JP2002328333A - 波面制御型表示装置及び撮像再生方法 - Google Patents

波面制御型表示装置及び撮像再生方法

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JP2002328333A
JP2002328333A JP2001131213A JP2001131213A JP2002328333A JP 2002328333 A JP2002328333 A JP 2002328333A JP 2001131213 A JP2001131213 A JP 2001131213A JP 2001131213 A JP2001131213 A JP 2001131213A JP 2002328333 A JP2002328333 A JP 2002328333A
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wavefront
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裕隆 赤尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の立体視に主要な機能を果たす両眼視差
を容易にとれるような機構とし、且つ画像の高精細化に
も寄与する表示装置とその表示装置に好適な撮像再生方
法を提供する。 【解決手段】 複数の発光画素を二次元状に並べて構成
される二次元画像表示部11と、前記二次元画像表示部
11に対向して配置され表示すべき画像情報についての
奥行き情報に基づき複数個の前記発光画素の発光領域に
対応した前記二次元画像表示部11からの表示波面を同
時に波面制御する波面制御領域15を走査する波面制御
部12によって表示装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は奥行き感を伴う立体
画像を出力するための波面制御型表示装置とそのような
波面制御型表示装置を用いた撮像再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の立体画像を再生する技術
としては、両眼視差方式、バリフォーカルミラー方式、
ホログラフィ方式が知られている。両眼視差方式には、
さらに眼鏡を使用する方式と使用しない方式が存在する
が、いずれも左右眼用の画像を独立に左・右眼に入力
し、人間の脳の生理的機能により立体感を生じさせるも
のである。眼鏡を使用する方式には、赤・青フィルタ方
式、偏光フィルタ方式、時分割シャッタ式がある。赤・
青フイルタ方式は、眼鏡の左右眼部に各々赤と青のフィ
ルタを貼るとともに、左右眼用の画像を各々赤と青で表
示することにより、左右眼用の画像を独立に眼に入力す
るものだが、カラー化が困難である。
【0003】偏光フィルタ方式は、眼鏡の左右眼部に異
なる方向の偏光フィルタを貼るとともに、これに対応し
て2台のCRTに偏光フィルタを貼り、2台のCRT各々に左
右眼用の画像を表示して、立体感を得るものである。ま
た、時分割シャッタ方式は、インターレース付き画像表
示の奇数・偶数フレームに各々左右眼用の画像を表示
し、眼鏡の左右眼部をフレームの切り替えに同期させて
開閉することにより左右画像を独立して各々の眼に入力
して立体感を得るものである。
【0004】両方式はフルカラー動画表示が可能である
が、眼鏡を用いる方式共通の欠点として眼鏡を装着する
ことの煩わしさがある。また、立体TV会議や立体TV電話
等の人対人のサービスへの適用を考えると、互いに眼鏡
をかけた不自然さを感じる欠点がある。
【0005】両眼視差方式における眼鏡を用いない方式
としては、レンティキュラーレンズを用いるものがあ
る。このレンティキュラーレンズを用いる場合では、か
まぼこ形の凸レンズを多数並べたものを利用して、左右
眼用の画像を独立して左右眼に入力するものだが、頭の
位置を僅かに動かすことにより、画像の不連続性を感じ
たり、立体感が得られなくなるという欠点がある。バリ
フォーカルミラー方式は、映像系で焦点可変鏡の焦点を
高周波で変化させ、この状態で撮像を行い、再生系で撮
像系の焦点の変化に同期させて焦点を変化させ、これを
観察すれば、焦点の合う面が奥行き方向に高速に変化し
ているので、立体像を見ることができる。本方式の欠点
は、焦点の合う面と合わない面が重なって表示されるた
め、鮮明さに欠けることと、光学系の装置構成が大きく
なることである。
【0006】ホログラフィ方式は、レーザー光を2分し
て一方を対象物に照射するとともに、他方を参照光とし
て利用し、対象物の回折光との干渉縞をホログラムに記
録し、再生系において参照光を照射することにより立体
像を得るものである。このホログラフィ方式は、実体性
は高いものの、カラー動画と実時間記録が難しく、被写
体が自然物であり、大きなものであったりすると記録が
できないという欠点がある。
【0007】また、この種の立体画像出力装置として、
例えば特許第2585614号公報に記載される装置が
知られており、この装置では発光素子からの光の焦点距
離を制御する焦点可変凸レンズが各発光素子の前に配置
され、色彩情報と共に伝送される距離情報によって焦点
可変凸レンズを制御するように構成されている。また、
他の立体画像出力装置としては、例えば特開平5−14
2511号公報に記載されるディスプレイ装置が知られ
ており、このディスプレイ装置では平面型ディスプレイ
を形成する少なくとも1画素からなるドットごとに、ド
ットの前方に微小なレンズをそれぞれ設けた構造とされ
る。さらに、特開2000−261833号公報に記載
される三次元表示装置では、発光素子を縦横に配列した
二次元カラーディスプレイ部と、その各発光素子に対応
した位置に配設される焦点可変レンズを組み合わせて立
体画像を表示するように構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特許第2585614
号公報に記載される立体画像出力装置、特開平5−14
2511号公報に記載されるディスプレイ装置及び特開
2000−261833号公報に記載される三次元表示
装置など各立体画像表示装置では、発光素子などからの
光を画素ごと若しくは素子ごとに焦点可変レンズなど制
御し、結像位置を変えて立体視を実現するように構成さ
れている。
【0009】しかしながら、このような各立体画像表示
装置では、発光素子などからの光を画素ごと若しくは素
子ごとに制御するために、両眼視差を取るのが容易では
ないと言う問題が生ずる。一般に両眼視差は両面に同時
に像の光線が入ることで得られるが、微小レンズのよう
にその開口瞳が小さいものでは、両眼に同時に光線を入
射させるのが困難であり、立体的な感覚を作り出す像の
最大飛び出し距離も小さくなってしまう。更に、画像の
高精細化を図った場合では、個々の画素自体のサイズも
小さくなるが、同時に隣接する画素間のスペースも小さ
くなり、微小な焦点可変レンズを画素ごとに駆動するに
はスペースが狭すぎることになる。このため焦点可変レ
ンズを制御するための電極などに制約が生じ、画像の高
精細化には実際上は限界がある。
【0010】そこで本発明は上述の技術的な課題に鑑
み、画像の立体視に主要な機能を果たす両眼視差を容易
にとれるような機構とし、且つ画像の高精細化にも寄与
する表示装置とその表示装置に好適な撮像再生方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明の波面制御型表示装置は複数の発光画素を二
次元状に並べて構成される二次元画像表示部と、前記二
次元画像表示部に対向して配置され表示すべき画像情報
についての奥行き情報に基づき複数個の前記発光画素の
発光領域に対応した前記二次元画像表示部からの表示波
面を同時に波面制御する波面制御領域を走査する波面制
御部とからなることを特徴とする。
【0012】前記波面制御型表示装置において、波面制
御部は液晶レンズ構造とすることができ、このような液
晶レンズ構造としては微小液晶セルをマトリクス状に配
列し、且つ前記微小液晶セルの屈折率を変化させる構造
であっても良い。また、本発明においては、波面制御部
の波面制御領域は線順次若しくは点順次方式で駆動でき
る。
【0013】本発明の波面制御型表示装置によれば、二
次元画像表示部で画像情報に基づく表示波面が生成さ
れ、その表示波面が波面制御部で制御される。本発明の
波面制御型表示装置の波面制御部は、複数個の前記発光
画素の発光領域に対応した波面制御領域を走査するよう
に動作する。波面制御領域は表示波面の一部を同時に制
御する領域であるが、複数個の発光画素の発光領域に対
