JP2002328439A - 原稿台ガラス - Google Patents

原稿台ガラス

Info

Publication number
JP2002328439A
JP2002328439A JP2001130546A JP2001130546A JP2002328439A JP 2002328439 A JP2002328439 A JP 2002328439A JP 2001130546 A JP2001130546 A JP 2001130546A JP 2001130546 A JP2001130546 A JP 2001130546A JP 2002328439 A JP2002328439 A JP 2002328439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thickness
glass substrate
ito
ito film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001130546A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Nakanishi
功次 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority to JP2001130546A priority Critical patent/JP2002328439A/ja
Priority to CN 02121872 priority patent/CN1253761C/zh
Publication of JP2002328439A publication Critical patent/JP2002328439A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/22Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with other inorganic material
    • C03C17/23Oxides
    • C03C17/245Oxides by deposition from the vapour phase
    • C03C17/2453Coating containing SnO2
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C21/00Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface
    • C03C21/001Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions
    • C03C21/002Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions to perform ion-exchange between alkali ions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments
    • C03C23/007Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by thermal treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2217/00Coatings on glass
    • C03C2217/20Materials for coating a single layer on glass
    • C03C2217/21Oxides
    • C03C2217/23Mixtures
    • C03C2217/231In2O3/SnO2
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2218/00Methods for coating glass
    • C03C2218/10Deposition methods
    • C03C2218/15Deposition methods from the vapour phase

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Holders For Sensitive Materials And Originals (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Image Input (AREA)
  • Facsimile Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性能と十分な耐摩耗性を有し、表面
の摩擦係数が実用上十分小さく、且つガラス基板の強度
が保持された原稿台ガラスを提供する。 【解決手段】 原稿読み取り機に用いる原稿台ガラスに
おいて、ガラス基板2に予め化学強化または風冷強化を
施し、その後ガラス基板2の少なくとも一方の表面2a
に錫をドープした酸化インジウムからなる膜(ITO
膜)1を形成し、このITO膜1の膜厚tを、15nm
