JP2002336397A - フレームおよびそれを備えた滑走装置 - Google Patents

フレームおよびそれを備えた滑走装置

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JP2002336397A JP2002023318A JP2002023318A JP2002336397A JP 2002336397 A JP2002336397 A JP 2002336397A JP 2002023318 A JP2002023318 A JP 2002023318A JP 2002023318 A JP2002023318 A JP 2002023318A JP 2002336397 A JP2002336397 A JP 2002336397A
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Hideyuki Hama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雪の斜面を滑走する滑走板を備えた滑走装置
において、さらに安定した滑走性能が得られる滑走装置
を提供する。 【解決手段】 リアボード3とフレーム10との後方の
取付け機構21aに、前後方向に湾曲するように下方に
凸の突起部22を設け、そこに前後に延びた長孔25を
設けてボルト31でボード3とフレーム10を取付け
る。このような取付け機構を採用することにより、ボー
ド3とフレーム10との間にスペースを安定して確保で
き、ボードを自由にしならせることができると共に、上
下左右にボードががたつかない滑走装置20を提供で
き、常に安定した滑走特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雪面などを滑走可
能な滑走装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】滑走板に立った状態で乗り、ハンドルで
進行方向を制御しながらゲレンデなどの雪斜面を滑走し
て楽しむことができる滑走装置が知られており、スノー
スクートなどの商標を付して市販されている。この滑走
装置1は、図15に概要を示してあるように、前後に配
置された2枚のボード2および3に跨ってハンドル4を
操ってゲレンデを滑走することが可能なものであり、雪
上自転車とも称されるものである。
【0003】ハンドル4は、オートバイやマウンテンバ
イクなどと同様のものが使用可能であり、前方の滑走板
(フロントソール、フロントボード)2に固定された状
態で上方に伸びたステムシャフト5に連結装置6により
固定されている。ステムシャフト5は、ベアリングを内
蔵したフォーク7で回転するフォークシャフトでもあ
り、フォーク7を介してフロントボード2をフレーム8
により支持する機能も備えている。したがって、フロン
トボード2は左右に旋回可能な状態で後方の滑走板(リ
アソール、リアボード)3と連結されている。
【0004】リアボード3には、ライダ(ユーザ)が足
を入れることができるストラップ9が取付けられてお
り、ライダは靴の先端を甲の付近までストラップ9に入
れてリアボード3の上に立った状態で乗る。そして、ハ
ンドル4を用いてフロントボード2を操作する。それと
共に、体重によりボード3の両端のサイドカーブ3cを
雪面に押し付けて、適当なカーブを描き所望の方向に向
かって滑ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この滑走装置1はまだ
歴史が浅く、多くの改善すべき点がある。たとえば、フ
レーム8とボード2あるいは3との結合部分である。図
16に示してあるように、フレーム8の後方はリアボー
ド3と前後の2箇所、実際には前後左右の4箇所で弾性
部材32を挟んでボルト31により連結されている。と
ころで、この滑走装置1は、滑走時には前後に分かれた
滑走板2および3が一枚の長い滑走板となるような動き
で滑走する。そして、図17に示すように、カーブする
ときは、体重をかけてボード3をしならせ、サイドカー
ブ3cを利用することにより切れの良いカーブを楽しむ
ことができる。このため、ボード2および3は、グラス
ファイバーあるいは炭素繊維などを用いた弾性のあるし
なりやすい強化プラスチック製であり、滑走板が大きく
しなれば小回りがしやすくなり、しなり難いと回転半径
は大きくなる。したがって、柔らかくしなりやすい滑走
板を採用した滑走装置は小回りがきき、堅くしなり難い
滑走板を採用した滑走装置は小回りし難い滑走装置とな
る。
【0006】したがって、ボード3がしなることは滑走
装置が回転するのに重要な要素である。一方、フレーム
8は前後のボード2および3を接続すると共に、フレー
ム8に搭乗するユーザ、すなわちライダを支持しハンド
ル4が操作できるようにするために強度が要求される。
したがって、通常は金属パイプを主な構造部材として形
成されており、歪みあるいはしなり難い構造となってい
る。このため、フレーム8とボード3をボルト31で通
常通り固定してしまうとボード3がしならなくなり、回
転が非常に難しくなる。
【0007】したがって、現状では、図18(a)およ
び(b)に示すように、ボード3とフレーム8との間に
発泡ウレタンなどの弾性部材32が挟まれており、ボー
ド3の前端3aから約1/5の位置と、後端3bから2
/5の位置の左右の合計4箇所でボルトナット31によ
ってルーズに締め付けられている。すなわち、フレーム
8の後方の部分は、パイプ製の部材によって周辺を形成
されると共に、ライダが足を搭載できるようにボード3
に沿って伸びた金属製あるいはプラスチック製の平坦な
プレート部分10を備えている。そのプレート10ある
いはそのプレート10の下方に取付けられた接続用の部
材には、ボード3に埋め込まれて固定されたスタッドボ
ルト31と対峙する位置にスタッドボルト31の径の3
倍程度の大きな孔19が開けられ、スタッドボルト31
は孔19より大きなナット33あるいはワッシャーによ
りフレームプレート10に取付けられている。なお、以
降では、ボルトとの取付け部分を主に説明するので、プ
レート10をフレームとして説明する。
【0008】したがって、スタッドボルト31は孔19
の範囲で自由に動くことができ、図18(a)に示すよ
うに、ボード3がしなるようになっている。そして、弾
