JP2002338804A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物の製造方法Info
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Abstract
び寸法安定性に優れ、尚かつ低比重(軽量性)かつ成形
加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供す
る。 【解決手段】(A)ポリアミド樹脂、(B)ポリフェニ
レンエーテル樹脂、(C)芳香族ビニル化合物−脂肪族
炭化水素共重合体、及び(D)ポリオレフィン樹脂の合
計100重量部に対し、前記成分(A)が40〜90重
量部、前記成分(B)が5〜50重量部、前記成分
(C)が5〜30重量部、及び前記成分(D)が0〜3
0重量部であり、さらに(E)α、β−不飽和カルボン
酸またはその誘導体が、前記成分(B)100重量部に
対して0.01〜1.5重量部である前記各成分を含有
する樹脂組成物を溶融混練する過程において、前記成分
(B)、(C)及び(E)を、190〜220℃に設定
した溶融混練機上流より添加し、前記成分(A)を溶融
混練機途中から添加することを特徴とする。
Description
性、耐溶剤性、低吸水性および寸法安定性に優れ、尚か
つ低比重(軽量性)かつ成形加工性に優れた熱可塑性樹
脂組成物の製造方法に関する。これらの樹脂組成物は、
自動車部品や電気電子部品の材料として使用される。
性が高いために、工業材料として広く用いられている
が、吸水性が高く、それゆえに吸水による剛性低下や寸
法安定性の低下等を生じることが知られている。またポ
リアリーレンエーテル、特にポリフェニレンエーテル樹
脂は優れた耐熱性を有するエンジイアリング樹脂として
知られているが、単独では耐衝撃性、耐溶剤性、成形流
動性に劣るなどの問題点があることも知られている。
ミド樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂とをブレンドす
ることは、特公昭45−997号、特公昭59−416
63号公報にて提案され実用化されている。しかしこれ
らは、ポリフェニレンエーテルの耐衝撃性を改良するに
は至らず、この両樹脂にさらにゴム状成分を添加して衝
撃性を付与する方法が、特開昭56−49753号、特
開昭61−204262号公報等多数提案されている。
しかし、これらの組成物は溶融粘性が高く成形加工時の
流動性に劣ることから薄肉成形品には使用できない。
ミド樹脂とは本質的に非相溶であるため、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂をポリアミド樹脂と反応せしめるよう、
例えば特開昭56−49753号公報に開示されたごと
く、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を添加する
か、あらかじめ不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で
変性されたポリフェニレンエーテル樹脂を用いる特開昭
59−66452号公報にて開示された技術が必要とあ
る。しかしながら、ポリフェニレンエーテル樹脂と不飽
和カルボン酸とをそれぞれ添加して組成物を製造する場
合、ポリフェニレンエーテル樹脂の溶融粘性が高いため
溶融混練時にポリフェニレンエーテルがせん断発熱によ
りゲル化し不飽和カルボン酸との適性な反応が行われ
ず、ポリアミド樹脂マトリックス中にポリフェニレンエ
ーテルを微細分散されることができない。またあらかじ
め不飽和カルボン酸で変性されたポリフェニレンエーテ
ル樹脂を用いる方法では、ポリフェニレンエーテルの変
性とポリアミド樹脂との溶融混練を別々に行うためコス
トアップとなり使用が制限される。
ーテル樹脂との混練組成物の製造方法として他にも、特
開平4−372656号公報があるが、この方法におい
ても当該組成物とするために夫々別々に溶融混練過程を
経た後、さらにポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミ
ド樹脂との混練とあらためて行う方法であり、課題の解
決には至っていない。
号にて機械的強度、耐熱性、成形加工性、寸法安定性等
に優れたポリアミド樹脂、あらかじめ不飽和カルボン酸
で変性されたポリフェニレンエーテル樹脂、芳香族ビニ
ル化合物−脂肪族炭化水素共重合体とポリプロピレン系
樹脂とのコアシェル構造を有する組成物を開示している
が、前述の通り、ポリフェニレンエーテルの変性とポリ
アミド樹脂との溶融混練を別々に行うためコストアップ
となり使用が制限される。