応することから、1つの発光画素あたりの領域よりは広
い領域を制御することになり、このような広い領域につ
いて波面制御することによって両眼視差が得られ易くな
る。波面制御の方法については、例えば所要のレンズを
用いる場合では屈折率や曲率を変化させてレンズの焦点
位置を移動させる方法や、レンズの位置を移動させて二
次元画像表示部との相対距離を変化させる方法が挙げら
れるが、例えば液晶レンズを用いた場合では印加する電
圧を変えることで波面制御が可能であり、且つ走査も可
能である。レンズの焦点距離を移動させる場合、例えば
結像位置が当該表示装置よりも手前に制御された時に手
前側に発光画素があるように映し出され、逆に結像位置
が当該表示装置よりも奥側に制御された時に奥側に発光
画素があるように映し出されることになる。
【0014】また、本発明の他の波面制御型表示装置
は、複数の発光画素を二次元状に並べて構成される二次
元画像表示部と、前記二次元画像表示部に対向して配置
され表示すべき画像情報についての奥行き情報に基づき
前記二次元画像表示部からの表示波面を同時に波面制御
する波面制御部とを有し、前記波面制御部は複数の凹面
鏡と、奥行き情報に基づきこれら凹面鏡の反射波面を制
御する凹面鏡制御部とを有することを特徴とする。
【0015】この波面制御型表示装置では、波面制御部
が複数の凹面鏡と奥行き情報に基づきこれら凹面鏡の反
射波面を制御する凹面鏡制御部からなり、前記凹面鏡の
表面で二次元画像表示部からの光が反射して、凹面鏡の
集光機能に応じて結像する。この時、各凹面鏡は奥行き
情報に基づきその反射波面が制御されており、例えば結
像位置が当該表示装置よりも手前に制御された時に手前
側に発光画素があるように映し出され、逆に結像位置が
当該表示装置よりも奥側に制御された時に奥側に発光画
素があるように映し出されることになる。
【0016】また、本発明の波面制御型表示装置は、複
数の発光画素を二次元状に並べて構成される二次元画像
表示部と、前記二次元画像表示部に対向して配置され表
示すべき画像情報についての奥行き情報に基づき複数個
の前記発光画素の発光領域に対応した前記二次元画像表
示部からの表示波面を同時に波面制御する波面制御領域
を走査する波面制御部とを有し、前記波面制御領域の焦
点距離をf、前記波面制御領域と前記二次元画像表示部
の間の距離をs、前記波面制御領域の径をD、両眼の間
の距離をE、当該表示装置を見る者と当該表示装置の間
の距離をyとすると、式fs(E+D)≦Dy(s−
f)を満たすことを特徴とする。
【0017】本発明の波面制御型表示装置において、二
次元画像表示部と波面制御部は、上述の他の波面制御型
表示装置と同様に動作して、前記式fs(E+D)≦D
y(s−f)を満たす場合には、両眼視差をとることが
でき、両目の間の微小視差によって奥行き感が得られる
画像が提供される。
【0018】また、本発明は撮像再生方法にかかるもの
でもあり、本発明の撮像再生方法は、撮像時に被写体に
ついての画像情報と共に該被写体までの距離情報を信号
化し、再生時に前記画像情報とともに前記距離情報の値
に応じた画像飛び出し距離を算出し、その算出された画
像飛び出し距離に応じて波面制御を行うことを特徴とす
る。
【0019】本発明の撮像再生方法では、三次元画像を
表示するために、予め撮像時に被写体についての画像情
報だけではなく該被写体までの距離情報をも記録する。
その距離情報は再生時には波面制御部などの制御に使用
されることから、被写体についての画像情報を三次元化
できる。
【0020】本発明の更に他の波面制御型表示装置は、
画像情報と共に奥行き情報に基づく表示画面の波面制御
を行う波面制御型表示装置において、複数の発光画素を
二次元状に並べて構成される二次元画像表示部と、前記
二次元画像表示部に対向して配置され表示すべき画像情
報についての奥行き情報に基づき複数個の前記発光画素
の発光領域に対応した前記二次元画像表示部からの表示
波面を同時に波面制御する波面制御領域を走査する波面
制御部とを有し、前記波面制御領域の法線方向は対応す
る前記発光画素の発光領域の光軸方向と角度を有するよ
うに制御されることを特徴とする。
【0021】この波面制御型表示装置では、波面制御領
域の法線方向と前記発光画素の発光領域の光軸は同じ方
向とはならず、所要の角度を以って交差する関係とされ
る。このため当該表示装置を見る者が認識可能な有効画
角を広くとることができ、前述の三次元画像の表示機能
と合わせて視野に広がる画像が表示されることになる。
【0022】本発明のまた更に他の波面制御型表示装置
は、複数の発光画素を二次元状に並べて構成される二次
元画像表示部と、前記二次元画像表示部に対向して配置
され表示すべき画像情報についての奥行き情報に基づき
複数個の前記発光画素の発光領域に対応した前記二次元
画像表示部からの表示波面を同時に波面制御する波面制
御領域を走査する波面制御部と、前記波面制御部からの
表示波面を反射する鏡とを有することを特徴とする。
【0023】当該波面制御型表示装置によれば、前記鏡
によって波面制御部からの波面制御された表示波面が反
射されることになり、鏡で反射した画像を当該表示装置
を見る者に表示することができる。鏡で反射させた場合
でも、奥行き情報に基づいて処理された映像は見る者に
対して奥行き感を伴って表示される。
【0024】さらに、本発明の波面制御型表示装置は、
複数の発光画素を使用者の頭部を覆うドーム状若しくは
円筒状に並べて構成される二次元画像表示部と、前記二
次元画像表示部に対向して配置され表示すべき画像情報
についての奥行き情報に基づき複数個の前記発光画素の
発光領域に対応した前記二次元画像表示部からの表示波
面を同時に波面制御する波面制御領域を走査する波面制
御部と有することを特徴とする。
【0025】この波面制御型表示装置によれば、使用者
の頭部を覆うドーム状若しくは円筒状に複数の発光画素
が並べて構成され、画面の角度を大きくとることがで
き、且つ当該表示装置を作動させている状態での消費電
力を大型スクリーン装置などと比較して大幅に抑えるこ
とも可能である。本発明の波面制御型表示装置では二次
元画像表示部と該二次元画像表示部からの表示波面を同
時に波面制御する波面制御領域を走査する波面制御部と
の組み合わせから、使用者の頭部に近い位置に表示部が
存在していても、そこから比較的遠い位置に映像が映る
ように調整することもでき、且つ大画面のスクリーンと
同等の臨場感を作り出すことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の波面制御型表示装置の好
適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
先ず、図1は液晶レンズ構造を有する波面制御型表示装
置の概略図であり、その主な構成要素は複数の発光画素
を二次元状に並べて構成される二次元画像表示部11
と、前記二次元画像表示部に対向して配置され表示すべ
き画像情報についての奥行き情報に基づき複数個の前記
発光画素の発光領域に対応した前記二次元画像表示部か
らの表示波面を同時に波面制御する波面制御領域15を
走査する波面制御部12とからなる。
【0027】二次元画像表示部11は面状に展開する複
数の発光画素を有しており、発光画素が例えば半導体発
光素子からなる構造であっても良く、その他のディスプ
レイ、例えば液晶表示装置(LCD)、有機エレクトロ
ルミネセント(EL)表示装置、電界発光(Field Emi
ssion)表示装置、プラズマ・ディスプレイ・パネル
(PDP)表示装置、エレクトロクロミック表示装置、
蛍光表示管を用いた表示装置、陰極線管(CRT)を用
いた表示装置などの種々の表示装置、プロジェクター、
その他のデバイスを用いることができるが、波面制御部
12によって波面が制御可能な表示装置であれば特に限
定されるものではない。
【0028】発光画素は例えば二次元画像表示部11が
アレイ状に配列される発光素子からなる場合では、その
個々の発光素子又はカラー表示の場合には三原色に対応
した三発光色の発光素子の組み合わせからなり、このよ
うな発光画素が表示部11上に複数個並べられて当該二
次元画像表示部11が構成される。二次元画像表示部1
1には所要の画像信号が供給されており、この画像信号
は二次元画像表示部駆動回路13に送られる。二次元画
像表示部駆動回路13は二次元画像表示部11を駆動す
るための回路構成であり、クロック信号や必要な場合に
は同期信号を輝度信号、色差信号などから映像信号とと
もに二次元画像表示部11に送る。本実施形態の波面制
御型表示装置10に供給される信号はこのような画像情
