JP2002330853A - 串具および串付食品 - Google Patents

串具および串付食品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 その姿形を保ったままで料理に供せ、かつ串
具からの食品の取り分けが安全・容易な串付食品を提供
する。 【解決手段】 塊状食材5が串通しされた長串3の先端
に短串2の先端を当てがい、そして、長串3の短串案内
部4に沿って短串2を塊状食材5に挿入して得られる串
付食材6。 串付食材6を加熱調理することで、串付食
品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改良された串具と
それを利用した串付食材(串付食品)に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、野菜、魚肉、畜肉、臓器などの塊状食材を竹串な
どの串具に串通し(串刺し)してなる食材を加熱調理し
て喫食するタイプの串付食品として、これまでに実に様
々なものが提供されている。 これら串付食品の中で
も、鶏肉や鳥の内臓・皮膚などを竹串に串通しした食材
を加熱調理して得られる、いわゆる「焼き鳥」は、串付
食品の代表格として広く受け入れられており、居酒屋や
料理屋などの飲食店のみならず、一般家庭でも手軽に調
理および提供できる食品として認識されている。
【0003】また、近年のアウトドア志向の高まりに見
られるライフスタイルの変化を受けて、串付食品の分野
においても、ボリューム感を高め、かつ屋内外でのパー
ティ用料理としても提供できるよう、串付食品の大型化
が図られている。 この種の串付食品は、通常は、まず
大型の串具を用い、次に、食品全体のバランスに見合っ
た大きさの数個の塊状食材を串通しする。 このような
串付食材を加熱調理して得た串付食品の喫食に際して
は、まず串具の先端側に口を差し入れて、先端に串通し
された調理食品を歯でくわえて串具から抜き取って、そ
れをそのまま喫食する。 以後、同様にして、隣の食品
を歯でくわえて串具から抜き取って喫食する。 しか
し、串具の根元(把持部)に近い位置に串通しされた食
品については、串具を横にして食品を横からくわえて、
串部上を移動せしめて後に喫食を行わなければならず、
この場合、串具からの食品の抜き取りが難しくなる上
に、格好も悪く、また口唇を汚すなどの不都合があっ
た。 このことは、串具の大型化、すなわち、串具の串
部の長大化によって、さらに顕著となっていた。 ま
た、塊状食材の串通りを円滑ならしめるべく先端を鋭く
尖らせた串具において、このような食べ方をすると、口
唇や口内を刺傷しかねず、好ましくなかった。
【0004】このような串部の長大化に伴う不都合を解
消すべく、これまでに、串通しされた調理食品を箸など
で摘んで串具から抜き取って、それらを盛り皿に取り分
けるなどの対応がされていた。 このようにすると、口
唇や口内に対する安全性が確保され、串通しされた食品
の食べ難さが軽減されるが、串付食品の姿形が料理から
完全に失われるのみならず、串付食品を喫食する時の食
品を歯でくわえて串具から抜き取る独特の食べ方を楽し
む機会をも逸することになる。
【0005】このように、串付食品は、社会的に広く認
知された食品でありながらも、その大型化に伴って、串
具からの食品の取り分けが難しくなり、また、その姿形
を保ったままで料理に供することができなくなるなどの
問題点に直面しているのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、当該技術
分野での上記事情に鑑みて、特に、串付食品で利用され
る串具の構成について鋭意研究を重ねた末に本発明を完
成するに至ったものである。 つまり、本発明の要旨と
するところは、短串と長串とからなる串具、すなわち、
長串の串部が短串の串部よりも長く、かつ長串の先端部
を起点とする串部の一部が欠切されてなる短串案内部と
した串具にある。
【0007】また、本発明によれば、本発明の串具に塊
状食材を串通ししてなる串付食材、すなわち、短串が、
長串の短串案内部に沿って長串とは逆方向から塊状食材
に挿入してなる串付食材も提供される。
【0008】さらに、本発明によれば、本発明の串具を
構成する長串に塊状食材を串通しせしめ、および塊状食
材に、長串の短串案内部に沿って長串とは逆方向から短
串を挿入する、との一連の工程を含んだ串付食材の製造
