JP2002336874A5 - - Google Patents
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Description
【発明の名称】脱リン材
【特許請求の範囲】
【請求項1】その表面にカードハウス状または板状に成長した珪酸カルシウム水和物が析出している珪酸カルシウム水和物を主たる構成物とする脱リン材。
【請求項2】上記脱リン材は略球形状または中空パイプ形状である請求項1に記載の脱リン材。
【請求項3】上記珪酸カルシウム水和物は、トバモライト、ゾノトライト、ヒレブランダイト、ワラストナイトの中の1種類または2種類以上の組み合わせである請求項1または請求項2に記載の脱リン材。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リン酸やリン酸塩(以下、「リン」と略す)を湖、沼、貯水池、河川水、生活排水、家畜屎尿排水、下水から除去するための脱リン材に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、貯水池における富栄養化現象の防止策は、流入河川対策と貯水池内対策に大別される。貯水池内対策には、曝気循環、噴水、選択放流などがある。しかし、これらは積極的に栄養塩類を除去する方策ではない。流入河川対策には流路転換と流入水処理がある。流路転換もまた栄養塩類を積極的に除去するものではない。流入水処理は、栄養塩類を積極的に除去することを目的とした方法である。これは、礫間接触、凝集沈降分離、リン吸着材などにより、水中のリンを除去する。
【0003】
特にリン吸着材による脱リン処理は有効な手段であると考えられる。凝集沈降分離のようなスラッジの回収処理が不必要だからである。リン吸着材(脱リン材)としては、従来、特開昭62−183898号公報に記載されているものが知られている。このものは、トバモライト系水和物を主要鉱物とした独立気泡を有する多孔質処理材である。この脱リン材では、アルミニウム粉末などの気泡剤を使用して空隙を造っている。よって、その製法上、空隙である気泡は独立気泡となっている。
【0004】
上記脱リン材を用いて脱リン効果を調べた結果、リンは、気泡内部に成長したトバモライト水和物を析出サイトとして、アパタイト(リン灰石)の形で固定されていることが分かった。また、このアパタイトの析出は、リン溶液が直接に接する硬化体の表面近傍でのみ旺盛であり、硬化体の内部の気泡ではアパタイトの析出は認められなかった。これは気泡が、硬化体の製法上、独立の気泡にならざるを得ないことに起因するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の脱リン材では独立気泡を有しているために、脱リン効果が不十分であった。特に、その内部ではアパタイトの吸着を行うことができなかった。よって、脱リン材としては、大型でかさばり、その容積効率が低いという課題を有していた。
【0006】
【発明の目的】
そこで、この発明の目的は、脱リン材としての容積効率を飛躍的に高めることである。また、廃棄物量、処分費用を大幅に低減することを、その目的としている。さらに、この発明は、脱リン材全体において比較的均一な硬さにすることができることを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、その表面にカードハウス状または板状に成長した珪酸カルシ ウム水和物が析出している珪酸カルシウム水和物を主たる構成物とする脱リン材である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記脱リン材は略球形状または中空パイプ形状である請求項1に記載の脱リン材である。脱リン材を略球形状に形成する方法は限定されない。脱リン材を中空パイプ状に形成する方法は限定されない。中空パイプ状とは、断面円形の環状に限られず、各断面が楕円形、三角形、四角形、五角形などの多角形状、または、任意形の環状でもよい。
【0009】
請求項3に記載の発明は、上記珪酸カルシウム水和物は、トバモライト、ゾノトライト、ヒレブランダイト、ワラストナイトの中の1種類または2種類以上の組み合わせである請求項1または請求項2に記載の脱リン材である。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】