性部材32がボード3とフレーム10との間を埋めるこ
とにより、スタッドボルト31がルーズにフレーム10
に取付けられていても、ボード3とフレーム10とのあ
る程度の一体感は保持できるようになっている。このよ
うな方法により、とり合えずフレーム10とボード3
は、ボード3がしなるように取付けられている。
【0009】しかしながら、このような滑走装置である
と、たとえば、図19(a)に示すように、ボード3が
フレーム10の動きに一体化するようにボルト31の締
め付けを強くし弾性部材32を圧縮すると、ボード3と
フレーム10との隙間が小さくなる。したがって、ボー
ド3がしなる余裕はなくなり、エッジの効いた回転(カ
ーブ)はしにくくなり、回転時の遠心力に耐え切れず、
エッジが横方向にスリップし始め、安定したカーブがで
きなくなる。また、ボード3とフレーム10との間に隙
間がなくなると、ボード3の弾性力が活かせなくなるの
で、ボードの左右が上下にねじれるトーションが発生し
易く、これによってもエッジの効いたカーブがしにくく
なる。
【0010】一方、図19(b)に示すように、弾性部
材32を厚くしてボード3とフレーム10との隙間を大
きく確保すると、ボード3が変形するスペースがあるの
でボード3の弾性力を活かすことができるはずである。
しかしながら、弾性部材32が厚くなるので、図20
(a)に示すように、左右の体重移動に対してボード3
がフレーム10に追従せず、図20(b)に示すように
体重移動が弾性部材32により吸収されてしまい、体重
移動してもエッジが立たないという問題がある。すなわ
ち、図20(a)に示すようにボード3とフレーム10
との距離aは略一定に保持できることが望ましいが、図
20(b)に示すようにボード3とフレーム10とが角
度(α)を持った状態となるので、カーブするためにフ
レーム10を介してエッジ3cに圧力を加えようとして
も弾性部材32が縮むだけ支点とならずボード3に圧力
が伝達されにくい。逆に、ボード3を介して雪面の圧力
も足に伝わりにくくなる。すなわち、弾性部材32を厚
くするだけでは、エッジが立たずにサイドに流れるよう
なカーブしか描けなくなったり、雪面の反応が得がた
く、応答性の悪い滑走装置になってしまう。
【0011】また、弾性部材32の弾性力は温度による
影響を受けやすく、雪質の変化の他に装置の特性そのも
のが気温などによって大きく変化する。したがって、そ
のような特性の変化も考慮しないと操縦することができ
なくなるので、誰でも簡単に乗れる滑走装置を実現する
ことが難しくなる。確か、あのときはこんな風に回転で
きたのに、今日は回転できないとか、滑走するたびに操
縦あるいは滑走感覚が異なるといった印象になり、本滑
走装置の普及が困難になる。特に、雪質が新雪に近く柔
らかい場合は、そのような特性の相違は気が付きにくい
が、アイスバーンあるいは圧雪の硬いゲレンデである
と、装置の特性の差が目立つことになる。
【0012】したがって、このような現象を考慮したと
きに、本願の発明者は、フレーム10とボード3との取
付け部分には弾性部材ではなく、剛性の高い部材をスペ
ーサとして配置し、さらに、フレーム10とボード3と
の間に十分な隙間を確保することが望ましいことを見出
した。しかしながら、フレーム10とボード3との間に
十分な隙間を確保してボード3がフレキシブルに曲がる
ようにした場合、ボード3が曲がり、フレーム10は曲
がらないので、相対的な位置関係はずれる。したがっ
て、単に剛性の高い部材をスペーサとして採用すること
はできない。さらに、ボード3を接合するボルトの向き
が大きく変化することは上述したとおりである。
【0013】ボード3とフレーム10とを接合するボル
トの向きが変化するのは、フレーム10に設けられたボ
ルト固定用の孔19の径をボルト31の径に対してかな
り大きくすることにより吸収でき、従来の滑走装置でも
そのような対応をしている。しかしながら、図21
(a)に示すように、滑走中は、フレーム10に対して
ボード3の左右の位置関係は一定であってほしいのに対
し、図21(b)に示すように、固定用の孔19がボル
ト31に対して大きいと、その範囲内でボルト31が自
由に動く。このため、フレーム10に対するボード3の
位置は不安定になる。したがって、滑走中に雪面からの
影響によってエッジラインが左右に振られやすく、滑走
が不安定になる。また、カーブの途中でもラインが維持
できなくなるので、切れの良いカーブが描けなくなると
いう問題もある。
【0014】そこで、本発明においては、フレームにラ
イダが搭乗し、滑走板(ボード)で雪の斜面を滑走する
装置において、より安定した滑走特性が得られるように
滑走板とフレームとが接続された滑走装置を提供するこ
とを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の、滑
走板の上に取付けられたフレームにライダが搭乗する滑
走装置においては、少なくとも滑走板の前後に滑走板と
フレームとの取付け機構を配置し、これらの取付け機構
の少なくとも1つは、滑走板またはフレームの少なくと
もいずれか一方から他方に突き出た部分を備えており、
その突き出た部分の他方に接触する部分を少なくとも前
後方向に湾曲させている。この滑走装置においては、滑
走装置および/またはフレームから突き出た部分が前後
方向に湾曲しているので、滑走板がしなるのに対応し
て、滑走装置あるいはフレームに接触する部分が前後に
移動する。たとえば、フレームから下方に突き出た部分
が設けられていれば、滑走板がしなるのに対応して、下
方に突き出た部分の滑走板に接触する位置が移動する。
滑走板から上方に突き出た部分が設けられていれば、上
方に突き出た部分のフレームに接触する位置が移動す
る。
【0016】したがって、本発明の滑走装置において
は、取付け機構の突き出た部分と滑走板あるいはフレー
ムとの接触位置が前後に動いても突き出た部分が変形す
る必要はなく、さらに、突き出た部分が変形しなくても
滑走板がしなるのを阻害しない。このため、突き出た部
分を剛性の高い部材で形成することが可能となり、それ
が支点となって、滑走板とフレームとの間に滑走板がし
なるのに十分な隙間を確保することができる。そして、
剛性の高い突き出た部分を通じてフレームの動きを確実
に滑走板に伝達することができる。また、圧力や温度に