方法も提供される。
【0009】本発明のこのような構成によって、串付食
品を、その姿形を保ったままで料理に供することができ
るのみならず、串具からの串付食品の取り分けが安全・
容易に行えるのである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0011】まず、図1を参照すると、本発明の串具1
は、塊状食材が串通しおよび保持される棒状の串部と串
具を把持するための把持部とを具備した、一本の短串2
と一本の長串3とからなる。 この長串3とは、串部の
長さが、短串2のそれよりも長い串具を指し、さらに、
その先端部を起点とする串部の一部が欠切されてなる、
塊状食材への短串の挿入経路を案内する短串案内部4を
具備している。 この短串案内部4の形状は、塊状食材
への短串2の挿入を妨げない形状であればよく、加工お
よび取り扱いの容易さの観点からして、好ましくは、長
串3の串部の長手方向中心軸に平行となるように欠切し
て形成した平坦面とする。
【0012】なお、串具1(短串2および長串3)の構
成素材としては、食品に利用できるものであればいずれ
も使用可能であり、例えば、竹、金属、陶器、木および
これらの組み合わせなどが利用できる。 とりわけ、本
発明にあっては、短串2および長串3の一方または双方
に、竹串、特に、把持部が幅広に形成されている竹串
(例えば、鉄砲串)が好適に利用でき、その把持部に具
材の名称を記入、印刷または烙印しておくことで、串通
しされた食材の詳細が一目瞭然に判別可能となる利点が
ある。
【0013】これら本発明の串具に串通しされる塊状食
材とは、塊状形状を保った食材であり、本発明にあって
は、野菜、魚肉、畜肉および臓器などのいずれでも使用
可能である。 ところで、畜肉としては、鶏肉、豚肉、
牛肉、馬肉、羊肉、山羊肉、家兎肉、家きん肉、猪肉、
鴨肉などが、また、臓器としては、肝臓、皮膚、心臓な
どが本発明において使用できる。
【0014】次に、本発明の串具の使用態様を、図2を
参照しながら説明する。
【0015】まず、数個の塊状食材5(例えば、鶏肉)
を、長串3に串通しし、そして、長串3の先端が見える
ように、塊状食材5の全体配置を整える(図2(a)の状
態)。次に、短串2の先端を長串3の先端に当てがい、
そして、長串3とは逆方向から長串3の短串案内部4に
沿って短串2を塊状食材5に挿入する(図2(b)の状
態)。 塊状食材5への短串2の挿入を終えると、本発
明の串付食材6(図2(c))が得られる。
【0016】この串付食材6を、調味および加熱調理す
ると、串付食品7が得られる。 串付食材6の調味と
は、串通しした塊状食材の調味(味付け)を指し、塊状
食材の種類や購買者の好みに応じて味付けを行うもので
あり、例えば、食塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウム、
食用油、醤油、味醂、酒、酢などを適宜選択して調製し
た調味液に串付食材を浸漬したり、当該調味液を串付食
材に塗布または噴霧などして串付食材の味付けを行う。
次に、このように調味した串付食材を加熱調理する。
加熱調理法は、従来の串付食品での調理方法と同様
に、串付食材に火を通す調理手段であればいずれでも本
発明において利用でき、例えば、ガス炎や炭火による加
熱調理法が本発明において好適に利用できる。
【0017】このようにして得られた串付食品は、従来
のように、先端に串通しされた食品を口に差し入れ、そ
れを歯でくわえて串具から抜き取って、そのまま喫食す
ることもできる。 あるいは、串付食品7から短串2を
抜き取り、これを楊枝のように使って、串具から所望の
数の食品を取り分けて(図3の状態)喫食することも可
能である。 本発明のこの態様によれば、串具からの食
品の抜き取りが簡便になる上に、手指や口唇を汚す懸念
も解消され、また、口唇や口内に対する安全性も確保さ
れる。
【0018】
【実施例】本発明を、その製造例に基づいて以下に具体
的に説明するが、本発明は実施例の開示に基づいて限定
的に解釈されるべきでない。
【0019】まず、次の食材と串具を準備した。
【0020】 塊 状 食 材:若鶏のもも肉140個(約10g/個) 長 串(20本):串部の長さ17cm[短串案内部の長さ6
cm] 短 串(20本):串部の長さ6cm なお、長串および短串の双方の把持部に具材の名称を烙
印して明記した。
【0021】若鶏のもも肉を、長串(7個/長串)に串
