JP2002338964A - 難燃性付与用複合材料、難燃性付与用複合材料の製造方法、及び難燃性高分子複合材料 - Google Patents

難燃性付与用複合材料、難燃性付与用複合材料の製造方法、及び難燃性高分子複合材料

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JP2002338964A
JP2002338964A JP2001144121A JP2001144121A JP2002338964A JP 2002338964 A JP2002338964 A JP 2002338964A JP 2001144121 A JP2001144121 A JP 2001144121A JP 2001144121 A JP2001144121 A JP 2001144121A JP 2002338964 A JP2002338964 A JP 2002338964A
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composite
flame
flame retardancy
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Hideo Nakajima
秀雄 中島
Yoshifumi Yoshida
宜史 吉田
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Ishizuka Glass Co Ltd
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Ishizuka Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低添加量で高い難燃性付与が可能であるとと
もに、生産時や燃焼時に有害物質が発生しないエコロジ
カルな難燃性付与用複合材料を安価に提供することを課
題とする。 【解決手段】 難燃性付与用複合材料5は、担持材料粒
子1と、加熱によりガラス質セラミックスを生じるガラ
ス前駆体組成物2が担持材料粒子1に被膜された構成の
複合材料10とを含んで構成されている。このような難
燃性付与用複合材料5を、例えば高分子材料等からなる
難燃性付与対象材料に複合(添加)して、該難燃性付与
対象材料に高い難燃性を付与することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂等から構成さ
れる材料に対し高い難燃性を付与することが可能な難燃
性付与用複合材料、難燃性付与用複合材料の製造方法、
及び難燃性高分子複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂材料は、化学的、物理的に優れた性
能を有し、成形性及び加工性にも優れていることによ
り、広範囲な分野で使用され、需要が伸びているが、殆
どの樹脂材料は燃えやすいのが大きな欠点であるため、
その使用が制限されており、樹脂材料の難燃化が望まれ
ている。
【0003】樹脂材料を難燃化するための難燃剤として
は、ハロゲン系難燃剤が主流であるが、ハロゲン系難燃
剤から発生するダイオキシンやフランの問題から環境保
護上好ましくなく、エコロジカルな難燃剤の開発、実用
化が望まれている。ノンハロゲン系のリン系難燃剤もリ
ンの水素化物であるホスフィンが発生し、好ましくな
い。
【0004】また、水酸化アルミニウムや水酸化マグネ
シウム等の無機系難燃剤があり、水酸化アルミニウムは
低有害性、低発煙性、電気絶縁性も良好、しかも低コス
トであるため難燃剤の中では需要量も多い。しかし、問
題点として機械的性質、耐水性の低下、多量(150部
以上)配合するためのコンパウンドの粘度上昇、400
℃以上の高温での難燃効果が低いこと、あるいは成形加
工温度が高い樹脂の加工時に脱水発泡し易い等がある。
【0005】また、水酸化マグネシウムは水酸化アルミ
ニウムと同様の難燃効果があり、水酸化アルミニウムの
欠点である樹脂の加工温度での脱水発泡がないが、酸に
対して弱く、湿度の高い条件では空気中の炭酸ガスと反
応して炭酸マグネシウムが生成して白化したり、コスト
が水酸化アルミニウムに比べ高い等の欠点がある。な
お、これらの無機系難燃剤は単独では難燃効果が小さい
ため、他の難燃剤との併用が必要でもある。この他、ガ
ラス系難燃剤として低融点ガラスを用いたものがある
が、製造工程が複雑で、樹脂への添加量も多く必要であ
り、製造コストも高く、また耐水性にも問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決して、低添加量で高い難燃性付与が可能
であるとともに、生産時や燃焼時に有害物質が発生しな
いエコロジカルな難燃性付与用複合材料を安価に提供す
ることを課題とする。また、その難燃性付与用複合材料
に適する製造方法、さらには難燃性付与用複合材料を含
む難燃性高分子複合材料を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために、本発明の難燃性付与用複合材料は、
難燃性付与の対象物中に分散させるか又は表面に定着さ
せることにより当該対象物に難燃性を付与するために使
用され、加熱によりガラス質セラミックスを生ずるガラ
ス前駆体組成物を担持材料粒子に複合化させた複合粒子
と、前記担持材料粒子との混合物として構成されている
ことを特徴とする。なお、本発明で言う対象物中への分
散は、固相状態での分散、又は対象物と該難燃性付与用
複合材料が相溶した状態の分散を含むものとする。
【0008】このように担持材料粒子(単体)と、該担
持材料粒子にガラス前駆体組成物が複合化された構成の
複合粒子とを含む難燃性付与用複合材料は、樹脂等の難
燃性付与対象材料に対して混入ないしコーティング等に
より複合(添加)することができる。この場合、例えば
難燃性付与対象材料に高熱(例えば500℃以上)が付
与された場合に、その高熱により難燃性付与用複合粒子
中の上記ガラス前駆体組成物がガラス質セラミックスを
生じ、そのガラス質セラミックスが保護膜となって、難
燃性付与対象材料に対して高い難燃性を付与することが
可能となる。また、ガラス前駆体組成物と担持材料粒子
の組成比を、複合粒子に対して混合する担持材料粒子の
量を調整することで、容易に変化させることが可能とな
り得る。さらに、例えば担持材料粒子にガラス前駆体組
成物を複合化した複合粒子を単独で難燃性付与用組成物
として用いる場合に比べて、同じ量(担持材料粒子とガ
ラス前駆体組成物がそれぞれ同量となるもの)を生産す
るに要する生産設備サイズが小さくて済むようになり得
る。具体的には、1/10〜1/5の規模で生産するこ
とが可能となり得る。また、ガラス前駆体組成物を担持
材料粒子に複合させる構成としたために、ガラス前駆体
組成物を難燃性付与用に供しやすくなる。すなわち、該
ガラス前駆体組成物を単独で使用する場合は、製造工程
において当該ガラス前駆体組成物の乾燥回収時に製造装
置に付着する等の問題により製造困難な場合があった
が、担持材料粒子に担持した形で回収するものとしたた
めに製造効率が向上し得る。なお、難燃性付与用複合材
料は、難燃性付与対象材料中に分散させたり、難燃性付
与対象材料表面に定着させたりすることで、難燃性を付
与させることが可能である。また、本発明の難燃性付与
用複合材料は、上記複合粒子と、上記担持材料粒子とは
異なる難燃材料粒子との混合物として構成することも可
能である。
【0009】上記ガラス前駆体組成物や担持材料粒子
は、例えば不純物成分等の形で不可避的に混入するもの
を除いて、塩素あるいはフッ素等のハロゲン成分を含有
