JP2002332560A - レーザアシスト高速フレーム溶射法および装置 - Google Patents
レーザアシスト高速フレーム溶射法および装置Info
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Abstract
高くする。溶射基材に対する密着性を高くする。溶射皮
膜の緻密性を高くする。 【解決手段】 溶射ガン5にて、高温,高速燃焼炎中に
溶射材料を投入した高速ガスフレームを溶射基材14に
衝突させ皮膜18を形成すると共に、高エネルギー密度
のレーザ16の同時照射を併用するレーザアシスト溶射
方法に於いて、溶射ガン5およびレーザヘッド13の組
体の、溶射基材14に対する相対的な走査方向yに関し
て、溶射点14pの下流側前方に向けてレーザ16を照
射する,上流側から高速ガスフレーム15を横切って溶
射点14pの下流側前方に向けてレーザ16を照射する
(図1,図2)、又は、下流側から高速ガスフレーム1
5を横切って溶射点14pの上流側後方に向けてレーザ
16を照射する(図4,図5)。
Description
且つ高速燃焼炎中に溶射材料を投入し被溶射物(以下溶
射基材と表す)に衝突させて溶射基材に溶射皮膜を形成
する高速フレーム溶射と、溶射基材又は溶射皮膜に高密
度エネルギーを同時照射して表面改質をしながら行うレ
ーザアシスト溶射方法およびその実施に用いる装置に関
する。
は、ガス溶射,アーク溶射,プラズマ溶射,高速フレー
ム溶射などがある。これらの目的とするところは、基材
表面の表面改質により、耐摩耗性,耐腐食性,耐熱性,
滑り性等様々な特性の表面に改善する事にある。溶射温
度が低い燃焼ガス溶射は、比較的低融点材料の金属溶射
に向き、高温のプラズマ溶射は、高融点材料のセラミッ
クスあるいは高融点金属材料の溶射に用いられる。
を利用し粉体を音速を超える高速(約マッハ3)フレーム
中に投入し、該溶射材料を基材に衝突させ、その運動エ
ネルギーを利用して溶射粒子を扁平化及び積層させる事
により溶射皮膜を形成させる方法である。該方法は、前
述方法等よりも皮膜の緻密性が良好であることが一般的
に知られている。
末を燃焼を利用した音速を遥かに超える高速,高温の気
流に投入し、該粒子を基材に衝突させ成膜する。高速フ
レーム溶射法は燃焼室の助燃剤として酸素を使用するHV
OF(High Velocity 0xy Fuel)及び助燃剤として空気を利
用するHVAF(High Velocity Air Fuel)が有りそれぞれの
特長を持っている。空気を助燃剤として使用するHVAFは
酸素を助燃剤として使用するHVOFよりも燃焼温度が数百
度低く溶射材料粒子が飛行中に受ける酸化度合いが低
い。又温度が低いことにより、溶射材料中の脱炭現象が
少なく溶射皮膜中への炭素の歩留まりが良好であるた
め、溶射材料の本来の特性を壊さずに溶射皮膜として活
用することが可能と言う特徴も有する。
400°C程度と言われており該溶射法は高融点材料の溶
射には不利であることが知られている。また、前述いず
れの方法にしても皮膜内の気孔形成は成膜行程上溶射粒
子の不規則な重なり合いより積層するため免れなく、基
材との密着性、皮膜の緻密性などに於いて問題があっ
た。又大気中に於いてのこれら溶射施工法は、空気の巻
き込みによる飛行粒子表面の酸化,窒化が発生するので
該溶射皮膜は本来の高融点材料の特性を得られないと言
う欠点も有った。これらを改善する方法としてプラズマ
溶射に炭酸ガスレーザ又はYAGレーザを組み合わせた複
合溶射法が行われている。
みで、理想的な皮膜を得るためには溶射皮膜の酸化,窒
化を防ぐ目的で減圧チヤンバー内で空気を排除あるいは
不活性ガス置換をした雰囲気中に於いて施工されている
のが実情である。
が必要となりワークが大きければ大型の真空チヤンバー
及びそれらに付随する排気装置や制御系装置も大がかり
なものとなり減圧時間や置換するガス量も多大な物とな
