JP2002339240A - 導電性合成樹脂フィラメント、その製造方法およびその用途 - Google Patents

導電性合成樹脂フィラメント、その製造方法およびその用途

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JP2002339240A JP2002046189A JP2002046189A JP2002339240A JP 2002339240 A JP2002339240 A JP 2002339240A JP 2002046189 A JP2002046189 A JP 2002046189A JP 2002046189 A JP2002046189 A JP 2002046189A JP 2002339240 A JP2002339240 A JP 2002339240A
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修久 兵藤
Akira Kinoshita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性および真円性に優れ、かつ線径斑の小
さい導電性合成樹脂フィラメントおよびその効率的な製
造方法とその用途の提供。 【解決手段】 合成樹脂モノフィラメントまたはマルチ
フィラメントからなる芯層と、この芯層の表面に溶融被
覆した導電性の被覆層とから成り、被覆層を形成するポ
リマの融点A(℃)と、芯層を形成するポリマの融点B
(℃)が、A≦(B−20℃)の関係を満たす複層繊維
からなり、体積固有抵抗値が1000Ω・cm未満であ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性および真円性
に優れ、かつ線径斑の小さい導電性フィラメントとその
効率的な製造方法、および前記導電性フィラメントの工
業用織物やブラシなどに代表される用途に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】導電性フィラメントは様々な工業分野に
使用されており、例えば芯鞘複合型ポリエステルモノフ
ィラメントは、使用中の帯電による障害を防ぐことを目
的とした小麦粉などの粉体篩分けフィルター、布帛の乾
燥時や紙おむつや生理製品などサニタリー製品製造時に
水分や有機溶剤を乾燥させることを目的としたドライヤ
ーベルトおよび抄紙機のドライヤーカンバスなどの工業
用織物の経糸および/または緯糸の少なくとも一部、あ
るいはヘアブラシや工業用ブラシなどの用途に広く使用
されている。
【0003】従来の導電性フィラメントとしては、主原
料となるポリマチップと導電性のカーボンブラックを高
濃度にブレンドしたポリマ樹脂を混練して溶融押出し、
冷却、熱延伸してフィラメント化したもの、または鞘成
分もしくは芯成分の一部を導電性樹脂とする複合フィラ
メントが主として知られていた。
【0004】例えば、芯が芳香族ポリエステル/脂肪族
ポリエステル(混合重量比率80/20〜98/2)の
混合ポリマおよび導電性カーボンブラックとの混合物か
ら成り、鞘が芳香族ポリエステルから成る導電性複合繊
維が提案されている(特開昭56−85423号)。し
かし、この導電性複合繊維においては,鞘成分に導電性
カーボンブラックが存在しないため導電性が不十分であ
るばかりか、芯成分に対しカーボンブラックを実質的に
は20〜30重量%と多量に混合する必要があるため、
紡糸の際に紡糸口金孔周辺汚れが多発し、その結果コブ
糸や線径斑の発生という不具合が招かれ、さらには長時
間の安定した生産が困難になるという問題があった。
【0005】また、フィラメント断面外周部の回転対称
位置に導電性付与物質であるカーボンブラックを用いた
導電成分を点在させた複合構造を有する導電性複合繊維
(特開昭61−266615号)および高導電性カーボ
ンブラック4〜15重量%と、ブチレンテレフタレート
単位および/またはブチレンイソフタレート単位90〜
98%および脂肪族ジカルボン酸のジブチルエステル単
位10〜2重量%からなる共重合成分で構成される共重
合ポリエステル96〜85%重量との混合物から成る導
電性ポリエステルフィラメント(特開平6−63286
号)が提案されているが、これらはいずれも紡糸機で溶
融共押出した後に延伸されることによって、高導電性カ
ーボンブラックを含むポリマも延伸されるために、高導
電性カーボンブッラクの鎖状構造が破壊されて、十分な
導電性が得られないという問題があった。
【0006】さらに、繊維形成性熱可塑性重合体成分
と、導電性物質と熱可塑性重合体との混合物質成分とか
らなる複合繊維であって、導電性物質としてヨウ化銅微
粒子と体積抵抗値を100Ω・cm以下に調整した酸化
第IIスズで表面コーティングした導電性酸化チタン微粒
