JP2002334819A - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置

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JP2002334819A
JP2002334819A JP2002000126A JP2002000126A JP2002334819A JP 2002334819 A JP2002334819 A JP 2002334819A JP 2002000126 A JP2002000126 A JP 2002000126A JP 2002000126 A JP2002000126 A JP 2002000126A JP 2002334819 A JP2002334819 A JP 2002334819A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウエハの温度分布の均一性を向上さ
せ,これにより半導体ウエハなどの被処理体に形成する
薄膜の膜厚分布の均一性を向上させる。 【解決手段】 処理ガスが供給される処理容器内のサセ
プタ30上に半導体ウエハWを載置し,加熱ランプから
の熱線によりサセプタを介して半導体ウエハを加熱する
熱処理装置において,サセプタ30に内蔵する温度セン
サ92,93などの異種部材と同程度又はそれ以下の熱
線透過率を有する材料でサセプタを構成した。これによ
り,透過率の低い異種部材とサセプタとの温度差を少な
くすることができるので,半導体ウエハの温度分布の均
一性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,半導体ウエハ等の
被処理体を加熱し,成膜処理等を施す熱処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に,半導体集積回路の製造工程にお
いては,半導体ウエハなどの被処理体の表面に配線パタ
ーンや電極等を形成するためにW(タングステン),W
Si(タングステンシリサイド),Ti(チタン),T
iN(チタンナイトライド),TiSi(チタンシリサ
イド)等の金属或いは金属化合物を堆積させて薄膜を形
成することが行なわれている。この種の薄膜を形成する
装置としては,例えばランプ加熱型の熱処理装置が使用
される。
【0003】このような熱CVD装置で成膜処理を行う
場合,図11に示すように装置中央に設置されたサセプ
タ201上に半導体ウエハWが載置され,この半導体ウ
エハはクランプリング202で保持される。
【0004】上記サセプタ201には,半導体ウエハ用
のリフタピン203が昇降可能なピン孔(逃げ孔)20
4がリフタピン203の数(例えば図12に示すように
3つ)だけ形成されている。このリフタピン203は図
示しないアクチュエータにより昇降自在に構成された昇
降軸に支持されたアーム上に取り付けられており,上記
リフタピン孔204内を昇降するようになっている。
【0005】上記サセプタ201は,下方に配置したハ
ロゲンランプなどで構成された加熱ランプ205により
所定の温度に保持され,サセプタ201を介して半導体
ウエハの面に熱が均一に伝わるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来,
実際には種々の要因で半導体ウエハの温度分布が不均一
になる場合があった。半導体ウエハの温度分布が不均一
になると,半導体ウエハに均一な薄膜を形成することが
困難となるので,種々の要因を解消して極力温度分布が
均一となるようにすることが課題となる。
【0007】上述したように温度分布が不均一となる原
因としては,以下のようなことが考えられる。第1に,
サセプタ201には,例えばシース熱電対で構成された
温度センサ(TC)などサセプタとは異なる材質の異種
部材を内蔵する場合があり,このような異種部材を内蔵
した場合にサセプタ201と異種部材との熱線透過率の
相違に基づいて温度分布が不均一になることが考えられ
る。
【0008】上記サセプタ201は加熱ランプ205か
らのランプ光,特に赤外線等の波長(熱線)を吸収する
ことにより熱を発生するため,サセプタ201における
熱線透過率が高いと赤外線等の波長が吸収され難くサセ
プタ201の温度は低くなる。通常は上記サセプタ20
1全体の熱線透過率は均一であるため全体の温度分布も
均一となる。しかしながら,サセプタ201に熱線透過
率の異なる温度センサなど異種部材が内蔵されると,そ
の熱線透過率の差が大きいほどサセプタ201内で温度
が異なる部位が生じ,サセプタ201において温度分布
が不均一になると考えられる。
【0009】例えば,直径200mmの半導体ウエハを
扱う熱CVD装置では,半導体ウエハの温度制御を行う
ため,サセプタ201の端部から比較的浅い位置まで温
度センサ(TC)を挿入することがある。また,より大
きな直径300mmの半導体ウエハを扱う熱CVD装置
では,サセプタ201の端部の温度センサだけでは温度
制御が不十分となるため,2本目の温度センサ(TC)
をサセプタ201の端部からより深い中央付近まで挿入
することがある。具体的には,図13に示すように棒状
の温度センサ206をサセプタ201の端部から15m
m程度の位置まで挿入するとともに,2本目の棒状の温
度センサ207をサセプタ201の端部から120mm
程度の中央付近まで挿入し,2本の温度センサ206,
207に基づいて半導体ウエハの温度制御を行う。
【0010】従来,このような温度センサなどの異種部
材が内蔵されたサセプタ201を例えば白色を呈するA
lN(窒化アルミニウム)系セラミックスのように熱線
透過率の高い材料で構成していたため,熱線透過率の低
い温度センサ206をサセプタ201に内蔵すると,そ
の熱線透過率の差が大きく,半導体ウエハの温度分布が
不均一となる原因の1つとなっていた。特に,直径30