しないものとして構成することもできる。これにより、
高熱付加時に従来のような有害ガスを発生しないためエ
コロジカルな難燃性材料となる。
【0010】上記ガラス前駆体組成物は珪素成分及び/
又は金属成分と酸素とを含有するものであり、加熱によ
り生ずるガラス質セラミックスは、珪素及び/又は金属
の酸化物を主体とするものとすることができる。珪素成
分及び/又は金属成分は、加熱により酸化されてガラス
質セラミックスを生じやすく、また、生成された珪素及
び/又は金属の酸化物を主体とするガラス質セラミック
スは耐熱性が高いため、本発明の構成成分たる複合粒子
のガラス前駆体組成物として珪素成分及び/又は金属成
分と酸素とを含有するものが特に適している。このよう
なガラス前駆体組成物を含有する複合粒子と、担持材料
粒子との混合物として構成される難燃性付与用複合材料
を複合(添加)した難燃性付与対象材料には、ガラス質
セラミックスの高い耐熱性により一層高い難燃性が付与
されることとなる。なお、金属成分としては、例えばT
i、Cu、Al、Zn、Ni及びZr、あるいはその他
の遷移金属元素の1種又は2種以上を採用することがで
きる。また、上記のようなガラス質セラミックスは、初
めから化合物の一部をなすものとして存在していてもよ
いし、化合物の一部又は全部が加熱されたときにガラス
質セラミックスに転化する形態でもよい。
【0011】また、上記ガラス前駆体組成物は、炭素成
分を含むものとすることができる。炭素成分を含む場
合、例えば難燃性付与対象材料として樹脂を用いた場合
に、当該難燃性付与用複合材料を難燃性付与対象材料に
複合させる際のなじみ性(親和性)を向上させ、難燃性
付与対象材料に対して難燃性付与用複合材料を均一に分
散させることが可能となる他、例えば難燃性付与対象材
料を成形する際の成形性等も向上させることが可能であ
る。
【0012】一方、本発明の難燃性付与用複合材料は、
その異なる構成として、難燃性付与の対象物中に分散さ
せるか又は表面に定着させることにより当該対象物に難
燃性を付与するために使用され、含窒素化合物を担持材
料粒子に複合化させた複合粒子と、前記担持材料粒子又
は前記担持材料粒子とは異なる難燃材料粒子との混合物
として構成されていることを特徴とする。この場合も、
担持材料粒子(単体)又は難燃材料粒子と、担持材料粒
子に含窒素化合物が複合化された構成の複合粒子とを含
む難燃性付与用複合材料は、樹脂等の難燃性付与対象材
料に対して混入ないしコーティング等により複合(添
加)することができる。この場合、例えば難燃性付与対
象材料に高熱(例えば500℃以上)が付与された場合
に、その高熱により含窒素化合物が分解して生成する窒
素含有の燃焼阻害性気体による難燃性の効果により、難
燃性付与対象材料に対して高い難燃性を付与することが
可能となる。また、特に非金属性の含窒素化合物(非金
属性含窒素化合物)を含む場合、難燃性付与対象材料と
しての樹脂が難燃性付与用複合材料の添加により変色す
る等の問題も解消される。したがって、例えば樹脂等を
含む難燃性付与対象材料に対して着色を行う場合にも、
所望の色調に簡便に着色することが可能となり得る。ま
た、例えば樹脂等を含む難燃性付与対象材料を成形した
場合、成形後の材料が変色する問題が生じる場合があっ
たが、本発明の難燃性付与用複合材料を用いることによ
り該問題が解消され、成形時の変色が生じ難くなる。非
金属性含窒素化合物としては、例えば硝酸アンモニウム
等の非金属性硝酸化合物及び/又は非金属性亜硝酸化合
物を用いるのが良い。さらに、これら含窒素化合物と担
持材料粒子の組成比を、複合粒子に対して混合する担持
材料粒子の量を調整することで、容易に変化させること
が可能となり得る。また、例えば担持材料粒子に含窒素
化合物を複合化した複合粒子を単独で難燃性付与用組成
物として用いる場合に比べて、同じ量(担持材料粒子と
含窒素化合物がそれぞれ同量となるもの)を生産するに
要する生産設備サイズが小さくて済むようになり得る。
具体的には、1/10〜1/5の規模で生産することが
可能となり得る。
【0013】次に、本発明の難燃性付与用複合材料は、
加熱により燃焼阻害性気体を分解生成するものとするこ
とができる。この場合、難燃性付与対象材料に高熱が付
与された場合に、燃焼阻害性気体が発生し、該燃焼阻害
性気体が難燃性付与対象材料への難燃効果をさらに向上
させる。この難燃性向上は、燃焼阻害性気体により燃焼
のための酸素が、難燃性付与対象材料付近において相対
的に減少するためであると推測される。
【0014】具体的に、燃焼阻害性気体としては、窒
素、硫黄及び炭素の1種又は2種以上を含有するものが
生成されるものとすることができる。この場合、例えば
窒素含有ガスとしてはNガスやNOガス、NOガ
ス、硫黄含有ガスとしてはSOガス、炭素含有ガスと
してはCOガス等が発生し、それらが難燃性付与対象
材料への難燃効果をさらに向上させる。
【0015】本発明の難燃性付与用複合材料の平均粒径
は、0.05〜500μmとするのがよい。平均粒径が
0.05μm未満の場合、当該難燃性付与用複合材料の
製造が困難になる場合がある他、難燃性付与対象材料へ
複合(添加)した場合に偏在が生じて複合(添加)を均
一にできない場合があるため、難燃性付与効果が低下し
たり、難燃性付与対象材料の性能が特にその偏在領域に
おいて低下したりする場合がある。また、500μmを
超える場合、複合(添加)した粒子の分布が不均一にな
る場合がある他、難燃性付与対象材料の特性、例えば樹
脂であれば流動性等の性質が低下したり、難燃性付与対
象材料が外観不良を起こしたりする場合がある。なお、
平均粒径の測定は、例えばレーザー回折式粒度計を用い
ることができる。この場合、レーザー回折式粒度計によ
る測定では、入射レーザー光の凝集粒子による回折挙動
と、孤立した一次粒子による回折挙動とで大きな差異を
生じないため、測定された粒径が、一次粒子単体で存在
するものの粒径なのか、あるいはこれが凝集した二次粒
子の粒径なのかが互いに区別されない。したがって、該
方法で測定した平均粒径は、凝集を起こしていない孤立
した一次粒子も広義に含めた二次粒子の平均粒径を反映
した値となる。
【0016】上記担持材料粒子は、難燃材料粒子とする
ことができる。この場合、上述したガラス前駆体組成物
が加熱によりガラス質セラミックスを生じることによる
難燃性付与効果に加えて、担持材料粒子としての難燃材
料粒子の難燃効果も加わるため、難燃性付与用複合材料
の難燃性付与対象材料への難燃性付与効果が一層向上す
る。
【0017】このような難燃材料粒子としては、例え
ば、エコロジカルなノンハロゲン系難燃材料である水和
金属化合物、白雲母、金雲母、黒雲母、絹雲母等の雲母
類、カオリン、滑石、沸石、ホウ砂、ダイアスポア、石
膏等の鉱物類、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、
二酸化珪素等の金属酸化物、炭酸カルシウム等の金属化
合物、赤燐、ポリリン酸アンモニウム等のリン系化合
物、窒素系化合物等に代表される無機系難燃材料粒子
(無機材料系粒子)、及びリン系、シリコーン系、窒素
系の有機系難燃材料粒子、さらには金属粉末粒子(金属
材料系粒子)等を用いることができる。なお、樹脂への
添加性、難燃効果、コスト等の面において、無機系難燃
材料粒子を用いることが最も好ましい。特に、無機材料
系粒子としては、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネ
シウムの少なくともいずれかを主成分とするものを使用
すると、難燃性付与効果が一層高まる。
【0018】上記難燃材料粒子は、例えば平均粒径0.
