JP2002328849A - 車両用電子制御装置 - Google Patents

車両用電子制御装置

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JP2002328849A
JP2002328849A JP2001136125A JP2001136125A JP2002328849A JP 2002328849 A JP2002328849 A JP 2002328849A JP 2001136125 A JP2001136125 A JP 2001136125A JP 2001136125 A JP2001136125 A JP 2001136125A JP 2002328849 A JP2002328849 A JP 2002328849A
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Tamotsu Morishima
保 森島
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不揮発性メモリの予期せぬデータ変化を予測
し、ひいては、適正なる車両制御を実現すること。 【解決手段】ECU10は主要な構成として、電源回路
11、CPU12及びフラッシュROM13を備える。
電源回路11とフラッシュROM13との間には、切替
スイッチ14が設けられており、この切替スイッチ14
によりフラッシュROM13の電源電圧がV1とV2と
の何れかに切り替えられる。CPU12は、電源投入時
におけるフラッシュROM13の異常判定処理に際し、
フラッシュROM13の電源電圧をV1(5ボルト)か
らV2(4.5ボルト)に一時的に切り替え、V2印加
時のチェックサム結果に基づいてフラッシュROM13
の異常の有無を判定する。そして、フラッシュROM1
3の異常判定処理後に、通常制御を開始する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラッシュメモリ
等からなる不揮発性メモリを備えた車両用電子制御装置
において、不揮発性メモリのデータ異常を検出するため
の改良技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジン制御等を実施するための
車載ECUでは、電気的に書き換え可能なフラッシュメ
モリ(不揮発性メモリ)が設けられ、そのフラッシュメ
モリにプログラムやデータ等が格納されるものがある。
フラッシュメモリのデータ内容は、データ化けにより不
意に変化することが考えられ、データ化けが発生すると
制御プログラムが正規通りに動作しない場合が生ずる。
この場合、エンジン制御等に支障を来す可能性が生ず
る。
【0003】また、この種のECUでは、CPU動作を
監視するための監視回路が設けられており、例えばCP
Uは監視回路に対して一定周期のウオッチドッグクリア
(WDC)信号を出力し、監視回路はWDC信号の周期
性からCPUの動作を監視する。この場合、仮にデータ
化けに起因してCPUの動作が異常になり、それに伴い
CPUが連続してリセットされる事態が発生すれば、演
算結果にガードをかけたり、エンジンを停止させたりす
る等のフェイルセーフ処理が実施される。
【0004】ところで、前記フラッシュメモリのデータ
化けを早期に発見すべく、製品出荷時の検査工程では、
フラッシュメモリに書き込まれているデータ内容につい
てチェックサム等によるデータ検査が実施されるように
なっている。しかしながら、極稀ではあるが、車両の運
転中にフラッシュメモリのデータ内容が不意に変化する
ことが考えられる。そのため、この予期せぬデータ化け
について適正に検出できる技術が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
着目してなされたものであって、その目的とするところ
は、不揮発性メモリの予期せぬデータ変化を予測し、ひ
いては、適正なる車両制御を実現することができる車両
用電子制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、不揮発性メモリ内におけるデータの変化要因となる
少なくとも一つの異常判定実施条件が設定され、当該実
施条件が変動した状態で不揮発性メモリのデータ異常の
有無が判定される(異常判定手段)。要するに、例え
ば、フラッシュメモリ等からなる不揮発性メモリの書き
込みが不十分である場合には、電源電圧や温度環境等の
異常判定実施条件が変動した時に不揮発性メモリ内のデ
ータが不意に変化する可能性があり、そのデータ変化を
検出することでデータ異常の旨が判定できる。この異常