0mmの半導体ウエハを扱う熱CVD装置では,2本の
温度センサ206,207を内蔵すること,そのうちの
1本はサセプタ201の中央付近まで位置することなど
から,半導体ウエハの温度分布に与える影響が大きい。
【0011】また,上記サセプタ201に内臓される異
種部材としては,上述した温度センサ206,207の
他に,図14に示すような半導体ウエハ静電吸着用の電
極208がある。図11に示すように半導体ウエハをク
ランプリング202によりクランプで固定する代りに,
静電気によってサセプタ201に吸着させることによっ
て固定させる場合である。この場合も上記と同様な問題
を生じる。すなわち,従来,サセプタ201を白色を呈
するAlN系セラミックスのように熱線透過率の高い材
料で構成していたため,サセプタ201と電極208と
の熱線透過率の差が大きく,半導体ウエハの温度分布が
不均一となる原因の1つとなっていた。
【0012】第2に,サセプタ201とクランプリング
202との熱線透過率の相違に基づいて温度分布が不均
一になることが考えられる。この場合,クランプリング
202はリング上であるため,サセプタ201よりも面
積が狭いことから,同じ熱源である熱線を受けても,ク
ランプリング202の温度の方がサセプタ201の温度
よりも低くなる。しかも,クランプリング202は半導
体ウエハの周縁部とのみ接触するため,半導体ウエハ周
縁部の熱がクランプリング202に吸熱されて温度分布
が不均一になる。
【0013】図15にクランプリング202とサセプタ
201とをともに熱線透過率の高い白色を呈するAlN
系セラミックスで構成して加熱ランプ205からの熱線
によりサセプタ201を介して半導体ウエハを加熱した
場合における半導体ウエハの面内温度を測定した実験結
果を示す。この場合,成膜ガス以外の処理ガスAr,H
2,N2などを処理容器内に導入して,圧力略10600
Paに設定し,半導体ウエハWが445℃になるように
制御している。また,半導体ウエハ上にはウエハ上の温
度を測定するための熱電対が設けられている。同図中,
横軸には直径300mmの半導体ウエハについて中央位
置を0とした場合の測定位置をとり,縦軸にはその測定
位置における温度をとっている。また,黒三角形のグラ
フは半導体ウエハの面内温度を示し,白三角形で示した
点はクランプリング202の温度を示している。
【0014】この実験結果を見ると,クランプリング2
02の温度(白三角形)が半導体ウエハの中央部ないし
その周辺部(−100mm〜100mm)の温度よりも
低くなり,半導体ウエハの周縁部(100mm〜150
mm,−100mm〜−150mm)の温度も中央部な
いしその周辺部よりも低下しており,面内温度分布が不
均一となっていることがわかる。このように,従来はク
ランプリング202についてもサセプタ201と同じ熱
線透過率の高い材料で構成していたことから熱線を受け
る面積の相違に基づいて温度差が生じており,これが面
内温度分布が不均一となる要因の1つになっていた。
【0015】第3に,サセプタ201に設けたピン孔に
基づいて温度分布が不均一になることが考えられる。例
えば図12に示すようにサセプタ201の周縁部にはリ
フタピン203のリフタピン孔204が同心円上に同間
隔で3つ設けられているが,このリフタピン孔204か
ら加熱ランプ205からの熱線が透過する可能性があ
る。このため,リフタピン孔204の間隔が大きいと,
サセプタ201の周縁部において温度分布が不均一にな
ることも考えられる。
【0016】そこで,本発明は,このような問題に鑑み
てなされたもので,その目的とするところは,半導体ウ
エハの温度分布の均一性を向上させることができ,これ
により半導体ウエハなどの被処理体に形成する薄膜の膜
厚分布の均一性を向上させることができる熱処理装置を
提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明は,請求項1に記載のように,処理ガスが供
給される処理容器内の受光発熱体上に被処理体を載置
し,熱源からの熱線により前記受光発熱体を介して前記
被処理体を加熱する熱処理装置において,前記受光発熱
体に内蔵する異種部材と同程度又はそれ以下の熱線透過
率を有する材料で受光発熱体を構成したことを特徴とす
る熱処理装置を提供する。受光発熱体として例えばサセ
プタに温度センサなどの熱線透過率の低い異種部材を内
蔵することがあり,本発明によればこのような場合に該
異種部材と同程度又はそれ以下の熱線透過率を有する材
料でサセプタを構成することにより,また請求項2に記
載のように受光発熱体を熱線透過率の低い黒色を呈する
AlN系部材で構成することにより,透過率の低い異種
部材とサセプタとの温度差を少なくすることができるの
で,異種部材が内蔵されることによるサセプタの温度分
布への影響を軽減することができ,半導体ウエハの面内
温度分布の均一性を向上させることができる。
【0018】また,請求項3に記載のように,処理ガス
が供給される処理容器内の受光発熱体上に被処理体を載
置し,この被処理体の周縁部をリング状の被処理体押さ
え部材により保持した状態で,熱源からの熱線により前
記受光発熱体を介して前記被処理体を加熱する熱処理装
置において,前記受光発熱体よりも熱線透過率の低い材
料で前記被処理体押さえ部材を構成することにより,受
光発熱体と被処理体押さえ部材との温度差を少なくする
ことができ,半導体ウエハ周縁部の熱が被処理体押さえ
部材に吸熱されることを防止できる。これにより,例え
ばサセプタなどの受光発熱体と被処理体押さえ部材の熱
線を受ける面積の相違に基づいて生じる半導体ウエハの
面内温度の差を少なくすることができるため,半導体ウ
エハの面内温度分布の均一性を向上させることができ
る。また,請求項4に記載のように,受光発熱体に対し
て相対的に温度が低くなりやすい被処理体押さえ部材を
熱線透過率の低い黒色を呈するAlN系部材で構成する
