JP2002331547A - 射出成形方法、光情報記録媒体、光学素子、および射出成形装置 - Google Patents

射出成形方法、光情報記録媒体、光学素子、および射出成形装置

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JP2002331547A
JP2002331547A JP2001142787A JP2001142787A JP2002331547A JP 2002331547 A JP2002331547 A JP 2002331547A JP 2001142787 A JP2001142787 A JP 2001142787A JP 2001142787 A JP2001142787 A JP 2001142787A JP 2002331547 A JP2002331547 A JP 2002331547A
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thermosetting material
thermoplastic material
pattern
injection molding
curing
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Kazuya Hisada
和也 久田
Kazuhide Hayashi
林  一英
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形を行う場合、転写しようとするパタ
ーンが微細になるにつれて、良好な転写を行うことが困
難となる。転写を確保するために、高温・高圧にする
と、タクトタイムが長くなる、機械特性が悪くなるとい
った課題があった。 【解決手段】 金型101内の微細パターン上に粘度の
低い熱硬化性材料103を配置した後に、金型内に溶融
した熱可塑性材料104を射出することにより、溶融樹
脂の温度で熱硬化性材料を硬化することができ、さらに
粘性の低い熱硬化性材料を用いることで、良好な転写が
確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は射出成形方法と、そ
れによって作製される光情報記録媒体、光学素子、およ
び射出成形装置に関し、特に例えば、転写するパターン
が微細になった場合の、転写性を向上させる射出成形方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】金型などの型から大量の複製を作る手法
として、射出成形という方法が広く知られている。例え
ば、レンズ、CD(Compact Disc)やDVD(Digital V
ersatile Disc)、光ホログラムなどの光情報記録媒体
や光学素子、といったプラスティック製品一般で用いら
れている。射出成形方法とは、大きくは一対の嵌合する
部材からなる金型内に、熱可塑性の溶融樹脂を充填し、
冷却固化後、金型から取り出す方法である。ここでポリ
カーボネート等の熱可塑性樹脂が射出成形されるときの
溶融している状態での粘度はおよそ20000mPa・sで
ある。
【0003】作製しようとするパターンが、微細化、縮
小化するにつれて、射出成形時の金型を高温にすること
や、圧縮圧力を高くすることによって、パターンの転写
を確保する方法がとられてきた。また、別の手法として
は、UV硬化性樹脂をパターンに密着させ、UV照射し
てUV硬化性樹脂を硬化させて転写する2P法や、熱硬
化性材料を金型内に流し込み、昇温することで硬化させ
転写する方法、なども試みられている。上記方法で用い
られているUV樹脂粘度は約500mPa・sである。
【0004】特に、近年研究が進められている光情報記
録の分野では、高密度化に伴って、転写されるパターン
がますます微細になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、転写し
ようとするパターンが微細になるにつれて、熱可塑性材
料のみを用いた従来の射出成形では、溶融樹脂の粘度が
高く、微細パターンの転写が困難になる。また金型を高
温にしたり、圧縮圧力を高くしたりして転写性を向上さ
せる手法では、製品内に残留する応力が大きくなるた
め、歪みが発生する。2P法や熱硬化性材料を用いる方
法では、その粘度の低さなどから転写性が向上できるも