来技術の問題点を解消しようとするものであり、ポリア
ミド樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂との溶融混練組
成物を製造するにあたり、機械的強度や加工性性、寸法
安定性等の従来技術で確立された性能を低下させること
なく、工業的に低コストで優れた性能の樹脂組成物を提
供することにある。
解決するために鋭意検討した結果、特定割合のポリアミ
ド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、芳香族ビニル化
合物−脂肪族炭化水素共重合体、ポリオレフィン系樹脂
とを配合してなる組成物において、溶融混練機の上流か
らポリフェニレンエーテル樹脂と芳香族ビニル化合物−
脂肪族炭化水素共重合体と不飽和カルボン酸またはその
誘導体とを添加し、溶融混練機途中からポリアミド樹脂
を添加した組成物が目的を達成することを見出し、本発
明に到達した。
(B)ポリフェニレンエーテル樹脂、(C)芳香族ビニ
ル化合物−脂肪族炭化水素共重合体、及び(D)ポリオ
レフィン樹脂の合計100重量部に対し、前記成分
(A)が40〜90重量部、前記成分(B)が5〜50
重量部、前記成分(C)が5〜30重量部、及び前記成
分(D)が0〜30重量部であり、さらに(E)α、β
−不飽和カルボン酸またはその誘導体が、前記成分
(B)100重量部に対して0.01〜1.5重量部で
ある前記各成分を含有する樹脂組成物を溶融混練する過
程において、前記成分(B)、(C)及び(E)を、1
90〜220℃に設定した溶融混練機上流より添加し、
前記成分(A)を溶融混練機途中から添加することを特
徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
本発明において使用される(A)ポリアミド樹脂は、脂
肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸からなるか、または
ラクタムもしくはアミノカルボン酸からなる脂肪族ポリ
アミド樹脂、もしくは芳香族系モノマー成分を1成分含
む部分芳香族共重合ポリアミド樹脂である。
ては、炭素数4〜12の脂肪族ジアミンと炭素数6〜1
2の脂肪族ジカルボン酸か炭素数6〜12のラクタム類
もしくは炭素数6〜12のアミノカルボン酸である。脂
肪族ジアミンの具体例としては、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン等が挙げられ。脂肪族ジカ
ルボン酸の具体例としては、アジピン酸、ヘプタンジカ
ルボン酸、オクタンジカルボン酸、ノナンジカルボン
酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等
が挙げられ。好ましい脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボ
ン酸の組合せは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸
の等モル塩である。ラクタムの具体例としては、α−ピ
ロリドン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、
ε−エナントラクタム等が挙げられ、アミノカプロン酸
の具体例としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノ
ヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノ
ドデカン酸等が挙げられるが、6―アミノカプロン酸、
12―アミノドデカン酸、ε―カプロラクタム、ラウロ
ラクタムが好ましい。脂肪族ポリアミド形成モノマー
は、1成分単独だけでなく2成分以上を混合して使用す
ることもできる。
ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロ
ン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン612、ナイロン116が挙げられ、これ
らはホモポリマーでも2種以上のコポリマーでも良い。
部分芳香族共重合ポリアミド樹脂とは、テレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸成分などの芳香族系モノマー成分を1成分含む
共重合ポリアミドである。好ましくは、芳香族系モノマ
ー成分を1成分含み、融点が260℃以上320℃未満
の結晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂であり、より
好ましくは、芳香族系モノマー成分を1成分含み、融点
が290℃以上316℃未満の結晶性部分芳香族共重合
ポリアミド樹脂である。芳香族系モノマー成分を1成分
含む好ましい結晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂の
組み合わせとしては、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボ
ン酸の等モル塩、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸
の等モル塩および/または脂肪族ポリアミド形成モノマ
ーからなる結晶性共重合ポリアミドである。
の脂肪族ジアミンであり、テトラメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメ
チレンジアミン等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸と
は炭素数が6〜12の脂肪族ジカルボン酸であり、アジ
ピン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン
酸、ノナンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ド
デカンジカルボン酸等が挙げられる。好ましい組み合わ
せは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩
である。
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げら
れ、好ましい組み合わせは、ヘキサメチレンジアミンと
テレフタル酸の等モル塩である。
12のアミノカルボン酸および炭素数6〜12のラクタ
ム類であり、6―アミノカプロン酸、7―アミノヘプタ
ン酸、11―アミノウンデカン酸、12―アミノドデカ
ン酸、α―ピロリドン、ε―カプロラクタム、ラウロラ
クタム、ε―エナントラクタム等が挙げられるが、6―
アミノカプロン酸、12―アミノドデカン酸、ε―カプ
ロラクタム、ラウロラクタムが好ましい。脂肪族ポリア
ミド形成モノマーは、1成分単独だけでなく2成分以上
を混合して使用することもできる。
ンとアジピン酸の等モル塩30〜70重量%、ヘキサメ
チレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩70〜30重
量%、脂肪族ポリアミド形成モノマー0〜15重量%で
あり、好ましくは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン
酸の等モル塩35〜55重量%、ヘキサメチレンジアミ
ンとテレフタル酸の等モル塩65〜45重量%、脂肪族
ポリアミド形成モノマー0〜10重量%である。
合度には特に制限はないが、ポリマー1gを96%濃硫
酸100mlに溶解し、25℃で測定した相対粘度が
1.8〜5.0であることが好ましく、より好ましくは
2.0〜3.0である。相対粘度が上記数値の上限より
高い場合、加工性を著しく損ない、上記下限より低い場
合、機械的強度が低下するため好ましくない。
が、層状珪酸塩0.05〜30重量%を含有することも
できる。層状珪酸塩としては、珪酸マグネシウムまたは
珪酸アルミニウムの層で構成される層状フィロ珪酸塩等
を挙げることができる。
モリロナイト、サポナイト、パイデライト、ノントロナ
イト、ヘクトライト、スティプンサイト等のスメクタイ
ト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロサイトなどを挙
げることができる。これらは天然物でも、合成物でもよ
い。これらのなかでもモンモリロナイトが好ましい。
脂に均一に分散された状態であることが望ましい。層状
珪酸塩が均一に分散された状態とは、一辺の長さが0.
002〜1μmで、厚さが6〜20Åの層状珪酸塩がポ
リアミド樹脂中に分散させた際、それぞれが平均20Å
以上の層間距離を保ち、均一に分散されていることであ
る。ここで層間距離とは層状珪酸塩の平板の重心間距離
を言い、均一に分散するとは、層状珪酸塩の平板が、平
均的に5層以下で重なった多層物が平行に、またはラン
ダムに、もしくは平行とランダムに混在した状態で、そ
の50重量%以上が、好ましくは70重量%以上が局所
的な塊を形成することなく分散する状態を言う。
は、ジオクタデシルアミン、フェニレンジアミンのよう
なアミン、4−アミノ−n−酪酸、12−アミノドデカ
ン酸のようなアミノ酸またはε−カプロラクタムのよう
なラクタム類の膨潤化剤と接触させて、予め層間を拡げ
て層間にモノマーを取り込みやすくした後、重合して均
