JP2002335057A - メタルコア素材およびそれを用いているメタルコア、該メタルコアを用いているメタルコア基板 - Google Patents

メタルコア素材およびそれを用いているメタルコア、該メタルコアを用いているメタルコア基板

Info

Publication number
JP2002335057A
JP2002335057A JP2001137057A JP2001137057A JP2002335057A JP 2002335057 A JP2002335057 A JP 2002335057A JP 2001137057 A JP2001137057 A JP 2001137057A JP 2001137057 A JP2001137057 A JP 2001137057A JP 2002335057 A JP2002335057 A JP 2002335057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal core
metal
thermal expansion
substrate
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001137057A
Other languages
English (en)
Inventor
Shingo Kumamoto
晋吾 熊本
Masayoshi Date
正芳 伊達
Koji Sato
光司 佐藤
Nobuyuki Ushifusa
信之 牛房
Takehiko Hasebe
健彦 長谷部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2001137057A priority Critical patent/JP2002335057A/ja
Publication of JP2002335057A publication Critical patent/JP2002335057A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたハンドリング性と低熱膨張特性を両立
し、更には、優れた電気伝導特性および熱伝導特性まで
をも有するメタルコア素材およびそれを用いてなるメタ
ルコア、該メタルコアを用いてなるメタルコア基板を提
供することである。 【解決手段】 樹脂基板内に具備される金属層でなるメ
タルコアの素材であって、前記メタルコアの素材は30〜
200 ℃の平均熱膨張係数が10ppm/℃以下の低熱膨張金属
材料からなり、該低熱膨張金属材料の硬さがビッカース
硬さで200 以上を有するメタルコア素材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の回路基
板および半導体パッケージに用いられる樹脂基板におい
て、樹脂基板の低熱膨張化と剛性の確保のためにその内
部に配置されるメタルコア用の素材およびそれを用いて
いるメタルコア、そのメタルコアを用いているメタルコ
ア基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯情報・ 通信端末に代表される
電子機器では、高機能化および小型化が目覚しく、これ
ら電子機器に用いられる半導体チップを回路基板に高密
度実装する形態として、半導体チップのサイズで回路基
板に表面実装を行うフリップチップ方式や、PBGA(Plast
ic Ball Grid Array) に代表される格子端子型パッケー
ジが採用されている。
【0003】具体的な一例として、フリップチップ方式
による半導体チップ実装形態の代表例を模式的に図1に
表せば、半導体チップ(1) は、はんだボール(2) を介し
て回路基板(3) に直接接続される。回路基板内部には多
層に配線パターン(4) が形成されており、各層を電気的
に接続させるため、スルーホール(5) と呼ばれる貫通孔
が板厚方向に設けられる。スルーホール内面は銅メッキ
等により電気伝導層(6) が形成され、各層の導通が得ら
れる。
【0004】また、図2にPBGAの構造を模式的に表す
と、半導体チップ(1) は、はんだボール(2) を介してイ
ンターポーザー(7) と呼ばれる樹脂基板に接続される。
インターポーザーは、はんだボール(2´) を介して回路
基板(3) に接続される。半導体チップ側のはんだボール
(2) と、回路基板側のはんだボール(2´) を電気的に接
続させるため、インターポーザーにも前述のスルーホー
ル(5) が設けられる。インターポーザーを補強するた
め、スティフナーあるいはサポートリングと呼ばれる金