05〜100μmのものを用いることができる。平均粒
径が上記下限値未満の場合、製造が困難になる場合があ
る他、難燃性付与対象材料へ複合(添加)した場合に偏
在が生じ、複合(添加)を均一にできない場合があるた
め、難燃性付与効果が低下したり、難燃性付与対象材料
の性能が特にその偏在領域において低下したりする場合
がある。また、上限値を超える場合、複合(添加)した
粒子の分布が不均一になる場合がある他、難燃性付与対
象材料の特性、例えば流動性等の性質が低下したり、難
燃性付与対象材料が外観不良を起こしたりする場合があ
る。このような無機材料系及び/又は金属材料系の難燃
材料粒子を担持材料粒子として用いた場合、本発明の難
燃性付与用複合材料の平均粒径は、上述の通り0.05
〜500μm程度となる。なお、平均粒径の測定は、例
えばレーザー回折式の粒度測定装置を用いることができ
る。
【0019】一方、担持材料粒子として高分子材料粒子
を用いることもできる。高分子材料粒子としては、例え
ば熱可塑性高分子材料からなるものや、熱硬化性高分子
材料からなるもの、あるいはそれらの混合材料等を使用
することができる。この場合、難燃性付与対象材料とし
て樹脂を用いた場合に、担持材料としての高分子材料が
樹脂となじみ(親和性)がよいため、当該難燃性付与用
複合粒子が難燃性付与対象材料に対して均一に分散され
ることとなり、難燃性付与対象材料に効果的に難燃性を
付与することが可能となる。なお、高分子材料粒子とし
ては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・
ブタジエン・スチレン(ABS)等の汎用樹脂、変性ポ
リフェニレンエーテル(PPE)、ポリカーボネート
(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(P
A)等のエンジニアリングプラスチック及びPC/AB
Sアロイ、PC/PBTアロイ、PC/PETアロイ、
PC/エラストマー、PA/PP、PA/エラストマー
等のポリマーアロイ等の粉末粒子を用いることができ
る。
【0020】次に、上記のような難燃性付与用複合材料
の製造方法は、金属元素及び/又はSiの化合物を溶媒
中に分散及び/又は溶解させたゾル状組成物を担持材料
と接触させる工程と、前記ゾル状組成物を乾燥させる工
程とを少なくとも含み、前記ゾル状組成物の乾燥により
生成するゲル状組成物を前記担持材料と複合化させて複
合粒子を得る複合粒子生成工程と、前記複合粒子と前記
担持材料とを混合する混合工程と、を含むことを特徴と
する。
【0021】また、上記複合粒子を得る方法としては、
いわゆるゾルゲル法を用いることができる。以下、本発
明の難燃性付与用複合材料の構成成分たる前記複合粒子
の製造方法(複合粒子生成工程)について、その要旨を
説明する。前記複合粒子を得るためのゾルゲル法は、例
えば、金属元素及び/又はSiの化合物を溶媒中に分散
及び/又は溶解させた溶液(例えば、アルコキシド溶
液)から発生するゾル状組成物を担持材料(例えば粒状
の担持材料粒子)と接触させる工程と、ゾル状組成物を
乾燥させる工程とを少なくとも含み、ゾル状組成物の乾
燥により生成するゲル状組成物(ガラス前駆体組成物)
を担持材料(担持材料粒子)と複合化させて複合粒子を
得るものである。このようなゾルゲル法は、簡便な上、
特別な装置を必要とすることもないため、製造コストを
大幅に低減することが可能であり、製造時に従来のよう
な有害物質を発生することもない。なお、上記製造方法
において、ゾル状組成物を担持材料粒子と接触させる工
程は、担持材料粒子をゾル状組成物に浸漬する方法や、
担持材料粒子に対してゾル状組成物を吹き付ける方法等
を採用することができる。
【0022】また、上記ゾルゲル法を用いた製造方法
は、具体的には担持材料粒子とゾル状組成物との混合物
を作る混合工程と、その混合物から溶媒を蒸発させて乾
燥組成物となす乾燥工程とを含むものとすることができ
る。これは、例えば所定の容器にゾル状組成物を入れ、
これに担持材料粒子を浸漬して混合物とした後に、その
混合物から溶媒を蒸発させるものであり、その混合物を
液切りすることなく溶媒を蒸発・乾燥させることができ
るため非常に簡便な方法である。なお、上記乾燥工程と
しては、加熱乾燥又は真空乾燥、及びそれらの併用によ
り行うことができる。さらには、担持材料粒子の集積体
に振動及び/又は撹拌を加えながら、これにゾル状組成
物を接触させつつ行うこともできる。この場合、集積体
の振動及び/又は攪拌により乾燥効率が向上し、乾燥時
間を短縮することが可能となる。一方、担持材料粒子に
これよりも大径の打撃メディアを混在させ、それら担持
材料粒子と打撃メディアとの集積体に振動及び/又は撹
拌を加えるものとすることもでき、この場合、乾燥時間
を一層短縮することが可能である。
【0023】次に、上記ゾル状組成物は、金属元素及び
/又はSiのアルコキシドを加水分解することにより製
造するのがよい。このようなアルコキシドを加水分解さ
せて生成したゾル状組成物(ゲル状組成物)には、金属
及び/又はSiが酸化物等の形態で含有され、さらにア
ルコキシドに由来する炭素成分が残存することとなる。
この金属及び/又はSiは、上記した通り高熱によりガ
ラス質セラミックスを生じて難燃性付与対象材料に高い
難燃性を付与し、また、炭素成分は、例えば難燃性付与
対象材料として樹脂を用いた場合に、当該複合粒子を含
む難燃性付与用複合材料を難燃性付与対象材料に複合さ
せる際のなじみ性(親和性)を向上させる。
【0024】上記ゾル状組成物を作るための溶媒はアル
コールを用いることができる。アルコールは比較的低沸
点であるため、乾燥工程が短時間で行える利点を備えて
いる。このようなアルコールとしては、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等を用い
ることができる。その他の溶媒としては、アセトン、ア
セチルアセトン等のケトン系溶媒、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン等の環状炭
化水素系溶媒、その他の鎖状炭化水素系溶媒、及びこれ
らの混合溶媒(アルコールとの混合溶媒も可)を用いる
ことができる。例えば、ケトン系の溶媒はアルコキシド
を安定化した状態で分散ないし溶解させることが可能で
あり、比較的低沸点のため乾燥工程を短時間で行うこと
ができる。また、炭化水素系の溶媒は含水率が低いた
め、アルコキシドを安定化した状態で分散ないし溶解さ
せることが可能であり、均一な膜厚のゲル状組成物(ガ
ラス前駆体組成物)被膜を形成することができる。
【0025】なお、ゾル状組成物を作るための溶媒の配
合量を25〜98重量%、アルコキシドの配合量を0.