〜20nmとした。ITO膜1の膜厚tを、15nm〜
20nmとしたことにより、ITOの結晶が十分に成長
し、結晶構造が緻密な薄膜が形成され、優れた耐摩耗性
を有することになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿読み取り機に
用いられる原稿台ガラスであって、例えば複写機やイメ
ージスキャナなどに用いられる帯電防止機能を有する原
稿台ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動原稿供給装置を備えた複写機
では、原稿供給時に発生する静電気による紙詰りを防止
するため、原稿台ガラスの表面を真空成膜法で成膜した
ITO膜(錫をドープした酸化インジウムからなる膜)
や熱分解成膜法で成膜した酸化錫膜などの透明導電膜で
被覆して静電気が発生しないようにしている。なお、原
稿台ガラスの表面抵抗は、1MΩ以下であることが要求
され、より好ましくは2kΩ以下であることが期待され
ている。
【0003】また、原稿台ガラスの表面の摩擦係数が大
きいと紙詰りを起こし易くなるので、原稿台ガラスの表
面に潤滑剤を塗布することが一般的に行われている。そ
こで、潤滑剤の効果を上げるために、特に表面の凹凸が
大きくなり易い酸化錫膜については、表面を平滑にすべ
く研磨している。更に、原稿台ガラスの強度を要求され
るレベルまでに高めるため、その強化策として、いわゆ
る風冷強化法や化学強化法などによりガラス表面に圧縮
応力層を形成することが一般的に行われている。
【0004】また、自動原稿供給装置を備えた複写機の
場合には、原稿を移動させる手段としてローラを用いて
いるため、原稿を介して原稿台ガラスにローラによる局
部的な荷重が掛る。このため、透明導電膜の表面が微視
的に荒れたり、透明導電膜が薄くなって最終的には剥離
することがある。この結果、原稿台ガラス表面における
散乱や反射などの光学的特性が局部的に変化し、原稿を
正確に読み取ることが困難になる場合があるため、透明
導電膜には所定の耐摩耗性が要求される。以上のよう
に、原稿台ガラスには、帯電防止性能、小さな摩擦係
数、強度及び耐摩耗性が要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ITO膜は、
酸化錫膜と比べて、平滑な表面が得られ易く摩擦係数が
小さく、また化学強化または風冷強化による膜品質への
影響が小さいという利点があるものの、耐摩耗性に関し
ては、実用上問題となることがない酸化錫膜と比べて、
その成形方法や条件によらず耐摩耗性が劣るという問題
がある。一方、酸化錫膜は、耐摩耗性には優れているも
のの、平滑な表面が得られ難く摩擦係数が大きくなり、
しかも成膜後に風冷強化処理を施すと急激な温度変化に
より膜に亀裂が生じたり、成膜後に化学強化処理を施す
と膜剥がれなどが生じ、また成膜前に化学強化または風
冷強化を施すと、強化処理の効果であるガラス表面の圧
縮応力が低下してしまうという問題がある。
【0006】そこで、本発明は従来の技術が有するこの
ような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的と
するところは、帯電防止性能と十分な耐摩耗性を有し、
表面の摩擦係数が実用上十分小さく、且つガラス基板の
強度が保持された原稿台ガラスを提供しようとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく請
求項1に係る発明は、原稿読み取り機に用いる原稿台ガ
ラスにおいて、ガラス基板に予め化学強化または風冷強
化を施し、その後前記ガラス基板の少なくとも一方の表
面に錫をドープした酸化インジウムからなる膜(ITO
膜)を形成し、このITO膜の膜厚を、15nm〜20
nmとしたものである。
【0008】請求項2に係る発明は、原稿読み取り機に
用いる原稿台ガラスにおいて、ガラス基板の少なくとも
一方の表面に錫をドープした酸化インジウムからなる膜
(ITO膜)を形成し、このITO膜の膜厚を、15n
m〜20nmとしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、図1はガラス基板上
に真空成膜法により形成したITO膜の結晶構造の断面
模式図、図2は耐摩耗性試験装置の説明図、図3はIT
O膜の膜厚と抵抗値の関係を示す図、図4は摺動試験結
果(摺動回数と抵抗変化率の関係)を示す図、である。
【0010】ガラス基板の表面にITO膜を形成する手
段としては、真空蒸着法やスパッタリング法などの真空
成膜法が好ましい。真空成膜法は、制御された減圧雰囲
気を実現するための真空装置を用いるという制約がある
ものの、プロセスガス、真空度、基板温度を適切に選択
することで、他の方法では実現できない薄膜の特性が得
られ易いという利点がある。
【0011】そして、本発明に係る原稿台ガラスにおい
ては、ガラス基板の表面に形成するITO膜の膜厚を、
15nm〜20nmとしている。
【0012】図1(a)に示すように、ITO膜1の膜
厚tが約7nm以下(t≦7nm)の場合には、一般に
島状にITOが付着した部分とガラス基板2の表面2a
が露出した部分とが混在して均一な膜は形成されていな
い。また、ガラス基板2の表面2aの分子や汚れなどの