のの、硬化が困難である、タクトタイムが非常に長くな
る、といったことから生産性に乏しかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の射出成形方法は、一組の金型内に備えられ
たパターン上に、熱硬化性材料を配置し、その後、金型
内に熱可塑性材料を射出することを特徴とする。上記本
発明の射出成形方法により、粘度が低く、流動性が高い
熱硬化性材料によってパターンが良好に転写され、溶融
された熱可塑性材料の温度によって熱硬化性材料は硬化
し、また熱可塑性材料によって厚みが補われる。さら
に、射出時に金型内にかかる圧力によってさらに転写が
良好になる。タクトタイムについても、従来の射出成形
とほぼ同等の良好な生産が行える。
【0007】上記射出成形方法では、熱硬化性材料の硬
化温度TCと、前記熱可塑性材料の融点TGが、TC<
TGの関係を満たすことが好ましい。これによって、射
出成形時の溶融した熱可塑性材料の温度によって熱硬化
性材料を硬化させることができ、硬化を良好に行うこと
ができる。
【0008】上記射出成形方法では、熱硬化性材料の硬
化温度TCと、金型内の温度TSが、TC>TSの関係
を満たすことが好ましい。これによって、熱硬化性材料
が射出成形前に金型内で硬化してしまうことがなくな
り、良好な転写を行うことができる。
【0009】上記射出成形方法では、熱硬化性材料の硬
化後の屈折率と、前記熱可塑性材料の硬化後の屈折率
が、略同じであることが好ましい。これによって、本発
明の射出成形方法によって作製された光情報記録媒体や
光学素子等が、光を透過させて使用されるような場合に
おいても、光を散乱等によって劣化させることがなくな
る。
【0010】上記射出成形方法では、硬化後の熱硬化性
材料と硬化後の熱可塑性材料が、共に光に対して略透明
であることが好ましい。これによって、本発明の射出成
形方法によって作製された光情報記録媒体や光学素子等
が、光を透過させて使用されるような場合においても、
光を散乱や吸収等によって劣化させることがなくなる。
【0011】上記射出成形方法は、パターンが略水平に
保持される射出成形機で行われることが好ましい。これ
によって、パターン上に配置された熱硬化性材料が、射
出前に自重によって流れてしまうことによって生産でき
ない、といったことがなくなる。
【0012】上記射出成形方法では、パターンと金型の
間の少なくとも一部に断熱処理を施すことが好ましい。
これによって、射出直後に、パターンと金型が急激に冷
却されることがなくなり、熱硬化性材料の硬化が確実に
行われ、転写を良好に行うことができる。
【0013】上記課題を解決するために、本発明の第1
の光情報記録媒体または光学素子は、一組の金型が内部
に有するパターン上の少なくとも一部に、熱硬化性材料
を配置し、その後、金型内に熱可塑性材料を射出し、そ
の後、熱硬化性材料および熱可塑性材料を硬化させるこ
とによって、一部または全部を作製することを特徴とす
る。上記光情報記録媒体または光学素子によって、記録
容量の増大、高密度化、高精細化、高精度化が可能にな
る。
【0014】上記課題を解決するために、本発明の第2
の光情報記録媒体または光学素子は、一組の金型が内部
に有するパターン上の少なくとも一部に、熱硬化性材料
を配置し、その後、金型内に熱可塑性材料を射出し、そ
の後、熱硬化性材料および熱可塑性材料を硬化させるこ
とによって作製された基板の前記パターン上に、反射層
または記録層を形成し、反射層または記録層上に、光透
過層、接着層、もしくは保護層の少なくともひとつを形
成することによって作製されることを特徴とする。これ
によって、記録容量の増大、高密度化が可能になる。
【0015】上記第1および第2の、光情報記録媒体ま
たは光学素子では、熱硬化性材料の硬化温度TCと、熱
可塑性材料の融点TMが、TC<TMの関係を満たすこ
とが好ましい。これによって、射出成形時の溶融した熱
可塑性材料の温度によって熱硬化性材料を硬化させるこ
とができ、硬化を良好に行うことができる。
【0016】上記第1および第2の、光情報記録媒体ま
たは光学素子では、熱硬化性材料の硬化温度TCと、金
型内の温度TSが、TC>TSの関係を満たすことが好
ましい。これによって、熱硬化性材料が射出成形前に金
型内で硬化してしまうことがなくなり、良好な転写を行
うことができる。