請求項1〜請求項3に記載の発明に係る脱リン材では、脱リン材は例えばカラムなどの容器に収容され、この容器がリンを含む汚水中に投入される。この脱リン材は略球形または中空パイプ形であり、全表面にアパタイトの析出サイトである珪酸カルシウム水和物が成長している。このため、アパタイトの析出サイトである珪酸カルシウム水和物とリン含有水との接触面積が増大し、リンの吸着効率がきわめて高くなっている。また、略球形とした場合には、脱リン材としての取り扱い性が優れている。なお、この脱リン材は充填床としても使用することができる。
【0015】
この脱リン材の製造方法では、珪酸質原料の粉末と石灰質原料の粉末とを用いて、転動造粒または押出成形加工する。転動造粒の場合、例えば直径が1〜15mm程度の球体とする。また、押し出し成形の場合、例えば外径3〜20mm,内径1〜15mm,長さ0.3〜2m程度の中空パイプとする。そして、この造粒体または成形体を湿空中または室温にて養生する。さらに、これを高温高圧養生する。例えばオートクレーブ中にて180℃,10atmで養生する。この結果、略球形の珪酸カルシウム水和物の脱リン材が製造される。そして、この脱リン材をカラムなどの容器に収容して使用する。
なお、略球形の脱リン材を転動造粒した場合、どうしてもその中心部より表面部の方が強度的に弱くなり、脱リン材全体としての硬度が不均一となりやすい。これに対して、脱リン材を中空パイプ形に押し出し成形した場合には、成形が安定しているので、このような事態はほとんど起こらず、脱リン材の全体を均一的な硬度とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、まず図1〜図3に基づいて、この発明に係る脱リン材の第1実施例を説明する。
脱リン材の原料としては、以下のものを用意する。
珪酸質原料としては、珪石粉末を使用する。
石灰質原料としては、普通ポルトランドセメントを使用する。
これら粉末の粉末度は、それぞれ5000cm2/g、3200cm2/gである。その割合を重量比で43:57で混合する。
そして、これらを混合した原料を直径φ1.5mのパン型ペレタイザーを用いて転動造粒した。パン内に原料を投入しながら、同時に水を散布して造粒した。造粒時のパンの回転数と散水量とは、造粒状況を観察しながら調節した。
【0017】
この結果、得られた直径1〜5mmの造粒体について以下の養生を施した。すなわち、温度40℃、湿度100%、10時間養生した。
次いで、これをステンレス製の容器に入れ、水に浸して、気圧10atm、180℃のオートクレーブ中で8時間養生した。
養生後、これを電子顕微鏡で観察した結果、表面にはカードハウス状または板状に成長したトバモライトが析出していることが確認された。
図1の(A)は脱リン材1を示している。その全表面がリンの吸着サイトとなる。これに対して(B)に示す従来例の脱リン材2では気泡部が吸着サイトとなるのみである。
【0018】
そして、図2に示す装置により、この脱リン材1の性能を調べた。脱リン材1は、アクリル製カラムに内装した。比較例として、特開昭62−183898号公報に記載されているものを上記カラムに充填してその脱リン性能を調べた。この装置には、人工リン溶液(KH2PO4 ,10mg・P/リットル)を流した。人工リン液はカラム容積392mlに対して392ml/時の速度で流した。溶液中のリン濃度を測定した結果を図3に示す。
この結果、この発明によれば、比較例に対してより優れた脱リン性能を確認することができた。
【0019】
次に、図4および図5に基づいて、この発明の第2実施例に係る脱リン材を説明する。
脱リン材の原料としては、以下のものを用意する。
珪酸質原料としては、珪石粉末を使用する。
石灰質原料としては、普通ポルトランドセメントを使用する。
増粘剤としては、メチルセルロースを使用する。
これらの珪石粉末および普通ポルトランドセメントの粉末度は、それぞれ5000cm2/g、3200cm2/gである。その割合を重量比で43:57で混合する。そして、これらの混合物100重量部に対して1重量部の割合で増粘剤を混合した。
【0020】
混合した原料に水を22重量%加えて混練した後、図5に示すような一般的な押し出し成形機により中空パイプ状の成形体を得た(外径5mm,内径2mm,長さ1m)。成形体は24時間、20℃の室内での養生後、ステンレス容器に入れ、水に浸してオートクレーブ養生を10気圧、180℃で8時間行った。養生後、これを電子顕微鏡により観察したところ、外周面,内周面および破断面とも、カードハウス状または板状に成長したトバモライトが確認することができた。
図4はその中空パイプ状の脱リン材3を示している。その全表面がリンの吸着サイトとなる。
