JP2002339870A - 被固着部材平坦面加工方法 - Google Patents

被固着部材平坦面加工方法

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JP2002339870A
JP2002339870A JP2001148262A JP2001148262A JP2002339870A JP 2002339870 A JP2002339870 A JP 2002339870A JP 2001148262 A JP2001148262 A JP 2001148262A JP 2001148262 A JP2001148262 A JP 2001148262A JP 2002339870 A JP2002339870 A JP 2002339870A
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Toshiaki Iwasaki
俊明 岩崎
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 枠状部材に固着されて内部応力が発生しても
被固着部材に高精度の平坦面を形成できる被固着部材平
坦面加工方法を提供する。 【解決手段】 溶接、焼嵌等により冷媒圧縮機の密閉容
器等の枠状部材に固着されるシリンダ等の被固着部材に
平坦なシール面を形成するために、被固着部材と同等の
試料被固着部材を、枠状部材と同等の試料枠状部材に溶
接、焼嵌等により固着し、試料被固着部材に掛かるその
時の作用力をストレインゲージで測定し、この作用力と
同等の作用力をチャックにより被固着部材に加えて維持
したまま加工して平坦面を形成する。実際の組立時には
再び同等の作用力が加えられて加工時と同じ高精度の平
坦面が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被固着部材平坦面加
工方法に関するものであり、特に溶接および焼嵌等の固
着手段により冷媒圧縮機の密閉容器等の枠状部材に固着
されて枠状部材からの作用力により内部応力が発生する
シリンダ等の被固着部材にシール面等の平坦面を形成す
るための被固着部材平坦面加工方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば家庭用冷凍空調装置に使用される
圧縮機には、2枚の渦巻き状のスクロールにより冷媒を
圧縮するスクロールタイプと、ローリングピストンでシ
リンダ内の冷媒を圧縮するロータリータイプのものとが
あるが、いずれのタイプも冷媒ガスを圧縮する構造上、
低振動、低騒音性だけでなく、冷媒ガスの圧縮効率に優
れた圧縮機を製作することが求められる。係る高効率圧
縮機を得る観点から、圧縮機の構成要素となる高精度の
シール面を必要とする部品には、ミクロンオーダーの精
度が要求され、これに伴い機械による加工方法に格段の
工夫が要請される。
【0003】ロータリ圧縮機は図7に示すように、クラ
ンク軸1を備え、主軸受2,シリンダ3,および副軸受
4をボルト5で締結して互いに固定することにより圧縮
室6が形成されている。主軸受2と副軸受4で支持され
たクランク軸1が回転駆動することにより、ローリング
ピストン7が圧縮室6内を揺動運動し、冷媒の圧縮動作
を行う。冷媒は、吸入管9から吸入され、圧縮室6内で
圧縮された後、密閉容器10内に吐出される。密閉容器
10とシリンダ3は、溶接点11で溶接固定されてい
る。圧縮室6は、高低圧のシール面12(上下両面に形
成されている)でシールされることで圧縮室6を密閉容
器10から気密的にシールし、これにより密閉容器10
内の高圧室13にある高圧側の冷媒と、圧縮室6、とく
に吸入管9の低圧側の冷媒とが混入しないように密閉さ
れている。シリンダ3と密閉容器10とは、図8に示す
例では円周方向にほぼ等間隔に離間した3点で溶接11
により固着されている。溶接の数は、4点あるいは6点
等、任意である。
【0004】図8に示すように3点で溶接固定された状
態のシリンダ3には、密閉容器10の容器壁が溶接位置
で内側に凹の曲率半径がより小さくなるように変形する
ため、図9に示すような作用力が働いて図に示すように
変形し、溶接点11において引っ張り荷重P1,溶接点