報についての信号に加えて、三次元表示を実現するため
の奥行き情報についての信号が含まれる。
【0029】二次元画像表示部11は液晶レンズ構造を
有する波面制御部12に対向する構造とされている。波
面制御部12はマトリクス状に配列された複数個の微小
セル16を有し、各微小セル16に印加される電圧を変
えることで、微小セル16の屈折率を制御できる構造と
されている。すなわち、微小セル16は、それぞれ透明
電極に挟まれた液晶構造を有しており、任意の範囲内の
中心部付近の微小セル16の屈折率を高くして周辺部の
微小セル16の屈折率を低くすることでレンズの如き機
能を生じ、いわゆる液晶レンズとして機能する。このよ
うに液晶装置をレンズとして活用することは、例えば
“MODEL LIQUID CRYSTAL WAV
EFRONT CORRECTORS”G.D.Lov
e etal.,2nd International
Workshop on Adaptive Opt
ics for Industry and Medi
cine,Durham,12−16th July,
1999の予稿にもLCレンズとしてその記載がある。
【0030】波面制御部12の動作について説明する
と、一例として中心部で屈折率が高くなり且つ周辺部で
屈折率が低くなるような波面制御領域15がその領域内
の存在する微小セル16を駆動することで形成され、そ
の波面制御領域15が当該波面制御部12の全域を走査
するように駆動される。走査方法は特に限定されるもの
ではないが、インターレース方式、ノンインターレース
方式の他、後述するような点順次や線順次など種々の方
式を用いることができる。波面制御部12上の波面制御
領域15は、1箇所に限らず微小セル16に印加する電
圧を工夫することで複数箇所同時に設けても良く、その
場合には複数の波面制御領域が同時に制御される。波面
制御領域15は、その部分を透過する光に対するレンズ
として機能する領域であり、当該波面制御領域15を透
過する表示波面の位相を屈折率によってずらして制御す
る領域である。波面制御領域15が走査される際、これ
と同期して二次元画像表示部11の発光画素も走査され
るようにすることができる。すなわち、二次元画像表示
部11の発光画素を、波面制御部12の走査方式に合せ
て、インターレース方式、ノンインターレース方式の
他、後述するような点順次や線順次など種々の方式で走
査し、発光している単数若しくは複数の発光画素と波面
制御領域15とが同期するような方式で動作させること
が好ましい。また、波面制御部12と二次元画像表示部
11の間の距離を画素毎或いは波面制御領域15に応じ
て変化させるような構造をとっても良い。
【0031】この波面制御部12の波面制御領域15
は、二次元画像表示部11の複数個の発光画素の発光領
域に対応したサイズとされ、二次元画像表示部11の発
光画素よりは十分に大きな領域とされている。これはレ
ンズとして機能する領域のサイズ大きいほど、両眼視差
の関係から画像の飛び出し量を大きくすることができる
ことからであり、画素サイズよりは大きな波面制御領域
15を駆動することで、画像の飛び出し量の大きな立体
映像を生成できる。波面制御領域15の形状は、円形と
することができるが、正四角形状や、後述するような楕
円形状、矩形状、菱形状などの他の形状であっても良
い。
【0032】波面制御部12には、波面制御部制御回路
14を介して波面制御領域15を形成するための制御信
号が供給される。波面制御部制御回路14には三次元表
示を実現するための奥行き情報についての信号が供給さ
れ、図示しない再生装置などからの信号に基づき所要の
動作を行う。
【0033】本実施形態の波面制御型表示装置は、主な
特徴の1つに両眼視差を大きくとることができると言う
点がある。図2はこの両眼視差を説明するための模式図
である。図2において、レンズ(波面制御領域)の位置
を基準とし、レンズから像までの距離をx、レンズから
表示装置を見る者までの距離をy、レンズの径をD、両
眼の間の距離をE、そして表示装置を見る者の位置での
像を見ることのできる範囲をzとすると、像の位置を中
心に左右の三角形が相似形となるので、次の式が成立す
る。
【0034】式1 D:x = z:(y−x)
【0035】ここで、両目で見ることのできる条件はz
≧Eであるから、前記の式をxについての式に変換する
と、
【0036】式2 x ≦ D・y(65+D)
【0037】で表される。
【0038】この式2を基礎としながら、最大飛び出し
量(距離)xmax を求めた計算結果が図3である。この
図3において、レンズから表示装置を見る者までの距離
yを1m、2m、3m、5mの各距離にした場合のレン
ズの直径(D)が大きくなるにしたがって最大飛び出し
量(距離)xmaxも大きくなる傾向を示している。最大
飛び出し量(距離)xmaxは立体表示をするための奥行
き感を出すためのパラメーターであり、最大飛び出し量
(距離)xmaxが大きい方が立体表示がし易いものとな
る。レンズから表示装置を見る者までの距離yが同じ場
合では、レンズの直径(D)が大きくなるほど最大飛び
出し量(距離)xmaxが大きくなり、逆にレンズの直径
(D)が小さくなるほど最大飛び出し量(距離)xmax
が小さくなる。例えば、レンズの直径(D)が1mm程
度で結像した像を距離yが3mの位置で見た場合では、
およそ4.5cmまでの像の飛び出しが可能となり、両
眼視差による奥行き感が得られることになる。大きなレ
ンズを用いることで、飛び出し量は大きくなり、例え
ば、Dが3cm程度のレンズを使用した場合では、図3
のグラフから、レンズから表示装置を見る者までの距離
yが3mの場合、飛び出し量xは1m程度となってかな
り大きな視差が得られることになる。
【0039】ところで、両眼視差が可能である範囲は前
記式2を満足する範囲である。この式2を波面制御領域
(レンズ)の焦点距離をf、波面制御領域と二次元画像
表示部の間の距離をsとして書き改めた場合では、一般
にf−1=s−1+x−1であることから、前記式2の
条件は、
【0040】式3 fs(E+D)≦ Dy(s−f)
【0041】に変換することができ、この式3を満たす
ように波面制御領域(レンズ)の焦点距離f、波面制御
領域と二次元画像表示部の間の距離sを設定すれば、奥
行き感を伴う両眼視差が得られることになる。
【0042】図4と図5は発光点に対して比較的大きな
サイズの波面制御領域を同期して走査して良好な両眼視
差を得る構成を示す図である。前述のように、発光点若
しくは発光画素のサイズに対して比較的大きなサイズの
波面制御領域を結像に用いた場合では、その両眼視差を
大きくすることが可能である。図4は点順次に発光点2
4が水平方向に移動する例を示しており、水平方向に一
列に発光ダイオード20が並べられて発光ダイオード列
を構成している。この発光ダイオード列に対向するよう
にレンズ21が設けられており、このレンズ21は機械
的な方法、若しくは液晶レンズの場合は微小セルに印加
する電圧を順次変化させることで、レンズが移動するよ
うな効果を持たせることができる。
【0043】この発光ダイオード列の中の発光点24か
らの光はその射出側に位置するレンズ21に入射し、そ
のレンズ21の集光機能によって像22が見る者の側に
形成される。図4では、その見る者の左目23Lと右目
23Rを模式的に示している。
【0044】発光ダイオード列の中の発光点24は点順
次に走査されており、発光点24が水平方向である図中
矢印方向に移動すると、これと同期する形で同じく水平
方向にレンズ21も移動する。図5は発光点24の水平
移動とレンズ21の同期した移動を模式的に示す側面図
であり、発光点24が矢印方向に移動するのに伴ってレ
ンズ21も同方向に移動するように構成されている。
【0045】レンズ21は本実施形態の波面制御領域に
該当することから、このように発光点24のサイズに比
べて大きなサイズのレンズ21を使用することで、両眼
視差をとることが容易となり、三次元画像を良好に表示
することが可能となる。また、発光ダイオード列をマト
リクス状とした上で発光点24及び対応する波面制御領
域を同期させ、インターレース或いはノンインターレー
スなどの方式を用いて画面上の各点を順次走査すること
で動画にも対応した立体画像の表示が可能となる。
【0046】図6、図7及び図8は他の発光点の駆動方
式を模式的に説明するための図である。図6の例では、
発光点31が垂直方向の概ね二列に亘っており、それそ
れ水平方向に移動するように走査される。各発光点31
の垂直列の中では、1つおきに発光点31と非発光点3
3を繰り返すパターンとされ、各発光点31に対応した