【0017】上記第1および第2の、光情報記録媒体ま
たは光学素子では、パターンと金型の間の少なくとも一
部に、断熱処理を施すことが好ましい。これによって、
射出直後に、パターンと金型が急激に冷却されることが
なくなり、熱硬化性材料の硬化が確実に行われ、転写を
良好に行うことができる。
【0018】上記第1および第2の、光情報記録媒体ま
たは光学素子では、熱硬化性材料と熱可塑性材料の、硬
化後の屈折率が略同じであることが好ましい。これによ
って、光情報記録媒体や光学素子が、光を透過させて使
用される場合においても、光を散乱等によって劣化させ
ることがなくなる。
【0019】上記第1および第2の、光情報記録媒体ま
たは光学素子では、硬化後の熱硬化性材料と硬化後の熱
可塑性材料が、共に光に対して略透明であることが好ま
しい。これによって、光情報記録媒体や光学素子が、光
を透過させて使用されるような場合においても、光を散
乱や吸収等によって劣化させることがなくなる。
【0020】上記射出成形方法を、パターンが水平に保
持され、かつ熱硬化性材料を塗布する機構を有する射出
成形装置で行うことによって、熱硬化性材料が、射出前
に自重によって流れてしまうことによって生産できな
い、といったことがなくなり、安定した転写による生産
を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、図面を参
照しながら本発明の実施の形態について説明する。ここ
では、本発明の射出成形方法について一例を説明する。
【0022】図1(a)のように、金型101内に光デ
ィスクの情報ピットやホログラムレンズの解説パターン
などの微細パターンを有するスタンパ102を固定し、
図1(b)のように、スタンパ102上に熱硬化性材料
103を配置する。微細パターンは、例えば幅が略10
0nm、深さが略50nmの溝形状である。スタンパ上
に配置された熱硬化性材料が重力によって流れてしまう
のを防ぐために、スタンパが略水平に保持される射出成
形機を用いることが好ましい。熱硬化性材料は、転写が
十分にできない部分、もしくは転写が十分にできない厚
み、のみに配置しても良いし、パターン全体に配置して
も良い。熱硬化性材料を配置する方法としては、ノズル
等による単純な塗布、スプレー等での噴霧による塗布、
パターンを有したスタンパを回転させることによって均
一化をはかるスピン塗布、スクリーン印刷、などが考え
られる。例えば、スタンパおよび金型の温度は略100
℃で保持し、熱硬化性材料103は、スタンパの温度に
おける粘度略100mPa・s、硬化温度略120℃の
ものを用いる。スタンパ上に配置する際に熱硬化性材料
が硬化してしまわないように、金型およびスタンパの温
度は熱硬化性材料の硬化温度よりも低い温度で保持され
ることが好ましい。転写を良好に行うために、熱硬化性
材料の粘度は高すぎないことが好ましく、スタンパの温
度で、10000mPa・s以下であることが好まし
い。熱硬化性材料としては、エポキシ系樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エボナイト、な
どが考えられるが、光を透過させるような用途で用いる
場合には、その光に対する透明度等を考慮する必要があ
る。
【0023】その後、図2(a)のように、金型内の空
間に、昇温して溶融した熱可塑性材料104を射出す
る。このときの溶融された熱可塑性材料の温度は、熱硬
化性材料の硬化温度よりも高くなければならない。例え
ば、ポリカーボネート樹脂を略380℃まで昇温して溶
融し、金型内に射出する。熱可塑性材料はポリカーボネ
ート以外の、例えば、アクリル系樹脂、ノルボルネン系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂などでも構わない。樹脂以
外の金属系材料や、ガラス等を用いることも可能であ
る。熱硬化性材料で述べたのと同様に、光を透過させる
ような用途で用いる場合には、その光に対する透明度等
を考慮する必要がある。
【0024】熱硬化性材料の硬化温度を熱可塑性材料の
溶融温度よりも低く設定しておくことによって、射出時
に、スタンパ上に配置された熱硬化性材料は硬化する。
スタンパ上に配置していた熱硬化性材料は粘度が低く、
熱可塑性材料のみを用いた場合よりも転写が良好とな
る。転写を向上させるために金型およびスタンパの温度
