JP2002337752A - 自動車事故記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録動作の停止タイミングの自由度を向上さ
せ、ユーザが必要と判断する場面を適切に録画し、保険
会社などによる事故調査の便宜に供することのできる自
動車事故記録装置を提供する。 【解決手段】 自動車事故記録装置は、自動車周囲の状
況を撮影し記録媒体に動画像データとして順次上書き保
存する撮影装置１１と、当該自動車の事故を検出する事
故検出手段１２と、当該自動車のエンジンの停止を検出
するエンジン停止検出手段１３と、前記事故検出手段１
２により事故が検出され、更に前記エンジン停止検出手
段１３によりエンジンの停止が検出された時に、前記撮
影装置１１による前記上書き保存を停止させる制御手段
１０と、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車事故記録装置
に関し、特に自動車事故の発生時に現場の状況を的確に
記録し、保険会社による調査や捜査機関による捜査を円
滑に行ない、低コストで迅速な事件解決を図ることので
きる自動車事故記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の事故処理による状況認定では、事
故当事者双方の主張が食い違うことが多い。このため、
相互の過失割合の決定や示談の成立までには多くの時間
を要している。さらに、事故処理にあたる損害保険会社
の調査業務にも多大な人件費が必要になっている。

【０００３】特許第２９１４９９３号は、自動車にビデ
オカメラを設置して記録手段に書き換えて記録し、自動
車が事故のときに前記書き換えを停止することにより、
自動車事故の原因究明を容易かつ正確に行ない、当事者
の示談の交渉をスムーズに行なおうとするものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特許第２
９１４９９３号では、事故信号又は暴走信号の発生後一
定時間で記録動作を停止してしまう。事故処理後の状況
認定に役立つ事象がたまたまその時間内に生じていれば
よいが、それ以外の時間に生じた事象は記録できないこ
とになる。記録できるデータ量を大きくして録画時間を
長くすることも考えられるが、単価の増大を招くことに
なり好ましくない。

【０００５】本発明は、自動車のエンジン停止まで記録
動作を行なうことにより、記録動作の停止タイミングの
自由度を向上させ、ユーザが必要と判断する場面を適切
に録画し、保険会社などによる事故調査の便宜に供する
ことのできる自動車事故記録装置を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の自動車事故記録装置は、自動車周囲の状況
を撮影し記録媒体に動画像データとして順次上書き保存
する撮影装置と、当該自動車の事故を検出する事故検出
手段と、当該自動車のエンジンの停止を検出するエンジ
ン停止検出手段と、前記事故検出手段により事故が検出
され、更に前記エンジン停止検出手段によりエンジンの
停止が検出された時に、前記撮影装置による前記上書き
保存を停止させる制御手段と、を備えたものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。

【０００８】図１は、本発明の一実施形態による自動車
事故記録装置のブロック図である。この自動車事故記録
装置は、撮影装置１１と、事故検出手段１２と、エンジ
ン停止検出手段１３と、制御装置１０とを備えている。

【０００９】撮影装置１１は、ビデオカメラと、ビデオ
カメラで撮影した動画像を記録する記録媒体とを備えて
いる。ビデオカメラは、自動車の前方若しくは後方又は
その両方に設置され、自動車の周囲の状況を撮影するよ
うになっている。ビデオカメラは計時手段を備え、撮影
日時が画像の端部に表示されるように画像データを生成
することが望ましい。これにより事故の日時を客観的に
特定することができ、事故の状況を的確に把握すること
ができる。更に望ましくは自動車に備えられた速度計な
どの各種計器に接続し、撮影中の各時点における自動車
の速度などを画像の端部に表示されるように画像データ
を生成する。記録媒体は、ビデオカメラで撮影された動
画像を順次上書き保存するため、エンドレステープや不
揮発性メモリ装置などを用いることが望ましい。

【００１０】事故検出手段１２は、加速度計、傾斜計な
どを備え、衝撃や横転などを検知して制御装置１０に出
力する。また事故検出手段１２はこれに限らず、運転者
が任意に操作可能なボタンを備え、運転者が事故と判断
しボタンを押下した場合にも事故を検出したことにして
もよい。