各波面制御領域32の端部同士が非発光点33上で接
し、重なり、或いは近くに存在するように並べて配置さ
れる。移動方向において、2列の発光点31の垂直列が
平行移動するため、発光点31は同じ水平列の発光点に
ついては、一方の発光点31だけが光を出力するように
構成される。換言すると、各波面制御領域32の大きさ
を範囲として、水平方向、垂直方向に隣接する画素から
の発光がないように制御される。また、2列の発光点3
1の垂直列の間には非発光点33だけの発光しない垂直
列が存在するが、水平間隔が発光点及び非発光点の間隔
よりも広く、直ぐに隣接する垂直列の各波面制御領域3
2の端部同士が大きく重ならない場合には、隣接する2
列の制直列を移動させるように走査しても良い。ここで
発光点31の移動とは発光する位置についての移動であ
り、発光している素子自体の移動ではない。また、各波
面制御領域32の移動とは、例えば液晶レンズとして機
能する位置が変化することであり、液晶レンズを構成す
る微小セル自体の位置は変わらない。
【0047】このような構成の図6の波面制御型表示装
置は、非発光点33上にも広がるように延在され発光点
31のサイズに比べて大きなサイズの各波面制御領域3
2を用いることで、両眼視差をとることが容易となり、
三次元画像を良好に表示することが可能となる。また、
発光点31及び対応する波面制御領域32を同期させて
走査することで動画にも対応した立体画像の表示が可能
となる。また、点順次駆動方式に比べて1つの発光画素
にかかる時間を長くとることができ、仮にレンズ側であ
る各波面制御領域32の応答時間が長い場合でも十分な
画像の再生が可能になる。この波面制御型表示装置の各
波面制御領域32を更に大きくした場合では、大きくさ
れたサイズに応じた個数の画素を非発光点とするような
制御を行えば良く、線順次駆動も水平方向の移動だけで
はなく、垂直方向や斜め方向などであっても良い。
【0048】図7の波面制御型表示装置は、図6の装置
と同じく水平方向に移動する波面制御領域42によって
波面の制御を行う例であるが、波面制御領域42は垂直
方向を短軸とし水平方向を長軸とする楕円形状若しくは
長方形状とされる。詳しくは、複数の波面制御領域42
は垂直方向に並ぶように形成され、発光点41を中心に
水平方向に隣接する非発光点43までも範囲とするよう
な領域であり、垂直方向では画素ごとに区分されてい
る。
【0049】このような複数の波面制御領域42は、順
次矢印方向である水平方向に移動するように制御され
る。波面制御領域42の形状から、当該波面制御領域4
2は水平方向には大きなサイズのレンズを構成すること
になり、このため、両眼視差をとることが容易となり、
三次元画像を良好に表示することが可能となる。また、
発光点41及び対応する波面制御領域42を同期させて
走査することで動画にも対応した立体画像の表示が可能
となる。また、図6の駆動方法に比べて駆動信号を簡略
なものにでき、周辺回路の簡素化も可能である。
【0050】図8は更に他の駆動方式で駆動される波面
制御型表示装置の例を示す。本例は点順次駆動方式の1
種であるが、波面制御部の波面制御領域は、二次元画像
表示部の表示面を区分した微小区分内の発光画素に対応
して点順次駆動される例である。微小区分は縦横2画素
ずつの組からなる構成とされ、画面上はこのような微小
区分がマトリクス状に配列される。図8において、点順
次の駆動は(a)から(d)まで、区分内の4つの点をN
字状に順次点灯させていくように駆動されるものであ
り、区分内の4つの点のうちの1つは発光点51とされ
他の3点は非発光点53とされる。
【0051】このような駆動方法によれば、(a)から
(d)までの4つの発光パターンで1周期となり、全発
光画素に対する波面制御が行われる。なお、(a)から
(d)の順番は一例であり、(a)から(d)までの発
光パターンを異なる順序で走査しても良い。例えば、1
周期の時間が60分の1秒である場合、1パターンにか
かる時間は240分の1秒で良いことになり、ミリ秒オ
ーダーの応答速度の波面制御部を使用して十分な動作を
することになる。
【0052】なお、図8に示す例は4つの発光パターン
で1周期が完了する例であるが、そのパターン数につい
ては任意に設定できるものであり、色毎の発光を行うよ
うにすることもでき、ライン毎に異なる制御を行っても
良い。また、画面を幾つかの部分に区切り、それぞれ異
なる駆動方法を使用することもできる。例えば、遠近感
が最も必要な画面上の或る区画には図7に示すような楕
円パターンの波面制御領域を形成し、遠近感が重要でな
い区画には、円形状の波面制御領域を形成するような制
御も可能である。
【0053】このような波面制御領域の駆動は、次に説
明する液晶レンズを用いることで行われる。図9は当該
波面制御型表示装置の波面制御部の構造例を示す図であ
る。(a)は液晶レンズ部の断面図であり、(b)は波
面制御部の平面図である。
【0054】波面制御部61は、液晶層65を挟んで対
向する一対の透明電極63、64と、液晶層65と透明
電極63,64間にそれぞれ配される配向膜などからな
る微小セル62を複数個マトリクス状に配列した構造を
有しており、これらの微小セル62が透明基板66、6
7の間に挟まれて形成される。各透明電極63、64に
は、信号線などが接続し或いは電極自体が信号線とさ
れ、当該波面制御部61は単純マトリクス構造或いは選
択用のTFT(薄膜トランジスタ)を備えたアクティブ
マトリクス構造となっている。
【0055】このように構成された波面制御部61は、
電圧を印加した場合に、その印加電圧に応じて液晶層6
5部分の屈折率を変化させることができる。波面制御部
61は局所的に1つの箇所或いは複数箇所で同時に液晶
レンズからなる波面制御領域68として機能させるべ
く、一例として図9に示すように中心付近の微小セル6
2の屈折率が高くなり、周辺側に近づくにつれて徐々に
屈折率が低くなるような屈折率の分布を持った領域を有
する。図示の例では、中心部分の屈折率nが最も高い
屈折率とされ、7段階に順に屈折率が低くなり、最外部
の屈折率nが最も低い屈折率を示す。図9に示す例で
は、中心側の屈折率が高く周辺部の屈折率が低いように
構成されていて、液晶レンズとして凸レンズと同様に機
能する。すなわち奥行き感としては見る者の奥側で結像
される像を形成する。これとは逆に、中心側の屈折率が
低く周辺部の屈折率が高いように構成される場合では、
液晶レンズとして凹レンズと同様に機能する。中心部分
の屈折率nを低めに設定した場合では、中心部分の屈
折率nを高めに設定した場合に比べてより手前側で結
像される像を形成できる。
【0056】液晶レンズとして機能する波面制御領域6
8は波面制御部61上で走査される。その走査方式は特
に限定されるものではないが、図6乃至図8に示したよ
うな点順次駆動や線順次駆動、或いはこれらに順ずる駆
動方式により波面制御領域68を走査できる。
【0057】このような液晶レンズを強誘電性液晶(F
LC)材料にて構成した場合には、屈折率としてn=
1.489〜1.666の範囲で変化可能となる。これ
は複屈折によって光の電界方向または入射方向によって
液晶の屈折率が異なることによる。図10に示すよう
に、液晶レンズの中心部分の屈折率をn=1.489〜
1.666とし、その周辺部分の屈折率をn=1.48
9とする。このように中心部の屈折率が周辺部のそれよ
り大きい場合、液晶中の光の速度vはv=c/n(cは
真空中の光速)になるため、中心を透過した光は周辺を
通過した光に比べて遅れを生ずることになる。図10に
模式的に示すように、液晶レンズを構成する波面制御部
71は中心から外側に領域72a、72b、72c、7
2dの各領域が存在し、それぞれ屈折率がn、n
、nであれば、一例として領域72dの屈折率n
が1.489に設定され、領域72aの屈折率n
1.666に設定され、領域72b、72cの各屈折率
、nはこれらの中間的な値を取る。このような屈
折率の分布から波面制御部71に入射する平面波は中心
部側で屈折率が大きいために、出射側で球面波に変換さ
れ、焦点距離の位置に集光する。
【0058】ここで、中心部の領域72aの屈折率n
が1.666に設定され、液晶層の厚みを2μmとし、
レンズの直径を1cmとして焦点距離を算出すると、波
面制御部71の中心部と周辺部の位相差はΔφ=0.7
1×2πとなるので、焦点距離fは3.5x10cm
となる(f=πD/4Δφλ)。
【0059】焦点距離が極めて長い場合、発光画素から
波面制御部までの距離との関係によっては、最大飛び出
し距離を大きくとることが困難となり、奥行き感を得る