を余計に昇温する必要がないため、作製された基板のチ
ルト、面ぶれといった機械特性が低下することがなく、
逆に言えば、機械特性の向上のために金型やスタンパの
温度を調節できる。また、射出成形時に金型内にかかる
圧力によって、微細パターンの転写がより良好に行え
る。このときの金型内にかかる圧力(金型の最大型締
力)は、成形品に歪みが生じない程度、例えば、50t
以下にするのが好ましい。さらには、スタンパと金型の
間に図2(b)のように断熱処理を施して、スタンパお
よび熱硬化性材料の急激な冷却を防ぐことで、熱硬化性
材料の硬化を促進させることも可能である。熱硬化性材
料およびポリカーボネート樹脂が硬化した後に金型を開
き、図2(c)のような基板105を得ることができ
る。
【0025】スタンパ上のパターンが、幅略150n
m、深さ略25nmの溝形状であった場合の、上記条件
で射出成形した場合の結果を(表1)に示す。
【0026】
【表1】
【0027】熱可塑性材料(ポリカーボネート樹脂)の
みで成形した場合に比べて、深さ方向の転写が向上し
た。
【0028】基板を、例えば、光ディスクとして使用す
る場合には、図3(a)のように基板のパターン上に、
記録層106または反射層を成膜する。ここでは、例と
して書き換え可能な記録再生型の光ディスクを示した
が、一回のみの記録が可能な追記型、反射層がAlやA
gを主成分とするような再生型であっても構わない。
【0029】記録層の上に、光透過層107または保護
層109の少なくとも一方を形成し、図3(b)のよう
な、例えば相変化型光ディスクや、図3(c)のよう
な、例えば光磁気ディスクなどの高密度光ディスクを得
ることができる。
【0030】また、図3(c)のように、基板内に光を
透過させるような用途の場合には、熱硬化性材料と熱可
塑性材料の硬化後の屈折率を略同一にすることによっ
て、散乱等による光の劣化が減少される。さらには、熱
硬化性材料および熱可塑性材料の光に対する透過率が高
いことが好ましい。
【0031】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず、本発明の技術的思想に基づき他の実施の形態に適用
することができる。
【0032】(実施の形態2)以下、図面を参照しなが
ら本発明の実施の形態について説明する。ここでは、本
発明の射出成形方法について一例を説明する。なお、実
施の形態1で説明した部分と同様の部分については、重
複する説明を省略する場合がある。
【0033】図4(a)のように、微細パターン、例え
ば、光の干渉によって作製したパターンを形成し、金型
201の一部とする。実施の形態1で述べたのと同様
に、パターン上の一部もしくは全部に、熱硬化性材料2
03を配置する。配置された熱硬化性材料が流れてしま
うのを防ぐために、パターンが略水平に保持されること
が好ましい。熱硬化性材料を配置する方法としては、ノ
ズル等による単純な塗布、スプレー等での噴霧による塗
布、パターンを回転させることによって均一化をはかる
スピン塗布、スクリーン印刷などが考えられる。例え
ば、熱硬化性材料は、粘度略100mPa・s(スタン
パの温度)、硬化温度略120℃のものを用い、金型の
温度は略100℃で保持する。パターン上に配置する際
に熱硬化性材料が硬化してしまわないように、金型の温
度は熱硬化性材料の硬化温度よりも低い温度で保持され
ることが好ましい。転写を良好に行うために、熱硬化性
材料の粘度は高すぎないことが好ましく、金型の温度
で、10000mPa・s以下であることが好ましい。
熱硬化性材料の材料としては、エポキシ系樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エボナイト、な
どが考えられるが、光を透過させるような用途で用いる
場合には、その光に対する透明度等を考慮する必要があ
る。
【0034】その後、実施の形態1と同様に、金型内の
空間に、昇温して溶融した熱可塑性材料203を射出す
る。このときの溶融された熱可塑性材料の温度は、熱硬
化性材料の硬化温度よりも高くなければならない。例え
ば、ポリオレフィン系樹脂を略400℃まで昇温して溶
融し、金型内に射出する。熱可塑性材料はポリオレフィ
ン以外の、例えば、アクリル系樹脂、ノルボルネン系樹
脂、ポリカーボネート樹脂などでも構わない。樹脂以外