属製枠(8) が用いられることがある。また、半導体チッ
プの放熱のため、ヒートスプレッダーと呼ばれる金属製
放熱部材(9) を使用することもある。
【0005】上記の回路基板およびインターポーザーと
して使用される樹脂基板には、エポキシ樹脂やBT( ビス
マレイミド・ トリアジン) 樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
ブタジエン樹脂、フェノール樹脂等をガラス繊維等の強
化材とともに成形したものが用いられる。これらの樹脂
基板の熱膨張係数は約12〜20ppm/℃(30 〜200 ℃) であ
り、半導体チップであるシリコンの熱膨張係数( 約3.5p
pm/ ℃) と比較すると、約四倍以上も大きい。従って、
前述のフリップチップ方式やPBGAでは、半導体チップの
発熱に伴う温度変化が繰り返し生じた場合、半導体チッ
プと樹脂基板との熱膨張量および収縮量の違いにより、
はんだボールの接続部が破壊される深刻な問題が発生す
ることがあった。
【0006】上述した問題を解決するには、樹脂基板の
低熱膨張化を行い、半導体チップとの熱膨張差を低減す
ることが求められる。樹脂基板を低熱膨張化するには、
低熱膨張特性を持つ金属層( 以下、低熱膨張金属材料と
記す) を樹脂基板内部に配置し、樹脂基板の熱膨張を抑
制することが挙げられる。図1および図2に示した模式
図には、樹脂基板に熱膨張を抑制する低熱膨張金属材料
を入れており、この低熱膨張金属材料が本明細書で言う
メタルコア(10)である。また、このような低熱膨張金属
材料を持った樹脂基板が、本明細書で言うメタルコア基
板である。
【0007】メタルコアの形態としては、低熱膨張金属
材料単体で用いる場合と、低熱膨張金属材料単体では電
気伝導率および熱伝導率が低いため、電気伝導特性およ
び熱伝導特性を与えるために、図4に斜視図で示すメタ
ルコア(10)のように、低熱膨張金属材料(11)の表裏面
の一方もしくは両方に銅を主成分とする金属層(12)を形
成し、電気伝導率および熱伝導率を改善したメタルコア
も提案されている。
【0008】つまり、このメタルコアに求められる特性
は、第一に、所定の熱膨張特性を有すること。第二に、
所定の熱膨張特性とともに、更に優れた熱伝導特性を与
えたものが求められている。そして、図3および図4に
示すように、メタルコア(10)には、スルーホール(5)
が配置される位置に、貫通孔を予めエッチング加工、レ
ーザー加工、プレス加工等で設けておく必要がある。
【0009】今後益々小型化することが予想される電子
機器においては、上述の樹脂基板も薄型化が進み、その
ため樹脂基板の熱膨張を抑制するメタルコアも、より一
層、薄くすることが求められるようになる。そのため、
メタルコア素材自体の厚みも薄くしなければならない
が、素材の厚みが薄くなればなるほど剛性が下がり、樹
脂基板全体の剛性も下がって製造工程中のハンドリング
が困難になるため、このメタルコア素材に求められる第
三の特性として、優れたハンドリング性も求められるよ
うになる。これら三つの特性を満足したメタルコア素材
は現在のところ存在しない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、先ずメ
タルコア素材に求められる熱膨張特性や、優れた電気伝
導特性および熱伝導特性を併せ持ち、かつ、薄型化に対
応可能なメタルコア素材のハンドリング性について鋭意
検討を行った。その結果、薄型化によりメタルコア素材
の剛性が不足すると、僅かな外力によって素材に折れや
凹み等の局所的な塑性変形が生じて、メタルコアとする
際のスルーホール用貫通孔の形成において、貫通孔の異
形化が生じる危険性があることを知見した。
【0011】また、このようなメタルコアを用いたメタ
ルコア基板では、製造工程中の反り変形やたわみ変形に
より、半導体チップやはんだボール接続部の破損等の致
命的な不具合が生じる危険性があることを知見した。従
って、メタルコア素材としては、剛性を大きくすること
が不可欠である。本発明の目的は、優れたハンドリング
性と低熱膨張特性を両立し、更には、優れた電気伝導特
性および熱伝導特性までをも有するメタルコア素材およ
びそれを用いてなるメタルコア、そのメタルコアを用い
ているメタルコア基板を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の問題
に対して鋭意検討を行った結果、メタルコアに用いる素
材である低熱膨張金属材料に、所定の剛性を与えること
により、メタルコアを折れ難くでき、特に僅かな外力に
よる局所的な塑性変形の発生を抑制できることを見出