一に分散させることもできる。また、膨潤化剤を用い、
予め層間を20Å以上に拡げて、これをポリアミド樹脂
もしくはこれを含む樹脂と溶融混合して均一に分散させ
る方法によってもよい。
0重量部に対して、0.05〜30重量部、好ましくは
0.5〜10重量部、より好ましく1〜5重量部であ
る。層状珪酸塩の配合量は、その目的に応じて変更でき
るが特に30重量部を超えると衝撃強度を極端に低下さ
せるために好ましくない。
エーテル樹脂とは、下記一般式(I)
4は水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基ならび
にハロゲン原子とフェニル環との間に少なくとも2個の
炭素原子を有するハロアルキル基およびハロアルコキシ
基でかつ第3級α−炭素を含まないものから選んだ一価
置換基を示し、R1〜R4は互いに同じでも異なってい
てもよく、またnは重合度を表す整数である)で表され
るポリフェニレンエーテル(以下「PPE」と略記す
る)である。
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6
−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,
6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテルなどが挙
げられる。
−脂肪族炭化水素共重合体は、水添または非水添スチレ
ン・ブタジエン共重合体、あるいは水添または非水添ス
チレン・イソプレン共重合体である。そして水添または
非水添スチレン・ブタジエン共重合体としては、スチレ
ン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・ブタジエ
ンブロック共重合体の水素添加物、またはスチレン・ブ
タジエンランダム共重合体の水素添加物が使用される。
また、水添または非水添のスチレン・イソプレン共重合
体としては、スチレン・イソプレンブロック共重合体ま
たは、スチレン・イソプレンブロック共重合体の水素添
加物が使用される。
しくは水添スチレン・イソプレン共重合体は、既知の方
法たとえば、米国特許第3431323号明細書に記載
の方法で水素添加することによって得られるもの、ある
いは市販のものから適宜選んで使用することができる。
樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
エチレン・α−オレフィン系樹脂、例えば、エチレン・
プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、
エチレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体
などが挙げられる。本発明では、これらの中でも、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重
合体を好ましく用いられる。
とポリアミド樹脂との相溶化に用いる変性材として
(E)α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体を用
いる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、メチル
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ク
エン酸などが挙げられる。またこれらの誘導体として
は、例えば酸ハラミド、アミド、イミド、無水物、塩お
よびエステルなどが挙げられ、マレイン酸、イタコン
酸、これらの無水物を好ましく用いられる。
は、(A)ポリアミド樹脂、(B)ポリフェニレンエー
テル樹脂、(C)芳香族ビニル化合物−脂肪族炭化水素
共重合体、(D)ポリオレフィン系樹脂の合計100重
量部に対し、成分(A)ポリアミド樹脂40〜90重量
部、好ましくは50〜80重量部、成分(B)ポリフェ
ニレンエーテル樹脂5〜50重量部、好ましくは5〜4
0重量部、成分(C)芳香族ビニル化合物−脂肪族炭化
水素共重合体5〜30重量部、好ましくは5〜20重量
部、成分(D)ポリオレフィン樹脂0〜30重量部、好
ましくは1〜30重量部、特に好ましくは、5〜15重
量部である。また、成分(E)α,β−不飽和カルボン
酸またはその誘導体は、成分(B)ポリフェニレンエー
テル樹脂100重量部に対して、0.01〜1.5重量
部であり、好ましくは、0.1〜1.0重量部である。
リックス相を形成する一方、前記成分(B)、(C)、
(D)が成分(B)をシェル相とし、成分(C)を中間
相とし、成分(D)をコア相とするコアーシェル型粒子