る。さらには、バッチ生産とならざるを得ない。
度が低下あるいは皮膜構造が形成されてから溶射表面に
レーザ照射を行うと、急熱することにより温度衝撃を皮
膜に与え皮膜に割れを発生したり、基材より剥離をおこ
してしまう問題が発生していた。また形成された溶射皮
膜は溶融あるいは反溶融状態で積層されるため、凝固し
た溶射粒子には箇々に応力が蓄積される。該応力は溶射
層を重ねれば重ねるほど層全体としては蓄積されてく
る。蓄積された応力は、基材との密着力あるいは溶射皮
膜の密着強度を逸脱した時点で皮膜は応力が最も蓄積さ
れている基材と溶射皮膜界面付近から剥離を生じる。従
って溶射皮膜厚さは用いる溶射材料の種類によっても異
なるが厚くて数mm,薄くて1mm以下と言う限界を有する
事も知られている。
に提示のレーザアシスト高速フレーム溶射では、高速フ
レーム溶射と同時に、その溶射点又は溶射皮膜にYAG
レーザを照射して、溶射基材に対する溶射皮膜の密着性
又は緻密な皮膜を形成する。すなわち、一態様では、高
速フレーム溶射と同時にその溶射点にYAGレーザを照
射することにより溶射基材に対する密着性を高くする。
もう1つの態様では、高速フレーム溶射と同時にその溶
射点の直後の溶射皮膜にYAGレーザを照射して溶射皮
膜の表面を緻密にする。
溶射と同時にその溶射点にYAGレーザを照射する態様
では、溶射基材のレーザ加熱が溶射点であるので、溶射
点の急熱となる。高速フレーム溶射と同時にその溶射点
の直後の溶射皮膜にYAGレーザを照射する態様では、
密着性がやや低い。
ことを第1の目的とする。具体的には、溶射基材に対す
る溶射皮膜の密着性を高くすることを第2の目的とし、
溶射皮膜の緻密性を高くすることを第3の目的とする。
て、高温,高速燃焼炎中に溶射材料を投入した高速ガス
フレームを溶射基材(14)に衝突させ皮膜(18)を形成する
と共に、該溶射基材(14)に高エネルギー密度のレーザ(1
6)を同時照射するレーザアシスト溶射方法に於いて、溶
射ガン(5)およびレーザヘッド(13)の組体の、溶射基材
(14)に対する相対的な走査方向yに関して、溶射点(14
p)の下流側前方に向けて前記レーザ(16)を照射すること
を特徴とする、レーザアシスト溶射方法(図1,図2)。
は、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項
の記号を、参考までに付記した。
p)の下流側前方すなわち溶射直前の溶射基材(14)面に衝
突する。このレーザ(16)は、溶射直前の溶射基材(14)面
を先行加熱する。したがって、溶射点(14p)の急熱が改
善されしかも、溶射基材(14)面と衝突した溶射材料の馴
染が良く、溶射基材(14)面緻密に密着した溶射皮膜が形
成される。
炎中に溶射材料を投入した高速ガスフレームを溶射基材
(14)に衝突させ皮膜(18)を形成すると共に、該溶射基材
(14)に高エネルギー密度のレーザ(16)を同時照射するレ
ーザアシスト溶射方法に於いて、溶射ガン(5)およびレ
ーザヘッド(13)の組体の、溶射基材(14)に対する相対的
な走査方向yに関して、上流側から前記高速ガスフレー
ム(15)を横切って溶射点(14p)の下流側前方に向けて前
記レーザ(16)を照射することを特徴とする、レーザアシ
スト溶射方法(図1,図2)。
たる直前の高速ガスフレーム(15)を横切って溶射点(14
p)の下流側前方すなわち溶射直前の溶射基材(14)面に衝
突する。このレーザ(16)は、高速ガスフレーム(15)を横
切るときにガスフレーム(15)の溶融又は半溶融状態の溶
射材料を加熱し、フレーム(15)を透過したレーザが溶射
直前の溶射基材(14)面を先行加熱する。したがって、溶
射点(14p)の急熱が改善されしかも、レーザによって予
め加熱された溶射基材(14)面に、レーザによって先行加
熱されたガスフレーム中溶射材料が衝突し、溶射基材(1
4)面と衝突した溶射材料の馴染が良く、溶射基材(14)面