し、本発明に到達した。
【0013】即ち本発明は、樹脂基板内に具備される金
属層からなるメタルコアの素材であって、そのメタルコ
アの素材は30〜200 ℃の平均熱膨張係数が10ppm/℃以下
の低熱膨張金属材料からなり、前記低熱膨張金属材料の
硬さがビッカース硬さで200以上を有することを特徴と
するものである。好ましくは、前記の低熱膨張金属材料
は、質量% でNiを27〜50% 含有し、残部は実質的にFeか
らなるFe-Ni 系合金、もしくは前記Niの一部を質量% で
20% 以下のCoで置換したFe-Ni-Co系合金である。
【0014】また本発明は、上述のメタルコア素材に貫
通孔を設けたメタルコアであり、メタルコア素材の表面
に、銅を主成分とする金属層が形成されたものである。
また本発明は、前記メタルコアを用いたメタルコア基板
であり、該メタルコア基板の幅10mm、長さ10mmの領域を
採取し、その一辺を固定して、対向する一辺に9.8 ×10
-4N ・ mのモーメントを与えた際、反り変形による変位
量が0.1mm 以上2mm 以下であるメタルコア基板である。
さらに本発明は、少なくとも樹脂層と配線層とメタルコ
アとで構成され、前記樹脂層の表面または内部もしくは
その両方に配置される配線層の厚みが3 〜35μm 、樹脂
層の厚みが10〜200 μm 、樹脂層内に配置されるメタル
コアの厚みが50〜200 μm であり、全板厚は1mm 以下で
あるメタルコア基板である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の重要な特徴は、メタルコ
アとして使用する金属材料において、所定の熱膨張特性
を付与することが可能な金属材料を選択すると共に、所
定の剛性を付与しハンドリング性を向上させたことにあ
る。先ず、本発明の最大の特徴である優れたハンドリン
グ特性について説明する。
【0016】本発明のメタルコア素材となる前記低熱膨
張金属材料は、硬度を高めるために、冷間圧延加工を施
して所望の厚さまで圧延すると良い。但し、冷間圧延し
たままのメタルコア素材を用いてメタルコアを作製した
場合、圧延加工時の歪が素材内部に残存した状態である
ため、スルーホール用の貫通孔をエッチング等で加工し
た際、あるいは加熱工程において、素材の圧延方向には
収縮、圧延方向と直交方向には膨張の寸法変化が生じる
場合がある。そこで、これらの異方性を低減するため、
圧延材には焼鈍が施され、圧延時の歪を軽減することが
望ましい。
【0017】ここで、焼鈍による前記低熱膨張金属材料
の軟化を防ぎ、メタルコア素材としての剛性を確保する
ためには、前記低熱膨張金属材料の硬さを冷間圧延状態
の硬さから大きく低下させずに歪を低減させる条件で焼
鈍を行うことが必要である。具体的には前記低熱膨張金
属材料の硬さがビッカース硬さで200 以上を確保するこ
とで、メタルコア素材としての剛性を最大限に機能させ
ることができる。さらに好ましくは230 以上の硬さが良
い。
【0018】次に、本発明の樹脂基板用メタルコア素材
の基本的な特性としての低熱膨張特性の付与について説
明する。本発明のメタルコア素材は、樹脂基板の熱膨張
を抑制する目的として使用されることから、樹脂よりも
低熱膨張であること、さらには、電子機器の信頼性を評
価する上限温度まで低熱膨張特性が得られることが必要
であり、30〜200 ℃の平均熱膨張係数が10ppm/℃の低熱
膨張金属材料であれば良い。
【0019】このような低熱膨張特性を持つ金属材料と
しては、質量% でNiを27〜50% 含有し、残部は実質的に
Feからなる合金であれば良く、例えばリードフレームに
広く用いられるFe-42%Ni合金、インバーと称されるFe-3
6%Ni合金等のFe-Ni 系合金を用いることができる。もし
くは前記Niの一部を質量% で20% 以下のCoで置換した合
金であれば良く、例えばスーパーインバーと称されるFe
-31 %Ni-5%Co合金、コバールと称されるFe-29 %Ni-1
7 %Co合金等のFe-Ni-Co系合金等が使用可能である。
【0020】以上説明するように、所定の低熱膨張特性
を有し、特にビッカース硬さ200 以上を確保して剛性を
兼備した本発明のメタルコア素材に例えばエッチング等
で貫通孔を形成してメタルコアとすることができる。こ
の本発明のメタルコアに電気伝導特性および熱伝導特性
を付与するには、銅を主成分とする金属層を形成してや
れば良く、銅を主成分とする金属層をメタルコアの表面
に例えばメッキ法で形成すると良い。なお、上述するよ
うに、メタルコアには貫通孔が形成されているので、例
えばメッキ法で銅を主成分とする金属層を形成する際