子との混合物を用いた導電性複合繊維(特開昭63−8
5113号)が提案されているが、この導電性複合繊維
の電気比抵抗値は高々106 Ω・cmのオーダーであ
り、上述した特開昭61−266615号などで得られ
る導電性フィラメントに比べても、十分な導電性を有す
るものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0008】したがって、本発明の目的は、導電性およ
び真円性に優れ、かつ線径斑の小さい導電性合成樹脂フ
ィラメントおよびその効率的な製造方法とその用途を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の導電性合成樹脂フィラメントは、合成樹
脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントからなる
芯層と、この芯層の表面に溶融被覆した導電性の被覆層
とから成り、前記被覆層を形成するポリマの融点A
(℃)と、前記芯層を形成するポリマの融点B(℃)
が、A≦(B−20℃)の関係を満たす複層繊維からな
り、フィラメントの抵抗値(Ω)×フィラメントの断面
積(cm2 )/抵抗値測定時の電極間距離(cm)で表
される体積固有抵抗値が1000Ω・cm未満であるこ
とを特徴とする。
【0010】なお、本発明の導電性合成樹脂フィラメン
トにおいては、前記体積固有抵抗値が500Ω・cm未
満であること、前記被覆層を形成するポリマの融点A
(℃)と、前記芯層を形成するポリマの融点B(℃)
が、A≦(B−30℃)の関係を満たす複層繊維からな
ること、レーザー外径測定機を用い、フィラメントを繊
維軸方向を軸として回転させて測定した最大直径D1
最小直径D2 から、下記式(I)によりRを求め、繊維
軸方向10箇所/100mについて測定したRの平均値
で示される真円度が90%以上であること、 R=[(1−2(D1 −D2 )/(D1 +D2 )]×100・・・(I) レーザー外径測定機により測定した糸長300mの線径
斑が5%以下であること、前記被覆層の全断面積に対し
占める割合が3〜50%であること、前記被覆層が、高
導電性カーボンブラック10〜30重量%と、前記A≦
(B−20℃)の関係を満たすポリマ90〜70重量%
との混合物からなること、および前記芯層の断面形状が
3葉状以上の異形断面で、その中心から山部までの距離
をR1 、谷部までの距離をR2 としたときに、R2 /R
1 の値で示される凹凸比が、下記式(II)の範囲を満た
すことが、いずれも好ましい条件として挙げられ、これ
らの条件を満たす場合にはさらに優れた効果の取得を基
体することができる。
【0011】0.5≦R2 /R1 <1.0・・・(II) そして、本発明の導電性合成樹脂フィラメントは、芯層
を形成するポリマを溶融押出、延伸してモノフィラメン
トまたはマルチフィラメントとなし、このフィラメント
の表面に導電性ポリマを溶融被覆して導電性の被覆層を
形成することにより、複層繊維となすことにより製造さ
れ、このようにして得られる本発明の導電性合成樹脂フ
ィラメントは、これを経糸および/または緯糸の少なく
とも一部に使用した工業用織物あるいはこれを少なくと
も一部に使用したブラシとしての用途に用いた場合に、
優れた静電防止効果を発揮する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する本
発明の導電性合成樹脂フィラメントは、合成樹脂モノフ
ィラメントまたはマルチフィラメントからなる芯層と、
この芯層の表面に溶融被覆した導電性の被覆層とから成
り、前記被覆層を形成するポリマの融点A(℃)と、前
記芯層を形成するポリマの融点B(℃)が、A≦(B−
20℃)の関係を満たす複層繊維からなり、フィラメン
トの抵抗値(Ω)×フィラメントの断面積(cm2 )/
抵抗値測定時の電極間距離(cm)で表される体積固有
抵抗値が1000Ω・cm未満、特に500Ω・cm未
満と、従来の導電性複合繊維に比較して極めて優れるも
のである。
【0013】すなわち、従来の高導電性カーボンブラッ
クを含むポリマ樹脂を主原料と混合して溶融押出し形成
された導電性繊維あるいは複合紡糸口金を使用して溶融
複合紡糸機で共押出された導電性モノフィラメントは、
延伸工程で高導電性カーボンブラックを含むポリマも延
伸されてポリマ分子が配向し、それに伴い高導電性カー
ボンブラックの鎖状構造が破壊されるため、導電性が低
下する問題があったが、本発明の導電性合成樹脂フィラ
メントにおいては、高導電性カーボンブラックを含むポ
リマ樹脂が無配向の状態で被覆層を形成するために、高
導電性カーボンブラックの鎖状構造が破壊されず、高導
電性カーボンブラックが持つ本来の導電性能を失うこと
なく、これをフィラメントに担持させることができ、そ