不純物の影響により、膜の導電性、ガラス基板2との密
着性、耐摩耗性など透明導電膜としての特性が十分に発
現しない。
【0013】図1(b)に示すように、ITO膜1の膜
厚tが7nmを超えて15nm未満(7nm<t<15
nm)の場合には、ITOが結晶構造を有する膜状に形
成され、導電性や透明性などの特性は発現するが、過酷
な外力が加えられる原稿台ガラスにとってガラス基板2
との密着性、耐摩耗性など透明導電膜としての実用的な
特性としては十分ではない。ガラス基板2の表面2aの
分子や汚れなどの不純物の影響を覆い尽くしてITO本
来の結晶構造に成長するには、15nm未満の膜厚では
十分でないと考えられる。
【0014】図1(c)に示すように、ITO膜1の膜
厚tが15nm以上(t≧15nm)の場合には、IT
Oがガラス基板2の表面2aの分子や汚れなどの不純物
の影響を覆い尽くして本来の結晶構造に成長して、安定
した緻密な膜を形成し、その結果優れた耐摩耗性を有す
るようになる。従って、ITOの結晶が十分に成長し、
結晶構造が安定した緻密な膜を形成するためには、IT
O膜1の膜厚tが15nm以上であることが好ましい。
【0015】一方、ITO膜1の膜厚tの上限は、20
nm以下(t≦20nm)であることが好ましい。一般
に、透明導電膜付きガラスは、光の干渉によりその透過
率が導電膜の膜厚に依存し、膜厚が約60nmまでは膜
厚が増加すると共に可視光の透過率が減少する。原稿台
ガラスにおいては、3mm〜5mmのソーダライムシリ
ケートガラスとその上に形成されるITO膜とを透過す
る可視光透過率は略86%以上であることが期待されて
いるので、ITO膜の膜厚は20nmを超えないことが
好ましい。
【0016】膜厚が15nm〜20nmのITO膜の表
面抵抗値については、例えば標準的な電子線加熱真空蒸
着法により、0.1kΩ〜1.0kΩが得られる。従っ
て、帯電防止を目的とした導電膜に要求される表面抵抗
値(1MΩ以下、好ましくは2kΩ以下)については、
特に配慮する必要はない。
【0017】また、ITO膜の表面は、酸化錫膜の表面
と比較して平滑なものが得られ易いので、その結果、摩
擦係数は小さくなる。例えば、CVD(化学的気相成膜
法)によって形成した酸化錫膜の表面凹凸の大きさは、
原料物質や反応温度などにもよるが、Raで表すと、4
nm<Ra<10nm程度である。これに対して真空成
膜法で形成したITO膜の表面凹凸の大きさは、標準的
な成形条件で、Ra≦1nmである。
【0018】この結果、真空成膜法の標準的な成形条件
によって形成したITO膜の摩擦係数は、0.1程度が
得られ、原稿台ガラスの摩擦係数として期待される値で
ある0.65以下は容易に達成することができる。更
に、摩擦係数を低減させるための定法である潤滑剤を併
用すれば、摩擦係数を0.1以下にすることは容易であ
る。
【0019】また、ITO膜を形成するときのガラス基
板の温度は、250℃〜350℃が望ましく、300℃
〜350℃がより望ましい。ガラス基板の温度が150
℃以上であればITO膜は結晶構造を形成するが、膜表
面に物理的外力を受ける原稿台ガラスに適するようにす
るには250℃以上にしてガラス基板とITO膜との密
着性を確実なものとする必要がある。
【0020】安定した構造のITO膜を得るためには、
ガラス基板の温度は高い方がよく、300℃以上にする
ことがより望ましい。しかしながら、予めガラス基板に
施した強化処理の効果(ガラス表面に形成した圧縮応力
層)を損わないようにするには、ガラス基板の温度は3
50℃以下が望ましい。
【0021】このようにしてガラス基板の表面に形成し
たITO膜は、その表面を紙を介して9.8N/cm2
の加重による20万回の摺動試験(一往復の摺動を2回
とする)を行ったときの表面抵抗値の変化が摺動試験前
の表面抵抗値の5倍以下とすることができる。
【0022】ここで、摺動試験とは、自動原稿供給装置
を備えた複写機の場合に、原稿台ガラスが原稿搬送ロー
ラから原稿紙を介して局部的な加重を受けながら原稿紙
によって強く擦られる状況を模擬的に再現するものであ
る。また、原稿紙を代用する紙は光学レンズの拭き取り
などに用いられる細くて長い繊維を原料とした無塵紙の
一種でシルボン紙と呼ばれるものである。
【0023】摺動試験は、図2に示すように、耐摩耗性
試験装置によって行われる。耐摩耗性試験装置は、原稿
搬送ローラに相当する摺動部材5と、摺動部材5を原稿
台ガラス6の表面に形成したITO膜7に所定の加重
(9.8N/cm2)で押圧しながら往復動させるクラ
ンク機構8などからなる。摺動部材5の上端部には所定
の加重(9.8N/cm2)をITO膜7に与えるため
の錘9が装着され、摺動部材5の摺動部にはシルボン紙
10が装着されている。
【0024】表面抵抗値の変化は、導電膜表面が微視的
に荒れたり、徐々に薄くなって最終的に膜剥がれに至る
経過を代用する特性として、本発明において採用した評
価方法である。
【0025】20万回以上の摺動試験を行い、その前後
の表面抵抗値の変化が5倍以下であることは、原稿台ガ
ラス表面に形成した透明導電膜が実使用時においても原
稿紙によって実質的に摩耗の影響を受けないことを意味
する。即ち、本発明の帯電防止用透明導電膜が形成され