の金属系材料、ガラス等を用いることも可能である。熱
硬化性材料で述べたのと同様に、光を透過させるような
用途で用いる場合には、その光に対する透明度等を考慮
する必要がある。
【0035】熱硬化性材料の硬化温度を熱可塑性材料の
溶融温度よりも低く設定しておくことによって、このと
き溶融されたポリカーボネート樹脂の温度によって、パ
ターン上に配置された熱硬化性材料は硬化する。熱硬化
性材料は粘度が低く、熱可塑性材料のみを用いた場合よ
りも転写が良好となる。転写を向上させるために金型の
温度を余計に昇温する必要がないため、作製された光ホ
ログラム等のレンズ、基板、カードは、機械特性が低下
することがなく、逆に言えば、機械特性の向上のために
金型やスタンパの温度を調節できる。また、射出成形時
に金型内にかかる圧力によって、微細パターンの転写が
より良好に行える。このときの金型内にかかる圧力(金
型の最大型締力)は、成形品に歪みが生じない程度にす
るのが好ましい。熱硬化性材料および熱可塑性材料が硬
化した後に金型を開き、図4(b)のような、例えば光
ホログラム等の、レンズを得ることができる。
【0036】光ホログラムとしては、このようなレンズ
に限らず、図4(c)のような微小な立方形のメモリー
やグレーティング、また、図4(d)のようなカード型
媒体の一部を形成する素子、等も、本実施の形態で述べ
たのと同様の手法で、効率よく生産が行える。
【0037】必要に応じて、微細パターン上に保護層や
反射層を形成したり、パターン以外の部分にレーベル等
を施したりしても良い。
【0038】作製した、レンズ、光情報記録媒体、光学
素子等の内部に光を透過させるような用途の場合は、熱
硬化性材料と熱可塑性材料の硬化後の屈折率が略同一で
あることが好ましい。これによって、光が透過する際
に、散乱等による劣化を減少させることができる。さら
には、光に対する透過率が高いことが好ましい。
【0039】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず、本発明の技術的思想に基づき他の実施の形態に適用
することができる。
【0040】(実施の形態3)以下、図面を参照しなが
ら本発明の実施の形態について説明する。ここでは、本
発明の射出成形方法について一例を説明する。なお、実
施の形態1および実施の形態2で説明した部分と同様の
部分については、重複する説明を省略する場合がある。
【0041】微細、複雑、もしくは開口に比してその深
さが大となるような形状、を有する金型301内に、実
施の形態1と同様に、熱硬化性材料302を配置する。
熱硬化性材料は、転写が十分にできない部分、もしくは
転写が十分にできない厚み、のみに、図5のように配置
しても良いし、パターン全体に配置しても良い。熱硬化
性材料を配置する方法としては、ノズル等による単純な
塗布、スプレー等での噴霧による塗布、パターンを回転
させることによって均一化をはかるスピン塗布、スクリ
ーン印刷、などが考えられる。例えば、熱硬化性材料
は、粘度略100mPa・s(スタンパの温度)、硬化
温度略120℃のものを用い、スタンパおよび金型の温
度は略100℃で保持する。スタンパ上に配置する際に
熱硬化性材料が硬化してしまわないように、金型および
スタンパの温度は熱硬化性材料の硬化温度よりも低い温
度で保持されることが好ましい。転写を良好に行うため
に、熱硬化性材料の粘度は高すぎないことが好ましく、
スタンパの温度で、10000mPa・s以下であるこ
とが好ましい。熱硬化性材料としては、エポキシ系樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エボ
ナイト、などが考えられる。
【0042】その後、実施の形態1と同様に、金型内の
空間に、昇温して溶融した熱可塑性材料を射出する。こ
のときの溶融された熱可塑性材料の温度は、熱硬化性材
料の硬化温度よりも高くなければならない。例えば、ポ
リスチレン樹脂を略250℃まで昇温して溶融し、金型
内に射出する。熱可塑性材料はポリスチレン以外の、例
えば、アクリル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などでも構わな
い。樹脂以外の金属系材料、ガラス等を用いることも可
能である。
【0043】熱硬化性材料の硬化温度を熱可塑性材料の