時には、それ以降も、電源電圧や温度環境等が変動した
際に同様に、データが不意に変化する可能性が高いと考
えられる。本発明によれば、不揮発性メモリの予期せぬ
データ変化を予測することができ、ひいては、適正なる
車両制御を実現することができる。
【0007】異常判定に際し、不揮発性メモリのデータ
のチェックサムを算出すると良く、この場合、異常判定
手段は以下の如く構成される。すなわち、・請求項2に
記載したように、異常判定実施条件の変動前におけるチ
ェックサムの算出値と、同実施条件の変動後におけるチ
ェックサムの算出値とを比較し、両者が一致しなければ
データ異常の旨を判定する。・請求項3に記載したよう
に、少なくとも前記異常判定実施条件の変動後における
チェックサムの算出値と、正規のチェックサム値とを比
較し、両者が一致しなければデータ異常の旨を判定す
る。
【0008】また、請求項4に記載したように、異常判
定実施条件が不揮発性メモリの電源電圧である場合、前
記異常判定手段は、不揮発性メモリの電源電圧が変動し
た時に異常判定を実施すると良い。本発明によれば、通
常の電源電圧ではデータが正常であるが、電源電圧が変
動した時に限りデータ異常となる場合について、その異
常を正しく検出することができる。
【0009】上記請求項4の発明は、請求項5に記載し
たように具体化されると良い。すなわち、不揮発性メモ
リに対する電源電圧を、通常電圧とそれとは異なる異常
判定用電圧とで切り替える切替手段を備え、前記異常判
定手段による異常判定時には、前記切替手段により不揮
発性メモリの電源電圧を通常電圧から異常判定用電圧に
一時的に切り替える。
【0010】請求項6に記載の発明では、電源投入に伴
うイニシャル時において、不揮発性メモリ内のデータに
よる各種制御の開始前に前記異常判定手段による異常判
定を実施する。この場合、各種制御の開始前に異常の有
無を知ることができ、データ異常に伴う制御不良等が回
避できる。
【0011】一方、請求項7に記載したように、異常判
定実施条件が不揮発性メモリの温度環境である場合、前
記異常判定手段は、不揮発性メモリの温度環境が変化し
た時に異常判定を実施すると良い。本発明によれば、通
常の温度環境ではデータが正常であるが、温度環境が変
動した時に限りデータ異常となる場合について、その異
常を正しく検出することができる。因みに、不揮発性メ
モリの温度環境とは、電子制御装置のケース内部温度
(ECU内部温度)、エンジン水温、電子制御装置の自
己発熱量などを含む。
【0012】また、異常判定実施条件として複数の条件
を設定することも可能である。すなわち、請求項8に記
載したように、異常判定実施条件を不揮発性メモリの電
源電圧、並びに不揮発性メモリの温度環境とし、前記異
常判定手段は、不揮発性メモリの電源電圧が変動した時
に異常判定を実施すると共に、不揮発性メモリの温度環
境が変化した時に異常判定を実施する。この場合、複数
の異常判定を組み合わせて実施することにより、異常判
定の精度が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した一実
施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態では、
車載エンジンを制御するためのエンジンECUとして本
発明を具体化しており、図1はエンジンECUの概要を
示す構成図である。図1において、ECU10は主要な
構成として、電源回路11、CPU12及びフラッシュ
ROM13を備えており、電源回路11にはイグニッシ
ョンスイッチ(以下、IGスイッチという)21を介し
てバッテリ22が接続されている。電源回路11は、I
Gスイッチ21がON位置又はSTA位置に操作された
時にバッテリ22に接続され、CPU12やフラッシュ
ROM13に対して電源を供給する。
【0014】フラッシュROM13には、各種の制御プ
ログラムやデータが格納されており、このフラッシュR
OM13が特許請求の範囲に記載の「不揮発性メモリ」
に相当する。
【0015】電源回路11とフラッシュROM13との
間には、切替手段としての切替スイッチ14が設けられ
ており、この切替スイッチ14によりフラッシュROM
13の電源電圧がV1とV2との何れかに切り替えられ
る。具体的には、切替スイッチ14が電源回路11側に
切り替えられると、通常電圧である電圧V1(例えば5
ボルト)がフラッシュROM13に印加され、切替スイ
ッチ14が電圧設定回路15側に切り替えられると、フ
ラッシュROM異常判定用電圧である電圧V2(例えば
4.5ボルト)がフラッシュROM13に印加される。