た原稿台ガラスは実使用時において、十分な耐摩耗性を
有するものとすることができる。
【0026】以下に本発明において、ITO膜の膜厚を
15nm〜20nmとしたことの根拠となる評価試験方
法及びその評価試験結果について説明する。先ず、(評
価試験1)として、縦・横・厚さが345mm×380
mm×3mmのソーダライムガラス基板の表面に、IT
O膜の膜厚を3nmから20nmの範囲で約1nm毎に
厚さを変えた原稿台ガラスを作製し、各原稿台ガラスの
表面抵抗値を測定した。
【0027】ITO膜は、電子線加熱真空蒸着法によ
り、次の条件でソーダライムガラス基板の表面に形成し
た。ガラス基板の温度を350℃まで加熱しながら、蒸
着装置内を背圧力が4.0×10-3Paまで排気し、次
いで酸素ガスを導入し、圧力を5.3×10-2Paに調
整して蒸着を行った。成膜速度は、0.01nm/se
cとした。
【0028】次に、上述した手順で得られた各原稿台ガ
ラスから100mm×100mmの試料を切り出し、耐
酸テープでITO膜の表面の一部をマスキングし、塩酸
と水とを体積比で1:1としたエッチャントに浸漬して
マスキングがない部分のITO膜を除去する。その後、
マスキングを外してITO膜の膜厚に相当する段差を設
けた。この段差を段差測定器(Sloan社製「DEK
TAK 2D」)で測定し、表面抵抗は4探針型表面抵
抗測定器(三菱油化株式会社製「ロレスタIP」)で測
定した。
【0029】ITO膜の膜厚と表面抵抗値との関係は、
図4に示すように、膜厚が10nm以下、特に7nm以
下では表面抵抗値が急激に上昇した。膜厚が薄い範囲に
おいて表面抵抗値が膜厚と反比例の関係にないことは、
ITO膜が均一な厚さに形成されていないことを意味す
る。
【0030】即ち、図4に示すITO膜の膜厚と表面抵
抗値との関係は、図1に示す膜厚と結晶構造との関係に
対応し、特に膜厚が7nm以下では島状にITOが付着
した部分とガラス基板2の表面2aが露出した部分とが
混在して均一な膜が形成されていない状態(図1
(a))に対応する。
【0031】次に、(評価試験2)として、評価試験1
で作製した原稿台ガラスの残部から、膜厚が7nm、1
2nm、15nm、20nmの試料を選び、各試料に対
して摺動試験を行った。摺動試験条件は、加重:9.8
N/cm2、摺動速度:1往復/sec、摺動距離:3
cm、摩擦する試験紙:シルボン紙、とした。
【0032】図4に摺動回数に対する抵抗変化率(摺動
試験後の抵抗値/初期抵抗値)の関係を示す。膜厚が7
nmの試料はで、初期抵抗値が10kΩで摺動回数が
0.5万回のとき抵抗変化率が約40倍に達した。膜厚
が12nmの試料では、初期抵抗値が1kΩで摺動回数
が20万回のとき抵抗変化率が約20倍に達した。膜厚
が15nmと20nmの試料では、初期抵抗値が共に
0.5kΩで摺動回数が20万回のとき抵抗変化率が共
に約2倍であった。
【0033】図4に示す測定結果より、ITO膜の膜厚
が15nm以上では、摺動回数に対する抵抗変化率はほ
とんど上昇することがないことから、ITO膜は試験紙
に多数回擦られた後でもその膜厚が減少したり膜が剥離
したりすることがなく、耐摩耗性が優れていることが分
かる。これは、膜厚が15nm以上の場合には、ITO
膜の結晶構造が緻密であるためと考えられる。
【0034】また、この摺動試験の前後における表面抵
抗値の変化率が5倍以下であれば、ITO膜の表面が微
視的に荒れたり、徐々に薄くなったり、膜剥がれが生じ
たりしないことが分かった。従って、9.8N/cm2
の加重で20万回の摺動試験を行ったときの表面抵抗値
の変化率が、摺動試験前の表面抵抗値の5倍以下であれ
ば、原稿台ガラス表面に形成されたITO膜は実使用時
においても原稿紙によって実質的に摩耗の影響を受けな
い。
【0035】更に、(評価試験3)として、評価試験1
と同様のガラス基板を用いて、同様の手順により、IT
O膜の膜厚が7nmと15nmの2種類の原稿台ガラス
を作製し、これらを市販の複写機に装着して、通紙試験
を行った。
【0036】通紙試験は、モデルパターンが印刷された
原稿を、自動原稿供給装置を通して実際に多数回の複写
を行い、所定の複写回数毎に複写された画像の品質を目
視により評価するものである。通紙試験は、空調された
室内雰囲気(温度:15℃〜25℃、湿度:40%RH
〜60%RH)で行った。本評価試験では、自動原稿供
給装置のローラの位置に対応した部分に発生する、複写
された画像中の「ローラ痕」の有無と程度を観察した。
【0037】ITO膜の膜厚が15nmの原稿台ガラス
では、20万回の複写後においても、複写された画像に
ローラ痕が全く認められず、原稿台ガラスとして十分な
耐摩耗性を有していることが分かった。ローラの位置に
対応する部分のITO膜の表面には、原稿紙に擦られた
僅かな痕跡が観察されたが、膜が剥離するような兆候は
全くなかった。この僅かな痕跡は、複写された画像の品
質を低下させる程ではなかった。
【0038】また、ITO膜の膜厚が7nmの原稿台ガ
ラスでは、0.3万回の複写後に、複写された画像にロ
ーラ痕が認められはじめ、0.5万回の複写後にはロー
ラ痕が明確に認められるようになり、原稿台ガラスとし
て使用できない程度となった。ローラの位置に対応する
部分のITO膜は、0.5万回の複写後にはほとんど剥