よってフレームと滑走板とを連結する部分の物性が変わ
って、滑走装置の特性が変化するのを防止できる。
【0017】本発明の滑走装置には、単板の滑走板を備
えたものに限らず、滑走板が前方および後方の滑走板を
備えており、フレームは前方および後方の滑走板を接続
し、さらに、後方の滑走板の上に取付けられたフレーム
にライダが搭乗可能であり、前方の滑走板の向きをフレ
ームに取付けられたハンドルを介して制御可能である滑
走装置も含まれる。
【0018】突き出た部分を利用して滑走板およびフレ
ームを連結する構成は幾つか考えられる。取付け機構
が、フレームから下方に突き出た部分を備えている場合
は、下方に突き出た部分の最下端を中心に滑走板とフレ
ームの連結用のボルトを通すための長孔を前後方向に延
びるように設けておくことができる。逆に、取付け機構
が滑走板から上方に突き出た部分を備えている場合は、
上方に突き出た部分の最上端を中心に滑走板とフレーム
の連結用のボルトを通すための長孔を前後方向に延びる
ように設けておくことができる。
【0019】この取付け機構であると、長孔に滑走板か
ら上方に延びた連結用のボルト、またはフレームから下
方に延びた連結用のボルトを通すことにより滑走板とフ
レームを連結でき、上述したように、突き出た部分の一
部がほぼ点あるいは線で滑走板またはフレームに接し、
フレームに対して滑走板をフレキシブルな状態で支持す
る効果(支点効果)も得ることができる。さらに、突き
出た部分に、最下端あるいは最上端を中心に前後方向に
延びた長孔を設けてボルトを通すことにより、滑走板が
しなってボルトの向きが変わっても長孔内でボルトが動
くのでボルト、さらにはフレームおよび滑走板に無理な
負荷がかからない。そして、長孔の幅をボルトの直径よ
り若干大きい程度に止めることにより、フレームと滑走
板が左右にがたつくのも防止できる。さらに、滑走板の
弾性を活かすのに十分なスペースをフレームと滑走板に
確保できるので滑走板はトーションしにくくなる。
【0020】突き出た部分の内側をほぼ半円筒または半
球状とし、突き出た部分の内側に前後方向に旋回可能な
半円柱または半球状のロールブッシュを収納し、さら
に、ボルトがロールブッシュを貫通して固定することに
より、ボルトが上下に動くのも防止できる。したがっ
て、フレームと滑走板が上下にがたつくのも防止でき
る。
【0021】また、取付け機構として、フレームから下
方に突き出た部分と、この下方に突き出た部分にほぼ向
かい合う位置で滑走板から上方に突き出た部分とを設
け、それら突き出た部分の下端および上端の縁の少なく
とも一方を少なくとも前後方向に湾曲させておくことに
より、上記の支点効果を得ることができる。さらに、こ
の取付け機構であると、これらの突き出た部分に、左右
に貫通する第1および第2の孔を形成しておくことによ
り、上方に突き出た部分と下方に突き出た部分を連結用
のボルト、シャフトなどの連結用金具で連結することが
できる。したがって、この取り付け方法であると、フレ
ームと滑走板の着脱が容易になるというメリットもあ
る。
【0022】上方に突き出た部分と、下方に突き出た部
分のいずれか一方が、滑走板またはフレームに接触する
ようにしても前後に湾曲するように形成することによ
り、突き出た部分による支点効果が得られる。また、上
方に突き出た部分と下方に突き出た部分とをほぼ対称な
形状にして、両方の凸状に突き出た部分が同時に接触す
るようにすると、上方に突き出た部分と下方に突き出た
部分が共に支点として作用し、荷重を分散して支持する
ことができる。
【0023】また、この取付け機構においては、下方に
突き出た部分および上方に突き出た部分のいずれか一方
が、他方を左右から挟み込めるような形状になっている
と、フレームと滑走板が左右にがたつくのも防止でき
る。
【0024】このように、本発明の取付け機構は、先端
が湾曲した突出部分により、そこを支点として滑走板あ
るいはフレームを前後に移動させて滑走板のしなりを吸
収することができる。この支点としての効果に加えて、
第1および第2の孔の少なくともいずれか一方の孔の径
を、これら第1および第2の孔を貫通する連結用のボル
トの径よりも大きくし、フレームと滑走板とを、温度に
よる影響の比較的小さな弾性体、たとえば、ゴム、金属
スプリングあるいはベローズにより接続する緩衝手段を
装着することにより、ショックアブソーバとしての機能
も付与することができる。したがって、取付け機構によ
り、細かな凹凸を吸収したり、ジャンプのときのショッ
クを和らげたりすることができる。緩衝手段は、下方お
よび上方に突き出た部分の組合せと共に配置することが
可能であり、上下に突き出た部分を構成する金具と、緩
衝手段となるラバーダンパーを一体に組み合わせた構成
も採用することができる。
【0025】このように、本発明にかかる滑走装置ある
いはフレームを採用することにより、滑走板がしなる自
由度を確保できると同時に、滑走板とフレームとを十分
強固に固定することが可能となり、左右および上下のが
たつきを最小限に抑えることができる。また、温度など
によって滑走特性が変化することも防止できる。したが
って、より安定した滑走特性を得ることが可能となり、
エッジの効いた小回りが容易となる。そして、エッジが
立たずにサイドに流れることを防止でき、思った通りの
カーブを滑走板でトレースすることができる滑走装置を
提供することができる。このため、初心者でも簡単にカ
ーブが描けると共に、上級者が思い通りにエッジングを
きめこまやかに制御してトリッキーな滑走を行うことも
容易な滑走装置を提供することができる。また、ライダ
の思い通りにカーブできる滑走装置を提供できるので、
本発明の滑走装置によりゲレンデを、より快適に、そし
て、より安全に滑走することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照しながら、本発
明の実施の形態を説明する。図1に本発明に係る滑走装
置20のリアボード3とフレーム8とを上方から見た様
子を示してある。また、図2に、リアボード3とフレー
ム8とを側方から見た様子を示してある。本例の滑走装
置20は、リアボード3とフレーム8との取付け部分2
1を除いて図15に示した滑走装置1と同様の構成であ
り、前後に配置されたフロントボード2およびリアボー
ド3と、フロントボード2を操作可能なハンドル4とを