なお、切替スイッチ14の切り替えはCPU12により
実施される。
【0016】また、ECU10には警告ランプ23が接
続されており、CPU12は、必要に応じてランプ出力
回路16に駆動信号を出力し、警告ランプ23を点灯さ
せる。
【0017】また、ECU10には周知の監視回路17
が設けられており、この監視回路17によりCPU12
の動作異常が監視される。つまり、CPU12は、一定
周期でオン/オフを繰り返すWDC(ウオッチドッグク
リア)信号を監視回路17に対して出力し、同WDC信
号の周期性が崩れた時に監視回路17がCPU12に対
してリセット信号を出力する。よって、フラッシュRO
M13内のデータ内容の一部又は全てが消去されたり、
変化したりしてそれが原因でCPU12が正常に動作し
ない場合には、監視回路17にて異常発生の旨が判定さ
れ、CPU12をリセットさせる等のフェイルセーフ処
理が実施される。
【0018】一方これに対し、フラッシュROM13の
データのうちの1ビットだけが変化した場合、例えば図
4に示すようなデータ変化の場合には、CPU12はあ
たかも正常と思える動作を行う。この場合には、監視回
路17による異常判定並びにCPU12のリセットを行
うことができない。そこで本実施の形態では、フラッシ
ュROM13のデータの1ビット乃至数ビット、又はプ
ログラムに影響しない部分のデータ変化を検出する方法
として、周知のチェックサム手法を用いる。
【0019】また、フラッシュROM13は、ECU1
0の製品出荷時検査では正常であるものの、その後、予
期せぬデータ化けにより異常となることが考えられる。
例えばフラッシュROM13の書き込み電圧がばらつく
等して、データ書き込みが不十分であると、こうした問
題が生じ得る。そこで本実施の形態では、フラッシュR
OM13のデータ化け要因(データの変化要因)となる
異常判定実施条件をフラッシュROM13の電源電圧と
して設定しておき、当該電源電圧の変化前と変化後との
チェックサム結果によりデータ化けの前兆を検出するこ
ととする。
【0020】次に、ECU10への電源投入時に実施さ
れるフラッシュROM13の異常判定処理について詳し
く説明する。ここで、図2は、電源投入時における動作
説明のためのタイムチャートである。
【0021】さて、図2のt1のタイミングでは、IG
スイッチ21がON位置に操作され、ECU10にバッ
テリ電源が供給される。これにより、電源回路11にて
ECU内部電源が図示の如く立ち上がる。ECU内部電
源が所定値(例えば、4.8ボルト)に達した後、一定
時間が経過すると、t2のタイミングでCPUリセット
信号が解除される。
【0022】リセット信号が解除されると、t2〜t3
の期間ではCPU12によるイニシャル処理が実施さ
れ、それに引き続きt3〜t4の期間では、フラッシュ
ROM13の異常判定処理が実施される。この異常判定
処理では、フラッシュROM13の電源電圧がV1(5
ボルト)からV2(4.5ボルト)に一時的に切り替え
られると共に、V2印加時のチェックサム結果に基づい
てフラッシュROM13の異常の有無が判定されるよう
になっている。そして、フラッシュROM13の異常判
定処理が終了したt4以降、通常制御が開始される。
【0023】次に、フラッシュROM13の異常判定手
順について、図3のフローチャートを用いて説明する。
この図3の処理は、電源投入に伴うイニシャル処理に引
き続き、例えば前記図2のt3〜t4の期間でCPU1
2により実施される。なお本実施の形態では、図3の処
理が「異常判定手段」に相当する。
【0024】図3がスタートすると、先ずステップ10
1では、フラッシュROM13のチェックサムを算出
し、その値を「A」として保存する。このとき、フラッ
シュROM13に通常電圧V1(5ボルト)が印加され
た状態で、当該フラッシュROM13のチェックサムA
が算出される。因みに、上記ステップ101では、フラ
ッシュROM13の所定領域におけるデータを8ビット
又は16ビット毎に加算していきチェックサムが算出さ
れる。このとき、チェックサム算出の対象となるデータ
は、フラッシュROM13の全領域としても良いし、特
定の指定領域としても良い。
【0025】その後、ステップ102では、図1の切替
スイッチ14をV1側からV2側に切り替え、フラッシ
ュROM13の電源電圧をV2(4.5ボルト)に切り
替える。続くステップ103では、フラッシュROM1
3のチェックサムを再び算出し、その値を「B」として
保存する。このとき、フラッシュROM13に異常判定
用電圧V2(4.5ボルト)が印加された状態で、当該
フラッシュROM13のチェックサムBが算出される。