5〜40重量%程度にすることができる。溶媒の配合量
が25重量%未満の場合は、アルコキシドが均一に分散
及び/又は溶解されにくくなることがあり、結果として
ゾル状組成物が担持材料粒子に複合化されにくくなり、
例えばゲル状組成物の複合化が不均一になったりする場
合がある。また、溶媒の配合量が98重量%を超える
と、溶媒を蒸発させる乾燥工程に長時間を要する場合が
あり、また、無駄な溶媒を消費するためコスト高とな
る。一方、アルコキシドの配合量が0.5重量%未満の
場合、アルコキシドの金属及び/又はSiから生じるガ
ラス質セラミックスによる難燃効果が低下する場合があ
り、また、アルコキシドの炭素成分による難燃性付与対
象材料へのなじみ性も低下する場合がある。また、アル
コキシドの配合量が40重量%を超えると、アルコキシ
ドの溶媒への分散性及び/又は溶解性が低下し、ゾル状
組成物が担持材料粒子に対して均一に複合化しにくくな
る場合がある。
【0026】上記アルコキシドは、Si及び/又はTi
を必須成分とするのがよい。Si及び/又はTiをアル
コキシドの成分として用いると、加水分解されて生成す
る例えばSiOやTiO等の酸化物は、高熱により
ガラス化ないしセラミック化し易いため、特に難燃性付
与効果が高いものとなる。また、これらSi及び/又は
Tiを含むアルコキシドはゲル化しにくいため、安定し
た状態のゾル状組成物を得ることが可能である。なかで
も、特にSiは、生成する酸化物の安定性、ゾル状組成
物の安定性等を考慮すると、アルコキシド成分として最
も優れている。なお、Siを用いたアルコキシドとして
は、例えばテトラエトキシシラン(Si(OC
)等を用いることができ、Tiを用いたアルコキシド
としては、例えばチタンイソプロポキシド(Ti(iso
−OC)等を用いることができる。また、上
記以外の成分としては、例えば、Cu、Al、Zn、N
i及びZrの1種又は2種以上を含有するもの、あるい
はその他の遷移元素を含有するもの等を採用することも
でき、この場合、例えば、アルミニウムイソプロポキシ
ド(Al(OC)等を用いることができる。
なお、アルコキシドの構成成分は目的に応じて変化させ
ることが可能で、この場合、形成されるゲル状組成物
(ガラス前駆体組成物)被膜の性質がそれぞれ異なるも
のとなる。
【0027】一方、上記ゾル状組成物には、無機酸又は
有機酸の金属塩を配合することができる。この場合、金
属塩のカチオン金属元素は、Cu、Al、Zn、Ni、
Fe、Ti及びZrの1種又は2種以上を含有している
のがよく、また、アニオン成分の特に無機酸としては、
酸性気体を水に溶解して得られる酸(以下、酸性気体ベ
ース無機酸という)が使用されているのがよい。なお、
カチオン金属元素としては、上記以外のその他の遷移元
素を用いることも可能で、上記酸性気体とは、水に溶解
したときに酸性を示す気体のことをいう。酸性気体ベー
ス無機酸としては、例えば硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫
酸、及び炭酸の1種又は2種以上を使用することができ
る。このような金属塩をゾル状組成物に含有させると、
該複合粒子を含む難燃性付与用複合材料が添加された難
燃性付与対象材料に高熱が付与された場合に、酸性気体
ベース無機酸に由来する気体(燃焼阻害性気体)、例え
ばN含有ガスとしてのNガスやNOガス、NOガ
ス、S含有ガスとしてのSOガス、C含有ガスとして
のCOガス等が発生し、それらが難燃性付与対象材料
への難燃効果をさらに向上させる。なお、上記金属塩の
具体例としては、硝酸銅(Cu(NO・3H
O)、硝酸亜鉛(Zn(NO・6HO)等を
例示することができる。また、上記の無機酸以外にも、
例えば、有機酸としてシュウ酸、酢酸等を用いることも
可能である。
【0028】上記ゾル状組成物中の金属塩の配合量は9
5重量%以下とするのがよい。金属塩の配合量が95重
量%を超えると、難燃性付与効果の主要因たる、アルコ
キシドの金属及び/又はSiから生じるガラス質セラミ
ックスによる難燃性の付与効果が低下する場合がある。
なお、ゾル状組成物において、アルコキシドの重量配合
率をWA、金属塩の重量配合率をWBとしたときに、WA
/WBが0.01〜30の範囲にて設定されていること
が好ましい。WA/WBが0.01未満の場合、アルコキ
シド成分に由来するガラス質セラミックスによる難燃性
付与効果が十分に得られなくなる場合があり、また、W
A/WBが30を超えると、金属塩に由来する発生ガスに
よる難燃性付与効果が十分に得られなくなる場合があ
り、結果として、難燃性付与用複合材料の難燃性付与効
果が低下する場合がある。
【0029】上記ゾル状組成物は、溶媒としてのアルコ
ールを25〜98重量%と、アルコキシドとしてのシリ
コンアルコキシドを0.5〜40重量%と、金属塩とし
ての硝酸金属塩を5〜95重量%と、水0.1〜20重
量%とが配合されたものを使用するのがよい。このよう
な各配合量にてゾル状組成物を形成すると、上記ゾルゲ
ル法による担持材料粒子へのゲル状組成物(ガラス前駆
体組成物)の複合化を均一にすることが可能となる。そ
の結果、上述したアルコキシド、金属塩に由来する難燃
性付与効果を一層効果的に発揮することができるように
なる。
【0030】上記ゾルゲル法による複合粒子の製造方法
においては、例えば、上記金属塩をアルコールに分散及
び/又は溶解させて第一溶液を作る工程と、その第一溶
液にアルコキシドを分散及び/又は溶解させて第二溶液
となす工程と、その第二溶液に水を加えてゾル状組成物
となす工程とを含むものとすることができる。このよう
に、アルコールに対して金属塩、アルコキシドを順に分
散及び/又は溶解し、その後の第二溶液に水を加える各
工程を段階的に行うことにより、ゾル状組成物を効率良
く製造することが可能となる。なお、例えば、アルコー
ル等の溶媒にアルコキシドを分散及び/又は溶解してお
き、それに金属塩及びアルコール等の溶媒を加えたりす
ることも可能で、ゾル状組成物がゲル化しない条件であ
れば、上記各工程の順序は任意に変更することが可能で
ある。
【0031】次に、ゾル状組成物の乾燥は、40〜25
0℃の範囲にて行うのがよい。40℃未満の場合は、ゾ
ル状組成物の乾燥に長時間を要してしまう場合があり、
250℃を超えると、ゾル状組成物が分解してしまう場
合がある。なお、減圧乾燥を行う場合は、温度及び圧力
を、ゾル状組成物が安定に担持材料に残存(付着)する
ように調整する必要がある。乾燥温度は、好ましくは4
0〜200℃程度にするのがよい。
【0032】次に、ゾル状組成物中に担持材料粒子を浸
漬することにより混合物を作り、その混合物を液切りす
ることなく乾燥させる工程を行う場合、例えば、ゾル状
組成物1リットル当りの担持材料粒子の混合量は、1g
〜20kg程度とするのがよい。1g未満の場合、複合
粒子の製造効率が低下し、また、20kgを超えると、
単位担持材料粒子当たりに対するゾル状組成物の複合量
が少なくなり、難燃性付与効果が低減する場合がある。
なお、上記混合量は、好ましくは1kg〜10kg程度
にするのがよい。また、例えば、ゾル状組成物中のアル
コキシド及び金属塩の合計含有量をWs(単位:g)、
担持材料粒子の比表面積値をSg(単位:m/g)、
ゾル状組成物への担持材料粒子の混合量をWg(単位:
g)としたときに、Ws/(Sg×Wg)が0.002〜
2.0g/mとなるように担持材料粒子の混合量を調
整するのがよい。
【0033】次に、本発明の難燃性高分子複合材料は、
上記難燃性付与用複合材料が、高分子材料からなる基質
中に分散されるか、及び/又は高分子材料からなる基質
の表面に定着されたことを特徴とする。このような構成
によれば、加熱により珪素及び/又は金属の酸化物を主
体としたガラス質セラミックスを生ずる成分を含む難燃
性付与用複合材料を、樹脂等の高分子材料からなる基質
(すなわち、難燃性付与対象材料)中に分散及び/又は
コーティング等により表面に定着することにより、例え
ば難燃性付与対象材料に高熱(例えば500℃以上)が
付与された場合に、その高熱により燃焼を阻害する保護
膜を形成する。その結果、難燃性付与対象材料に対して
高い難燃性、例えばUL94燃焼性試験(本明細書で
は、第5版:1996年10月26日によるものを採用
する)にてテストしたときに、V−0〜V−2の範囲を
充足する難燃性能を付与することが可能となる。また、
保護膜の形成効果により、難燃性付与対象材料への配合
量が少量でも十分な難燃性能を付与することが可能とな
り、結果として上記粒子を含めた難燃剤の配合量を削減
できるので、最終的に得られる材料の強度や耐久性、さ
らには成形性や流動性(例えば射出成形可能な材質の場
合には、金型中での流れ性)等も従来の難燃剤を用いた
場合よりも向上できる効果、すなわち強度や耐久性、成
形性、流動性等の低下を抑制できる効果も達成できる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示す実施例を参照して説明する。図1は、本発明の
難燃性付与用複合材料5の一実施例を概念的に示す模式
図である。難燃性付与用複合材料5は、水酸化アルミニ
ウム等の無機系難燃材料を主体として構成される担持材
料粒子1と、珪素成分及び/又は金属成分と酸素とを含
有し、例えば加熱によりガラス質セラミックスを生じる
ガラス前駆体組成物2が担持材料粒子1に複合化された
構成の複合粒子10とを含んでいる。
【0035】図2は、複合粒子10の一実施例を概念的
に示す模式図である。複合粒子10は、珪素成分及び/
又は金属成分と酸素とを含有し、例えば加熱によりガラ
ス質セラミックスを生じるガラス前駆体組成物2が担持
材料粒子1に複合化された構成を有し、ゾルゲル法によ
り製造することができる。なお、粒子10は模式的に球
状に描いているが、製法により形状は種々に変化し、必
ずしも球状とはならないことも多い。ガラス前駆体組成
物2と担持材料粒子1との複合化の形態は、例えば、図
2(a)に示すように、ガラス前駆体組成物2が担持材
料粒子1の表面をほぼ全体にわたって均一に被覆された
状態が、難燃効果の発揮という点に関して最も望ましい
といえる。ただし、良好な難燃効果が維持できる範囲内
にて、図2(b)に示すように、担持材料粒子1の表面
にガラス前駆体組成物2が部分的に付着し、一部の表面
が未被覆となって露出している形態であってもよい。ま
た、化合物バルク中に複合粒子10を分散させた塊状物
を、粉砕又は解砕すれば、例えば図2(c)のような構
成の不定形の複合粒子10となることもある。いずれに
しろ、上記のような複合粒子10を、図1に示すよう
に、担持材料粒子1の単体とともに混合して難燃性付与
用複合材料5とし、これを例えば高分子材料等からなる
難燃性付与対象材料からなる基質に複合化(基質中への
分散及び/又は表面定着)することで、該難燃性付与対
象材料に難燃性を付与することが可能となる。
【0036】さらに、図1に示した担持材料粒子1と複
合粒子10とからなる難燃性付与用複合材料5の量が、
例えば難燃性付与対象材料100重量部に対して5〜1
50重量部、好ましくは20〜100重量部程度の少量
添加で十分な難燃性を付与することが可能である。この
場合、少量添加であるため、樹脂等の難燃性付与対象材
料の物性変化も少なく、また、コスト面でも大幅な削減
が可能となる。
【0037】ガラス前駆体組成物2は、例えば図9に模
式的に示すような構造を有しているものと推測される
(本図において分子式は模式的に示したものであって、
該分子式が示す特定の構造を限定的に有していることを
意味するものではない)。難燃性付与対象材料50の内
部又は表面に複合されたガラス前駆体組成物2中には、
珪素及び/又は金属(これらを図中Mで示す)が酸化物
又はアルコキシド52の状態(例えばSiO、ZrO
、Si(OCnHm)l(n≧1、m≧1、l≧1)
等)、又は単体状態で含有され、さらに炭素成分51が
例えばCnHm(n≧1、m≧1)の状態で含有されて
いる構造を推定できる。
【0038】図3(a)に示すように、上記のような難
燃性付与用複合材料5は、単独で、あるいは必要に応じ
て、複合材料とは別の難燃剤や難燃助剤、充填剤、顔料
や染料等の着色剤、分散剤等とともに、基質となるべき
高分子材料(本実施例では、熱可塑性樹脂を使用してい
る)41中に配合・混練されてコンパウンド531とさ
れる。コンパウンド531は、例えばペレット等の粒状
に成形することによりマスターバッチ粒子32とするこ
とができる。マスターバッチ粒子32は、例えば球換算
した直径による寸法にて0.1〜10mm程度(例えば
1〜4mm程度)の大きさを有するものである。マスタ
ーバッチ粒子32の形状は、特に限定されるものではな
いが、例えば図3(b)に示すように、軟化させたコン
パウンドをストランド状に押し出して、これを所定長に
切断することにより、柱状(例えば円柱状)形態の粒子
を得ることができる。なお、図3(c)及び(d)は、
マスターバッチ粒子32の別の形状例を示しており、前
者は球状のもの(例えば型成形等により製造できる)、
後者はフレーク状のもの(例えばシート状物の破砕・整
粒により製造できる)を示すが、これに限定されるもの
ではない。
【0039】以下、上記マスターバッチを用いた成形体
(二次成形体)の製造方法を、図4に示すような射出成
形を採用する場合を例にとって説明する。射出成形装置
501は、成形部502、その成形部502に溶融樹脂
を供給するスクリュ式射出装置等の射出装置503等に
より構成される。成形部502は、金型505、その金
型505を型締め及び型開きするための、カムもしくは
クランク機構等の機械式駆動機構や油圧シリンダ等の流
体圧機構等で構成される駆動機構506を備えるととも
に、溶融樹脂を金型505に供給するランナ521に
は、スプル503aを介して射出装置503の射出ノズ
ル503bが接続されている。
【0040】射出装置503は、バンドヒータ508等
の熱源で加熱される加熱シリンダ507内に、シャフト
512を介して油圧モータ513により駆動される供給
用のスクリュ509が収容され、これにマスターバッチ
Pを供給するホッパ510が備えられたものである。ス
クリュ509を回転させることによりホッパ510から
マスターバッチPが供給され、加熱シリンダ507内で
加熱により高分子材料基質が溶融されて溶融コンパウン
ドとなり、溜まり部507a内に溜められる。その後、
スクリュ509を油圧シリンダ511により所定距離前
進させると、ノズル503bからランナ521を通って
金型505内に所定量の溶融コンパウンドが射出され