備えており、フロントボード2とリアボード3はフレー
ム8により連結されている。このため、滑走装置全体の
構成についての説明は省略する。
【0027】本例の滑走装置20も、リアボード3に取
付けられたフレーム8は、ユーザ(ライダ)が搭乗する
ための平坦な構造(プレート)10を備えており、その
周囲を、パイプを用いた構造部材が囲い、十分に高い剛
性が得られるようになっている。このフレームのプレー
ト状の部分10(以降ではフレーム)の後方には、取付
け機構21aを構成する、下方に凸の円筒状の突き出た
断面で、左右の方向に延びる突起22が形成されてい
る。フレーム10の前方にも、取付け機構21bとな
る、下方に台形状に突き出た断面で、左右の方向に延び
る突起42が形成されている。さらに、後方の突起22
の左右の端には、図3に拡大して示すように、突起22
の最下端23を中心に、前後に延びた長孔25が開いて
いる。したがって、ボード3から突き出たスタッドボル
ト31を長孔25に通すことにより、ボード3に対しフ
レーム10を取付けられるようになっている。前方の突
起42においても前後に延びた長孔25が開いており、
ボルト31を通すことができるようになっている。
【0028】図4および図5に、本例の滑走装置20の
後方の取付け機構21aの構成を、断面図を用いて拡大
して示してある。図4は、ボード3が直進しており、そ
の曲がりが小さくほぼ平坦な状況における、後方の取付
け機構21aの状態を示してある。後方の取付け機構2
1aは、フレーム10の下方に突き出て前後に湾曲した
突起22を備えており、その最下端23が接点28とし
てボード3に接している。そして、突起22がスペーサ
となってボード3とフレーム10との間に10mmから
20mm程度の隙間29が確保される。突起22は、フ
レーム10と同様の金属で形成された剛体である。ま
た、ボード3に埋め込まれた直径6mm程度のスタッド
ボルト31は、幅が9mm程度の長孔25を通って突起
22の内部に導かれている。突起22の内面22aは半
円筒状になっており、突起22の内部には内面22aに
接するように半円筒状あるいは半円柱状に成形されたロ
ールブッシュ24が収納されている。そして、ボルト3
1はロールブッシュ24を貫通し、上部がナット33に
より締め付けられている。したがって、ボード3とフレ
ーム10とは突起22をスペーサとしてボルト31およ
びナット33により連結されている。そして、突起22
は剛体のため、ボード3に対しフレーム10は左右の方
向が常に平行に保たれるように取付けられており、ボー
ド3とフレーム10の左右の傾きが変わるようなことは
ない。
【0029】また、スタッドボルト31は、前後に延び
た長孔25に装着されているが、ボード3が歪んでいな
い状態では、突起22の最下端23が、スタッドボルト
31を固定するナット33とボード3との距離が最も短
くなる場所なので、ボード3に対するフレーム10の位
置は決まり、前後方向にがたつかないようになってい
る。
【0030】図5は、ボード3がしなった状況における
後方の取付け機構21aの状態を示してある。滑走装置
20をカーブするために、ライダがカーブの内側に体重
を移動すると、ボード3は下、すなわち雪面の方向が凸
となるように湾曲し、ボード3のサイドカーブ3cが雪
面に押付けられる。このときフレーム10は略平らな状
態で、ボード3が湾曲する。したがって、湾曲した突起
22とボード3との接触位置は、図5に示すように、ボ
ード3の後方では突起22の曲面22bに沿って後方に
移動する。ボード3に埋め込まれたスタッドボルト31
の角度も、ボード3が湾曲するのに応じて変わる。
【0031】本例の滑走装置20においては、取付け機
構21を構成する突起22が前後にほぼ半円柱状に湾曲
しているので、ボード3が湾曲したときに接点28が突
起22の外面22bに沿って移動する。このため、しな
った状態でも、ボード3と突起22とはほぼ点あるいは
線で接し、ボード3がしなろうとしているのに対し取り
付け機構21が抵抗とならず、突起22を変形させる必
要がない。また、常に突起22の外面22bがボード3
に接しているので、フレーム10からの圧力をボード3
に伝達することができ、ボード3が受ける雪面からの圧
力を、突起22を支点としてフレーム10を介してライ
ダに伝達することができる。ボード3が雪面に接してカ
ーブする状況だけを考慮すると、突起22は後方だけが
略円柱状に湾曲しているだけでも良い。しかしながら、
ボード3はベントがあるので、直進状態や、ジャンプし
ているときなどでは、接点28が前方に移動する可能性
がある。したがって、前後に略半円状、あるいは前後に
半球状の形状の突起22をボード3とフレーム10との
スペーサとして採用することが望ましい。
【0032】このように、湾曲した剛性の突起22がボ
ード3と接触するような機構21を採用することによ
り、ボード3の形状が変化しようとするときに、ボード
3と突起22とは常にほぼ点あるいは線で接触させるこ
とができる。したがって、突起22がボード3と接する
部分を支点としてボード3を支持できるので、ボード3
の変形を阻害せずに加重を伝達することができる。この
ため、ライダは、望み通りの加重をボード3に伝達しな
がら、ボード3を雪面や操作に適した形状にフレキシブ
ルに変形させることができる。この支点効果は、上方に
凸となった突起でフレームを支持する構成の取り付け機
構を採用することによっても得ることができる。
【0033】また、ボード3がしなると共に、ボルト3
1の位置および角度が変化するが、突起22には、前後
に延びた長孔25が設けられており、ボルト31の移動
を吸収できる程度の長さ、たとえばボルト31の直径の
3から4倍程度の長さを備えている。したがって、ボル
ト31の位置および角度が変わっても、ボルト31、ボ
ード3との取付け部分、およびフレーム10に大きな負
荷がかからない。さらに、長孔25の幅はボルト31の
1.5倍程度になっており、ボルト31を通すのは容易
であるが、ボルト31の左右にはそれほどスペースがな
い。したがって、フレーム10に対しボード3が左右に
がたつくことがなく、フレーム10の動きにしたがって
ボード3の方向を細かく制御できる。
【0034】さらに、本例の滑走装置20においては、
後方の取付け機構21aの突起22の内部にロールブッ