ことにより,例えばサセプタなどの受光発熱体と被処理
体押さえ部材との温度差を少なくすることができ,半導
体ウエハの面内温度分布の均一性を向上させることがで
きる。この場合,サセプタの厚みを薄くすればするほど
熱線透過率は高くなってしまうが,サセプタも熱線透過
率の低い黒色を呈するAlN系部材で構成すれば,サセ
プタの厚みを薄くしても熱線透過率を低くすることがで
きるので,サセプタの熱効率が高くなり,サセプタと被
処理体押さえ部材との温度差を少なくすることができ
る。これにより,半導体ウエハの面内全体の温度分布の
均一性をより向上させることができる。
【0019】また,請求項5に記載のように,前記被処
理体を保持して前記受光発熱体上に載置させるための複
数の支持部材を出し入れ可能な逃げ孔とこれらの逃げ孔
と同形状の孔とを,各孔が同心円上に等間隔に並ぶよう
に前記受光発熱体に設けることにより,各孔の間隔が狭
くなり,しかも各孔が等間隔に並ぶので,熱源からの熱
線が各孔から均等に透過する。このため,熱線が逃げ孔
のみから透過する場合に比して,サセプタなどの受光発
熱体の周縁部における温度分布の均一性を向上させるこ
とができる。これにより,半導体ウエハの面内温度分布
の均一性を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下,本発明に係る熱処理装置の
第1の実施の形態を図1ないし図7を参照しながら説明
する。図1は本発明に係る熱処理装置の一例を示す断面
図,図2は図1に示す載置台を兼ねる受光発熱体として
のサセプタの周縁部を示す拡大断面図である。本実施例
では熱処理装置として加熱ランプを用いた高速昇温が可
能な枚葉式の成膜装置を例に取って説明する。
【0021】この成膜装置22は,例えばアルミニウム
等により円筒状或いは箱状に成形された処理容器24を
有しており,この処理容器24内には,容器底部より起
立させたリング状の反射支柱26上に,例えば載置台を
兼ねたサセプタ30の周方向に適宜配置された断面L字
状の3つの保持部材28を介して被処理体としての半導
体ウエハWを載置するための載置台を兼ねたサセプタ3
0が設けられている。サセプタ30の直径は,処理すべ
きウエハWの直径と略同一となるように設定されてい
る。また,反射支柱26及び保持部材28は,後述する
加熱ランプ52からの熱線,主に赤外線の波長(熱線)
を透過する材料,例えば石英により構成されている。
【0022】このサセプタ30の下方には,支持部材と
して複数本(例えば3本)のL字状のリフタピン32が
設けられており,各リフタピン32は図示しないリング
により互いに連結されている。このリフタピン32を容
器底部に貫通して設けられた押し上げ棒34により上下
動させることにより,上記リフタピン32をサセプタ3
0に貫通させて設けた逃げ孔としてのリフタピン孔36
に挿通させてサセプタ30からウエハWを持ち上げた
り,サセプタ30に支持し得るようになっている。上記
押し上げ棒34の下端は,処理容器24内の気密状態を
保持するために伸縮可能なベローズ38を介してアクチ
ュエータ40に接続されている。上記サセプタ30の周
縁部には,ウエハWの固定手段,例えばウエハWの周縁
部を押し付けてこれをサセプタ30側へ固定するための
リング状のセラミックス製のクランプリング42が設け
られており,このクランプリング42は,上記保持部材
28を遊嵌状態で貫通した石英製のリングアーム44を
介して上記リフタピン32に連結されており,リフタピ
ン32と一体的に昇降するようになっている。ここで保
持部材28とリフタピン32の水平部分との間のリング
アーム44にはコイルバネ46が介設されており,クラ
ンプリング42等を下方向へ付勢し,且つウエハWのク
ランプを確実ならしめている。これらのリフタピン32
及び保持部材28も石英等の熱線透過部材により構成さ
れている。
【0023】また,サセプタ30の直下の処理容器24
の底部には,石英等の熱線透過材料よりなる透過窓48
が気密に設けられており,この下方には,透過窓48を
囲むように箱状の加熱室50が設けられている。この加
熱室50内には加熱手段としてハロゲンランプなどで構
成された複数の加熱ランプ52が反射鏡も兼ねる回転台
54に取り付けられており,この回転台54は,回転軸
を介して加熱室50の底部に設けた回転モータ56によ
り回転される。従って,この加熱ランプ52より放出さ
れた熱線は,透過窓48を透過してサセプタ30の下面
を照射してこれを加熱し,これからの熱伝導によってウ
エハWを加熱し得るようになっている。透過窓48の上
方には,透過窓48の外周に沿うようにして筒状のリフ
レクター(反射支柱)26が設けられ,その内周面は鏡
面加工され,ランプ52からの熱線を効率よくサセプタ
30へ反射して導くようになっている。
【0024】上記加熱ランプ52は,中央から放射線状
に多数配置されている。中央部に配置された加熱ランプ
52はサセプタ30の主として中央部を加熱し,その外
側に配置された加熱ランプ52はサセプタ30の主とし
て中央から端部までを加熱し,最も外側に配置された加
熱ランプ52は主としてクランプリング42を加熱する
ように3ゾーンのランプ配置になっている。
【0025】この加熱室50の側壁には,この加熱室5
0内や透過窓48を冷却するための冷却エアを導入する
冷却エア導入口58及びこのエアを排出する冷却エア排
出口60が設けられている。そして,透過窓48の外周
に沿うように設けられたリフレクター(反射支柱)26
の下部には環状の位置に均等に配置するように不活性ガ
スを供給するガス導入穴71が複数(例えば8つ)設け
られており,サセプタ30の下方の室70内に不活性ガ
ス(N2 ,Ar等),例えばArを貯留する図示しない
Arガス源から流量制御されたArガスをバックサイド
ガスとして室70内に流すことにより,この室70内に
処理ガスが侵入して熱線に対して不透明化の原因となる