ステップ104では、切替スイッチ14を操作してフラ
ッシュROM13の電源電圧を元の通常電圧V1に戻
す。
【0026】ステップ105では、前記ステップ10
1,103で各々算出したチェックサムA,Bを比較
し、それらが一致するか否かを判別する。チェックサム
A,Bが一致していれば、フラッシュROM13のデー
タ内容が一致していると判断し、そのまま本処理を終了
する。
【0027】また、チェックサムA,Bが一致していな
い場合は、電源電圧条件の変更によりフラッシュROM
13に書き込まれたデータ内容が異なって読めると判断
できる。従って、ステップ106に進み、ドライバに対
して異常発生の旨を警告する。具体的には、警告ランプ
23を点灯させる等の処理を実行する。その後、ステッ
プ107に進み、燃料噴射量を制限したり、燃料噴射を
停止したりする等の周知のフェイルセーフ処理を行った
後本処理を終了する。
【0028】上記図3の処理によれば、フラッシュRO
M13の書き込みが十分な場合は、フラッシュROM1
3より常に同じデータが読み出され、上記ステップ10
5が肯定判別される。これに対し、フラッシュROM1
3の書き込みが不十分な場合(特にフラッシュROM1
3の劣化時)には、フラッシュROM13より読み出さ
れたデータが相違することがあり、上記ステップ105
が否定判別される。この場合、フラッシュROM13よ
り読み出されたデータが相違すると、プログラム上の命
令やデータが変わって正規通りに動作しないことが考え
られ、異常発生の旨が判定される。なお、ステップ10
5がNOとなる場合、それが繰り返し複数回連続した場
合にのみ異常発生と判断し、警告処理やフェイルセーフ
処理を実施するようにしても良い。
【0029】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。フラッシュROM13のデータ
化け要因となる異常判定実施条件をフラッシュROM1
3の電源電圧とし、当該電源電圧の変化前と変化後との
チェックサム結果によりデータ化け、若しくはその前兆
を検出したので、フラッシュROM13の予期せぬデー
タ変化を適正に予測することができ、ひいては、適正な
る車両制御を実現することができる。特に本実施の形態
によれば、通常の電源電圧ではデータが正常であるが、
電源電圧が変化した時に限りデータ異常となる場合につ
いて、その異常を正しく検出することができる。
【0030】また、ECU10の出荷検査を十分行って
いるにも拘わらず、車両の運転中にデータ化けが発生す
る場合にも、適正に対処することが可能となる。但し、
ECU10の製品出荷時において、上記の如く異常判定
実施条件(フラッシュROM13の電源電圧)を変化さ
せ、その状態で異常判定を実施することも勿論可能であ
る。
【0031】チェックサムによるデータ検査に際し、前
記電源電圧の変化前と変化後とのチェックサム結果を比
較するので、正規のチェックサム値を予め記憶しておか
なくても良い。また、チェックサム算出の対象となるデ
ータ(記憶領域)も任意に設定できる。
【0032】電源投入に伴うイニシャル時において、各
種の通常制御の開始前にフラッシュROM13の異常判
定が実施されるので、異常の有無を事前に知ることがで
き、データ異常に伴う制御不良等が回避できる。
【0033】(第2の実施の形態)次に、本発明におけ
る第2の実施の形態について、上述した第1の実施の形
態との相違点を中心に説明する。前記第1の実施の形態
では、フラッシュROM13の電源電圧を、データの変
化要因となる異常判定実施条件として設定し、その電源
電圧が変化した時のチェックサム結果からデータ異常を
判定した。これに対し、本実施の形態では、フラッシュ
ROM13の温度環境を前記異常判定実施条件として設
定し、その温度環境が変化した時のチェックサム結果か
らデータ異常を判定することを提案する。
【0034】具体的には、ECU10の内部温度が変化
した時に、その温度状況下でフラッシュROM13のデ
ータ化けを判定する。この場合、ECU10のケース内
部に温度センサを設け、該温度センサによりECU内部
温度の変化を監視する構成を新たに設けておく。
【0035】図5は、本実施の形態におけるフラッシュ
ROM13の異常判定手順を示すフローチャートであ
る。同図の(a),(b)は何れもCPU12により実
施されるものであり、このうち(a)はイニシャル時に
実施され、(b)は所定の時間周期(例えば100ms
周期)で実施される。
【0036】図5(a)において、ステップ201で
は、フラッシュROM13のチェックサムを算出し、そ