11の中間部には圧縮荷重P2が加わえられている。引
っ張り荷重P1と圧縮荷重P2との互いに反対方向に作
用する力によりシリンダ3には内部応力による歪みが発
生し、シール面12(図8において、ハッチングで表示
した領域)がその平面度を減じて微少に湾曲してしま
う。また、圧縮荷重P2は引っ張り荷重P1に比べて大
きいため(P1<P2)、ベーン溝15は圧縮荷重P2
の影響を受けて歪みを生じ、溝幅δが小さくなる。シリ
ンダ内周14も連鎖的に変形し、その真円度が悪化し、
シリンダ3の圧縮室6の内径Dの寸法に狂いが生じる。
【0005】このようなシリンダ3のシール面12を平
坦に加工するために、従来は高低圧シール面12の機械
加工は溶接による組立前に、外力が掛からず内部応力が
発生していない状態で、平面度が最大となるように仕上
げ加工されていた(以下これを「第1従来方法」とい
う)。
【0006】また、特開昭60−173382号公報に
記載の仕上げ加工技術(以下「第2従来方法」という)
に於いては、組立状態における定常運転時において熱膨
張により生じる変形によるシール性の低下を回避するた
め、予め熱膨張に基づく変形量を温度分布関数として定
量化しておき、この定量化された修正量に応じてシール
面が曲面になるように加工していた。すなわち、シール
面が運転時に平面度最大となるように圧縮機のスクリュ
ー・ローターの高低圧シール面に予め変形量を見込んで
曲面に仕上げ加工を行ない、運転時に変形してシール面
が平坦になるようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1従
来方法においては、次のような問題点があった。すなわ
ち、溶接、圧入、焼き嵌め、ボルト締結等の固着手段に
よって、ミクロンオーダーの精度で製作されたシール面
を有するシリンダ3のような被固着部材を密閉容器10
等の枠状部材に固定する場合には、枠状部材から被固着
部材に大きな作用力が加えられて、密閉容器2に組み込
むと、シリンダ3が上述の圧縮力が作用する部分で
「く」の字状に変形していた。固着手段が溶接の場合に
は、周方向部分的にシリンダ3に溶接された密閉容器の
容器壁は、溶接部分で屈曲し、溶接部分の間では径方向
内側に変形する。この変形により密閉容器からシリンダ
3に径方向内向きの力が作用力が加えられ、シリンダ3
が圧縮されて変形されるのである。焼嵌の場合にはシリ
ンダ3に密閉容器から全周に亘って圧縮力が作用して、
シリンダ3に径方向内向きの力が加えられ、同様に変形
される。このような変形が起こると、シール面の平面度
が悪化し、そのため圧縮機の運転時、高低圧室間で冷媒
の漏れロスが大きくなるという問題があった。
【0008】また、第2従来方法では、変形量に基づく
修正量に応じてシール面を仕上げ加工するのであるが、
仕上げ加工する際に変形による修正量に応じた微少な高
低差を予め段取りして複雑で微妙な曲面を作り込む必要
があったため、加工設備のコストがそれだけ嵩み、かつ
加工時間が長くなり、生産性を著しく低下させるという
問題があった。
【0009】さらに、組立時において、密閉容器10か
ら作用する固定力Fの影響を受けてシリンダ3が変形し
ないようにするための方法として、シール面を有するシ
リンダ等の主要部品を高剛性化することで対応する手段
もある。しかし、この方法には圧縮機そのものの重量が
増大し、材料コストが大幅に増加するという問題があ
る。
【0010】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、固着手段により枠状部材に固着
されて枠状部材からの作用力により内部応力が発生する
被固着部材に高精度の平坦面を形成するための被固着部
材平坦面加工方法を提供することを目的とし、また、高
低圧間でのシール面のシール性を格段に向上させて冷凍
空調用圧縮機を高効率にすることのできる被固着部材平
坦面加工方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の被固着部材平
坦面加工方法によれば、上述の課題を解決するための手
段は次の通りである。
【0012】(1)固着手段により枠状部材に固着され
て枠状部材からの作用力により内部応力が発生する被固
着部材に平坦面を形成するための被固着部材平坦面加工