離しかかっていた。
【0039】本発明では、透明導電膜をITO膜とした
ので、その表面は平滑なものが得られ易くため、摩擦係
数の小さい原稿台ガラスとすることが容易である。そし
て、摩擦係数を低減させるための定法である潤滑剤を併
用すれば、更に小さい摩擦係数を確実に維持することが
できる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る発明
によれば、ITO膜の膜厚を15nm〜20nmとする
ので、ITOの結晶が十分に成長し、結晶構造が緻密な
薄膜が形成されるため、優れた耐摩耗性を有する。ま
た、ガラス基板に予め化学強化または風冷強化を施し、
その後ガラス基板の少なくとも一方の表面にITO膜を
形成するので、表面の摩擦係数を実用上十分小さくする
ことができ、且つガラス基板の強度を強化処理をしない
ものより高くすることができる。
【0041】請求項2に係る発明によれば、ITO膜の
膜厚を15nm〜20nmとするので、ITOの結晶が
十分に成長し、結晶構造が緻密な薄膜が形成されるた
め、優れた耐摩耗性を有する。また、ガラス基板の強化
処理を行わないので、通常のガラス基板より高い強度が
必ずしも要求されない場合には、低コスト化が図られ、
且つガラス基板の少なくとも一方の表面にITO膜を形
成するので、表面の摩擦係数を実用上十分小さくするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス基板上に真空成膜法により形成したIT
O膜の結晶構造の断面模式図で、(a)は膜厚tが7n
m以下(t≦7nm)、(b)は膜厚が7nm〜15n
m(7nm<t<15nm)、(c)は膜厚が15nm
以上(t≧15nm)
【図2】耐摩耗性試験装置の説明図
【図3】ITO膜の膜厚と抵抗値の関係を示す図
【図4】摺動試験結果(摺動回数と抵抗変化率の関係)
を示す図
【符号の説明】
1…ITO膜、2…ガラス基板、2a…ガラス基板の表
面、t…膜厚。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿読み取り機に用いる原稿台ガラスに
    おいて、ガラス基板に予め化学強化または風冷強化を施
    し、その後前記ガラス基板の少なくとも一方の表面に錫
    をドープした酸化インジウムからなる膜(ITO膜)を
    形成し、このITO膜の膜厚を、15nm〜20nmと
    したことを特徴とする原稿台ガラス。
  2. 【請求項2】 原稿読み取り機に用いる原稿台ガラスに
    おいて、ガラス基板の少なくとも一方の表面に錫をドー
    プした酸化インジウムからなる膜(ITO膜)を形成
    し、このITO膜の膜厚を、15nm〜20nmとした
    ことを特徴とする原稿台ガラス。
JP2001130546A 2001-04-27 2001-04-27 原稿台ガラス Withdrawn JP2002328439A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001130546A JP2002328439A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 原稿台ガラス
CN 02121872 CN1253761C (zh) 2001-04-27 2002-04-27 原稿台玻璃及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001130546A JP2002328439A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 原稿台ガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002328439A true JP2002328439A (ja) 2002-11-15

Family

ID=18978894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001130546A Withdrawn JP2002328439A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 原稿台ガラス

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2002328439A (ja)
CN (1) CN1253761C (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006080188A1 (ja) * 2005-01-26 2006-08-03 Konica Minolta Holdings, Inc. ガラス部材、読み取りガラス、それを用いた読取装置及び画像形成装置
WO2006082769A1 (ja) * 2005-02-01 2006-08-10 Konica Minolta Holdings, Inc. ガラス部材、読み取り装置、及び画像形成装置

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100743417B1 (ko) * 2003-05-26 2007-07-30 닛뽕소다 가부시키가이샤 투명도전막 부착 투광성 기판