緻密に密着した溶射皮膜が形成される。
炎中に溶射材料を投入した高速ガスフレームを溶射基材
(14)に衝突させ皮膜(18)を形成すると共に、該溶射皮膜
(18)に高エネルギー密度のレーザ(16)を同時照射するレ
ーザアシスト溶射方法に於いて、溶射ガン(5)およびレ
ーザヘッド(13)の組体の、溶射基材(14)に対する相対的
な走査方向yに関して、下流側から前記高速ガスフレー
ム(15)を横切って溶射点(14p)の上流側後方に向けて前
記レーザ(16)を照射することを特徴とする、レーザアシ
スト溶射方法。
たる直前の高速ガスフレーム(15)を横切って溶射点(14
p)の上流側後方すなわち溶射直後の溶射皮膜(18)面に衝
突する。このレーザ(16)は、高速ガスフレーム(15)を横
切るときにガスフレーム(15)の溶融又は半溶融状態の溶
射材料を加熱し、フレーム(15)を透過したレーザが溶射
直後の溶射皮膜(18)を後加熱する。したがって、レーザ
によって付加加熱されたガスフレーム中溶射材料が溶射
基材(14)面に衝突し密着性が向上する。溶射直後の溶射
皮膜(18)の後加熱により溶射皮膜(18)が緻密になる。
(1)にx軸を中心に回動可に支持されx方向に延びるヘ
ッド支持フレーム(4);該ヘッド支持フレーム(4)に固定
されx方向に、溶射材料が入った高速燃焼炎(15)を噴出
す溶射ガン(5);レーザヘッド(13);該レーザヘッド(1
3)を支持し、その中心軸の、x軸に対する角度を調整す
るための手段(7g,10a,10b)および該中心軸に沿う方向の
レーザヘッド(13)の位置を調整するための手段(9,9a,9
b,12a,12b)を含み、前記ヘッド支持フレーム(4)で支持
されたレーザヘッド支持具(7);および、該レーザヘッ
ド支持具(7)を、x方向の位置調整可能に前記ヘッド支
持フレーム(4)に連結する手段(4a,8a,8b);を備えるレ
ーザアシスト溶射装置。
て、上記(1),上記(2)ならびに上記(3)を実施
する姿勢にレーザヘッド(13)を選択的に設定することが
出来る。いずれの実施形態でも、+y方向の溶射領域端
まで往走査溶射をすると、z方向にy駆動アーム(1)を
移ししかもヘッド支持フレーム(4)をx軸を中心に18
0度正回動させてから、復走査溶射をし、−y方向の溶
射領域端まで復走査溶射をすると、z方向にy駆動アー
ム(1)を移ししかもヘッド支持フレーム(4)をx軸を中心
に180度逆回動させてから、往走査溶射をし、これら
の往走査溶射および復走査溶射を繰り返すことにより、
y,z平面を同一条件で溶射被覆出来る。
(2)の溶射を同一面に繰り返して厚い溶射皮膜を形成
する。これによれば、基材との密着性が高く層間接合力
が高い複層皮膜が形成される。
して厚い溶射皮膜を形成する。これによれば、緻密な複
層皮膜が形成される。
で一層以上の皮膜を形成した後、上記(2)の溶射で一
層以上の皮膜を形成する。これによれば、基材との密着
性が高く、しかも表面が緻密な複層皮膜が形成される。
一層以上の皮膜形成と上記(2)による一層以上の皮膜
形成とを交互に繰返して複層皮膜を形成する。これによ
れば、強靭な皮膜が得られる。
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
で用いたレーザアシスト溶射装置を示す。x,y,zの
3軸方向の移動が可能なロボットアーム1の先端に関節
台2があり、それによって回動ブロック3が、アーム1
の延びる方向のx軸廻りに回動可に支持され、アーム1
に装備した図示しない回動機構によって、x軸廻りに回
転駆動される。
が固定されおり、このフレーム4に、x軸に並行にHVAF
(High Velocity Air Fuel)溶射ヘッド5が固定されてい
る。フレーム4には、x方向に長いスリット状のネジ通
し穴4aがある。レーザヘッド支持アーム7のz方向に
起立したベース片には、z方向に長い2つのネジ通し穴