【0021】
そして、図2に示す装置により、この脱リン材3の性能を第1実施例のものと同様にして調べた。溶液中のリン濃度を測定した結果は、図3の場合と略同じになった。
なお、図5において、10は押し出し成形機本体、11は原料投入用のホッパ、12は駆動モータ、13はヒータ、14はスクリュー、15は口金、16はフォーミングダイ、17は冷却槽、18は引き取り機、19は定寸自動カッタ、20は成形された中空パイプ状の成形体である。
図5に示すように、ホッパ11から押し出し成形機本体10へ投入された原料は、スクリュー14により成形機本体11の出口側へ移送されながら、ヒータ13の熱により溶融状態となる。そして、この出口に装着された口金15から中空パイプ状に押し出される。その後、この成形体は、引き取り機18の引っ張り力にも助けられて、フォーミングダイ16を通過時に形状のフォーミングが行われ、さらに冷却槽17の通過時に所定温度まで冷やされて硬化し、その後、定寸自動カッタ19により上記所定長さにカットされる。
【0022】
【発明の効果】
この発明に係る脱リン材よれば、脱リン効果を高めることができる。特にその容積効率を高めることができる。
また、中空パイプ状の脱リン材を押し出し成形により製造すれば、脱リン材全体において、比較的均一な硬さの良質なものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る脱リン材を示す概念図である。
【図2】この発明の第1実施例に係る実験装置を示す図である。
【図3】この発明の第1実施例に係る実験結果を示すグラフである。
【図4】この発明の第2実施例に係る脱リン材を示す概念図である。
【図5】この発明の第2実施例に係る脱リン材の押し出し成形機を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,3 脱リン材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】その表面にカードハウス状または板状に成長した珪酸カルシウム水和物が析出している珪酸カルシウム水和物を主たる構成物とする脱リン材。
【請求項2】上記脱リン材は略球形状または中空パイプ形状である請求項1に記載の脱リン材。
【請求項3】上記珪酸カルシウム水和物は、トバモライト、ゾノトライト、ヒレブランダイト、ワラストナイトの中の1種類または2種類以上の組み合わせである請求項1または請求項2に記載の脱リン材。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リン酸やリン酸塩(以下、「リン」と略す)を湖、沼、貯水池、河川水、生活排水、家畜屎尿排水、下水から除去するための脱リン材に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、貯水池における富栄養化現象の防止策は、流入河川対策と貯水池内対策に大別される。貯水池内対策には、曝気循環、噴水、選択放流などがある。しかし、これらは積極的に栄養塩類を除去する方策ではない。流入河川対策には流路転換と流入水処理がある。流路転換もまた栄養塩類を積極的に除去するものではない。流入水処理は、栄養塩類を積極的に除去することを目的とした方法である。これは、礫間接触、凝集沈降分離、リン吸着材などにより、水中のリンを除去する。
【0003】
特にリン吸着材による脱リン処理は有効な手段であると考えられる。凝集沈降分離のようなスラッジの回収処理が不必要だからである。リン吸着材(脱リン材)としては、従来、特開昭62−183898号公報に記載されているものが知られている。このものは、トバモライト系水和物を主要鉱物とした独立気泡を有する多孔質処理材である。この脱リン材では、アルミニウム粉末などの気泡剤を使用して空隙を造っている。よって、その製法上、空隙である気泡は独立気泡となっている。
【0004】
上記脱リン材を用いて脱リン効果を調べた結果、リンは、気泡内部に成長したトバモライト水和物を析出サイトとして、アパタイト(リン灰石)の形で固定されていることが分かった。また、このアパタイトの析出は、リン溶液が直接に接する硬化体の表面近傍でのみ旺盛であり、硬化体の内部の気泡ではアパタイトの析出は認められなかった。これは気泡が、硬化体の製法上、独立の気泡にならざるを得ないことに起因するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の脱リン材では独立気泡を有しているために、脱リン効果が不十分であった。特に、その内部ではアパタイトの吸着を行うことができなかった。よって、脱リン材としては、大型でかさばり、その容積効率が低いという課題を有していた。