に、貫通孔内にもメッキされる場合もあることは言うま
でもない。
【0021】この時、メタルコアの表面に施す銅を主成
分とする金属層の形成では、メタルコアの表裏面の何れ
かもしくは両方の面側に、銅を主成分とする金属層を形
成すれば、優れた低熱膨張特性、電気伝導特性、熱伝導
特性を兼ね備えるメタルコアとすることができる。しか
し、低熱膨張金属材料の片方の面にのみ銅を主成分とす
る金属層を形成した場合、両者の熱膨張、収縮量の違い
からバイメタルのように反り変形が発生する場合があ
る。そこで、メタルコア単体での反り変形を抑制するた
めには、メタルコアの両面に銅を主成分とした金属層を
形成することが好ましい。
【0022】また本発明のメタルコアは、上述したよう
に所定の低熱膨張特性を有し、さらには電気伝導特性お
よび熱伝導特性を併せ持ち、特にビッカース硬さ200 以
上であって十分な剛性を有しているため、この本発明の
メタルコアと、配線層となる銅箔と、絶縁層となる樹脂
との積層によりメタルコア基板を作製すれば、ハンドリ
ング性に優れたメタルコア基板を得ることが可能であ
る。
【0023】本発明のメタルコア基板は、上述したよう
に剛性を確保したメタルコアを用いているため、特別に
優れたハンドリング性を示す指標として、以下に定義す
る試験を行って規定した。実際のメタルコア基板のハン
ドリング中に生じる反り変形やたわみ変形は、メタルコ
ア基板の平面上において板厚方向に荷重がかかり、平面
を板厚方向に曲げるモーメントが発生した場合に生じ
る。そこで、メタルコア基板の剛性が高く、反りやたわ
みの変形が起こりにくいことを示す試験として、メタル
コア基板の幅10mm、長さ10mmの領域を採取し、その一辺
を固定して、対向する一辺に9.8 ×10 -4N ・ mのモーメ
ントを与えた場合の、反り変形による変位量の測定を行
った。なお本試験方法は、ASTM-F113-82に定められたス
ティフネス試験に準ずる。
【0024】ここで、反り変形による変位量は少ないほ
どハンドリング時の変形が少なく、優れていると言え
る。ここで、本発明のメタルコア基板については、その
厚さに関わらず、上記試験での変位量を2mm 以下とし
た。変位量が2mm 以下であれば、製造工程におけるハン
ドリング中の反り変形やたわみ変形により、メタルコア
基板上に搭載された半導体チップおよびはんだボールの
接続部が破損される危険を回避できる。ただし、メタル
コア基板を連続して製造し、コイル形状に巻いて保管す
ることを考慮した場合、変位量が0.1mm 未満では曲げ方
向の剛性が高すぎるため、巻芯径が大きくなり、取り扱
いの利便性を欠く恐れがある。そこで本発明品であるメ
タルコア基板については、前記試験での変位量を0.1mm
以上2mm 以下であるとした。
【0025】以上、説明したように、本発明のメタルコ
ア基板は、電子機器の小型化に伴う配線基板の薄型化に
対応することが可能で、樹脂層の表面または内部もしく
はその両方に配置される配線層の厚みが3 〜35μm 、樹
脂層の厚みが10〜200 μm 、樹脂層内に配置されるメタ
ルコアの厚みが50〜200 μm であり、全板厚は1mm 以下
とすることも可能である。
【0026】
【実施例】以下に実施例として更に詳しく説明する。最
初に、厚さ2.5mm のFe-36 %Ni合金、Fe-42 %Ni合金お
よびFe-29 %Ni-17%Co合金の熱間圧延材を準備した。
次に、これらの素材を冷間圧延により厚さ1.6mm に圧延
し、水素による還元雰囲気中で950 ℃×10分間の焼鈍
後、冷間圧延により厚さ0.40mmに圧延した。さらに水素
による還元雰囲気中で780 ℃×5 分間の焼鈍後、冷間圧
延により厚さ0.10mm(100μm) 、幅300mm 、長さ500mm
の冷間圧延材のメタルコア素材を作製した。
【0027】このようにして得たメタルコア素材につい
て、水素による還元雰囲気中で400℃×1 時間の焼鈍を
行い、焼鈍材のメタルコア素材を作製した。以下、Fe-3
6 %Ni合金の400 ℃焼鈍材のメタルコア素材を試料No.
1、Fe-42 %Ni合金の400 ℃焼鈍材のメタルコア素材を
試料No.2、Fe-29 %-17 %Co合金の400 ℃焼鈍材のメタ
ルコア素材を試料No.3とする。また、前記冷間圧延材の
メタルコア素材を用いて、850 ℃×1 時間の焼鈍を行
い、完全焼鈍材のメタルコア素材を作製した。以下、Fe
-36 %Ni合金の850 ℃焼鈍材のメタルコア素材を試料N
o.4、Fe-42 %Ni合金の850 ℃焼鈍材のメタルコア素材
を試料No.5、Fe-29 %-17 %Co合金の850 ℃焼鈍材のメ