があり、これらを貫通し、y位置調整板6を貫通するネ
ジ8a,8bが、ネジ通し穴4aを貫通している。これ
らのネジ8a,8bにネジ結合したナットのネジ締めに
より、y位置調整板6およびレーザヘッド支持アーム7
が、ヘッド支持フレーム4に固定されている。
長穴7gがある。座台9を貫通するネジ9a,9bが長
穴7gを貫通しており、支持アーム7の裏側にあってネ
ジ9a,9bにネジ結合したナットのネジ締めにより、
座台9がレーザヘッド支持アーム7に固定されている。
れ、この取付具11を貫通するネジ12a,12bが、
座台9の、長穴7gに直交する方向(長穴7gの円弧に
直交する半径方向)に長い長穴9a,9bを貫通してい
る。座台9の裏側にあってネジ12a,12bにネジ結
合したナットのネジ締めにより、取付具11が座台9に
固定されている。
合したナットを緩めて、取付具11を長穴9a,9bに
沿ってずらすことにより、レーザヘッド13の、長穴7
gの円弧に直交する半径方向の位置を調整出来る。座台
9のネジ10a,10bにネジ結合したナットを緩める
ことにより、x軸(溶射ヘッド5の中心軸:溶射フレー
ム射出方向)に対する、レーザヘッド13の中心軸(レ
ーザ射出方向)の角度を調整出来る。ネジ8a,8bに
ネジ結合したナットを緩めてレーザヘッド13のz位置
およびx位置を調整出来る。また、y位置調整板6を厚
みが異なるものと取替えることにより、レーザヘッド1
3のy位置を調整出来る。
しているときに、ロボットアーム1で回動ブロック3を
x軸廻りに180度回転させると、図2に示す状態にな
る。
溶射システム要素を示し、図3の(b)には、溶射ヘッ
ド5の縦断面の概要を示す。次の表1には、溶射システ
ムの仕様を示す。
素をヘッド5に供給する。酸素は燃量を完全燃焼させて
黒煙の発生を回避するために用いる。数10秒のプロパ
ン燃焼により、溶射ヘッド5をウオームアップし、燃焼
室を高温にしてから、溶射ヘッド5に供給する燃量をプ
ロパンからケロシンに切換え、そして助燃ガスを酸素か
ら空気に切換える。ケロシンの燃焼が安定すると溶射材
粉末の供給を開始して、溶射を開始し、レーザヘッド1
3からのレーザ射出を開始する。次の表2に、レーザヘ
ッド13にレーザを出射するYAGレーザ装置の仕様を
示す。
ットアーム1のy方向の往走査(+y)のときに、レー
ザヘッド13の中心軸が溶射ヘッド5の中心軸と同じ
x,y平面上にあって、レーザヘッド13が射出するレ
ーザ16の溶射基材14上の有効領域が溶射点14pよ
りも走査方向17で下流側となるようにレーザヘッド1
3のy位置,x軸に対する角度およびx位置を調整し、
設定した。
に当たる直前の高速ガスフレーム15を横切って溶射点
14pの下流側前方すなわち溶射直前の溶射基材14面
に衝突する。このレーザ16は、高速ガスフレーム15
を横切るときにガスフレーム15の溶融又は半溶融状態
の溶射材料を加熱し、フレーム15を透過したレーザが
溶射直前の溶射基材14面を先行加熱する。したがっ
て、溶射点14pの急熱が改善されしかも、レーザによ
って予め加熱された溶射基材14面に、レーザによって
付加加熱されたガスフレーム中溶射材料が衝突し、溶射
基材14面と衝突した溶射材料の馴染が良く、溶射基材
14面に緻密に密着した溶射皮膜が形成される。
ーム1をy方向に復走査(−y)して溶射するときに
は、図2に示すように、ロボットアーム1で回動ブロッ
ク3をx軸廻りに180度回転させることにより、走査
方向が逆向きであっても、溶射基材14に対する高速ガ
スフレーム15とレーザ16の走査条件は、往走査(+
y)のときと同一になる。
ると、z方向にロボットアーム1を移ししかもヘッド支
持フレーム4をx軸を中心に180度正回動させてか
ら、復走査溶射をし、−y方向の溶射領域端まで復走査
溶射をすると、z方向にロボットアーム1を移ししかも
ヘッド支持フレーム4をx軸を中心に180度逆回動さ