の結果従来よりも優れた導電性を発現することが可能と
なるのである。
【0014】また、本発明の導電性合成樹脂フィラメン
トは、レーザー外径測定機を用い、フィラメントを繊維
軸方向を軸として回転させて測定した最大直径D1 と最
小直径D2 から、上記式(I)によりRを求め、繊維軸
方向10箇所/100mについて測定したRの平均値で
示される真円度が90%以上と、真円性に極めて優れる
ものである.さらに、本発明の導電性合成樹脂フィラメ
ントは、レーザー外径測定機により測定した糸長300
mの線径斑が5%以下であり、線径斑が少なく、線径性
に極めて優れるものである。
【0015】そして、本発明の導電性合成樹脂フィラメ
ントは、小麦粉などの粉体篩分けフィルター、布帛の乾
燥時や紙おむつや生理製品などサニタリー製品の製造時
における繊維交絡点などの熱接着や、水分、有機溶剤な
どを乾燥させるために使用するドライヤーベルト、およ
び抄紙機のドライヤーカンバスなどの工業用織物の経糸
および/または緯糸の少なくとも一部、あるいはヘアブ
ラシや工業用ブラシなどの用途に使用された場合に、特
に優れた静電防止効果を発現する。
【0016】本発明の導電性合成樹脂フィラメントにお
いて、芯層を形成するポリマ樹脂については特に制限は
なく、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナ
イロン、6/66共重合体などのポリアミド樹脂または
その共重合体、ポリエチレンテレフタレート(以下、P
ETという)、ポリブチレンテレフタレート(以下、P
BTという)、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル
類またはその共重合体、ポリフッ化ビニリデン、エチレ
ン・テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン・ヘキサフルオロプロピレン・フッ化ビニリデ
ン共重合体などのフッ素樹脂類、ポリカーボネート類、
ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSという)、ポ
リスルホン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアリルエーテ
ルニトリル、液晶ポリエステルなどが挙げられる。
【0017】さらに、上記PETおよびPBTは、その
ジカルボン酸成分であるテレフタル酸の一部を、イソフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
ダイマー酸およびスルホン酸金属塩置換イソフタル酸な
どで置き換えたものであってもよく、またグリコール成
分であるエチレングリコールまたは1,4−ブタンジオ
ールの一部を、ジエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールおよびポリアルキレングリ
コールなどで置き換えたものであってもよい。
【0018】芯層を形成するモノフィラメントまたはマ
ルチフィラメントは、エクストルーダーのような混練押
出機、あるいはプレッシャーメルター型などの溶融紡糸
機を用いてポリマ樹脂を溶融押出し、冷却・熱延伸・熱
セットすることにより成形される。
【0019】なお、芯層がモノフィラメントの場合のモ
ノフィラメント断面直径は、用途によって適宜選択でき
るが、0.05〜3mmの範囲が最もよく使用され、ま
たマルチフィラメントの断面の場合は、これを撚糸とし
て使用することができる。
【0020】また、芯層を形成するモノフィラメントま
たはマルチフィラメントの単糸断面形状は、とくに限定
されるものではなく、例えば円形、正方形、扁平、楕円
形、半月状、三角形、5角以上の多角形、多葉状、繭型
および中空状などに形成することができるが、円形以外
の異形断面形状としては被覆層を形成する導電性ポリマ
樹脂の付着性を向上させるために、3葉状以上であるこ
とが好ましく、この場合にはさらに、単糸の中心から山
部までの距離をR1 、谷部までの距離をR2 としたと
き、凹凸比R2 /R1 が次式(II)の範囲を満たすこと
が好ましい。
【0021】0.5≦R2 /R1 <1.0・・・(II) さらに、次式(III )の範囲を満たすことが一層好まし
い。
【0022】 0.5≦R2 /R1 ≦0.8・・・(III ) また、ポリエチレンやポリプロピレンのような素材は、
無極性で結晶性が大きいために被覆層が付着しにくい。
よって、このようなポリマ樹脂を使用する場合には、溶
融被覆の前に、エネルギー線照射やプラズマ処理により
素材表面に極性基を導入するか、極性基を有するプライ
マーを塗布することによって付着性を確保することが望
ましい。
【0023】一方、被覆層を形成する導電性ポリマ樹脂
としては、カーボンブラックを高濃度にブレンドしたポ