成膜が透過窓48の内面等に付着することを防止してい
る。
【0026】また,サセプタ30の外周側には,多数の
整流孔62を有するリング状の整流板64が,上下方向
に環状に成形された支持コラム66と処理容器24の内
壁との間で支持させて設けられている。支持コラム66
の上端内周側には,この内周端に支持させてリング状の
石英製アタッチメント部材68が設けられており,サセ
プタ30より下方側の室内へ処理ガスができるだけ流れ
込まないように処理容器24内を上下の室に区画してい
る。支持コラム66の上部には,水冷ジャケット80が
設けられ,整流板64側を主に冷却するようになってい
る。整流板64の下方の底部には排気口74が設けら
れ,この排気口74には図示しない真空ポンプに接続さ
れた排気路76が接続されており,処理容器24内を真
空引きして所定の真空度(例えば0.5Torr〜10
0Torr)に維持し得るようになっている。そして,
上記支持コラム66には,圧力逃し弁78が設けられて
おり,サセプタ30の下方の室70内が過度に陽圧状態
になることを防止している。
【0027】一方,上記サセプタ30と対向する処理容
器24の天井部には,処理ガスやクリーニングガス等の
必要ガスを反応室82内へ導入するためのガス供給部8
4が設けられている。具体的には,このガス供給部(シ
ャワーヘッド)84は,シャワーヘッド構造になされて
おり,例えばアルミニウム等により円形箱状に成形され
たヘッド本体86を有し,この天井部にはガス導入口8
8が設けられている。このガス導入口88は,ガス通路
や複数の分岐路を介して図示しないガス源に接続してお
り,各ガス源からN2 ,H2,WF6 ,Ar,SiH4,
ClF3等がそれぞれ供給されるようになっている。
【0028】ヘッド本体86の下面であるサセプタ対向
面には,ヘッド本体86内へ供給されたガスを放出する
ための多数のガス孔100が面内に均等に配置されてお
り,ウエハ表面に亘って均等にガスを放出するようにな
っている。また,ヘッド本体86内には,多数のガス分
散孔102を有する2枚の拡散板104が上下2段に配
設されており,ウエハ面に,より均等にガスを供給する
ようになっている。
【0029】ここで,本実施の形態におけるサセプタ3
0についてさらに詳述する。サセプタ30には,このサ
セプタ30とは異なる材質で構成された異種部材として
サセプタ温度制御のための温度センサ(TC)が内蔵さ
れている。第1の実施の形態に係る成膜装置22は,直
径300mmの半導体ウエハWを扱うため,サセプタ3
0の端部の温度センサだけでは温度制御が不十分となる
ことから,2本目の温度センサ(TC)をサセプタの端
部からより深い中央付近まで挿入し,これらにより温度
制御を行うようにしている。具体的には,図3及び図4
に示すように棒状の温度センサ91をサセプタ30の端
部から15mm程度の位置まで挿入するとともに,2本
目の棒状の温度センサ92をサセプタ30の端部から1
20mm程度の中央付近まで挿入する。例えば,温度セ
ンサ91,92は,シース熱電対で構成される。このシ
ース材質は例えばハステロイ,インコネル,純ニッケル
などの耐熱金属である。
【0030】これら温度センサ91,92は熱線透過率
が低いので,従来のように上記サセプタ30を白色を呈
するAlN系セラミックスのような熱線透過率の高い材
質で構成したのでは,透過率の差が大きくなってしま
う。透過率の差が大きいと熱線吸収率の差も大きくなる
ので,サセプタ30内において温度分布の不均一が生じ
てしまう。
【0031】このため,第1の実施の形態に係る成膜装
置22におけるサセプタ30は,熱線透過率が低い黒色
を呈するAlN系セラミックスで構成する。上記AlN
系セラミックスは,一般に,優れた熱伝導性や機械的特
性があるため,サセプタなどの受光発熱体に使用され
る。このAlN系セラミックスの色は,不純物や焼結助
剤の種類・量によって変化する。例えば白色又は灰色を
呈するAlN系セラミックスは,遷移金属不純物が少な
い高純度AlN原料を使用して焼成形成される。また,
黒色を呈するAlN系セラミックスは,AlN原料にチ
タニウム,コバルト等を含ませたり,AlON又はカー
ボン等を含ませたりすることにより形成される。特にA
lONを含むものは色むらが少なく機械的特性にも優れ
るので有効である。
【0032】図5にAlN系セラミックスを透過させた
光の波長とその透過率との関係を示す。同図は,対数グ
ラフであり,横軸にAlN系セラミックスを透過させた
光の波長をとり,縦軸に透過率(対数で表示)をとって
いる。白色を呈するAlN系セラミックスについてはグ
ラフ1で示し,黒色を呈するAlN系セラミックスにつ
いてはグラフ2に示している。AlN系セラミックスは
白色,黒色ともに3.5mmの厚さのものを使用した。
【0033】図5に示すように1μm程度以上の波長で
は,黒色のものの透過率は白色のものに対して1/40
程度低くなる。いわゆる熱線とされる波長は赤外光
(0.78μm〜1000μm)であり,黒色のものは
特にこの熱線の透過率が低くなることがわかる。熱源で
ある加熱ランプ52として熱線とされる0.6μm〜3
μmの波長を出力することができるハロゲンランプを使
用すれば,黒色を呈するAlN系セラミックスはこの熱
線の透過率を1/40程度低くすることができる。
【0034】第1の実施の形態におけるサセプタ30は
このような熱線の透過率が低い黒色を呈するAlN系セ
ラミックスで構成するため,サセプタ30と内蔵された
温度センサ91,92との間の熱線透過率の差を小さく
することができ,サセプタ30内の温度差を小さくする
ことができる。このため,温度分布の均一性を向上させ
ることができる。
【0035】なお,サセプタ30を構成するAlN系セ
ラミックスの色は,不純物や焼結助剤の種類・量によっ
て変るため,サセプタ30に内蔵する異種部材の熱線透