ことが困難となる。そこで焦点距離を例えば10cm以
下までに短くする方法として液晶層を厚くする方法があ
り、そのための1つの手段として図11に示すような多
層構造にすることができる。図11に示す多層構造の液
晶装置は、透明な下側基体81上にITO膜などからな
る下側透明電極83が形成され、一方透明な上側基体8
2の下部にITO膜などからなる上側透明電極84が形
成され、これら下側透明電極83と上側透明電極84の
間の空間には、中間層86と液晶層85が交互に繰り返
し設けられている。
【0060】このような多層構造とすることで、各液晶
層85が2μmと薄い場合でも、例えば1000層重ね
ることで全体としての厚みが2000μmになり、焦点
距離で例えばf=3.5cmと短くすることができる。
したがって多層構造とすることで奥行き感を得ることが
容易となる。多層構造の波面制御部を制御する際に、波
面制御領域の中心部と周辺部で屈折率を等しくした場
合、その焦点距離は無限遠方になることから、焦点距離
fは3.5cm〜無限遠の範囲で可変となる。二次元画
像表示部と波面制御部の間の距離をsとし、s=5cm
の値を前述の式3に代入した場合には、画像の飛び出し
距離xとして11.7cm〜無限遠cmまでの変化が可
能であり、また、焦点距離を5cmから無限遠まで変化
させた場合では、画像の引っ込み距離がx=マイナス無
限遠から−5.0cmまで変化できることになる。
【0061】図12は配線方法と波面制御領域に印加す
る電圧の関係を示す図である。波面制御部は、水平方向
を長手方向とする複数の帯状下側透明電極91と、これ
らと垂直な方向を長手方向とする複数の帯状上側透明電
極92とを有しており、これらの電極91、92の間に
液晶層93が形成される。複数の帯状下側透明電極91
は下側透明基板94上に形成され、帯状上側透明電極9
2は上側透明基板95の下に形成されている。この波面
制御部は単純マトリクス構造とされ、上側透明電極92
の1つと帯状下側透明電極91の1つが交差している領
域が1つの微小セルとして機能する。液晶レンズとして
機能する波面制御領域96を形成するため、上側透明電
極92と下側透明電極91に印加される電圧を徐々にV
、V、V、V、Vと五段階に変化させ、特に
上側透明電極92には五段階の正電圧を印加すると共に
下側透明電極91には五段階の負電圧が印加される。上
側透明電極92への五段階の正電圧は波面制御領域96
の中心側で高い電圧とされ周辺側で低い電圧とされる。
また、下側透明電極91への五段階の負電圧は波面制御
領域96の中心側で低い電圧とされ周辺側で高い電圧と
される。このため波面制御領域96のほぼ中心部分の微
小セルでは、最も高い電圧Vと最も低い電圧−V
差電圧が液晶層93に印加することになり、そこから順
に外側に移るに従って徐々に印加電圧が低くなってい
る。液晶層93は印加される電圧の大きさに応じて屈折
率が変化するように構成されていることから、波面制御
領域96のほぼ中心部分の微小セルが最も高い屈折率n
によって当該波面制御部を透過する光の波面を制御
し、その中心の微小セルから周囲側の微小セルに行くに
従って屈折率n〜nと徐々に低くされる。このよう
にして屈折率の分布が中心部で高く周辺部で低い凸レン
ズの如き分布となるため、波面制御領域96は液晶レン
ズとして機能し、その波面を集光するように制御して、
立体画像を表示させることができる。
【0062】波面制御部を液晶レンズを用いて構成する
例については以上に説明したが、波面制御部を他の波面
制御手段によって構成することも可能であり、そのよう
な構成としては凹面鏡を用いることができる。図13は
凹面鏡を用いた波面制御型表示装置の例を示す図であ
る。発光ダイオードなどからなる発光点101は、所定
の間隔を空けてマトリクス状に配列されており、1つの
発光点101に対応するように凹面鏡102が同様にマ
トリクス状に配列されている。各凹面鏡102は例えば
合成樹脂材料などの比較的に柔らかい材料に銀、アルミ
ニウムなどの反射率を高めるコーティングを施して構成
される。各凹面鏡102には該凹面鏡102の反射波面
を制御する凹面鏡制御部として圧電素子103がそれぞ
れ配設されており、これら圧電素子103が供給される
信号に応じて凹面鏡101の曲率半径を変えるアクチュ
エーターとして作動する。例えば、或る発光点101に
対する奥行き情報として、遠い位置にあるように像を表
示するためには、対応する凹面鏡101の圧電素子10
3に信号を供給して該凹面鏡101の曲率半径を小さく
して、像104の位置が凹面鏡101側に近づくように
制御する。また、近い位置にあるように像を表示するた
めには、対応する凹面鏡101の圧電素子103に信号
を供給して該凹面鏡101の曲率半径を大きくし、像1
04の位置が凹面鏡101から遠ざかり、見る者105
に近づくように制御する。
【0063】なお、このような波面制御部を凹面鏡10
2によって構成する例においても、アクチュエーターと
して作動する圧電素子103の代わりに、凹面鏡102
と発光点101の間の相対距離を変化させるアクチュエ
ーターを設けることも可能である。また、アクチュエー
ターで可動となる部材は凹面鏡102と発光点101の
どちらであっても良い。
【0064】上述の如き波面制御型表示装置は、奥行き
情報に基づく制御が行われるために、通常の画像情報に
加えて奥行き情報も含んだ信号によって駆動される。従
って、被写体についての撮像時に通常の画像情報に加え
て奥行き情報も取り込む必要があり、このような奥行き
情報も含めた情報で画像を表示することで、本発明にか
かる波面制御型表示装置を立体画像表示装置として使用
することができる。
【0065】図14は撮像時の位置関係(a)と再生時
の位置関係(b)を示す模式図である。先ず、撮像時に
おいて、撮像位置111では所要の撮像素子または撮像
管を用いて二次元画像情報としての光情報が電気信号に
変換される。例えば、図14のように、球状被写体11
3と筐体被写体112がそれぞれ撮像位置111までの
距離が異なるように置かれている場合、それぞれの球状
被写体113と筐体被写体112までの距離を各画素ご
とに測定し、その距離データx、x、…x も同時
に信号化する。距離の測定は、例えば、赤外線を用いて
測定することも可能であるが、輪郭のボケなどから計算
して算出するようにしても良く、或いは波面の曲率を計
測することで求めても良い。この距離情報と画像情報は
合せて送られ、再生装置や記憶装置で再生若しくは記録
される。このような距離情報を含む情報の記録は静止画
に限らず動画も可能であり、情報処理の容易化のために
複数の画素分をまとめて処理するような手法を用いるこ
ともできる。また、輪郭補正やその他の信号処理を含ま
せることも可能である。
【0066】再生時には、図14の(b)に示すよう
に、本発明にかかる波面制御型表示装置114が再生に
用いられる。波面制御型表示装置114はフラットパネ
ル型であるが、前述の距離情報によって波面制御型表示
装置114の波面制御部が作動して三次元画像を作成す
る。図14の例では球状被写体の像115と筐体被写体
の像116がそれぞれの距離情報に基づき再生される。
【0067】この時、見る者の好みで奥行き感を可変と
することも可能である。すなわち、当該表示装置を見る
者と波面制御型表示装置114の間の距離をZとし、波
面制御型表示装置114が形成する像115、116ま
での距離をy、y、…y とすると、y=x−Zで
表されることになり、yがマイナス符号の場合、画像が
飛び出して表示され、yがプラス符号の場合、画像が引
き込んで表示される。このような制御においては、yの
値を変化させれば奥行き感を変えることができることを
意味する。例えば、当該表示装置を見る者がリモコン操
作によって、yの値を変化させるようにすることがで
き、その場合には見る者の好みで奥行き感を変えられる
ことになる。
【0068】次に、本発明の波面制御型表示装置の幾つ
かの構成例について説明する。図15及び図16は制御
パネル上にレンズが配される波面制御型表示装置120
の例である。複数の発光画素を二次元状に並べて構成さ
れる二次元画像表示部は、シリコンなどの半導体、ガラ
ス、セラミック、合成樹脂などの材料からなる基板12
5の表面上に、マトリクス状に3原色LEDモジュール
122が形成された構成を有する。原色LEDモジュー
ル122は、緑色発光ダイオード123Gと、青色発光
ダイオード123Bと、赤色発光ダイオード123Rと
からなる構成とされ、1つの発光画素を構成する。緑色
発光ダイオード123Gと、青色発光ダイオード123
Bと、赤色発光ダイオード123Rはそれぞれ直径0.