リマ樹脂組成物が使用されるが、この被覆層を形成する
ポリマ樹脂の融点A(℃)と、前記芯層を形成するポリ
マ樹脂の融点B(℃)とは、A≦(B−20℃)の関係
を満たすこと、つまり芯層のポリマ樹脂の融点より20
℃以上低いことが必要である。その理由は、芯層のポリ
マ樹脂の融点に近いあるいはそれ以上の融点を有する溶
融状態の高導電性カーボンブラックを含むポリマ樹脂を
芯層のモノフィラメントまたはマルチフィラメントの表
面に被覆すると、芯層のフィラメントが軟化して、断面
形状の変形や線径斑の原因となるばかりか、溶解して糸
切れが発生するという好ましくない傾向となるためであ
る。さらに、溶融被覆をより安定した状態で行なうため
には、A≦(B−30℃)の関係を満たすことが一層好
ましい。
【0024】また、被覆層を形成するポリマ樹脂に含ま
れる高導電性カーブンブラックとは、DBP給油量(9
g法)が340ml/100g以上のカーボンブラック
をいう。このようなカーボンブラックとしては、ケッチ
ェン・ブラック・インターナショナル社製“ケッチェン
ブラック”(商標)ECや“ケッチェンブラック”(商
標)EC600JD などが知られている。その他アセチレンブ
ラックも知られている。
【0025】本発明の導電性モノフィラメントは、ポリ
マ樹脂を溶融押出し、冷却・熱延伸・熱セット処理した
芯層のモノフィラメントまたはマルチフィラメントの表
面に、高導電性カーボンブラックを含むポリマ樹脂を溶
融被覆することにより形成されるため、被覆層のポリマ
樹脂組成物としては、高導電性カーボンブラックを10
〜30重量%の高濃度で含有するものを使用することが
でき、高導電性ポリマ樹脂が占める体積が小さくても優
れた導電性を発現し、さらに真円性や線径斑の優れたフ
ィラメントが得られる。しかし、それ以下のカーホンブ
ラック濃度では十分な導電性が得られず、またそれ以上
のカーボンブラック濃度ではポリマ樹脂の流動性が著し
く低下し、被覆する際のダイで異常昇圧が発生する恐れ
が生じる。
【0026】なお、高導電性カーボンブラックを含むポ
リマ樹脂は、公知の方法、例えば2軸混練押出機やドウ
ミキサーなどで加熱下に混練することにより得ることが
できる。
【0027】本発明の導電性フィラメントを製造するに
際し、芯層を形成するモノフィラメントまたはマルチフ
ィラメントの製造には何等特殊な方法を必要とせず、公
知の紡糸方法で行うことができる。そして、熱延伸、熱
セット処理され成形されたモノフィラメントまたはマル
チフィラメントの表面には、コーティング装置により導
電性カーボンブラックを含むポリマ樹脂が溶融被覆され
る。溶融被覆装置には、被覆されたポリマ樹脂の肉厚や
外径の測定を行い、その結果をフィードバックして自動
制御する外径検出器や、一定の速度と張力で送り出す送
出機やダンサローラーが装備されていることが望まし
い。
【0028】かくして得られる導電性フィラメントにお
いては、被覆層の全断面積に対し占める割合が3〜50
%であり、芯層の全断面積に対し占める割合が97〜5
0%であることが必要である。被覆層の断面積比率が大
きくなると、導電性は向上するものの、糸の強度が低下
するばかりか、被覆層が肉厚になり線径斑が大きくなる
ため好ましくない。一方、断面積比率が小さいと、導電
性が低下する傾向となるため好ましくない。したがっ
て、優れた導電性、強度、真円性および線径斑を兼備さ
せるためには、被覆層の全断面積に対し占める割合を5
〜30%、芯層の全断面積に対し占める割合を95〜7
0%とすることが好ましい。
【0029】このような構成からなる本発明の導電性合
成樹脂フィラメントは、線径斑が小さく、例えば工業用
織物として使用した場合に、織り斑がなく平面平滑性の
優れた織物が得られる。
【0030】また、本発明の導電性合成樹脂フィラメン
トの引張強度は、糸の用途により異なるが、工業用織物
として使用される場合には、特に3.0cN/dtex
以上であることが好ましい。
【0031】以上説明したように、本発明の導電性合成
樹脂フィラメントは、工業用織物として十分な糸物性を
持ち、特に高導電性カーボンブラックが持つ本来の導電
性を失うことなくフィラメントに担持させることがで
き、その体積固有抵抗値は1000Ω・cm未満、さら
に500Ω・cm未満に達し、優れた導電性を発揮す
る。また、被覆層が芯層の表面に薄く溶融被覆されるた
め、優れた導電性、真円性、線径斑および物理的特性を
兼備したものとなる。
【0032】そして、本発明の導電性合成樹脂フィラメ
ントは、上記の特性を生かして、小麦粉などの粉体篩分
けフィルター、布帛の乾燥、紙おむつや生理製品などサ
ニタリー製品製造時に水分や有機溶剤を乾燥させるドラ
イヤーベルト、および抄紙機のドライヤーカンバスなど
の工業用織物の経糸および/または緯糸の少なくとも一