通しした。 そして、長串の先端が見える状態になるよ
うに、串通ししたもも肉の全体配置を整えた。 次に、
短串の先端を長串の先端に当てがい、そして、長串の短
串案内部に沿って、長串とは逆方向から短串をもも肉に
挿入した。 このようにして、本実施例の串付食材(20
点)が得られた。
【0022】この串付食材を、調味液(砂糖、醤油、味
醂、澱粉、酒精、食酢、食塩、アミノ酸系調味料、増粘
剤、食用色素を含む調味液)に漬け込んで味付けした。
そして、備長炭に火をおこし、この炭火で、調味済の
串付食材を加熱調理した。
【0023】短串を取り外し、先端に串通しされた鶏肉
を歯でくわえて串具から抜き取り、それをそのまま喫食
したところ、鶏肉全体に均質に火が行き渡っており、口
当たりが柔らかく、美味であった。
【0024】また、本実施例の焼き鳥によれば、取り外
した短串を楊枝のように使って、長串から所望の数の鶏
肉を、手を汚さずに簡単に取り皿に取り分けることがで
きた。
【0025】
【発明の効果】このように、本発明によれば、所期の目
的であった、その姿形を保ったままで串付食品を料理に
供せ、かつ串具からの食品の取り分けを容易ならしめる
串具が提供されるのである。
【0026】また、本発明の串具によれば、短串を箸の
ように利用することで、串具からの食品の抜き取りが簡
便になる上に、手指や口唇を汚さずとも食品の取り分け
ができ、また、口唇や口内に対する安全性が確保される
などの、優れた作用効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の串具の構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明の串付食材の製造プロセスを示す概略
図である。
【図3】 本発明の串付食品の取分例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 …… 串具 2 …… 短串 3 …… 長串 4 …… 短串案内部 5 …… 塊状食材 6 …… 串付食材 7 …… 串付食品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 真作 兵庫県西宮市平松町2番32号 株式会社ジ ャパン・フード・サービス内 Fターム(参考) 3B115 AA19 AA22 AA26 BA13 4B040 AA02 AC05 EC05 4B042 AC09 AD24 AE10 AG07 AH01 AP23 AW01 4B048 PE17 PR00 PR15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短串と長串とからなる串具であって、該
    長串の串部が該短串の串部よりも長く、かつ該長串の先
    端部を起点とする串部の一部が欠切されてなる短串案内
    部である、ことを特徴とする串具。
  2. 【請求項2】 前記短串および/または長串が、具材名
    が記入された把持部を具備する請求項1に記載の串具。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の串具に塊状食
    材を串通ししてなる串付食材であって、短串が、短串案
    内部に沿って長串とは逆方向から塊状食材に挿入されて
    いる、ことを特徴とする串付食材。
  4. 【請求項4】 前記塊状食材が、鶏肉である請求項3に
    記載の串付食材。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の串付食材を加
    熱調理して得られる串付食品。
  6. 【請求項6】 短串と長串を原料肉塊に串通ししてなる
    串付食材の製造方法であって、該長串の先端部を起点と
    する串部の一部が欠切されてなる短串案内部であり、か
    つ以下の工程、すなわち; (1) 該長串に塊状食材を串通しせしめ、および(2) 該塊
    状食材に、該短串案内部に沿って該長串とは逆方向から
    短串を挿入する、工程を含む、ことを特徴とする串付食
    材の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の製造方法で得られた串
    付食材を加熱調理して得られる串付食品。
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