タルコア素材を試料No.6とする。
【0028】これらのメタルコア素材についてビッカー
ス硬さを測定し、30〜200 ℃の平均熱膨張を測定し、ま
た上記のメタルコア素材に、エッチングによりスルーホ
ール用貫通孔を加工して、メタルコアとした。エッチン
グパターンとして直径0.5mm の貫通孔がメタルコア試料
の圧延方向(長さ方向)及び板幅方向ともに1.0mm 間隔
毎に配置されるように、幅300mm 、長さ500mm の試料全
面をエッチングした。エッチング後、メタルコア試料の
四隅にある貫通孔間の距離(圧延方向と板幅方向につい
て)とそれに相当するエッチングパターン上の距離との
比を求めて、エッチングパターンからのずれ(%)とし
た。これらビッカース硬さ、熱膨張係数、エッチングパ
ターンからのずれの結果と、ビッカース硬さ、熱膨張係
数を併せて表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記の試料No.1〜6 に、試料全面に厚さ10
μm の電解銅めっきを行った。別途、市販の厚さ75μm
のガラス布・エポキシ樹脂( 通称FR-4) のプリプレグの
片面に厚さ18μm の銅箔を貼り付けた樹脂付き銅箔( 幅
300mm 、長さ500mm)を用意した。メタルコアを中心とし
てその上下面に、プリプレグ側が接する状態で樹脂付き
銅箔を積層した。その後、ホットプレスによりプリプレ
グとメタルコアを加熱接着し、同時にプリプレグの熱硬
化を行い、メタルコア基板を完成した。ホットプレスは
約0.01MPa まで減圧し、プレス圧力は2MPa、180 ℃×1
時間保持の条件で行った。作製したメタルコア基板につ
いては、それぞれに用いたメタルコアの試料番号の末尾
にB を付して記し、以下、試料No.1B 〜6Bと記す。メタ
ルコア基板の全板厚は、227 μm 〜235 μm であった。
【0031】実際に回路基板等に使用される際は、メタ
ルコア基板表面の銅箔部には配線パターンがエッチング
等により形成されており、銅箔の体積率は低減してい
る。そこで、この後に行う反り変形による変位量の測定
において、より実際に近い状態で測定を行うため、上述
の方法を用いて作製したメタルコア基板は、エッチング
により表面の銅箔を全て除去した。エッチング液は塩化
第二鉄水溶液を使用し、液温60℃、スプレー圧力0.147M
Paで行った。
【0032】次に、上述のメタルコア基板から幅10mm、
長さ25mmの試料を切り出し、反り変形による変位量の測
定を行った。測定方法は、前述したASTM-F113-82に定め
られたスティフネス試験に準じて行った。図5に、試料
(13)を試験機にセットした状態を示す。試料の長さ方向
を垂直にして、固定クランプ(14)と可動クランプ(15)の
間に挟み、可動クランプの下端から試料が約3.2mm 以上
突出した状態で固定した。試料の上端は、ベンディング
ダイ(16)と試料の接点から約6.4mm 以上突出した状態で
ある。ベンディングダイと試料の接点から固定クランプ
および固定クランプの上面までの距離、すなわち曲げ半
径(17)は10mmである。試料をセットした後、荷重バー(1
8)の回転軸(19)から40mmの位置に2.5gの錘(20)を取り付
け、試料に9.8 ×10-4N ・ mのモーメントを与えて、荷
重バーの回転角度(21)から試料の反り変形による変位量
(22)を測定した。測定結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】表1に示した通り、本発明例である試料N
o.1〜3 のメタルコアは、エッチングのパターンからの
ずれが小さくなっており、かつ、寸法変化の異方性が見
られない。比較例である試料No.4〜6 は、エッチングの
パターンからのずれは小さくなっているが、硬さが大幅
に低下しており、メタルコアとしての剛性が確保されて
なく、実際にハンドリングした時に、局所的な塑性変形
による凹みが発生した。この剛性の違いは、表2に示し
たように、メタルコア基板での反り変形による反り量を
比較すると明瞭である。比較例である試料No.4〜6 は変
位量が大きく、メタルコア基板として使用した場合に、
反りやたわみの問題が懸念される。一方、本発明例であ
る試料No.1〜3 は、反り変形による変位量が小さく、か
つ、エッチングパターンからのずれも抑制されており、
非常に優れた剛性、すなわちハンドリング性と被加工精
度を有している。
【0035】
【発明の効果】本発明のメタルコア素材を用いれば、所
定の低熱膨張特性と優れた電気伝導特性および熱伝導特
性を有し、かつ製造工程中のハンドリングに必要な剛性