溶融温度よりも低く設定しておくことによって、このと
き溶融された熱可塑性材料の温度によって、配置された
熱硬化性材料は硬化する。配置していた熱硬化性材料は
粘度が低く、熱可塑性材料のみを用いた場合よりも転写
が良好となる。転写を向上させるために金型の温度を余
計に昇温する必要がないため、作製する物の機械特性が
低下することがなく、逆に言えば、機械特性の向上のた
めに金型の温度を調節できる。また、射出成形時に金型
内にかかる圧力によって、金型パターンの転写がより良
好に行える。例えば、金型の最大型締力は1tから20
0tにするのが好ましい。熱硬化性材料および熱硬化性
材料が硬化した後に金型を開き、成形品を得ることがで
きる。
【0044】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず、本発明の技術的思想に基づき他の実施の形態に適用
することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の射出成形
方法によれば、従来の射出成形方法で転写させることが
困難であった微細パターンでも、容易に射出成形による
生産が可能である。本発明によれば、以上のような有利
な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による射出成形方法を示す図
【図2】本発明による射出成形方法を示す図
【図3】本発明の射出成形方法による光情報記録媒体の
構造を示す図
【図4】本発明による他の射出成形方法を示す図
【図5】本発明による他の射出成形方法を示す図
【符号の説明】
101,201,301 金型 102 スタンパ 103,203,302 熱硬化性材料 104 熱可塑性材料脂 105 基板 106 記録層 107 光透過層 108 レンズ 109 保護層 110 基板の中心孔 111 記録再生光 112 断熱材 202 熱可塑性材料 210 成形品(光学素子) 211,221 ホログラム 220 カード型媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/32 G02B 5/32 G11B 7/24 526 G11B 7/24 526S 531 531C 7/26 511 7/26 511 521 521 // B29K 101:10 B29K 101:10 101:12 101:12 B29L 11:00 B29L 11:00 17:00 17:00 Fターム(参考) 2H049 CA05 CA06 CA09 CA17 CA22 CA28 4F202 AA28 AD11 AH38 AH73 AH79 AR06 CA11 CB01 CB22 CK41 CN27 4F206 AA28 AD11 AH38 AH73 AH79 AR064 JA07 JB22 JQ81 5D029 KA14 5D121 DD05 DD18

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一組の金型が内部に有するパターン上の少
    なくとも一部に、熱硬化性材料を配置し、その後、金型
    内に熱可塑性材料を射出することを特徴とする射出成形
    方法。
  2. 【請求項2】前記熱硬化性材料の硬化温度TCと、前記
    熱可塑性材料の融点TMが、TC<TMの関係を満たす
    ことを特徴とする請求項1記載の射出成形方法。
  3. 【請求項3】前記熱硬化性材料の硬化温度TCと、前記
    金型内の温度TSが、TC>TSの関係を満たすことを
    特徴とする請求項1記載の射出成形方法。
  4. 【請求項4】前記熱硬化性材料の硬化後の屈折率と、前
    記熱可塑性材料の硬化後の屈折率が、略同じであること
    を特徴とする請求項1記載の射出成形方法。
  5. 【請求項5】硬化後の前記熱硬化性材料と硬化後の前記
    熱可塑性材料が、共に光に対して略透明であることを特
    徴とする請求項1記載の射出成形方法。
  6. 【請求項6】前記パターンが略水平に保持される射出成
    形機で行うことを特徴とする請求項1記載の射出成形方
    法。
  7. 【請求項7】前記パターンと前記金型の間の少なくとも
    一部に、断熱処理を施すことを特徴とする請求項1記載
    の射出成形方法。
  8. 【請求項8】一組の金型が内部に有するパターン上の少