【0006】
【発明の目的】
そこで、この発明の目的は、脱リン材としての容積効率を飛躍的に高めることである。また、廃棄物量、処分費用を大幅に低減することを、その目的としている。さらに、この発明は、脱リン材全体において比較的均一な硬さにすることができることを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、その表面にカードハウス状または板状に成長した珪酸カルシ ウム水和物が析出している珪酸カルシウム水和物を主たる構成物とする脱リン材である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記脱リン材は略球形状または中空パイプ形状である請求項1に記載の脱リン材である。脱リン材を略球形状に形成する方法は限定されない。脱リン材を中空パイプ状に形成する方法は限定されない。中空パイプ状とは、断面円形の環状に限られず、各断面が楕円形、三角形、四角形、五角形などの多角形状、または、任意形の環状でもよい。
【0009】
請求項3に記載の発明は、上記珪酸カルシウム水和物は、トバモライト、ゾノトライト、ヒレブランダイト、ワラストナイトの中の1種類または2種類以上の組み合わせである請求項1または請求項2に記載の脱リン材である。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】
請求項1〜請求項3に記載の発明に係る脱リン材では、脱リン材は例えばカラムなどの容器に収容され、この容器がリンを含む汚水中に投入される。この脱リン材は略球形または中空パイプ形であり、全表面にアパタイトの析出サイトである珪酸カルシウム水和物が成長している。このため、アパタイトの析出サイトである珪酸カルシウム水和物とリン含有水との接触面積が増大し、リンの吸着効率がきわめて高くなっている。また、略球形とした場合には、脱リン材としての取り扱い性が優れている。なお、この脱リン材は充填床としても使用することができる。
【0015】
この脱リン材の製造方法では、珪酸質原料の粉末と石灰質原料の粉末とを用いて、転動造粒または押出成形加工する。転動造粒の場合、例えば直径が1〜15mm程度の球体とする。また、押し出し成形の場合、例えば外径3〜20mm,内径1〜15mm,長さ0.3〜2m程度の中空パイプとする。そして、この造粒体または成形体を湿空中または室温にて養生する。さらに、これを高温高圧養生する。例えばオートクレーブ中にて180℃,10atmで養生する。この結果、略球形の珪酸カルシウム水和物の脱リン材が製造される。そして、この脱リン材をカラムなどの容器に収容して使用する。
なお、略球形の脱リン材を転動造粒した場合、どうしてもその中心部より表面部の方が強度的に弱くなり、脱リン材全体としての硬度が不均一となりやすい。これに対して、脱リン材を中空パイプ形に押し出し成形した場合には、成形が安定しているので、このような事態はほとんど起こらず、脱リン材の全体を均一的な硬度とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、まず図1〜図3に基づいて、この発明に係る脱リン材の第1実施例を説明する。
脱リン材の原料としては、以下のものを用意する。
珪酸質原料としては、珪石粉末を使用する。
石灰質原料としては、普通ポルトランドセメントを使用する。
これら粉末の粉末度は、それぞれ5000cm2/g、3200cm2/gである。その割合を重量比で43:57で混合する。
そして、これらを混合した原料を直径φ1.5mのパン型ペレタイザーを用いて転動造粒した。パン内に原料を投入しながら、同時に水を散布して造粒した。造粒時のパンの回転数と散水量とは、造粒状況を観察しながら調節した。
【0017】
この結果、得られた直径1〜5mmの造粒体について以下の養生を施した。すなわち、温度40℃、湿度100%、10時間養生した。
次いで、これをステンレス製の容器に入れ、水に浸して、気圧10atm、180℃のオートクレーブ中で8時間養生した。
養生後、これを電子顕微鏡で観察した結果、表面にはカードハウス状または板状に成長したトバモライトが析出していることが確認された。
図1の(A)は脱リン材1を示している。その全表面がリンの吸着サイトとなる。これに対して(B)に示す従来例の脱リン材2では気泡部が吸着サイトとなるのみである。