3mm以内の範囲に並べられる。3原色LEDモジュー
ル122は、1mmピッチの間隔で配され、水平方向と
垂直方向で1024個×1000個のアレイを構成す
る。
【0069】このような基板125とマトリクス状に配
列された3原色LEDモジュール122とからなる二次
元画像表示部は、波面制御部を構成する制御パネル12
1に対向する。制御パネル121上には波面制御領域と
なる複数のレンズ124が配列されているが、各レンズ
124は縦横方向に1つおきの画素に対応するように配
列され、レンズ124の配置されない画素部分は非波面
制御領域とされる。レンズ124は直径1mm程度であ
り、対応する3原色LEDモジュール122の光軸に合
せて配される。波面制御部を構成する制御パネル121
は、光の光軸方向である図中p方向に動作可能であり、
レンズ124と3原色LEDモジュール122の間の間
隔sはアクチュエーターなどによって可変である。
【0070】このような波面制御型表示装置120は、
レンズ24の焦点距離をf、レンズ24と前記二次元画
像表示部の間の距離をs、レンズ24の直径をD、両眼
の間の距離をE、当該表示装置を見る者と当該表示装置
の間の距離をyとすると、前記式3すなわちfs(E+
D)≦ Dy(s−f)を満足するように制御される。
レンズ124と前記二次元画像表示部の間の距離sが可
変であるため、レンズ124自体の焦点距離が可変でな
くとも、結像位置を変化させることができ、3原色LE
Dモジュール122の点順次駆動と合せて制御パネル1
21を駆動してレンズ124の位置を制御することで、
所要の立体画像を表示することができる。また、レンズ
124の焦点距離fがレンズ124と前記二次元画像表
示部の間の距離sよりも小さい場合、近くの被写体の像
を表現するときは、レンズ124に対応した画素を用い
て表示画面が形成され、遠くの被写体の像を表現すると
きは、レンズ124に対応しない画素を用いて表示画面
が形成される。逆に、レンズ124の焦点距離fがレン
ズ124と前記二次元画像表示部の間の距離sよりも大
きい場合、近くの被写体の像を表現するときは、レンズ
124に対応しない画素を用いて表示画面が形成され、
遠くの被写体の像を表現するときは、レンズ124に対
応する画素を用いて表示画面が形成される。
【0071】なお、図15、図16の波面制御型表示装
置120では、前記二次元画像表示部の発光手段を発光
ダイオードのアレイとしているが、液晶表示装置や陰極
線管などの他の表示装置を使用しても良い。
【0072】図17及び図18は制御パネル上にレンズ
が配される波面制御型表示装置130の例である。図1
5、図16の波面制御型表示装置120と同様に、複数
の発光画素を二次元状に並べて構成される二次元画像表
示部は、シリコンなどの半導体、ガラス、セラミック、
合成樹脂などの材料からなる基板136の表面上に、マ
トリクス状に3原色LEDモジュール132が形成され
た構成を有する。原色LEDモジュール132は、緑色
発光ダイオード133Gと、青色発光ダイオード133
Bと、赤色発光ダイオード133Rとからなる構成とさ
れ、1つの発光画素を構成する。緑色発光ダイオード1
33Gと、青色発光ダイオード133Bと、赤色発光ダ
イオード133Rはそれぞれ直径0.3mm以内の範囲
に並べられる。3原色LEDモジュール132は、1m
mピッチの間隔で配され、水平方向と垂直方向で102
4個×1000個のアレイを構成する。
【0073】このような基板136とマトリクス状に配
列された3原色LEDモジュール132とからなる二次
元画像表示部は、波面制御部を構成する制御パネル13
1に対向する。制御パネル131上には波面制御領域と
なる複数のレンズが配列されているが、各レンズは焦点
距離の長い第1レンズ134と焦点距離の短い第2レン
ズ135とからなり、第1レンズ134は縦横方向に1
つおきの画素に対応するように配列され、その第1レン
ズ134が配列されない画素の光軸に合うように第2レ
ンズ135が縦横方向に1つおきの画素に対応するよう
に配列される。第1レンズ134、第2レンズ135は
直径1mm程度であり、それぞれ対応する3原色LED
モジュール132の光軸に合せて配される。波面制御部
を構成する制御パネル131は、光の光軸方向である図
中p方向に動作可能であり、第1レンズ134、第2レ
ンズ135と3原色LEDモジュール132の間の間隔
sはアクチュエーターなどによって可変である。
【0074】このような波面制御型表示装置130は、
図15、図16の波面制御型表示装置120と同様に、
レンズの焦点距離をf、レンズと前記二次元画像表示部
の間の距離をs、レンズの直径をD、両眼の間の距離を
E、当該表示装置を見る者と当該表示装置の間の距離を
yとすると、前記式3すなわちfs(E+D)≦ Dy
(s−f)を満足するように制御される。レンズと前記
二次元画像表示部の間の距離sが可変であるため、レン
ズ自体の焦点距離が可変でなくとも、結像位置を変化さ
せることができ、3原色LEDモジュール132の点順
次駆動と合せて制御パネル131を駆動してレンズの位
置を制御することで、所要の立体画像を表示することが
できる。
【0075】また、レンズの焦点距離fがレンズと前記
二次元画像表示部の間の距離sよりも小さい場合、近く
の被写体の像を表現するときは、第2レンズ135に対
応した画素を用いて表示画面が形成され、遠くの被写体
の像を表現するときは、第1レンズ134に対応する画
素を用いて表示画面が形成される。逆に、レンズの焦点
距離fがレンズと前記二次元画像表示部の間の距離sよ
りも大きい場合、近くの被写体の像を表現するときは、
第1レンズ134に対応する画素を用いて表示画面が形
成され、遠くの被写体の像を表現するときは、第2レン
ズ135に対応する画素を用いて表示画面が形成され
る。
【0076】なお、図17、図18の波面制御型表示装
置130では、前記二次元画像表示部の発光手段を発光
ダイオードのアレイとしているが、液晶表示装置や陰極
線管などの他の表示装置を使用しても良いことも、前述
の図15、図16の波面制御型表示装置120と同様で
ある。
【0077】図19及び図20は液晶レンズを用いた波
面制御型表示装置140の例である。図15、図16の
波面制御型表示装置120と同様に、複数の発光画素を
二次元状に並べて構成される二次元画像表示部は、シリ
コンなどの半導体、ガラス、セラミック、合成樹脂など
の材料からなる基板145の表面上に、マトリクス状に
3原色LEDモジュール142が形成された構成を有す
る。原色LEDモジュール142は、緑色発光ダイオー
ド143Gと、青色発光ダイオード143Bと、赤色発
光ダイオード143Rとからなる構成とされ、1つの発
光画素を構成する。緑色発光ダイオード143Gと、青
色発光ダイオード143Bと、赤色発光ダイオード14
3Rはそれぞれ直径0.3mm以内の範囲に並べられ
る。3原色LEDモジュール142は、1mmピッチの
間隔で配され、水平方向と垂直方向で1024個×10
00個のアレイを構成する。
【0078】このような基板145とマトリクス状に配
列された3原色LEDモジュール142とからなる二次
元画像表示部は、波面制御部を構成する液晶装置部14
8に対向する。液晶装置部148は一対の対向する透明
基板141、147に挟まれた液晶層146を有し、液
晶層146に印加する電圧を調整することで、レンズと
して機能する波面制御領域144が形成される。波面制
御領域144は各3原色LEDモジュール142の光軸
上を中心に形成され、3原色LEDモジュール142の
駆動方式に合わせてレンズを駆動するように制御され
る。
【0079】このような波面制御型表示装置140は、
図15、図16の波面制御型表示装置120と同様に、
レンズの焦点距離をf、レンズと前記二次元画像表示部
の間の距離をs、レンズの直径をD、両眼の間の距離を
E、当該表示装置を見る者と当該表示装置の間の距離を
yとすると、前記式3すなわちfs(E+D)≦ Dy
(s−f)を満足するように制御される。液晶レンズ構
造を用いるため、結像位置を変化させることができ、所
要の立体画像を表示することができる。
【0080】なお、図19、図20の波面制御型表示装
置140では、前記二次元画像表示部の発光手段を発光
ダイオードのアレイとしているが、液晶表示装置や陰極
線管などの他の表示装置を使用しても良いことも、前述
の図15、図16の波面制御型表示装置120と同様で
ある。
【0081】図21及び図22は液晶レンズを用いた波
面制御型表示装置150の例である。図15、図16の
波面制御型表示装置120と同様に、複数の発光画素を
二次元状に並べて構成される二次元画像表示部は、所要
の材料からなる基板155の表面上に、マトリクス状に
3原色LEDモジュール152が形成された構成を有す
る。原色LEDモジュール152は、緑色発光ダイオー
ド153Gと、青色発光ダイオード153Bと、赤色発
光ダイオード153Rとからなる構成とされ、1つの発
光画素を構成する。緑色発光ダイオード153Gと、青
色発光ダイオード153Bと、赤色発光ダイオード15
3Rはそれぞれ直径0.3mm以内の範囲に並べられ
る。3原色LEDモジュール152は、1mmピッチの
間隔で配され、水平方向と垂直方向で1024個×10
00個のアレイを構成する。
【0082】このような基板155とマトリクス状に配
列された3原色LEDモジュール152とからなる二次
元画像表示部は、波面制御部を構成する液晶装置部15
8に対向する。液晶装置部158は一対の対向する透明
基板151、157に挟まれた液晶層156を有し、液
晶層156に印加する電圧を調整することで、レンズと
して機能する波面制御領域154が形成される。波面制