過率と同程度又はそれ以下の熱線透過率となるAlN系
セラミックスであれば,異種部材が内蔵されることによ
るサセプタ30の温度分布への影響を軽減することがで
き,温度分布の均一性を向上させることができる。
【0036】このように構成された成膜装置22に基づ
いて行なわれる成膜処理について説明する。ここでは,
Siウエハ表面にスパッタ装置で予めTiNバリアメタ
ル層を形成してある表面に,タングステン膜をCVD成
膜する場合を例に取って説明する。まず,ロードロック
室118内に収容されているTiNバリアメタル層付き
の半導体ウエハWを図示しない搬送アームにより予め真
空状態になされている処理容器24内にゲートバルブ1
16を介して搬入し,リフタピン32を押し上げること
によりウエハWをリフタピン32側に受け渡す。そし
て,アクチュエータ40を作動して押し上げ棒34を下
げることによってリフタピン32を降下させ,ウエハW
をサセプタ30上に載置すると共に更に押し上げ棒34
を下げることによってウエハWの周縁部をリング状のク
ランプリング42の内側端面と接触させて押し下げて,
これを固定する。そして,処理容器24内をベース圧力
まで真空引きした後,加熱室50内の加熱ランプ52を
点灯しながら回転させ,熱線を放射する。
【0037】加熱ランプ52から放射された熱線は,透
過窓48を透過した後,サセプタ30の裏面を照射して
これを加熱する。そして,温度センサ91,92からの
測定温度に基づいて加熱ランプ52の出力を調整するこ
とにより,温度制御を行う。このとき,サセプタ30は
加熱ランプ52からの熱線の透過率が低い黒色を呈する
AlN系セラミックスで構成するため,サセプタ30と
内蔵された温度センサ91,92との間の熱線透過率の
差が小さくなることから,サセプタ30内の温度差も小
さくなり,サセプタ30の温度分布の均一性が向上す
る。従って,このようなサセプタ30からの熱伝導によ
り熱が伝わるサセプタ30上の半導体ウエハWの温度分
布の均一性も向上し,成膜を均一に行うことができる。
【0038】そして,半導体ウエハWがプロセス温度に
達したならば,図示しないガス源からそれぞれキャリア
ガスとしてN2 ガス,処理ガスとしてWF6 ガス,還元
ガスとしてH2 ガス及びArガスを,処理容器24内の
反応室82内へ供給する。なお,N2 ガス又はArガス
に替えてヘリウム(He)ガスも用いることができる。
こうして,供給された混合ガスは,所定の化学反応を生
じ,タングステン膜がTiN膜上に形成される。この成
膜処理は,所定の膜厚を得るまで行なわれる。
【0039】このように成膜処理が行なわれている間,
サセプタ30の下方の室70内に処理ガスが侵入してく
ることを防止するため,例えばNガス源に接続されて
いる不活性ガスのガス導入穴71よりNガスをバック
サイドガスとして供給してこの室70内を上方の反応室
82に対して僅かに陽圧となるように設定する。また,
図2に示すようにサセプタ30の下方の室70内に供給
されたバックサイドガスが,サセプタ30の外側端面と
アタッチメント部材68の内側端面との間に形成される
幅L1(例えば0.5〜10mm,好ましくは1〜5m
m)の入口及びクランプリング42のリフトピン穴から
矢印に示すようにガスパージ通路108内を流れ,クラ
ンプリング42の外側端部より反応室82内に抜けて行
く。このように,クランプリング42のクランプ状態に
おいて,この下面とアタッチメント部材68の内周側段
部部分110の上面とで区画するように僅かな幅L2
(例えば,0.5〜10mm,好ましくは1〜10m
m)のガスパージ通路108を形成して,下方へ侵入し
た処理ガスを完全にパージするようになっている。
【0040】このように,第1の実施の形態において
は,サセプタ30を加熱ランプ52からの熱線透過率が
低い黒色を呈するAlN系セラミックスで構成すること
により,サセプタ30と内蔵された温度センサ91,9
2との間の熱線透過率の差が小さくすることができ,サ
セプタ30内の温度差も小さくすることができる。これ
により,サセプタ30の温度分布の均一性が向上する。
従って,サセプタ30上の半導体ウエハWの温度分布の
均一性も向上し,半導体ウエハWに形成する膜厚の均一
性も向上させることができる。この場合,温度センサ等
の異種部材と同程度又はそれ以下の熱線透過率を有する
材料(上記黒色を呈するAlN系セラミックスを含む)
でサセプタ30を構成することにより,サセプタ30と
内蔵された温度センサ等の異種部材との間の熱線透過率
の差をより小さくすることができ,サセプタ30内の温
度差もより小さくすることができる。これにより,サセ
プタ30の温度分布の均一性もより向上する。従って,
サセプタ30上の半導体ウエハWの温度分布の均一性も
より向上し,半導体ウエハWに形成する膜厚の均一性も
より向上させることができる。例えば,AlN系セラミ
ックスの黒色は,AlONなどの不純物や焼結助剤の種
類・量によって変り,それによって熱線透過率も変るた
め,異種部材と同程度又はそれ以下の熱線透過率を有す
る程度の色の黒いAlN系セラミックスでサセプタ30
を構成してもよい。
【0041】なお,第1の実施の形態においては,サセ
プタ30内に異種部材として温度センサ(TC)91,
92を内蔵した場合について説明したが,必ずしもこれ
に限定されるものではなく,他の異種部材をサセプタに
内蔵する場合に適用してもよい。例えば,図6に示すよ
うにサセプタ30内に異種部材として半導体ウエハ静電
吸着用の電極93を内蔵する場合に,サセプタ30を黒
色を呈するAlN系セラミックスで構成してもよい。こ
れにより,サセプタ30と内蔵された電極93との間の
熱線透過率の差が小さくすることができ,サセプタ30
内の温度差も小さくすることができる。これにより,サ
セプタ30の温度分布の均一性が向上する。従って,サ
セプタ30上の半導体ウエハWの温度分布の均一性も向