部、あるいはヘアブラシや工業用ブラシなどの各用途に
使用された場合には、特に優れた静電防止効果を発現す
る。
【0033】また、本発明の導電性合成樹脂フィラメン
トの製造方法によれば、芯層を形成するモノフィラメン
トまたはマルチフィラメントの製造には何ら特殊な方法
を必要とせず、芯層の表面にコーティング装置などによ
り導電性カーボンブラックを含むポリマ樹脂を溶融被覆
して被覆層を形成するのみで、上記の特性を有する導電
性合成樹脂フィラメントを効率的に製造することができ
る。
【0034】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。まず、本実施例および比較例で行った各物性評価
方法について説明する。 [ポリマ樹脂の融点]JIS−K7121に準じて示差
走査熱量測定(DSC)により測定した。 [体積固有抵抗値]東亜電波工業(株)製、極超絶縁計
SM−10型を使用して測定した。導電性合成樹脂フィ
ラメント試料5cmの両端にドータイトを塗り1時間乾
燥させる。その後、試料の両端を電気抵抗の極めて低い
クリンプ(電極)で十分把持し、印加して糸の抵抗値を
測定し、次の計算式により体積固有抵抗値を求めた。な
お、測定時の周囲条件は温度20℃、湿度65%とし
た。
【0035】体積固有抵抗値(Ω・cm)=測定抵抗値
(Ω)×糸の断面積(cm2 )/電極間距離(cm) [真円度%]アンリツ(株)製レーザー外径測定器KL
−151Aを使用した。導電性合成樹脂フィラメント試
料を繊維軸方向を軸として回転させ、測定した最大直径
1と最小直径D2 を用いて値Rを式(I)で求め、繊維
軸方向10個所/100mのRの平均値を真円度%とし
た。
【0036】 R=[1−2(D1 −D2 )/(D1 +D2 )]×100・・・(I) [線径斑]アンリツ(株)製レーザー外径測定器KL−
151Aを使用した。導電性合成樹脂フィラメント試料
300mを30m/分の速度で測定し、測定した最大直
径と最小直径の差ΔDを平均直径で割り、百分率で表し
た。 [断面積比および凹凸比]導電性合成樹脂フィラメント
試料をミクロトームで厚さ15μmに輪切りにし、その
切片の断面を(株)KEYENCE製デジタルHDマイ
クロスコープVH−7000の面積測定機能を使用して
測定した。真円や多角形以外の断面形状で、楕円形、半
月状、多葉状、繭型など少なくとも一部に曲線部や複雑
な形状を有する異形断面の面積は三十角形以上の多角形
に近似して求めた。 [静電電位]春日電機(株)製、デジタル静電電位測定
器KSD−0103を使用し、400m/分で走行する
ドライヤーベルトから10cm、ブラシから2cmの位
置における静電電位を測定した。
【0037】[実施例1]6ナイロン(東レ(株)製、
M1021T、融点:222℃…以下、N6という)
を、6.7×102 Pa以下の減圧下、120℃で10
時間乾燥し、N6:80.0重量%と、カーボンブラッ
ク(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製
“ケッチェンブラックTMEC”…以下CBという):2
0.0重量%を混合した後、ベントを有する径37m
m、L/Dが38.9、同方向回転完全噛合型の2軸混
練押出機(東芝機械社製、TEM35B)に供給し、混
練・押出し・冷却・カッティングを行って、導電性N6
樹脂組成物(ペレット)を得た。次いで、この樹脂組成
物を、6.7×102 Pa以下の減圧下、120℃で1
0時間乾燥し、コーティング用樹脂として使用した。
【0038】一方、PET樹脂(東レ(株)製、T70
1T、融点:257℃)を、40mmφエクストルーダ
溶融紡糸機で溶融押出して70℃の温水で冷却固化した
後、180℃の熱風浴中で5.0倍に延伸し、直径50
0μmのモノフィラメントを成型して芯層とした。
【0039】その後、(株)プラ技研製横型成型装置H
T−65Cを使用し、芯層に上記導電性N6樹脂組成物
を溶融コーティングすることにより、直径550μmの
導電性合成樹脂モノフィラメントを成型した。その物性
測定結果を表1に示す。
【0040】[実施例2]PPS樹脂(東レ(株)製、
E2080、融点:285℃)を、40mmφエクスト
ルーダ溶融紡糸機で溶融押出して、85℃の温水で冷却
固化した後、101℃のスチーム浴および160℃の熱
風浴中で4.5倍に延伸し、直径500μmのモノフィ
ラメントを成型して芯層とした。
【0041】これに実施例1で得られた導電性N6樹脂
組成物を溶融コーティングすることにより、直径550
μmの導電性合成樹脂モノフィラメントを成型した。そ
の物性測定結果を表1に示す。
【0042】[実施例3]N6(東レ(株)製、M10
21T、融点222℃)を、40mmφエクストルーダ
溶融紡糸機で溶融押出して20℃の水で冷却固化した