御領域154は、本例においては、複数の発光画素に亘
るような大きな領域とされ、3原色LEDモジュール1
52の駆動方式に合わせてレンズを駆動しなが構成する
ように制御される。レンズとして機能する波面制御領域
154が大きなサイズであることから、当該表示装置を
見る者の両眼視差を大きくとることが可能である。
【0083】このような波面制御型表示装置150は、
図15、図16の波面制御型表示装置120と同様に、
レンズの焦点距離をf、レンズと前記二次元画像表示部
の間の距離をs、レンズの直径をD、両眼の間の距離を
E、当該表示装置を見る者と当該表示装置の間の距離を
yとすると、前記式3すなわちfs(E+D)≦ Dy
(s−f)を満足するように制御される。液晶レンズ構
造を用いるため、結像位置を変化させることができ、所
要の立体画像を表示することができる。
【0084】なお、図21、図22の波面制御型表示装
置150では、前記二次元画像表示部の発光手段を発光
ダイオードのアレイとしているが、液晶表示装置や陰極
線管などの他の表示装置を使用しても良いことも、前述
の図15、図16の波面制御型表示装置120と同様で
ある。
【0085】次に、図23から図31を参照して、見る
者に対しての表示画面を大きくする手段の例について説
明する。
【0086】図23及び図24はドーム型の波面制御型
表示装置を構成した場合の図である。当該表示装置の表
示部182は、中空なドーム状であり、その内部に見る
者181が入ることのできるサイズに形成される。その
表示部182の内側のディスプレイ表面183には、液
晶レンズで構成された波面制御部がドーム状の内壁を構
成するように形成され、その背面側に同じくドーム状の
二次元表示装置が形成されている。この二次元表示装置
としては、発光画素が例えば半導体発光素子からなる発
光ダイオードアレイ構造であっても良く、その他のディ
スプレイ、例えば液晶表示装置(LCD)、有機エレク
トロルミネセント(EL)表示装置、電界発光(Field
Emission)表示装置、プラズマ・ディスプレイ・パネ
ル(PDP)表示装置、エレクトロクロミック表示装
置、蛍光表示管を用いた表示装置、陰極線管(CRT)
を用いた表示装置などの種々の表示装置などであっても
良い。このような構造のドーム型の波面制御型表示装置
においては、見る者181が中心に居て立体画像を見る
ことができ、効率良く両眼視差を得ることができると言
う利点も得られる。また、ドーム型の変形例として、水
平方向に曲率を有する円筒形や蒲鉾型などの形状であっ
ても良い。
【0087】また、表示部の形状が平面であっても、図
25に示すように光軸を傾けることで光線を人が居ると
ころに集めることができる。図25はその平面型表示装
置の模式図であり、略平面状の画面表示部161は複数
の発光点162をその表面に配列させた構造を有してい
る。これに対する波面制御部としてレンズ163が設け
られるが、その発光点162とレンズ163の位置関係
は、レンズ163の中心点が見る者164と複数の発光
点162を結ぶ線上に位置するように制御される。略平
面状の画面表示部161の周辺部側にあるレンズ163
ほど発光点162からの位置ずれが大きくなる。周辺部
に行くほどレンズの焦点距離が中央部分とは異なってく
るため、それを補正するような信号処理を行っても良
い。また、見る者164の位置を検知して、その位置に
集光するような装置を構成することも可能である。
【0088】図26の波面制御型表示装置は、図25の
表示装置の変形例であり、、略平面状の画面表示部17
1は複数の発光点172をその表面に配列させた構造を
有しているが、レンズ173が周辺部では大きく傾けら
れる例である。見る者174は光学的な有効画角を広く
とらえることができ、特に立体視を図る場合に有利であ
る。
【0089】図27乃至図30はプロジェクション型表
示装置の例である。図27は平面鏡190を配した例で
あり、三次元画像を表示する波面制御型表示装置191
からの光線は平面鏡190の表面で反射して見る者19
2の目に至る。平面鏡190で三次元画像の光線を反射
した場合であっても、奥行き感は失われることなく見る
者192に届くことになる。
【0090】図28のプロジェクション型表示装置の例
は、凹面鏡200を用いた例である。三次元画像を表示
する波面制御型表示装置201からの光線は凹面鏡20
0の表面で反射して見る者202の目に至る。凹面鏡2
00の場合には、光を集光させることが可能である。
【0091】図29、図30はプロジェクション型表示
装置の他の例である。鏡210は小さなマトリクス状に
配列される微小ミラー211によって構成される。平面
板212の手前に配置された複数の微小ミラー211は
図示しないアクチュエーターによって向きを変えること
ができ、三次元画像を表示する波面制御型表示装置21
3からの光線を任意の位置に集光させることが可能であ
る。この場合、見る者214の位置も微小ミラー211
の集光位置に対応して自由に選択でき、また、各微小ミ
ラー211を連続的に作動させることにより、多数の人
が同時に見ることも可能となる。
【0092】図31はパーソナルドーム型の波面制御型
表示装置の例である。見る者221の頭を覆う形状の表
示装置220を構成し、見る者221は当該表示装置2
20の下部側の端部222より頭部を表示装置220の
内部に挿入して、三次元画像を見ることができる。この
ような構造の波面制御型表示装置においては、例えば2
0インチ以下の小さい平面型ディスプレイを50センチ
メートル以内の至近距離で見ることで、実質的に50イ
ンチ以上のディスプレイを数メートル離れて見るのと同
じ体験が得られることになる。当該波面制御型表示装置
においては、製造コストを抑えることができ、視野角が
広がり大画面と同様な臨場感を与えることができる。な
お、パーソナルドーム型は、半球状や釣鐘状の形状に限
定されず、円筒状や曲面状であっても良い。
【0093】
【発明の効果】本発明の波面制御型表示装置によれば、
レンズなどの波面制御領域は複数個の発光画素の発光領
域に対応することから、広い領域に亘って制御すること
になり、このような広い領域について波面制御すること
によって両眼視差が得られ易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波面制御型表示装置の一例を示すブロ
ック図である。
【図2】両眼視差を説明するための模式図である。
【図3】レンズの直径と最大飛び出し距離の関係を示す
図である。
【図4】本発明の波面制御型表示装置の一例における発
光点が移動する点順次駆動方式を説明するための模式図
である。
【図5】前記点順次駆動方式での走査方法を示す模式図
である。
【図6】本発明にかかる波面制御型表示装置の擬似的な
線順次駆動方式を説明するための模式図である。
【図7】本発明にかかる波面制御型表示装置の線順次駆
動方式を説明するための模式図である。
【図8】本発明にかかる波面制御型表示装置の微小区画
内の点順次駆動方式を説明するための模式図である。
【図9】本発明にかかる波面制御型表示装置の液晶レン
ズ構造を示す図であり、(a)は波面制御部の断面図で
あり、(b)は波面制御部の平面図である。
【図10】本発明にかかる波面制御型表示装置の液晶レ
ンズ構造を示す断面図である。
【図11】本発明にかかる波面制御型表示装置の多層構
造の波面制御部を示す断面図である。
【図12】本発明にかかる波面制御型表示装置の液晶レ
ンズ構造であって、(a)は電極構造及び屈折率分布を
示す平面図であり、(b)は屈折率分布を示す断面図で
ある。
【図13】本発明にかかる波面制御型表示装置の凹面鏡
を用いた構造を示す模式図である。
【図14】本発明にかかる撮像再生方法を説明する図で
あって、(a)は撮像時のレイアウトであり、(b)は
再生時のレイアウトである。
【図15】本発明にかかる波面制御型表示装置の一例の
概略的な平面図である。
【図16】図15に示した波面制御型表示装置の例の概
略的な断面図である。
【図17】本発明にかかる波面制御型表示装置の他の一
例の概略的な平面図である。
【図18】図17に示した波面制御型表示装置の例の概
略的な断面図である。
【図19】本発明にかかる波面制御型表示装置のさらに
他の一例の概略的な平面図である。
【図20】図19に示した波面制御型表示装置の一例の
概略的な断面図である。
【図21】本発明にかかる波面制御型表示装置のまた更
に他の一例の概略的な平面図である。
【図22】図21に示した波面制御型表示装置の例の概
略的な断面図である。
【図23】本発明にかかるドーム型波面制御型表示装置
の例を示す斜視図である。
【図24】本発明にかかるドーム型波面制御型表示装置
の他の例を示す断面図である。
【図25】本発明にかかる平面型波面制御型表示装置の
例を示す模式図である。
【図26】本発明にかかる平面型波面制御型表示装置の
他の例を示す模式図である。
【図27】本発明にかかるプロジェクション型波面制御
型表示装置の例を示す断面図である。
【図28】本発明にかかるプロジェクション型波面制御
型表示装置の他の例を示す断面図である。
【図29】本発明にかかるプロジェクション型波面制御
型表示装置のさらに他の例の鏡部分を示す斜視図であ
る。
【図30】図29のプロジェクション型波面制御型表示
装置の例を示す断面図である。
【図31】本発明にかかるパーソナルドーム型波面制御