せてから、往走査溶射をし、これらの往走査溶射および
復走査溶射を繰り返すことにより、y,z平面を同一条
件で溶射被覆出来る。
材14を用い溶射用粉末として外粒径が5〜45μmの銅ア
ルミ合金を高速フレーム溶射用粉末とした。またアシス
ト用レーザはYAGレーザを用い加工端出力4.5kwの出力
とし、高速フレーム溶射のフレーム中心より15mm前方
に狙いを定め同時に溶射を実施した。
鏡したところ、高速フレーム溶射のみの場合と比較し
て、基材と溶射皮膜の界面が、非常に清浄でしかも酸化
膜もなく、安定していることが明らかとなった。また基
材界面の凹凸は事前にブラスト処理を実施したにも係わ
らず、滑らかとなっていることが発見され基材表面がレ
ーザ照射により予熱されることによって、軟化溶融して
いることも明らかとなった。
フレーム溶射のままの状態では3.38%の気孔が認められ
たが、レーザアシスト照射溶射皮膜では0.087%ま
で減少している事が認められ、検鏡観察結果と測定結果
が良く一致した。皮膜については、高速フレーム溶射だ
けのものと比較すると、溶射粒子の粒界が瞹味になって
おり、明らかに軟化溶融した溶射粒子が成膜され、皮膜
内が緻密化された様子を示していた。
ザアシスト皮膜の密着力を測定した。これは25mmの軟
鋼製丸棒の片端面に先ほど同様な方法によりレーザアシ
スト溶射皮膜を作製し、同型の丸棒端面に接着剤を塗布
し、該面と溶射皮膜面を接着した。
た試験片を引っ張り、該試験片が破断する値を比較し、
密着力を評価した。高速フレーム溶射のみの皮膜では約
4.5kg/mm2の引っ張り強さであったのに対して、レ
ーザアシスト同時溶射皮膜は約6.2kg/mm2と37%の密
着力向上を得た。
ーム中心14pより進行方向17に対してフレーム15
を横切って前方をレーザアシスト照射しつつ溶射皮膜1
8を生成する第1実施例の方法(図1,図2)は、飛行
中の溶射粒子及び基材14をレーザで溶融および予熱す
ることで、溶射皮膜18と基材14間の密着力の向上と
溶射皮膜18の緻密化に貢献し、皮膜強度が向上する効
果が得られた。
ットアーム1のy方向の往走査(+y)のときに、レー
ザヘッド13の中心軸が溶射ヘッド5の中心軸と同じ
x,y平面上にあって、レーザヘッド13が射出するレ
ーザ16の溶射基材14上の有効領域が溶射点14pよ
りも走査方向27で上流側となるようにレーザヘッド1
3のy位置,x軸に対する角度およびx位置を調整し、
設定した。
に当たる直前の高速ガスフレーム15を横切って溶射点
14pの上流側後方すなわち溶射直後の溶射基材14面
に衝突する。このレーザ16は、高速ガスフレーム15
を横切るときにガスフレーム15の溶融又は半溶融状態
の溶射材料を加熱し、フレーム15を透過したレーザが
溶射直後の溶射皮膜18を後加熱する。したがって、レ
ーザによって付加加熱されたガスフレーム中溶射材料が
溶射基材(14)面に衝突し密着性が向上する。溶射直後の
溶射皮膜(18)の後加熱により溶射皮膜(18)が緻密にな
る。
材14を用い溶射用粉末として外粒径が10〜45μmのイ
ンコネル718(Ni基)合金を高速フレーム溶射用粉
末とした。またアシスト用レーザは、YAGレーザを用い
加工端出力4.0kwの出力とし、高速フレーム溶射のフ
レーム中心14pより15mm後方に狙いを定めレーザア
シストの溶射を実施した。
鏡したところ、高速フレーム溶射のみの場合と比較し
て、基材と溶射皮膜の界面が、非常に清浄でしかも酸化
膜もなく、安定していることが明らかとなった。
けのものと比較すると、高速フレーム溶射のままの粒子
は扁平に変形しているものの、粒子一粒一粒が明確に確
認出来、その表面が酸化膜で覆われている様子が確認で
きる。それに比べレーザアシスト照射を併用した皮膜
は、溶射粒子の粒界が瞹味になっており、明らかに軟化
溶融し溶射粒子の粒界が部分的に溶融している物あるい
は完全に溶融し粒子粒界が存在しない物も見受けられ
た。