構造の分散相を呈する。また、成分(D)を用いない場
合は、前記成分(A)がマトリックス相を形成する一
方、前記成分(B)、(C)が成分(B)をシェル相と
し、成分(C)ををコア相とするコアーシェル型粒子構
造の分散相を呈する。
て説明する。本発明の組成物は、溶融混練において製造
されるが、好ましい溶融混練機としては一軸あるいは二
軸押出機、バンバリーミキサー等が挙げられ、二軸押出
機が好ましい。しかし勿論後述する各条件が満足されれ
ば、溶融混練機の種類は限定されない。
際、(B)ポリフェニレンエーテル樹脂と(E)α、β
−不飽和カルボン酸またはその誘導体、(C)芳香族ビ
ニル化合物−脂肪族炭化水素共重合体とを190℃〜2
20℃に設定した溶融混練機上流部で混練する。その
後、同一混練機途中から(A)ポリアミド樹脂をフィー
ドし上流よりフィードされた(B)ポリフェニレンエー
テル樹脂らと混練する。この際、(A)ポリアミド樹脂
をフィードした以降の混練機温度は、使用するポリアミ
ドの種類によって異なるが、240℃から350℃程度
に設定される。この際、場合によって用いられる(D)
ポリオレフィン樹脂は、(B)ポリフェニレンエーテル
樹脂らと同様に溶融混練機上流からフィードしても、
(A)ポリアミド樹脂と同様に途中からフィードしても
本発明の特徴を損なうことはない。
リューの長さ(L)とスクリューの径(D)との関係
が、L/D=30以上であることが好ましい。また、混
練機上流から(A)ポリアミド樹脂をフィードする地点
までのスクリューの長さ(L1)とそこからノズルヘッ
ドまでのスクリューの長さ(L2)の関係が、L1/D
=10以上、L2/D=10以上であることが好まし
い。これらの値が小さいと、混練のための十分な距離が
足りないため、物性低下や分散不良を引き起こす。本発
明における溶融混練機のその他の条件、例えば回転数等
は特に限定されない。
は、そのままでも自動車用や電気・電子部品の材料とし
て使用できるが、その目的を損なわない範囲で耐熱剤、
耐候剤、結晶核剤、結晶化促進剤、離型剤、滑剤、帯電
防止剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤等の機能性付与剤を
用いることができる。
フェノール類、ホスファイト類、チオエーテル類、ハロ
ケン化銅などが挙げられ、単独またはこれらを組み合わ
せて使用できる。耐候剤としては、ヒンダードアミン類
やサリシレート類が挙げられ、単独またはこれらを組み
合わせて使用できる。結晶核剤としては、タルク、クレ
ーなどの無機フィラー類や脂肪酸金属塩等の有機結晶核
剤などが挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使
用できる。結晶化促進剤としては、低分子量ポリアミ
ド、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類や高級脂肪族
アルコール類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わ
せて使用できる。離型剤としては、脂肪酸金属塩類、脂
肪酸アミド類や各種ワックス類が挙げられ、単独または
これらを組み合わせて使用できる。帯電防止剤として
は、脂肪族アルコール類、脂肪族アルコールエステル類
や高級脂肪酸エステル類が挙げられ、単独またはこれら
を組み合わせて使用できる。難燃剤としては、水酸化マ
グネシウム等の金属水酸化物、リン、リン酸アンモニウ
ム、ポリリン酸アンモニウム、メラミンシアヌレート、
エチレンジメラミンジシアヌレート、硝酸カリウム、臭
素化エポキシ化合物、臭素化ポリカーボネート化合物、
臭素化ポリスチレン化合物、テトラブロモベンジルポリ
アクリレート、トリブロモフェノール重縮合物、ポリブ
ロモビフェニルエーテル類や塩素系難燃剤が挙げられ、
単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂組成物を加えること
ができる。ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アク
リル樹脂等の汎用樹脂材料、本発明に用いられる(A)
以外の脂肪族ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリフェニレンサルファイド、その他高耐熱樹脂が
挙げられる。
損なわない範囲で、無機および有機の繊維状充填材、球
状充填材、板状充填材が使用できる。使用できるものと
しては、ガラス繊維、カーボン繊維、ステンレス繊維等
の繊維状強化材、タルク、マイカ、モンモリロナイト等
の板状充填材、ワラストナイト等のウイスカー状充填
材、ガラスビーズ等の球状充填材等が挙げられる。