を確保し、スルーホール用貫通孔の加工時における寸法
変化も低減されたメタルコアが作製可能である。また、
本発明品であるメタルコアを用いたメタルコア基板は、
メタルコアの大きな剛性のために反り変形量を低減して
おり、電子機器の製造工程中の反りやたわみ変形による
問題を解消することが可能である。今後、電子機器の小
型化に伴うメタルコア基板の薄型化に伴い、半導体部品
を実装する基板として必要な剛性を確保するために、本
発明は欠くことのできない技術となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メタルコアの使用例の一例を示す模式図であ
る。
【図2】メタルコアの使用例の一例を示す模式図であ
る。
【図3】メタルコアの一例を示す模式図である。
【図4】メタルコアの一例を示す模式図である。
【図5】反り変形による変位量の測定方法を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 半導体チップ 2、2´ はんだボール 3 回路基板 4 配線パターン 5 スルーホール 6 電気伝導層 7 インターポーザー 8 金属製枠 9 金属製放熱部材 10 メタルコア 11 低熱膨張金属材料 12 銅を主成分とした金属層 13 試料 14 固定クランプ 15 可動クランプ 16 ベンディングダイ 17 曲げ半径 18 荷重バー 19 回転軸 20 錘 21 荷重バーの回転角度 22 反り変形による変位量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊達 正芳 島根県安来市安来町2107番地2 日立金属 株式会社冶金研究所内 (72)発明者 佐藤 光司 島根県安来市安来町2107番地2 日立金属 株式会社冶金研究所内 (72)発明者 牛房 信之 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 長谷部 健彦 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 Fターム(参考) 5E315 AA05 BB01 BB14 CC16 DD16 DD17 GG01 GG11 5E346 AA03 AA12 AA15 AA25 AA26 BB01 CC02 CC08 CC31 DD02 DD12 FF45 GG28 HH11 HH17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂基板内に具備される金属層からなる
    メタルコアの素材であって、前記メタルコアの素材は30
    〜200 ℃の平均熱膨張係数が10ppm/℃以下の低熱膨張金
    属材料からなり、該低熱膨張金属材料の硬さがビッカー
    ス硬さで200以上を有することを特徴とするメタルコア
    素材。
  2. 【請求項2】 低熱膨張金属材料は、質量% でNiを27〜
    50% 含有したFe-Ni系合金または前記Niの一部を質量%
    で20% 以下のCoで置換したFe-Ni-Co系合金であることを
    特徴とする請求項1に記載のメタルコア素材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のメタルコア素
    材に貫通孔を設けていることを特徴とするメタルコア。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のメタルコアの表面に、
    銅を主成分とする金属層が形成されていることを特徴と
    するメタルコア。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載のメタルコアを
    用いていることを特徴とするメタルコア基板。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のメタルコア基板であっ
    て、メタルコア基板の幅10mm、長さ10mmの領域を採取
    し、その一辺を固定して、対向する一辺に9.8×10-4
    ・ mのモーメントを与えた際、反り変形による変位量が
    0.1mm 以上2mm以下であることを特徴とするメタルコア
    基板。
  7. 【請求項7】 請求項5または6に記載のメタルコア基
    板は、少なくとも樹脂層と配線層とメタルコアとで構成
    され、前記樹脂層の表面または内部もしくはその両方に
    配置される配線層の厚みが3 〜35μm 、樹脂層の厚みが
    10〜200 μm、樹脂層内に配置されるメタルコアの厚み