方法であって、上記被固着部材と同等の試料被固着部材
および上記枠状部材と同等の試料枠状部材を用意する工
程と、上記試料被固着部材を上記試料枠状部材に固着す
る工程と、上記試料被固着部材に固着によって作用する
作用力を測定する工程と、上記被固着部材に上記測定し
た作用力に基づいて上記作用力と同等の作用力を加える
工程と、上記作用力を維持したまま上記被固着部材を加
工して上記被固着部材に平坦面を形成する工程と、上記
作用力を上記被固着部材から除去して上記被固着部材を
部品として得る工程とを備えた被固着部材平坦面加工方
法。
【0013】(2)上記枠状部材は冷媒圧縮機の密閉容
器であってもよい。
【0014】(3)上記固着手段が溶接または焼嵌であ
ってもよい。
【0015】(4)上記被固着部材が冷媒圧縮機のシリ
ンダであってもよい。
【0016】(5)上記平坦面が冷媒圧縮機のシリンダ
のシール面であってもよい。
【0017】(6)上記試料被固着部材に上記作用力を
加える工程が、上記試料被固着部材をチャックで掴んで
外力を加える工程を含んでいてもよい。
【0018】(7)上記試料被固着部材に固着によって
作用する作用力を測定する工程が、上記試料被固着部材
の表面に貼付したストレインゲージを用いることを含ん
でいてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明を図1乃
至図5に示すように、冷凍空調用ロータリ圧縮機等の冷
媒圧縮機に適用した実施の形態に基づいて詳述する。図
1はシリンダのシール面を仕上げ加工して密閉容器に組
み込むまでの課程の概観を説明する概略過程図、図2
は、シール面の加工方法の課程を説明する加工方法説明
図である。
【0020】ロータリ圧縮機自体の構造は、図7および
図8に示すものと同じであるのでその説明は省略する
が、3点で溶接固定された状態のシリンダ3には、密閉
容器10の変形のため、図9に示すように溶接点11に
おいて引っ張り荷重P1,溶接点11の中間部には圧縮
荷重P2が加わえられている。引っ張り荷重P1と圧縮
荷重P2との互いに反対方向に作用する力によりシリン
ダ3には内部応力による歪みが発生し、シール面12が
その平面度を減じて微少に湾曲してしまう。また、圧縮
荷重P2は引っ張り荷重P1に比べて大きいため(P1
<P2)、ベーン溝15は圧縮荷重P2の影響を受けて
歪みを生じ、溝幅δが小さくなる。シリンダ内周14も
連鎖的に変形し、その真円度が悪化し、シリンダ3の圧
縮室6の内径Dの寸法に狂いが生じる。
【0021】本実施の形態に係るシール面の加工方法
は、この引っ張り荷重P1,圧縮荷重P2をあらかじめ
実験的に求めておき、これと同等の荷重をシリンダ3に
付加してシリンダ3を歪ませた状態でシール面12とベ
ーン溝13およびシリンダ内周16を仕上加工して平坦
面を形成し、この荷重を一旦外して仕上げ加工したシリ
ンダ3を部品として完成させるものである。
【0022】即ち、本発明の被固着部材平坦面加工方法
に於いては、まず被固着部材であるシール面を持つシリ
ンダ3と形状寸法および材質等が同等の試料被固着部材
(図示してない)を用意し、また密閉容器10である枠
状部材と形状寸法および材質等が同等の試料枠状部材
(図示してない)を用意する。この試料被固着部材のシ
ール面にストレインゲージを貼付しておく。
【0023】この試料被固着部材を実際の組立に用いる
固着手段である例えば3箇所の溶接により試料枠状部材
に固着する。すると、シリンダ3と同じ試料被固着部材
は実際の組立時と同じように溶接により歪んだ密閉容器
10からの作用力により、溶接部では引っ張りを受け、
溶接部間では圧縮を受ける。このような引張力および圧
縮力をシール面に設けたストレインゲージにより測定し
て記録しておく。
【0024】次に、図1に示すような、実際に密閉容器
10に溶接により組み立てられる部品であってそのシー
ル面12をこの発明の被固着部材平坦面加工方法によっ
て正確に平坦面に仕上げる必要のある被固着部材である
シリンダ3を用意する。
【0025】これを加工装置に設置して、油圧シリンダ
等の適当な押圧装置(図示してない)により、図2に示
すように密閉容器10と被固着部材3との溶接により被
固着部材3に加えられる作用力と同じ大きさと方向の作
用力Q(Q=P2)を同じ位置で被固着部材3に適用す