フレーム溶射のままの状態では3.40%の気孔が認められ
た物が、レーザアシスト照射溶射皮膜では0.98%まで減
少している事が認められ、検鏡観察結果と測定結果が良
く一致した。
成膜途中の皮膜がレーザの高密度エネルギーにより極短
時間の内に高温に到達し、部分的にではあるが溶融し皮
膜中に捕らえられていた気孔を浮上させた直後に凝固す
ることで気孔の極めて少ない皮膜を作製可能としたもの
である。
ーム中心から進行方向に対して後方をレーザアシスト照
射しつつ溶射皮膜を作製する方法は、溶射皮膜の加熱溶
融、緻密化及び溶射粒子の界面活性化と言う新たな効果
を得ることができた。
方向の往走査にて溶射加工する時の走査方向17とレー
ザヘッド13の姿勢を示す平面図である。
方向の復走査にて溶射加工する時の走査方向17とレー
ザヘッド13の姿勢を示す平面図である。
テムの要素を示すブロック図、(b)は溶射ヘッド5の
縦断面概要を示す断面図である。である。
方向の往走査にて溶射加工する時の走査方向27とレー
ザヘッド13の姿勢を示す平面図である。
方向の復走査にて溶射加工する時の走査方向27とレー
ザヘッド13の姿勢を示す平面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】溶射ガンにて、高温,高速燃焼炎中に溶射
材料を投入した高速ガスフレームを溶射基材に衝突させ
皮膜を形成すると共に、該溶射基材に高エネルギー密度
のレーザを同時照射するレーザアシスト溶射方法に於い
て、 溶射ガンおよびレーザヘッドの組体の、溶射基材に対す
る相対的な走査方向yに関して、溶射点の下流側前方に
向けて前記レーザを照射することを特徴とする、レーザ
アシスト溶射方法。 - 【請求項2】溶射ガンにて、高温,高速燃焼炎中に溶射
材料を投入した高速ガスフレームを溶射基材に衝突させ
皮膜を形成すると共に、該溶射基材に高エネルギー密度
のレーザを同時照射するレーザアシスト溶射方法に於い
て、 溶射ガンおよびレーザヘッドの組体の、溶射基材に対す
る相対的な走査方向yに関して、上流側から前記高速ガ
スフレームを横切って溶射点の下流側前方に向けて前記
レーザを照射することを特徴とする、レーザアシスト溶
射方法。 - 【請求項3】溶射ガンにて、高温,高速燃焼炎中に溶射
材料を投入した高速ガスフレームを溶射基材に衝突させ
皮膜を形成すると共に、該溶射皮膜に高エネルギー密度
のレーザを同時照射するレーザアシスト溶射方法に於い
て、 溶射ガンおよびレーザヘッドの組体の、溶射基材に対す
る相対的な走査方向yに関して、下流側から前記高速ガ
スフレームを横切って溶射点の上流側後方に向けて前記
レーザを照射することを特徴とする、レーザアシスト溶
射方法。 - 【請求項4】y駆動アーム;該y駆動アームにx軸を中
心に回動可に支持されx方向に延びるヘッド支持フレー
ム;該ヘッド支持フレームに固定されx方向に、溶射材
料が入った高速燃焼炎を噴出す溶射ガン;レーザヘッ
ド;該レーザヘッドを支持し、その中心軸の、x軸に対
する角度を調整するための手段および該中心軸に沿う方
向のレーザヘッドの位置を調整するための手段を含み、
前記ヘッド支持フレームで支持されたレーザヘッド支持
具;および、 該レーザヘッド支持具を、x方向の位置調整可能に前記
ヘッド支持フレームに連結する手段;を備えるレーザア
シスト溶射装置。
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Cited By (7)
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2001
- 2001-05-11 JP JP2001141276A patent/JP4036387B2/ja not_active Expired - Fee Related
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