る。
【0041】図5に示すように、金型505のキャビテ
ィ505a内に射出された溶融コンパウンドCは、高分
子材料基質が凝固することにより本発明の難燃性付与用
複合材料5が複合された高分子複合材料となり、これを
型開きすることにより、キャビティ形状に対応した高分
子複合材料成形体としての二次成形体36が得られる。
【0042】なお、図6(a)に示すように、マスター
バッチ粒子32を単独で使用して成形体を得るようにし
てもよいが、同図(b)に示すように、マスターバッチ
粒子の高分子基質と同材質あるいは異材質の高分子材料
からなる希釈高分子材料粒子40を適量配合することに
より、複合粒子の含有率が、マスターバッチ粒子32中
の含有率よりも小さい二次成形体を製造することもでき
る。この場合、二次成形体中の複合粒子の含有率は、マ
スターバッチ粒子32中の複合粒子の含有率と、そのマ
スターバッチ粒子32に対する希釈高分子材料粒子40
の配合比率によって定まる。
【0043】なお、このような希釈用のマスターバッチ
粒子中の難燃性付与用複合材料5の含有率は、例えば重
量比率にて20〜67重量%と高いが、複合材料をこの
ような高い含有率にて基質中に均一分散させるために、
分散剤を配合することが望ましい。分散剤としては、例
えば金属セッケンを好適に使用することができる。金属
セッケン分は、例えば有機酸成分が、ナフテン酸(ナフ
テート)、ラウリン酸(ラウレート)、ステアリン酸
(ステアレート)、オレイン酸(オレエート)、2−エ
チルヘキサニック酸(オクテート)、あまに油あるいは
大豆油脂肪酸(リノレート)、トール油(トーレー
ト)、ロジン等(レジネート)からなるものを例示でき
る。また、金属の種類は下記のようなものを例示でき
る。 ・ナフテネート系(Al、Ca、Co、Cu、Fe、P
b、Mn、Zn等) ・レジネート系(Al、Ca、Co、Cu、Fe、P
b、Mn、Zn等) ・リノレート系(Co、Fe、Pb、Mn等) ・ステアレート系(Ca、Zn等) ・オクテート系(Ca、Co、Fe、Pb、Mn、Zn
等) ・トーレート系(Ca、Co、Fe、Pb、Mn、Zn
等) これらのうち、ステアリン酸Cuやステアリン酸Zn
を、分散効果に特に優れる金属セッケンの具体例として
挙げることができる。なお、金属セッケンの複合材料中
への配合量は、多すぎると材料強度や均質性に問題が生
じ、少なすぎると分散効果が不十分となるので、これら
の不具合が生じないよう、例えば0.01〜3重量%
(例えば0.3重量%)の範囲内にて選定するのがよ
い。
【0044】なお、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂(ウレ
タンゴムを含む)あるいはシリコーン樹脂など、未硬化
樹脂成分が含有される主剤と、その未硬化樹脂成分を硬
化させるための硬化剤が含有される硬化剤とからなる2
液混合型の注型樹脂材料、接着剤あるいは塗料を、本発
明の難燃性付与用複合粒子が複合された難燃性高分子複
合材料として構成することも可能である。具体的には、
この目的のため、未硬化樹脂成分を含有する主剤と、そ
の未硬化樹脂成分を硬化させるための硬化剤とから構成
され、難燃性付与用複合粒子を主剤又は硬化剤の少なく
ともいずれかに配合されてなり、主剤と硬化剤とを混合
することにより、熱硬化性樹脂を基質としてこれに難燃
性付与用複合粒子を分散させた難燃性高分子複合材料が
得られるようにした難燃性高分子複合材料製造用組成物
を使用することができる。
【0045】図7に、その具体例についてエポキシ樹脂
の場合を例に取って説明する。すなわち、主剤550
は、例えばビスフェノール系の未硬化エポキシ樹脂成分
中に、難燃性付与用複合材料5と、必要に応じて難燃性
付与用複合材料5とは別の難燃剤や難燃助剤、充填剤、
顔料や染料等の着色剤あるいは分散剤等を配合したもの
であり、適当な溶媒により粘度調整がなされている。一
方、硬化剤551は、アミンやイソシアナート、酸無水
物などの硬化成分を溶媒中に溶解ないしは分散させたも
のである。そして、使用する直前に(a)に示すように
両剤550,551を所定比率にて混合し、混合組成物
552のポットライフ時間内に目的に応じた処置を行
う。すなわち、混合組成物552を注型用樹脂材料とし
て使用する場合は、(b)に示すようにこれを型553
に注型して硬化させることにより、所期の形状の難燃性
高分子複合材料成形体を得る。また、混合組成物552
を塗料として使用する場合は、(c)に示すようにこれ
を被塗装物554の塗装面に塗布して硬化させることに
より、難燃性高分子複合材料塗膜555を得る。さら
に、混合組成物552を接着剤として使用する場合は、
(d)に示すようにこれを被接着物556a,556b
の接着面に塗布して貼り合わせる、難燃性接着層557
により被接着物556a,556bが接着された接着構
造が得られる。
【0046】次に、難燃性付与用複合材料5は高分子基
質の表面に定着することも可能である。図8は、そのい
くつかの例を示している。なお、図中、粒子形態の符号
5で示したものは、図1に示した難燃性付与用複合材料
5を概念的に示したものである。図8(a)は、高分子
基質50の表面に形成された接着樹脂層560を介して
難燃性付与用複合材料5を接着形態により定着する例を
示す。なお、高分子基質50中に、さらに難燃性付与用
複合材料5を分散させておいてもよい(以下も同様)。
また、図8(b)に示すように、定着された難燃性付与
用複合材料5の表面側を、さらに樹脂等によるオーバー
コート561で覆うようにしてもよい。
【0047】図8(c)では、例えば成形金型505の
キャビティの内面に難燃性付与用複合材料5を塗布して
おき、次いでキャビティ内を溶融樹脂570で満たして
凝固させることにより、塗布された難燃性付与用複合材
料5を成形体536を形成する基質50の表面に一体化
させる例である。図8(d)は、難燃性付与用複合材料
5の表面を定着樹脂層562で予め覆っておき、加熱に
より定着樹脂層562を軟化させつつ基質50の表面に
付着させた後、樹脂を硬化させることにより、難燃性付
与用複合材料5を定着する例である。この場合、基質5
0は、不要な変形が生じない程度の温度にて予熱してお
くと、定着樹脂層562の軟化・付着を容易に行うこと
ができる。図8(e)は、難燃性付与用複合材料5を基
質50表面に投射したり、圧入することにより、基質5
0の表層部に難燃性付与用複合材料5を埋め込む方法で
ある。この場合、基質50の少なくとも表層部を加熱等
により軟化させておくと埋込を容易に行うことができ
る。
【0048】
【実施例】(実施例1)金属塩として硝酸亜鉛六水和物
(Zn(NO・6HO)40gをエタノール1
0ml中に入れ、溶解させた。その液中にテトラエトキ
シシラン(Si(OC)を5.43g加え、
2時間反応させてゾル状組成物とした。このゾル状組成
物に担持材料としての水酸化アルミニウム(平均粒径1
μm)11gを混合し、スラリー状にして加熱乾燥する
ことで水酸化アルミニウムの表層にガラス前駆体組成物
たるゲル状組成物をコーティングし、さらに粉砕により
粉末(複合粒子)を得た。この粉末5gと、水酸化アル
ミニウム22.5gと、ポリプロピレン樹脂50gとを
混合し、その後射出成形機に入れ、180℃にて難燃性
