3H039 AA03 AA04 AA12 BB02 BB28 CC02 CC10 CC11 CC20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡板の片面に渦巻き状のラップを直立さ
    せてなる固定スクロール部材及び旋回スクロール部材を
    有し、両スクロール部材を互いにラップを内側にして組
    合わせて三日月状の圧縮作動室を構成する圧縮機構部
    と、偏心部を有する回転軸を回転駆動する駆動部と、潤
    滑油の油溜めと、を密閉容器内に収納し、前記偏心部を
    有する前記回転軸に、前記旋回スクロールの運動によっ
    て生じる不釣合い力に対向して圧縮機の振動を低減させ
    るためのバランスウェイトを備え、前記駆動部の回転に
    伴って前記旋回スクロールが、自転を阻止された状態で
    旋回運動することによって、前記圧縮作動室内の気体が
    外周側から中心側に移動するにつれて昇圧されるように
    構成したスクロール圧縮機において、 前記バランスウェイトは、前記回転軸に係合し一体化さ
    れ、前記回転軸の周方向展開面で表した前記バランスウ
    ェイトの断面形状が、翼型形状であって、前記回転軸の
    回転に伴って前記バランスウェイトが回転するときに前
    記翼型形状部で発生する揚力を合成した力の作用方向
    が、前記回転軸に平行で、前記駆動部から前記圧縮機構
    部へと向く方向にほぼ等しくなるようにしたことを特徴
    とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 鏡板の片面に渦巻き状のラップを直立さ
    せてなる固定スクロール部材及び旋回スクロール部材を
    有し、両スクロール部材を互いにラップを内側にして組
    合わせて三日月状の圧縮作動室を構成する圧縮機構部
    と、偏心部を有する回転軸を回転駆動する駆動部と、潤
    滑油の油溜めと、を密閉容器内に収納し、前記偏心部を
    有する前記回転軸に、前記旋回スクロールの運動によっ
    て生じる不釣合い力に対向して圧縮機の振動を低減させ
    るためのバランスウェイトを備え、前記駆動部の回転に
    伴って前記旋回スクロールが、自転を阻止された状態で
    旋回運動することによって、前記圧縮作動室内の気体が
    外周側から中心側に移動するにつれて昇圧されるように
    構成したスクロール圧縮機において、 前記バランスウェイトは、前記回転軸に係合し一体化さ
    れ、前記回転軸に直交する断面で表した前記バランスウ
    ェイトの断面形状が、翼型形状であって、前記回転軸の
    回転に伴って前記バランスウェイトが回転するときに前
    記翼型形状部で発生する揚力を合成した力の作用方向が
    前記バランスウェイトに生じる遠心力の作用方向にほぼ
    等しくなるようにしたことを特徴とするスクロール圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 鏡板の片面に渦巻き状のラップを直立さ
    せてなる固定スクロール部材及び旋回スクロール部材を
    有し、両スクロール部材を互いにラップを内側にして組
    合わせて三日月状の圧縮作動室を構成する圧縮機構部
    と、偏心部を有する回転軸を回転駆動する駆動部と、潤
    滑油の油溜めと、を密閉容器内に収納し、前記偏心部を
    有する前記回転軸に、前記旋回スクロールの運動によっ
    て生じる不釣合い力に対向して圧縮機の振動を低減させ
    るためのバランスウェイトを備え、前記駆動部の回転に
    伴って前記旋回スクロールが、自転を阻止された状態で
    旋回運動することによって、前記圧縮作動室内の気体が
    外周側から中心側に移動するにつれて昇圧されるように
    構成したスクロール圧縮機において、 前記バランスウェイトは、前記回転軸に係合し一体化さ
    れ、前記バランスウェイトを形成した範囲外でかつ軸方
    向にはほぼ同じ部位に位置する軸垂直断面内に、前記バ
    ランスウェイトの進行方向前方に円柱あるいは角柱状の
    形状をした突起物を設けたことを特徴とするスクロール
    圧縮機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012052490A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Hitachi Appliances Inc 密閉形スクロール圧縮機
CN114301224A (zh) * 2021-12-28 2022-04-08 湖南汤普悦斯压缩机科技有限公司 一种水滴形平衡块及转子与压缩机

Cited By (3)

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CN114301224B (zh) * 2021-12-28 2024-02-27 湖南汤普悦斯压缩机科技有限公司 一种水滴形平衡块及转子与压缩机

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