る。実際には、溶接箇所が3である場合には3つの押圧
装置によりシリンダ3に径方向内向きの力を加えて被固
着部材3に力を加え、シール面12でのストレインゲー
ジによる作用力の測定値と同じ測定値となるようにす
る。この工程が、被固着部材に測定した作用力に基づい
て上記作用力と同等の作用力を加える工程である。この
ようにして、密閉容器10から試料被固着部材に作用す
る作用力と同等の作用力を押圧装置から加えられると、
被固着部材3は先の試料被固着部材と実質的に同じ量だ
け同じ分布で歪み変形する。
【0026】次に図3に示すように押圧装置による作用
力を維持して上述の変形をさせたまま、被固着部材3の
シール面12を研磨工具16により平面に研磨する。平
面の研磨は曲面の研磨に比較して容易である。
【0027】研磨によりシール面を平坦にした被固着部
材3を加工装置から取り外せば、図4に示すように被固
着部材3に作用力が働かなくなって内部応力が無くな
り、自由状態に戻され、製品としてのシリンダ3が完成
する。ここで注目すべきは、図4に示す被固着部材3の
シール面12は加工されたときのように平坦ではなく、
組立時に加えられる作用力に応じた変形を相殺するよう
に変形した曲面となっていることである。
【0028】このような仕上げ加工により製作されたシ
リンダ3を図5に示すように密閉容器10に溶接11で
固定して組み込んだ場合には、作用力が無く、荷重が掛
けられていない状態では湾曲していたシリンダ3が再び
同等の作用力を受けて変形して、シール面が平坦になる
のである。このため、シール面12の両側から主軸受2
や副軸受4でボルト5で締結することで形成された圧縮
室6は、高圧室13との間を略完全にシールされるた
め、高低圧間での冷媒漏れを良好に阻止できることとな
る。
【0029】本実施の形態の加工方法によれば、第1従
来方法と異なり、仕上げ加工後のシリンダ3を密閉容器
10に組み込んで固定力が作用しても、シリンダの平面
度を良好に確保して、溶接による組立歪みを相殺するこ
とができる。シール面12の平面度、ひいてはシリンダ
内周16の内径Dを圧縮機を組立てた状態でも所定の寸
法を保証することが可能となる。このため、シール面1
2のシール性が高まり、圧縮室内の摺動部のすきまを圧
縮機組立状態で厳密に管理でき、冷媒の漏れロスが非常
に小さく、摺動ロスの小さい高効率圧縮機を提供するこ
とができる。
【0030】また、第2従来方法のように、予め変形量
に応じた加工用の微少な高低差を作り込んでおくような
行程を要せず、それだけ加工設備のコストを増大させる
ことがなく、加工時間が長くなったりして生産効率を低
下させるような欠点はない。
【0031】また、係る方法によれば、シリンダやその
周辺部品の材質そのものを高剛性化する必要もないの
で、圧縮機の軽量化、材料コストの低減を図れる。
【0032】実施の形態2.図6には本発明の被固着部
材平坦面加工方法を冷凍装置用のスクロール圧縮機の被
固着部材であるフレームを枠部材である密閉容器に強固
に取り付ける固着手段が焼嵌である場合の例を示してあ
る。このスクロール圧縮機は、管状の密閉容器であるシ
ェル21と、シェル21の内周に焼嵌により固着された
フレーム22と、フレーム22にボルト23により結合
された固定スクロール24と、フレーム22内に揺動可
能に設けられて、固定スクロール24と共にスクロール
間に圧縮室25を形成する揺動スクロール26と、シェ
ル21内に設けられて揺動スクロール26を揺動させる
電動機27と、フレーム22と共に電動機27の回転子
28を支持するサブフレーム29とを備えている。フレ
ーム22は中央底部に電動機27の回転軸30の一端を
支持するとともに電動機27に連結されたクランク部3
1を受け入れるための孔32を持つ、ほぼカップ型の部
材であって、外周面にシェル22の内周面に焼嵌により
強固に固着される周方向突起部33が設けられている。
【0033】このような電動機に於いては、フレーム2
2の周方向突起部33を含む外径は、シェル21の内径
よりも僅かに大きくしてある。組立の際には、例えばシ
ェル21を加熱してその内径をフレーム22の外径より
も大きくしておいて、フレーム22をシェル21内に挿
入して位置決めし、シェル21を常温に戻せばシェル2