シュ24を装着し、ボルト31を固定している。このロ
ールブッシュ24は、突起22の内面22aに沿って回
転するので、ボルト31の向きによって角度が変わる。
そして、内面22aに対するナット33の距離を略一定
に保つことができる。このため、ボルト31の角度が変
わってもボルト31が弛むことは無く、フレーム10に
対するボード3の上下のがたつきも抑えることができ
る。そして、常にナット33がロールブッシュ24で上
方に加圧された状態となるので、ナット33が弛むのも
防止できており、ボルト31が抜けたりするトラブルを
未然に防止できる。
【0035】図6に、本例の滑走装置20の前方の取付
け機構21bの構成を、断面図を用いて拡大して示して
ある。前方の取付け機構21bは、フレーム10の下方
に突き出て前方が傾斜した断面が略台形の突起45を備
えており、その下面46がボード3に接している。そし
て、突起45がスペーサとなってボード3とフレーム1
0との間に10mmから20mm程度の隙間29が確保
できるようになっている。突起42は、後方の突起22
と同様に金属で形成された剛体である。また、ボード3
に埋め込まれた直径6mm程度のスタッドボルト31
は、幅がボルト31の直径よりも若干大きい程度の前後
に延びた長孔45を通って突起42の内部に導かれて、
長孔45の幅より若干広いワッシャ47を介してナット
33で取り付けられている。したがって、前方の突起4
2においては、長孔45の範囲内でスタッドボルト31
が前後方向に自由に動く。
【0036】図5に示したように、ボード3が湾曲する
と、後方の取付け機構21aでは、接点28が突起22
の後方に動き、結果として、ボード3に対してフレーム
10を前方に押す。この際、前方の取付け機構21bと
して、後方の取付け機構21aと同様の構成を採用して
いると、前方の取付け機構21bでは逆にフレーム10
を後方に押す力が働き、フレーム10を圧縮し、ボード
3を引き伸ばす力が作用することになり、フレーム1
0、ボード3さらにはボルト31に負荷がかかる。これ
に対し、本例の滑走装置20の前方の取付け機構21b
であれば、ボード3と接触している面46は平面なの
で、後方からフレーム10が押されるとボード3の上を
スライドしてその力を逃がすことができる。
【0037】さらに、ボード3においては、後方の取付
け機構21aはボード3の前後方向の略中央に位置して
いるために、ボードが湾曲することによる上下の変位が
激しく、その個所でボード3の曲率も大きく変わる。こ
れに対し、前方の取付け機構21bは、ボード3の略先
端(前方)に位置しており、上下の変位はそれほど大き
くなく、曲率も大きくは変わらない。したがって、平坦
な面46でボード3に接触するような突起42であって
もボード3に無理な力は作用せず、逆に、後方の取付け
機構21aの動きによるフレーム10とボード3との間
の変位を逃がすことができ、無理な力がボード3、フレ
ーム10およびボルト31に作用するのを防止できる。
【0038】このように、本例の滑走装置20において
は、フレーム10に下に突き出た剛性の高い突起22お
よび42を介してフレーム10をボード3に取付けてい
る。このため、フレーム10とボード3との隙間を体重
の移動などによる圧力の変化、あるいは気象の変化など
による温度の変化によらず一定に保つことができる。そ
の一方で、後方の突起22は凸に湾曲しているのでボー
ド3が自由にしなることができ、前後に延びた長孔25
および45にボルトを通すことによりボルト31は自由
に角度が変わる。したがって、ボード3は無理なく湾曲
する。このため、本例の滑走装置20では、ボード3と
フレーム10との間に十分なスペースがあり、ボード3
が自由にしなるので、小回りが容易な滑走装置20を提
供できる。さらに、十分なスペースが確保されるので、
ボード3の弾性を活かすことができ雪面に対する接地性
能も良いのでトーションしにくく、直進安定性も高い。
そして、突起22および42が剛体で縮むことが無いの
で、ボード3はフレーム10とは平行に保持され、体重
移動による圧力の変化をそのままボード3に伝え、エッ
ジを活かした切れの良いカーブを描くことができる。ま
た、突起22および42が圧力や温度で縮まないので、
本例の滑走装置20は、その取付け機構21が要因とな
って滑走性能あるいは滑走特性が気温、雪温、湿度ある
いは雪面の状態によって変化することはなく、常に一定
に保持される。したがって、この前はうまく曲がれたの
に、滑走特性が違って曲がれなくなったということはな
く、過去の経験を十分に生かして滑走を楽しむことがで
きる。
【0039】また、リジッドな突起22および42によ
りフレーム10とボード3との上下のがたつきは最小限
に抑えられ、突起22および42に設けられた長孔25
および45によりボルト31が左右にずれることがなく
左右のがたつきも最小限に抑えられる。このため、滑走
時に滑走板3が雪面からの影響によって左右に振られて
エッジラインがずれたり、上下にばたついて所望のカー
ブが描けなくなったりすることがない。したがって、本
例の滑走装置20は、ボード3が、がたつくことがな
く、常にスムーズなすべりを楽しむことができ、初心者
から上級者まで、それぞれのテクニックに応じた滑りを
安全に楽しむことができる。
【0040】なお、本例の滑走装置では、突起22およ
び42は左右の方向に延びた形状であるが、これらの突
起22および42を、ボルト31を通す近傍に限定した
形状とし、たとえば前後左右の4つに突起を形成しても
上記と同様の効果を得ることができる。もちろん、突起
の数は4つに限らず、3つでも良く、あるいは5つ以上
であっても良い。本例のように、滑走方向の前後方向に
直交する左右の方向に延びた突起22および42を設け
ることにより、フレーム10およびボード3が左右の方
向にゆがみにくくなるので、ボード3のエッジを雪面に
立て易くなり、エッジをさらに容易に効かせることがで
きる。
【0041】また、本例では、下に凸の突起22および
42をボード3とフレーム10とのスペーサとして用い
ているが、上記と同様の作用を備えた上に凸の突起をス
ペーサとして採用しても上記と同様の効果が得られる。
この場合は、スタッドボルトの代わりに突起をボードに
固定し、フレームと突起とをボルトで接続することが望
ましい。
【0042】さらに、下に凸の突起と上に凸の突起を組