CN101350366B (zh) * 2008-07-09 2010-04-07 深圳市力合薄膜科技有限公司 防静电tft基板及其加工工艺
US8972228B2 (en) 2011-05-03 2015-03-03 Medtronic, Inc. Assessing intra-cardiac activation patterns

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006080188A1 (ja) * 2005-01-26 2006-08-03 Konica Minolta Holdings, Inc. ガラス部材、読み取りガラス、それを用いた読取装置及び画像形成装置
JP5082842B2 (ja) * 2005-01-26 2012-11-28 コニカミノルタホールディングス株式会社 ガラス部材、読み取りガラス、それを用いた読取装置及び画像形成装置
WO2006082769A1 (ja) * 2005-02-01 2006-08-10 Konica Minolta Holdings, Inc. ガラス部材、読み取り装置、及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN1384402A (zh) 2002-12-11
CN1253761C (zh) 2006-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0514557A1 (en) Coating solution for forming transparent electrically conductive film, method of preparation thereof, electrically conductive substrate, method of preparation thereof, and display device having transparent electrically conductive substrate
US11306024B2 (en) Textured glass articles and methods of making the same
KR20120074229A (ko) 휴대형 전자기기용 커버 유리의 유리기판, 휴대형 전자기기용 화상표시장치, 휴대형 전자기기, 및 휴대형 전자기기용 커버 유리의 유리기판 제조방법
Wu et al. Mechanical properties of rf magnetron sputtered indium tin oxide films
JP2009238416A (ja) 透明導電膜付き基板及びその製造方法
JP2002328439A (ja) 原稿台ガラス
JP4918765B2 (ja) 凹版の製造方法および印刷方法
US5072152A (en) High brightness TFEL device and method of making same
JP5082842B2 (ja) ガラス部材、読み取りガラス、それを用いた読取装置及び画像形成装置
JP4569016B2 (ja) 液晶表示装置用ブラックマトリクスおよびカラーフィルタ
CN116282905A (zh) 玻璃基板、黑色矩阵基板和显示面板
EP0049799A2 (en) Photomask blank and photomask
JP3351892B2 (ja) ハーフトーン位相シフトフォトマスク及びハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクス
CN114538787A (zh) 玻璃正面蚀刻电镀方法
JP2002049047A (ja) 透明導電膜成膜装置
JP2017181544A (ja) 表示装置製造用位相シフトマスクの製造方法
JP4661287B2 (ja) ガラス部材とその製造方法、それを用いた読取装置および画像形成装置
JP2010080358A (ja) 透明導電膜付基板、及びそれを用いた表示素子及び太陽電池
WO2023101299A1 (ko) 시각적 내부 거칠기를 가지는 유리 및 이의 제조방법
Ohsaki et al. Low resistance AR stack including silver layer
CN103718230B (zh) 便携式设备用盖板玻璃及其制造方法
US6140631A (en) Photosensor for use in electrophotography
JP2007188707A (ja) 透明導電膜及びその製造方法、並びにタッチパネル
US20070269589A1 (en) Method of forming a patterned conductive structure
JPH07261375A (ja) リソグラフィー用マスクブランク及びリソグラフィー用マスク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080128

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20091006