1はフレーム22上に収縮して焼嵌される。フレーム2
2には固定スクロール24を気密に結合させるためのシ
ール面34が設けられているが、このシール面34も図
示のような組み立てられた状態で高精度の平坦面でなけ
ればならない。
【0034】この発明の被固着部材平坦面加工方法に於
いて固着手段が焼嵌である場合には、被固着部材平坦面
加工方法は次のように行う。まず、被固着部材であるフ
レーム22と同等形状寸法および材質の試料被固着部材
および枠状部材であるシェル21と同等の試料枠状部材
を用意し、試料被固着部材を試料枠状部材に焼嵌により
固着し、予めシール面34に設けておいたストレインゲ
ージ(図示してない)により、その際に試料被固着部材
に焼嵌によって作用する作用力を測定する。次に、実際
に組立に使用する被固着部材であるフレーム22に、測
定しておいた作用力に基づいてこの作用力と同等の作用
力を加える。この状態を維持したまま被固着部材を加工
して被固着部材に平坦面を形成し、この作用力を被固着
部材から除去して被固着部材を部品として得る。このよ
うに被固着部材であるフレーム22が焼嵌により固着さ
れる場合にも本発明の被固着部材平坦面加工方法は高精
度の平坦面を形成することができる。
【0035】以上、本実施の形態を具体的に説明してき
たが、具体的な構成はこの形態に限られるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。例えば、上記ではシリンダある
いはフレームのシール面の仕上げ加工に適用した場合に
ついて説明したが、これ以外のシール面を有する部品、
主軸受2,副軸受4等の仕上げにも適用できる。また、
ロータリ型、スクロール型以外の圧縮機にも、また同様
の平坦面が必要な機械構成部品ならこれら以外のタイプ
の圧縮機、機械装置等の仕上げ加工にも適宜適用でき
る。更に、上の実施形態では作用力として、溶接あるい
は焼嵌による作用力について説明したが、圧入嵌合、ボ
ルト締結等の固定手段により生じる作用力が問題となる
場合にも同様に適用できる。
【0036】
【発明の効果】本発明の被固着部材平坦面加工方法によ
る効果は次の通りである。 (1)固着手段により枠状部材に固着されて枠状部材か
らの作用力により内部応力が発生する被固着部材に平坦
面を形成するための被固着部材平坦面加工方法であっ
て、上記被固着部材と同等の試料被固着部材および上記
枠状部材と同等の試料枠状部材を用意する工程と、上記
試料被固着部材を上記試料枠状部材に固着する工程と、
上記試料被固着部材に固着によって作用する作用力を測
定する工程と、上記被固着部材に上記測定した作用力に
基づいて上記作用力と同等の作用力を加える工程と、上
記作用力を維持したまま上記被固着部材を加工して上記
被固着部材に平坦面を形成する工程と、上記作用力を上
記被固着部材から除去して上記被固着部材を部品として
得る工程とを備えた被固着部材平坦面加工方法であるの
で、固着手段により枠状部材に固着されて枠状部材から
の作用力により内部応力が発生する被固着部材に高精度
の平坦面を比較的容易に形成することを可能にする被固
着部材平坦面加工方法を提供できる。
【0037】(2)上記枠状部材は冷媒圧縮機の密閉容
器であってもよいので、高度な平面度を確保したシール
面を得ることができ、高低圧室間の冷媒漏れロスが小さ
くなり、高効率な冷凍空調用圧縮機を得ることができる
効果を奏する。また、高低圧間でのシール面のシール性
を格段に向上させて冷凍空調用圧縮機を高効率にするこ
とができる。
【0038】(3)上記固着手段が溶接または焼嵌であ
ってもよいので、固着手段により枠状部材に固着されて
枠状部材からの作用力により内部応力が発生する被固着
部材であれば、固着手段の種類に係わらず、高精度の平
坦面を形成するための被固着部材平坦面を加工すること
ができる。
【0039】(4)上記被固着部材が冷媒圧縮機のシリ
ンダであれば、冷媒の漏れ、圧縮効率等を改善できる。
【0040】(5)上記平坦面が冷媒圧縮機のシリンダ
のシール面であれば、シール面の仕上げ加工が容易で信
頼性の高いものにできる。
【0041】(6)上記試料被固着部材に上記作用力を
加える工程が、上記試料被固着部材をチャックで掴んで
外力を加える工程である場合には、加えるべき作用力を
正確に発生できる。