テスト用サンプル形状に射出成形した。難燃性テスト用
サンプル形状は、UL94燃焼性試験に基づき、長さ1
25mm、幅13mm、厚み1.6mmとした。
【0049】上記作製した難燃性テスト用サンプルを用
い、UL94燃焼性試験(第5版:1996年10月2
6日によるもの)にてテストした結果、同試験のV−2
規格をクリアした。なお、粉末(複合粒子)におけるS
iOとZnOと水酸化アルミニウムとの組成比は、
0.7:3.6:5.0となっていることが分かった。
【0050】なお、ガラス前駆体組成物(ゲル状組成
物)を単体で得るためにゾル状組成物を水酸化アルミニ
ウムの非存在下、加熱乾燥したところ、乾燥粉体(ゲル
状組成物)は反応装置の壁に付着し、乾燥粉体を回収す
ることが困難であった。すなわち、本発明のように乾燥
媒体として担持材料粒子(水酸化アルミニウム)を導入
することで、壁ではなく担持材料粒子に付着させること
が可能となり、且つ熱伝達が良好となって乾燥を早く行
うことが可能となり、壁付着を効果的に防止ないし抑制
することが可能となった。
【0051】(実施例2)硝酸アンモニウム粉末8gを
水20gで溶解し、これに水酸化アルミニウム22gを
混合してスラリー状物とした後、100℃にて2時間乾
燥し、得られた乾燥物を粉砕して、水酸化アルミニウム
の表層に硝酸アンモニウム(含窒素化合物)が複合化さ
れた複合粒子を得た。この複合粒子5gと、水酸化アル
ミニウム22.5gと、ポリプロピレン樹脂50gとを
混合し、その後射出成形機に入れ、180℃にて難燃性
テスト用サンプル形状に射出成形した。難燃性テスト用
サンプル形状は、UL94燃焼性試験に基づき、長さ1
25mm、幅13mm、厚み1.6mmとした。上記作
製した難燃性テスト用サンプルを用い、UL94燃焼性
試験(第5版:1996年10月26日によるもの)を
行ったところ、V−2レベルをクリアした。
【0052】上記実施例1及び2に示した方法により得
られた複合粒子は、該複合粒子に対して混合する水酸化
アルミニウム(担持材料粒子)の量を調整することで、
ガラス前駆体組成物(ゲル状組成物)又は含窒素化合物
と水酸化アルミニウムの組成比を、容易に変化させるこ
とが可能となった。また、例えば水酸化アルミニウムに
ゲル状組成物又は含窒素化合物を複合化した複合粒子を
単独で難燃性付与用材料として用いる場合に比べて、同
じ量(水酸化アルミニウムとゲル状組成物又は含窒素化
合物とがそれぞれ同量となるもの)を生産するに要する
生産設備サイズが小さくて済むようになった。具体的に
は、生産設備が1/10〜1/5の規模で生産すること
が可能となり得る。また、ゲル状組成物を水酸化アルミ
ニウムに複合させる構成としたために、ゲル状組成物を
難燃性付与用に供しやすくなる。すなわち、該ゲル状組
成物を単独で使用する場合は、製造工程において当該ゲ
ル状組成物を得るための乾燥回収時に製造装置に付着す
る等の問題により製造困難な場合があったが、水酸化ア
ルミニウムに担持した形で回収するものとしたために製
造効率が向上した。なお、上記複合粒子と、該複合粒子
の担持材料粒子とは異なる難燃材料粒子とを含む混合物
として難燃性付与用複合材料を構成することも可能であ
る。例えば、水酸化アルミニウムの表層にガラス前駆体
組成物をコーティングした複合粒子と、難燃材料粒子と
しての水酸化マグネシウム粉末とを含む混合物とした場
合も、高い難燃性を付与することが可能な難燃性付与用
複合材料を提供することもできる。
【0053】なお、本明細書において「主成分」あるい
は「主体とする」とは、特に断りがないかぎり、最も重
量含有率の高くなる成分を意味するものとして用いた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の難燃性付与用複合材料の一実施例を示
す模式図。
【図2】難燃性付与用複合材料の構成成分たる複合粒子
の形態の一実施例を示す模式図。
【図3】本発明の難燃性付与用複合材料を複合した難燃
性高分子複合材料からなるマスターバッチの製造方法の
一例を、マスターバッチ粒子の種々の形態とともに示す
模式図。
【図4】射出成形機の一例を示す断面模式図。
【図5】射出成形により成形体を製造する一例を示す工
程説明図。
【図6】マスターバッチのいくつかの使用形態を示す説
明図。
【図7】二液混合型樹脂により本発明の難燃性付与用複
合材料を複合した難燃性高分子複合材料を得る方法と、
その適用形態をいくつか例示して示す説明図。
【図8】高分子材料基質の表面に難燃性付与用複合材料
を定着する方法をいくつか例示して示す工程説明図。
【図9】化合物層の分子レベル構造を推測して示す模式
図。
【符号の説明】
1 担持材料粒子 2 ゲル状組成物(ガラス前駆体組成物) 5 難燃性付与用複合材料 10 複合粒子 50 難燃性付与対象材料
フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA13 AA15 AA18 AA47 AA50 AA52 AA54 AA71 AC22 AD07 AE07 DC05 FB03 4H028 AA05 AA08 AA10 AA12 AA42 AB02 BA04 BA06 4J002 AA001 BB031 BB121 BC031 BN151 CF001 CG001 CH071 CL001 DA066 DE046 DE076 DE146 DH006 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 DK006 DL006 FB076 FB086 FD136

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難燃性付与の対象物中に分散させるか又
    は表面に定着させることにより当該対象物に難燃性を付
    与するために使用され、加熱によりガラス質セラミック
    スを生ずるガラス前駆体組成物を担持材料粒子に複合化
    させた複合粒子と、前記担持材料粒子との混合物として
    構成されていることを特徴とする難燃性付与用複合材
    料。
  2. 【請求項2】 前記ガラス前駆体組成物は珪素成分及び
    /又は金属成分と酸素とを含有するものであり、前記加
    熱により生ずる前記ガラス質セラミックスは、珪素及び
    /又は金属の酸化物を主体とするものである請求項1記
    載の難燃性付与用複合材料。
  3. 【請求項3】 前記ガラス前駆体組成物は炭素成分を含
    有する請求項1又は2に記載の難燃性付与用複合材料。
  4. 【請求項4】 加熱により燃焼阻害性気体を分解生成す
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の難燃性付与用複
    合材料。
  5. 【請求項5】 前記燃焼阻害性気体として、窒素、硫黄
    及び炭素の1種又は2種以上を含有するものが生成され
    る請求項4記載の難燃性付与用複合材料。
  6. 【請求項6】 平均粒径が0.05〜500μmである
    請求項1ないし5のいずれかに記載の難燃性付与用複合
    材料。
  7. 【請求項7】 前記担持材料粒子は難燃材料粒子である
    請求項1ないし6のいずれかに記載の難燃性付与用複合
    材料。