【００１１】エンジン停止検出手段１３は、エンジンの
回転を検知し、エンジンの回転が停止した場合に制御装
置１０にエンジン停止の検出信号を出力する。

【００１２】制御装置１０は、撮影装置１１の動作を制
御する装置であり、事故検出手段１２で事故が検出さ
れ、エンジン停止検出手段１３でエンジン停止が検出さ
れた場合に撮影装置による撮影を停止させ、記録媒体へ
の上書き保存を停止させる。

【００１３】図２は、上記実施形態による自動車事故記
録装置に備えられる制御装置１０の動作を説明するフロ
ーチャートである。制御装置１０は、エンジンの始動と
同時に撮影装置１１に撮影および記録媒体への記録を開
始させる（Ｓ１）。記録媒体が動画を記録可能な時間が
経過すれば、順次上書き保存をさせる。

【００１４】事故検出手段１２が事故を検出した場合、
制御装置１０はその信号を受信するとエンジンの停止を
待つ（Ｓ２）。こうしている間も撮影装置１１は自動車
周囲の状況の撮影及び記録媒体への記録を実行し続けて
いる。

【００１５】エンジン停止検出手段１３がエンジン停止
を検出し、制御装置１０がその信号を受信した場合（Ｓ
３）、制御装置１０は撮影装置１１における撮影及び記
録媒体への記録を停止させる（Ｓ４）。その結果記録媒
体に記録される映像は、エンジン停止時刻と、これより
記録媒体の動画記録可能時間だけさかのぼった時刻との
間における映像となる。そして、以上の動作により、エ
ンジン停止前の一定期間にわたる映像が記録媒体に記録
され、事故後の調査に役立てられることとなる。

【００１６】エンジンの停止は、エンジン故障などが無
いかぎり、運転者が任意のタイミングで行なうことがで
きるので、事故後、相手が逃走しようとしたり、証拠隠
滅をはかろうとした場合でも撮影を続行でき、必要な時
に撮影動作が自動停止してしまうという事態を防止する
ことができる。

【００１７】撮影装置１１における記録媒体への上書き
保存の動作は、エンジンの停止時までの間に限らず、事
故の検出時からの最短時間や最長時間を定めておいても
良い。事故の検出時からの最短時間を定めておくことに
より、事故が検出されてすぐにエンジン故障などの理由
によりエンジンが停止した場合でも、事故後一定期間は
周辺の状況を撮影することができる。また、事故の検出
時からの最長時間を定めておくことにより、事故後エン
ジンを止め忘れていた場合でも、上書き保存の動作を停
止させることができる。最長時間を定める場合は、記録
媒体の動画記録可能時間より短く設定する。これによ
り、事故直前の情報が消えないようにすることができ
る。

【００１８】本実施形態によれば、事故前後の自動車周
囲の状況を客観的に再現することができるので、当事者
の争いを迅速に解決することができる。これにより、保
険会社における事故処理コストを大幅に削減することが
できるため、本実施形態による自動車事故記録装置を搭
載した自動車について、自動車保険の保険料の割り引き
を行なうことも可能となるので、保険会社や捜査機関の
みならずユーザにとってもメリットがある。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
自動車のエンジン停止まで記録動作を行なうことによ
り、記録動作の停止タイミングの自由度を向上させ、ユ
ーザが必要と判断する場面を適切に録画し、保険会社な
どによる事故調査の便宜に供することのできる自動車事
故記録装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態による自動車事故記録装置
のブロック図である。

【図２】上記実施形態による自動車事故記録装置に備え
られる制御装置の動作を説明するフローチャートであ
る。

【符号の説明】

１１ 撮影装置 １２ 事故検出手段 １３ エンジン停止検出手段 １０ 制御装置

フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E038 AA07 BA09 BB05 CA03 CA07 CB10 DA02 DB08 EA02 GA01 JA02 5C054 AA01 CH04 EA07 GA01 GA04 GB04 GD03 HA00 5H180 AA01 CC04 EE08 FF10

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車周囲の状況を撮影し記録媒体に動
   画像データとして順次上書き保存する撮影装置と、 当該自動車の事故を検出する事故検出手段と、 当該自動車のエンジンの停止を検出するエンジン停止検
   出手段と、 前記事故検出手段により事故が検出され、更に前記エン
   ジン停止検出手段によりエンジンの停止が検出された時
   に、前記撮影装置による前記上書き保存を停止させる制
   御手段と、を備えた、自動車事故記録装置。