の値を「A」として保存する。本例では、イニシャル時
において、異常判定の関連処理としてステップ201の
みを実施する。
【0037】また、図5(b)において、ステップ30
1では、ECU内部温度が所定値以上上昇し、且つチェ
ックサムBの算出前であるか否かを判別する。YESの
場合、ステップ302に進み、フラッシュROM13の
チェックサムを再び算出し、その値を「B」として保存
する。その後のステップ303〜305の処理は、前記
図3のステップ105〜107の処理に準ずる。つま
り、2つのチェックサムA,Bを比較し、それらが不一
致の場合、異常警告及びフェイルセーフ処理を実施す
る。
【0038】本実施の形態によれば、ECU内部温度が
上昇する前はデータが正常であるが、ECU内部温度が
上昇した時に限りデータ異常となる場合について、その
異常を正しく検出することができる。その結果、前記第
1の実施の形態と同様に、フラッシュROM13の予期
せぬデータ変化を適正に予測することができ、ひいて
は、適正なる車両制御を実現することができる。
【0039】フラッシュROM13の温度環境として、
ECU内部温度以外に、エンジン水温やECU10の自
己発熱量などを想定しても良い。その事例を次の
(1),(2)に示す。 (1)エンジン水温を異常判定実施条件として設定し、
エンジン水温の変動時にフラッシュROM13のデータ
化けを判定する。 (2)ECU10の自己発熱量を異常判定実施条件とし
て設定し、その自己発熱量が所定レベルに達した時にフ
ラッシュROM13のデータ化けを判定する。
【0040】より具体的には、上記(1)の場合、概ね
前記図5(a),(b)の処理が流用できる。変更箇所
は図5(b)におけるステップ301の判別事項だけで
あり、同ステップでは「エンジン水温が所定値以上上昇
し、且つチェックサムBの算出前」であることを判別す
れば良い。そして、「エンジン水温が所定値以上上昇
し、且つチェックサムBの算出前」である場合に、チェ
ックサムBを算出し、引き続き2つのチェックサムA,
Bの比較によりフラッシュROM13のデータ化けを判
定する(図5(b)のステップ302,303)。
【0041】また、上記(2)の場合には、ECU10
への電源投入からの経過時間によりECU10の自己発
熱量を推測する。かかる場合も同様に、概ね前記図5
(a),(b)の処理が流用できる。変更箇所は図5
(b)におけるステップ301の判別事項だけであり、
同ステップでは「電源投入後、所定時間が経過し、且つ
チェックサムBの算出前」であることを判別すれば良
い。そして、「電源投入後、所定時間が経過し、且つチ
ェックサムBの算出前」である場合に、チェックサムB
を算出し、引き続き2つのチェックサムA,Bの比較に
よりフラッシュROM13のデータ化けを判定する(図
5(b)のステップ302,303)。
【0042】なお本発明は、上記以外に次の形態にて具
体化できる。上記実施の形態では、異常判定実施条件の
変動前後での2つのチェックサムA,Bを比較してデー
タ化けを判定したが、これを以下のように変更しても良
い。例えば、正規のチェックサム値が予め分かっている
場合には、異常判定実施条件の変動後におけるチェック
サムだけを算出する。そして、チェックサムの算出値と
正規のチェックサム値と比較し、異なった場合に異常と
判断する。
【0043】上記第1の実施の形態では、フラッシュR
OM異常判定用電圧(図1のV2)を4.5ボルトと
し、異常判定時にはフラッシュROM13の電源電圧を
通常の5ボルトから4.5ボルトに変更したが、そのフ
ラッシュROM異常判定用電圧を4.5ボルト以外に設
定しても良い。フラッシュROM異常判定用電圧として
望ましくは、フラッシュROM13のデータ読み出しが
可能で、且つ電源電圧の変更によりデータ異常の前兆が
発見できる電圧値とする。具体的には、データ読み出し
が可能な電圧範囲において、その上限付近又は下限付近
の電圧値とする。勿論、フラッシュROM異常判定用電
圧は、通常の電源電圧(5ボルト)を超える電圧値であ
っても良い。
【0044】上述の記載では、異常判定実施条件とし
て、 ・フラッシュROMの電源電圧、 ・ECU内部温度、 ・エンジン水温、 ・ECUの自己発熱量、 といったパラメータを例示したが、これら各パラメータ
による異常判定を適宜組み合わせて実施しても良い。例
えば、電源投入直後のイニシャル時(運転前)には、フ
ラッシュROMの電源電圧変更による異常判定を実施
し、その後の運転途中には、ECU内部温度、エンジン
水温、ECUの自己発熱量の少なくとも一つによる異常
判定を実施する。要するに、フラッシュROMのデータ
はどんな条件下で変化するか予測しにくいため、複数の