み合わせたメカニズムを取付け機構として採用すること
も可能である。図7に、その一例を示してある。この滑
走装置20は、リアボード3とフレーム10とを接続す
る前後の取付け機構21bおよび21aに共通の連結機
構50を採用している。連結機構50は、ボード3から
上方に突き出た断面がC字型のロアージョイント51
と、フレーム10から下方に突き出た断面がC字型のア
ッパージョイント52と、これらのロアージョイント5
1とアッパージョイント52が組み合わされた中に設置
されたダンパーラバー53とを備えている。
【0043】図8に連結機構50を抜き出して示してあ
る。図8(a)は連結機構50を前後方向から見た様子
であり、図8(b)は連結機構50を左右方向から見た
様子である。連結機構50をボード3に取り付けるロア
ージョイント51は、図9(a)に底から見た様子を示
し、図9(b)に側方から見た様子を示すように、底板
51aの両端から側壁51bおよび51cが前後方向に
延びた断面がC字型の部材であり、側壁51bおよび5
1cの上端、すなわち、フレーム10に接する縁51d
が上方に凸に湾曲している。底板51aの中央には、ダ
ンパーラバー53から下方に突き出たスタッドボルト6
5を通す貫通孔55が開いており、スタッドボルト65
を通してボード3にねじ込むことにより、ロアージョイ
ント51をボード3に固定することができる。また、両
側壁51bおよび51cのほぼ中央には連結用のリベッ
ト59を通す貫通孔56が形成されている。
【0044】連結機構50をフレーム10に取り付ける
アッパージョイント52は、図10(a)に上から見た
様子を示し、図10(b)に側方から見た様子を示すよ
うに、上板52aの両端から側壁52bおよび52cが
前後方向に延びた断面がC字型の部材であり、側壁52
bおよび52cの下端、すなわち、ロアーフレームの底
板51aを介してボード3に接する縁52dが下方に凸
に湾曲している。上板52aの中央に、ダンパーラバー
53から上方に突き出たスタッドボルト67を通す貫通
孔57が開いており、スタッドボルト67を通してフレ
ーム10にナット18で取り付けることにより、アッパ
ージョイント52をフレーム10に固定できる。また、
両側壁52bおよび52cのほぼ中央には連結用のリベ
ット59を通す貫通孔58が形成されている。アッパー
ジョイント52の貫通孔58の直径は、リベット59の
貫通部分の直径よりも大きくなっており、ロアージョイ
ント51に対して貫通孔58の範囲でアッパージョイン
ト52が動けるようになっている。すなわち、ロアージ
ョイント51の貫通孔58がボード3に対してフレーム
10が動ける範囲を規制するムーブエリアホールとなっ
ている。このムーブエリアホール58が円形であれば、
前後および上下にほぼ均等にフレーム10が動く。一
方、ムーブエリアホール58が前後に長い孔であれば、
前後方向だけにフレーム10またはボード3を動かすこ
とができる。また、ムーブエリアホール58が上下に長
い穴であれば、上下方向だけにフレーム10またはボー
ド3を動かすことができる。
【0045】アッパージョイント52はロアージョイン
ト51の内部に適当な隙間S1をあけて収まるサイズと
なっており、ロアージョイント51の内部でアッパージ
ョイント52はスムーズに回転する。また、隙間S1は
大きくなく、たとえば、両ジョイントがスムーズに旋回
できる程度にセットされており、その範囲内にボード3
とフレーム10との左右のがたつきが収まるようになっ
ている。
【0046】さらに、アッパージョイント52の側壁の
下縁52dとロアージョイント51の底板51aとの距
離S2が、ロアージョイント51の側壁の上縁51dと
アッパージョイント52の上壁52aとの距離S3より
小さくなっている。このため、本例の連結機構50で
は、アッパージョイント52の側壁の下縁52dがロア
ージョイント51の底板51aと接触する点でフレーム
10とボード3との間の荷重が伝達される。そして、ボ
ード3のしなりに応じて、アッパージョイント52の側
壁の下縁52dがロアージョイント51の底板51aに
接触する点または線が前後に動くので、上述した突起2
2と同様の支点効果を本例の連結機構50により得るこ
とができる。ここで説明したロアージョイント51とア
ッパージョイント52の形状および機能は入れ替えるこ
とが可能であり、たとえば、ロアージョイント51の側
壁の上端51dでフレーム10とボード3との間の荷重
を伝達することができる。さらには、ギャップS2とS
3とを調整することにより、ロアージョイント51の上
端51dと、アッパージョイント52の下端52dの両
方が協働して支点として機能し、これらのジョイント5
1および52の両方で荷重を伝達することも可能であ
る。
【0047】これらのロアージョイント51およびアッ
パージョイント52に挟まれた空間に設置されているダ
ンパーラバー53は、図11に示すように上下のベース
61および62で円筒または円柱状のゴム材63を挟ん
だ構成となっている。そして、上方のベース61からフ
レーム10に固定するためのスタッドボルト67が上方
に突き出ており、下方のベース62からボード3に固定
するためのスタッドボルト65が下方に突き出ている。
ダンパーラバー53は、図12(a)〜図12(d)に
示すように、ボード3とフレーム10との間に印加され
る荷重によって変形し、その荷重に対抗する反力を提供
する。したがって、ロアージョイント51およびアッパ
ージョイント52が上下あるいは前後に稼動するムーブ
エリアホール58の範囲内の動きについては、ダンパー
ラバー53が適度な反力で応答する。
【0048】たとえば、図12(a)のようにボード3
とフレーム10が平行に動けばラバー63が変形し、そ
の動きを抑制する。図12(b)は曲げ荷重がかかった
ときの動きであり、図12(c)はマイナス荷重、すな
わち、ボード3とフレーム10が離れるような荷重がか
かったときの動きであり、図12(d)はプラス荷重、
すなわち、ボード3とフレーム10が接近するような荷
重がかかったときの動きを示している。
【0049】したがって、本例の連結機構50では、図
13に示すように、ムーブエリアホール58の内部をリ
ベット59が動く変位あるいは伸び縮みXの範囲内で
は、ダンパーラバー53の特性でボード3とフレーム1
0とが変位する。したがって、滑走中の微小な凹凸を吸