後、60℃温水浴および120℃の熱風浴中で4.5倍
に延伸し、直径300μmのモノフィラメントを成型し
て芯層とした。
【0043】また、ポリプロピレン樹脂(チッソ(株)
製、チッソポリプロA5014、融点:170℃…以
下、PPという)に、CBを20.0重量%を添加して
ベントを有する径37mm、L/Dが38.9、同方向
回転完全噛合型の2軸混練押出機(東芝機械社製、TE
M35B)に供給し、混練・押出し・冷却・カッティン
グを行って、導電性PP樹脂組成物を得た。
【0044】この導電性PP樹脂組成物を、実施例1に
記載する方法で調製してコーティング用樹脂とした。こ
れを上記芯層に溶融コーティングすることにより、直径
330μmの導電性合成樹脂モノフィラメントを成型し
た。その物性測定結果を表1に示す。
【0045】[実施例4]凹凸比R2 /R1 が0.7
(R1 =500μm)の8葉状のPET樹脂(東レ
(株)製、T701T、融点257℃)モノフィラメン
トを、実施例1に記載する方法で成型して芯層とした。
これに実施例1で得られた導電性N6樹脂組成物を溶融
コーティングすることにより、直径550μmの導電性
合成樹脂モノフィラメントを成型した。その物性測定結
果を表2に示す。
【0046】[実施例5]凹凸比R2 /R1 が0.8
(R1 =500μm)の10葉状のPET樹脂(東レ
(株)製、T701T、融点257℃)モノフィラメン
トを、実施例1に記載した方法で成型して芯層とした。
これに導電性カーボンを9重量%含むテトラフルオロエ
チレン・ヘキサフルオロプロピレン・フッ化ビニリデン
共重合体(住友スリーエム(株)製、THV−510G
ESD、融点165℃…以下、THVという)を溶融コ
ーティングすることにより、直径550μmの導電性合
成樹脂モノフィラメントを成型した。その物性測定結果
を表2に示す。
【0047】[実施例6]PBT樹脂(東レ(株)製、
M1100S、融点220℃)に、CBを20.0重量
%添加して、ベントを有する径37mm、L/Dが3
8.9、同方向回転完全噛合型の2軸混練押出機(東芝
機械社製、TEM35B)に供給し、混練・押出し・冷
却・カッティングを行って、導電性PBT樹脂組成物
(ペレット)を得た。
【0048】この導電性PBT樹脂組成物をコーティン
グ用樹脂として使用し、実施例1で芯層として使用した
PETモノフィラメントに溶融コーティングすることに
より、直径550μmの導電性合成樹脂モノフィラメン
トを成型した。その物性測定結果を表1に示す。
【0049】[実施例7]高分子量飽和共重合ポリエス
テル樹脂(東レ(株)製、ケミット Q−1500、融
点170℃)に、CBを20.0重量%添加して、ベン
トを有する径37mm、L/Dが38.9、同方向回転
完全噛合型の2軸混練押出機(東芝機械社製、TEM3
5B)に供給し、混練・押出し・冷却・カッティングを
行って、導電性共重合ポリエステル樹脂組成物(ペレッ
ト)を得た。
【0050】この導電性共重合ポリエステル樹脂組成物
をコーティング用樹脂として使用し、実施例1で芯層と
して使用したPETモノフィラメントに溶融コーティン
グすることにより、直径550μmの導電性合成樹脂モ
ノフィラメントを成型した。その物性測定結果を表1に
示す。
【0051】[実施例8]CBの添加量を30.0重量
%とした導電性PET樹脂組成物を、実施例1に記載す
る方法で調整し、これを実施例1に記載する方法で得ら
れたPET樹脂モノフィラメントに溶融コーティングす
ることにより、直径510μmの導電性合成樹脂モノフ
ィラメントを成型した。その物性測定結果を表1に示
す。
【0052】[実施例9]凹凸比R2 /R1 が0.6
(R1 =500μm)の5葉状のPET樹脂(東レ
(株)製、T701T、融点257℃)モノフィラメン
トを、実施例1に記載する方法で成型してこれを芯層と
した。
【0053】一方、CBの添加量を10.0重量%とし
た導電性PET樹脂組成物を、実施例1に記載した方法
で調整し、これを上記芯層に溶融コーティングすること
により、直径600μmの導電性合成樹脂モノフィラメ
ントを成型した。その物性測定結果を表2に示す。
【0054】[実施例10]1400dtexの66ナ
イロン(東レ(株)製、M3001、融点263℃…以
下、N66という)のマルチフィラメントを、642t
/127cmで下撚りし、更に下撚りした2本を323
t/127cmで上撚りして相当直径590μmの撚糸
を作り、これを芯層にして、実施例1に記載した導電性
N6樹脂組成物を溶融コーティングすることにより、直
径650μmの導電性撚糸を成型した。その物性測定結
果を表1に示す。
【0055】[比較例1]N66樹脂(東レ(株)製、
M3001、融点263℃)にCBを20.0重量%を
添加し、ベントを有する径37mm、L/Dが38.