    が50〜200 μm であり、全板厚は1mm以下であることを
    特徴とするメタルコア基板。
JP2001137057A 2001-05-08 2001-05-08 メタルコア素材およびそれを用いているメタルコア、該メタルコアを用いているメタルコア基板 Pending JP2002335057A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001137057A JP2002335057A (ja) 2001-05-08 2001-05-08 メタルコア素材およびそれを用いているメタルコア、該メタルコアを用いているメタルコア基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001137057A JP2002335057A (ja) 2001-05-08 2001-05-08 メタルコア素材およびそれを用いているメタルコア、該メタルコアを用いているメタルコア基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002335057A true JP2002335057A (ja) 2002-11-22

Family

ID=18984219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001137057A Pending JP2002335057A (ja) 2001-05-08 2001-05-08 メタルコア素材およびそれを用いているメタルコア、該メタルコアを用いているメタルコア基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002335057A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007059699A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Fujitsu Ltd プリント配線基板
JP2008181979A (ja) * 2007-01-23 2008-08-07 Furukawa Electric Co Ltd:The 金属コア多層プリント配線板
JP2008193001A (ja) * 2007-02-07 2008-08-21 Furukawa Electric Co Ltd:The 金属コア多層プリント配線板
US7420126B2 (en) 2005-08-30 2008-09-02 Sanyo Electric Co., Ltd. Circuit board and circuit apparatus using the same
CN100433321C (zh) * 2005-07-29 2008-11-12 三洋电机株式会社 电路基板及使用该电路基板的电路装置
KR100870652B1 (ko) 2007-07-24 2008-11-26 삼성전기주식회사 반도체 패키지 및 그 제조방법
JP2011091423A (ja) * 2007-07-04 2011-05-06 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 多層印刷回路基板及びその製造方法
JP2011177978A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Nippon Steel Chem Co Ltd 金属張積層板及びその製造方法
US20120199386A1 (en) * 2011-02-04 2012-08-09 Ibiden Co., Ltd. Multilayer printed wiring board
US9142476B2 (en) 2010-10-08 2015-09-22 Fujitsu Limited Semiconductor package, cooling mechanism and method for manufacturing semiconductor package

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100433321C (zh) * 2005-07-29 2008-11-12 三洋电机株式会社 电路基板及使用该电路基板的电路装置
JP2007059699A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Fujitsu Ltd プリント配線基板