収したり、ジャンプや着地したときの初期の急激な荷重
変動を吸収することができる。また、緩やかな弧を描く
カーブでは、ボード3とフレーム10とのずれや角度で
荷重を微妙に制御することができ、ライダの体重移動や
雪面の凹凸などに敏感すぎない操舵感を得ることができ
る。
【0050】一方、変位Xがムーブエリアホール58の
範囲を超えると、ロアージョイント51とアッパージョ
イント52とが直に接触するので、上述したリジッドな
突起22および42と同様に、フレーム10とボード3
との間で荷重を直接伝達することができる。このため、
フレーム10とボード3との上下のがたつきを最小限に
抑え、また、左右のがたつきも最小限に抑え、滑走板3
をライダの希望通りに雪面に押し付けて所望のカーブを
描くことができる。
【0051】図14に、本例の連結機構50が動く様子
を示してある。図14(a)は、カービング時の動きで
あり、カービング時には、ボード3のサイドカーブで発
生する動き(しなり)71と、このしなり71によりフ
レーム10に対するボード3の動き72と、これらの動
き71および72によりボード3とフレーム10との接
触する点の移動73などがボード3とフレーム10とを
取り付ける機構21aおよび21bに作用する。本例の
滑走装置20では、この取付け機構21aおよび21b
として採用されている連結機構50がこれらの動き71
〜73に追従して無理なく動き、アッパージョイント5
2の下端52dがロアージョイント51に接して、ボー
ド3とフレーム10との間に剛的な力の伝達手段あるい
は荷重伝達経路を形成している。
【0052】図14(b)は、ボード3のテール(後
方)に荷重したときの動きであり、後方の取付け機構2
1aとなっている連結機構50では、アッパージョイン
ト52の下端52dがロアージョイント51に接して剛
的な荷重伝達経路を構成している。一方、前方の取付け
機構21bとなっている連結機構50では、ムーブエリ
ア58のほぼ限界まで伸びている。図14(c)は、ボ
ード3のセンターに荷重がかかった場合の動きであり、
図14(a)と逆方向にボード3が変形するが、連結機
構50はその動きにも追従し、ボード3に対しフレーム
10から無理な力が加わらないようになっている。ま
た、フレーム10にもボード3の歪みは殆ど伝達されな
いので、フレーム10に搭乗しているライダの足元に違
和感を与えたり、足元を不安定にすることなくこの状態
で滑走することができる。
【0053】上述したように連結機構50の稼動範囲は
ムーブエリアホール58の大きさあるいは形状で自由に
調整することができる。したがって、滑走装置20を操
作する上でフィックスした点(支点)となり、前後や上
下に動いて欲しくない取付け部分にはムーブエリアホー
ル58が小さな連結機構50を取付け、動いて欲しい取
付け部分にはムーブエリアホール58の大きな連結機構
50を取り付けることができる。上記では、リアボード
3とフレーム10との取付け部分21aおよび21bに
連結機構50を採用した例を説明しているが、フロント
ボード2とフレームのハンドル8との取付け部分にも連
結機構50を採用することができる。その場合は、フロ
ントボードのリア側は操舵の支点となるので、ムーブエ
リアホール58の小さな連結機構50を取付けることが
望ましい。一方、フロントボード2のフロント側は、ギ
ャップを乗り越えたり、ジャンプや着地のときに最も動
きの大きくなる部分であるので、ムーブエリアホール5
8の大きな連結機構50を取り付けることが望ましい。
【0054】なお、以上の説明で参考のために数値を示
してあるが、本発明がその数値に限定されないことはも
ちろんである。さらに、上記では、前後にボードを備え
てフレームでそれらを連結する滑走装置に本発明を適用
した例を説明しているが、スノーボードのように、1枚
のボードを用いた滑走装置においても、ボードの上方に
フレームを取付ける部分に本発明を適用することによ
り、滑走性能を大幅に向上できる。
【0055】さらに、ロアーフレームとアッパーフレー
ムと共に用いられいているダンパーラバーは、必ずしも
フレームとボードを連結するものでなくても良く、ま
た、ボードのフレキシビリティを向上するという点で
は、ダンパーラバーのような緩衝部材は必ずしも要求さ
れない。しかしながら、ギャップを乗り越したときや着
地したときなどにフレームとボード、またはロアーフレ
ームあるいはアッパーフレームとが接触するショックを
緩和する点では緩衝部材は有効であり、低温でも十分な
弾性力を発揮するゴムや金属製バネなどを設けておくこ
とは有効である。
【0056】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の滑走装
置は、滑走板とフレームとの取付け機構に、前後方向に
湾曲するように下方あるいは上方に凸の突起部を設け、
ボードを自由にしならせることができると共に、上下左
右にボードががたつくのを防止している。したがって、
常に安定した滑走特性を得ることができ、初心者から上
級者までそれぞれのテクニックを生かした滑りを安全に
楽しむことができる滑走装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の滑走装置のリアボードとフレームを上
方から見た様子を示す図である。
【図2】図1に示すリアボードとフレームを側方から見
た様子を示す図である。
【図3】図1に示すフレームの後方の取付け機構を拡大
して示す図である。
【図4】図1に示す後方の取付け機構を拡大して示す断
面図であり、ボードが平坦な状態を示す図である。
【図5】図1に示す後方の取付け機構を拡大して示す断
面図であり、ボードが湾曲している状態を示す図であ
る。
【図6】図1に示す前方の取付け機構を拡大して示す断
面図である。
【図7】上記と異なる連結機構を採用した滑走装置の概
要を示す図である。
【図8】連結機構を拡大して示す図である。
【図9】連結機構のロアージョイントを示す図である。
【図10】連結機構のアッパージョイントを示す図であ
る。
【図11】連結機構のラバーダンパーを示す図である。
【図12】ラバーダンパーが動く様子を示す図である。
【図13】連結機構の動きと荷重との関係を示すグラフ
である。
【図14】滑走装置が動くときの連結機構の動きを示す
図である。