化促進剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助
剤、着色剤等の機能性付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、
強化材の配合方法は、本発明の目的を損なわなければ特
に限定されない。
エンジン、トランスミッション、デファレンシャル機構
部品、シャーシ部品、外装部品、内装部品や電装部品、
電気・電子部品等に使用でき、特にボンネット、フェン
ダー、グリル、ガーニッシュ、ホイールキャップ等の外
装部品に使用した場合その優れた性能を発揮する。
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。なお、実施例および比較例における成形品の物
性測定は次のように行った。
価はすべて乾燥状態で行った。 (1)引張り強さ及び伸び:ASTMD638に従い、
厚み3.2mmの1号試験片を用いて引張り速度毎分5
mmで行った。 (2)曲げ強さ及び曲げ弾性率:ASTMD790に従
い、厚み3.2mmの短冊状試験片を用いて3点曲げ試
験を行った。 (3)衝撃強さ:ASTMD256に従い、厚み3.2
mmの短冊状試験片を用いて後加工でノッチをつけてア
イゾット衝撃試験装置で評価した。 (4)荷重たわみ温度:ASTMD648に従い、厚み
12.7mmの短冊状試験片を用いて、荷重455KP
aにて行った。
測定用スパイラル金型を用い、住友重機製SG75射出
成形機で射出圧力50MPa、樹脂温度280℃、金型
温度80℃での流動長を測定した。
分散性の確認を行った。染色は4酸化ルテニウムとオス
ミウム酸で行った。
る原材料は下記のものを使用した。 成分(A)ポリアミド樹脂 ポリアミドA;数平均分子量15000のポリアミド6
樹脂(宇部興産(株)製1015B) ポリアミドB;一単位の一辺が0.002〜1μm、厚みが
6〜20Åで、それぞれが平均的に20Å以上の層間距離を
保って均一に分散された層状珪酸塩2重量%を含有した
数平均分子量15000のポリアミド6樹脂(宇部興産
(株)製1015C2) ポリアミドC;数平均分子量が20000のポリアミド
66樹脂(宇部興産(株)製2020B) 成分(B)ポリフェニレンエーテル樹脂 PPE;25℃クロロホルミ溶液中における相対粘度
が0.45であるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)樹脂 PPE;PPEのポリフェニレンエーテルと無水マ
レイン酸とを280℃で溶融混練した無水マレイン酸変
性ポリフェニレンエーテル樹脂(前もって作成した赤外
吸収スペクトルの検量線より求めた無水マレイン酸量が
0.2%のもの)成分(C)芳香族ビニル化合物−脂肪
族炭化水素共重合体 水添スチレン−イソプレンブロック共重合体(以下S
EPSと略記;クラレ製セプトン2104) 成分(D)ポリオレフィン系樹脂 230℃、荷重2.16kgにおけるMFRが0.8
g/10分のホモポリプロプレン樹脂(PPと略記) 成分(D)α,β−不飽和カルボン酸 無水マレイン酸(試薬特級;以下MAHと略記)
5重量部、PPE25重量部、SEPS15重量
部、PP5重量部、MAH0.2重量部を用いる。日
本製鋼所製の同方向2軸押出機TEX44HCTを用
い、バレルC1より所定量あらかじめ混合したPPE
、MAH、SEPSを投入し、バレルC6よりあら
かじめ混合したポリアミドAとPPとを投入した。バ
レル温度はC1〜C5を200℃、C6よりノズルヘッ
ドまでを260℃、スクリュー回転数は150rpm、
合計吐出量は40kg/hrで所定の組成物を溶融混練
し、ペレット化した。得られた組成物ペレットを110
℃で12時間真空下で乾燥された後、住友重機SG75
射出成形機を用い、シリンダー温度270℃、金型温度
80℃、射出率70cc/secの条件でそれぞれの試
験片に射出成形した。こうして得られた試料を前述の方
法にて機械的強度、分散状態を確認した。結果を表1に
示す。
Cを用いた以外は実施例1と同様に試験を行った。結果
および組成を表1に示す。
5重量部、PPE5重量部、SEPS10重量部、
PP10重量部、MAH0.04重量部を用いた以外
は実施例1と同様に試験を行った。
5重量部、PPE40重量部、SEPS10重量
部、PP5重量部、MAH0.4重量部を用いた以外
は実施例1と同様に試験を行った。
5重量部、PPE25重量部、SEPS15重量
部、PP5重量部、MAH0.2重量部を用いる。日
本製鋼所製の同方向2軸押出機TEX44HCTを用
い、バレルC1より所定量あらかじめ混合したPPE
、MAHを投入し、バレルC6よりあらかじめ混合し