型表示装置の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 二次元画像表示部 12 波面制御部 13 二次元画像表示部駆動回路 14 波面制御部駆動回路 15 波面制御領域 16 微小セル 20 発光ダイオード 21 レンズ 24 発光点 31 発光点 32 波面制御領域 33 非発光点 41 発光点 42 波面制御領域 43 非発光点 51 発光点 52 波面制御領域 53 非発光点 61 波面制御部 62 微小セル 63 透明電極 64 透明電極 65 液晶層 71 波面制御部 81 下側基体 82 上側基体 83 下側透明電極 84 上側透明電極 85 液晶層 86 中間層 91 下側透明電極 92 上側透明電極 96 波面制御領域 101 発光点 102 凹面鏡 103 圧電素子 120 波面制御型表示装置 121 制御パネル 122 三原色LEDモジュール 124 レンズ 125 基板 130 波面制御型表示装置 132 三原色LEDモジュール 134 第1レンズ 135 第2レンズ 136 基板 140 波面制御型表示装置 142 三原色LEDモジュール 144 波面制御領域 150 波面制御型表示装置 152 三原色LEDモジュール 154 波面制御領域 161 画面表示部 171 画面表示部 182 表示部 190 平面鏡 191 波面制御型表示装置 200 凹面鏡 201 波面制御型表示装置 210 鏡 213 波面制御型表示装置 220 表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 13/04 H04N 13/04 15/00 15/00 (72)発明者 新井 道夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2H059 AA33 AB13 2H088 EA05 EA42 HA25 5C006 AC02 AC09 BB12 EC12 5C061 AA06 AA25 AB11 AB14 AB16 5C080 AA10 BB05 DD07 FF12 JJ01 JJ02 JJ06 KK43

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発光画素を二次元状に並べて構成
    される二次元画像表示部と、前記二次元画像表示部に対
    向して配置され表示すべき画像情報についての奥行き情
    報に基づき複数個の前記発光画素の発光領域に対応した
    前記二次元画像表示部からの表示波面を同時に波面制御
    する波面制御領域を走査する波面制御部とからなること
    を特徴とする波面制御型表示装置。
  2. 【請求項2】 前記波面制御部は液晶レンズ構造を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の波面制御型表示装
    置。
  3. 【請求項3】 前記液晶レンズ構造は微小液晶セルをマ
    トリクス状に配列し、且つ前記微小液晶セルの屈折率を
    変化させることを特徴とする請求項2記載の波面制御型
    表示装置。
  4. 【請求項4】 前記屈折率が変化する微小液晶セルは、
    前記波面制御領域内の前記微小液晶セルに隣接するセル
    間で段階的に変化する電圧を印加することにより前記液
    晶レンズ構造を呈することを特徴とする請求項3記載の
    波面制御型表示装置。
  5. 【請求項5】 前記液晶レンズ構造は複数の液晶層が積
    層された積層構造を有することを特徴とする請求項2記
    載の波面制御型表示装置。
  6. 【請求項6】 前記波面制御部の波面制御領域は線順次
    駆動されることを特徴とする請求項1記載の波面制御型
    表示装置。
  7. 【請求項7】 前記線順次駆動される前記波面制御領域
    は垂直方向よりも水平方向が長くなる領域とされること
    を特徴とする請求項1記載の波面制御型表示装置。
  8. 【請求項8】 前記波面制御部の波面制御領域は点順次
    駆動されることを特徴とする請求項1記載の波面制御型
    表示装置。
  9. 【請求項9】 前記波面制御部の波面制御領域は、前記
    二次元画像表示部の表示面を区分した微小区分内の発光
    画素に対応して点順次駆動されることを特徴とする請求
    項8記載の波面制御型表示装置。
  10. 【請求項10】 複数の発光画素を二次元状に並べて構
    成される二次元画像表示部と、前記二次元画像表示部に
    対向して配置され表示すべき画像情報についての奥行き
    情報に基づき前記二次元画像表示部からの表示波面を同
    時に波面制御する波面制御部とを有し、前記波面制御部
    は複数の凹面鏡と、奥行き情報に基づきこれら凹面鏡の
    反射波面を制御する凹面鏡制御部とを有することを特徴
    とする波面制御型表示装置。
  11. 【請求項11】 前記凹面鏡制御部は各凹面鏡の鏡面の
    曲率を変化させることで、反射波面を制御することを特
    徴とする請求項10記載の波面制御型表示装置。
  12. 【請求項12】 複数の発光画素を二次元状に並べて構
    成される二次元画像表示部と、前記二次元画像表示部に
    対向して配置され表示すべき画像情報についての奥行き
    情報に基づき複数個の前記発光画素の発光領域に対応し
    た前記二次元画像表示部からの表示波面を同時に波面制
    御する波面制御領域を走査する波面制御部とを有し、前
    記波面制御領域の焦点距離をf、前記波面制御領域と前
    記二次元画像表示部の間の距離をs、前記波面制御領域
    の径をD、両眼の間の距離をE、当該表示装置を見る者
    と当該表示装置の間の距離をyとすると、 式 fs(E+D)≦ Dy(s−f) を満たすことを特徴とする波面制御型表示装置。
  13. 【請求項13】 撮像時に被写体についての画像情報と
    共に該被写体までの距離情報を信号化し、再生時に前記
    画像情報とともに前記距離情報の値に応じた画像飛び出
    し距離を算出し、その算出された画像飛び出し距離に応
    じて波面制御を行うことを特徴とする撮像再生方法。
  14. 【請求項14】 前記画像飛び出し距離は再生装置側の
    操作によって可変とされることを特徴する請求項13記
    載の撮像再生方法。
  15. 【請求項15】 複数の発光画素を二次元状に並べて構
    成される二次元画像表示部と、前記二次元画像表示部に
    対向して配置され、表示すべき画像情報についての奥行
    き情報に基づき前記二次元画像表示部からの表示波面を
    波面制御する波面制御領域と前記奥行き情報に基づき前
    記二次元画像表示部からの表示波面を波面制御しない非
    波面制御領域とを有する波面制御部とからなることを特
    徴とする波面制御型表示装置。
  16. 【請求項16】 複数の発光画素を二次元状に並べて構
    成される二次元画像表示部と、前記二次元画像表示部に
    対向して配置され、表示すべき画像情報についての奥行
    き情報に基づき前記二次元画像表示部からの表示波面を
    波面制御する第1の波面制御領域と前記奥行き情報に基
    づき前記二次元画像表示部からの表示波面を前記第1の
    波面制御領域とは異なる制御で波面制御する第2の波面
    制御領域とを有する波面制御部とからなることを特徴と
    する波面制御型表示装置。
  17. 【請求項17】 画像情報と共に奥行き情報に基づく表
    示画面の波面制御を行う波面制御型表示装置において、
    前記表示装置の表示部は略球体若しくは略円筒体の一部
    となる形状を有することを特徴とする波面制御型表示装
    置。
  18. 【請求項18】 画像情報と共に奥行き情報に基づく表
    示画面の波面制御を行う波面制御型表示装置において、
    複数の発光画素を二次元状に並べて構成される二次元画
    像表示部と、前記二次元画像表示部に対向して配置され
    表示すべき画像情報についての奥行き情報に基づき複数
    個の前記発光画素の発光領域に対応した前記二次元画像
    表示部からの表示波面を同時に波面制御する波面制御領
    域を走査する波面制御部とを有し、前記波面制御領域の
    法線方向は対応する前記発光画素の発光領域の光軸方向
    と角度を有するように制御されることを特徴とする波面
    制御型表示装置。
  19. 【請求項19】 複数の発光画素を二次元状に並べて構
    成される二次元画像表示部と、前記二次元画像表示部に
    対向して配置され表示すべき画像情報についての奥行き
    情報に基づき複数個の前記発光画素の発光領域に対応し
    た前記二次元画像表示部からの表示波面を同時に波面制
    御する波面制御領域を走査する波面制御部と、前記波面
    制御部からの表示波面を反射する鏡とを有することを特
    徴とする波面制御型表示装置。
  20. 【請求項20】 前記鏡は平面状若しくは曲面状である
    ことを特徴とする請求項19記載の波面制御型表示装
    置。
  21. 【請求項21】 前記鏡はマトリクス状に配列された複
    数の小鏡部からなり、各小鏡部の反射方向がそれぞれ制
    御されることを特徴とする請求項19記載の波面制御型
    表示装置。
  22. 【請求項22】 複数の発光画素を使用者の頭部を覆う
    ドーム状若しくは円筒状に並べて構成される二次元画像
    表示部と、前記二次元画像表示部に対向して配置され表
    示すべき画像情報についての奥行き情報に基づき複数個
    の前記発光画素の発光領域に対応した前記二次元画像表
    示部からの表示波面を同時に波面制御する波面制御領域
    を走査する波面制御部と有することを特徴とする波面制
    御型表示装置。
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