上し,半導体ウエハWに形成する膜厚の均一性も向上さ
せることができる。
【0042】また,サセプタ30に内蔵する温度センサ
によっては,温度センサ自体の各部位によって,熱線透
過率が異なることがある。このような場合に,サセプタ
30を従来のように熱線透過率の高い白色を呈するAl
N系セラミックスで構成すると,温度センサが内蔵され
ている部分でも温度分布が不均一が生じる。このため,
サセプタ30を介して加熱する半導体ウエハWの面内温
度分布も温度センサの部分内に不均一が生じ,成膜を行
った場合に膜厚が不均一になる。
【0043】ところが,第1の実施の形態のように,サ
セプタ30を熱線透過率の低い黒色を呈するAlN系セ
ラミックスで構成することにより,この温度センサ部分
の温度分布の均一性も向上することができる。
【0044】図7に半導体ウエハに成膜処理を施し,温
度センサ部分上に形成された膜厚を測定した実験結果を
示す。処理ガスWF6,Ar,SiH4,H2,N2などを
使用して,圧力略500Paの下で核を形成し,圧力略
10666Paの下でタングステンを成膜し,半導体ウ
エハ上に形成された膜厚の中央側から縁部側へポイント
(1〜5)をとってそのポイントの抵抗値を測定し,各
抵抗値に基づいて膜厚を算出した。ここでは半導体ウエ
ハWが445℃になるように制御している。
【0045】また,図7では横軸に各ポイントをとり,
縦軸にそのポイントにおける膜厚の値をとっている。各
ポイント1〜5は,それぞれ半導体ウエハWの中央から
4mm,15mm,34mm,60mm,95mmであ
る。また,同図中,黒四角形のグラフは従来のようにサ
セプタを熱線透過率の高い白色を呈するAlN系セラミ
ックスで構成して成膜処理を施した場合のそれぞれの膜
厚値を示し,黒丸のグラフは第1の実施の形態における
ようにサセプタを熱線透過率の低い黒色を呈するAlN
系セラミックスで構成して成膜処理を施した場合の膜厚
値を示す。
【0046】この図7の実験結果を見ると,黒丸のグラ
フのように第1の実施の形態にかかる熱線透過率の低い
サセプタによる場合は,黒四角形のグラフのような熱線
透過率の高いサセプタの場合に比して,膜厚値の最大・
最小の差が小さくなっており,温度センサ部分上の膜厚
は均一に向上していることがわかる。
【0047】このように,サセプタ30を熱線透過率の
低い黒色を呈するAlN系セラミックスで構成したこと
により,サセプタ30内における温度センサ部分の温度
分布の均一性をも向上させることができる。これによ
り,温度センサ部分上における半導体ウエハW上にも形
成された膜厚を均一に向上させることができる。
【0048】次に,本発明に係る熱処理装置の第2の実
施の形態を図8及び図9を参照しながら説明する。な
お,本実施の形態についても,上記第1の実施の形態と
同様に熱処理装置として加熱ランプを用いた高速昇温が
可能な枚葉式の成膜装置を例に取って説明する。この成
膜装置の全体構成の断面図,サセプタの周縁部を示す拡
大断面図は,それぞれ図1,図2と同様であるため,そ
の詳細な説明を省略する。図8はサセプタ30とクラン
プリング42の周縁部を拡大した概略図である。
【0049】本実施の形態においては,図8に示すよう
にサセプタ30を白色を呈するAlN系セラミックスで
構成するとともに,被処理体押さえ部材としてのクラン
プリング42を黒色を呈するAlN系セラミックスで構
成する。
【0050】この場合,もしも上記サセプタ30とクラ
ンプリング42とを同じ白色を呈するAlN系セラミッ
クスで構成すれば,クランプリング42はリング形状で
ありサセプタ30よりも熱放出面が広いため熱の逃げも
大きいので,同じ環状の熱源である加熱ランプ52から
熱線を受けても,図15に示す場合と同様にクランプリ
ング42の温度の方がサセプタ30の温度よりも低くな
る。しかも,クランプリング42は半導体ウエハWの周
縁部とのみ接触するため,半導体ウエハ周縁部(100
mm〜150mm,−100mm〜−150mm)の熱
がクランプリング42に吸熱されて半導体ウエハWの周
縁部の温度が中央部ないしその周辺部(−100mm〜
100mm)の温度よりも低くなる。このため,温度分
布が不均一になると考えられる。
【0051】そこで,本実施の形態においては,クラン
プリング42をサセプタ30よりも熱線透過率の低い黒
色を呈するAlN系セラミックスで構成する。これによ
り,同じ熱源である加熱ランプ52から熱線を受けて
も,クランプリング42の温度の方がサセプタ30の温
度よりも高くなるので,半導体ウエハ周縁部の熱がクラ
ンプリング42に吸熱されて温度分布が不均一になるこ
とを防止できる。
【0052】図9にクランプリング42をサセプタ30
よりも熱線透過率の低い黒色を呈するAlN系セラミッ
クスで構成して加熱ランプ52からの熱線によりサセプ
タ30を介して半導体ウエハWを加熱した場合における
半導体ウエハWの面内温度を測定した実験結果を示す。
この場合,成膜ガス以外の処理ガスAr,H2,N2,A
r,SiH4などを処理容器24内に導入して,圧力略1
0666Paに設定し,半導体ウエハWが445℃にな
るように制御している。同図中,横軸には直径300m
mの半導体ウエハWについて中央位置を0とした場合の
測定位置をとり,縦軸にはその測定位置における温度を
とっている。また,黒丸のグラフは半導体ウエハWの面
内温度を示し,白丸で示した点はクランプリング42の
温度を示している。図9に示す実験結果をクランプリン
グ42とサセプタ30を同じ白色を呈するAlN系セラ
ミックスで構成した場合の図15に示す実験結果と比較
すると,クランプリング42の温度(白丸)が半導体ウ
エハWの中央部ないしその周辺部(−100mm〜10
0mm)の温度よりも高くなり,半導体ウエハWの周縁
部(100mm〜150mm,−100mm〜−150
mm)の温度も図15に示す場合に比して低下していな
いことがわかる。すなわち,クランプリング42が熱線