たポリアミドA、SEPSおよびPPを投入し以外
は実施例1と同様に試験を行った。
5重量部、PPE25重量部、SEPS15重量
部、PP5重量部、MAH0.2重量部を用いる。日
本製鋼所製の同方向2軸押出機TEX44HCTを用
い、バレルC1より所定量あらかじめ混合した成分全て
を投入した。バレル温度はC1〜よりノズルヘッドまで
を260℃、スクリュー回転数は150rpm、合計吐
出量は40kg/hrで所定の組成物を溶融混練し、ペ
レット化した以外は実施例1と同様に試験を行った。
較例1と同様に試験を行った。
5重量部、PPE25重量部、SEPS15重量
部、PP5重量部を用いた以外は比較例2と同様に試
験を行った。
かった以外は実施例1と同様に試験を行った。
5重量部、PPE25重量部、SEPS15重量
部、PP5重量部、MAH0.2重量部を用いる。日
本製鋼所製の同方向2軸押出機TEX44HCTを用
い、バレルC1より所定量あらかじめ混合したPPE
、MAH、SEPSを投入し、バレルC6よりあら
かじめ混合したポリアミドAとPPを投入した。バレ
ル温度はC1〜よりノズルヘッドまでを260℃、スク
リュー回転数は150rpm、合計吐出量は40kg/
hrで所定の組成物を溶融混練し、ペレット化した以外
は実施例1と同様に試験を行った。
て作成された組成物は良好な機械的性質、耐熱性、衝撃
性のバランスに優れ、自動車部品、電気・電子部品、機
械部品等の幅広い分野に使用することができる。
示す図面に代える透過型電子顕微鏡写真である。
示す図面に代える透過型電子顕微鏡写真である。
示す図面に代える透過型電子顕微鏡写真である。
Claims (6)
- 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂、(B)ポリフェニ
レンエーテル樹脂、(C)芳香族ビニル化合物−脂肪族
炭化水素共重合体、及び(D)ポリオレフィン樹脂の合
計100重量部に対し、前記成分(A)が40〜90重
量部、前記成分(B)が5〜50重量部、前記成分
(C)が5〜30重量部、及び前記成分(D)が0〜3
0重量部であり、さらに(E)α、β−不飽和カルボン
酸またはその誘導体が、前記成分(B)100重量部に
対して0.01〜1.5重量部である前記各成分を含有
する樹脂組成物を溶融混練する過程において、前記成分
(B)、(C)及び(E)を、190〜220℃に設定
した溶融混練機上流より添加し、前記成分(A)を溶融
混練機途中から添加することを特徴とする熱可塑性樹脂
組成物の製造方法。 - 【請求項2】(A)ポリアミド樹脂、(B)ポリフェニ
レンエーテル樹脂、(C)芳香族ビニル化合物−脂肪族
炭化水素共重合体、及び(D)ポリオレフィン樹脂の合
計100重量部に対し、前記成分(A)が40〜90重
量部、前記成分(B)が5〜50重量部、前記成分
(C)が5〜30重量部、及び前記成分(D)が1〜3
0重量部であり、さらに(E)α、β−不飽和カルボン
酸またはその誘導体が、前記成分(B)100重量部に
対して0.01〜1.5重量部である前記各成分を含有
する樹脂組成物を溶融混練する過程において、前記成分
(B)、(C)及び(E)を、190〜220℃に設定
した溶融混練機上流より添加し、前記成分(A)を溶融
混練機途中から添加することを特徴とする熱可塑性樹脂
組成物の製造方法。 - 【請求項3】成分(A)ポリアミド樹脂が、脂肪族ジア
ミンと脂肪族ジカルボン酸からなるか、またはラクタム
もしくはアミノカルボン酸からなる脂肪族ポリアミド樹
脂である請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物の製
造方法。 - 【請求項4】成分(A)ポリアミド樹脂が、芳香族系モ
ノマー成分を1成分含む部分芳香族共重合ポリアミド樹
脂である請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物の製
造方法。 - 【請求項5】成分(A)ポリアミド樹脂が、層状珪酸塩
0.05〜30重量%を含有するポリアミド樹脂である
請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項6】前記成分(A)がマトリックス相を形成す
る一方、前記成分(B)、(C)、(D)が成分(B)
をシェル相とし、成分(C)を中間相とし、成分(D)
をコア相とするコアーシェル型粒子構造の分散相を呈す
ることを特徴とする請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物
の製造方法。
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