【0018】
そして、図2に示す装置により、この脱リン材1の性能を調べた。脱リン材1は、アクリル製カラムに内装した。比較例として、特開昭62−183898号公報に記載されているものを上記カラムに充填してその脱リン性能を調べた。この装置には、人工リン溶液(KH2PO4 ,10mg・P/リットル)を流した。人工リン液はカラム容積392mlに対して392ml/時の速度で流した。溶液中のリン濃度を測定した結果を図3に示す。
この結果、この発明によれば、比較例に対してより優れた脱リン性能を確認することができた。
【0019】
次に、図4および図5に基づいて、この発明の第2実施例に係る脱リン材を説明する。
脱リン材の原料としては、以下のものを用意する。
珪酸質原料としては、珪石粉末を使用する。
石灰質原料としては、普通ポルトランドセメントを使用する。
増粘剤としては、メチルセルロースを使用する。
これらの珪石粉末および普通ポルトランドセメントの粉末度は、それぞれ5000cm2/g、3200cm2/gである。その割合を重量比で43:57で混合する。そして、これらの混合物100重量部に対して1重量部の割合で増粘剤を混合した。
【0020】
混合した原料に水を22重量%加えて混練した後、図5に示すような一般的な押し出し成形機により中空パイプ状の成形体を得た(外径5mm,内径2mm,長さ1m)。成形体は24時間、20℃の室内での養生後、ステンレス容器に入れ、水に浸してオートクレーブ養生を10気圧、180℃で8時間行った。養生後、これを電子顕微鏡により観察したところ、外周面,内周面および破断面とも、カードハウス状または板状に成長したトバモライトが確認することができた。
図4はその中空パイプ状の脱リン材3を示している。その全表面がリンの吸着サイトとなる。
【0021】
そして、図2に示す装置により、この脱リン材3の性能を第1実施例のものと同様にして調べた。溶液中のリン濃度を測定した結果は、図3の場合と略同じになった。
なお、図5において、10は押し出し成形機本体、11は原料投入用のホッパ、12は駆動モータ、13はヒータ、14はスクリュー、15は口金、16はフォーミングダイ、17は冷却槽、18は引き取り機、19は定寸自動カッタ、20は成形された中空パイプ状の成形体である。
図5に示すように、ホッパ11から押し出し成形機本体10へ投入された原料は、スクリュー14により成形機本体11の出口側へ移送されながら、ヒータ13の熱により溶融状態となる。そして、この出口に装着された口金15から中空パイプ状に押し出される。その後、この成形体は、引き取り機18の引っ張り力にも助けられて、フォーミングダイ16を通過時に形状のフォーミングが行われ、さらに冷却槽17の通過時に所定温度まで冷やされて硬化し、その後、定寸自動カッタ19により上記所定長さにカットされる。
【0022】
【発明の効果】
この発明に係る脱リン材よれば、脱リン効果を高めることができる。特にその容積効率を高めることができる。
また、中空パイプ状の脱リン材を押し出し成形により製造すれば、脱リン材全体において、比較的均一な硬さの良質なものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る脱リン材を示す概念図である。
【図2】この発明の第1実施例に係る実験装置を示す図である。
【図3】この発明の第1実施例に係る実験結果を示すグラフである。
【図4】この発明の第2実施例に係る脱リン材を示す概念図である。
【図5】この発明の第2実施例に係る脱リン材の押し出し成形機を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,3 脱リン材。
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JP8-358339 | 1996-12-28 | ||
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Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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- 2002-03-25 JP JP2002084151A patent/JP3733921B2/ja not_active Expired - Fee Related
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