    なくとも一部に、熱硬化性材料を配置し、その後、金型
    内に熱可塑性材料を射出し、 その後、前記熱硬化性材料および前記熱可塑性材料を硬
    化させることによって、一部または全部を作製すること
    を特徴とする、光情報記録媒体。
  9. 【請求項9】一組の金型が内部に有するパターン上の少
    なくとも一部に、熱硬化性材料を配置し、その後、金型
    内に熱可塑性材料を射出し、 その後、前記熱硬化性材料および前記熱可塑性材料を硬
    化させることによって作製された基板の前記パターン上
    に、 反射層または記録層を形成し、前記反射層または前記記
    録層上に、光透過層、接着層、もしくは保護層の少なく
    ともひとつを形成することによって作製された光情報記
    録媒体。
  10. 【請求項10】前記熱硬化性材料の硬化温度TCと、前
    記熱可塑性材料の融点TMが、TC<TMの関係を満た
    すことを特徴とする請求項8または9に記載の光情報記
    録媒体。
  11. 【請求項11】前記熱硬化性材料の硬化温度TCと、前
    記金型内の温度TSが、TC>TSの関係を満たすこと
    を特徴とする請求項8または9に記載の光情報記録媒
    体。
  12. 【請求項12】前記パターンと前記金型の間の少なくと
    も一部に、断熱処理を施すことを特徴とする請求項8ま
    たは9に記載の光情報記録媒体。
  13. 【請求項13】前記熱硬化性材料と前記熱可塑性材料
    の、硬化後の屈折率が略同じであることを特徴とする請
    求項8または9に記載の光情報記録媒体。
  14. 【請求項14】硬化後の前記熱硬化性材料と硬化後の前
    記熱可塑性材料が、共に光に対して略透明であることを
    特徴とする請求項8または9に記載の光情報記録媒体。
  15. 【請求項15】一組の金型が内部に有するパターン上の
    少なくとも一部に、熱硬化性材料を配置し、その後、金
    型内に熱可塑性材料を射出し、 その後、前記熱硬化性材料および前記熱可塑性材料を硬
    化させることによって、一部または全部を作製すること
    を特徴とする光学素子。
  16. 【請求項16】一組の金型が内部に有するパターン上の
    少なくとも一部に、熱硬化性材料を配置し、その後、金
    型内に熱可塑性材料を射出し、 その後、前記熱硬化性材料および前記熱可塑性材料を硬
    化させることによって作製された基板の前記パターン上
    に、 反射層または記録層を形成し、前記反射層または前記記
    録層上に、光透過層、接着層、もしくは保護層の少なく
    ともひとつを形成することによって作製された光学素
    子。
  17. 【請求項17】前記熱硬化性材料の硬化温度TCと、前
    記熱可塑性材料の融点TMが、TC<TMの関係を満た
    すことを特徴とする請求項15または16に記載の光学
    素子。
  18. 【請求項18】前記熱硬化性材料の硬化温度TCと、前
    記金型内の温度TSが、TC>TSの関係を満たすこと
    を特徴とする請求項15または16に記載の光学素子。
  19. 【請求項19】前記パターンと前記金型の間の少なくと
    も一部に、断熱処理を施すことを特徴とする請求項15
    または16に記載の光学素子。
  20. 【請求項20】前記熱硬化性材料と前記熱可塑性材料
    の、硬化後の屈折率が略同じであることを特徴とする請
    求項15または16に記載の光学素子。
  21. 【請求項21】硬化後の前記熱硬化性材料と硬化後の前
    記熱可塑性材料が、共に光に対して略透明であることを
    特徴とする請求項15または16に記載の光学素子。
  22. 【請求項22】請求項1記載の射出成形方法を行う、ま
    たは請求項8、9の光情報記録媒体、請求項15、16
    に記載の光学素子を作成する装置であって、前記パター
    ンが水平に保持され、かつ前記熱硬化性材料を塗布する
    機構を有することを特徴とする射出成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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