異常判定を組み合わせて実施することにより、異常判定
の精度が向上する。
【0045】また、異常判定実施条件として、バッテリ
電圧を用いても良い。この場合、バッテリ電圧が変動し
た状態でチェックサムによるデータ検査を実施する。例
えば、バッテリに接続される各種電気負荷の通電により
バッテリ電圧が低下する場合などにデータ検査(異常判
定)を実施する。
【0046】更に、上記実施の形態では、「不揮発性メ
モリ」としてフラッシュROMを用いたが、これに限定
されない。例えば、不揮発性メモリとしてEEPROM
を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンECUの概要を示す構成図。
【図2】電源投入時における動作説明のためのタイムチ
ャート。
【図3】フラッシュROMの異常判定手順を示すフロー
チャート。
【図4】フラッシュROMのデータ化けを示す図。
【図5】第2の実施の形態においてフラッシュROMの
異常判定手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…ECU(電子制御装置)、12…CPU、13…
フラッシュROM、14…切替スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11C 16/02 G11C 17/00 601Q 16/06 639Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを
    備えた車両用電子制御装置において、 前記不揮発性メモリ内におけるデータの変化要因となる
    少なくとも一つの異常判定実施条件が設定され、当該実
    施条件が変動した状態で不揮発性メモリのデータ異常の
    有無を判定する異常判定手段を備えることを特徴とする
    車両用電子制御装置。
  2. 【請求項2】異常判定のパラメータとして、前記不揮発
    性メモリのデータのチェックサムを算出する車両用電子
    制御装置であり、前記異常判定手段は、前記異常判定実
    施条件の変動前におけるチェックサムの算出値と、同実
    施条件の変動後におけるチェックサムの算出値とを比較
    し、両者が一致しなければデータ異常の旨を判定する請
    求項1に記載の車両用電子制御装置。
  3. 【請求項3】異常判定のパラメータとして、前記不揮発
    性メモリのデータのチェックサムを算出する車両用電子
    制御装置であり、前記異常判定手段は、少なくとも前記
    異常判定実施条件の変動後におけるチェックサムの算出
    値と、正規のチェックサム値とを比較し、両者が一致し
    なければデータ異常の旨を判定する請求項1に記載の車
    両用電子制御装置。
  4. 【請求項4】前記異常判定実施条件とは、前記不揮発性
    メモリの電源電圧であり、前記異常判定手段は、不揮発
    性メモリの電源電圧が変動した時に異常判定を実施する
    請求項1〜3の何れかに記載の車両用電子制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の車両用電子制御装置にお
    いて、不揮発性メモリに対する電源電圧を、通常電圧と
    それとは異なる異常判定用電圧とで切り替える切替手段
    を備え、前記異常判定手段による異常判定時には、前記
    切替手段により不揮発性メモリの電源電圧を通常電圧か
    ら異常判定用電圧に一時的に切り替える車両用電子制御
    装置。
  6. 【請求項6】電源投入に伴うイニシャル時において、前
    記不揮発性メモリ内のデータによる各種制御の開始前に
    前記異常判定手段による異常判定を実施する請求項1〜
    5の何れかに記載の車両用電子制御装置。
  7. 【請求項7】前記異常判定実施条件とは、前記不揮発性
    メモリの温度環境であり、前記異常判定手段は、不揮発
    性メモリの温度環境が変化した時に異常判定を実施する
    請求項1〜3の何れかに記載の車両用電子制御装置。
  8. 【請求項8】前記異常判定実施条件とは、前記不揮発性
    メモリの電源電圧、並びに不揮発性メモリの温度環境で
    あり、前記異常判定手段は、不揮発性メモリの電源電圧
    が変動した時に異常判定を実施すると共に、不揮発性メ
    モリの温度環境が変化した時に異常判定を実施する請求
    項1〜3の何れかに記載の車両用電子制御装置。
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