US7420126B2 (en) 2005-08-30 2008-09-02 Sanyo Electric Co., Ltd. Circuit board and circuit apparatus using the same
JP2008181979A (ja) * 2007-01-23 2008-08-07 Furukawa Electric Co Ltd:The 金属コア多層プリント配線板
JP2008193001A (ja) * 2007-02-07 2008-08-21 Furukawa Electric Co Ltd:The 金属コア多層プリント配線板
JP2011091423A (ja) * 2007-07-04 2011-05-06 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 多層印刷回路基板及びその製造方法
KR100870652B1 (ko) 2007-07-24 2008-11-26 삼성전기주식회사 반도체 패키지 및 그 제조방법
JP2011177978A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Nippon Steel Chem Co Ltd 金属張積層板及びその製造方法
US9142476B2 (en) 2010-10-08 2015-09-22 Fujitsu Limited Semiconductor package, cooling mechanism and method for manufacturing semiconductor package
US20120199386A1 (en) * 2011-02-04 2012-08-09 Ibiden Co., Ltd. Multilayer printed wiring board

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6400788B2 (ja) パワーモジュールの製造方法
US7128979B2 (en) Circuit board, method of producing same, and power module
US6791180B2 (en) Ceramic circuit board and power module
JP2002335057A (ja) メタルコア素材およびそれを用いているメタルコア、該メタルコアを用いているメタルコア基板
US11749581B2 (en) Semiconductor module and method for manufacturing same
CN102468249A (zh) 功率封装模块及制造该功率封装模块的方法
JP5433923B2 (ja) スティフナ付き基板およびその製造方法
JP5145089B2 (ja) 電気特性測定用配線基板、及び電気特性測定用配線基板の製造方法
JP2000174159A (ja) 配線基板及び補強板
JP2001267705A (ja) 樹脂基板用メタルコアの素材及びそれを用いてなるメタルコア並びに該メタルコアを用いてなる樹脂基板及び樹脂基板用メタルコアの素材の製造方法並びに樹脂基板用メタルコアの製造方法
JP4326706B2 (ja) 回路基板の評価方法、回路基板及びその製造方法
JP2001160664A (ja) 金属ベース回路基板及びその製造方法
JP4685245B2 (ja) 回路基板及びその製造方法
JPH10167804A (ja) セラミックス基板及びそれを用いた回路基板とその製造方法
JP2000002746A (ja) プローブ構造
JP6202487B2 (ja) 金属−セラミックス接合回路基板およびその製造方法並びに検査方法
JP4204033B2 (ja) 金属箔張積層板及びそれを用いてなる配線基板
JP2013029431A (ja) 多層配線基板の製造方法およびウエハ一括コンタクトボード
KR100701676B1 (ko) 반도체 칩 패키지의 제조 방법
JP2002280515A (ja) 半導体装置
JPH06140539A (ja) ヒートシンクおよびこれを用いた半導体装置
Okayama et al. Leadless IC package with a substrate produced by copper/nickel/copper-3-layer-clad material
JPS63215306A (ja) テ−プキヤリヤ用銅又は銅合金箔の製造方法
JP2002289765A (ja) 半導体装置
KR19980073899A (ko) 비지에이 반도체 패키지와 그 제조방법