透過率の低い分だけ加熱されることにより,半導体ウエ
ハWの周縁部からの熱の逃げ分を補っていることがわか
る。これにより,半導体ウエハWの周縁部の温度が,中
央部ないしその周辺部の温度に比して低下することを防
止し,半導体ウエハWの面内温度分布の均一性を向上さ
せることができる。
【0053】このように,クランプリング42をサセプ
タ30よりも熱線透過率の低い黒色を呈するAlN系セ
ラミックスで構成することにより,半導体ウエハ周縁部
の熱がクランプリング42に吸熱されることを防止でき
る。これにより,熱線を受ける面積の相違に基づいて生
じる半導体ウエハWの面内温度の差を少なくすることが
できるため,半導体ウエハWに形成する膜厚の均一性も
向上させることができる。
【0054】特に,半導体ウエハWの直径が大きくなる
と,半導体ウエハWの周縁部からの熱の逃げが大きくな
るので,中央部と周縁部との温度差が生じやすく,半導
体ウエハWの温度分布の不均一も生じやすくなり,本発
明を適用する場合の効果は大きい。
【0055】また,半導体ウエハWへの熱伝導効率を高
めるためにサセプタ30として厚みが薄いものを使用す
ることがある。サセプタ30の厚みとして,例えば7m
m〜10mmのものを1mm〜7mmくらいまで薄くす
る。このような場合には,サセプタ30の厚みを薄くす
ればするほど,サセプタ30の熱伝導効率は向上する
が,熱線透過率がより高くなるので熱線吸収率が低くな
り,さらに周縁部からの熱の逃げが大きくなるのでサセ
プタ30の温度がクランプリング42の温度に対して相
対的に低くなってしまう。
【0056】従って,サセプタ30の厚みを例えば1m
m〜7mm(好ましくは3.5mm〜5mm)くらいま
で薄くする場合はクランプリング42のみならずサセプ
タ30をも熱線透過率が低い黒色を呈するAlN系セラ
ミックスで構成するのが効果的である。これにより,サ
セプタ30の厚みを薄くしたことに基づいて生じる半導
体ウエハWの面内温度の差も少なくすることができるた
め,半導体ウエハWに形成する膜厚の均一性をより向上
させることができる。しかも,このようにした場合は,
第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
すなわち,第2の実施の形態におけるサセプタ30内に
温度センサ(TC)91,92などの異種部材を内蔵し
た場合でも,半導体ウエハWの面内温度分布の均一性を
向上させることができて,膜圧の均一性が向上し,抵抗
値も均一性も向上する。
【0057】なお,上記第1の実施の形態及び第2の実
施の形態において,図10に示すように,サセプタ30
に,リフタピン32を出し入れ可能な逃げ孔としての複
数のリフタピン孔36の他に,このリフタピン孔36と
同形状の温度調整孔94を,各孔36,94が同心円上
に等間隔に並ぶように形成してもよい。これにより,各
孔36,94の間隔が狭くなり,しかも各孔36,94
が等間隔に並ぶので,加熱ランプ205からの熱線が各
孔36,94から均等に透過する。このため,熱線がリ
フタピン孔204のみから透過する図12に示す場合に
比して,サセプタ30の周縁部における温度分布の均一
性を向上させることができる。
【0058】また,上記第1の実施の形態及び第2の実
施の形態においては,スパッタ成膜又はCVD成膜され
たTiNのバリアメタル上にタングステンCVD成膜を
行なう場合について説明したが,バリアメタルやその上
の金属成膜としてこの種類に限定されず,例えばバリア
メタルとして,Ti,Ta,W,Moなどのシリサイド
或いはその窒化物も用いることができ,金属成膜として
例えばアルミニウム成膜を行なう場合にも適用すること
ができる。また,このようなバリアメタルを介した成膜
のみならず,通常の成膜処理時にもこの熱処理装置を適
用できる。
【0059】以上,添付図面を参照しながら本発明に係
る好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例
に限定されないことは言うまでもない。当業者であれ
ば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種
の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであ
り,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属す
るものと了解される。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば,半
導体ウエハの温度分布の均一性を向上させることがで
き,これにより半導体ウエハなどの被処理体に形成する
薄膜の膜厚分布の均一性を向上させることができる熱処
理装置を提供できるものである。
【0061】具体的には,請求項1に記載のように,受
光発熱体に内蔵する異種部材と同程度以上の熱線透過率
を有する材料で受光発熱体を構成することにより,また
請求項2に記載のように受光発熱体を熱線透過率の低い
黒色を呈するAlN系部材で構成することにより,異種
部材が内蔵されることによるサセプタなどの受光発熱体
の温度分布への影響を軽減することができ,半導体ウエ
ハの面内温度分布の均一性を向上させることができる。
【0062】また,請求項3に記載のように,受光発熱
体よりも熱線透過率の低い材料で被処理体押さえ部材を
構成することにより,受光発熱体と被処理体押さえ部材
との温度差を少なくすることができ,半導体ウエハ周縁
部の熱が被処理体押さえ部材に吸熱されることを防止で
きるため,半導体ウエハの面内温度分布の均一性を向上
させることができる。また,請求項4に記載のように,
受光発熱体に対して相対的に温度が低くなりやすい被処
理体押さえ部材を熱線透過率の低い黒色を呈するAlN
系部材で構成することにより,サセプタなどの受光発熱