【0042】(7)上記試料被固着部材に固着によって
作用する作用力を測定する工程が、上記試料被固着部材
の表面に貼付したストレインゲージを用いることもでき
るので、作用力が正確に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の被固着部材平坦面加工方法を冷凍
圧縮機の溶接されるシリンダに適用した場合の加工前の
シリンダの概略斜視図である。
【図2】 図1のシリンダを加工装置に設置した状態を
示す概略斜視図である。
【図3】 作用力を掛けた状態でシール面を平坦に研磨
加工している状態を示す概略斜視図である。
【図4】 研磨の終了したシリンダの概略断面図であ
る。
【図5】 図4のシリンダを密閉容器に溶接により固着
した状態を示す概略断面図である。
【図6】 この発明の被固着部材平坦面加工方法を適用
できる焼嵌されるフレームを備えた圧縮機を示す概略断
面図である。
【図7】 密閉容器に溶接されたシリンダを示す冷凍圧
縮機の概略部分断面図である。
【図8】 図7のシリンダと密閉容器との関係をそこに
作用する溶接による作用力と共に示す概略縦断面図であ
る。
【図9】 図8の作用力により変形したシリンダの形状
を示す説明図である。
【符号の説明】
3 被固着部材(シリンダ)、10 密閉容器(枠状部
材)、11 固着手段(溶接)、12 平坦面(シール
面)、33 焼嵌、P2 作用力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23P 25/00 B23P 25/00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固着手段により枠状部材に固着されて枠
    状部材からの作用力により内部応力が発生する被固着部
    材に平坦面を形成するための被固着部材平坦面加工方法
    であって、 上記被固着部材と同等の試料被固着部材および上記枠状
    部材と同等の試料枠状部材を用意する工程と、 上記試料被固着部材を上記試料枠状部材に固着する工程
    と、 上記試料被固着部材に固着によって作用する作用力を測
    定する工程と、 上記被固着部材に上記測定した作用力に基づいて上記作
    用力と同等の作用力を加える工程と、 上記作用力を維持したまま上記被固着部材を加工して上
    記被固着部材に平坦面を形成する工程と、 上記作用力を上記被固着部材から除去して上記被固着部
    材を部品として得る工程とを備えた被固着部材平坦面加
    工方法。
  2. 【請求項2】 上記枠状部材が冷媒圧縮機の密閉容器で
    あることを特徴とする請求項1記載の被固着部材平坦面
    加工方法。
  3. 【請求項3】 上記固着手段が溶接または焼嵌であるこ
    とを特徴とする請求項1あるいは2記載の被固着部材平
    坦面加工方法。
  4. 【請求項4】 上記被固着部材が冷媒圧縮機のシリンダ
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載
    の被固着部材平坦面加工方法。
  5. 【請求項5】 上記平坦面が冷媒圧縮機のシリンダのシ
    ール面であることを特徴とする請求項1記載の被固着部
    材平坦面加工方法。
  6. 【請求項6】 上記試料被固着部材に上記作用力を加え
    る工程が、上記試料被固着部材をチャックで掴んで外力
    を加える工程を含むことを特徴とする請求項1記載の被
    固着部材平坦面加工方法。
  7. 【請求項7】 上記試料被固着部材に固着によって作用
    する作用力を測定する工程が、上記試料被固着部材の表
    面に貼付したストレインゲージを用いることを含むこと
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の被固着部
    材平坦面加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104832435A (zh) * 2014-02-07 2015-08-12 三菱电机株式会社 密闭型压缩机

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