【図15】前後のボードをフレームで連結した滑走装置
の概要を示す図である。
【図16】従来の滑走装置のリアボードとフレームを側
方から見た様子を示す図である。
【図17】図16に示す滑走装置でボードが湾曲した状
態を示す図である。
【図18】従来の取付け部分の構成を拡大して示す図で
あり、(a)はボードが湾曲した状態を示す、(b)は
ボードが平坦な状態を示してある。
【図19】(a)は従来の取付け部分の弾性部材を圧縮
した状態を示し、(b)は弾性部材を圧縮しなかった状
態を示してある。
【図20】ボードとフレームとの関係を前後方向から見
た状態を示してあり、(a)は理想的な状態を示し、
(b)は従来の弾性部材を用いた状態を示してある。
【図21】(a)は、従来の滑走装置のリアボードとフ
レームを上方から見た様子を示してあり、(b)は、リ
アボードが左右にがたついている状態を示してある。
【符号の説明】
1、20 滑走装置 2 フロントボード 3 リアボード、3a リアボードの前方、3b
リアボードの後方 4 ハンドル、5 ステムシャフト(フォークシャ
フト) 8 フレーム 10 フレームの平坦な部分 21a、21b 取付け機構 22、42 突起 23 最下端 24 ロールブッシュ 25、45 長孔 31 ボルト 32 弾性部材 33 ナット 50 連結機構 51 ロアージョイント、52 アッパージョイン
ト 53 ラバーダンパー

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 滑走板の上に取付けられたフレームにラ
    イダが搭乗する滑走装置であって、 少なくとも前記滑走板の前後に配置された前記滑走板と
    フレームとの取付け機構を有し、これらの取付け機構の
    少なくとも1つは、前記滑走板またはフレームの少なく
    ともいずれか一方から他方に突き出た部分を備えてお
    り、その突き出た部分の前記他方に接触する部分は少な
    くとも前後方向に湾曲している滑走装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記滑走板は、前方
    および後方の滑走板を備えており、前記フレームは前記
    前方および後方の滑走板を接続し、さらに、前記後方の
    滑走板の上に取付けられた前記フレームにライダが搭乗
    可能であり、前記前方の滑走板の向きを前記フレームに
    取付けられたハンドルを介して制御可能である滑走装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記突き出た部分
    は、剛性の部材である滑走装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記取付け機構は、
    前記フレームから下方に突き出た部分、または、前記滑
    走板から上方に突き出た部分を備えており、前記下方に
    突き出た部分の最下端、または、前記上方に突き出た部
    分の最上端を中心に前記滑走板とフレームの連結用のボ
    ルトを通すための長孔が前後方向に延びている滑走装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記長孔の幅は前記
    ボルトの直径より若干大きい程度である滑走装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、前記突き出た部分の
    内側はほぼ半円筒または半球状になり、前記突き出た部
    分の内側には、前後方向に旋回可能な半円柱または半球
    状のロールブッシュが収納されており、前記ボルトが前
    記ロールブッシュを貫通して固定されている滑走装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、前記取付け機構は、
    前記フレームから下方に突き出た部分と、この下方に突
    き出た部分にほぼ向かい合う位置で前記滑走板から上方
    に突き出た部分とを備え、それら突き出た部分の下端お
    よび上端の縁の少なくとも一方が少なくとも前後方向に
    湾曲しており、これらの突き出た部分には、左右に貫通
    する第1および第2の孔が形成されている滑走装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記下方に突き出た
    部分および上方に突き出た部分のいずれか一方は、他方
    を左右から挟み込めるようになっている滑走装置。
  9. 【請求項9】 請求項7において、前記第1および第2
    の孔の少なくともいずれか一方の孔の径は、これら第1
    および第2の孔を貫通する連結用金具の径よりも大きい
    滑走装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記取付け機構
    は、前記フレームと滑走板とを弾性体のみで接続する緩
    衝手段を備えている滑走装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記緩衝手段
    は、前記下方および上方に突き出た部分の組合せと共に
    配置されている滑走装置。
  12. 【請求項12】 滑走板の上にボルトにより取付けら
    れ、ライダが搭乗するフレームであって、前記ライダが
    足を載せる平坦な部分と、前記平坦な部分から下方に突
    き出た部分とを有し、その突き出た部分の少なくとも1
    つは、前記滑走板に接触する部分が少なくとも前後方向
    に湾曲しているフレーム。
  13. 【請求項13】 請求項12において、前記下方に突き
    出た部分の最下端を中心に長孔が前後方向に延びている
    フレーム。
  14. 【請求項14】 請求項12において、前記下方に突き
    出た部分を左右に貫通するように孔が形成されているフ
    レーム。
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KR20160106807A (ko) * 2015-03-02 2016-09-13 현대모비스 주식회사 차량용 조향장치
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