9、同方向回転完全噛合型の2軸混練押出機(東芝機械
社製、TEM35B)に供給し、混練・押出し・冷却・
カッティングを行って、導電性N66樹脂組成物を得
た。次いで、この樹脂組成物を6.7×102 Pa以下
の減圧下、100℃で17時間乾燥し、コーティング用
樹脂として使用した。
【0056】一方、芯層は実施例1に記載のPET樹脂
モノフィラメントとし、これに上記導電性N66樹脂組
成物を溶融コーティングすることにより、導電性合成樹
脂モノフィラメントの成型を行った。
【0057】その結果、コーティング工程で芯層のPE
T樹脂が軟化して線径斑や糸切れが多発し、安定したコ
ーティングができなかった。
【0058】[比較例2]6.7×102 Pa以下の減
圧下、150℃で8時間乾燥したPET樹脂(東レ
(株)製、T701T、融点257℃)80.0重量%
にCB20.0重量%を添加し、ベントを有する径37
mm、L/Dが38.9、同方向回転完全噛合型の2軸
混練押出機(東芝機械社製、TEM35B)に供給し、
混練・押出し・冷却・カッティングを行って、導電性P
ET脂組成物を得た。次いで、この樹脂組成物を減圧
下、130℃で10時間乾燥した。
【0059】次に、PET樹脂(東レ(株)製、T70
1T、融点257℃)と、上記で調製した導電性PET
樹脂組成物とを10:1の重量比で混合し、40mmφ
エクストルーダ型混練溶融紡糸機で溶融押出して70℃
の温水で冷却固化した後、180℃の熱風浴中で5.0
倍に延伸し、直径550μmの導電性合成樹脂モノフィ
ラメントを成型した。その物性測定結果を表1に示す。
【0060】[比較例3]芯層としてPET樹脂(東レ
(株)製、T701T、融点257℃)を、鞘層として
比較例2で得られた導電性PET樹脂組成物を、それぞ
れ使用し、エクストルーダ型複合溶融紡糸機で溶融共押
出して70℃の温水で冷却固化した後、180℃の熱風
浴中で5.0倍に延伸し、芯層の直径500μm、鞘層
の厚さが50μmの導電性合成樹脂芯鞘複合モノフィラ
メントを成型した。その物性測定結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】 [実施例11、比較例4、5]工業用織物の例として、
実施例4、比較例2および3で得られた各導電性合成樹
脂モノフィラメントを、4本中1本の割合で緯糸の一部
に使用して平織りの織物(密度:20/20(本/イン
チ)を作成した。それぞれの織物をドライヤーベルトと
して走行中の静電電位を測定した結果、実施例4の導電
性合成樹脂モノフィラメントを使用した織物(実施例1
1)の静電電位は6.1kVと優れていたのに対し、比
較例2の導電性合成樹脂モノフィラメントを使用した織
物(比較例4)の静電電位は60.0kV、比較例3の
導電性合成樹脂モノフィラメントを使用した織物(比較
例5)の静電電位は48.2kVと、いずれも劣ってい
た。
【0063】[実施例12、比較例6、7]ブラシの例
として、実施例4、比較例2および3で得られた各導電
性合成樹脂モノフィラメントを、手動式植毛機を使用し
て耐熱性ABS樹脂製本体(柄)の直径1.5mmの穴
部に4本中2本の割合で植毛した。それぞれのブラシに
ついて、各20回のブラッシングを行なった場合の静電
電位を評価した結果、実施例4の導電性合成樹脂モノフ
ィラメントを使用したブラシ(実施例12)の静電電位
は0.7kVと優れていたのに対し、比較例2の導電性
合成樹脂モノフィラメントを使用したブラシ(比較例
6)の静電電位は20.1kV、比較例3の導電性合成
樹脂モノフィラメントを使用したブラシ(比較例7)の
静電電位は18.3kVと、いずれも劣っていた。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電性合
成樹脂フィラメントは、工業用織物として十分な糸物性
を持ち、特に高導電性カーボンブラックが持つ本来の導
電性を失うことなくモノフィラメントに担持させること
ができ、その体積固有抵抗値は1000Ω・cm未満、
さらに500Ω・cm未満に達し、優れた導電性を発揮
する。また、被覆層が芯層の表面に薄く溶融被覆される
ため、優れた導電性、真円性、線径斑および物理的特性
を兼備したものとなる。
【0065】そして、本発明の導電性合成樹脂フィラメ
ントは、上記の特性を生かして、小麦粉などの粉体篩分
けフィルター、布帛の乾燥、紙おむつや生理製品などサ
ニタリー製品製造時における繊維交絡点などの熱接着
や、水分、有機溶剤を乾燥させるドライヤーベルト、お
よび抄紙機のドライヤーカンバスなどの工業用織物の経
糸および/または緯糸の少なくとも一部、あるいはヘア
ブラシや工業用ブラシなどに使用した場合には、特に優
れた静電防止効果を発現する。
【0066】また、本発明の導電性合成樹脂フィラメン
トの製造方法によれば、芯層を形成するモノフィラメン
トまたはマルチフィラメントの製造には何ら特殊な方法
を必要とせず、芯層の表面にコーティング装置などによ