  8. 【請求項8】 前記難燃材料粒子は、無機材料系粒子又
    は金属材料系粒子である請求項7記載の難燃性付与用複
    合材料。
  9. 【請求項9】 前記無機材料系粒子は、金属水酸化物で
    ある請求項8記載の難燃性付与用複合材料。
  10. 【請求項10】 前記無機材料系粒子は、水酸化アルミ
    ニウム又は水酸化マグネシウムの少なくともいずれかを
    主成分とするものである請求項8又は9に記載の難燃性
    付与用複合材料。
  11. 【請求項11】 難燃性付与の対象物中に分散させるか
    又は表面に定着させることにより当該対象物に難燃性を
    付与するために使用され、加熱によりガラス質セラミッ
    クスを生ずるガラス前駆体組成物を担持材料粒子に複合
    化させた複合粒子と、前記担持材料粒子とは異なる難燃
    材料粒子との混合物として構成されていることを特徴と
    する難燃性付与用複合材料。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の難燃性付与用複合材料の製造方法であって、 金属元素及び/又はSiの化合物を溶媒中に分散及び/
    又は溶解させたゾル状組成物を担持材料と接触させる工
    程と、前記ゾル状組成物を乾燥させる工程とを少なくと
    も含み、前記ゾル状組成物の乾燥により生成するゲル状
    組成物を前記担持材料と複合化させて複合粒子を得る複
    合粒子生成工程と、 前記複合粒子と前記担持材料とを混合する混合工程と、 を含むことを特徴とする難燃性付与用複合材料の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の難燃性付与用複合
    材料の製造方法であって、 金属元素及び/又はSiの化合物を溶媒中に分散及び/
    又は溶解させたゾル状組成物を担持材料と接触させる工
    程と、前記ゾル状組成物を乾燥させる工程とを少なくと
    も含み、前記ゾル状組成物の乾燥により生成するゲル状
    組成物を前記担持材料と複合化させて複合粒子を得る複
    合粒子生成工程と、 前記複合粒子と、前記担持材料とは異なる難燃材料とを
    混合する混合工程と、 を含むことを特徴とする難燃性付与用複合材料の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記複合粒子として、前記担持材料か
    らなる担持材料粒子の表面の全面又は一部に前記ゲル状
    組成物を複合化させた粒子を得る請求項12又は13に
    記載の難燃性付与用複合材料の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記複合粒子生成工程は、前記ゾル状
    組成物中に前記担持材料粒子を浸漬することにより混合
    物を作り、次いでその混合物を液切りすることなくこれ
    を乾燥させることで複合粒子を得る請求項12ないし1
    4のいずれかに記載の難燃性付与用複合材料の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 前記ゾル状組成物は、金属元素及び/
    又はSiのアルコキシドを加水分解することにより製造
    される請求項12ないし15のいずれかに記載の難燃性
    付与用複合材料の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記アルコキシドは、Si及び/又は
    Tiを主成分とするものである請求項12ないし16の
    いずれかに記載の難燃性付与用複合材料の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記ゾル状組成物に、無機酸又は有機
    酸の金属塩が配合される請求項12ないし17のいずれ
    かに記載の難燃性付与用複合材料の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記金属塩のカチオン金属元素は、C
    u、Al、Zn、Ni、Fe、Ti及びZrの1種又は
    2種以上を含有する請求項18記載の難燃性付与用複合
    材料の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記無機酸として、酸性気体を水に溶
    解して得られる酸(以下、酸性気体ベース無機酸とい
    う)が使用される請求項18又は19に記載の難燃性付
    与用複合材料の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記酸性気体ベース無機酸は、硝酸、
    亜硝酸、硫酸、亜硫酸、及び炭酸の1種又は2種以上で
    ある請求項20記載の難燃性付与用複合材料の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 前記ゾル状組成物中の前記金属塩の配
    合量が95重量%以下とされている請求項18ないし2
    1のいずれかに記載の難燃性付与用複合材料の製造方
    法。
  23. 【請求項23】 前記ゾル状組成物において、前記アル
    コキシドの重量配合率をWA、前記金属塩の重量配合率
    をWBとしたときに、WA/WBが0.01〜30の範囲
    にて設定される請求項18ないし22のいずれかに記載
    の難燃性付与用複合材料の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記ゾル状組成物は、アルコールを2
    5〜98重量%と、シリコンアルコキシドを0.5〜4
    0重量%と、硝酸金属塩を5〜95重量%と、水を0.
    1〜20重量%とが配合されたものが使用される請求項
    18ないし23のいずれかに記載の難燃性付与用複合材
    料の製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の難燃性付与用複合材料が、高分子材料からなる基質中
    に分散されるか、及び/又は高分子材料からなる基質の
    表面に定着されたことを特徴とする難燃性高分子複合材
    料。
  26. 【請求項26】 難燃性付与の対象物中に分散させるか
    又は表面に定着させることにより当該対象物に難燃性を
    付与するために使用され、含窒素化合物を担持材料粒子
    に複合化させた複合粒子と、前記担持材料粒子との混合
    物として構成されていることを特徴とする難燃性付与用
    複合材料。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載の難燃性付与用複合
    材料の製造方法であって、 含窒素化合物を水に分散ないし溶解した溶液に担持材料
    粒子を混合して混合溶液を生成する工程と、該混合溶液
    を乾燥する工程とを含む複合粒子を生成する複合粒子生
    成工程と、 前記複合粒子と前記担持材料粒子とを混合する混合工程
    と、 を含むことを特徴とする難燃性付与用複合材料の製造方
    法。
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