体と被処理体押さえ部材との温度差を少なくすることが
でき,半導体ウエハの面内温度分布の均一性を向上させ
ることができる。
【0063】また,請求項5に記載のように,被処理体
を保持して受光発熱体上に載置させるための複数の支持
部材を出し入れ可能な逃げ孔とこれらの逃げ孔と同形状
の孔とを,各孔が同心円上に等間隔に並ぶように受光発
熱体に設けることにより,熱源からの熱線が各孔から均
等に透過するため,サセプタなどの受光発熱体の周縁部
における温度分布の均一性を向上させることができるの
で,半導体ウエハの面内温度分布の均一性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る熱処理装置の
構成を示す断面図。
【図2】図1に示すサセプタの周縁部を示す拡大断面
図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における黒色を呈す
るAlN系セラミックスで構成したサセプタとこれに内
蔵された温度センサとを説明する図。
【図4】本発明の第1の実施の形態における黒色を呈す
るAlN系セラミックスで構成したサセプタとこれに内
蔵された温度センサとを説明する図。
【図5】白色を呈するAlN系セラミックスと黒色を呈
するAlN系セラミックスにおける透過させる波長とそ
の波長の透過率との関係を示す図。
【図6】本発明の第1の実施の形態における黒色を呈す
るAlN系セラミックスで構成したサセプタとこれに内
蔵された電極とを説明する図。
【図7】半導体ウエハの温度センサ部位上に成膜処理を
施した膜厚分布を示すグラフであり,黒四角形のグラフ
は白色を呈するAlN系セラミックスでサセプタを構成
した場合の膜厚分布を示し,黒丸のグラフは黒色を呈す
るAlN系セラミックスでサセプタを構成した場合の膜
厚分布を示す。
【図8】本発明の第2の実施の形態における白色を呈す
るAlN系セラミックスで構成したサセプタと黒色を呈
するAlN系セラミックスで構成したクランプリングに
ついて説明する図。
【図9】本発明の第2の実施の形態における熱処理装置
で成膜処理を行った場合の半導体ウエハの面内温度とそ
の測定位置の関係を示す図。
【図10】リフタピン孔とこのリフタピン孔と同形状の
孔を形成したサセプタを説明する図。
【図11】従来の熱処理装置におけるサセプタ周辺を簡
略化した構成図。
【図12】従来の熱処理装置においてリフタピン孔を形
成したサセプタを示す図。
【図13】従来の熱処理装置において2つの温度センサ
を内蔵したサセプタを示す図。
【図14】従来の熱処理装置において半導体ウエハ静電
吸着用の電極を内蔵したサセプタを示す図。
【図15】従来の熱処理装置で成膜処理を行った場合の
半導体ウエハの面内温度とその測定位置の関係を示す
図。
【符号の説明】
22…成膜装置 24…処理容器 30…サセプタ 32…リフタピン 36…リフタピン孔 42…クランプリング 50…加熱室 71…ガス導入穴 91…温度センサ 92…温度センサ 93…電極 94…温度調整孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA04 AA06 BA20 CA04 FA10 JA10 KA24 LA15 4M104 AA01 BB25 BB26 BB27 BB28 BB30 BB31 BB32 BB33 DD37 DD43 DD44 DD45 DD78 DD80 FF18 HH20 5F045 BB02 DP03 EB02 EB03 EF05 EK13 EM09 EM10 GB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理ガスが供給される処理容器内の受光
    発熱体上に被処理体を載置し、熱源からの熱線により前
    記受光発熱体を介して前記被処理体を加熱する熱処理装
    置において,前記受光発熱体に内蔵する異種部材と同程
    度又はそれ以下の熱線透過率を有する材料で受光発熱体
    を構成したことを特徴とする熱処理装置。
  2. 【請求項2】 処理ガスが供給される処理容器内の受光
    発熱体上に被処理体を載置し,熱源からの熱線により前
    記受光発熱体を介して前記被処理体を加熱する熱処理装
    置において,前記受光発熱体を黒色を呈するAlN系部
    材で構成したことを特徴とする熱処理装置。
  3. 【請求項3】 処理ガスが供給される処理容器内の受光
    発熱体上に被処理体を載置し,この被処理体の周縁部を
    リング状の被処理体押さえ部材により保持した状態で,
    熱源からの熱線により前記受光発熱体を介して前記被処
    理体を加熱する熱処理装置において,前記受光発熱体よ
    りも熱線透過率の低い材料で前記被処理体押さえ部材を
    構成したことを特徴とする熱処理装置。
  4. 【請求項4】 処理ガスが供給される処理容器内の受光
    発熱体上に被処理体を載置し,この被処理体の周縁部を
    リング状の被処理体押さえ部材により保持した状態で,
    熱源からの熱線により前記受光発熱体を介して前記被処
    理体を加熱する熱処理装置において,前記被処理体押さ
    え部材を黒色を呈するAlN系部材で構成したことを特
    徴とする熱処理装置。
  5. 【請求項5】 処理ガスが供給される処理容器内の受光
    発熱体上に被処理体を載置し,熱源からの熱線により前
    記受光発熱体を介して前記被処理体を加熱する熱処理装
    置において,前記被処理体を支持して前記受光発熱体上
    に載置させるための複数の支持部材を出し入れ可能な逃
    げ孔とこれらの逃げ孔と同形状の孔とを,各孔が同心円
    上に等間隔に並ぶように前記受光発熱体に設けたことを
    特徴とする熱処理装置。
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