り導電性カーボンブラックを含むポリマ樹脂を溶融被覆
して被覆層を形成するのみで、上記の特性を有する導電
性合成樹脂フィラメントを効率的に製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 15/59 D06M 11/00 Z Fターム(参考) 4L031 AA18 AB04 AB05 BA02 BA33 DA15 4L033 AA07 AA08 AB01 AB03 AC06 CA14 CA17 CA45 CA55 4L036 MA04 MA05 MA06 MA34 MA39 PA03 RA24 UA06 4L048 AA21 AA24 AA37 AA46 AA47 AA52 AB10 AB19 AC13 CA05 DA24

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂モノフィラメントまたはマルチ
    フィラメントからなる芯層と、この芯層の表面に溶融被
    覆した導電性の被覆層とから成り、前記被覆層を形成す
    るポリマの融点A(℃)と、前記芯層を形成するポリマ
    の融点B(℃)が、A≦(B−20℃)の関係を満たす
    複層繊維からなり、フィラメントの抵抗値(Ω)×フィ
    ラメントの断面積(cm2 )/抵抗値測定時の電極間距
    離(cm)で表される体積固有抵抗値が1000Ω・c
    m未満であることを特徴とする導電性合成樹脂フィラメ
    ント。
  2. 【請求項2】 前記体積固有抵抗値が500Ω・cm未
    満であることを特徴とする請求項1に記載の導電性合成
    樹脂フィラメント。
  3. 【請求項3】 前記被覆層を形成するポリマの融点A
    (℃)と、前記芯層を形成するポリマの融点B(℃)
    が、A≦(B−30℃)の関係を満たす複層繊維からな
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性合
    成樹脂フィラメント。
  4. 【請求項4】 レーザー外径測定機を用い、フィラメン
    トを繊維軸方向を軸として回転させて測定した最大直径
    1 と最小直径D2 から、下記式(I)によりRを求
    め、繊維軸方向10箇所/100mについて測定したR
    の平均値で示される真円度が90%以上であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性合
    成樹脂フィラメント。 R=[(1−2(D1 −D2 )/(D1 +D2 )]×100・・・(I)
  5. 【請求項5】 レーザー外径測定機により測定した糸長
    300mの線径斑が5%以下であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性合成樹脂フィ
    ラメント。
  6. 【請求項6】 前記被覆層の全断面積に対し占める割合
    が3〜50%であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の導電性合成樹脂フィラメント。
  7. 【請求項7】 前記被覆層が、高導電性カーボンブラッ
    ク10〜30重量%と、前記A≦(B−20℃)の関係
    を満たすポリマ90〜70重量%との混合物からなるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の導
    電性合成樹脂フィラメント。
  8. 【請求項8】 前記芯層の断面形状が3葉状以上の異形
    断面で、その中心から山部までの距離をR1 、谷部まで
    の距離をR2 としたときに、R2 /R1 の値で示される
    凹凸比が、下記式(II)の範囲を満たすことを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性合成樹脂
    フィラメント。 0.5≦R2 /R1 <1.0・・・(II)
  9. 【請求項9】 芯層を形成するポリマを溶融押出、延伸
    してモノフィラメントまたはマルチフィラメントとな
    し、このフィラメントの表面に導電性ポリマを溶融被覆
    して導電性の被覆層を形成することにより、複層繊維と
    なすことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記
    載の導電性合成樹脂フィラメントの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    導電性フィラメントを経糸および/または緯糸の少なく
    とも一部に使用した工業用織物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    導電性フィラメントを少なくとも一部に使用したブラ
    シ。
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